JPH10316694A - 遷移金属化合物、それを用いた重合用触媒及び該重合 用触媒を用いた重合体の製造方法 - Google Patents

遷移金属化合物、それを用いた重合用触媒及び該重合 用触媒を用いた重合体の製造方法

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JPH10316694A
JPH10316694A JP1671898A JP1671898A JPH10316694A JP H10316694 A JPH10316694 A JP H10316694A JP 1671898 A JP1671898 A JP 1671898A JP 1671898 A JP1671898 A JP 1671898A JP H10316694 A JPH10316694 A JP H10316694A
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compound
group
transition metal
metal compound
catalyst
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Application number
JP1671898A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Inoue
哲也 井上
Masahiko Kuramoto
正彦 蔵本
Satoru Ikeuchi
哲 池内
Kiyohiko Yokota
清彦 横田
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エチレン性不飽和結合含有化合物重合体、特
に高度のシンジオタクチック構造を有するスチレン系重
合体(SPS)を高活性で製造する方法の提供。 【解決手段】(i)(A)一般式 RMXa-1 b 〔式
中、Rはテトラヒドロペンタレニル基類を示す。Mは遷
移金属、Xはσ配位子を示す。Lはルイス塩基、aはM
の価数、bは0,1又は2を示す。〕で表される遷移金
属化合物。(ii) 上記(A)と、(B)(イ)酸素含有
化合物及び/又は(ロ)遷移金属化合物と反応してイオ
ン性の錯体を形成しうる化合物と、必要に応じて用いら
れる(C)アルキル化剤からなるエチレン性不飽和結合
含有化合物の重合用触媒。(iii)該触媒を用いる重合
体、特にSPSの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遷移金属化合物、
特にエチレン性不飽和結合含有化合物の重合用触媒、特
にスチレン類重合用触媒の成分として有用な遷移金属化
合物、それを用いた重合用触媒及び該触媒を用いた重合
体を低いコストで効率よく製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレン類やポリプロピレン類など
のオレフィン系重合体は、チーグラー・ナッタ触媒を基
本とする触媒系を用いて製造されることが知られている
が、近年、π配位子を有し、該π配位子と中心金属元素
とが任意の基を介して結合してなる遷移金属化合物を触
媒成分とする重合用触媒、いわゆるメタロセン触媒を用
いて、オレフィン系重合体を製造することが様々に試み
られている。そして、π配位子として、インデニル基や
フルオレニル基のような芳香環を含む縮合多環式シクロ
ペンタジエニル基である遷移金属化合物を含有する触媒
も種々提案されてはいる。例えば、インデニル基をπ配
位子として有する遷移金属化合物とアルミノキサンとを
組み合わせた触媒を用いることにより、シンジオタクチ
ック構造を有するスチレン系重合体が得られること(特
開平1−294705号公報)や、π配位子として、シ
クロペンタジエニル基が縮合結合している多員環の少な
くとも一つが飽和環である縮合多環式シクロペンタジエ
ニル基を有する特定構造の遷移金属化合物(特開平7−
247307号公報)等である。
【0003】しかしながら、それらにおいて具体的に開
示されている内容では、その活性について充分に満足し
うるものが得られていないのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる状況
下で、(i)エチレン性不飽和結合含有化合物の重合用
触媒の成分として有用な新規な遷移金属化合物、(ii)
該化合物を含有する高活性のエチレン性不飽和結合含有
化合物の重合用触媒、及び(iii)この重合用触媒を用い
て、エチレン性不飽和結合含有化合物の重合体、特に高
度のシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体
を低いコストで効率よく製造する方法を提供することを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、(i)π配位
子として、シクロペンタジエニル基類が縮合結合してい
る多員環が飽和5員環である遷移金属化合物が、エチレ
ン性不飽和結合含有化合物の重合用触媒、特にスチレン
類の重合用触媒の成分として有用であること、(ii)こ
の遷移金属化合物と、酸素含有化合物及び/又は遷移金
属化合物と反応してイオン性の錯体を形成しうる化合
物、及び必要に応じて用いられるアルキル化剤からなる
重合用触媒が高活性を有し、エチレン性不飽和結合含有
化合物を効率よく重合しうること、特に、上記の重合用
触媒を用いてスチレン類を重合させることにより、高度
のシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体が
低いコストで効率よく得られることを見出した。本発明
は、かかる知見に基づいて完成したものである。
【0006】すなわち、本発明は、以下を提供するもの
である。 (1)一般式(I) RMXa-1 b ・・・(I) 〔式中、Rは下記一般式(II)で表されるテトラヒドロ
ペンタレニル基類、特に下記一般式(III)で表される
1,3位にメチル基をもつ1,3−ジメチルテトラヒド
ロペンタレニル基、又は下記一般式(IV) で表される
1,2位にメチル基をもつ1,2−ジメチルテトラヒド
ロペンタレニル基(IV) を示す。Mは遷移金属、Xはσ
配位子を示し、複数のXはたがいに同一でも異なってい
てもよく、また、互いに任意の基を介して結合していて
もよい。Lはルイス塩基、aはMの価数、bは0,1又
は2を示し、Lが複数の場合、各Lは互いに同一でも異
なっていてもよい。〕で表されることを特徴とする遷移
金属化合物。
【0007】
【化3】
【0008】〔式中、R1 は、水素原子,ハロゲン原
子,炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基,炭素数6〜2
0の芳香族炭化水素基,炭素数1〜20のアルコキシ
基,炭素数6〜20のアリーロキシ基,炭素数3〜20
の又はアルキルシリル基を示し、それぞれ同一でも異な
っていてもよい。〕
【0009】
【化4】
【0010】(2)(A)上記(1)に記載の遷移金属
化合物と、(B)(イ)酸素含有化合物及び/又は
(ロ)遷移金属化合物と反応してイオン性の錯体を形成
しうる化合物と、必要に応じて用いられる(C)アルキ
ル化剤からなるエチレン性不飽和結合含有化合物の重合
用触媒。 (3)上記(2)に記載の重合用触媒を用いるエチレン
性不飽和結合含有化合物重合体、特に高度のシンジオタ
クチック構造を有するスチレン系重合体の製造方法。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて詳しく説明する。 1.遷移金属化合物 本発明の遷移金属化合物は、一般式(I) RMXa-1 b ・・・(I) 〔式中、Rは下記一般式(II)で表されるテトラヒドロ
ペンタレニル基類を示す。Mは遷移金属、Xはσ配位子
を示し、複数のXはたがいに同一でも異なっていてもよ
く、また、互いに任意の基を介して結合していてもよ
い。Lはルイス塩基、aはMの価数、bは0,1又は2
を示し、Lが複数の場合、各Lは互いに同一でも異なっ
ていてもよい。〕で表される遷移金属化合物である。
【0012】
【化5】
【0013】〔式中、R1 は、水素原子,ハロゲン原
子,炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基,炭素数6〜2
0の芳香族炭化水素基,炭素数1〜20のアルコキシ
基,炭素数6〜20のアリーロキシ基,又は炭素数3〜
20のアルキルシリル基を示し、それぞれ同一でも異な
っていてもよい。〕 具体的には、Rとしては、テトラヒドロペンタレニル
基,1−メチルテトラヒドロペンタレニル基,2−メチ
ルテトラヒドロペンタレニル基,1,2−ジメチルテト
ラヒドロペンタレニル基,1,3−ジメチルテトラヒド
ロペンタレニル基,1,2,3−トリメチルテトラヒド
ロペンタレニル基が挙げられるが、中でも、下記一般式
(III)で表される、1,3位にメチル基をもつ1,3−
ジメチルテトラヒドロペンタレニル基や下記一般式(I
V) で表される、1,2位にメチル基をもつ1,2−ジ
メチルテトラヒドロペンタレニル基が好ましく用いられ
る。
【0014】
【化6】
【0015】Mは遷移金属化合物で、チタン,ジルコニ
ウム,ハフニウム,ランタノイド系金属,ニオブ,タン
タルなどが挙げられるが、これらの中で、触媒活性の点
からチタンが好適である。また、Xはσ配位子を示し、
具体的には水素原子,ハロゲン原子,炭素数1〜20の
脂肪族炭化水素基,炭素数6〜20の芳香族炭化水素
基,炭素数1〜20のアルコキシ基,炭素数6〜20の
アリーロキシ基,炭素数3〜20のアルキルシリル基な
どが挙げられ、複数のXはたがいに同一でも異なってい
てもよく、またたがいに任意の基を介して結合していて
もよい。さらに、このXの具体例としては、水素原子,
塩素原子,臭素原子,フッ素原子,ヨウ素原子,メチル
基,ベンジル基,フェニル基,トリメチルシリルメチル
基,メトキシ基,エトキシ基,フェノキシ基などを挙げ
ることができる。Lはルイス塩基を示し、aはMの価
数,bは0,1又は2である。
【0016】前記一般式(I)で表される遷移金属化合
物としては、上記例示のR1 及びXの中から、それぞれ
任意に選択されたものを含む化合物を用いることができ
る。該一般式(I)で表される遷移金属化合物として
は、例えば、テトラヒドロペンタレニルチタントリクロ
リド,テトラヒドロペンタレニルチタントリメトキシ
ド,テトラヒドロペンタレニルチタントリメチル,テト
ラヒドロペンタレニルチタントリベンジル,1−メチル
テトラヒドロペンタレニルチタントリクロリド,1−メ
チルテトラヒドロペンタレニルチタントリメトキシド,
1−メチルテトラヒドロペンタレニルチタントリメチ
ル,1−メチルテトラヒドロペンタレニルチタントリベ
ンジル,2−メチルテトラヒドロペンタレニルチタント
リクロリド,2−メチルテトラヒドロペンタレニルチタ
ントリメトキシド,2−メチルテトラヒドロペンタレニ
ルチタントリメチル,2−メチルテトラヒドロペンタレ
ニルチタントリベンジル、1,2−ジメチルテトラヒド
ロペンタレニルチタントリクロリド、1,2−ジメチル
テトラヒドロペンタレニルチタントリメトキシド、1,
2−ジメチルテトラヒドロペンタレニルチタントリメチ
ル、1,2−ジメチルテトラヒドロペンタレニルチタン
トリベンジル、1,3−ジメチルテトラヒドロペンタレ
ニルチタントリクロリド、1,3−ジメチルテトラヒド
ロペンタレニルチタントリメトキシド、1,3−ジメチ
ルテトラヒドロペンタレニルチタントリメチル、1,3
−ジメチルテトラヒドロペンタレニルチタントリベンジ
ル、1,2,3−トリメチルテトラヒドロペンタレニル
チタントリクロリド、1,2,3−トリメチルテトラヒ
ドロペンタレニルチタントリメトキシド、1,2,3−
トリメチルテトラヒドロペンタレニルチタントリメチ
ル、1,2,3−トリメチルテトラヒドロペンタレニル
チタントリベンジルなど、及びこれらの化合物における
チタニウムを、ジルコニウム又はハフニウムに置換した
もの、あるいは他の族又はランタノイド系列の遷移金属
元素の類似化合物を挙げることができるが、もちろんこ
れらに限定されるものではない。これらの中で触媒活性
の点からチタニウム化合物が好適である。 2.重合用触媒 (1)触媒成分 (A)成分である遷移金属化合物については、前記のと
おりである。 (B)成分 以下に示す、(イ)酸素含有化合物及び/又は(ロ)遷
移金属化合物と反応してイオン性の錯体を形成しうる化
合物である。 (イ)成分の酸素含有化合物 下記一般式(V)で表される化合物
【0017】
【化7】
【0018】及び/又は一般式(VI)
【0019】
【化8】
【0020】で表される酸素含有化合物である。上記一
般式(V) 及び(VI)において、R2 〜R8 はそれぞれ炭
素数1〜8のアルキル基を示し、具体的にはメチル基,
エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,各種ブチ
ル基,各種ペンチル基,各種ヘキシル基,各種ヘプチル
基,各種オクチル基が挙げられる。R2 〜R6 はたがい
に同一でも異なっていてもよく、R7 及びR8 はたがい
に同一でも異なっていてもよい。Y1 〜Y5 はそれぞれ
周期律表13族元素を示し、具体的にはB,Al,G
a,In及びTlが挙げられるが、これらの中でB及び
Alが好適である。Y1 〜Y3 はたがいに同一でも異な
っていてもよく、Y4 及びY5 はたがいに同一でも異な
っていてもよい。また、a〜dはそれぞれ0〜50の数
であるが、(a+b)及び(c+d)はそれぞれ1以上
である。a〜dとしては、それぞれ1〜20の範囲が好
ましく、特に1〜5の範囲が好ましい。
【0021】このような触媒成分として用いる酸素含有
化合物としては、アルキルアルミノキサンが好ましい。
具体的な好適例としては、メチルアルミノキサンやイソ
ブチルアルミノキサンが挙げられる。 (ロ)遷移金属化合物と反応してイオン性の錯体を形成
しうる化合物 遷移金属化合物と反応してイオン性の錯体を形成しうる
化合物としては、複数の基が金属に結合したアニオンと
カチオンとからなる配位錯化合物又はルイス酸を挙げる
ことができる。複数の基が金属に結合したアニオンとカ
チオンとからなる配位錯化合物としては様々なものがあ
るが、例えば下記一般式(VII)又は(VIII)で表される
化合物を好適に使用することができる。
【0022】 (〔L1 −H〕g+h (〔M2 1 2 ・・・Xn (n-m)-i ・・・(VII) (〔L2 g+h (〔M3 1 2 ・・・Xn (n-m)-i ・・・(VIII) 〔式(VII)又は(VIII)中、L2 は後述のM4 ,R9
105 又はR11 3 Cであり、L1 はルイス塩基、M2
びM3 はそれぞれ周期律表の5族〜15族から選ばれる
金属、M4 は周期律表の1族及び8族〜12族から選ば
れる金属、M5 は周期律表の8族〜10族から選ばれる
金属、X1 〜Xn はそれぞれ水素原子,ジアルキルアミ
ノ基,アルコキシ基,アリールオキシ基,炭素数1〜2
0のアルキル基,炭素数6〜20のアリール基,アルキ
ルアリール基,アリールアルキル基,置換アルキル基,
有機メタロイド基又はハロゲン原子を示す。R9 及びR
10はそれぞれシクロペンタジエニル基,置換シクロペン
タジエニル基,インデニル基又はフルオレニル基、R11
はアルキル基を示す。mはM2 ,M3 の原子価で1〜7
の整数、nは2〜8の整数、gはL1 −H,L2 のイオ
ン価数で1〜7の整数、hは1以上の整数,i=h×g
/(n−m)である。〕 M2 及びM3 の具体例としてはB,Al,Si,P,A
s,Sbなどの各原子、M4 の具体例としてはAg,C
u,Na,Liなどの各原子、M5 の具体例としてはF
e,Co,Niなどの各原子が挙げられる。X1 〜Xn
の具体例としては、例えば、ジアルキルアミノ基として
ジメチルアミノ基,ジエチルアミノ基など、アルコキシ
基としてメトキシ基,エトキシ基,n−ブトキシ基な
ど、アリールオキシ基としてフェノキシ基,2,6−ジ
メチルフェノキシ基,ナフチルオキシ基など、炭素数1
〜20のアルキル基としてメチル基,エチル基,n−プ
ロピル基,イソプロピル基,n−ブチル基,n−オクチ
ル基,2−エチルヘキシル基など、炭素数6〜20のア
リール基,アルキルアリール基若しくはアリールアルキ
ル基としてフェニル基,p−トリル基,ベンジル基,ペ
ンタフルオロフェニル基,3,5−ジ(トリフルオロメ
チル)フェニル基,4−ターシャリ−ブチルフェニル
基,2,6−ジメチルフェニル基,3,5−ジメチルフ
ェニル基,2,4−ジメチルフェニル基,1,2−ジメ
チルフェニル基など、ハロゲンとしてF,Cl,Br,
I、有機メタロイド基として五メチルアンチモン基,ト
リメチルシリル基,トリメチルゲルミル基,ジフェニル
アルシン基,ジシクロヘキシルアンチモン基,ジフェニ
ル硼素基などが挙げられる。R9 及びR10のそれぞれで
表される置換シクロペンタジエニル基の具体例として
は、メチルシクロペンタジエニル基,ブチルシクロペン
タジエニル基,ペンタメチルシクロペンタジエニル基な
どが挙げられる。
【0023】本発明において、複数の基が金属に結合し
たアニオンとしては、具体的にはB( C6 5)4 - ,B
( C6 HF4)4 - ,B( C6 2 3)4 - ,B( C6
3 2)4 - ,B( C6 4 F)4 - ,B( C6 CF34)
4 - ,B( C6 54 - ,PF6 - ,P( C6 5)6
- ,Al(C6 HF4)4 - などが挙げられる。また、金
属カチオンとしては、Cp2 Fe+ ,(MeCp)2
+ ,(tBuCp) 2 Fe+ ,(Me2 Cp)2 Fe
+ ,(Me3 Cp)2 Fe+ ,(Me4 Cp) 2
+ ,(Me5 Cp)2 Fe+ ,Ag+ , Na+ ,Li
+ などが挙げられ、またその他カチオンとしては、ピリ
ジニウム,2,4−ジニトロ−N,N−ジエチルアニリ
ニウム,ジフェニルアンモニウム,p−ニトロアニリニ
ウム,2,5−ジクロロアニリン,p−ニトロ−N,N
−ジメチルアニリニウム,キノリニウム,N,N−ジメ
チルアニリニウム,N,N−ジエチルアニリニウムなど
の窒素含有化合物、トリフェニルカルベニウム,トリ
(4−メチルフェニル)カルベニウム,トリ(4−メト
キシフェニル)カルベニウムなどのカルベニウム化合
物、CH3 PH3 + ,C2 5 PH3 + ,C3 7 PH
3 + ,(CH3 2 PH2 +,(C2 5 2
2 + ,(C3 7 2 PH2 + ,(CH3 3
+,(C2 5 3 PH +,(C3 7 3 PH +
(CF3 3 PH +,(CH3 4 + ,(C2 5
4 + ,(C3 7 4 + 等のアルキルフォスフォニ
ウムイオン,及びC6 5 PH3 + ,(C6 5 2
2 + ,(C6 5 3 PH+ ,(C6 5 4 +
(C2 5 2 (C6 5 )PH+ ,(CH3 )(C6
5 )PH2 + ,(CH3 2 (C6 5 )PH+
(C2 5 2 (C65 2 + などのアリールフォ
スフォニウムイオンなどが挙げられる。
【0024】一般式(VII)及び(VIII)の化合物の中
で、具体的には、下記のものを特に好適に使用できる。
一般式(VII)の化合物としては、例えばテトラフェニル
硼酸トリエチルアンモニウム,テトラフェニル硼酸トリ
(n−ブチル)アンモニウム,テトラフェニル硼酸トリ
メチルアンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェ
ニル)硼酸トリエチルアンモニウム,テトラキス(ペン
タフルオロフェニル)硼酸トリ(n−ブチル)アンモニ
ウム,ヘキサフルオロ砒素酸トリエチルアンモニウム,
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ピリジニウ
ム,テトラ(ペンタフルオロフェニル)硼酸ピロリニウ
ム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸N,N
−ジメチルアニリニウム,テトラキス(ペンタフルオロ
フェニル)硼酸メチルジフェニルアンモニウムなどが挙
げられる。一方、一般式(VIII)の化合物としては、例
えばテトラフェニル硼酸フェロセニウム,テトラキス
(ペンタフルオロフェニル)硼酸ジメチルフェロセニウ
ム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸フェロ
セニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸
デカメチルフェロセニウム,テトラキス(ペンタフルオ
ロフェニル)硼酸アセチルフェロセニウム,テトラキス
(ペンタフルオロフェニル)硼酸ホルミルフェロセニウ
ム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸シアノ
フェロセニウム,テトラフェニル硼酸銀,テトラキス
(ペンタフルオロフェニル)硼酸銀,テトラフェニル硼
酸トリチル,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼
酸トリチル,ヘキサフルオロ砒素酸銀,ヘキサフルオロ
アンチモン酸銀,テトラフルオロ硼酸銀などが挙げられ
る。
【0025】また、ルイス酸として、例えばB(C6
5)3 ,B(C6 HF4)3 ,B(H23)3,B(C6 3
2)3,B(C6 4 F)3, B(C6 5)3 ,B(C6
34)3 ,PF5,P(C6 5)5 , Al(C6 HF4)
3 なども用いることができる。 本発明の重合用触媒に
おいては、上記(B)成分として、(イ)成分の酸素含
有化合物のみを一種又は二種以上組み合わせて用いても
よく、また(ロ)成分の遷移金属化合物と反応してイオ
ン性の錯体を形成しうる化合物のみを一種又は二種以上
組み合わせて用いてもよい。あるいは、該(イ)成分及
び(ロ)成分を適当に組み合わせて用いてもよい。 (C)アルキル化剤 アルキル化剤としては様々なものがあるが、例えば、一
般式(IX) R12 m Al(OR13) n 3-m-n ・・・(IX) 〔式中、R12及びR13は、それぞれ炭素数1〜8、好ま
しくは1〜4のアルキル基を示し、Xは水素原子あるい
はハロゲン原子を示す。また、mは0<m≦3、好まし
くは2あるいは3、最も好ましくは3であり、nは0≦
n<3、好ましくは0あるいは1である。〕で表わされ
るアルキル基含有アルミニウム化合物や一般式(X) R12 2 Mg ・・・(X) 〔式中、R12は前記と同じである。〕で表わされるアル
キル基含有マグネシウム化合物、さらには一般式(XI) R12 2 Zn ・・・(XI)
〔式中、R12は前記と同じである。〕で
表わされるアルキル基含有亜鉛化合物等が挙げられる。
【0026】これらのアルキル基含有化合物のうち、ア
ルキル基含有アルミニウム化合物、とりわけトリアルキ
ルアルミニウムやジアルキルアルミニウム化合物が好ま
しい。具体的にはトリメチルアルミニウム,トリエチル
アルミニウム,トリn−プロピルアルミニウム,トリイ
ソプロピルアルミニウム,トリn−ブチルアルミニウ
ム,トリイソブチルアルミニウム,トリt−ブチルアル
ミニウム等のトリアルキルアルミニウム、ジメチルアル
ミニウムクロリド,ジエチルアルミニウムクロリド,ジ
n−プロピルアルミニウムクロリド,ジイソプロピルア
ルミニウムクロリド,ジn−ブチルアルミニウムクロリ
ド,ジイソブチルアルミニウムクロリド,ジt−ブチル
アルミニウムクロリド等のジアルキルアルミニウムハラ
イド、ジメチルアルミニウムメトキサイド,ジメチルア
ルミニウムエトキサイド等のジアルキルアルミニウムア
ルコキサイド、ジメチルアルミニウムハイドライド,ジ
エチルアルミニウムハイドライド,ジイソブチルアルミ
ニウムハイドライド等のジアルキルアルミニウムハイド
ライド等があげられる。さらには、ジメチルマグネシウ
ム,ジエチルマグネシウム,ジn−プロピルマグネシウ
ム,ジイソプロピルマグネシウム等のジアルキルマグネ
シウムやジメチル亜鉛,ジエチル亜鉛,ジn−プロピル
エチル亜鉛,ジイソプロピル亜鉛等のジアルキル亜鉛を
あげることができる。 (2)触媒の調製方法 本発明の重合用触媒における(A)成分と(B)成分と
所望により用いられる(C)成分との接触方法として
は、例えば(A)成分と(B)成分との接触混合物
に、(C)成分を加えて触媒とし、重合すべきモノマー
と接触させる方法、(B)成分と(C)成分との接触
混合物に(A)成分を加えて触媒とし、重合すべきモノ
マーと接触させる方法、(A)成分と(C)成分との
接触混合物に(B)成分を加えて触媒とし、重合すべき
モノマーと接触させる方法、重合すべきモノマー成分
に(A),(B),(C)成分を別々に接触させる方
法、重合すべきモノマー成分と(C)成分との接触混
合物に、上記の〜で調製して触媒を接触させる方法
などがある。
【0027】上記(A)成分と(B)成分と所望により
用いられる(C)成分との接触は、重合温度下で行える
ことはもちろん、−20〜200℃の範囲で行うことも
可能である。本発明の重合用触媒は、上記(A)及び
(B)成分、あるいは(A),(B)及び(C)成分の
組合せからなるものであるが、このほかにさらに他の触
媒成分を加えることも可能である。各触媒成分の配合割
合は、各種条件により異なり、一義的には定められない
が、通常、(B)成分が酸素含有化合物の場合、(A)
成分と(B)成分とのモル比は、好ましくは1:1〜
1:10,000、より好ましくは1:1〜1:1,000
の範囲で選ばれ、(B)成分が遷移金属化合物と反応し
てイオン性の錯体を形成しうる化合物、(A)成分と
(B)成分とのモル比は、好ましくは0.1:1〜1:0.
1の範囲で選ばれる。また、(C)成分を用いる場合
は、(A)成分と(C)成分とのモル比は、好ましくは
1:0.1〜1:1,000の範囲で選ばれる。 3.重合体の製造方法 (1)重合に供されるモノマー 本発明の重合用触媒は、エチレン性不飽和結合含有化合
物の重合用として用いられる。エチレン性不飽和結合含
有化合物としては、例えばオレフィン類,ジエン化合
物,スチレン類などが挙げられる。該オレフィン類とし
ては、例えばエチレン;プロピレン;ブテン−1;ペン
テン−1;ヘキセン−1;ヘプテン−1;オクテン−
1;ノネン−1;デセン−1;4−フェニルブテン−
1;6−フェニルヘキセン−1;3−メチルブテン−
1;4−メチルペンテン−1;3−メチルペンテン−
1;3−メチルヘキセン−1;4−メチルヘキセン−
1;5−メチルヘキセン−1;3,3−ジメチルペンテ
ン−1;3,4−ジメチルペンテン−1;4,4−ジメ
チルペンテン−1;ビニルシクロヘキサンなどのα−オ
レフィン、ヘキサフルオロプロペン;テトラフルオロエ
チレン;2−フルオロプロペン;フルオロエチレン;
1,1−ジフルオロエチレン;3−フルオロプロペン;
トリフルオロエチレン;3,4−ジクロロブテン−1な
どのハロゲン置換α−オレフィン、シクロペンテン;シ
クロヘキセン;ノルボルネン;5−メチルノルボルネ
ン;5−エチルノルボルネン;5−プロピルノルボルネ
ン;5,6−ジメチルノルボルネン;1−メチルノルボ
ルネン;7−メチルノルボルネン;5,5,6−トリメ
チルノルボルネン;5−フェニルノルボルネン;5−ベ
ンジルノルボルネンなどの環状オレフィンなどが挙げら
れる。
【0028】また、ジエン化合物としては、例えばブタ
ジエン;イソプレン;1,6−ヘキサジエンなどの鎖状
ジエン化合物、ノルボルナジエン;5−エチリデンノル
ボルネン;5−ビニルノルボルネン;5−ビニルシクロ
ヘキセン;ジシクロペンタジエンなどの環状ジエン化合
物などが挙げられる。そして、スチレン類としては、例
えばスチレンをはじめ、p−メチルスチレン;o−メチ
ルスチレン;m−メチルスチレン;2,4−ジメチルス
チレン;2,5−ジメチルスチレン;3,4−ジメチル
スチレン;3,5−ジメチルスチレン;p−t−ブチル
スチレンなどのアルキルスチレン、p−メトキシスチレ
ン;o−メトキシスチレン;m−メトキシスチレンなど
のアルコキシスチレン、p−クロロスチレン;m−クロ
ロスチレン;o−クロロスチレン;p−ブロモスチレ
ン;m−ブロモスチレン;o−ブロモスチレン;p−フ
ルオロスチレン;m−フルオロスチレン;o−フルオロ
スチレン;o−メチル−p−フルオロスチレンなどのハ
ロゲン化スチレン、さらにはトリメチルシリルスチレ
ン,ビニル安息香酸エステル,ジビニルベンゼンなどが
挙げられる。
【0029】上記単量体は、それぞれ単独で重合させて
もよく、また二種以上を組み合わせて重合させてもよ
い。 (2)重合方法 重合方法としては、塊状重合でもよく、ペンタン,ヘキ
サン,ヘプタンなどの脂肪族炭化水素、シクロヘキサン
などの脂環族炭化水素あるいはベンゼン,トルエン,キ
シレン,エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素溶媒中で
行ってもよい。また、重合温度は特に制限はないが、一
般には0〜200℃、好ましくは20〜100℃であ
る。また、気体状モノマーを使用する際の気体状モノマ
ーの分圧は、一般には300気圧以下、好ましくは30
気圧以下である。 4.スチレン系重合体の製造方法 本発明においては、上記重合用触媒は、特にスチレン系
重合体の製造に使用するのが望ましい。この場合、該重
合用触媒の存在下、スチレン類を単独重合させてもよ
く、二種以上共重合させてもよい。またスチレン類一種
以上と重合性不飽和化合物一種以上とを共重合させても
よい。スチレン類と共重合させる重合性不飽和化合物と
しては、上記のオレフィン類,ジエン化合物などを挙げ
ることができる。
【0030】上記触媒を用いて得られるスチレン系重合
体は、スチレン連鎖部が、高度のシンジオタクチック構
造を有するものである。ここで、スチレン系重合体にお
けるスチレン連鎖部が高度のシンジオタクチック構造と
は、立体化学構造が高度のシンジオタクチック構造、す
なわち炭素−炭素結合から形成される主鎖に対して側鎖
であるフェニル基や置換フェニル基が交互に反対方向に
位置する立体構造を有することを意味し、そのタクティ
シティーは同位体炭素による核磁気共鳴法(13C−NM
R法)により定量される。13C−NMR法により測定さ
れるタクティシティーは、連続する複数個の構成単位の
存在割合、例えば2個の場合はダイアッド,3個の場合
はトリアッド,5個の場合はペンタッドによって示すこ
とができるが、本発明にいう「シンジオタクチック構造
を有するスチレン系重合体」とは、通常はラセミダイア
ッドで75%以上、好ましくは85%以上、若しくはラ
セミペンタッドで30%以上、好ましくは50%以上の
シンジオタクティシティーを有するポリスチレン,ポリ
(置換スチレン),ポリ(ビニル安息香酸エステル)及
びこれらの混合物、あるいはこれらを主成分とする共重
合体を意味する。
【0031】なお、ここでポリ(置換スチレン)として
は、ポリ(メチルスチレン),ポリ(エチルスチレ
ン),ポリ(イソプロピルスチレン),ポリ(ターシャ
リブチルスチレン),ポリ(フェニルスチレン),ポリ
(ビニルスチレン)などのポリ(炭化水素置換スチレ
ン)、ポリ(クロロスチレン),ポリ(ブロモスチレ
ン),ポリ(フルオロスチレン)などのポリ(ハロゲン
化スチレン)、ポリ(メトキシスチレン),ポリ(エト
キシスチレン)などのポリ(アルコキシスチレン)など
がある。これらの中で、特に好ましいスチレン系重合体
としては、ポリスチレン,ポリ(p−メチルスチレ
ン),ポリ(m−メチルスチレン),ポリ(p−ターシ
ャリ−ブチルスチレン),ポリ(p−クロロスチレ
ン),ポリ(m−クロロスチレン),ポリ(p−フルオ
ロスチレン)、さらにはスチレンとp−メチルスチレン
との共重合体、スチレンとp−ターシャリブチルスチレ
ンとの共重合体、スチレンとジビニルベンゼンとの共重
合体を挙げることができる。
【0032】
〔実施例1〕
(1) 1,3−ジメチルテトラヒドロペンタレニルチタン
トリメトキシド(化合物4)の合成 以下に合成スキームを示す。
【0033】
【化9】
【0034】1,3−ジメチルテトラヒドロペンタレ
ン(化合物2)の合成 3−メチル−4,5,6−トリヒドロ−2−ペンタレ
ン−1−オン 18g(132ミリモル)をテトラヒド
ロフラン 300ミリリットルに溶かし、−78℃でメ
チルリチウムの1モルエーテル溶液 126ミリリット
ル(146ミリモル)をゆっくり加えた後、一晩攪拌し
た。水を加えた後、有機層を分離し、エーテル 500
ミリリットルで抽出を行った。合わせた有機層を無水硫
酸マグネシウムで乾燥させた後、ヨウ素(スパチュラ3
杯)を加え一晩放置した。亜硫酸ナトリウム水溶液で洗
浄後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶
媒を減圧留去し、得られた残さをシリカゲルカラムクロ
マトグラフィ(溶出溶媒:ヘキサン)で精製し、目的物
を得た。
【0035】1H−NMR(CDCl3 ): δ3.07
(s,2H),2.6−2.1(m,6H),1.87(s,
6H) 1,3−ジメチルテトラヒドロペンタレニルチタント
リクロリド(化合物3)の合成 で合成した1,3−ジメチルテトラヒドロペンタレン
2.5g(18.7ミリモル)をテトラヒドロフラン 5
0ミリリットルに溶かし、−78℃でn−ブチルリチウ
ムの1.60モルヘキサン溶液 14ミリリットル(22.
4ミリモル)をゆっくり加えた。室温まで昇温し、12
時間攪拌した後、溶媒を除去し、析出した白色固体をヘ
キサンで洗浄し、リチウム塩を得た。これをテトラヒド
ロフラン 80ミリリットルに溶かし、室温で塩化トリ
メチルシリル 2.84g(26.2ミリモル)を加え、一
晩攪拌した。反応溶媒を減圧留去し、ヘキサンで抽出す
ることによりシリル体 2.51g(12.2ミリモル)を
得た。シリル体のトルエン溶液 30ミリリットルを、
四塩化チタン 3.47g(18.3ミリモル)のトルエン
溶液 50ミリリットルに加え、一晩攪拌した。反応溶
液を減圧乾固し、析出した固体をトルエンで再結晶し、
赤色固体のトリクロル体を得た。
【0036】1H−NMR(CDCl3 ): δ6.79
(s,1H),3.4−2.1(m,6H),2.36(s,
6H) 1,3−ジメチルテトラヒドロペンタレニルチタント
リメトキシド(化合物4)の合成 で合成した1,3−ジメチルテトラヒドロペンタレニ
ルチタントリクロリド 2.20g(7.66ミリモル)を
トルエン 100ミリリットルに溶かし、無水メタノー
ル 4.0ミリリットル(158ミリモル)とトリエチル
アミン 11.6ミリリットル(158ミリモル)を加え
た。一晩攪拌した後、反応溶液を減圧乾固し、ヘキサン
で抽出を行った。ヘキサンを減圧下留去し、黄色油状物
のメトキシ体を得た。減圧蒸留により精製した。 1H−
NMR(CDCl3 ): δ5.87(s,1H),4.1
5(s,9H),2.7−2.2(m,6H),2.10
(s,6H) (2) スチレンの重合 50ミリリットルの容器に窒素を導入し、かつ攪拌しなが
らトルエン 8.34ミリリットル、トリイソブチルアル
ミニウムの2モル/リットルトルエン溶液0.25ミリリ
ットル(0.5 mmol)、メチルアルミノキサンの1.49モ
ル/リットルトルエン溶液 1.01ミリリットル(1.5
mmol)、及び上記で合成した1,3−ジメチルテトラ
ヒドロペンタレニルチタントリメトキシドの50ミリモ
ル/リットルトルエン溶液 0.4ミリリットル(0.02
mmol)を加えた。これを混合溶媒と呼ぶ。
【0037】30ミリリットルのガラス瓶にスチレン5ミ
リリットル、及びトリイソブチルアルミニウムの0.5モ
ル/リットルトルエン溶液 0.005ミリリットル(0.0
025mmol)を窒素雰囲気下で加えた。このガラス瓶を5
0℃の温度のオイルバスにセットし、10分後に上記混
合触媒 0.0313ミリリットルを投入した。50℃での
1時間の加熱重合後、オイルバスから取り出し、メタノ
ールで処理した。重合物を取り出し、メタノールで洗浄
した後、200℃,2時間の真空乾燥を行った。収量は
1.24gで、収率は 412 ( kg/gTi) ,〔η〕は
1.68(デシリットル/g)であった。 〔実施例2〕スチレンの重合において、重合温度を70
℃にした以外は、実施例1と同様に行った。収量は0.5
9gで、触媒活性は 197 ( kg/gTi) ,〔η〕は
0.90(デシリットル/g)であった。 〔実施例3〕 (1) 1,2−ジメチルヘキサヒドロペンタレニルチタン
トリクロリド(化合物8)の合成 以下に合成スキームを示す。
【0038】
【化10】
【0039】化合物5の合成 無水テトラヒドロフラン100ミリリットルに、ジイソ
プロピルアミン2.8ミリリットル(27.5ミリモル)を
入れ、−78℃でn−ブチルリチウムの1.6Mヘキサン
溶液17.2ミリリットル(27.5ミリモル)をゆっくり
滴下した。滴下後、0℃に昇温し、40分間攪拌した。
−78℃に冷却し、3−メチル−4,5,6−トリヒド
ロ−2−ペンタレン−1−オン(化合物1)3.4グラ
ム(25ミリモル)を加えた。0℃で50分間攪拌した
後、ヨウ化メチル1.7ミリリットル(27.5ミリモル)
を加え、1時間攪拌した。反応液に水を加え、エーテル
を用いて抽出を行なった。有機層を分離し、エーテル溶
液を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、溶媒を減圧留
去した。得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラ
フィに付して精製し、化合物5を得た。収量は2.6g
で、収率は69.3%であった。
【0040】1H−NMR(CDCl3 ): 2.7−2.
1(m,8H),1.23(d,3H),1.13(d,3
H)。 化合物6の合成 化合物2を21.3g(15.7ミリモル)をメタノール1
00ミリリットルに溶かし、p−トルエンスルホン酸ヒ
ドラジド29.1g(156ミリモル)と12N塩酸5ミ
リリットルを加え、2時間還流した。溶媒を減圧留去
し、得られた固体を冷メタノールで洗浄し、化合物6を
得た。収量は45.0gで、収率は99.6%であった。
【0041】化合物7の合成 化合物3を5.0g(15.7ミリモル)をテトラヒドロフ
ラン200ミリリットルに溶かし、−78℃でsec−
ブチルリチウムの1.0Mシクロヘキサン溶液42.0ミリ
リットル(42.0ミリモル)をゆっくり滴下した。室温
に昇温した後、塩化トリメチルシリル6.0ミリリットル
(47.2ミリモル)を加えた。室温で攪拌した後、溶媒
を減圧留去し、ヘキサンを用いて抽出を行なった。ヘキ
サンを減圧留去し、化合物7を得た。収量は0.60g
で、収率は18.4%であった。
【0042】1,2−ジメチルヘキサヒドロペンタレ
ニルチタントリクロリド(化合物8)の合成 無水トルエン20ミリリットルに四塩化チタン0.51ミ
リリットル(4.65ミリモル)を溶かし、0℃で化合物
7を0.60ミリリットル(2.88ミリモル)のトルエン
溶液10ミリリットルをゆっくり滴下した。室温で攪拌
した後、反応液をろ過した。ろ液を減圧濃縮し、化合物
8を得た。収量は7.4mgで、収率は0.89%であっ
た。
【0043】1H−NMR(CDCl3 ): δ6.4
(s,1H),3.3−2.2(m,6H),2.4(s,3
H),2.3(s,3H)。 (2) スチレンの重合 50ミリリットルの容器に窒素を導入し、トルエン 3.8
ミリリットル、トリイソブチルアルミニウムの2モル/
リットルトルエン溶液 1.0ミリリットル、メチルアル
ミノキサンの1.46モル/リットルトルエン溶液 1.3
7ミリリットル、及び上記で合成した1,2−ジメチ
ルヘキサヒドロペンタレニルチタントリクロリド(化合
物8)の2.61mMトルエン溶液3.83ミリリットルを
加え、室温で攪拌した。これを混合溶媒と呼ぶ。
【0044】30ミリリットルのガラス瓶にスチレン5ミ
リリットル、及びトリイソブチルアルミニウムの0.5モ
ル/リットルトルエン溶液 0.005ミリリットルを窒素
雰囲気下で加えた。このガラス瓶を60℃の温度のオイ
ルバスにセットし、上記混合触媒 0.167ミリリット
ルを加えた。60℃での1時間の加熱重合後、オイルバ
スから取り出し、メタノールで処理した。重合物を取り
出し、メタノールで洗浄した後、乾燥を行った。
【0045】収量は3.03gで、触媒活性は 379 ( kg
/gTi) ,〔η〕は1.44(デシリットル/g)であ
った。 〔比較例1〕スチレンの重合において、チタン錯体をペ
ンタメチルシクロペンタジエニルチタントリクロリドに
した以外は、実施例3と同様に行なった。
【0046】収量は1.866gで、触媒活性は 233 (
kg/gTi) ,〔η〕は2.41(デシリットル/g)で
あった。 〔実施例4〕スチレンの重合において、重合温度を70
℃にした以外は、実施例3と同様に行った。収量は2.2
41gで、触媒活性は 280 ( kg/gTi) ,〔η〕は
1.08(デシリットル/g)であった。
【0047】
【発明の効果】本発明の遷移金属化合物を含有する重合
用触媒は、高活性を有し、エチレン性不飽和結合含有化
合物の重合に好適に用いられる。特に、該重合用触媒を
用いてスチレン類を単独重合又は共重合させることによ
り、残留金属量の少ない高度のシンジオタクチック構造
を有するスチレン系重合体が高活性で効率よく得られ
る。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) RMXa-1 b ・・・(I) 〔式中、Rは下記一般式(II)で表されるテトラヒドロ
    ペンタレニル基類を示す。Mは遷移金属、Xはσ配位子
    を示し、複数のXはたがいに同一でも異なっていてもよ
    く、また、互いに任意の基を介して結合していてもよ
    い。Lはルイス塩基、aはMの価数、bは0,1又は2
    を示し、Lが複数の場合、各Lは互いに同一でも異なっ
    ていてもよい。〕で表されることを特徴とする遷移金属
    化合物。 【化1】 〔式中、R1 は、水素原子,ハロゲン原子,炭素数1〜
    20の脂肪族炭化水素基,炭素数6〜20の芳香族炭化
    水素基,炭素数1〜20のアルコキシ基,炭素数6〜2
    0のアリーロキシ基,又は炭素数3〜20のアルキルシ
    リル基を示し、それぞれ同一でも異なっていてもよ
    い。〕
  2. 【請求項2】 Rが下記一般式(III)又は(IV) で表さ
    れるものである請求項1記載の遷移金属化合物。 【化2】
  3. 【請求項3】 (A)請求項1又は2記載の遷移金属化
    合物と、(B)(イ)酸素含有化合物及び/又は(ロ)
    遷移金属化合物と反応してイオン性の錯体を形成しうる
    化合物からなるエチレン性不飽和結合含有化合物の重合
    用触媒。
  4. 【請求項4】 (A)請求項1又は2記載の遷移金属化
    合物と、(B)(イ)酸素含有化合物及び/又は(ロ)
    遷移金属化合物と反応してイオン性の錯体を形成しうる
    化合物と、(C)アルキル化剤からなるエチレン性不飽
    和結合含有化合物の重合用触媒。
  5. 【請求項5】 請求項3又は4に記載の重合用触媒を用
    いることを特徴とするエチレン性不飽和結合含有化合物
    重合体の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項3又は4に記載の重合用触媒を用
    いてスチレン類又はスチレン類と他の重合性不飽和化合
    物とを重合させることを特徴とするスチレン系重合体の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 スチレン系重合体が高度のシンジオタク
    チック構造を有するものである請求項6記載のスチレン
    系重合体の製造方法。
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