JPH10182714A - 遷移金属化合物、それを用いた重合用触媒及び該重合 用触媒を用いた重合体の製造方法 - Google Patents

遷移金属化合物、それを用いた重合用触媒及び該重合 用触媒を用いた重合体の製造方法

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JPH10182714A
JPH10182714A JP34226396A JP34226396A JPH10182714A JP H10182714 A JPH10182714 A JP H10182714A JP 34226396 A JP34226396 A JP 34226396A JP 34226396 A JP34226396 A JP 34226396A JP H10182714 A JPH10182714 A JP H10182714A
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group
transition metal
compound
metal compound
catalyst
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Application number
JP34226396A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Inoue
哲也 井上
Masahiko Kuramoto
正彦 蔵本
Satoru Ikeuchi
哲 池内
Kiyohiko Yokota
清彦 横田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高活性にて、エチレン性不飽和結合含有化合
物重合体、特に高度のシンジオタクチック構造を有する
スチレン系重合体を高活性で製造する方法の開発。 【解決手段】(i)(A)一般式 RMXa-1 b 〔式
中、Rはヘキサヒドロアズレニル基類を示す。Mは遷移
金属、Xはσ配位子を示し、複数のXはたがいに同一で
も異なっていてもよく、また、互いに任意の基を介して
結合していてもよい。Lはルイス塩基、aはMの価数、
bは0,1又は2を示し、Lが複数の場合、各Lは互い
に同一でも異なっていてもよい。〕で表される遷移金属
化合物。(ii) (A)該遷移金属化合物と、(B)
(イ)酸素含有化合物及び/又は(ロ)遷移金属化合物
と反応してイオン性の錯体を形成しうる化合物と、必要
に応じて用いられる(C)アルキル化剤からなるエチレ
ン性不飽和結合含有化合物の重合用触媒。(iii) 該触媒
を用いるエチレン性不飽和結合含有化合物重合体、特に
高度のシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合
体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、遷移金属化合物、特に
エチレン性不飽和結合含有化合物の重合用触媒、特にス
チレン類重合用触媒の成分として有用な遷移金属化合
物、それを用いた重合用触媒及び該触媒を用いた重合体
を低いコストで効率よく製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレン類やポリプロピレン類など
のオレフィン系重合体は、チーグラー・ナッタ触媒を基
本とする触媒系を用いて製造されることが知られている
が、近年、シクロペンタジエニル基などのπ配位子を有
する遷移金属化合物を触媒成分とする重合用触媒、いわ
ゆるメタロセン触媒を用いて、オレフィン系重合体を製
造することが様々に試みられている。そして、π配位子
として、インデニル基やフルオレニル基のような芳香環
を含む縮合多環式シクロペンタジエニル基である遷移金
属化合物を含有する触媒も種々提案されてはいる。例え
ば、インデニル基をπ配位子として有する遷移金属化合
物とアルミノキサンとを組み合わせた触媒を用いること
により、シンジオタクチック構造を有するスチレン系重
合体が得られること(特開平1−294705号公報)
や、π配位子として、シクロペンタジエニル基が縮合結
合している多員環の少なくとも一つが飽和環である縮合
多環式シクロペンタジエニル基を有する特定構造の遷移
金属化合物(特開平7−247307号公報)等であ
る。
【0003】しかしながら、それらにおいて具体的に開
示されている内容では、その活性について充分に満足し
うるものが得られていないのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる状況
下で、(i)エチレン性不飽和結合含有化合物の重合用
触媒の成分として有用な新規な遷移金属化合物、(ii)
該化合物を含有する高活性のエチレン性不飽和結合含有
化合物の重合用触媒、及び(iii)この重合用触媒を用い
て、エチレン性不飽和結合含有化合物又はアセチレン類
の重合体、特に高度のシンジオタクチック構造を有する
スチレン系重合体を低いコストで効率よく製造する方法
を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、(i)π配位
子として、シクロペンタジエニル基が縮合結合している
多員環が飽和7員環である遷移金属化合物が、エチレン
性不飽和結合含有化合物の重合用触媒、特にスチレン類
の重合用触媒の成分として有用であること、(ii)この
遷移金属化合物と、酸素含有化合物及び/又は遷移金属
化合物と反応してイオン性の錯体を形成しうる化合物、
及び必要に応じて用いられるアルキル化剤からなる重合
用触媒が高活性を有し、エチレン性不飽和結合含有化合
物を効率よく重合しうること、特に、上記の重合用触媒
を用いてスチレン類を重合させることにより、高度のシ
ンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体が低い
コストで効率よく得られることを見出した。本発明は、
かかる知見に基づいて完成したものである。
【0006】すなわち、本発明は、(i)一般式(I) RMXa-1 b ・・・(I) 〔式中、Rは下記一般式(II)で表されるヘキサヒドロ
アズレニル基類を示す。Mは遷移金属、Xはσ配位子を
示し、複数のXはたがいに同一でも異なっていてもよ
く、また、互いに任意の基を介して結合していてもよ
い。Lはルイス塩基、aはMの価数、bは0,1又は2
を示し、Lが複数の場合、各Lは互いに同一でも異なっ
ていてもよい。〕で表されることを特徴とする遷移金属
化合物
【0007】
【化4】
【0008】〔式中、R1 は、水素原子,ハロゲン原
子,炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基,炭素数6〜2
0の芳香族炭化水素基,炭素数1〜20のアルコキシ
基,炭素数6〜20のアリーロキシ基,又はアルキルシ
リル基を示し、それぞれ同一でも異なっていてもよ
い。〕
【0009】を提供するものである。また(ii)(A)
これらの遷移金属化合物と、(B)(イ)酸素含有化合
物及び/又は(ロ)遷移金属化合物と反応してイオン性
の錯体を形成しうる化合物と、必要に応じて用いられる
(C)アルキル化剤からなるエチレン性不飽和結合含有
化合物の重合用触媒を提供するものである。さらに(ii
i)上記重合用触媒を用いるエチレン性不飽和結合含有化
合物重合体、特に高度のシンジオタクチック構造を有す
るスチレン系重合体の製造方法を提供するものである。 1.遷移金属化合物 本発明の遷移金属化合物は、一般式(I) RMXa-1 b ・・・(I) 〔式中、Rは下記一般式(II)で表されるヘキサヒドロ
アズレニル基類を示す。Mは遷移金属、Xはσ配位子を
示し、複数のXはたがいに同一でも異なっていてもよ
く、また、互いに任意の基を介して結合していてもよ
い。Lはルイス塩基、aはMの価数、bは0,1又は2
を示し、Lが複数の場合、各Lは互いに同一でも異なっ
ていてもよい。〕で表される遷移金属化合物である。
【0010】
【化5】
【0011】〔式中、R1 は、水素原子,ハロゲン原
子,炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基,炭素数6〜2
0の芳香族炭化水素基,炭素数1〜20のアルコキシ
基,炭素数6〜20のアリーロキシ基,又はアルキルシ
リル基を示し、それぞれ同一でも異なっていてもよ
い。〕 具体的には、Rとしては、ヘキサヒドロアズレニル基,
1−メチルヘキサヒドロアズレニル基,2−メチルヘキ
サヒドロアズレニル基,1,2−ジメチルヘキサヒドロ
アズレニル基,1,3−ジメチルヘキサヒドロアズレニ
ル基,1,2,3−トリメチルヘキサヒドロアズレニル
基が挙げられるが、中でも、下記一般式(III)で表され
る、1,3位にメチル基をもつ1,3−ジメチルヘキサ
ヒドロアズレニル基や下記一般式(IV) で表される、
1,2位にメチル基をもつ1,2−ジメチルヘキサヒド
ロアズレニル基が好ましく用いられる。
【0012】
【化6】
【0013】
【化7】
【0014】Mは遷移金属化合物で、チタン,ジルコニ
ウム,ハフニウム,ランタノイド系金属,ニオブ,タン
タルなどが挙げられるが、これらの中で、触媒活性の点
からチタンが好適である。また、Xはσ配位子を示し、
具体的には水素原子,ハロゲン原子,炭素数1〜20の
脂肪族炭化水素基,炭素数6〜20の芳香族炭化水素
基,炭素数1〜20のアルコキシ基,炭素数6〜20の
アリーロキシ基,炭素数1〜20のチオアルコキシ基,
炭素数6〜20のチオアリーロキシ基,アミノ基,アミ
ド基,カルボキシル基,アルキルシリル基などが挙げら
れ、複数のXはたがいに同一でも異なっていてもよく、
またたがいに任意の基を介して結合していてもよい。さ
らに、このXの具体例としては、水素原子,塩素原子,
臭素原子,ヨウ素原子,フッ素原子,メチル基,ベンジ
ル基,フェニル基,トリメチルシリルメチル基,メトキ
シ基,エトキシ基,フェノキシ基,チオメトキシ基,チ
オフェノキシ基,ジメチルアミノ基,ジイソプロピルア
ミノ基などを挙げることができる。Lはルイス塩基を示
し、aはMの価数,bは0,1又は2である。
【0015】前記一般式(I)で表される遷移金属化合
物としては、上記例示のR1 及びXの中から、それぞれ
任意に選択されたものを含む化合物を用いることができ
る。該一般式(I)で表される遷移金属化合物として
は、例えば、ヘキサヒドロアズレニルチタントリクロリ
ド,ヘキサヒドロアズレニルチタントリメトキシド,ヘ
キサヒドロアズレニルチタントリメチル,ヘキサヒドロ
アズレニルチタントリベンジル,1−メチルヘキサヒド
ロアズレニルチタントリクロリド,1−メチルヘキサヒ
ドロアズレニルチタントリメトキシド,1−メチルヘキ
サヒドロアズレニルチタントリメチル,1−メチルヘキ
サヒドロアズレニルチタントリベンジル,2−メチルヘ
キサヒドロアズレニルチタントリクロリド,2−メチル
ヘキサヒドロアズレニルチタントリメトキシド,2−メ
チルヘキサヒドロアズレニルチタントリメチル,2−メ
チルヘキサヒドロアズレニルチタントリベンジル、1,
2−ジメチルヘキサヒドロアズレニルチタントリクロリ
ド、1,2−ジメチルヘキサヒドロアズレニルチタント
リメトキシド、1,2−ジメチルヘキサヒドロアズレニ
ルチタントリメチル、1,2−ジメチルヘキサヒドロア
ズレニルチタントリベンジル、1,3−ジメチルヘキサ
ヒドロアズレニルチタントリクロリド、1,3−ジメチ
ルヘキサヒドロアズレニルチタントリメトキシド、1,
3−ジメチルヘキサヒドロアズレニルチタントリメチ
ル、1,3−ジメチルヘキサヒドロアズレニルチタント
リベンジル、1,2,3−トリメチルヘキサヒドロアズ
レニルチタントリクロリド、1,2,3−トリメチルヘ
キサヒドロアズレニルチタントリメトキシド、1,2,
3−トリメチルヘキサヒドロアズレニルチタントリメチ
ル、1,2,3−トリメチルヘキサヒドロアズレニルチ
タントリベンジルなど、及びこれらの化合物におけるチ
タニウムを、ジルコニウム又はハフニウムに置換したも
の、あるいは他の族又はランタノイド系列の遷移金属元
素の類似化合物を挙げることができるが、もちろんこれ
らに限定されるものではない。これらの中で触媒活性の
点からチタニウム化合物が好適である。 2.重合用触媒 (1)触媒成分 (A)成分である遷移金属化合物については、前記のと
おりである。 (B)成分 以下に示す、(イ)酸素含有化合物及び/又は(ロ)遷
移金属化合物と反応してイオン性の錯体を形成しうる化
合物である。 (イ)成分の酸素含有化合物 下記一般式(V)で表される化合物
【0016】
【化8】
【0017】及び/又は一般式(VI)
【0018】
【化9】
【0019】で表される酸素含有化合物である。上記一
般式(V) 及び(VI)において、R2 〜R8 はそれぞれ炭
素数1〜8のアルキル基を示し、具体的にはメチル基,
エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,各種ブチ
ル基,各種ペンチル基,各種ヘキシル基,各種ヘプチル
基,各種オクチル基が挙げられる。R2 〜R6 はたがい
に同一でも異なっていてもよく、R7 及びR8 はたがい
に同一でも異なっていてもよい。Y1 〜Y5 はそれぞれ
周期律表13族元素を示し、具体的にはB,Al,G
a,In及びTlが挙げられるが、これらの中でB及び
Alが好適である。Y1 〜Y3 はたがいに同一でも異な
っていてもよく、Y4 及びY5 はたがいに同一でも異な
っていてもよい。また、a〜dはそれぞれ0〜50の数
であるが、(a+b)及び(c+d)はそれぞれ1以上
である。a〜dとしては、それぞれ1〜20の範囲が好
ましく、特に1〜5の範囲が好ましい。
【0020】このような触媒成分として用いる酸素含有
化合物、特にアルキルアルミノキサンの好適な例は、 1
H−NMRスペクトルで観測されるアルミニウム・メチ
ル基(Al−CH3 )結合に基づくメチルプロトンシグ
ナル領域における高磁場成分が50%以下のものであ
る。つまり、上記の接触生成物を室温下、トルエン溶媒
中でその 1H−NMRスペクトルを観測すると、「Al
−CH3 」に基づくメチルプロトンシグナルはテトラメ
チルシラン(TMS)基準において1.0〜−0.5ppm
の範囲に見られる。TMSのプロトンシグナル(0pp
m)が「Al−CH3 」に基づくメチルプロトン観測領
域にあるため、この「Al−CH3 」に基づくメチルプ
ロトンシグナルを、TMS基準におけるトルエンのメチ
ルプロトンシグナル2.35ppmを基準に測定し高磁場
成分(即ち、0.1〜−0.5ppm)と他の磁場成分(即
ち、1.0〜−0.1ppm)とに分けたときに、該高磁場
成分が全体の50%以下、好ましくは45〜5%のもの
が触媒成分として好適に使用できる。 (ロ)遷移金属化合物と反応してイオン性の錯体を形成
しうる化合物 遷移金属化合物と反応してイオン性の錯体を形成しうる
化合物としては、複数の基が金属に結合したアニオンと
カチオンとからなる配位錯化合物又はルイス酸を挙げる
ことができる。複数の基が金属に結合したアニオンとカ
チオンとからなる配位錯化合物としては様々なものがあ
るが、例えば下記一般式(VII)又は(VIII)で表される
化合物を好適に使用することができる。
【0021】 (〔L1 −H〕g+h (〔M2 1 2 ・・・Xn (n-m)-i ・・・(VII) (〔L2 g+h (〔M3 1 2 ・・・Xn (n-m)-i ・・・(VIII) 〔式(VII)又は(VIII)中、L2 は後述のM4 ,R9
105 又はR11 3 Cであり、L1 はルイス塩基、M2
びM3 はそれぞれ周期律表の5族〜15族から選ばれる
金属、M4 は周期律表の1族及び8族〜12族から選ば
れる金属、M5 は周期律表の8族〜10族から選ばれる
金属、X1 〜Xn はそれぞれ水素原子,ジアルキルアミ
ノ基,アルコキシ基,アリールオキシ基,炭素数1〜2
0のアルキル基,炭素数6〜20のアリール基,アルキ
ルアリール基,アリールアルキル基,置換アルキル基,
有機メタロイド基又はハロゲン原子を示す。R9 及びR
10はそれぞれシクロペンタジエニル基,置換シクロペン
タジエニル基,インデニル基又はフルオレニル基、R11
はアルキル基を示す。mはM2 ,M3 の原子価で1〜7
の整数、nは2〜8の整数、gはL1 −H,L2 のイオ
ン価数で1〜7の整数、hは1以上の整数,i=h×g
/(n−m)である。〕 M2 及びM3 の具体例としてはB,Al,Si,P,A
s,Sbなどの各原子、M4 の具体例としてはAg,C
u,Na,Liなどの各原子、M5 の具体例としてはF
e,Co,Niなどの各原子が挙げられる。X1 〜Xn
の具体例としては、例えば、ジアルキルアミノ基として
ジメチルアミノ基,ジエチルアミノ基など、アルコキシ
基としてメトキシ基,エトキシ基,n−ブトキシ基な
ど、アリールオキシ基としてフェノキシ基,2,6−ジ
メチルフェノキシ基,ナフチルオキシ基など、炭素数1
〜20のアルキル基としてメチル基,エチル基,n−プ
ロピル基,イソプロピル基,n−ブチル基,n−オクチ
ル基,2−エチルヘキシル基など、炭素数6〜20のア
リール基,アルキルアリール基若しくはアリールアルキ
ル基としてフェニル基,p−トリル基,ベンジル基,ペ
ンタフルオロフェニル基,3,5−ジ(トリフルオロメ
チル)フェニル基,4−ターシャリ−ブチルフェニル
基,2,6−ジメチルフェニル基,3,5−ジメチルフ
ェニル基,2,4−ジメチルフェニル基,1,2−ジメ
チルフェニル基など、ハロゲンとしてF,Cl,Br,
I、有機メタロイド基として五メチルアンチモン基,ト
リメチルシリル基,トリメチルゲルミル基,ジフェニル
アルシン基,ジシクロヘキシルアンチモン基,ジフェニ
ル硼素基などが挙げられる。R9及びR10のそれぞれで
表される置換シクロペンタジエニル基の具体例として
は、メチルシクロペンタジエニル基,ブチルシクロペン
タジエニル基,ペンタメチルシクロペンタジエニル基な
どが挙げられる。
【0022】本発明において、複数の基が金属に結合し
たアニオンとしては、具体的にはB( C6 5)4 - ,B
( C6 HF4)4 - ,B( C6 2 3)4 - ,B( C6 2)
4 -,B( C6 4 F)4 - ,B( C6 CF34)4 -
B( C6 54 - ,PF6 - ,P( C6 5)6 - ,Al
(C6 HF4)4 - などが挙げら。また、金属カチオンと
しては、Cp2 Fe+ ,(MeCp)2 Fe+ ,(tB
uCp)2 Fe+ ,(Me2 Cp)2 Fe+ ,(Me3
Cp)2 Fe+ ,(Me4 Cp)2 Fe+ ,(Me5
p)2 Fe+ ,Ag+ , Na+ ,Li+ などが挙げら
れ、またその他カチオンとしては、ピリジニウム,2,
4−ジニトロ−N,N−ジエチルアニリニウム,ジフェ
ニルアンモニウム,p−ニトロアニリニウム,2,5−
ジクロロアニリン,p−ニトロ−N,N−ジメチルアニ
リニウム,キノリニウム,N,N−ジメチルアニリニウ
ム,N,N−ジエチルアニリニウムなどの窒素含有化合
物、トリフェニルカルベニウム,トリ(4−メチルフェ
ニル)カルベニウム,トリ(4−メトキシフェニル)カ
ルベニウムなどのカルベニウム化合物、CH3
3 + ,C2 5 PH3 + ,C3 7 PH3 + ,(CH
3 2 PH2 + ,(C2 5 2 PH2 + ,(C
3 7 2 PH2 + ,(CH3 3 PH +,(C
2 5 3 PH +,(C3 7 3 PH +,(CF3
3 PH +,(CH3 4 + ,(C2 5 4 +
(C3 7 4 + 等のアルキルフォスフォニウムイオ
ン,及びC6 5 PH3 + ,(C6 5 2 PH2 +
(C6 5 3 PH+ ,(C 6 5 4 + ,(C2
5 2 (C6 5 )PH+ ,(CH3 )(C6 5 )P
2 + ,(CH3 2 (C6 5 )PH+ ,(C
2 5 2 (C6 5 2 + などのアリールフォスフ
ォニウムイオンなどが挙げられる。
【0023】一般式(VII)及び(VIII)の化合物の中
で、具体的には、下記のものを特に好適に使用できる。
一般式(VII)の化合物としては、例えばテトラフェニル
硼酸トリエチルアンモニウム,テトラフェニル硼酸トリ
(n−ブチル)アンモニウム,テトラフェニル硼酸トリ
メチルアンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェ
ニル)硼酸トリエチルアンモニウム,テトラキス(ペン
タフルオロフェニル)硼酸トリ(n−ブチル)アンモニ
ウム,ヘキサフルオロ砒素酸トリエチルアンモニウム,
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ピリジニウ
ム,テトラ(ペンタフルオロフェニル)硼酸ピロリニウ
ム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸N,N
−ジメチルアニリニウム,テトラキス(ペンタフルオロ
フェニル)硼酸メチルジフェニルアンモニウムなどが挙
げられる。一方、一般式(VIII)の化合物としては、例
えばテトラフェニル硼酸フェロセニウム,テトラキス
(ペンタフルオロフェニル)硼酸ジメチルフェロセニウ
ム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸フェロ
セニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸
デカメチルフェロセニウム,テトラキス(ペンタフルオ
ロフェニル)硼酸アセチルフェロセニウム,テトラキス
(ペンタフルオロフェニル)硼酸ホルミルフェロセニウ
ム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸シアノ
フェロセニウム,テトラフェニル硼酸銀,テトラキス
(ペンタフルオロフェニル)硼酸銀,テトラフェニル硼
酸トリチル,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼
酸トリチル,ヘキサフルオロ砒素酸銀,ヘキサフルオロ
アンチモン酸銀,テトラフルオロ硼酸銀などが挙げられ
る。
【0024】また、ルイス酸として、例えばB(C6
5)3 ,B(C6 HF4)3 ,B(H23)3,B(C6 3
2)3,B(C6 4 F)3, B(C6 CF3 4)3,P
5,P(C6 5)5 , Al(C6 HF4)3 なども用いる
ことができる。 本発明の重合用触媒においては、上記
(B)成分として、(イ)成分の酸素含有化合物のみを
一種又は二種以上組み合わせて用いてもよく、また
(ロ)成分の遷移金属化合物と反応してイオン性の錯体
を形成しうる化合物のみを一種又は二種以上組み合わせ
て用いてもよい。あるいは、該(イ)成分及び(ロ)成
分を適当に組み合わせて用いてもよい。 (C)アルキル化剤 アルキル化剤としては様々なものがあるが、例えば、一
般式(IX) R12 m Al(OR13) n 3-m-n ・・・(IX) 〔式中、R12及びR13は、それぞれ炭素数1〜8、好ま
しくは1〜4のアルキル基を示し、Xは水素原子あるい
はハロゲン原子を示す。また、mは0<m≦3、好まし
くは2あるいは3、最も好ましくは3であり、nは0≦
n<3、好ましくは0あるいは1である。〕で表わされ
るアルキル基含有アルミニウム化合物や一般式(X) R12 2 Mg ・・・(X) 〔式中、R12は前記と同じである。〕で表わされるアル
キル基含有マグネシウム化合物、さらには一般式(XI) R12 2 Zn ・・・(XI)
〔式中、R12は前記と同じである。〕で
表わされるアルキル基含有亜鉛化合物等が挙げられる。
【0025】これらのアルキル基含有化合物のうち、ア
ルキル基含有アルミニウム化合物、とりわけトリアルキ
ルアルミニウムやジアルキルアルミニウム化合物が好ま
しい。具体的にはトリメチルアルミニウム,トリエチル
アルミニウム,トリn−プロピルアルミニウム,トリイ
ソプロピルアルミニウム,トリn−ブチルアルミニウ
ム,トリイソブチルアルミニウム,トリt−ブチルアル
ミニウム等のトリアルキルアルミニウム、ジメチルアル
ミニウムクロリド,ジエチルアルミニウムクロリド,ジ
n−プロピルアルミニウムクロリド,ジイソプロピルア
ルミニウムクロリド,ジn−ブチルアルミニウムクロリ
ド,ジイソブチルアルミニウムクロリド,ジt−ブチル
アルミニウムクロリド等のジアルキルアルミニウムハラ
イド、ジメチルアルミニウムメトキサイド,ジメチルア
ルミニウムエトキサイド等のジアルキルアルミニウムア
ルコキサイド、ジメチルアルミニウムハイドライド,ジ
エチルアルミニウムハイドライド,ジイソブチルアルミ
ニウムハイドライド等のジアルキルアルミニウムハイド
ライド等があげられる。さらには、ジメチルマグネシウ
ム,ジエチルマグネシウム,ジn−プロピルマグネシウ
ム,ジイソプロピルマグネシウム等のジアルキルマグネ
シウムやジメチル亜鉛,ジエチル亜鉛,ジn−プロピル
エチル亜鉛,ジイソプロピル亜鉛等のジアルキル亜鉛を
あげることができる。 (2)触媒の調製方法 本発明の重合用触媒における(A)成分と(B)成分と
所望により用いられる(C)成分との接触方法として
は、例えば(A)成分と(B)成分との接触混合物
に、(C)成分を加えて触媒とし、重合すべきモノマー
と接触させる方法、(B)成分と(C)成分との接触
混合物に(A)成分を加えて触媒とし、重合すべきモノ
マーと接触させる方法、(A)成分と(C)成分との
接触混合物に(B)成分を加えて触媒とし、重合すべき
モノマーと接触させる方法、重合すべきモノマー成分
に(A),(B),(C)成分を別々に接触させる方
法、重合すべきモノマー成分と(C)成分との接触混
合物に、上記の〜で調製して触媒を接触させる方法
などがある。
【0026】上記(A)成分と(B)成分と所望により
用いられる(C)成分との接触は、重合温度下で行える
ことはもちろん、−20〜200℃の範囲で行うことも
可能である。本発明の重合用触媒は、上記(A)及び
(B)成分、あるいは(A),(B)及び(C)成分の
組合せからなるものであるが、このほかにさらに他の触
媒成分を加えることも可能である。各触媒成分の配合割
合は、各種条件により異なり、一義的には定められない
が、通常、(B)成分が酸素含有化合物の場合、(A)
成分と(B)成分とのモル比は、好ましくは1:1〜
1:10,000、より好ましくは1:1〜1:1,000
の範囲で選ばれ、(B)成分が遷移金属化合物と反応し
てイオン性の錯体を形成しうる化合物、(A)成分と
(B)成分とのモル比は、好ましくは0.1:1〜1:0.
1の範囲で選ばれる。また、(C)成分を用いる場合
は、(A)成分と(C)成分とのモル比は、好ましくは
1:0.1〜1:1,000の範囲で選ばれる。 3.重合体の製造方法 (1)重合に供されるモノマー 本発明の重合用触媒は、エチレン性不飽和結合含有化合
物の重合用として用いられる。エチレン性不飽和結合含
有化合物としては、例えばオレフィン類,ジエン化合
物,スチレン類などが挙げられる。該オレフィン類とし
ては、例えばエチレン;プロピレン;ブテン−1;ペン
テン−1;ヘキセン−1;ヘプテン−1;オクテン−
1;ノネン−1;デセン−1;4−フェニルブテン−
1;6−フェニルヘキセン−1;3−メチルブテン−
1;4−メチルペンテン−1;3−メチルペンテン−
1;3−メチルヘキセン−1;4−メチルヘキセン−
1;5−メチルヘキセン−1;3,3−ジメチルペンテ
ン−1;3,4−ジメチルペンテン−1;4,4−ジメ
チルペンテン−1;ビニルシクロヘキサンなどのα−オ
レフィン、ヘキサフルオロプロペン;テトラフルオロエ
チレン;2−フルオロプロペン;フルオロエチレン;
1,1−ジフルオロエチレン;3−フルオロプロペン;
トリフルオロエチレン;3,4−ジクロロブテン−1な
どのハロゲン置換α−オレフィン、シクロペンテン;シ
クロヘキセン;ノルボルネン;5−メチルノルボルネ
ン;5−エチルノルボルネン;5−プロピルノルボルネ
ン;5,6−ジメチルノルボルネン;1−メチルノルボ
ルネン;7−メチルノルボルネン;5,5,6−トリメ
チルノルボルネン;5−フェニルノルボルネン;5−ベ
ンジルノルボルネンなどの環状オレフィンなどが挙げら
れる。
【0027】また、ジエン化合物としては、例えばブタ
ジエン;イソプレン;1,6−ヘキサジエンなどの鎖状
ジエン化合物、ノルボルナジエン;5−エチリデンノル
ボルネン;5−ビニルノルボルネン;5−ビニルシクロ
ヘキセン;ジシクロペンタジエンなどの環状ジエン化合
物などが挙げられる。そして、スチレン類としては、例
えばスチレンをはじめ、p−メチルスチレン;o−メチ
ルスチレン;m−メチルスチレン;2,4−ジメチルス
チレン;2,5−ジメチルスチレン;3,4−ジメチル
スチレン;3,5−ジメチルスチレン;p−t−ブチル
スチレンなどのアルキルスチレン、p−メトキシスチレ
ン;o−メトキシスチレン;m−メトキシスチレンなど
のアルコキシスチレン、p−クロロスチレン;m−クロ
ロスチレン;o−クロロスチレン;p−ブロモスチレ
ン;m−ブロモスチレン;o−ブロモスチレン;p−フ
ルオロスチレン;m−フルオロスチレン;o−フルオロ
スチレン;o−メチル−p−フルオロスチレンなどのハ
ロゲン化スチレン、さらにはトリメチルシリルスチレ
ン,ビニル安息香酸エステル,ジビニルベンゼンなどが
挙げられる。
【0028】上記単量体は、それぞれ単独で重合させて
もよく、また二種以上を組み合わせて重合させてもよ
い。 (2)重合方法 重合方法としては、塊状重合でもよく、ペンタン,ヘキ
サン,ヘプタンなどの脂肪族炭化水素、シクロヘキサン
などの脂環族炭化水素あるいはベンゼン,トルエン,キ
シレン,エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素溶媒中で
行ってもよい。また、重合温度は特に制限はないが、一
般には0〜200℃、好ましくは20〜100℃であ
る。また、気体状モノマーを使用する際の気体状モノマ
ーの分圧は、一般には300気圧以下、好ましくは30
気圧以下である。 4.スチレン系重合体の製造方法 本発明においては、上記重合用触媒は、特にスチレン系
重合体の製造に使用するのが望ましい。この場合、該重
合用触媒の存在下、スチレン類を単独重合させてもよ
く、二種以上共重合させてもよい。またスチレン類一種
以上と重合性不飽和化合物一種以上とを共重合させても
よい。スチレン類と共重合させる重合性不飽和化合物と
しては、上記のオレフィン類,ジエン化合物などを挙げ
ることができる。
【0029】上記触媒を用いて得られるスチレン系重合
体は、スチレン連鎖部が、高度のシンジオタクチック構
造を有するものである。ここで、スチレン系重合体にお
けるスチレン連鎖部が高度のシンジオタクチック構造と
は、立体化学構造が高度のシンジオタクチック構造、す
なわち炭素−炭素結合から形成される主鎖に対して側鎖
であるフェニル基や置換フェニル基が交互に反対方向に
位置する立体構造を有することを意味し、そのタクティ
シティーは同位体炭素による核磁気共鳴法(13C−NM
R法)により定量される。13C−NMR法により測定さ
れるタクティシティーは、連続する複数個の構成単位の
存在割合、例えば2個の場合はダイアッド,3個の場合
はトリアッド,5個の場合はペンタッドによって示すこ
とができるが、本発明にいう「シンジオタクチック構造
を有するスチレン系重合体」とは、通常はラセミダイア
ッドで75%以上、好ましくは85%以上、若しくはラ
セミペンタッドで30%以上、好ましくは50%以上の
シンジオタクティシティーを有するポリスチレン,ポリ
(置換スチレン),ポリ(ビニル安息香酸エステル)及
びこれらの混合物、あるいはこれらを主成分とする共重
合体を意味する。
【0030】なお、ここでポリ(置換スチレン)として
は、ポリ(メチルスチレン),ポリ(エチルスチレ
ン),ポリ(イソプロピルスチレン),ポリ(ターシャ
リブチルスチレン),ポリ(フェニルスチレン),ポリ
(ビニルスチレン)などのポリ(炭化水素置換スチレ
ン)、ポリ(クロロスチレン),ポリ(ブロモスチレ
ン),ポリ(フルオロスチレン)などのポリ(ハロゲン
化スチレン)、ポリ(メトキシスチレン),ポリ(エト
キシスチレン)などのポリ(アルコキシスチレン)など
がある。これらの中で、特に好ましいスチレン系重合体
としては、ポリスチレン,ポリ(p−メチルスチレ
ン),ポリ(m−メチルスチレン),ポリ(p−ターシ
ャリ−ブチルスチレン),ポリ(p−クロロスチレ
ン),ポリ(m−クロロスチレン),ポリ(p−フルオ
ロスチレン)、さらにはスチレンとp−メチルスチレン
との共重合体,スチレンとp−ターシャリブチルスチレ
ンとの共重合体,スチレンとジビニルベンゼンとの共重
合体を挙げることができる。
【0031】
〔実施例1〕
(1) 1,3−ジメチルヘキサヒドロアズレニルチタント
リメトキシドの合成 1,3−ジメチルヘキサヒドロアズレンの合成 3−メチル−4,5,6,7,8−ペンタヒドロ−2
−アズレン−1−オン( 11.8g, 72.4 mmol)をテト
ラヒドロフラン(150 ミリリットル) に溶かし、−78
℃でメチルリチウムの1モルエーテル溶液( 72.4ミリ
リットル,72.4 mmol)をゆっくり加えた後、約12時間
攪拌した。水を加えた後、有機層を分離し、ヘキサン
(150 ミリリットル) で抽出を行った。合わせた有機層
を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、ヨウ素を少量
(スパチュラ3杯)加え、3日間放置した。亜硫酸ナト
リウム水溶液で洗浄後、有機層を無水硫酸マグネシウム
で乾燥した。溶媒を減圧留去し、得られた残さをシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィ(溶出溶媒:ヘキサン)で
精製し、目的物を得た。収量は6.0gで、収率は50%
であった。
【0032】1,3−ジメチルヘキサヒドロアズレニ
ルチタントリクロリドの合成 上記で合成した1,3−ジメチルヘキサヒドロアズレ
ン(6.0g, 36.2 mmol)をエーテル(100 ミリリット
ル) に溶かし、−78℃でn−ブチルリチウムの1.56
モルヘキサン溶液( 22.3ミリリットル, 36.2 mmol)
をゆっくり加えた。室温まで昇温し、12時間攪拌した
のち、溶媒を除去し、析出したリチウム塩をヘキサンで
洗浄した。これをテトラヒドロフラン(100 ミリリット
ル)に溶かし、室温で塩化トリメチルシリル(3.9g,
36.2 mmol)を加え、約12時間攪拌した。反応溶媒を
減圧留去し、ヘキサンで抽出することによりシリル体を
得た。シリル体のトルエン溶液(50ミリリットル) を、
四塩化チタン(5.7g, 36.2 mmol)のトルエン溶液
(100 ミリリットル) に加え、約12時間攪拌した。反
応溶液を減圧乾固し、析出した固体をトルエンで再結晶
し、赤色固体の目的物を得た。収量は4.0gで、収率は
35.2%であった。
【0033】1H−NMR(C66): δ5.99 (s,
1H),2.77 −2.48 (m, 4H),1.93 (s, 6
H),1.75 −1.26 (m, 4H),0.92 −0.79
(m,2H)。 1,3−ジメチルヘキサヒドロアズレニルチタントリ
メトキシドの合成 上記で合成した1,3−ジメチルヘキサヒドロアズレ
ニルチタントリクロリド(2.5g, 7.93 mmol)をトル
エン(100 ミリリットル) に溶かし、無水メタノール
(8ミリリットル) とトリエチルアミン(28ミリリット
ル) を加えた。約12時間攪拌した後、反応溶液を減圧
乾固し、ヘキサンで抽出を行った。ヘキサンを減圧下留
去し、得られた残さをヘキサンで再結晶し、黄色固体の
目的物を得た。収量は 1.20gで、収率は 50.1%であ
った。
【0034】1H−NMR(CDCl3): δ5.76
(s,1H),4.08 (s, 9H),2.66 −2.55
(m, 4H),2.10 (s, 6H),2.03 −1.8
(m, 4H),1.5−1.2(m, 2H)。 (2) スチレンの重合 50ミリリットルのシュレンク瓶に窒素を導入し、かつ攪
拌しながらトルエン 7.94ミリリットル、トリイソブ
チルアルミニウムの2モルトルエン溶液0.25ミリリッ
トル(0.5 mmol)、メチルアルミノキサンの1.49モル
トルエン溶液 1.01ミリリットル(1.5 mmol)、及び
上記で合成した1,3−ジメチルヘキサヒドロアズレ
ニルチタントリメトキシドの50ミリモルトルエン溶液
0.4ミリリットル(0.02 mmol)を仕込み、3時間攪拌
した。これを混合溶媒と呼ぶ。
【0035】30ミリリットルのアンプル瓶にスチレン5
ミリリットル、及びトリイソブチルアルミニウムの0.5
モルトルエン溶液 0.005ミリリットル(0.0025 mmo
l)を窒素ボックス内で仕込んだ。このアンプル瓶を50
℃の温度のオイルバスにセットし、10分後に上記混合
触媒 0.0313ミリリットルを投入した。50℃での1
時間の加熱重合後、オイルバスから取り出し、メタノー
ルて冷却した。重合物を取り出し、メタノール中で一晩
放置した後、200℃,2時間の真空乾燥を行った。
【0036】収量は 1.55gで、収率は 516 ( kg/g
Ti) ,〔η〕は 2.06(デシリットル/g)であっ
た。 〔実施例2〕スチレンの重合において、重合温度を60
℃にした以外は、実施例1と同様に行った。収量は 1.0
2gで、収率は 340 ( kg/gTi) ,〔η〕は 1.58
(デシリットル/g)であった。 〔実施例3〕スチレンの重合において、重合温度を70
℃にした以外は、実施例1と同様に行った。収量は 0.6
5gで、収率は 215 ( kg/gTi) ,〔η〕は 1.18
(デシリットル/g)であった。
【0037】
【発明の効果】本発明の遷移金属化合物を含有する重合
用触媒は、高活性を有し、エチレン性不飽和結合含有化
合物の重合に好適に用いられる。特に、該重合用触媒を
用いてスチレン類を単独重合又は共重合させることによ
り、残留金属量の少ない高度のシンジオタクチック構造
を有するスチレン系重合体が高活性で効率よく得られ
る。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) RMXa-1 b ・・・(I) 〔式中、Rは下記一般式(II)で表されるヘキサヒドロ
    アズレニル基類を示す。Mは遷移金属、Xはσ配位子を
    示し、複数のXはたがいに同一でも異なっていてもよ
    く、また、互いに任意の基を介して結合していてもよ
    い。Lはルイス塩基、aはMの価数、bは0,1又は2
    を示し、Lが複数の場合、各Lは互いに同一でも異なっ
    ていてもよい。〕で表されることを特徴とする遷移金属
    化合物。 【化1】 〔式中、R1 は、水素原子,ハロゲン原子,炭素数1〜
    20の脂肪族炭化水素基,炭素数6〜20の芳香族炭化
    水素基,炭素数1〜20のアルコキシ基,炭素数6〜2
    0のアリーロキシ基,又はアルキルシリル基を示し、そ
    れぞれ同一でも異なっていてもよい。〕
  2. 【請求項2】 Rが下記一般式(III)、又は(IV)で
    表されるものである請求項1記載の遷移金属化合物。 【化2】 【化3】
  3. 【請求項3】 (A)請求項1又は2記載の遷移金属化
    合物と、(B)(イ)酸素含有化合物及び/又は(ロ)
    遷移金属化合物と反応してイオン性の錯体を形成しうる
    化合物からなるエチレン性不飽和結合含有化合物の重合
    用触媒。
  4. 【請求項4】 (A)請求項1又は2記載の遷移金属化
    合物と、(B)(イ)酸素含有化合物及び/又は(ロ)
    遷移金属化合物と反応してイオン性の錯体を形成しうる
    化合物と、(C)アルキル化剤からなるエチレン性不飽
    和結合含有化合物の重合用触媒。
  5. 【請求項5】 請求項3又は4に記載の重合用触媒を用
    いることを特徴とするエチレン性不飽和結合含有化合物
    重合体の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項3又は4に記載の重合用触媒を用
    いてスチレン類又はスチレン類と他の重合性不飽和化合
    物とを重合させることを特徴とするスチレン系重合体の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 スチレン系重合体が高度のシンジオタク
    チック構造を有するものである請求項6記載のスチレン
    系重合体の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1122229A1 (en) * 2000-02-03 2001-08-08 Honshu Chemical Industry Co. Ltd. Process for the preparation of condensed cyclopentadiene derivatives, 1, 3 disubstituted derivatives and metallocene type compounds containing them as ligand
US10988497B2 (en) * 2017-09-28 2021-04-27 Univation Technologies, Llc Synthesis of cyclic organic compounds and metallocenes

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1122229A1 (en) * 2000-02-03 2001-08-08 Honshu Chemical Industry Co. Ltd. Process for the preparation of condensed cyclopentadiene derivatives, 1, 3 disubstituted derivatives and metallocene type compounds containing them as ligand
US6482966B2 (en) 2000-02-03 2002-11-19 Honshu Chemical Industry Co., Ltd. Crosslink-cyclized cyclopentadiene and dihalobis type metal compound containing same as ligand
US10988497B2 (en) * 2017-09-28 2021-04-27 Univation Technologies, Llc Synthesis of cyclic organic compounds and metallocenes
US11377461B2 (en) 2017-09-28 2022-07-05 Univation Technologies, Llc Synthesis of cyclic organic compounds and metallocenes

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