JPH10315646A - ジルコニア−アルミナ複合材セラミック平版印刷部材及び画像形成方法 - Google Patents

ジルコニア−アルミナ複合材セラミック平版印刷部材及び画像形成方法

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JPH10315646A
JPH10315646A JP10120847A JP12084798A JPH10315646A JP H10315646 A JPH10315646 A JP H10315646A JP 10120847 A JP10120847 A JP 10120847A JP 12084798 A JP12084798 A JP 12084798A JP H10315646 A JPH10315646 A JP H10315646A
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zirconia
ceramic
alumina
composite material
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Gregory S Jarrold
エス.ジャロルド グレゴリー
Dilip K Chatterjee
ケー.チャタジー ディリップ
Syamal K Ghosh
ケー.ゴーシュ シャマル
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 より高い、強度、耐破壊性及び摩耗性を有
し、より軽量なセラミック印刷部材を提供する。 【解決手段】 (1)ジルコニア合金、及び(2)アル
ミナからなる複合材であるセラミックからなる印刷面を
有する平版印刷部材であって、当該セラミック複合材
が、5.0〜6.05g/cm3 の密度を有し、そして
0.1〜50重量%がアルミナからなる平版印刷部材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般的に平版印
刷、特に、新規且つ改良された平版印刷部材に関する。
具体的には、本発明は、容易に画像形成され平版印刷に
有用なジルコニア−アルミナ複合材セラミックの印刷面
を有する新規な印刷部材に関する。
【0002】
【従来の技術】平版印刷の技術は油と水の不混和性に基
づいており、油性材料もしくはインキが、画像領域によ
って選択的に保持され、そして水もしくはファウンテン
(fountain)溶液が非画像領域によって選択的に保持さ
れる。適切に調製された面を水で湿らし、その後、イン
キを塗布すると、バックグラウンドもしくは非画像領域
は水を保持しインキをはじくのに対し、画像領域はイン
キを受け入れ水をはじく。画像領域上のインキは、その
後、画像が再生される材料(例えば、紙、織物等)の面
に転写される。通常、インキを、ブランケットと呼ばれ
る中間体に転写し、次にこのインキを画像が再現される
材料表面に転写する。
【0003】上記タイプの平版印刷版は、通常、像様露
光後、現像液で現像される。現像液(画像形成層の非画
像領域を除去し、下にある多孔性親水性支持体を露出さ
せる)は、一般的に、アルカリ水溶液であり、多くの有
機溶媒を含む場合が多い。大量のアルカリ現像液の使用
及びその処理の必要性は、印刷の技術分野では長年にわ
たる無視できない関心事であった。
【0004】従来提案されている、現像液を必要としな
いように設計された平版印刷版は、その有用性を制限す
る一つ以上の欠点を有している。例えば、それらの印刷
版は親油性画像領域と親水性非画像領域との間に十分な
相違が無く印刷の画質が悪いか、長時間印刷を可能とす
る程十分でない親油性画像領域を有するか、傷つきやす
く摩耗しやすい親水性非画像領域を有するか、あるい
は、支持体上に多くの層をコートする必要があるために
非常に複雑でコストが高かった。
【0005】セラミック印刷部材(印刷シリンダを含
む)が知られている。例えば、米国特許第5,293,
817号明細書には、酸化ジルコニウム、酸化アルミニ
ウム、アルミニウム−マグネシウムシリケート、ケイ酸
マグネシウムもしくは窒化シリコンから調製された印刷
面を有する多孔性セラミック印刷シリンダが記載されて
いる。酸化ジルコニウムと、MgO、CaO、Y2
3 、Sc23 もしくは希土類酸化物である第二酸化物
とのセラミック合金が、印刷部材に非常に有用であるこ
とが見出された。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そのような印刷部材
は、従来の材料超える多くの利点を有しており非常に有
用であるが、より高い、強度、耐破壊性及び摩耗性を有
し、より軽量なセラミック印刷部材を提供する必要性が
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に従うと、平版印
刷部材は、(1)ジルコニア合金、及び(2)アルミナ
からなる複合材であるセラミックからなる印刷面を有
し、当該セラミック複合材は5.0〜6.05g/cm
3 の密度を有し、0.1〜50重量%はアルミナから構
成されている。
【0008】また、本発明は、 A)上述の平版印刷部材を用意する工程、 B)上述印刷部材上に画像を用意する工程 C)平版印刷面を水性ファウンテン溶液及び平版印刷イ
ンキと接触させ、それによってインキ着けされた平版印
刷面を作成し、そして D)インキ着けされた平版印刷面を基体と接触させ、そ
れによって、印刷インキを当該基体に転写し、その上に
画像を形成する工程 を含んでなる画像形成方法を提供する。さらに、この方
法は、追加して引き続き、印刷面から印刷インキをぬぐ
い取り、印刷面の画像を消去し、以下に詳細に記載する
ように印刷部材を再度画像形成することができる。この
様式では、本発明を用いて再使用可能な平版印刷部材を
提供することができる。
【0009】本発明の印刷部材は多くの利点を有する。
例えば、化学処理を必要としないので、水性アルカリ現
像液の使用に伴う、労力、費用及び環境上の問題が避け
られる。多くの平版印刷版に通常用いられる紫外光源も
しくは可視光源に対する後露光焼き又はブランケット露
光は必要でない。この印刷部材の像様露光は、セラミッ
ク印刷面を親水性から親油性状態にするか、もしくは親
油性から親水性状態に変換する焦点を合わせたレーザー
ビームで直接行うことができる。レーザービームを用い
る露光によって、中間フィルム及び時間のかかる従来の
光学印刷法を必要としないで、デジタルデータから印刷
部材を直接画像形成することができる。化学処理、ワイ
ピング、ブラッシング、ベーキングもしくはどんな種類
の処理も必要とされないでの、レーザー露光装置及びこ
のレーザー露光装置の位置を制御する手段を印刷機に備
えることによって、印刷機上で直接印刷部材を露光でき
る。
【0010】さらに追加の利点は、この印刷部材が従来
のファウンテン溶液及び従来の平版印刷インキの機能に
十分に適合するので、新規なもしくはコストの高い化学
組成物を必要としないことである。また、本発明の印刷
部材は以下に記載するように「消去可能」になるように
設計されている。即ち、画像を消去して、印刷部材を再
使用することができる。
【0011】本発明に用いるジルコニア−アルミナ複合
材セラミックは、平版印刷の用途にとりわけ有益となる
多くの特性を有する。例えば、このセラミック面は、耐
久性、耐摩耗性が非常によく、そして長持ちする。その
ような印刷面を有する平版印刷部材は、実質的に無制限
の数の転写、例えば、最大数100万回の印刷を行うこ
とが可能である。一方、印刷用部材を調製するのにほと
んど労力を必要としないので、同一もしくは異なる画像
の非常に少ない印刷に用いるのにも適している。親油性
画像領域と親水性非画像領域との区別は優れている。こ
の印刷部材はいくつかの異なる形態(以下に説明する)
を有することができ、軟質、半硬質もしくは硬質となる
ことができる。これを用いると、実施が速く且つ容易に
行われ、画像解像度は非常に高く、電子的に捕獲され、
デジタル的に保存された像の画像形成に特に適してい
る。
【0012】本発明に用いる平版印刷部材は、従来の砂
目立てして陽極酸化したアルミニウム印刷版を大きく超
える、とりわけ優れた長期の耐摩耗性を示す。さらに、
この部材は、単に、ジルコニアもしくは上記ジルコニア
−第二酸化物合金から調製された印刷面を有するものを
含む、他のセラミック印刷部材を超える、より高い、摩
耗性、強度及び耐破壊性(即ち、靱性)を有する。
【0013】さらに、本発明の印刷部材の利点は、それ
に含まれるアルミナの密度がより小さいので、ジルコニ
ア−アルミナ複合材料が従来の特許出願明細書に記載さ
れたジルコニア合金よりも軽量(密度が小さい)である
ことである。さらに、アルミナは、より低い表面エネル
ギー及び融点を有するので、画像分解能が良好であり、
低温で画像形成を行うことができる。さらにまた、この
セラミックはアルミナを含有するので、製造時に多孔率
をコントロールするのが容易である。
【0014】また、本明細書に記載するジルコニア−ア
ルミナ複合材セラミックスから調製される平版印刷部材
のもう一つの利点は、通常の平版印刷版と異なり、消去
可能且つ再使用可能であることである。従って、例え
ば、既知の装置及び操作を用いて印刷版から印刷インキ
を除いた後、印刷面の親油性領域を、熱活性化酸化もし
くはレーザー利用酸化によって消去することができる。
従って、印刷部材を画像形成し、消去し、そして再使用
することを繰り返すことができる。
【0015】「直接印刷(direct-to-press) 」用途にお
ける、直接レーザー画像形成可能な消去可能な印刷部材
としてジルコニア−アルミナ複合材セラミックを用いる
ことは今まで開示されておらず、平版印刷の技術分野に
おいて重要な進歩を示す。
【0016】本発明の実施では、印刷部材の画像形成
は、印刷面の露光された領域が、「溶融される」かもし
くはアブレートされ、バラバラなるかもしくは焼き払う
ようにコントロールされたレーザー照射条件下で行われ
る。従って、レーザー照射によって特定の場所に十分な
熱が生成され、この領域の温度を当該複合材料の融点よ
り上にするので、上記の一連の条件1)は、露光領域の
複合材セラミックのジルコニア合金を効率よく溶融す
る。この様式では、画像形成から生じる屑をふき取り、
洗浄もしくは除去する必要はない。
【0017】他の態様では、上記の同じ一連の条件2)
は、効率よく印刷面をアブレートする。従って、セラミ
ック層が十分に厚いと、露光領域にこのレーザー照射条
件由来のくぼみ(ピット)が形成される。この「くぼ
み」の底面は、実際は少なくとも部分的に「溶融した」
複合材セラミックからなっていてもよい。複合材セラミ
ック層が非常に薄いと、アブレーションによって下にあ
る基体(例えば、金属、もしくはポリマー)まで、それ
は完全に除去される。
【0018】
【発明の実施の形態】理論量組成の主としてジルコニア
からなるジルコニア−アルミナ複合材セラミックは親水
性である。理論量組成から亜理論量(substoichiometri
c )組成にジルコニアを変えると、これは親水性から親
油性に変化する。従って、本発明の一つの態様では、平
版印刷部材は、理論量組成の親水性ジルコニア−アルミ
ナ複合材セラミックを含んでなり、そして像様露光(電
磁輻射線を用いる)により、露光された領域(画像領
域)ではそれを親油性亜理論量組成に変換するが、未露
光領域(バックグラウンド)は親水性のままである。
【0019】本発明の別の態様では、平版印刷部材は、
亜理論量組成の親油性ジルコニア−アルミナ複合材セラ
ミックを含んでなり、そして像様露光(電磁輻射線、通
常、可視もしくは赤外輻射線を用いる)により、露光さ
れた領域ではそれを親水性理論量組成に変換する。この
場合、露光された領域はバックグラウンド(即ち、非画
像領域)としてはたらき、未露光領域は画像領域として
はたらく。親水性ジルコニア−アルミナ複合材セラミッ
クは、理論量の酸化物、ZrO2、であり、親油性ジル
コニア合金セラミックは、亜理論量の酸化物、ZrO
2-x、である。理論量組成から亜理論量組成への変化
は、還元によって達成され、亜理論量組成から理論量組
成への変化は、酸化によって達成される。
【0020】平版印刷部材は、(1)酸化ジルコニウム
(ZrO2 )及び第二酸化物もしくはドーパント(以下
に記載)からなる合金、並びに(2)アルミナ(Al2
3)からなる複合材(即ち、混合物)から、全体的に
構成されるか、もしくは当該複合材からなる少なくとも
印刷面を有する。ジルコニア合金はこの複合材の50〜
99.9重量%からなる。従って、アルミナは、0.1
〜50重量%で存在することができる。好ましくは、ジ
ルコニア合金の量は70〜90重量%であり、より好ま
しくは、75〜85重量%であり、残りはアルミナであ
る。ジルコニア合金は、MgO、CaO、Y23 、S
23 、希土類酸化物(例えば、Ce23 、Nd2
3 及びPr23 )、及びこれらの第二酸化物の組合
せもしくは混合物からなる群より選ばれる第二酸化物で
「ドープされた」酸化ジルコニウムを含有する。好まし
い第二酸化物は、Y23 である。従って、イットリア
ドープされたジルコニア−アルミナ複合材セラミックが
最も好ましい。
【0021】合金中の第二酸化物(ドーパント)対酸化
ジルコニウムのモル比は、好ましくは、0.1:99.
9〜25:75の範囲であり、より好ましくは、0.
5:99.5〜5:95の範囲である。このドーパント
は、ジルコニア酸化物の高温安定相(特に、正方晶相)
から室温での準安定状態への転移を促進するのに特に利
益がある。また、ドーパントは、例えば、高い強度及び
増強された破壊靭性、並びに耐摩耗性、耐剥離性及び耐
腐食性のような特性の改善も提供する。本発明に用られ
るジルコニアは、正方晶、単斜晶及び立方晶形態、もし
くはそのような形態の任意の複数の組合せを含むいずれ
の結晶形態にもなることができる。高い破壊靱性のため
に、主として正方晶形態のジルコニアが好ましい。「主
として」とは、ジルコニアの80〜100%が正方晶形
態であることを意味する。ジルコニアからもう一つのジ
ルコニアへの変換する方法は当該技術分野では周知であ
る。
【0022】複合材中のアルミナは、菱形面体形態もし
くは相(結晶学者によって六方晶系として特定される)
であり、α−アルミナとして知られている。好ましい複
合材は、主としてα−アルミナとの混合物中では、第二
酸化物(上記のもの)がドープされた主として正方晶ジ
ルコニアからなる。最も好ましくは、この複合材は、混
合物中、0.1〜20重量%の100%α−アルミナを
含むでは、最大3%(酸化ジルコニウムの重量に基づ
く)のイットリアがドープされた100%正方晶ジルコ
ニアからなる合金80〜99.9重量%からなるであろ
う。
【0023】本発明に用いるジルコニア−アルミナ複合
材セラミックを、1064nm(即ち、1.064μ
m)の波長の赤外輻射線に対して露光することにより親
水性状態から親油性状態に効率的に変換することができ
る。この波長の輻射線は、還元反応を促進することによ
り、強親水性の安定な酸化物から強親油性の準安定な酸
化物への変換を助ける。この用途としては1064nm
で放射するNd:YAGレーザーがとりわけ好ましい。
【0024】488nm(即ち、0.488μm)の波
長の可視輻射線に対して露光することにより親油性状態
から親水性状態の変換を効率的に達成することができ
る。この波長の放射線は、酸化反応を促進することによ
り、準安定な親油性酸化物から安定な親水性酸化物への
変換を助ける。この用途としては488nmで放射する
アルゴンレーザーがとりわけ好ましいが、赤外に放射す
る二酸化炭素レーザー(10600nm、即ち、10.
6μm)も有用である。亜理論量酸化物を150〜25
0℃に加熱することによっても、酸化ジルコニウムを理
論量状態に変換することができ、本明細書に記載するジ
ルコニア−アルミナ複合材の酸化ジルコニウムは、例え
ば、300〜500℃のより高い温度で同様に変換する
ことができる。
【0025】本発明の印刷部材は、これらには限定され
ないが、印刷版、印刷シリンダー、印刷スリーブ、及び
印刷テープ(軟質印刷ウェブを含む)を含むいずれの有
用な形態にもなることができる。印刷版は、任意の有用
な大きさ及び形状(例えば、正方形もしくは長方形)を
とることができ、全部がジルコニア−アルミナ複合材か
らなるか(モノリシック)、又は適当な金属もしくはポ
リマー基体上に配置された複合材セラミックの層(必要
に応じて一層以上の中間層を有する)を有することがで
きる。そのような印刷版を、合金粉末を所望の形状に成
形すること(例えば、アイソスタティック成形、乾式圧
縮成形もしくは射出成形)、そして適当な高温、例え
ば、1200〜1600℃で、適当な時間(1〜3時
間)、焼結することを含む公知の方法で調製することが
できる。あるいは、適当な、半硬質もしくは硬質基体上
にジルコニア−アルミナ混合物を、溶射コーティングも
しくは蒸着することによって印刷版を調製することがで
きる。
【0026】印刷シリンダ及びスリーブは全体的に上記
ジルコニア−アルミナ複合材セラミックからなるか、又
は印刷シリンダもしくはスリーブは基体の外側層としの
みセラミックを有することができる。必要ならば、中空
又は中実の金属コアを基体として用いることができる。
そのような印刷部材を、印刷版のところで記載した方法
を用いてモノリシック部材として調製するか、又は金属
コアのまわりに取り付けることができる。
【0027】本発明の印刷版、印刷シリンダ及び印刷ス
リーブに関しては、ジルコニア−アルミナ複合材セラミ
ックは、一般的に非常に低多孔率(即ち、0.1%未
満)であり、密度は5.0〜6.05g/cm3 (好ま
しい複合材では、好ましくは、5.0〜5.5g/cm
3 であり、より好ましくは、5.3〜5.4g/cm3
である)であり、粒径は0.2〜1μm(好ましくは、
0.2〜0.8μm)である。そのような印刷部材のジ
ルコニア−アルミナ複合材セラミックの有用な厚みは、
当業者には自明であろう。
【0028】本発明の印刷テープを調製するのに有用な
ジルコニア−アルミナ複合材セラミックは、少し大きな
多孔率、即ち、一般的に最大2%、好ましくは、0.2
〜2%の多孔率である。この材料の密度は、一般的に、
5〜5.5g/cm3 、好ましくは、5〜5.2g/c
3 (合金中イットリア3モル%の好ましいジルコニア
−イットリア−アルミナ複合材の場合)である。一般的
に、この材料は、粒径0.2〜1μmであり、好ましく
は、0.2〜0.8μmである。多孔率の増加によっ
て、印刷テープに所望の柔軟性を与える。
【0029】セラミック印刷テープは、0.5〜5m
m、好ましくは1〜3mmの平均厚を有する。2mmの
厚さが最適な柔軟性と強度を与える。この印刷テープ
は、硬質もしくは半硬質基体上に成形されて、印刷面を
提供するセラミック備えた複合体を形成するか、又はモ
ノリシック形状となることができる。本発明の印刷テー
プ(連続ウェブの形態)は、ユーザーが、異なる画像の
ためにテープの異なるセグメントを使用することを可能
にする。従って、テープは、画像が異なっていても、
「同一の印刷作業」の範囲内で連続性を提供する。種々
の印刷像を提供するために、運転を中断して従来の印刷
版を変更することは、ユーザは必要でない。
【0030】本発明の印刷部材は、高度に磨かれるか
(次に説明する)、通常の模様着け方法(化学的もしく
は機械的)を用いて表面模様が着けられた印刷面を有す
ることができる。さらに、ガラスビーズをセラミックに
混ぜて、僅かに模様を着けるか、「艶消しされた」の印
刷面を提供することができる。印刷部材の多孔率は、多
くの方法で変えることができ、印刷時の水の配給を高め
ることができ、必要とされる印刷部材のの柔軟性を高め
ることができる。
【0031】ジルコニア−アルミナ複合材セラミック製
品を製造する方法は、高純度のドープジルコニア粉末を
高純度アルミナ粉末と所望の量混合すること、当該技術
分野で公知の適当な方法(例えば、乾式圧縮成形、射出
成形、もしくはコールドアイソスタティック成形)を用
いて、得られた複合材粉末混合物を圧縮すること、そし
て適当な温度で焼結することからなる。ジルコニア複合
材セラミック面上にレーザー書込みされた画像の解像度
は、レーザースポットのサイズ及びその材料との相互作
用だけでなく、当該ジルコニア−アルミナ複合材の密度
及び粒径にも依存する。その高密度且つ微細な粒径のた
めに、本発明のジルコニア−アルミナ複合材セラミック
は平版印刷の用途にとりわけ有用である。また、セラミ
ック印刷部材の密度及び多孔率は、その圧密パラメー
タ、例えば、圧力及び焼結温度を調節することによって
変えることができる。
【0032】本発明の印刷部材は、上記の技法、並びに
(印刷テープの場合)適当な半硬質もしくは硬質基体上
へのジルコニア−アルミナ複合材の物理蒸着法(PV
D)又は化学蒸着法(CVD)によって、柔軟性基体上
に熱溶射もしくはプラズマ溶射コーティングすることに
よって製造することができる。PVDもしくはCVDの
場合では、印刷テープは、基体上に残されるか、もしく
は印刷テープを基体から剥がすか、又は基体を化学的に
溶かし去ることができる。あるいは、セラミック印刷テ
ープを、スリップ注型法、テープ注型法、ディップコー
ティング及びゾル−ゲル技法のような従来の方法を用い
て作成することができる。
【0033】熱溶射もしくはプラズマ溶射並びにCVD
及びPVDプロセスを、空気中もしくは酸素環境下で実
施して、親水性未画像形成印刷面を生成することができ
る。ところが、これらの方法を不活性雰囲気(例えば、
アルゴンもしくは窒素)で実施すると、これによって生
成される印刷面は本来的に親油性となる。他の従来の方
法で調製される印刷テープは、適当な高温(例えば、1
200〜1600℃)、適当な時間(1〜3時間)、空
気、酸素もしくは不活性雰囲気中で「未焼結の(green)
」テープを焼結することを必要とする。
【0034】テープ注型法は、本発明の印刷テープ(も
しくは、ウェブ)を製造する通常の方法の一つである。
非常に薄い、柔軟性のある「未焼結の」本明細書に記載
する複合材のシートを、テープ注型法の連続プロセスを
用いて、高い生産性で製造することができる。この方法
では、最初、相対的に高濃度のバインダー、可塑剤及び
解凝集剤と混合した、解凝集された粉末(ジルコニア合
金及びアルミナ)を含有する濃縮したスラリーを調製す
る。そしてテープを形成し(ブレードの下をスラリーが
流れる場合、移動しているキャリア基体上にフィルムを
形成する)、そして乾燥する。また、平たい面上(即
ち、基体)にスラリーを注ぎ、「未焼結の」テープを作
成するためにその平面上を、ブレードを移動させること
によって複合材の薄いシートを形成することができる。
乾燥した「未焼結」テープは、弾力性があり、柔軟性で
あり、非常に滑らかな表面を有する。
【0035】乾燥した「未焼結」テープを基体から取り
除き、所望の長さに切断する。最終的に、このテープ
を、予め定めた時間、予め定めた温度(両者の条件は複
合材及び組成のタイプに依存する)で、適当な環境で焼
結する。テープ注型法に有用な代表的なバインダーに
は、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリアクリ
レート、及びメチルセルロースが含まれる。代表的な可
塑剤には、ポリエチレングリコール、ブチルベンジルフ
タレート、グルセリン及びジブチルフタレートが含まれ
る。有用な解凝集剤は、ニシン魚油、並びにDarvan C
(R. T. Vanderbilt Corp.製)等の合成物質である。
【0036】ジルコニア−アルミナ複合材セラミックの
印刷面を加熱してもしくは機械的に磨くか、又はそれ
を、上述の「焼結形態」、「被覆形態」もしくは「スプ
レー形態」で用いることができる。好ましくは、印刷面
を平均して0.1μm未満のあらさに磨く。
【0037】本発明の一つの態様では、印刷部材は、部
分的もしくは全体的に記載したジルコニア−アルミナ複
合材セラミックからなる中実もしくはモノリシックの印
刷シリンダである。当該セラミックから部分的になる場
合は、少なくとも外側印刷面がそのように構成される。
本発明のそのような印刷シリンダの典型例を図1に示
す。中実の回転印刷シリンダ10は、全体を通してジル
コニア−アルミナ複合材セラミックからなっており、外
側印刷面20を有する。
【0038】もう一つの態様(図2)は、金属コア40
を有する回転印刷シリンダ30であって、金属コアの上
にジルコニア−アルミニウム複合材セラミック層もしく
はシェル45が、当該セラミックからなる外側印刷面5
0を提供するのに適した態様に配置もしくは塗布されて
いる。あるいは、このジルコニア−アルミナ複合材セラ
ミック層もしくはシェル45は、金属コア40のまわり
に取り付けられる、中空の円筒状印刷スリーブもしくは
ジャケット(図3を参照されたい)となることができ
る。そのような印刷部材のコアは、一般的に、一種以上
の金属、例えば、鉄金属(鉄もしくはスチール)、ニッ
ケル、真鍮、銅もしくはマグネシウムからなる。スチー
ルコアが好ましい。金属コアは、中空もしくは全体とし
て中実となるか、又は一種以上の金属を含んでなること
ができる。上記コア上に配置されるジルコニア−アルミ
ナ複合材セラミック層は、一般的に1〜10mmの均一
な厚みを有する。
【0039】さらに、本発明の別の態様を図3に示す。
ここでは、中空の円筒状ジルコニア−アルミナ複合材セ
ラミックスリーブ60が、全体としてセラミックから構
成され、外側印刷表面70を有する。このようなセラミ
ックスリーブの厚みは広範囲にわたることができるが、
実用目的の大部分では、この厚みは、1〜10cmであ
る。
【0040】図4は、部分等角図で本発明の印刷テープ
の一つの態様を表す。テープ80は、規定の厚み(上
記)を有する、印刷面90、端部95及び辺100のジ
ルコニア−アルミナ複合材セラミックの細長いウェブ8
5である。そのようなウェブを、通常、画像形成及び/
もしくは印刷に用いる複数のローラーで支持されてい
る、適当なイメージセッティングマシンもしくは印刷機
に取り付けることができる。非常に簡単な様式では、図
5に、ドライブローラ110及び120で支持されてい
る印刷テープ80を概略的に表す。ドライブローラ12
0及びバッキングローラ130は、テープ80からイン
キ着けされた画像150を受け取った後、ペーパーシー
ト145もしくは別の印刷基体が通過するニップ140
を提供する。そのような印刷機は、レーザー画像形成装
置、インキ着け装置、「消去」装置、並びに平版印刷で
一般的に用いられる他の装置及び構成部品を含む。
【0041】図6は、印刷版の一つのタイプを示す。即
ち、印刷面190を与えるジルコニア−アルミナ複合材
セラミック層180をその上に有する金属もしくはポリ
マー(例えば、ポリエステル)基体170を有する印刷
版160である。本発明の平版印刷部材は、適当な装
置、例えば、プレートセッターもしくは印刷機上で、適
当な技法で画像形成されることができる。一つの態様
で、必須の要件は、親水性ジルコニア−アルミナ複合材
セラミックから親油性状態へ変換するか、もしくは親油
性ジルコニア−アルミナ複合材セラミックから親水性状
態へ変換するのに有効な輻射線に対する像様露光であ
る。従って、この印刷部材は透明画を通る露光によって
画像形成することができ、または例えばレーザービーム
を用いてディジタル情報から露光することができる。こ
の印刷部材を直接レーザー書き込みするのが好ましい。
レーザー(適当なコントロール系を装備する)を用い
て、「画像を書き込む」か、もしくは「バックグラウン
ドを書き込む」ことができる。
【0042】理論量組成のジルコニア−アルミナ複合材
セラミックは、焼結もしくは熱処理を空気中もしくは酸
素雰囲気中で行うと生成される。亜理論量組成のジルコ
ニア−アルミナ複合材セラミックは、焼結もしくは熱処
理を不活性もしくは還元雰囲気中で行うか、電磁照射に
曝露することによって生成される。理論量ジルコニアを
含む好ましいジルコニア−イットリア−アルミナ複合材
セラミックは、色がオフホワイトで強親水性を有する。
レーザービームのはたらきにより、オフホワイトセラミ
ックをブラックの亜理論量セラミックに変換する。オフ
ホワイト組成物及びブラック組成物は異なる表面エネル
ギーを示すので、一方の領域を親水性とし、もう一方の
領域を親油性とすることができる。印刷面の画像形成は
光利用還元によるが、画像消去は熱利用再酸化か光利用
熱再酸化による。
【0043】このジルコニア−アルミナ複合材セラミッ
ク印刷面を画像形成する場合、印刷面において、30×
106 W/cm2 〜850×106 W/cm2 、そして
より好ましくは75×106 W/cm2 〜425×10
6 W/cm2 の出力密度を有する高照度レーザービーム
を用いるのが好ましい。しかし、適当な波長の電磁輻射
線のいずれの適当な露光も用いることができる。本発明
の平版印刷部材を画像形成するのに用いる特に好ましい
レーザーは、Qスイッチされるものであり、必要に応じ
てクリプトンアークランプで光学的にポンピングされる
Nd:YAGレーザーである。そのようなレーザーの波
長は、1.064μmである。
【0044】レーザー画像形成の一つの方法では、レー
ザー露光条件をコントロールして、複合材セラミックの
露光された領域を局部的に「溶融」する。これらのレー
ザー画像形成条件によって、露光領域の印刷面のジルコ
ニアを効率よく溶融する。この方法のレーザー画像形成
条件は次のとおりである: レーザー出力:連続波(平均) 0.1〜50W 好ましくは0.5〜30W ピーク出力(Qスイッチ) 6,000〜105 W 好ましくは6,000〜70,000W 出力密度 30×106 W/cm2 〜850×106 W/cm2 好ましくは75×106 W/cm2 〜425×106 W/cm2 TEM00 モードにおけるスポットサイズ=100μm 電流=15〜24A、好ましくは、18〜24A レーザーエネルギー=6×10-4〜5.5×10-3J 好ましくは、6×10-4〜3×10-3
【0045】エネルギー密度=5〜65J/cm2 、好ま
しくは、7〜40J/cm2 パルスレート=0.5〜50kHz、好ましくは、1〜
30kHz パルス幅=50〜500マイクロ秒、好ましくは、80
〜150マイクロ秒 走査範囲=11.5×11.5cm 走査速度=30〜1000mm/秒、好ましくは、10
0〜500mm/秒 パルスからパルスジッターにおける繰返し精度=高Q−
スイッチレート(約30kHz)で25%、低Q−スイ
ッチレート(約1kHz)で<10%
【0046】レーザー画像形成のもう一つの態様では、
レーザー露光条件によって、印刷面の露光領域の複合材
セラミックの一部を、「アブレート」し、焼き払うか、
バラバラにする。従って、セラミック層が十分に厚い
と、露光領域にアブレートされた複合材セラミックの除
去に由来するくぼみ(ピット)が形成される。この「く
ぼみ」の底面は、実際は少なくとも部分的に「溶融し
た」複合材セラミックからなっていてもよい。複合材セ
ラミック層が非常に薄いと、露光領域で、アブレーショ
ンによって下にある基体(例えば、金属、もしくはポリ
マー支持体材料)まで、それは完全に除去される。しか
し、複合材セラミック層厚及びレーザー照射条件を適当
に選択することによってこの状況は避けられる。
【0047】この方法のレーザー画像形成条件は次のと
おりである: レーザー出力:連続波(平均) 0.1〜50W 好ましくは0.5〜30W ピーク出力(Qスイッチ) 6,000〜105 W 好ましくは6,000〜70,000W 出力密度 30×106 W/cm2 〜850×106 W/cm2 好ましくは75×106 W/cm2 〜425×106 W/cm2 TEM00 モードにおけるスポットサイズ=100μm 電流=15〜24A、好ましくは、18〜24A レーザーエネルギー=6×10-4〜5.5×10-3J 好ましくは、6×10-4〜3×10-3
【0048】エネルギー密度=5〜65J/cm2 、好ま
しくは、7〜40J/cm2 パルスレート=0.5〜50kHz、好ましくは、1〜
30kHz パルス幅=50〜300ナノ秒、好ましくは、80〜1
50ナノ秒 走査範囲=11.5×11.5cm 走査速度=最大3m/秒 パルスからパルスジッターにおける繰返し精度=高Q−
スイッチレート(約30kHz)で25%、低Q−スイ
ッチレート(約1kHz)で<10%
【0049】ジルコニア−アルミナ複合材セラミック印
刷面からレーザー画像を容易に消去することができる。
既知のクリーニング装置を用いる適当な方法で印刷部材
からインキを一掃し、そして、高温(300℃〜500
℃の温度で5〜60分間が一般的に適合するが、400
℃で10分間が好ましい)で空気もしくは酸素中におい
て表面を加熱するか、もしくは次のパラメータに従っ
て、CO2 レーザー操作で表面を処理するかのいずれか
で画像を消去する。 波長: 10.6μm ピーク出力: 300W(20%デューティサイクルで操作) 平均出力: 70W ビームサイズ: パルス変調したビーム幅の500μm
【0050】画像を消去する手段としての使用に加え
て、親油性から親水性への変換を用いるプロセスにおけ
る像様露光を行う手段としてもCO2 レーザーを用いる
ことができる。ジルコニア−アルミナ複合材セラミック
の印刷面だけが画像形成プロセスにおいて変わる。しか
し、形成された像は、本明細書で記載した加熱活性化酸
化もしくはレーザー利用酸化のような手段によってのみ
除くことができる永久像である。印刷が完了すると、適
当な方法で印刷部材の印刷面のインキを一掃し、その後
画像を消去し、そしてこの版は画像形成されて、再び用
いることができる。この印刷部材は、非常に耐久性があ
り長持ちするので、この連続工程を何度も繰り返すこと
ができる。
【0051】次に記載する例では、デジタルフラットベ
ッドスキャナーもしくはコダックフォトCDを用いて画
像を電子的に捕獲した。捕獲した画像を適当なドット密
度(80〜250ドット/cmの範囲)に変換した。そ
して、これらの像をハーフトーンにディザ処理すること
により2色に圧縮した。そしてラスターからベクトル変
換操作をこのハーフトーン像に関して行った。プロット
ファイルの形に変換されたベクトルファイルを保存し
て、セラミック面上にレーザー走査した。マーキングシ
ステムは、ベクトルコーディネート指示のみを受け、こ
の指示をプロットファイルの形で供給する。このプロッ
トファイルを直接スキャナー駆動電子装置にロードす
る。電子保存された写真画像をいくつかの市販されてい
るパッケージソフト、例えば、COREL DRIVE もしくはEN
VISION-IT (Envision Solutions Technology )を用い
てベクトルフォーマットに変換することができる。
【0052】
【実施例】種々の有用な印刷部材の次の実施例で本発明
をさらに具体的に説明する。例1: 本発明のジルコニア−アルミナセラミック印刷テ
ープを、柔軟性基体もしくはモノリシックウェブ上に、
次の厚いフィルム形成プロセスもしくは薄いフィルム形
成プロセスのいずれか一方で調製した。これらのテープ
作成プロセスには、熱溶射もしくはプラズマ溶射、物理
蒸着(PVD)、例えば、ビーム利用スパッタリング、
化学蒸着(CVD)、ゾル−ゲルフィルム形成技法、テ
ープ注型法、ディップコーティング及びスリップ注型法
が含まれる。上記の方法及び適当な前駆体の選定は当該
技術分野では公知である。ある実験操作では、このテー
プを連続ウェブとして作成した。
【0053】一つの態様では、PLASMADYNE SG-100 トー
チを用いるプラズマ溶射/熱溶射法を用いた。0.13
mm(5ミル)もしくは0.26mm(10ミル)ステ
ンレス鋼基体上に、ジルコニアとイットリア(3モル
%)との合金、並びにα−アルミナ(総複合材重量の2
0%)からなる混合物の溶射を行った。出発粉末材料の
微粒子の粒径分布は溶射された印刷テープ密度ではかな
りの改善を示した。溶射の前に、この基体をサンドブラ
ストに掛けて、溶射されたイットリアドープジルコニア
−アルミナ複合材の接着を改善した。PLASMADYNE SG-10
0 トーチを用いるコーティングによって、得られた印刷
テープの長さと幅全体にわたって均一なコーティング厚
を作成した。
【0054】別の態様では、物理蒸着(PVD)法、具
体的には、イオンビーム利用スパッタリングを用いて、
イットリアドープジルコニア−アルミナ複合材セラミッ
ク印刷テープを調製した。PVD操作の詳細は、米国特
許第5,075,537号(Hung等)及び同5,08
6,035号明細書に記載されている。得られたジルコ
ニア−アルミナ複合材セラミック印刷テープを次の例2
に記載する操作を用いて画像形成した。
【0055】例2:ハーフトーン〜連続トーンを含む画
像を上記のいくつかの典型的なジルコニア−アルミナ複
合材セラミック印刷テープ上に形成した。各印刷テープ
の一方の面を、Nd:YAGレーザーで照射して画像形
成した。画像形成は、オフホワイト親水性面で行われ
た。別の態様では、印刷面の色をブラック(親油性)に
変えるように、印刷面全体をNd:YAGレーザーで露
光した。このNd:YAGレーザーをQ−スイッチし、
必要に応じてクリプトンアークランプで光学的にポンピ
ングした。スポットサイズもしくはビーム径は、TEM
(下位モード)で約100μmであった。ブラック親油
性印刷面を、0.488μmもしくは1.064μmの
いずれかで画像形成して、溶融した親水性像を与えた。
【0056】例3:本発明のいくつかのジルコニア−ア
ルミナ複合材セラミック印刷テープを上述のプラズマ溶
射プロセスで連続ウェブの形態に調製した。図5に示す
ように、そのような印刷テープを通常の印刷機の二つの
ドライブローラの回りに巻きつけた。これらの印刷テー
プを上記例2に記載したように画像形成した。
【0057】例4:例2に記載したように調製し画像形
成した印刷テープを次のように印刷に用いた。画像形成
した印刷テープをファウンテン溶液(三菱製SLM-ODファ
ウンテン濃縮物)で清浄にした。この濃縮物は蒸留水及
びイソプロピルアルコールで希釈した。リントフリー綿
パッドを用いて過剰の液体をふき取った。油系ブラック
印刷インキ(Itek Mega Offset Ink)を、ハンドローラ
ーで印刷テープに塗布した。このインキは画像形成され
た領域にのみ選択的に付着した。版の上に無地の紙を置
き、その紙に圧力を加えて画像を普通紙に転写した。
【0058】例5:例4のところで記載し、用いた印刷
テープを、次のように印刷インキから清浄にして、「消
去」し、再使用した。例4に記載したように印刷インキ
をふき取った後、この印刷テープを高温(約400℃)
に曝し、画像を消去した。そして、印刷テープを再度画
像形成し、再度インキ着けして前述の例に記載したよう
に印刷に再使用した。
【0059】例6:セラミック印刷版を、80mm×6
0mm×1mm厚の焼結イットリアドープジルコニア−
アルミナ複合材セラミックシートの形態に調製した。こ
の版を上記例2に記載したように画像形成した。
【0060】例7:高密度ジルコニア−アルミナ複合材
セラミックから、モノリシックドラムもしくは印刷シリ
ンダの形態として、金属ドラムもしくはコアに取り付け
た印刷シェルとして、又は中空印刷スリーブとしての形
態で、ジルコニア−アルミナ複合材セラミックシリンダ
もしくはスリーブを調製した。これらの三種類の形態
を、次の製造方法の一つを用いて、イットリアドープジ
ルコニア−アルミナ複合材を用いて調製した。 a)目的のもしくは目的に近い形状への乾式プレス、 b)コールドアイソスタチックプレス及び未焼結機械加
工、並びに c)射出成形及び脱バインダー。 これらのプロセスの後、印刷部材を高温(約1500
℃)焼結にかけ、最終機械加工して所望の寸法にする。
【0061】また、印刷シェル及びスリーブを、非セラ
ミックコア上へジルコニア−アルミナ複合材をスリップ
注型して、その後焼結して調製する。このシェル印刷部
材を焼嵌めもしくはプレス嵌めのいずれかで金属コア上
に組み立てる。上記例2に記載したように、これらの印
刷シリンダ及びスリーブを画像形成した。
【0062】例8:本発明の印刷テープを以下の手順で
テープ注型して調製した:イットリアドープジルコニア
粉末を、アルミナ粉末(総粉末重量の20%)と完全に
混合して、複合材を作成した。複合材粉末80重量%
を、ポリビニルブチラールバインダー(7重量%)、ニ
シン魚油解凝集剤(6重量%)、及びブチルベンジルフ
タレート可塑剤(7重量%)と混合した。そして、生じ
た混合物をシリコンコートマイラーフィルム基体上にナ
イフブレードコートして連続複合材ウェブを作成した。
室温でこのウェブを乾燥した後、基体を「未焼結」複合
材テープから取り外し、そして1500℃で2時間空気
中で焼結した。得られた印刷テープを、Nd:YAGレ
ーザーを用いて、1.064μmで照射した。画像形成
された印刷テープを用いて、上記例4に記載したように
平版印刷した。
【0063】例9〜15:印刷面のアブレーションを与
える上記の一連のレーザー画像形成条件を用いた以外
は、例1〜7を正確に繰り返した。全ての印刷部材に関
して、容認できる画像形成及び印刷が行われた。さら
に、この画像を上記例5に記載したように消去し、印刷
部材を再度画像形成した、再び使用した。
【図面の簡単な説明】
【図1】全体がジルコニア−アルミナ複合材セラミック
からなる本発明の印刷部材の簡単な部分図。
【図2】非セラミックコア及びジルコニア−アルミナ複
合材セラミック層もしくはスリーブからなる本発明の印
刷部材の簡単な部分図。
【図3】本発明の中空の、ジルコニア−アルミナ複合材
セラミックスリーブの簡単な部分図。
【図4】全体がジルコニア−アルミナ複合材セラミック
のウェブからなる本発明の印刷テープの簡単な部分図。
【図5】ローラー上に取り付けられた連続ウェブ形態の
印刷テープの概略。
【図6】印刷面を与えるジルコニア−アルミナ複合材セ
ラミックの層を有する本発明の印刷版の断面図。
【符号の説明】
10…中実の回転印刷シリンダ 20…外側印刷面 40…コア 45…シェル 60…中空の円筒状ジルコニア合金セラミックスリーブ 80…テープ 90…印刷面 110…ドライブローラ 120…ドライブローラ 130…バッキングローラ 145…ペーパーシート 150…画像 160…印刷版 180…セラミック層 190…印刷面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 シャマル ケー.ゴーシュ アメリカ合衆国,ニューヨーク 14612, ロチェスター,クレイトン レーン 42

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)ジルコニア合金、及び(2)アル
    ミナからなる複合材であるセラミックからなる印刷面を
    有する平版印刷部材であって、当該セラミック複合材
    が、5.0〜6.05g/cm3 の密度を有し、そして
    0.1〜50重量%がアルミナからなる平版印刷部材。
  2. 【請求項2】 A)請求項1記載の平版印刷部材を用意
    する工程、そして B)次の一連の条件1もしくは2)のいずれかの、レー
    ザーによって与えられる電磁輻射線に前記印刷面を像様
    露光することにより印刷面に画像を用意する工程を含ん
    でなる画像形成方法: 1)前記印刷面の露光領域の前記複合材を溶融するため
    に、 平均出力レベル、0.1〜50W、 ピーク出力、6,000〜100,000W(Q−スイ
    ッチモード)、 パルスレート、最大50kHz、 平均パルス幅、50〜500マイクロ秒、及び走査速
    度、30〜1000mm/秒、もしくは 2)前記印刷面の露光領域の前記複合材をアブレート
    し、それによって印刷面の露光領域を、親水性状態から
    親油性状態もしくは親油性状態から親水性状態に変換
    し、画像領域と非画像領域の両方を有する平版印刷面を
    作成するために、 平均出力レベル、0.1〜50W、 ピーク出力、6,000〜100,000W(Q−スイ
    ッチモード)、 パルスレート、最大50kHz、 平均パルス幅、50〜300ナノ秒、及び走査速度、最
    大3m/秒。
JP10120847A 1997-05-01 1998-04-30 ジルコニア−アルミナ複合材セラミック平版印刷部材及び画像形成方法 Pending JPH10315646A (ja)

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US08/850315 1997-05-01
US08/848332 1997-05-01
US08/848780 1997-05-01
US08/850,315 US5836248A (en) 1997-05-01 1997-05-01 Zirconia-alumina composite ceramic lithographic printing member
US08/848,780 US5893328A (en) 1997-05-01 1997-05-01 Method of controlled laser imaging of zirconia-alumina composite ceramic lithographic printing member to provide localized melting in exposed areas
US08/848,332 US5836249A (en) 1995-10-20 1997-05-01 Laser ablation imaging of zirconia-alumina composite ceramic printing member

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014133395A (ja) * 2013-01-11 2014-07-24 Taiyo Kagaku Kogyo Kk 構造体及び構造体の製造方法

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