JPH10315247A - チタン色材の表面処理方法及び樹脂注型品のこのチタン色材による装飾方法 - Google Patents

チタン色材の表面処理方法及び樹脂注型品のこのチタン色材による装飾方法

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JPH10315247A
JPH10315247A JP12844397A JP12844397A JPH10315247A JP H10315247 A JPH10315247 A JP H10315247A JP 12844397 A JP12844397 A JP 12844397A JP 12844397 A JP12844397 A JP 12844397A JP H10315247 A JPH10315247 A JP H10315247A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光の干渉効果により発色する鱗片状のチタン
色材で樹脂注型品の表層部を均一に隙間なく被覆しこの
色材の発色効果を十分に引き出して装飾する。 【解決手段】 電荷を有するチタネート系化合物で表面
処理した平均粒径10〜300μm、厚さ1〜30μm
の鱗片状チタン色材を熱硬化性樹脂溶液100重量部に
0.1〜5.0重量部分散させて作られた樹脂混合溶液
を2枚のガラス板で囲まれた成形型に注入し、この成形
型を水平にして加熱して溶液中に分散していたチタン色
材をガラス板の内面に沿って配列させることにより隙間
のない層状のチタン色材層を形成し、冷却した後、脱型
する。標準シラップに表面処理されたチタン色材を添加
し沈降層と懸濁層を形成したときに、25℃の懸濁層の
固定波長600nmの分光透過率が30〜50%Tで、
60℃の懸濁層の固定波長600nmの分光透過率が2
0〜50%Tの範囲にある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チタン色材の表面
処理方法及びこのチタン色材を充填色材として用いた合
成樹脂注型成形品(以下、単に樹脂注型品という)の装
飾方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】住宅機器のうち、合成樹脂成形品ででき
ている各種テーブルトップ、洗面台、浴室ユニット、照
明機器などはその多くの注型成形品が表面装飾が施され
ている。この種の樹脂注型品は染料、顔料、光沢等を有
する色材を樹脂に充填し成形して作られる。これまで、
光沢を有する充填色材として用いられてきたものには、
マイカ、ガラス、真珠貝粉末、アルミフィラーなどがあ
るが、いずれも比重が大きい。このため、成形時におけ
る樹脂組成物中の充填材の分散性及び注型品の物性を考
慮すると、上記充填色材は粒子径が小さいものに限られ
ていた。一方、光の干渉効果により発色する鱗片状チタ
ン色材は、その粒子径が大きいほど発色が良くなるた
め、充填色材として用いることができれば、装飾効果が
大きくなることが期待される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、チタン
色材は比重が約4.5であって、上記充填色材より比重
が大きいため、樹脂組成物中で十分に均一分散させるこ
とはより一層困難である。特に、粒子径が大きな鱗片状
チタン色材を充填色材に用いた場合には、比重が大きい
ことに加えて、その形状に起因して、型枠への注入時に
ムラができやすく、作業性が悪くなり、これまでの比較
的粒子径の小さい、光沢を有する充填色材を用いたとき
にはなかった問題が起こる。また、光の干渉効果により
発色する鱗片状チタン色材を十分に発色させるために
は、合成樹脂成形品の表層部に鱗片状チタン色材を隙間
なく分布させ、かつ鱗片状チタン色材を表面に対して平
行に配列させることが要求される。この要求を満たすた
めに、樹脂組成物の中での分散性を向上させても、単に
分散性を向上しただけでは粒子の反射面が乱れてしま
い、装飾効果に劣り、好ましくない。
【0004】本発明の目的は、光の干渉効果により発色
する鱗片状のチタン色材を均一に表面処理し得るチタン
色材の表面処理方法を提供することにある。本発明の別
の目的は、樹脂注型品の表層部を均一にかつ隙間なく鱗
片状チタン色材で被覆し鱗片状チタン色材の発色効果を
十分に引き出して装飾する樹脂注型品のチタン色材によ
る装飾方法を提供することにある。本発明の更に別の目
的は、表層部に光の干渉効果により発色しかつ表層部か
ら剥離することのないチタン色材層が隙間なく形成され
た装飾樹脂注型品を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本願請求項1に係る発明
は、平均粒径が10〜300μm、厚さが1〜30μm
であって光の干渉効果により発色する鱗片状チタン色材
を電荷を有する表面処理剤で表面処理するチタン色材の
表面処理方法であって、この表面処理剤がチタネート系
化合物であって、かつこの表面処理剤にはチタネート系
化合物により表面処理した鱗片状チタン色材をメタクリ
ル酸メチル80重量部に平均分子量100,000〜1
50,000、好ましくは平均分子量115,000〜
125,000のポリメタクリル酸メチルビーズ20重
量部を溶解して調製された標準シラップに添加し、撹拌
後静置して沈降層と懸濁層を形成し、25℃にて静置し
たときの懸濁層の固定波長600nmにおける分光透過
率が30〜50%Tの範囲にあり、60℃にて静置した
ときの懸濁層の固定波長600nmにおける分光透過率
が20〜50%Tの範囲にあるチタネート系化合物を用
いることを特徴とするチタン色材の表面処理方法であ
る。25℃及び60℃の温度で静置したときの懸濁層の
固定波長600nmにおける分光透過率がそれぞれ30
〜50%T及び20〜50%Tの範囲内のチタネート系
化合物により表面処理が施されると、チタン色材は目的
とする分散性と帯電性を有するようになる。分光透過率
が上記下限値未満であると、チタン色材の分散性のみが
向上し、表面処理済みのチタン色材を重合性合成樹脂に
混合し成形型に入れて樹脂を重合させる時にチタン色材
が再配列しにくくなる。分光透過率が上記上限値を越え
ると、目的とする分散性が得られず、ムラが生じやすく
なる。
【0006】本願請求項2に係る発明は、請求項1に係
る発明であって、チタン色材100重量部に表面処理剤
を0.5〜5.0重量%に付与して表面処理するチタン
色材の表面処理方法である。表面処理剤の付与量が0.
5重量%未満ではチタン色材の表面処理効果に乏しく、
また5.0重量%を越えても表面処理効果には変化がな
いばかりか、過剰の表面処理剤により注型品の物性が低
下する。また過剰な表面処理剤の使用はコストアップに
つながり好ましくない。
【0007】本願請求項3に係る発明は、図1に示すよ
うに電荷を有する表面処理剤で表面処理した平均粒径1
0〜300μm、厚さ1〜30μmの鱗片状チタン色材
14を熱硬化性樹脂溶液100重量部に0.1〜5.0
重量部分散させて樹脂混合溶液15を調製し、この樹脂
混合溶液を相対向する2枚のガラス板11,12で囲ま
れた成形型13に注入し、この成形型13を水平にして
加熱して樹脂混合溶液15中に分散していたチタン色材
14をガラス板12の内面に沿って配列させることによ
り隙間のない層状のチタン色材層16を形成し、冷却し
た後、脱型する樹脂注型品17のチタン色材による装飾
方法である。水平にした成形型を加熱して、樹脂の粘度
が低下すると、チタン色材が自重で下側のガラス板の内
面に向って沈降する。チタン色材表面のチタネート系化
合物の置換基に起因する静電反発により、チタン色材は
下側のガラス板内面近傍で再配列し、隙間のない層状の
チタン色材層を形成する。ここでチタン色材の表面電位
と下側のガラス板の表面電位が同じであるため、沈降し
たチタン色材はガラス板内面まで到達しない。この状態
で熱硬化性樹脂の重合が完結すると鱗片状チタン色材が
隙間なく層状に配列したチタン色材層が形成された装飾
樹脂注型品が得られる。
【0008】本願請求項4に係る発明は、請求項3に係
る発明であって、表面処理剤がチタネート系化合物であ
って、かつこの表面処理剤にはチタネート系化合物によ
り表面処理した鱗片状チタン色材をメタクリル酸メチル
80重量部に平均分子量100,000〜150,00
0、好ましくは平均分子量115,000〜125,0
00のポリメタクリル酸メチルビーズ20重量部を溶解
して調製された標準シラップに添加し、撹拌後静置して
沈降層と懸濁層を形成し、25℃にて静置したときの懸
濁層の固定波長600nmにおける分光透過率が30〜
50%Tの範囲にあり、60℃にて静置したときの懸濁
層の固定波長600nmにおける分光透過率が20〜5
0%Tの範囲にあるチタネート系化合物を用いる樹脂注
型品のチタン色材による装飾方法である。上記表面処理
効果を有するチタネート系化合物によりチタン色材を表
面処理すると、チタン色材が重合前の樹脂溶液中で均一
に分散し、型枠内へ注入するときにチタン色材のムラが
できにくくなる。また樹脂溶液の重合時にはチタン色材
の再配列が行われ、チタン色材の反射面をガラス面に平
行に並べることができる。この結果、樹脂注型品の装飾
において、光の干渉効果によるチタン色材の発色が良好
となる。
【0009】本願請求項5に係る発明は、請求項3又は
4に係る発明であって、チタン色材100重量部に表面
処理剤を0.5〜5.0重量%付与して表面処理する樹
脂注型品のチタン色材による装飾方法である。表面処理
剤の付与量が0.5重量%未満ではチタン色材の表面処
理効果に乏しく、また5.0重量%を越えても表面処理
効果には変化がないばかりか、過剰の表面処理剤により
注型品の物性が低下する。また過剰な表面処理剤の使用
はコストアップにつながり好ましくない。
【0010】本願請求項6に係る発明は、図1(c)に
示すように樹脂注型品17の表層に樹脂薄膜17aが形
成され、この樹脂薄膜17aの下に平均粒径が10〜3
00μm、厚さが1〜30μmである鱗片状チタン色材
14が隙間なく層状に配列してなるチタン色材層16が
形成された装飾樹脂注型品17である。この樹脂注型品
は干渉効果により発色する鱗片状チタン色材の特徴を十
分生かした、これまでにない色調及び光沢を有し、装飾
性に優れる。この注型品は照明によって浮かび上がるよ
うな独特の装飾効果が得られ、物理的、機械的性質にバ
ラツキがない特長がある。また高価な鱗片状チタン色材
の使用量を最少にできるため、経済性の点でも優れる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる鱗片状チタン
色材は平均粒径が5〜300μm、好ましくは5〜15
0μm、より好ましくは30〜125μmである。また
その厚さは1〜30μm、好ましくは3〜20μm、よ
り好ましくは5〜15μmである。平均粒径が5μm未
満では発色に乏しく、平均粒径が300μmを越えると
チタン色材が樹脂組成物に均一に分散しにくくなる。ま
た厚さが1μm未満では鱗片形状が崩れやすく、厚さが
30μmを越えると樹脂組成物中で組成物が軟化したと
きにチタン色材の沈降速度が速すぎて層状に配列したチ
タン色材層が形成しにくくなる。
【0012】本発明の鱗片状チタン色材の電荷を有する
表面処理剤は、チタネート化合物である。本発明のチタ
ネート化合物による鱗片状チタン色材の表面処理方法と
しては、乾式法、湿式法、スプレー法、インテグラルブ
レンド法などがあり、いずれの方法を採用してもよい。
その中で湿式法が処理効率が良く好ましい。この湿式法
では、鱗片状チタン色材をn−ヘキサン、n−プロパノ
ールのような有機溶媒中に分散させてスラリーとし、こ
れを撹拌しながらチタネート系化合物を鱗片状チタン色
材の総重量に対して0.5〜5.0重量%加える。その
後、有機溶媒を留去し、乾燥させると、表面処理された
鱗片状チタン色材が得られる。この表面処理に使用する
チタネート系化合物は1種に限定されず、2種以上を組
み合わせて用いてもよい。チタネート系化合物で表面処
理した鱗片状チタン色材は目的とする分散性と帯電性を
有するようになる。
【0013】本発明のチタネート系化合物は次に述べる
分散試験を行って、所定の分光透過率の値を示すものが
適合品として選定され使用される。この分散試験では、
候補となる各種のチタネート系化合物を表面処理剤とし
て用いて、同じ母集団から抽出した鱗片状チタン色材
(例えば、商品名:CTIP/B/GOL:住友シチッ
クス(株)製)を予め表面処理しておく。一方、メタク
リル酸メチル80重量部に平均分子量が約12万のポリ
メタクリル酸メチルビーズ(商品名:HR−1000L
P、(株)クラレ製)20重量部を溶解して標準シラッ
プを調製する。次いで容量20mLの試験管に標準シラ
ップ20.0gを採取し、各種チタネート系化合物によ
り表面処理した鱗片状チタン色材0.20gを試験管に
添加する。この試験管に栓をして混合液を30分撹拌放
置した後、恒温器中で所定の温度で24時間静置してで
きる沈降層と懸濁層の2層のうち懸濁層の透過率を分光
光度計(例えば、Ubest−30型、日本分光(株)
製)にて測定する。このとき25℃にて静置したときの
懸濁層の固定波長600nmにおける分光透過率(以下
T25という)が30〜50%Tの範囲にあり、かつ6
0℃にて静置したときの懸濁層の固定波長600nmに
おける分光透過率(以下T60という)が20〜50%
Tの範囲にあるチタネート系化合物が本発明で用いられ
る。
【0014】本発明に適合するチタネート系化合物を例
示すれば、 ・テトラ(2,2-ジアリルオキシメチルー1ーブチル)ビス
(ジトリデシル)ホスフ ァイトチタネート(商品
名:プレンアクトKR55、味の素(株)製)、 ・イソプロピルトリス(ジオクチルピロホスフェート)
チタネート(商品名:プレンアクトKR38S、味の素
(株)製)、 ・ビス(ジクチルピロホスフェート)エチレンチタネー
ト(商品名:プレンアクト KR238S、味の素
(株)製)、 ・イソプロピルトリデシルベンゼンスルホニチルチタネ
ート(商品名:プレンアクトKR9SA、味の素(株)
製)等が挙げられる。
【0015】次に本発明の樹脂注型品のチタン色材によ
る装飾方法について述べる。注型用樹脂としては、熱硬
化性樹脂の液状の初期重合体、例えばフェノール樹脂、
尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂や、線状ポリマー溶
融体とか、モノマー、又は初期ポリマー(例えばアクリ
ル樹脂)などが使用される。この注型用樹脂に添加する
鱗片状チタン色材の量は期待される樹脂注型品の性能に
よって決まるが、通常は注型用樹脂の総重量に対して
0.1〜5.0重量%である。樹脂注型品の表層部を隙
間のないチタン色材層で覆うのに必要な量でよい。多す
ぎることは、色材の無駄であり、コストアップになる。
【0016】まず注型用樹脂である熱硬化性樹脂溶液に
チタネート系化合物により表面処理された鱗片状チタン
色材を混入して均一に分散させておく。次いで図1
(a)に示すように、互いに向き合わせた2枚の強化ガ
ラス板11,12の周辺部に環状のガスケット(図示せ
ず)を挟み込んで型を組み立て、成形型13とした。ガ
スケットの一部(図示せず)を外したところから、鱗片
状チタン色材14が分散した熱硬化性樹脂溶液15を注
入する。このとき熱硬化性樹脂溶液の粘度は1〜20ポ
イズの範囲がよい。好ましくは5〜15ポイズである。
1ポイズ以下では比重の大きい鱗片状チタン色材はすぐ
さま沈降し、ムラになりやすい。25ポイズ以上では注
入に時間がかかり、作業性が良くない。外したガスケッ
トの一部を元に戻し、図1(b)に示すようにガラス面
を水平に保持した状態で成形型13を加熱する。樹脂溶
液中でそれまで均一分散していた鱗片状チタン色材14
は、樹脂溶液15を加熱すると一旦は樹脂溶液の粘度が
低下するため、自重で沈降するとともに表面処理剤であ
るチタネート系化合物の置換基に起因する静電反発によ
り、再配列が起こり、樹脂注型品の表層部に隙間のない
層状のチタン色材層16を形成する。ここでチタン色材
の表面電位はガラス板12の内面電位と同じマイナスで
あるため、チタン色材層16はガラス板12と反発し合
ってガラス板12に密着しない。加熱が進むと熱硬化性
樹脂の重合が完結する。加熱を停止し、冷却して樹脂溶
液を硬化させた後、成形型13を外すと、これまでにな
い色調及び光沢を有する装飾性の優れた樹脂注型品17
が得られる。この樹脂注型品17は表層に樹脂薄膜17
aが形成され、この樹脂薄膜17aの下に鱗片状チタン
色材14が隙間なく層状に配列したチタン色材層16が
形成される。注型品中における鱗片状チタン色材の分散
の度合いは注型品の分光透過率を測定することで評価す
る。更に鱗片状チタン色材の発色性、ハガレやキズの有
無は目視により評価する。
【0017】
【実施例】次に本発明の実施例を比較例とともに説明す
る。 <実施例1>味の素(株)製の商品名:プレンアクトK
R55のチタネート系化合物1.5重量部をヘキサン1
50重量部に溶解させ、この溶液を鱗片状チタン色材
(商品名:CTIP/B/GOL:住友シチックス
(株)製)100重量部と接触させた。その後溶媒を留
去し、チタネート系化合物により表面処理された鱗片状
チタン色材を得た。このチタネート系化合物により表面
処理したチタン色材を前述した標準シラップに添加し、
撹拌後静置して沈降層と懸濁層を形成し、25℃にて静
置したときの懸濁層の固定波長600nmにおける分光
透過率と、60℃にて静置したときの懸濁層の固定波長
600nmにおける分光透過率を分光光度計(Ubes
t−30型、日本分光(株)製)で測定した。その結果
を表1に示す。メタクリル酸メチル1000重量部に2,
2'−アソビスイソブチロニトリル0.02重量部加え、
100℃にて20分間重合を行った。得られたシラップ
の粘度は25℃で3〜15ポイズの範囲にあった。この
シラップにステアリン酸3重量部と、2,2'−アゾビスイ
ソブチロニトリル0.65重量部と、上記チタネート系
化合物による表面処理済みの鱗片状チタン色材5重量部
とを添加混合してチタン色材が均一に分散した混合樹脂
溶液を得た。
【0018】<実施例2>チタネート系化合物として、
味の素(株)製の商品名:プレンアクトKR9SAを
1.5重量部採取し、これをヘキサン150重量部に溶
解させ、この溶液を鱗片状チタン色材(商品名:CTI
P/B/GOL:住友シチックス(株)製)100重量
部と接触させた。それ以外は実施例1と同様にして、チ
タネート系化合物により表面処理された鱗片状チタン色
材を得た。このチタネート系化合物により表面処理した
チタン色材を実施例1と同一の標準シラップに添加し、
撹拌後静置して沈降層と懸濁層を形成し、25℃にて静
置したときの懸濁層の固定波長600nmにおける分光
透過率と、60℃にて静置したときの懸濁層の固定波長
600nmにおける分光透過率を分光光度計(Ubes
t−30型、日本分光(株)製)で測定した。その結果
を表1に示す。
【0019】実施例1と同様にメタクリル酸メチルに2,
2'−アゾビスイソブチロニトリル加えて重合を行って実
施例1と同一のシラップを得たのち、このシラップにス
テアリン酸3重量部と、2,2'−アゾビスイソブチロニト
リル0.65重量部と、上記チタネート系化合物による
表面処理済みの鱗片状チタン色材5重量部とを添加混合
してチタン色材が均一に分散した混合樹脂溶液を得た。
【0020】<比較例1>実施例1と同様にメタクリル
酸メチルに2,2'−アゾビスイソブチロニトリル加えて重
合を行って実施例1と同一のシラップを得たのち、この
シラップにステアリン酸3重量部と、2,2'−アゾビスイ
ソブチロニトリル0.65重量部と、未処理の鱗片状チ
タン色材(商品名:CTIP/B/GOL:住友シチッ
クス(株)製)5重量部とを添加混合してチタン色材が
均一に分散した混合樹脂溶液を得た。 <比較例2>チタネート系化合物として、日本曹達
(株)製の商品名:TSTを1.5重量部採取し、これ
をヘキサン150重量部に溶解させ、この溶液を鱗片状
チタン色材(商品名:CTIP/B/GOL:住友シチ
ックス(株)製)100重量部と接触させた。それ以外
は実施例1と同様にして、チタネート系化合物により表
面処理された鱗片状チタン色材を得た。このチタネート
系化合物により表面処理したチタン色材を実施例1と同
一の標準シラップに添加し、撹拌後静置して沈降層と懸
濁層を形成し、25℃にて静置したときの懸濁層の固定
波長600nmにおける分光透過率と、60℃にて静置
したときの懸濁層の固定波長600nmにおける分光透
過率を分光光度計(Ubest−30型、日本分光
(株)製)で測定した。その結果を表1に示す。実施例
1と同様にメタクリル酸メチルに2,2'−アゾビスイソブ
チロニトリル加えて重合を行って実施例1と同一のシラ
ップを得たのち、このシラップにステアリン酸3重量部
と、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル0.65重量部
と、上記チタネート系化合物による表面処理済みの鱗片
状チタン色材5重量部とを添加混合してチタン色材が均
一に分散した混合樹脂溶液を得た。
【0021】<比較例3>チタネート系化合物として、
味の素(株)製の商品名:プレンアクトKR138Sを
1.5重量部採取し、これをヘキサン150重量部に溶
解させ、この溶液を鱗片状チタン色材(商品名:CTI
P/B/GOL:住友シチックス(株)製)100重量
部と接触させた。それ以外は実施例1と同様にして、チ
タネート系化合物により表面処理された鱗片状チタン色
材を得た。このチタネート系化合物により表面処理した
チタン色材を実施例1と同一の標準シラップに添加し、
撹拌後静置して沈降層と懸濁層を形成し、25℃にて静
置したときの懸濁層の固定波長600nmにおける分光
透過率と、60℃にて静置したときの懸濁層の固定波長
600nmにおける分光透過率を分光光度計(Ubes
t−30型、日本分光(株)製)で測定した。その結果
を表1に示す。実施例1と同様にメタクリル酸メチルに
2,2'−アゾビスイソブチロニトリル加えて重合を行って
実施例1と同一のシラップを得たのち、このシラップに
ステアリン酸3重量部と、2,2'−アゾビスイソブチロニ
トリル0.65重量部と、上記チタネート系化合物によ
る表面処理済みの鱗片状チタン色材5重量部とを添加混
合してチタン色材が均一に分散した混合樹脂溶液を得
た。
【0022】<比較試験と評価>5mmの間隔をあけて
相対向させた2枚の強化ガラス板(約45cm×約55
cm×約0.5cm)の周辺部に環状のガスケットを挟
み込んで型を組み立て、成形型とした。同一の成形型を
5個用意し、それぞれのガスケットの一部を外し、そこ
から実施例1、2及び比較例1〜3の5種類の樹脂溶液
を各別に成形型内に注入した。5個の成形型すべてにつ
いて、外したガスケットの一部を元に戻し、ガラス面を
水平に保持した状態で、この型を60℃の温水浴中で4
時間維持し、樹脂の一次硬化を行った。続いて120℃
の熱風炉で2時間維持して樹脂の二次硬化を行ったの
ち、成形型を外し、それぞれ5mmの厚さ有する5つの
アクリル注型品を得た。できあがったアクリル注型品の
分光透過率を分光測色計(CM−3500d、ミノルタ
製)で測定した。その分光透過率及び注型品の外観につ
いての評価を表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】表1から明らかなように、実施例1及び実
施例2の樹脂溶液から作られた注型品では、鱗片状チタ
ン色材は注型品中の表層部に隙間なく分布しチタン色材
層を形成した。鱗片状チタン色材の発色は良好であり、
独特の装飾効果をもつ成形品ができた。また表層は樹脂
薄膜で被覆されているため、アクリル注型品の表面を研
磨布で繰返し擦ってもチタン色材層は剥離しなかった。
しかし、比較例1及び比較例2の樹脂溶液から作られた
注型品では、鱗片状チタン色材の偏在している面が型枠
から外れにくく、外れても型枠に注型品の一部がはぎ取
られるなどして、実施例1、2と比較してひどく外観を
損なうものであった。このアクリル注型品の表面を研磨
布で繰返し擦ったところ、鱗片状チタン色材が剥離して
きた。また比較例3の樹脂溶液から作られた注型品で
は、注型品の表面を研磨布で繰返し擦ってもチタン色材
層は剥離しなかったが、鱗片状チタン色材が注型品中の
表層部だけでなく全体にも分布しているため、鱗片状チ
タン色材の反射面が乱れていた。このためこの注型品の
発色は実施例1、2と比較して暗かった。
【0025】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のチタン色材
の表面処理方法によれば、干渉効果により発色する鱗片
状チタン色材の表面にチタネート系化合物を均一に処理
することができる。この表面処理した鱗片状チタン色材
を重合性合成樹脂と混合してガラス製の成形型に注入
し、重合性合成樹脂中で鱗片状チタン色材の配向を制御
することにより、注型品の表層に隙間のない層状のチタ
ン色材層を形成することができる。得られた樹脂注型品
は干渉効果により発色する鱗片状チタン色材の特徴を十
分生かした、これまでにない色調及び光沢を有し、装飾
性に優れる。この注型品は照明によって浮かび上がるよ
うな独特の装飾効果が得られ、物理的、機械的性質にバ
ラツキがない特長がある。また高価な鱗片状チタン色材
の使用量を最少にできるため、経済性の点でも優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の樹脂注型成形を工程順に模式的に示す
図。
【符号の説明】
11,12 ガラス板 13 成形型 14 鱗片状チタン色材 15 熱硬化性樹脂溶液 16 チタン色材層 17 樹脂注型品 17a 樹脂薄膜

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径が10〜300μm、厚さが1
    〜30μmであって光の干渉効果により発色する鱗片状
    チタン色材を電荷を有する表面処理剤で表面処理するチ
    タン色材の表面処理方法であって、 前記表面処理剤がチタネート系化合物であって、かつ前
    記表面処理剤にはチタネート系化合物により表面処理し
    た鱗片状チタン色材をメタクリル酸メチル80重量部に
    平均分子量100,000〜150,000のポリメタ
    クリル酸メチルビーズ20重量部を溶解して調製された
    標準シラップに添加し、撹拌後静置して沈降層と懸濁層
    を形成し、25℃にて静置したときの懸濁層の固定波長
    600nmにおける分光透過率が30〜50%Tの範囲
    にあり、60℃にて静置したときの懸濁層の固定波長6
    00nmにおける分光透過率が20〜50%Tの範囲に
    あるチタネート系化合物を用いることを特徴とするチタ
    ン色材の表面処理方法。
  2. 【請求項2】 チタン色材100重量部に表面処理剤を
    0.5〜5.0重量%付与して表面処理する請求項1記
    載のチタン色材の表面処理方法。
  3. 【請求項3】 電荷を有する表面処理剤で表面処理した
    平均粒径10〜300μm、厚さ1〜30μmの鱗片状
    チタン色材(14)を熱硬化性樹脂溶液100重量部に0.
    1〜5.0重量部分散させて樹脂混合溶液(15)を調製
    し、前記樹脂混合溶液を相対向する2枚のガラス板(11,
    12)で囲まれた成形型(13)に注入し、前記成形型を水平
    にして加熱して前記樹脂混合溶液(15)中に分散していた
    チタン色材(14)を前記ガラス板(12)の内面に沿って配列
    させることにより隙間なく層状のチタン色材層(16)を形
    成し、冷却した後、脱型する樹脂注型品のチタン色材に
    よる装飾方法。
  4. 【請求項4】 表面処理剤がチタネート系化合物であっ
    て、かつ前記表面処理剤にはチタネート系化合物により
    表面処理した鱗片状チタン色材をメタクリル酸メチル8
    0重量部に平均分子量100,000〜150,000
    のポリメタクリル酸メチルビーズ20重量部を溶解して
    調製された標準シラップに添加し、撹拌後静置して沈降
    層と懸濁層を形成し、25℃にて静置したときの懸濁層
    の固定波長600nmにおける分光透過率が30〜50
    %Tの範囲にあり、60℃にて静置したときの懸濁層の
    固定波長600nmにおける分光透過率が20〜50%
    Tの範囲にあるチタネート系化合物を用いる請求項3記
    載の樹脂注型品のチタン色材による装飾方法。
  5. 【請求項5】 チタン色材100重量部に表面処理剤を
    0.5〜5.0重量%付与して表面処理する請求項3又
    は4記載の樹脂注型品のチタン色材による装飾方法。
  6. 【請求項6】 樹脂注型品(17)の表層に樹脂薄膜(17a)
    が形成され、前記樹脂薄膜(17a)の下に平均粒径が10
    〜300μm、厚さが1〜30μmである鱗片状チタン
    色材(14)が隙間なく層状に配列してなるチタン色材層(1
    6)が形成された装飾樹脂注型品。
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JP2005162771A (ja) * 2003-11-28 2005-06-23 Showa Aluminum Powder Kk 複合被覆アルミニウム顔料
KR100718707B1 (ko) * 2005-09-26 2007-05-15 안준수 색채선별기의 광검출조립체
CN107383941A (zh) * 2017-08-04 2017-11-24 中钛化工集团有限公司 化纤专用二氧化钛制备方法
CN107400381A (zh) * 2017-08-04 2017-11-28 中钛化工集团有限公司 色母粒专用二氧化钛制备方法

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CN107383941B (zh) * 2017-08-04 2019-03-26 西藏亚吐克工贸有限公司 化纤专用二氧化钛制备方法
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