JP2018203843A - 粒子集合体 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来よりも色が鮮やかに見える構造色材料などの粒子集合体、等を提供する。【解決手段】粒子集合体は、粒子1が規則的に配列して形成された部分を含み、隣接する粒子1間には、粒子1の表面が結着した部位2が存在する。隣接する粒子1同士の中心間距離3は、粒子1の結着した部位2を有していない部分における粒子1の直径4よりも長く、結着した部位2は、粒子1と屈折率が同じ材料で形成されている。【選択図】 図1

Description

本発明は、測定する角度によって観察される色の変化が大きく、かつ鮮やかな色を発する構造色材料などの粒子集合体、その製造方法、等に関するものである。
色素等を用いた一般的な呈色材料は、特定の波長範囲の光を吸収し、電子が励起状態に遷移する。このとき、色素によって光のエネルギーが電子のエネルギーに変換されるので、一部の光が消費される。その結果、消費されなかった光のみが人の目に入って認識され、色を呈する。一方、構造色は、光の干渉を利用して色を呈する。一般に可視光領域において、構造色材料は、ナノメートルスケールで媒体の屈折率を規則的に変化させた材料である。この屈折率変化の規則性によって、特定の波長範囲の光のみを反射し、残りの光を透過させることにより、構造色材料が発色して見える。したがって、発色にしばしば重金属を用いる顔料と比べて、構造色材料は環境にやさしくエネルギーの無駄がない発色材料といわれている。
特許文献1には、媒質中に屈折率及び粒子サイズが均質な粒子が規則的に配列した構造色材料が記載されている。このような構造色材料をコロイド結晶と呼び、粒子の規則性によって光をブラッグの条件で反射し、発色する。このような性質を利用して、意匠性を高める材料として、化粧品、車の車体、釣り具の疑似餌や工芸品などに対して、構造色材料は積極的に利用されている。
コロイド結晶の反射率を向上させる為には、結晶性を高めることが第一に求められる。コロイド結晶は、粒子の配列が極めて規則的で粒子間に欠陥がなければ、散乱を最小に抑えられ、目的の波長の視認性が高い材料となる。しかしながら、実際のコロイド結晶では、人が視認するサイズで完璧な結晶を作製することは容易でなく、一部に欠陥やクラックが生じる。その結果、実際に視認する色味は、コロイド結晶内や界面での光の多重散乱が加味されて、理論値よりも白く、低彩度になる。
このような課題に対して、近年コロイド結晶の散乱光を低減して、目的の波長の光だけを視認できるように、コロイド結晶を着色する試みがなされている。非特許文献1では、ポリスチレン粒子の周囲に光吸収層を均一に形成することで、高彩度の構造色材料を得ている。しかしながら、高い反射率、すなわち結晶性が高い構造色材料を得ようとすると、反射スペクトルの半値幅が狭くなり、高い反射率にも関わらず、人間の目には低明度な材料に映ってしまう。特に、この現象は短波長の緑から青色の領域で起こりやすく、鮮やかで視認性が高い構造色材料を得る際の矛盾点になっている。
特開2001-191025号公報
Kohri M et al、Scientific Reports 6、33984、2016年発行
このように、非特許文献1に記載の技術では、黒色部位を導入することにより、構造色材料の迷光を低減している。しかしながら、非特許文献1の方法では、視認性が十分とは言えないことがあった。
本発明は、このような背景技術に鑑みてなされたものであり、従来よりも色が鮮やかに見える構造色材料などの粒子集合体、その製造方法、等を提供するものである。
上記課題に鑑み、本発明の一側面による粒子集合体は、粒子が規則的に配列して形成された部分を含み、隣接する前記粒子間には、前記粒子の表面が結着した部位が存在し、隣接する前記粒子同士の中心間距離は、前記粒子の前記結着した部位を有していない部分における前記粒子の直径よりも長く、前記結着した部位は、前記粒子と屈折率が同じ材料で形成されている。
本発明の一側面によれば、従来よりも色が鮮やかに見える構造色材料などの粒子集合体を提供することができる。
本発明の一例である、構造色を発する材料の構造を説明する概略断面図。 粒子の直径及び隣接する粒子同士の中心間距離を説明する図。
以下、本発明の好適な実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。ただし、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
本発明に係る構造色材料などの粒子集合体は、粒子が複合して形成している構造体である。図1は本発明に係る構造体における一実施形態の概略断面図である。図1中の粒子1は規則的に配列をしている。粒子1の直径は50nm以上1000nm以下程度で、粒度分布の変動係数、つまり粒子の平均直径を標準偏差で割った数値が10%以下である。粒子1は、光学的に透明に近い材料であることが好ましい。好適には、直径150nm以上300nm以下、変動係数が3%程度の粒子が用いられる。粒子1の材質は、屈折率が適当な範囲であれば、特に限定されるものではないが、波長550nm程度の光において屈折率が1.4以上2.0以下程度の材料が好適に用いられる。より好適には1.46以上1.60以下程度の材料が用いられる。単量体、二量体、三量体以上の有機高分子、ゾル‐ゲル法で得られる無機高分子の粒子などを粒子1として用いても良い。
有機高分子としては、ポリスチレン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル及びその誘導体、エポキシ樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂からなる群などが挙げられる。好適には、乳化重合法などで容易に粒度分布が揃う、屈折率が約1.6であるポリスチレン粒子などが用いられる。また粒子1として、ゾル‐ゲル法により作製した無機材料でもかまわない。これの具体的な材料としては、酸化ケイ素が挙げられる。また、酸化アルミ、酸化チタン、酸化ジルコニウムなどの高屈折率材料を用いたり、これらの高屈折率材料と酸化ケイ素やフッ化マグネシウムなどの低屈折率材料を組合せたりした材料でも構わない。好適には、ストーバー法などにより粒度分布が揃う、屈折率が約1.46である酸化ケイ素粒子などが用いられる。
図1における前記結着した部位2が存在することで、粒子1間が非接触な状態に近い構造体となる。これにより、粒子集合体中の高屈折率部分と低屈折率部分とのコントラスト差が大きくなり、反射率の向上とフォトニックバンドギャップが広がる。その結果、高反射率の状態で反射スペクトルの半値幅等が拡がり、彩度が高い構造体となる。
図1における前記結着した部位2は、粒子1同士の間に隙間なく形成されている。結着した部位2の材質は、粒子1と、少なくとも屈折率が同じのもの(典型的には粒子1と同じ材質)でなければならない。より具体的には、屈折率及び吸光係数が粒子1と同様の物性を示すものである必要がある。粒子1と前記結着した部位2との間に屈折率差が存在すると、境界で光が散乱する原因となり、その結果、反射率が低減する。結着した部位2は、粒子1同士が直接接触する状態、すなわち、図1における隣接する粒子1同士の中心間距離3が粒子1の直径4よりも短くなり、粒子1の形状が凹むようなる状態であってはならない。もしこのように粒子1が接触した場合、粒子集合体中における屈折率のコントラストが低くなり、反射率が低減する。したがって、本実施形態では、図2に示すように、隣接する粒子同士の中心間距離3は、結着した部位2を除いた粒子1の直径4よりも長い。なお、本明細書において、隣接する粒子同士の中心間距離3は、隣接する2つの粒子のそれぞれ中心を結び且つ結着した部位2を通る直線の長さである、と定義する。また、粒子1の直径は、粒子1の結着した部位2を有していない部分における粒子1の直径であり、より具体的には、粒子1のうち結着した部位2を有さない対向面間を結び且つ粒子1の中心を通る直線の長さである、と定義する。
結着した部位2は、隣接する粒子1同士の中心を結んだ方向において数ナノメートルの厚さ(後述する幅)で存在するだけでも効果があるが、隣接する粒子1同士の中心間距離3に対して30%以下位の厚さまでは好適に利用することができる。隣接する粒子1同士の中心を結んだ方向に対して垂直な方向の前記結着した部位2の厚さ(後述する高さ)は、数nm以上数十nm以下程度が好適に用いられる。厚くなりすぎると、前述の粒子1の形状が凹んだ状態に近い屈折率分布になってしまうため反射率が減少する。
図1における粒子集合体の隙間に入れられたマトリクス5は有機高分子系の材料やゾル‐ゲル法等で作製する無機材料などを使用することができる。有機高分子としては、ポリスチレン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル及びその誘導体、エポキシ樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂からなる群などが挙げられる。マトリクス3は、その屈折率が粒子1と異なっていれば、どの様な材料を使用しても構わない。例えば粒子1の屈折率が1.6程度の場合、好適には屈折率が約1.4程度であり、熱的にも安定なシリコーン樹脂などが用いられる。また、更に屈折率を低くすることが可能なフッ素系の樹脂等も好適に用いることができる。ゾル‐ゲル法により作製した無機材料で、具体的な材料としては、屈折率が約1.46である酸化ケイ素粒子などが用いられる。あるいは屈折率を低くする為に、光学的に影響がないメソ孔やマイクロ孔を有する多孔質材料を用いることも可能である。或いは空気をマトリクス5として用いても構わない。ただし、粒子1とマトリクス5との屈折率差が大きすぎると、粒子・マトリクス間の界面反射が大きくなりすぎて好ましいとは言えない。
本実施形態に係る構造色材料などの粒子集合体は、図1における粒子1とマトリクス5との間、乃至、結着した部位2とマトリクス5との間に光吸収層6を設けてもよい。光吸収層の存在により、構造中に発生してしまったクラックなどからの光散乱を吸収することも可能である。光吸収層6については、目的の反射させたい波長の光も着色剤に吸収されるので、多量に着色剤を混合すると、暗く低彩度の材料になってしまうことがある。すべての波長の光に対して散乱光低減の効果を発揮させるためには、黒色に近い色の着色剤が好ましい。
本実施形態に係る粒子集合体に存在する光吸収層6は、図1に示すように粒子1及び結着した部位2の外周に存在する。すなわち、本実施形態では、光吸収層6が、粒子1及び決着した部位2の表面の少なくとも一部を被覆している。光吸収層6は、粒子1及び決着した部位2の表面全体を被覆していてもよい。このことにより、粒子1の中心と前記結着した部位2とで結ばれる線上には光吸収層が存在しない状態となる。つまり、材料中で高屈折率な部位には吸収層が存在せず、干渉する光のエネルギーロスが小さくなる。その結果、粒子1の全面に光吸収層が存在する構造体よりもフォトニックバンドギャップを大きくすることが可能となり、反射スペクトルの半値幅が拡がる為、材料の彩度が向上する。
本実施形態に係る粒子集合体は、粒子配列が一様であることが好ましい。例えば、図1における粒子1が規則的に配列した結果、面心立方格子を組むコロイド結晶を形成し、ミラー指数で(111)面に帰属できる格子面で粒子集合体のフレーク材料の面が構成されていることが好ましい。あるいは、前記コロイド結晶の(100)面に帰属できる格子面でフレーク材料の面が構成されていることが好ましい。前記の「一様である」とは、前記格子面が単独で少なくとも75%以上、好適には95%以上であることを意味する。材料の評価は、電子顕微鏡などの表面分析で可能である。詳細な評価が必要な場合は、得られた電子顕微鏡の画像をフーリエ変換し、変換したフーリエ像(回折図形)に現れるスポットを確認することで結晶構造を確認できる。
本実施形態に係る粒子集合体は、図1における粒子1が積層した構造体である。粒子1が配列して形成された粒子1の層7は、複数層存在するのが好ましい。入射光を干渉する強度は積層した層数に応じて強くなる。材料中に、粒子1の層が数十層存在し、積層した層厚が数ミクロン以上あることが望ましい。粒子1の層が単層、あるいは積層した層厚が1ミクロン程度であると、例えば、目的とする鮮やかな色を呈することが困難となる。
本実施形態に係る粒子集合体は、各種の色材に用いることができる。粉末の試料を、固形成分を含むメディウム等と混合し塗料組成物とすることで、様々な部位に塗工可能な構造色材料を作製することができる。メディウムとは、塗料の材料のうち、着色に用いる構造色材料の均質な分散や接着を助ける媒体で、展色剤(vehicle)等のことをいう。メディウムは、構造色材料の性質や用途に応じて成分を選択することが好ましいが、一般的には、接着剤として働く固形成分、溶媒、増粘剤、及び界面活性剤等がメディウムの材料の1つとして用いられる。また、本実施形態に係る構造色材料などの粒子集合体は、既存する任意の塗料の材料に加えて加飾塗料として利用することができる。或いは、作製した材料を帯電させて目的の基板に貼りつけた後に、上塗り塗装などを行い固定化することも可能である。更に、前記材料が帯電して貼りついている基板から材料を別の基板に移し取り、貼りつけて色表示などを行うことも可能である。
このように、得た構造色材料は、そのまま使用すればトナーなどの顔料や、乾式の電着塗料などに利用できる。本実施形態の構造色材料は、色素を殆ど用いていないため、各種の色材として用いた場合、耐候性に優れていると考えられる。更に、カラーフィルタなどの光学部材などにも用いることができる。また、可視光のみならず、粒子サイズを大きくすれば、赤外領域でも、高い反射率と反射角に対する波長変化の大きい特性とを有する材料を実現でき、遮熱材料、赤外反射材料などとして利用することができる。
以上の説明に基づき、特に、本実施形態を構造色材料として用いる場合の好ましい構成例をまとめると、次のようになる。光の干渉により発色可能な構造色材料において、 粒子が規則的に配列して形成した粒子集合体であり、隣接する粒子間には、粒子の表面が結着した部位が存在する。そして、隣接する粒子同士の中心間距離は、結着した部位以外の粒子の対向面間の粒子中心を通る距離よりも長い。さらに、前記結着した部位は、前記粒子と同じないし同質の材料で形成されており、かつ、前記粒子及び前記結着した部位の表面の少なくとも一部が光吸収層で被覆されている。
次に、本実施形態の構造色材料などの粒子集合体の製造方法について以下に記す。ただし、これも発明の範囲を限定するものではない。
本実施形態の粒子集合体は、粒子分散液を揮発乾燥する工程と、前記乾燥工程で得られた固形物の表面に、粒子間を結着する部位を形成する工程と、を有する。さらに、結着した部位を形成後に、粒子と結着した部位の表面との少なくとも一部に光吸収層を形成する工程と、隙間にマトリクスを配置して包埋する工程と、を有してもよい。
粒子分散液は、図1中における粒子1が溶媒に分散している液を示す。このとき、粒子1間では、強い電気反発力が発生していて、粒子1は液中で単分散な状態である。「単分散」とは、粒度分布が単一のピークで表され、異なるサイズの粒子集団が系内に実質的に複数存在しない状態のことを指す。液中の粒子1のゼータ電位を絶対値で50mV以上に調整し、反発力を大きくすると、溶媒を揮発乾燥させたときに粒子が規則的に配列をする。この配列するメカニズムは、基本的にDLVO理論で説明することができる。溶媒の揮発乾燥方法は、キャスト乾燥、スピンコート、ディプコート、バーコートなど様々な方法を用いることができる。このとき、乾燥速度が遅い方が粒子1の配列はより規則的になる。また、配向規制を掛けるように刺激を加えることも可能である。
ゼータ電位を調整する方法としては、粒子1の表面を化学的に処理する方法や、ポリマーや分散剤を用いる方法が挙げられる。前者の方法は、表面にスルホン酸やアミンなどのイオン性の官能基を修飾することでゼータ電位を制御できる。ポリマー粒子の場合は、粒子合成時に前述の官能基を有するモノマーを混合することで作製できる。また、シリカ粒子などの場合は、前述の官能基を有するシランカップリング剤などで粒子合成後に表面を修飾する方法で、目的の材料が作製できる。後者の方法は、高分子電解質や界面活性剤を適量混合することで目的の材料が作製できる。
結着する部位2は、作製した前記固形物のコロイド結晶を加熱処理することで形成することができる。加熱によりコロイド結晶中の粒子1を加熱し、粒子1間の接点を結着することと、粒子1を収縮させることにより、コロイド結晶を目的の形状に形成する。例えば、ポリスチレン粒子ならば、100℃以上130℃以下程度の温度で数十秒加熱すると目的の形状が得られる。このとき、架橋剤を加えてポリスチレン粒子の密度や融点が高いと目的の形状を得にくいことがある。また、シリカ粒子ならば800℃以上900℃以下程度の加熱と急冷によって得ることができる。加熱はできるだけ均一に行うことが良い。ホットプレートよりもオーブン等での加熱、あるいは赤外線加熱を用い、対流加熱よりも効率よく均一に加熱することが好ましい。加熱を均一に行う製造プロセスの観点から、材料の膜厚は数十ミクロン以下、より好ましくは10ミクロン以下がよい。
結着する部位を形成したコロイド結晶は、散乱光を低減する目的で着色しても良い。着色は、色素を材料表面へ吸着させる方法が好適に用いられる。この場合、色素を溶解した液に、結着する部位を形成したコロイド結晶を分散させて行う。吸着は、材料の表面特性を利用して行う。イオン結合、水素結合、疎水性相互作用等を利用して吸着する為に、材料の表面処理を吸着前に行ってもよい。あるいは、ポリアニリンやポリドーパミンの様に、ポリマー化すると変色する材料をコートしてもよい。色は、有彩色でも良いが、すべての波長で散乱を低減できる黒色に近いほうがよい。
本実施形態の粒子集合体は、配列した粒子の周囲をマトリクスで包埋しても良い。結着する部位を形成したコロイド結晶は、マトリクス原液を用いて包埋した後、マトリクス原液を固化して生成物を得る。このとき、前記生成物の間隙は固化したマトリクスで充填されていることが好ましい。間隙が残存すると、光散乱の原因となり、生成物が白化する可能性がある。マトリクスの原液を固化する方法は、粒子1の配列を乱すことがなければどの様な方法を用いても構わない。例えば、マトリクス原液として、熱や紫外線で硬化する樹脂やモノマーを用い、熱や紫外線などの刺激で固化する方法を用いても構わない。あるいはゾル‐ゲル法でシリカ原(Siを含むもの)等を固化しても構わない。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。比較例についても説明する。ただし本発明はかかる実施例に限定されるものでもない。
(1)粒子1の作製
乳化重合法にてポリスチレン粒子(以下PS粒子と略す)を作製した。丸底四ツ口のセパラブルフラスコに純水、スチレンモノマー、パラスチレンスルホン酸ナトリウムを加え、メカニカルスターラーを用いて窒素バブリングをしながら30分撹拌した。オイルバスにて試料を撹拌した状態のまま70度まで加熱した後、触媒の過硫酸カリウムを加え窒素雰囲気にて8時間スチレンの重合反応を行った。試料を冷却した後、遠心分離にて沈殿物を回収し、純水を用いて生成物の洗浄を行った。得られた試料は純粋に分散しPS粒子懸濁液を得た。PS粒子は電子顕微鏡で粒子径と粒度分布を測定した結果、直径215nm、粒度分布の変動係数が3%であった。
(2)コロイド結晶膜の作製
基板の接触角を調整して準備を行った。基板には板ガラスを用いた。板ガラスはエキシマランプ(浜松ホトニクス社製)を5mmの距離から120秒間照射、そのまま使用した。前記処理を行ったガラスの水滴に対する接触角は4.5°となった。接触角測定には、協和界面科学株式会社製、Drop Masterを用いた。作製した直径215nmのPS粒子懸濁液を濃縮し、40wt%の水分散液とした。得た水分散液に対して、超音波洗浄器(株式会社カイジョー製:フェニックス)にて、600W、38kHzの超音波を5分間照射した。超音波照射後のPS粒子懸濁液は鮮やかな色を呈していた。得られたPS粒子懸濁液を前記基板にキャストし、気泡が混入していないことを確認してから、バーコーターにて基板上に引きのばし、一晩静置した。
(3)結着した部位の形成
作製したコロイド結晶膜を、熱したオーブン内に投入し加熱を行った。このとき、加熱が均一に行える様に、予めオーブン内で熱しておいたガラス板のカバーで前記基板を挟み込み加熱を行った。
(4)光吸収層及びマトリクスの導入
黒色インクの水とエタノールとの混合溶液を前記基板上の固形物に含浸させて再び乾燥させた。黒色インクの濃度は溶液1mLあたり1mgとした。乾燥後、前記カバーを外して、シリコーンエラストマー(信越化学製:KE−106)を前記基板に2000rpmの条件でスピンコートして塗工した。塗工後、生成物を60℃のオーブンで3時間乾燥させてマトリクスであるシリコーンの固化を行った。固化した試料の表面にある過剰なシリコーンは、ゴムでこすりつけることで剥離を行った。最後に固化した試料を、スクレーパーを用いて前記基板から剥離して、フレーク状構造色材料を得た。
(5)粒子集合体の形態観察
光学顕微鏡(ZEISS社製)を用い、倍率500倍にて観察した。あるいは電子顕微鏡:S−5500(日立ハイテク社製)を用いて観察した。得られた画像より直径を計測し、平均直径を求めた。また、電子顕微鏡にて得た粒子集合体の形状を観察し、結着した部位の計測も行った。
(6)光学測定
顕微分光反射率計(オリンパス社製)を用いて、作製した粒子集合体の反射率測定を行った。倍率は200倍で測定し、得た反射スペクトルより、反射ピークの半値幅、明度、彩度を求めた。
(実施例1)
作製したコロイド結晶膜をオーブンにて100℃、10秒間加熱した後、黒色に染色し、マトリクスで充填して粒子集合体を作製した。
(実施例2)
作製したコロイド結晶膜をオーブンにて100℃、20秒間加熱した後、黒色に染色し、マトリクスで充填して粒子集合体を作製した。
(実施例3)
作製したコロイド結晶膜をオーブンにて130℃、5秒間加熱した後、黒色に染色し、マトリクスで充填して粒子集合体を作製した。
(実施例4)
作製したコロイド結晶膜をオーブンにて130℃、10秒間加熱した後、黒色に染色し、マトリクスで充填して粒子集合体を作製した。
(比較例1)
予め黒色に染色したポリスチレン粒子を用いてコロイド結晶膜を作製した後、マトリクスで充填して粒子集合体を作製した。
(比較例2)
作製したコロイド結晶膜を加熱せずに、黒色に染色し、マトリクスで充填して粒子集合体を作製した。
(比較例3)
作製したコロイド結晶膜をオーブンにて130℃、20秒間加熱した後、黒色に染色し、マトリクスで充填して粒子集合体を作製した。
(性能評価)
実施例及び比較例の粒子集合体の構造と光学特性を表1に示す。
作製した材料をSEMで観察したところ、すべての試料でコロイド結晶を形成していることを確認した。実施例1、2、3、4では、結着した部位の存在を確認した。実施例1、2、3、4における、隣接する粒子の中心間を結んだ線に対して垂直な方向の結着した部位の長さ(高さと定義する)は、それぞれ4nm、5nm、7nm、10nmであった。実施例1、2、3、4における、結着した部位の高さに垂直な方向の長さ(幅と定義する)は、それぞれ66nm、84nm、45nm、55nmであった。比較例3では、結着した部位が大きくなり、生成物中の粒子間の空隙がなくなっていた。比較例1及び2では結着した部位を観察することはできなかった。
光学顕微鏡及び肉眼での観察の結果、実施例1、2、3、4、比較例1及び2では緑色を呈していることを確認した。比較例3は無彩色の試料であった。反射率測定の結果、比較例1の試料の反射ピークの半値幅が20nmであり、この半値幅を基準に他の試料の値を比較した。実施例1が20%(半値幅24nm)、実施例2が15%(半値幅23nm)、実施例3が30%(半値幅26nm)、実施例4が40%(半値幅28nm)と、すべての実施例において半値幅が広がっていた。一方、比較例2は半値幅が18nmと10%減少していた。この結果は、結着した部位2の存在により、隣接する粒子1間が直接接触しないことと、高屈折率部位中に光吸収層が存在しないことによって、粒子集合体中の屈折率のコントラストが上昇し、フォトニックバンドギャップが広がった為と考えられる。構造色材料の反射ピークの半値幅が広がったため、比較例1と比べて、すべての実施例の彩度も大幅に向上していることが確認できる。一般に彩度が40以上だと鮮やかな色と認識され、更に彩度が60程度になると非常に鮮やかな色であると認識できる。実施例に示す材料は、視認できる波長の幅が拡がったことにより、非常に鮮やかな色を呈していることを確認できた。
以上のことから、本発明に係る構造色材料などの粒子集合体は、フォトニックバンドギャップが広くて従来よりも反射スペクトルのピーク半値幅が広がり、視認性に優れているため、非常に鮮やかな色を発することがわかった。
本発明の粒子集合体を用いると、高彩度で視認性に優れている構造色色材などを提供することができる。具体的には、プリンタのインクやトナー用の色材、ペンキなどの塗料や静電塗装用の色材、プラスチックやガラス材料と混練して着色する顔料などに利用できる。同じ材料構成で様々な色味を作製できるので、コスト面や着色プロセスを統一できることが産業上の大きなメリットになる。また、カラーフィルタなどの光学部材としても利用できる。
1 粒子
2 結着した部位
3 隣接する粒子同士の中心間距離
4 粒子の直径
5 マトリクス
6 光吸収層

Claims (15)

  1. 粒子が規則的に配列して形成された部分を含む粒子集合体であって、
    隣接する前記粒子間には、前記粒子の表面が結着した部位が存在し、
    隣接する前記粒子同士の中心間距離は、前記粒子の前記結着した部位を有していない部分における前記粒子の直径よりも長く、
    前記結着した部位は、前記粒子と屈折率が同じ材料で形成されている、
    粒子集合体。
  2. 前記粒子及び前記結着した部位の表面の少なくとも一部が光吸収層で被覆されている、
    請求項1に記載の粒子集合体。
  3. 隙間に、前記粒子とは屈折率が異なるマトリクスが配置されている、
    請求項1または2に記載の粒子集合体。
  4. 前記マトリクスは、有機高分子、または無機材料である、
    請求項3に記載の粒子集合体。
  5. 前記マトリクスは固化されている、
    請求項3または4に記載の粒子集合体。
  6. 前記粒子の直径は、50nm以上1000nm以下である、
    請求項1から5の何れか一項に記載の粒子集合体。
  7. 前記粒子の直径は、150nm以上300nm以下であり、変動係数が10%以下である、
    請求項6に記載の粒子集合体。
  8. 前記粒子の屈折率は、1.4以上2.0以下である、
    請求項1から7の何れか一項に記載の粒子集合体。
  9. 前記粒子は、有機高分子、又は無機高分子、又は無機材料の粒子である、
    請求項1から8の何れか一項に記載の粒子集合体。
  10. 前記結着した部位は、前記隣接する粒子の中心を結んだ方向において、隣接する前記粒子同士の中心間距離の30%以下の厚さを有する、
    請求項1から9の何れか一項に記載の粒子集合体。
  11. 光の干渉により発色する構造色材料である、
    請求項1から10の何れか一項に記載の粒子集合体。
  12. 粒子が分散した液を乾燥によって固化し、前記粒子が規則的に配列して形成された部分を含む粒子集合体を得る工程と、
    前記粒子集合体を加熱処理し、隣接する前記粒子間において前記粒子の表面が結着した部位を形成する工程と、
    を含む、
    粒子集合体の製造方法。
  13. 前記結着した部位を形成後に、前記粒子と前記結着した部位との表面の少なくとも一部に光吸収層を形成する工程を含む、
    請求項12に記載の粒子集合体の製造方法。
  14. 前記粒子集合体の隙間に、前記粒子とは屈折率が異なるマトリクスを配置する工程を含む、
    請求項12または13に記載の粒子集合体。
  15. 請求項11に記載の粒子集合体と、固形成分を含むメディウムと、を含む、
    塗料組成物。
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