JPH10314918A - 真空ダイカスト装置および真空ダイカスト方法 - Google Patents

真空ダイカスト装置および真空ダイカスト方法

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JPH10314918A
JPH10314918A JP13254797A JP13254797A JPH10314918A JP H10314918 A JPH10314918 A JP H10314918A JP 13254797 A JP13254797 A JP 13254797A JP 13254797 A JP13254797 A JP 13254797A JP H10314918 A JPH10314918 A JP H10314918A
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澄 吉川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 キャビティ内の真空度の低下を防止して、高
品質のダイカスト製品を成形できるようにする。 【解決手段】 キャビティ10に連通している真空経路
17に比して通路断面積が十分小さいガス排出路23を
備え、このガス排出路23の一端をキャビティ10内に
連通し、他端を真空経路17のうち、カットオフピン1
8よりも後流側部位に連通させる。カットオフピン18
により真空経路17を開放して、真空経路17およびガ
ス排出路23の両方を通してキャビティ10内を真空引
きする状態の後に、カットオフピン18により真空経路
17を遮断して、ガス排出路23のみを通してキャビテ
ィ10内の真空引きを継続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製品形状成形用の
キャビティ内を真空状態にして、ダイカスト製品に含有
されるガス量を低減して、ダイカスト製品の高品質化を
図る真空ダイカスト装置および真空ダイカスト方法に関
するもので、例えば、スクロール型圧縮機におけるアル
ミニウム合金製のハウジング等の製造に用いて好適であ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の真空ダイカスト装置は特
開昭60−250867号公報等にて提案されており、
この公報記載のものでは、キャビティ部と真空経路との
間にカットオフピンを介在し、キャビティ内への金属
(アルミニウム合金)溶湯の圧入が完了する前に、カッ
トオフピンを真空経路中に進入させて、真空経路をカッ
トオフピンにて遮断している。
【0003】これにより、金属溶湯が真空経路中に進入
することを阻止して、溶湯により真空経路が閉塞される
のを防止している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術では、金属溶湯の真空経路への進入阻止のために
は、金属溶湯の圧入完了前に、カットオフピンにて真空
経路を遮断しなければならないので、真空経路遮断後に
ダイカスト用金型のシール不良によりキャビティ内の真
空度が低下したり、あるいは真空経路遮断後も続行され
る金属溶湯の圧入により発生する熱分解ガスの影響でキ
ャビティ内の真空度が低下することがある。このキャビ
ティ内の真空度の低下は、ダイカスト製品に含有される
ガス量の増大を招き、ダイカスト製品の品質低下を引き
起こす。
【0005】本発明は上記点に鑑みてなされたもので、
キャビティ内の真空度の低下を防止して、高品質のダイ
カスト製品を成形できるようにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明では、ダイカスト製品を成形す
るキャビティ(10)に連通している真空経路(17)
と、この真空経路(17)を開閉する経路開閉手段(1
8)と、真空経路(17)に比して通路断面積が十分小
さいガス排出路(23)とを備え、このガス排出路(2
3)の一端をキャビティ(10)内に連通するととも
に、このガス排出路(23)の他端を真空装置(22)
に連通させ、経路開閉手段(18)により真空経路(1
7)を遮断した後も、ガス排出路(23)を通してキャ
ビティ(10)内の真空引きを継続するようにしたこと
を特徴としている。
【0007】このような構成によると、キャビティ(1
0)内に射出機構(11、12)により溶湯を圧入する
過程において、経路開閉手段(18)により真空経路
(17)を開放して、真空経路(17)およびガス排出
路(23)の両方を通してキャビティ(10)内を真空
引きする第1の真空引き状態と、この第1の真空引き状
態の終了後に、経路開閉手段(18)により真空経路
(17)を遮断して、ガス排出路(23)のみを通して
キャビティ(10)内の真空引きを継続する第2の真空
引き状態とを設定することが可能となる。
【0008】このように、経路開閉手段(18)による
真空経路遮断後も、キャビティ(10)内の真空引きを
継続することにより、キャビティ内の真空度低下を抑制
して、ダイカスト製品に含有されるガス量を減少させ、
ダイカスト製品の品質向上を図ることができる。しか
も、ガス排出路(23)の通路断面積を真空経路(1
7)に比して十分小さくすることにより、ガス排出路
(23)内に進入した溶湯の熱を金型側に速やかに伝導
させて、溶湯を急速に冷却、凝固できるので、溶湯がガ
ス排出路(23)を通過して真空経路(17)側まで到
達するという不具合は生じない。
【0009】請求項2記載の発明のように、ガス排出路
(23)の他端は真空経路(17)のうち、経路開閉手
段(18)よりも後流側の部位に連通させることができ
る。このようにすれば、ガス排出路(23)の他端側を
含めて、ガス排出路(23)の全体を金型(2、4、
8、9)内で構成することができる。請求項3記載の発
明のように、ガス排出路(23)を波形に屈折した形状
とすれば、ガス排出路(23)内の溶湯の伝熱面積を増
大させ、溶湯を一層急速に冷却、凝固できる。
【0010】さらに、請求項4記載の発明のように、ガ
ス排出路(23)を形成する壁面部材(23a、23
b、23d、23e)を金型(2、4、8、9)より熱
伝導のよい材料で構成すれば、ガス排出路(23)内の
溶湯の伝熱促進をさらに向上して溶湯を急速に冷却、凝
固できる。請求項5記載のように、ガス排出路(23)
の壁面部材を構成する熱伝導のよい材料としてはベリリ
ウム銅が好適である。
【0011】また、請求項6記載の発明によると、金型
は固定金型(2、8)と可動金型(4、9)とからな
り、ガス排出路(23)の片側の壁面部材(23b、2
3e)を固定金型(2、8)側に設け、ガス排出路(2
3)の他の片側の壁面部材(23a、23d)を可動金
型(4、9)側に設けたことを特徴としている。これに
よれば、ガス排出路(23)を固定金型(2、8)と可
動金型(4、9)との当接位置に形成できるので、ダイ
カスト成形後に型開きすると、キャビティ(10)内の
ダイカスト製品と一体にして、ガス排出路(23)内で
凝固した部分を取り出すことができる。
【0012】また、請求項7記載の発明は、請求項1な
いし6のいずれか1つに記載の真空ダイカスト装置を用
いてダイカスト製品を成形する真空ダイカスト方法に係
るものであって、請求項1記載の発明と同様に、高品質
のダイカスト製品を良好に成形することができる。な
お、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記
載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に
基づいて説明する。 (第1実施形態)図1は本発明による第1実施形態の真
空ダイカスト装置を示すものであり、1は固定支持台で
あり、固定金型2を支持している。3は可動支持台であ
り、可動金型4を締付板5、6、7を介して支持してい
る。
【0014】固定金型2内には固定入れ子8が配置さ
れ、また、可動金型4内には可動入れ子9が固定入れ子
8と対向するように配置されている。そして、この両入
れ子8、9の間に製品部を成形するキャビテイ10を形
成している。また、固定支持台1の下部には円筒状の射
出スリーブ11が支持されており、この射出スリーブ1
1内に射出プランジャ12が摺動可能に嵌合している。
本例では、この射出スリーブ11と射出プランジャ12
とにより金属溶湯の射出機構を構成している。
【0015】この射出プランジャ12はその先端に径拡
大部12aを有し、図示しない油圧駆動機構により射出
スリーブ11内を軸方向(図1左右方向)に移動するよ
うになっている。図1に示す射出プランジャ12の実線
位置は型締め状態において射出プランジャ12が最も後
退した状態を示し、2点鎖線位置12bは最も前進した
状態を示している。
【0016】射出スリーブ11の上方側の部位におい
て、射出プランジャ12の最大後退位置近傍に金属溶湯
の注入口13が形成してあり、この注入口13から射出
スリーブ11内にダイカスト用金属(例えばアルミニュ
ウム合金、マグネシウム合金、亜鉛合金等)の溶湯を図
示しない溶湯注入器にて注入するようになっている。射
出スリーブ11のうち、射出プランジャ12の最大前進
位置側の空間は、ランナー部(射出通路)14およびゲ
ート部15を介してキャビテイ10に連通している。こ
こで、ランナー部14およびゲート部15は互いに対向
する固定入れ子8と可動入れ子9との間の空隙により形
成されており、射出プランジャ12の前進により射出ス
リーブ11内の溶湯をキャビテイ10内に圧入するもの
である。そして、ゲート部15はランナー部14の通路
断面積を絞って溶湯をキャビテイ10内の空間に高速で
噴出させるものである。
【0017】可動型4側にはキャビテイ10内で成形さ
れたダイカスト製品を成形後に押し出すための押し出し
ピン16が摺動可能に支持されている。また、可動型4
側にはキャビテイ10内を高真空度に真空引きするため
の真空経路17が形成されており、そして、この真空経
路17の入口部(キャビテイ10出口直後)を開閉する
カットオフピン(経路開閉手段)18が可動型4側に摺
動可能に支持されている。19はこのカットオフピン1
8を操作する油圧駆動機構である。
【0018】真空経路17は可動型4の外部への開口端
部に真空配管20が接続され、この真空配管20は電磁
弁21を介して真空装置22に連結されている。この真
空装置22は、モータ22aにより駆動される真空ポン
プ22bを有し、この真空ポンプ22bの作動により得
られる真空を蓄える真空タンク22cが真空ポンプ22
bの吸入側に配置されている。さらに、前記した電磁弁
21と真空タンク22cとの間に、手動操作される開閉
弁22d、および真空経路17からの気体中の不純物を
除去するフィルタ22eが配置されている。なお、開閉
弁22dはダイカスト成形時には開弁状態にしておく。
【0019】次に、図2は図1の要部拡大図であり、図
2の例ではキャビテイ10をスクロール型圧縮機のスク
ロール形状を成形するためにスクロール形状になってい
る。金型2、4、8、9のうち、可動型4、9側には、
キャビテイ10の最上部から上方に向けて真空経路17
を設けるとともに、可動型4、9と固定型2、8との境
界部分に、真空経路17に比して通路断面積が十分小さ
いガス排出路23が形成してある。具体的には、真空経
路17の通路厚さ(図2左右方向の厚さ)は、例えば、
12〜35mm程度であり、一方、ガス排出路23の通
路厚さ(図2左右方向の厚さ)は例えば、0.5〜0.
7mm程度の微小厚さである。
【0020】このガス排出路23の一端はキャビティ1
0の最上部に連通するとともに、このガス排出路23の
他端を真空経路17のうち、カットオフピン(経路開閉
手段)18よりも後流側の部位に連通させてある。ここ
で、ガス排出路23は波形に屈折した通路形状を有して
おり、この波形の通路形状を設ける理由は、ガス排出路
23内に進入した溶湯から金型2、4、8、9への伝熱
面積を拡大するためである。
【0021】ガス排出路23は具体的には以下のごとく
構成してある。すなわち、可動金型4の可動入れ子9の
先端面(固定入れ子8の先端面に対向する先端面)に
は、波形に屈折した凹凸部23aが形成してあり、これ
に対し、固定金型2の固定入れ子8の先端面には、凹凸
部23aと所定の微小間隔(上記0.5〜0.7mm程
度の間隔)を介して対向する波形に屈折した凹凸部材2
3bがボルト締め等の締結手段にて連結されている。こ
こで、凹凸部材23bは両入れ子8、9と同様の耐熱金
属(SKD61等)で形成されている。
【0022】そして、凹凸部23aと凹凸部材23bと
の間の微小間隔からなる波形通路の出口部は直角状に方
向を曲げて直線通路23cにて真空経路17のカットオ
フピン18後流側部位に連通させてある。従って、ガス
排出路23の波形通路部の片側の壁面部材(凹凸部23
a)を可動金型4、9側に設け、ガス排出路23の他の
片側の壁面部材(凹凸部材23b)は固定金型2、8側
に設けることになる。
【0023】なお、可動金型4と固定金型2との当接面
において、キャビティ10の外周側の部位には、キャビ
ティ10の真空状態を保持するためのシールを行うゴム
製シール部材24が配設されている。図1、2の例で
は、可動金型4側にゴム製シール部材24が配設されて
いる。次に、上記したダイカスト装置においてダイカス
ト方法を説明すると、まず、可動金型4を図1に示すよ
うに固定金型2に対して当接させ、型締めする。この型
締め状態において、射出プランジャ12は図1の実線で
示す最大後退位置に後退させておく。また、カットオフ
ピン18は図1、2の位置よりも右側に前進して、真空
経路17の入口部を遮断する位置に操作する。また、電
磁弁21は真空配管21を閉塞する状態にある。
【0024】なお、ダイカスト製品の成形は短時間サイ
クルで繰り返されるので、ダイカスト成形の実施中は、
真空装置22の真空ポンプ22bが常時作動して真空タ
ンク22c内を減圧状態に保っている。次に、金属溶湯
(例えば、アルミニュウム合金、溶湯温度:720〜7
40°C程度)を図示しない溶湯注入器にて注入口13
から射出スリーブ11内に注入する。
【0025】次に、この溶湯の注入完了後に、直ちに、
射出プランジャ12を図1の2点鎖線で示す最大前進位
置12b側へ前進させる。この射出プランジャ12の前
進により、射出スリーブ11内の溶湯がランナー部14
側へ移行するとともに、射出プランジャ12が所定の中
間位置(例えば、注入口13を射出プランジャ12の先
端の径拡大部12aが閉塞した後の中間位置)に到達す
ると、この射出プランジャ12の中間位置を図示しない
位置検出センサが検出して、射出プランジャ12の前進
を一時停止(中断)させる。
【0026】この後に、電磁弁21を開弁するととも
に、カットオフピン18を図1、2の実線位置に後退さ
せて、真空経路17を開放する。これにより、真空装置
22の真空タンク22cが電磁弁21を経てさらに真空
経路17およびガス排出通路23を並列に通ってキャビ
ティ10に連通する。この結果、キャビティ10内の真
空引きが真空経路17およびガス排出通路23の両方を
通して行われ(第1の真空引き状態)、キャビティ10
内の空気および金型潤滑油等から発生する熱分解ガスが
真空装置22側に吸引される。
【0027】そして、カットオフピン18が開放位置に
操作されてから、タイマー手段による所定時間(1〜2
秒)が経過すると、油圧駆動機構19によりカットオフ
ピン18が前進して真空経路17の入口部を遮断する。
これにより、真空経路17を通るキャビティ10内の真
空引きは終了するが、カットオフピン18による真空経
路17の遮断部をバイパスするようにガス排出路23が
形成されているので、このガス排出路23を通して、キ
ャビティ10内の真空引き(第2の真空引き状態)が継
続される。従って、カットオフピン18による真空経路
17の遮断後もキャビティ10内の真空度低下を抑制し
て、キャビティ10内の真空度を高い状態に保持するこ
とができる。
【0028】そして、カットオフピン18が真空経路1
7の遮断位置に到達したことを検出した後に、射出プラ
ンジャ12の前進を再開させ、射出プランジャ12を2
点鎖線で示す最大前進位置12bに到達させる。これに
より、射出スリーブ11内およびランナー部14内の溶
湯がゲート部15からキャビテイ10内に高速で噴出
し、キャビテイ10内への溶湯の圧入充填が完了する。
【0029】ここで、真空経路17の入口部を既にカッ
トオフピン18により遮断しているので、金属溶湯が真
空経路17内へ進入することはない。一方、ガス排出路
23は開通したままであるので、キャビテイ10内に圧
入充填された溶湯の一部がガス排出路23に進入する
が、ガス排出路23の通路厚みが0.5〜0.7mmと
微小であり、通路断面積が十分小さいとともに、ガス排
出路23を波形に屈折した形状にしてガス排出路23内
に進入した溶湯の伝熱面積を大きくしてあるから、ガス
排出路23内に進入した溶湯からガス排出路23を形成
する壁面部材への伝熱を促進して、溶湯を短時間で急速
に冷却、凝固できる。
【0030】従って、ガス排出路23の波形通路部の途
中で十分溶湯の進入を停止させることができるので、溶
湯が直線通路23cを経てさらに真空経路17まで進入
することはない。そして、ガス排出路23の波形通路部
の途中で溶湯が冷却、凝固すると、キャビティ10内の
真空引き作用は消滅するので、予め、このガス排出路2
3の途中での溶湯凝固時間を実験により設定しておき、
射出プランジャ12の前進再開後、このガス排出路途中
での溶湯凝固時間に相当の時間が経過すると、電磁弁2
1を閉弁する。
【0031】次に、射出プランジャ12の前進再開後、
キャビテイ10内に圧入充填された溶湯の凝固時間(上
記ガス排出路23の途中での溶湯凝固時間より長い時
間)が経過すると、キャビテイ10内におけるダイカス
ト製品の成形が完了するので、金型の型開きを行う。す
なわち、可動型4を固定型2から離れる方向(図1の左
方向)に移動させて型開きを行うとともに、可動型4側
の押し出しピン16および固定型2側の射出プランジャ
12を前進させて、キャビテイ10内の空間で凝固した
ダイカスト製品をランナー部14内およびガス排出路2
3内の空間で凝固した部分と一体にして押し出す。
【0032】その後に、可動型4を固定型2側に移動さ
せて、型締めを行うとともに、射出プランジャ12を図
1の実線位置に後退させ、初期の状態に戻る。これによ
り、一連のダイカスト方法の全工程が完了する。ところ
で、従来装置では、金属溶湯の真空経路17への進入阻
止のために、キャビテイ10内への金属溶湯の圧入完了
前に、カットオフピン18にて真空経路17を遮断しな
ければならないので、キャビティ10内の真空度が低下
して、ダイカスト製品内ガス量の増大を招き、ダイカス
ト製品の品質低下を引き起こすという不具合があった。
【0033】これに対し、本実施形態によると、前述し
たように、真空経路17とガス排出路23の両方を通し
てキャビティ10内の真空引きを行う第1の真空引き状
態の後に、カットオフピン18による真空経路17の遮
断部をバイパスするガス排出路23を通して、キャビテ
ィ10内の真空引きを継続する第2の真空引き状態を設
定している。
【0034】そのため、カットオフピン18による真空
経路17の遮断後もキャビティ10内の真空度を高い状
態に保持することができ、ダイカスト製品内ガス量を低
減して、ダイカスト製品の品質を向上できる。図3は溶
湯をキャビティ10内に充填しない状態において本発明
者が比較実験した結果を示すもので、(a)は本発明に
よるガス排出路23を形成してない従来装置におけるカ
ットオフピン18による真空経路17の開放、遮断と、
キャビティ10内の真空度変化との関係を示し、(b)
はガス排出路23を形成した本発明装置におけるカット
オフピン18による真空経路17の開放、遮断と、キャ
ビティ10内の真空度変化との関係を示している。
【0035】(a)の従来装置による場合は、カットオ
フピン18により真空経路17を遮断すると、直ちに、
キャビティ10内の真空引きが停止されるので、これ以
後、ダイカスト用金型のシール不良、キャビティ10内
の熱分解ガス発生等により急速にキャビティ10内の真
空度が低下(圧力上昇)していく。本発明者の測定によ
ると、カットオフピン18による真空経路遮断後の真空
度低下の勾配は86.5Torr/sであった。
【0036】これに対し、(b)の本発明装置による場
合は、カットオフピン18による真空経路遮断後もガス
排出路23によるキャビティ10内の真空引き(第2の
真空引き状態)が継続されるので、上記のごとき真空度
低下の要因が発生しても真空経路遮断後の真空度低下の
勾配を8.0Torr/sという、1/10以下の僅少
値に抑えることがてきた。
【0037】その結果、従来装置により成形されたダイ
カスト製品に含まれるガス量と、本発明装置により成形
されたダイカスト製品に含まれるガス量とを比較する
と、図4に示すように、ダイカスト製品内ガス量を本発
明装置では従来装置の1/3以下に低減でき、ダイカス
ト製品の品質を格段と向上できることを確認した。 (第2実施形態)上述した第1実施形態および実験デー
タの説明から理解されるように、ガス排出路23の形態
は、カットオフピン18による真空経路遮断後における
キャビティ10内の真空度低下の抑制のためには、通路
断面積を大きくすることが好ましく、一方、ガス排出路
23を通過して真空経路17内に溶湯が進入することを
阻止するためには、ガス排出路23の通路断面積を小さ
くして溶湯の冷却、凝固を促進することが好ましい。
【0038】このように、ガス排出路23の具体的形態
の設計に際しては、キャビティ10内の真空度低下の抑
制と、真空経路17内への溶湯の進入阻止という、相反
する2つの課題を両立させることが要求される。そこ
で、図5に示す第2実施形態では、上記の2つの課題の
両立のための改良構造を提案するものであって、ガス排
出路23の入口側の波形通路部を形成する壁面部材を金
型2、4、8、9を構成する耐熱金属(例えば、SKD
61等)より熱伝導のよい材料、具体的にはベリリウム
銅で構成した。
【0039】すなわち、第2実施形態では可動入れ子9
とは別体の凹凸部材23aおよびブロック体23dをベ
リリウム銅で構成して、この両部材23a、23dをボ
ルト等の締結手段にて可動入れ子9側に連結している。
また、固定入れ子8とは別体の凹凸部材23bおよびブ
ロック体23eをベリリウム銅で構成して、この両部材
23b、23eをボルト等の締結手段にて固定入れ子8
側に連結している。
【0040】第2実施形態によると、ガス排出路23の
入口側の波形通路部を形成する上記各部材23a、23
b、23d、23eをベリリウム銅のように熱伝導のよ
い材料で構成しているため、ガス排出路23の入口側の
波形通路部に溶湯が進入してきたとき、溶湯の熱を入口
側の波形通路部において金型2、4、8、9側に急速に
伝導することができる。そのため、ガス排出路23の通
路断面積(図5左右方向の通路厚み)を第1実施形態よ
り広くしても、入口側の波形通路部途中にて溶湯を急速
に冷却、凝固できる。
【0041】このように、ガス排出路23の通路断面積
を広くできる分だけ、ガス排出路23による真空引き効
果を増大でき、図3(b)による真空度低下の勾配をよ
り一層小さくできる。なお、上記第1、第2実施形態で
はいずれも、ガス排出路23の他端を、金型2、4、
8、9の内部において、カットオフピン(経路開閉手
段)18よりも後流側の真空経路17に連通させている
が、本発明はこのような形態のみに限定されるものでは
なく、例えば、ガス排出路23の他端を真空経路17と
は別の独立の真空経路を介して金型2、4の外部におい
て真空装置22に直接連通させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示すダイカスト装置の
要部断面図である。
【図2】図1の要部拡大断面図である。
【図3】カットオフピンによる真空経路の開放、遮断
と、キャビティ内の真空度変化との関係を示すグラフで
ある。
【図4】本発明装置と従来装置とによるダイカスト製品
内ガス量を比較して示すグラフである。
【図5】本発明の第2実施形態を示すダイカスト装置の
一部拡大断面図である。
【符号の説明】
2…固定金型、4…可動金型、8…固定入れ子、9…可
動入れ子、10…キャビテイ、11…射出スリーブ、1
2…射出プランジャ、17…真空経路、18…カットオ
フピン、22…真空装置、23…ガス排出路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 実 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開閉可能な金型(2、4、8、9)と、 この金型(2、4、8、9)の内部に設けられ、ダイカ
    スト製品を成形するキャビティ(10)と、 前記金型(2、4、8、9)に設けられ、前記キャビテ
    ィ(10)内に溶湯を圧入する射出機構(11、12)
    と、 前記金型(2、4、8、9)に設けられ、前記キャビテ
    ィ(10)に連通している真空経路(17)と、 前記キャビティ(10)内を前記真空経路(17)を通
    して真空引きする真空装置(22)と、 前記金型(2、4、8、9)に設けられ、前記真空経路
    (17)を開閉する経路開閉手段(18)と、 前記金型(2、4、8、9)に設けられ、前記真空経路
    (17)に比して通路断面積が十分小さいガス排出路
    (23)とを備え、 このガス排出路(23)の一端を前記キャビティ(1
    0)内に連通するとともに、このガス排出路(23)の
    他端を前記真空装置(22)に連通させ、前記経路開閉
    手段(18)により前記真空経路(17)を遮断した後
    も、前記ガス排出路(23)を通して前記キャビティ
    (10)内の真空引きを継続するようにしたことを特徴
    とする真空ダイカスト装置。
  2. 【請求項2】 前記ガス排出路(23)の他端を前記真
    空経路(17)のうち、前記経路開閉手段(18)より
    も後流側の部位に連通させることを特徴とする請求項1
    に記載の真空ダイカスト装置。
  3. 【請求項3】 前記ガス排出路(23)を波形に屈折し
    た形状としたことを特徴とする請求項1または2に記載
    の真空ダイカスト装置。
  4. 【請求項4】 前記ガス排出路(23)を形成する壁面
    部材(23a、23b、23d、23e)を前記金型
    (2、4、8、9)より熱伝導のよい材料で構成したこ
    とを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載
    の真空ダイカスト装置。
  5. 【請求項5】 前記熱伝導のよい材料はベリリウム銅で
    あることを特徴とする請求項4に記載の真空ダイカスト
    装置。
  6. 【請求項6】 前記金型は固定金型(2、8)と可動金
    型(4、9)とからなり、 前記ガス排出路(23)の片側の壁面部材(23b、2
    3e)を前記固定金型(2、8)側に設け、前記ガス排
    出路(23)の他の片側の壁面部材(23a、23d)
    を前記可動金型(4、9)側に設けたことを特徴とする
    請求項1ないし5のいずれか1つに記載の真空ダイカス
    ト装置。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれか1つに記載
    の真空ダイカスト装置を用いてダイカスト製品を成形す
    る真空ダイカスト方法であって、 前記キャビティ(10)内に前記射出機構(11、1
    2)により溶湯を圧入する過程において、前記経路開閉
    手段(18)により前記真空経路(17)を開放して、
    前記真空経路(17)および前記ガス排出路(23)の
    両方を通して前記キャビティ(10)内を真空引きする
    第1の真空引き状態と、 この第1の真空引き状態の終了後に、前記経路開閉手段
    (18)により前記真空経路(17)を遮断して、前記
    ガス排出路(23)のみを通して前記キャビティ(1
    0)内の真空引きを継続する第2の真空引き状態とを設
    定することを特徴とする真空ダイカスト方法。
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