JPH10314542A - 空気清浄機 - Google Patents

空気清浄機

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Publication number
JPH10314542A
JPH10314542A JP9128218A JP12821897A JPH10314542A JP H10314542 A JPH10314542 A JP H10314542A JP 9128218 A JP9128218 A JP 9128218A JP 12821897 A JP12821897 A JP 12821897A JP H10314542 A JPH10314542 A JP H10314542A
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JP
Japan
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hydrophobic zeolite
gas
air
adsorbing
adsorption
Prior art date
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Pending
Application number
JP9128218A
Other languages
English (en)
Inventor
Yu Fukuda
祐 福田
Katsuhiko Uno
克彦 宇野
Noriyuki Komeno
範幸 米野
Hiroshi Takeyama
寛 竹山
Kunihiro Suga
邦弘 菅
Hiroaki Fujii
宏明 藤井
Kunio Ogita
邦男 荻田
Mitsuru Yoneyama
充 米山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP9128218A priority Critical patent/JPH10314542A/ja
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  • Direct Air Heating By Heater Or Combustion Gas (AREA)
  • Treating Waste Gases (AREA)
  • Separation Of Gases By Adsorption (AREA)
  • Filtering Of Dispersed Particles In Gases (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は空気清浄機に関するものであり、空
気中の揮発性有機化合物などの汚染ガスを吸着処理後、
加熱によって分解除去するもので吸着手段の交換などの
メンテナンスが不要で夏場でも使用を可能としたもので
ある。 【解決手段】 空気清浄機の通風路に汚染ガスを吸着す
る吸着手段11と吸着手段11を加熱する加熱手段14
と汚染ガスを分解する分解手段15を設けた構成であ
り、吸着手段11で吸着した汚染ガスを加熱手段14に
よって脱離させ、分解手段15によって分解して無害な
物質に変換する。吸着手段11は元の状態に再生される
のでメンテナンスが不要となるともに、加熱手段14は
吸着手段11を加熱する時のみ使用するので、消費電力
を小さくすることができるとともに室温の温度上昇を抑
制でき、夏場でも使用可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は空気中に浮遊する塵
埃、黴、ダニ、花粉、煙草の煙などの汚染粒子、煙草の
臭気や建材、壁、家具から発生するアルデヒドなどの揮
発性有機化合物、燃焼機などから発生する一酸化炭素な
どの無機ガスで代表される汚染ガスを焼却、分解して除
去する空気清浄機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来よりこの種の機能を有する空気清浄
機としては、塵埃などの空気中に浮遊する粒子を帯電さ
せて集塵板に吸着捕捉する方式(電気集塵式)、繊維状
のフィルタでろ過して捕捉する方式(機械集塵式)、ま
たはこれらを複合した方式のものが用いられている。ま
た活性炭や触媒などによって空気中の臭い成分を除去す
るもの、健康上の配慮からフィルタに特殊な抗菌処理を
施したものもある。
【0003】さらに、ヒータを用いた空気清浄機能付き
電気暖房機としては、特開平4−309751号公報に
記載されているようなものがある。この装置は図7に示
すように平板状のヒータ1を備え、通路2にある空気中
の汚染ガスおよび塵埃などの粒子をヒータ1の近傍に捕
捉するための放電極3と集塵極4とから構成される放電
装置と、捕捉された臭気および粒子のヒータ1による酸
化分解を促進する酸化触媒5を絶縁体6に添着して構成
されており、ヒータ1の加熱によって暖房を行うと同時
に、放電装置の放電極3から放電される陽イオンによっ
て粒子や臭気、ガスが帯電し、集塵極4に引き寄せられ
て絶縁体6に付着し、ヒータ1の熱と酸化触媒5によっ
て分解除去されるというものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の空気清浄機では長期間使用すると、塵埃などの粒子
によるフィルタの目詰まりや集塵板への帯電粒子の吸着
能力が低下し、集塵機能が低下することや、煙草などの
汚染ガスはフィルタや集塵板に多量に吸着すると室温の
上昇や送風ファンの風力によって吸着したガスの一部が
再放出されるなどの課題があり、所定の空気清浄機能を
得るためにはフィルタや集塵板の交換や清掃などのメン
テナンスが必要であった。また従来の空気清浄機に用い
られているフィルタは、有機化合物の繊維もしくは耐熱
性の低いガラスの繊維から構成されているので、集塵し
た粒子、吸着したガスを焼却、分解することができず、
アレルゲンの素となる粒子やガスを消滅させることはで
きなかった。
【0005】またフィルタに抗菌処理したものは、静菌
などの不活性化のレベルであり、殺菌するまでには至ら
ず、完全に死滅させ、かつ焼却するというものではなか
った。
【0006】また図7の構成のものは、平板状のヒータ
1によって絶縁体6の表面に付着した臭気ガスや塵埃な
どの粒子を焼却しようとするものであるが、絶縁体6の
面積が大きいため全体を均一に加熱することが困難であ
り、捕捉した塵埃などを完全に焼却できないか、あるい
は完全に焼却するにはヒータ1の消費電力が大きくなる
という課題があった。またヒータ1よって室内に輻射熱
を放出するため、夏場は室温が上昇し、空気清浄機能が
使用できないという課題があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、空気中の汚染ガスを選択的に吸着する疎水
性ゼオライトから構成された吸着手段と、前記吸着手段
を加熱して吸着した汚染ガスを脱離させるとともに空気
中の汚染粒子を加熱によって焼却除去させる加熱手段
と、前記吸着手段から脱離した汚染ガスを分解する分解
手段を筐体の通風路に配置し、送風手段によって筐体内
に汚染ガスと汚染粒子を含む空気を送風する構成とした
ものである。
【0008】上記発明によれば、空気に含まれる汚染ガ
スは送風手段の送風によって筐体内に導かれ、疎水性ゼ
オライトからなる吸着手段に吸着され浄化される。吸着
手段を構成する疎水性ゼオライトは水蒸気が吸着され難
く、汚染ガスの吸着能力が高いので優れた空気浄化機能
を実現することができる。吸着手段に所定量の汚染ガス
が吸着すると、加熱手段によって吸着手段が加熱され、
脱離した汚染ガスは分解手段によって分解され、無害な
物質に変換することができる。吸着手段は元の状態に再
生され、再び汚染ガスを吸着することができるので吸着
手段の交換や清掃などのメンテナンスを不要とすること
ができる。一方、空気中の汚染粒子が筐体内に導かれる
と、加熱手段を作動させて汚染粒子を加熱する。この加
熱処理によって汚染粒子は焼却除去され、汚染粒子に含
まれるアレルゲンとなる物質や浮遊菌を消滅させること
ができる。また、加熱手段は吸着ガスを分解する時と汚
染粒子を焼却する時に作動するので電力消費量を少なく
することができるとともに、室内の温度上昇が抑制さ
れ、春、秋はもちろん夏場においても空気清浄機として
使用できる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明は、通風路を有する筐体
と、前記筐体の通風路に配置した空気中の汚染ガスを吸
着する吸着手段と、前記吸着手段を加熱して脱離した汚
染ガスを脱着させるとともに空気中の汚染粒子を加熱に
よって焼却除去させる加熱手段と、前記吸着手段から脱
離した汚染ガスを分解する分解手段と、前記吸着手段に
空気を送風する送風手段とを備え、吸着手段は汚染ガス
を選択的に吸着する疎水性ゼオライトから構成したもの
である。
【0010】そして、空気に含まれる汚染ガスは送風手
段によって筐体内に導かれ、吸着手段を構成する疎水性
ゼオライトに吸着させることにより浄化される。吸着手
段を構成する疎水性ゼオライトは水蒸気が吸着され難
く、汚染ガスを選択的に吸着することができるので吸着
能力が高く、優れた空気浄化機能を実現することができ
る。吸着手段に所定量の汚染ガスが吸着すると、吸着手
段は近傍に配置した加熱手段の発熱によって加熱され
る。この加熱処理によって吸着手段から脱離した汚染ガ
スは分解手段により分解され、無害な物質に変換するこ
とができる。吸着手段は元の状態に再生され、再び汚染
ガスを吸着する能力が発揮できるので吸着手段の交換や
清掃などのメンテナンスを不要とすることができる。一
方、空気中に含まれる煙草の煙などの汚染粒子が筐体内
に導かれた場合は加熱手段を発熱させ、汚染粒子を加熱
する。この加熱処理によって汚染粒子は焼却除去され、
さらに汚染粒子の焼却時に発生した汚染ガスは分解手段
によって無害な微意質に変換され排出される。この作用
により、汚染粒子に含まれるアレルゲンとなる物質や浮
遊菌を消滅させることができるので清潔で安全性の高い
空気清浄機を提供できるとともに、汚染粒子を捕捉する
フィルタを用いる必要がない。また、加熱手段は吸着ガ
スを分解する時と汚染粒子を焼却する時に作動するので
電力消費量を少なくすることができるとともに、室内の
温度上昇が抑制され、春、秋はもちろん夏場においても
空気清浄機として使用することができる。
【0011】また、吸着手段は空気が通過する開口部を
有するセラミック繊維からなる構造体と、前記構造体の
表面に接着またはセラミック繊維の隙間に分散された疎
水性ゼオライトから構成したものである。
【0012】そして、吸着手段を構成する構造体は空気
が通過する開口部を有するので送風時の圧力損失を小さ
くすることができ、送風手段の小型化や低騒音が実現で
きる。また、構造体の骨格がセラミック繊維で構成され
るているので軽量となり、汚染ガスを脱離温度まで短時
間で昇温させることができ、消費電力を小さくすること
ができるとともに、汚染ガスの分解時間が短縮される。
また、セラミック繊維の構造体は多孔質であるので汚染
ガスが構造体内部への拡散が可能となり、汚染ガスの吸
着量を多くすることができる。
【0013】また、吸着手段は空気が通過する開口部を
有するセラミック粒子からなる構造体と、前記構造体の
表面に接着された疎水性ゼオライトから構成するもので
ある。
【0014】そして、構造体はセラミック粒子を高密度
で成形して造られるので機械的強度が強く、外部からの
衝撃や熱衝撃を受けても破損が防止され、優れた耐久性
を実現することができる。
【0015】また、吸着手段は空気が通過する開口部を
有する疎水性ゼオライトと結合材の構造体から構成した
ものである。
【0016】そして、構造体自身が疎水性ゼオライトか
ら構成されるので汚染ガスの吸着量を多くすることがで
き、優れた汚染ガスの除去性能を実現することができる
とともに、吸着手段を小型化することができる。
【0017】また、吸着手段は疎水性ゼオライトと結合
材で成形されたペレットと、前記ペレットが充填され空
気が通過する開口部を有する容器から構成したものであ
る。
【0018】そして、疎水性ゼオライトからなるペレッ
トが容器に不規則に充填されているので容器内を流れる
空気の方向が不規則になり、汚染ガスとペレットの接触
をよくすることができるので高い吸着効率を実現するこ
とができるとともに、ペレット自身が疎水性ゼオライト
と触媒から構成されているので優れた汚染ガスの除去性
能を実現することができる。また、容器内のペレットの
充填密度および容器の大きさを自由に変えることができ
るので設計の自由度を大きくすることができる。
【0019】また、疎水性ゼオライトは極性を有する揮
発性化合物を選択的に吸着する疎水性ゼオライトと非極
性の揮発性化合物を選択的に吸着する疎水性ゼオライト
で構成したものである。
【0020】そして、汚染ガスの極性の有無によって吸
着能力の異なる2種類の疎水性ゼオライトを用いること
により、数多い汚染ガスをそれぞれ効率的に吸着できる
ので汚染ガス全体の除去性能を向上させることができ
る。
【0021】また吸着手段はセラミック繊維と極性を有
する揮発性化合物を選択的に吸着する疎水性ゼオライト
または非極性の揮発性化合物を選択的に吸着する疎水性
ゼオライトのいずれか1種からなる平板シートと前記セ
ラミック繊維と前記平板シートに用いていない他種の疎
水性ゼオライトからなる平板シートを波形に加工した波
形シートを接着してなる少なくとも一組の構造体で構成
したものである。
【0022】また、吸着手段はセラミック繊維と極性を
有する揮発性化合物を選択的に吸着する疎水性ゼオライ
トからなる平板シートと前記平板シートを波形に加工し
た波形シートを接着してなる第1の複合体と、セラミッ
ク繊維と非極性の揮発性化合物を選択的に吸着する疎水
性ゼオライトからなる平板シートと前記平板シートを波
形に加工した波形シートを接着してなる第2の複合体と
を積層した構造体で構成したものである。
【0023】そして、汚染ガスの極性の有無によって吸
着能力の異なる2種類の疎水性ゼオライトを用いること
により、数多い汚染ガスをそれぞれ効率的に吸着できる
ので汚染ガス全体の除去性能を向上させることができ
る。また、性質、特性の異なる2種類の疎水性ゼオライ
トを混合することなく、それぞれ単独の疎水性ゼオライ
トでシートを製造し、これらを複合化して構造体を構成
しているので安定した吸着性能を実現することができ
る。
【0024】また、吸着手段は吸着ガスの少なくとも1
部を分解する触媒を含む構成としたものである。
【0025】また、触媒はCu、Mn、Co、Fe、Ni、
Si、Alの酸化物もしくはPt、Pd、Rh、Au、Agの
金属の少なくとも1種を用いたものである。
【0026】そして、触媒は吸着している汚染ガスの分
解温度を下げることができるので吸着手段を加熱するこ
とにより、汚染ガスが吸着手段から脱離する前に分解す
ることができるとともに、脱離した汚染ガスも吸着手段
を通過する際に再び触媒と接触することにより分解する
ことができるので分解手段の負荷が小さくなり、優れた
分解性能を実現することができる。また、吸着している
汚染ガスの室内への再放出を抑制することができる。ま
た、触媒はホルムアルデヒドなどのアルデヒド類やアン
モニア、一酸化炭素などの無機ガス、さらに煙草の煙の
吸着・分解を促進することができるので空気の浄化機能
を高めることができる。特に、触媒としてCu、Mn、C
o、Fe、Ni、Si、Alの酸化物もしくはPt、Pd、R
h、Au、Agの金属の少なくとも1種を用いることによ
り、優れた汚染ガスの吸着性能と分解性能を実現するこ
とができる。
【0027】以下本発明の実施例について図面を用いて
説明する。 (実施例1)図1は本発明の実施例1の空気清浄機の断
面図である。
【0028】図において、11は空気中の煙草の臭気や
建材、壁、家具から発生するアルデヒドなどの揮発性有
機化合物や燃焼機から発生する無機ガスなどの汚染ガス
を吸着する吸着手段であり、筐体12の通風路に断熱材
13を介して配置されている。14は吸着手段11を加
熱し、吸着している汚染ガスを脱離させる加熱手段であ
り、吸着手段11の近傍に配置されている。15は吸着
手段11から脱離した汚染ガスを分解する分解手段であ
り、吸着手段11の近傍に配置されている。16は室内
の空気を循環させる送風手段であり、この送風手段16
によって室内の汚染ガス、汚染粒子を含む空気は筐体1
2に導かれ、吸着手段11、加熱手段14、分解手段1
5によって浄化され室内へ戻される。通常、加熱手段1
4と分解手段15は電熱線によるヒータ、送風手段16
はファンが適用される。空気清浄機の全体の制御は運転
制御装置17によって行われる。
【0029】また、図2(a)は本発明の空気清浄機に
適用される吸着手段11の斜視図、同図(b)は同図
(a)のA部断面図である。
【0030】吸着手段11は同図(a)、(b)で示す
ように、平板シート21と平板シート21を波形に加工
した波形シート22を接着してなる複合体を開口部23
が同方向となるように積層したハニカム状の構造体24
から構成されており、汚染ガスを含む空気は開口部23
を通過するようにしている。また、同図(b)で示すよ
うに、平板シート21および波状シート22はその骨格
がセラミック繊維25で構成されているので多孔質とな
っており、セラミック繊維25の表面及び隙間には疎水
性ゼオライト26の粒子が結合材(図示せず)によって
接着され、さらに触媒27の粒子が担持されている。汚
染ガスを含む空気が構造体24を通過する際、汚染ガス
は疎水性ゼオライト26と触媒27に吸着される。疎水
性ゼオライト26は水蒸気の吸着を抑制した組成(主成
分がシリカとアルミナでシリカの含有量を多くしたも
の)であり、空気中の特に揮発性有機化合物からなる汚
染ガスを選択的に吸着できるものである。また、触媒2
7は汚染ガスの吸着と分解を目的に用いられるものであ
り、特にホルムアルデヒドやアンモニアそして一酸化炭
素などの無機きガスの吸着性能に優れており、かつ吸着
した汚染ガスを低温で分解できる効果を有する。触媒材
料としてはCu、Mn、Co、Fe、Ni、Si、Alの酸化
物もしくはPt、Pd、Rh、Au、Agの金属の少なくと
も1種が適用されるが、特に耐熱性と触媒活性に優れた
Pt、Pd、Rh、Au、Agの微粒子が好ましい。吸着手
段11(構造体24)を構成するセラミック繊維25
は、耐熱性の高いアルミナ、シリカの少なくとも1種を
主成分としたものが好ましい。
【0031】次に動作、作用について説明する。電源
(図示せず)を入れると送風手段16であるファンが作
動し、室内の汚染空気は強制的に吸引口18から吸引さ
れ、綿挨などの大きな粒子はプレフィルタ19に捕捉さ
れる。プレフィルタ19を通過し、汚染ガスを含む空気
は吸着手段11を構成するハニカム状の構造体24の開
口部23から流入する。構造体24を通過する際、汚染
ガスは平板シート21、波状シート22の疎水性ゼオラ
イト26と触媒27の粒子に選択的に吸着される。構造
体24を構成する平板シート21,波状シート22は多
孔質であるのでその表面だけでなく内部への汚染ガスの
拡散が可能となり、そこに存在する疎水性ゼオライト2
6と触媒27も吸着能力を発揮することができ、汚染ガ
スの吸着量を多くすることができる。汚染ガスが除去さ
れた空気は構造体24の反対側の開口部23から流出
し、吹き出し口20より室内に戻される。この空気の循
環を繰り返すことにより、空気に含まれる汚染ガスが除
去され室内が浄化される。
【0032】所定の時間運転すると、運転制御装置17
が作動し、送風手段16であるファンが停止し、吸着手
段11の近傍に配置している加熱手段14と分解手段1
5が発熱を開始する。吸着手段11であるハニカム状の
構造体24が加熱手段14によって加熱される。吸着手
段11はセラミック繊維25を骨格とする多孔質のハニ
カム状の構造体24よりなるので重量が軽く、汚染ガス
の脱離温度である200〜300℃まで短時間で昇温さ
せることができる。吸着手段11が加熱されると吸着し
ていた沸点の低いあるいは蒸気圧の高い汚染ガスの一部
が脱離し、脱離した汚染ガスは分解手段15に導かれ、
分解手段15の加熱された熱によって分解されて水蒸気
と炭酸ガスの無害な物質に変換される。また、加熱手段
14の加熱によって触媒27が触媒として機能する温度
に昇温すると吸着手段11に残存している沸点の高いあ
るいは蒸気圧の低い汚染ガスが触媒27の酸化作用によ
って無害な物質に分解される。
【0033】所定の加熱時間が経過すると、運転制御装
置17によって送風手段16であるファンが作動し、再
び室内空気を循環させることにより、室内空気を浄化す
る。
【0034】一方、煙草の煙など汚染粒子の濃度が高い
場合は、空気清浄機に取り付けられたホコリ・煙センサ
による自動検出や手動スイッチ(いずれも図示せず)に
より加熱手段14と分解手段15を作動させ、送風手段
16によって筐体12に導かれた汚染粒子を焼却除去す
る。焼却された汚染粒子の一部が臭気あるいは有害なガ
スに変換されても吸着手段11の触媒27の触媒作用と
分解手段15の熱分解作用によって最終的に無臭で無害
な物質に変換され、室内へは浄化された清浄空気が排出
される。
【0035】空気中に含まれる汚染粒子、汚染ガスは加
熱処理によって焼却、分解除去されるので送風手段16
が再び作動しても汚染粒子や汚染ガスの再放出による室
内の汚染を防止することができるとともに、アレルゲン
の素となる汚染粒子や汚染ガスを消滅させることができ
るので清潔で安全性の高い空気清浄機を提供することが
できる。また、汚染粒子の焼却除去は加熱手段14、分
解手段15を作動させることによって達成されるので汚
染粒子を捕捉するフィルタを用いる必要がない。
【0036】また、吸着手段11は吸着した汚染ガスを
焼却、分解することによって元の状態に再生されるので
再び汚染ガスの吸着が可能となり、吸着手段11の交換
や洗浄などのメンテナンスを不要とすることができる。
【0037】また、加熱手段14、分解手段15は汚染
粒子、吸着ガスを焼却、分解するときのみ作動させるの
でトータルとしての電力消費量を少なくすることができ
るとともに、室内温度を上昇させないのでオールシーズ
ンに渡り空気清浄機として使用することができる。
【0038】また、吸着手段11であるハニカム状の構
造体24は空気が通過する開口部23を有するので送風
時の圧力損失を小さくすることができ、送風手段16の
小型化や低騒音が実現できる。また、構造体24の骨格
がセラミック繊維25で構成されるているので軽量とな
り、汚染ガスを脱離温度まで短時間で昇温させることが
できるので消費電力を小さくすることができるととも
に、汚染ガスの分解処理時間を短縮することができる。
さらに、構造体24を構成する平板シート21と波状シ
ート22は多孔質であるので表面部だけでなく内部への
吸着が可能となり、汚染ガスの吸着量を多くすることが
できるので汚染ガスの除去性能を向上させることができ
る。
【0039】また、吸着手段11に用いる疎水性ゼオラ
イト26は水蒸気の吸着を抑制した組成であり、空気中
の特にトルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、ヘキ
サン、デカンなどの脂肪族炭化水素、アセトンなどのケ
トン類など沸点が50〜250℃の揮発性有機化合物か
らなる汚染ガスを選択的に吸着できるので高い除去性能
を得ることができる。また、疎水性ゼオライト26は5
00℃以上の高い耐熱性を有するので加熱処理を繰り返
しても構造が変化することがなく、初期の吸着性能を長
期間維持することができる。
【0040】また、触媒27は吸着している汚染ガスの
分解温度を下げることができるので吸着手段11を加熱
することにより、汚染ガスが吸着手段11から脱離する
前に分解することができるとともに、脱離した汚染ガス
も吸着手段11を通過する際に再び触媒と接触すること
により分解することができるので分解手段15の負荷が
小さくり、優れた分解性能を実現することができる。ま
た、触媒27はホルムアルデヒドなどのアルデヒド類や
アンモニア、一酸化炭素などの無機ガス、さらに煙草の
煙の吸着・分解を促進することができるので空気の浄化
機能を高めることができる。
【0041】また、吸着手段11である構造体24を構
成するセラミック繊維25は耐熱性の高いアルミナ、シ
リカの少なくとも1種を用いているので熱によるフィル
タ11の損傷を防止することができ、高い信頼性を実現
することができる。
【0042】なお、加熱手段14は前述の電熱線からな
るヒータに限定されるものでなく、面状の発熱体や吸着
手段11自身あるいはその近傍に磁性体材料を配置して
誘導加熱する方法も適用可能である。
【0043】また、実施例において分解手段15は熱に
よる分解を述べたが、これに限定されるものでなく、紫
外線ランプの点灯による光分解やオゾン発生器による化
学分解による方法も適用可能である。
【0044】また、触媒27は必要とするものではな
く、吸着手段11の熱容量を小さくしたり、加熱手段1
4の能力を高くするなどの手段を適用することによって
も短時間で汚染ガスの分解温度に昇温させることがで
き、触媒27を用いた場合と同様な効果を得ることがで
きる。
【0045】また、プレフィルタ19は室内の汚染空気
のレベルや空気清浄機としての能力など必要に応じて取
り付けられるものであり、必要とするものではない。
【0046】また、吸着触媒11を加熱処理する際、送
風手段16を停止させているが、焼却に必要な空気を十
分に供給するため、送風手段16であるファンの回転数
を制御して微風の送風を行ってもよい。
【0047】(実施例2)図3(a)、(b)は本発明
の実施例2の空気清浄機に適用される吸着手段の斜視
図、B部断面図である。
【0048】図3において、実施例1の吸着手段11と
異なる点は汚染ガスを選択的に吸着する疎水性ゼオライ
ト26の代わりに、極性を有する揮発性化合物を選択的
に吸着する疎水性ゼオライト(以下、極性ガス用疎水性
ゼオライトと記す)と非極性の揮発性化合物を選択的に
吸着する疎水性ゼオライト(以下、非極性ガス用疎水性
ゼオライトと記す)を用いたところである。
【0049】なお、実施例1と同一符号のものは同一構
造、同一材料を有し、説明は省略する。
【0050】図3(a)に示すように、本実施例の吸着
手段は実施例1と同様に平板シート31と平板シート3
1を波形に加工した波形シート32を接着してなる複合
体を開口部33が同方向となるように積層したハニカム
状の構造体34から構成されており、汚染ガスを含む空
気は開口部33を通過するようにしている。また、同図
(b)で示すように、平板シート31および波状シート
32はその骨格がセラミック繊維25で構成されている
ので多孔質となっており、セラミック繊維25の表面及
び隙間には極性ガス用疎水性ゼオライト35と非極性ガ
ス疎水性ゼオライト36の粒子が結合材(図示せず)に
よって接着され、さらに触媒27の粒子が担持されてい
る。
【0051】次に吸着手段の動作、作用について説明す
る。なお、セラミック繊維25と触媒27の機能、作用
は実施例1と同一であるので説明を省略する。
【0052】汚染ガスを含む空気が吸着手段である構造
体34を通過する際、汚染ガスは平板シート31、波状
シート32に存在する極性ガス用疎水性ゼオライト35
と非極性ガス用疎水性ゼオライト36と触媒27に吸着
される。空気中に含まれる揮発性有機化合物の汚染ガス
の種類は芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、ケトン類、
エステル、アルコール類、アルデヒド、ハロゲン系炭化
水素など数多く、すべての汚染ガスを1種の吸着材料で
吸着することは困難である。これらの汚染ガスはアセト
ン、MEKなどのケトン類、メタノールなどのアルコー
ル類、塩化メチレンなどのハロゲン系炭化水素のような
極性(極性の高い)ガスとトルエン、キシレンなどの芳
香族系炭化水素、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素のよう
な非極性(極性の低い)のガスに大別できる。極性ガス
用疎水性ゼオライト35は極性の高い汚染ガスの吸着力
が高く、非極性ガス用疎水性ゼオライト36は極性の低
い汚染ガスの吸着力が高いので2種の疎水性ゼオライト
を用いることにより、空気中に含まれる汚染ガスのほと
んどを吸着除去することができるとともに、極性ガス用
疎水性ゼオライト35と非極性ガス用疎水性ゼオライト
36は、実施例1の疎水性ゼオライト26と同様に水蒸
気の吸着を抑制することができるので空気中の汚染ガス
を選択的に吸着でき、優れた空気浄化性能を実現するこ
とができる。
【0053】(実施例3)図4(a)、(b)、(c)
は本発明の実施例3の空気清浄機に適用される吸着手段
の腰部断面図、C部断面図、D部断面図である。
【0054】図4において、実施例1の吸着手段11と
異なる点は構造体24を構成する平板シート21に含ま
れる汚染ガスを選択的に吸着する疎水性ゼオライト26
の代わりに、実施例2の極性を有する揮発性化合物を選
択的に吸着する極性ガス用疎水性ゼオライト35を用
い、さらに波状シート22に含まれる疎水性ゼオライト
26の代わりに非極性ガス用疎水性ゼオライト36を用
いたところにある。なお、実施例2同一符号のものは同
一構造、同一材料を有し、説明は省略する。
【0055】図4(a)、(b)、(c)に示すよう
に、本発明の吸着手段はセラミック繊維25の表面及び
隙間に極性ガス用疎水性ゼオライト35の粒子を結合材
(図示せず)によって接着し、さらに触媒27の粒子を
担持した平板シート41と、セラミック繊維25の表面
及び隙間に非極性ガス用疎水性ゼオライト36の粒子を
結合材によって接着し、さらに前記触媒の粒子を担持し
た平板シートを波状に加工した波状シート42を接着
し、開口部43が同一方向となるように積層した構造体
44で構成している。
【0056】汚染ガスを含む空気はハニカム状の構造体
44の開口部43より流入し、構造体44と接触しなが
ら流れ、汚染ガスは構造体44を構成している極性ガス
用疎水性ゼオライト35、極性ガス用疎水性ゼオライト
36と担持された触媒27によって吸着され空気が浄化
される。
【0057】吸着物質として極性ガス用疎水性ゼオライ
ト35と触媒27を含む平板シート41と吸着物質とし
て非極性ガス用疎水性ゼオライト36と触媒27の波状
シート42からハニカム状の構造体44を構成すること
によって、極性の異なる数多い汚染ガスをそれぞれ効率
的に吸着できるので汚染ガス全体の除去性能を向上させ
ることができる。また、セラミック繊維25を骨格とす
るの構造体44は多孔質であるので汚染ガスが構造体4
4の内部への拡散が可能となり、単位体積当たりの汚染
ガスの吸着量を多くすることができるので吸着手段を小
型化することができる。また、性質、特性の異なる極性
ガス用疎水性ゼオライト35と非極性ガス用疎水性ゼオ
ライト36を混合することなくシートを製造し、これら
を複合化して構造体44を構成しているので安定した吸
着性能を実現することができる。
【0058】また、実施例では平板シート41に極性ガ
ス用疎水性ゼオライト35、波状シート42に非極性ガ
ス用疎水性ゼオライト36を用いているが、平板シート
41に非極性ガス用疎水性ゼオライト36、波状シート
42に極性ガス用疎水性ゼオライト35を用いても同様
な効果が得られる。
【0059】さらに、吸着手段をセラミック繊維25と
極性ガス用疎水性ゼオライト36と触媒27からなる平
板シートとこの平板シートを波形に加工した波形シート
の両者を接着してなる複合体と、セラミック繊維25と
非極性ガス用疎水性ゼオライト36と触媒27からなる
平板シートとこの平板シートを波形に加工した波形シー
トを接着してなる複合体とを開口部が同一方向となるよ
うに積層して構成した構造体でを用いても同様な効果が
得られる。
【0060】(実施例4)図5(a)、(b)は本発明
の実施例4の空気清浄機に適用される吸着手段の斜視
図、E部断面図である。
【0061】図5において、実施例1の吸着手段11と
異なる点はセラミック繊維を25を骨格とした平板シー
ト21と波状シート22から構成されるハニカム状の構
造体24の代わりに、セラミック粒子と結合材を成形し
て造られる開口部51を有するハニカム状の構造体52
を用いたところにある。なお、実施例1と同一符号のも
のは同一構造、同一材料を有し、説明は省略する。
【0062】図5(a)に示すように、本実施例の吸着
手段はコーディエライトなどのセラミック粒子と結合材
を成形した開口部51を有するハニカム状の構造体52
を骨としている。また、同図(b)で示すように、構造
体52の表面に疎水性ゼオライト26が結合材(図示せ
ず)によって接着され、さらに触媒27の粒子担持され
た構成としている。
【0063】汚染ガスを含む空気は、ハニカム状の構造
体52の開口部51より流入し、構造体52の表面に接
着されている疎水性ゼオライトと担持されている触媒と
接触しながら流れ、汚染ガスは疎水性ゼオライトと触媒
によって吸着され空気が浄化される。
【0064】この構成によると、構造体52はセラミッ
ク粒子を高密度で成形して造られるので機械的強度が強
く、外部からの衝撃を受けても破損が抑制されるととも
に、耐熱性が高いので吸着した汚染ガスを熱分解処理を
繰り返し行っても熱劣化が抑制され、優れた耐久性を実
現することができる。
【0065】(実施例5)本発明の実施例5の空気清浄
機に適用される吸着手段において、実施例1の吸着手段
11と異なる点はセラミック繊維を25を骨格とした平
板シート21と波状シート22から構成されるハニカム
状の構造体24の代わりに、疎水性ゼオライトと結合材
を成形して造られたハニカム状の構造体を用いたところ
にある。すなわち、空気が通過する開口部を有するハニ
カム構造体自身が疎水性ゼオライトからなり、疎水性ゼ
オライトに実施例1で用いた触媒の粒子を担持した構成
としている。
【0066】汚染ガスを含む空気は、触媒が担持された
疎水性ゼオライトから構成されたハニカム状の構造体の
開口部より流入し、構造体と接触しながら流れ、汚染ガ
スは疎水性ゼオライトと触媒によって吸着され空気が浄
化される。
【0067】この構成によると、構造体自身が疎水性ゼ
オライトからなるので汚染ガスの吸着量を多くすること
ができるので優れた汚染ガスの除去性能を実現すること
ができるとともに、吸着手段を小型化することができ
る。
【0068】(実施例6)図6(a)、(b)は本発明
の実施例6の空気清浄機に適用される吸着手段の斜視
図、吸着手段を充填する容器の斜視図である。
【0069】図6において、実施例5の吸着手段と異な
る点は疎水性ゼオライトと結合材を成形して造られたハ
ニカム状の構造体の代わりに、疎水性ゼオライトと結合
材で成形されたペレット61を用いたところにある。
【0070】図6(a)、(b)に示すように、本実施
例の吸着手段は疎水性ゼオライトと結合材で成形された
ペレット61に実施例1で用いた触媒の粒子を担持し、
これを空気が通過する開口部62を有する容器63に充
填して構成している。通常、耐食性、耐熱性、加工性の
点から、容器63はステンレス、開口部62をステンレ
スの金網64が適用される。
【0071】汚染ガスを含む空気は、容器63の開口部
62から流入し、容器63に充填されているペレット6
1と接触しながら流れ、汚染ガスはペレット61を構成
している疎水性ゼオライトと触媒によって吸着され空気
が浄化される。
【0072】ペレット61は大きさが直径2mm、長さが
5〜10mmレベルであり、これが容器63に不規則に充
填されているので、容器63内を流れる空気の方向が不
規則になり、汚染ガスとペレット61の接触する回数を
多くすることができるので高い吸着効率を実現すること
ができ、優れた汚染ガスの除去性能を実現することがで
きる。また、ペレット61自身が汚染ガスを吸着できる
疎水性ゼオライトと触媒から構成されているので少量で
も高い吸着性能を実現することができる。また、送風手
段16の能力や空気清浄機の大きさに応じて容器63内
のペレット61の充填密度および容器63の大きさを自
由に変えることができるので設計の自由度を大きくする
ことができる。
【0073】また、ペレット61に用いている疎水性ゼ
オライトの代わりに、実施例2で用いた極性ガス用疎水
性ゼオライトと非極性ガス用疎水性ゼオライトの混合あ
るいはそれぞれ単独で造られたペレットを用いることに
より、さらに優れた吸着性能を実現することができる。
【0074】なお、本発明の実施例1ないし6で説明し
た空気清浄機に適用される吸着手段は空気清浄機として
単独でなく、石油燃焼暖房機、電気暖房機、エアコンな
どに搭載することが可能である。
【0075】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、空気清浄
機の通風路に空気中の汚染ガスを選択的に吸着する疎水
性ゼオライトから構成された吸着手段と吸着した汚染ガ
スを脱離及び汚染粒子を焼却除去する加熱手段と脱離し
た汚染ガス及び汚染粒子からの発生ガスを分解する分解
手段を設けることにより、空気中に含まれる汚染粒子、
汚染ガスは加熱処理によって焼却、分解除去されるので
送風手段を再び作動させも汚染粒子や汚染ガスの再放出
による室内の汚染を防止することができるとともに、ア
レルゲンの素となる汚染粒子や汚染ガスを消滅させるこ
とができるので清潔で安全性の高い空気清浄機を提供す
ることができる。また、汚染粒子の焼却除去は加熱手
段、分解手段を作動させることによって達成されるので
汚染粒子を捕捉するフィルタを用いる必要がない。ま
た、吸着手段は吸着した汚染ガスを焼却、分解すること
によって元の状態に再生されるので再び汚染ガスの吸着
が可能となり、吸着手段の交換や洗浄などのメンテナン
スを不要とすることができる。また、加熱手段、分解手
段は汚染粒子、吸着ガスを焼却、分解するときのみ作動
させるのでトータルとしての電力消費量を少なくするこ
とができるとともに、室内温度を上昇させないのでオー
ルシーズンに渡り空気清浄機として使用することができ
る。
【0076】吸着手段は空気が通過する開口部を有する
ので空気が通過する開口部によって送風時の圧力損失を
小さくすることができ、送風手段の小型化や低騒音が実
現できる。また、セラミック繊維からなる構造体と構造
体の表面に接着またはセラミック繊維の隙間に分散され
た疎水性ゼオライトで構成することによって軽量化が可
能となり、汚染ガスを脱離温度まで短時間で昇温させる
ことができるので消費電力を小さくすることができると
ともに、汚染ガスの分解処理時間を短縮することができ
る。さらに、構造体を構成する平板シートと波状シート
は多孔質であるので表面部だけでなく内部への吸着が可
能となり、汚染ガスの吸着量を多くすることができるの
で汚染ガスの除去性能を向上させることができる。
【0077】吸着手段に用いる疎水性ゼオライトは空気
中の特に揮発性有機化合物からなる汚染ガスを選択的に
吸着できるので高い除去性能を得ることができる。ま
た、疎水性ゼオライトは高い耐熱性を有するので加熱処
理を繰り返しても構造が変化することがなく、初期の吸
着性能を長期間維持することができる。
【0078】また、吸着手段の吸着物質として極性ガス
用疎水性ゼオライトと非極性ガス用疎水性ゼオライトを
用いることにより極性の高い汚染ガスと極性の低い汚染
ガスの両方を吸着できるので、空気中に含まれる汚染ガ
スのほとんどを吸着除去することができる。
【0079】また、吸着手段をセラミック繊維と極性ガ
ス用疎水性ゼオライトと触媒からなるシートとセラミッ
ク繊維と非極性ガス用疎水性ゼオライトと触媒からなる
シートを接着した開口部を有する構造体で構成すること
によって、極性の異なる数多い汚染ガスをそれぞれ効率
的に吸着できるので汚染ガス全体の除去性能を向上させ
ることができる。また、性質、特性の異なる2種類の疎
水性ゼオライトを混合することなく、それぞれ単独の疎
水性ゼオライトで造られたシートから構造体を構成して
いるので安定した吸着性能を実現することができる。
【0080】また、吸着手段を空気が通過する開口部を
有するセラミック粒子からなる構造体は機械的強度が強
いので外部からの衝撃を受けても破損が抑制されるとと
もに、耐熱性が高いので吸着した汚染ガスを熱分解処理
を繰り返し行っても熱劣化が抑制され、優れた耐久性を
実現することができる。
【0081】また、吸着手段を空気が通過する開口部を
有する疎水性ゼオライトと結合材の構造体で構成するこ
とにより、構造体自身を疎水性ゼオライトとすることが
できるので優れた汚染ガスの除去性能を実現することが
できるとともに、吸着手段を小型化することができる。
【0082】また、吸着手段を疎水性ゼオライトと結合
材で成形されたペレットと前記ペレットが充填され空気
が通過する開口部を有する容器から構成することによ
り、容器内を流れる空気の方向が不規則になり、汚染ガ
スとペレットの接触をよくすることができるので高い吸
着効率を実現することができるとともに、ペレット自身
が疎水性ゼオライトから造られているので優れた汚染ガ
スの除去性能を実現することができる。また、容器内の
ペレットの充填密度および容器の大きさを自由に変える
ことができるので設計の自由度を大きくすることができ
る。
【0083】また、吸着手段にCu、Mn、Co、Fe、N
iの酸化物もしくはPt、Pd、Rh、Au、Agの金属の少
なくとも1種からなる触媒を担持した構成とすることに
より、吸着している汚染ガスの分解温度を下げることが
できるので汚染ガスが吸着手段から脱離する前に分解す
ることができるとともに、脱離した汚染ガスも吸着手段
を通過する際に再び触媒と接触することにより分解する
ことができるので優れた分解性能を実現することができ
る。また、触媒はホルムアルデヒドなどのアルデヒド類
やアンモニア、一酸化炭素などの無機ガス、さらに煙草
の煙の吸着・分解を促進することができるので空気の浄
化機能を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の空気清浄機の断面図
【図2】(a)同空気清浄機に適用される吸着手段の斜
視図 (b)同吸着手段のA部断面図
【図3】(a)本発明の実施例2の空気清浄機に適用さ
れる吸着手段の斜視図 (b)同吸着手段のB部断面図
【図4】(a)本発明の実施例3の空気清浄機に適用さ
れる吸着手段の腰部断面図 (b)同吸着手段のC部断面図 (c)同吸着手段のD部断面図
【図5】(a)本発明の実施例4の空気清浄機に適用さ
れる吸着手段の斜視図 (b)同吸着手段のE部断面図
【図6】(a)本発明の実施例6の空気清浄機に適用さ
れる吸着手段の斜視図 (b)同吸着手段の容器の斜視図
【図7】従来の空気清浄機能付き電気暖房機の断面図
【符号の説明】
11 吸着手段 12 筐体 14 加熱手段 15 分解手段 16 送風手段 21、31、41 平板シート 22、32、42 波状シート 23、33、43、51、62 開口部 24、34、44,52 構造体 25 セラミック繊維 26 疎水性ゼオライト 27 触媒 35 極性ガス用疎水性ゼオライト 36 非極性ガス用疎水性ゼオライト 61 ペレット 63 容器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F24H 3/04 302 (72)発明者 竹山 寛 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 菅 邦弘 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 藤井 宏明 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 荻田 邦男 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 米山 充 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】通風路を有する筐体と、前記筐体の通風路
    に配置した空気中の汚染ガスを吸着する吸着手段と、前
    記吸着手段を加熱して吸着した汚染ガスを脱着させると
    ともに空気中の汚染粒子を加熱によって焼却除去させる
    加熱手段と、前記吸着手段から脱離した汚染ガスを分解
    する分解手段と、前記吸着手段に空気を送風する送風手
    段とを備え、吸着手段は汚染ガスを選択的に吸着する疎
    水性ゼオライトから構成した空気清浄機。
  2. 【請求項2】吸着手段は、空気が通過する開口部を有す
    るセラミック繊維からなる構造体と、前記構造体の表面
    に接着またはセラミック繊維の隙間に分散された疎水性
    ゼオライトから構成した請求項1記載の空気清浄機。
  3. 【請求項3】吸着手段は、空気が通過する開口部を有す
    るセラミック粒子からなる構造体と、前記構造体の表面
    に接着された疎水性ゼオライトから構成した請求項1記
    載の空気清浄機。
  4. 【請求項4】吸着手段は、空気が通過する開口部を有す
    る疎水性ゼオライトと結合材の構造体から構成した請求
    項1記載の空気清浄機。
  5. 【請求項5】吸着手段は、疎水性ゼオライトと結合材で
    成形されたペレットと、前記ペレットが充填され空気が
    通過する開口部を有する容器から構成した請求項1記載
    の空気清浄機。
  6. 【請求項6】疎水性ゼオライトは、極性を有する揮発性
    化合物を選択的に吸着する疎水性ゼオライトと非極性の
    揮発性化合物を選択的に吸着する疎水性ゼオライトで構
    成した請求項1ないし5のいずれか1項記載の空気清浄
    機。
  7. 【請求項7】吸着手段は、セラミック繊維と極性を有す
    る揮発性化合物を選択的に吸着する疎水性ゼオライトま
    たは非極性の揮発性化合物を選択的に吸着する疎水性ゼ
    オライトのいずれか1種からなる平板シートと前記セラ
    ミック繊維と前記平板シートに用いていない他種の疎水
    性ゼオライトからなる平板シートを波形に加工した波形
    シートを接着してなる少なくとも一組の構造体で構成し
    た請求項1記載の空気清浄機。
  8. 【請求項8】吸着手段は、セラミック繊維と極性を有す
    る揮発性化合物を選択的に吸着する疎水性ゼオライトか
    らなる平板シートと前記平板シートを波形に加工した波
    形シートを接着してなる複合体と、セラミック繊維と非
    極性の揮発性化合物を選択的に吸着する疎水性ゼオライ
    トからなる平板シートと前記平板シートを波形に加工し
    た波形シートを接着してなる複合体とを積層した構造体
    で構成した請求項1記載の空気清浄機。
  9. 【請求項9】吸着手段は、吸着ガスを分解する触媒を含
    む構成とした請求項1ないし8のいずれか1項記載の空
    気清浄機。
  10. 【請求項10】触媒は、Cu、Mn、Co、Fe、Ni、S
    i、Alの酸化物もしくはPt、Pd、Rh、Au、Agの金
    属の少なくとも1種である請求項9記載の空気清浄機。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005086220A (ja) * 2003-09-04 2005-03-31 Matsushita Electric Ind Co Ltd 電気音響変換器およびこれを用いた電子機器
JP2010167073A (ja) * 2009-01-22 2010-08-05 Atsuo Nozaki 空気中汚染物質の除去装置
KR20200048377A (ko) * 2018-10-30 2020-05-08 엘지전자 주식회사 공기조화기
KR102221734B1 (ko) * 2020-08-07 2021-03-03 주식회사 세니젠 이산화탄소 농도조절장치

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