JPH1031451A - マトリクス型表示装置 - Google Patents

マトリクス型表示装置

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JPH1031451A
JPH1031451A JP18438796A JP18438796A JPH1031451A JP H1031451 A JPH1031451 A JP H1031451A JP 18438796 A JP18438796 A JP 18438796A JP 18438796 A JP18438796 A JP 18438796A JP H1031451 A JPH1031451 A JP H1031451A
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JP18438796A
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English (en)
Inventor
Mutsuzou Suzuki
睦三 鈴木
Toshiaki Kusunoki
敏明 楠
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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  • Control Of Indicators Other Than Cathode Ray Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】マトリクス・ディスプレイにおいて、輝度の強
弱比を3桁以上の広いダイナミックレンジで表示する。 【解決手段】表示素子として、印加電圧の増加に対する
輝度増加量の依存性が指数関数に近いかあるいはそれ以
上に急峻な特性を有するマトリクス型表示装置100を
用い、駆動回路として、表示データに対応したアナログ
信号をアナログスイッチ203とアンプ205とを用い
て構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気信号に応じて
情報を表示する表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】互いに直交する電極群の交点を画素と
し、各画素への印加電圧を調整することにより画像を表
示する、マトリクス型表示装置(マトリクス・ディスプ
レイ)には、液晶ディスプレイの他、フィールド・エミ
ッション・ディスプレイ(FED)、プラズマ・ディス
プレイ(PDP)などがある。例えば、FEDは、特開
平4−289644号公報に記載されているように、各
画素に微小な電界放出陰極を多数配置し、そこからの電
界放出電子を真空中で加速したのち蛍光体に照射し、発
光させるものである。
【0003】これらのマトリクス・ディスプレイにおい
ては、ある行に適当な電圧を印加して半選択状態とし、
その時点に各列に適当な信号電圧を印加することによ
り、行と列の交点にある各発光素子の発光状態を制御す
る。このようにして画像を表示する。この際、列信号へ
の信号電圧の印加の仕方を工夫することにより、各発光
素子の輝度すなわち階調を調整する。この階調の調整方
法には、発光時間を調整するパルス幅変調や印加電圧振
幅を調整する電圧変調などがある。
【0004】例えば、上記特開平4−289644号公
報に記された階調表示方法で、256階調を得ようとす
る場合には、発光輝度が2のn乗(n=0〜7)に比例
するように電圧Vnを設定し、Vnを組み合わせて印加
することにより256階調の表示を実現している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】マトリクス・ディスプ
レイでテレビなどの画像を表示する際、通常256階調
以下の階調表示を行っている。多くの場合、256階調
で十分であると考えられているが、例えば、「波打つ海
面に太陽の光がキラキラ光る場面」や「ナイフに光が当
たってキラリと光る場面」などでは、画面中のごく1部
の領域で256階調の最高輝度よりも、少なくとも2
倍、好ましくは5倍以上の輝度がないと迫力のある映像
にならないことが知られている。実際、陰極線管(CR
T:Cathode Ray Tube)を用いた直視
型テレビあるいは投射型テレビでは、画面の1部分の瞬
発的な輝度(ピーク輝度)を、平均輝度の10倍程度以
上まで出るようにして、迫力ある映像を実現している。
これは、陰極線管では、信号電圧に対して輝度が指数関
数以上に急峻に変化するために可能になっている。
【0006】これに対して、例えば、代表的なマトリク
ス・ディスプレイである液晶ディスプレイでは、信号電
圧に対して輝度(液晶ディスプレイの場合は透過率)が
ほぼ1次関数的に変化するので、陰極線管のように大き
な輝度のダイナミックレンジを得ることが出来ず、高々
400階調しか得られない。
【0007】上記特開平4−289644号公報に述べ
られたFEDでは、発光輝度が信号電圧に対してほぼ指
数関数的に変化するので、大きな輝度のダイナミック・
レンジを得ることが可能である。すなわち、FEDに用
いられる電子放出素子は、印加電圧に対する放出電流量
の変化が、ファウラー・ノルトハイムの式という、指数
関数に近い変化をする式に従う。蛍光面の発光輝度は、
放出電流量にほぼ比例するので、輝度も指数関数に近い
形で変化するわけである。この従来技術で開示された階
調表示方法で256階調よりも大きなダイナミックレン
ジを得るには、輝度が2のm乗(m=0〜9)に比例す
るように10種の信号電圧Vmを設定し、それらの組み
合わせで1024階調とすればよい。しかし、この方法
では、各発光素子毎の信号情報として10ビット必要に
なり、制御回路が複雑になるばかりでなく、高速な回路
が必要になるのでコストアップにつながり、現実的では
ない。また、たとえ10ビットにしても、1対1024
の輝度比、すなわち、3桁のダイナミックレンジしか得
られない。
【0008】したがって、本発明の目的は、構成が簡単
で、高ダイナミックレンジのマトリクス型表示装置を提
供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明の基本的特徴は、印加電圧の増加に対する
輝度増加量が指数関数に近いか、あるいはそれ以上に急
峻な特性を有する発光素子をマトリクス状に配列したマ
トリクス型表示素子と、表示データに対応したアナログ
信号を、上記マトリクス型表示素子に印加するアナログ
駆動回路とを用い、高ダイナミックレンジの階調表示を
行うマトリクス型表示装置を実現したことである。ここ
で、上記発光素子は、表示動作に使用する範囲内におい
て指数関数に近い電圧−輝度特性を有していれば本発明
は有効であり、表示動作に使用する範囲外においては指
数関数に近い電圧−輝度特性を有していなくてもよいこ
とはいうまでもない。
【0010】上記本発明の基本的特徴は、信号電圧対輝
度特性を、マトリクス型表示装置とその駆動回路とに分
けて考え、両者の最適のものの組み合わせを見い出して
なされたものである。すなわち、上記のように、印加電
圧増加と輝度増加の関係が指数関数以上の急峻な特性を
有するマトリクス型表示装置と、信号線の数や回路構成
を変えることなく、広範囲の信号電圧を上記マトリクス
型表示装置に対する印加電圧とすることができるアナロ
グ駆動回路とを組み合わせれば、通常の電圧範囲を越え
る高電圧が散在する信号電圧に対して、4桁以上の階調
数を容易に実現できる。なお、上記印加電圧増加と輝度
増加の関係が指数関数以上の急峻な特性を有するマトリ
クス型表示装置、又は、アナログ駆動回路は、個々には
前記した従来技術に示されるものを流用することもでき
る。
【0011】本発明のより具体的な特徴は、印加電圧の
増加に対する輝度増加量が指数関数に近いか、あるいは
それ以上に急峻な特性を有する発光素子をマトリクス状
に配列したマトリクス型表示素子と、表示データに対応
したアナログ信号を、アナログスイッチとアンプを通し
て上記マトリクス型表示素子に印加するアナログ駆動回
路とを用い、高ダイナミックレンジの階調表示を行うマ
トリクス型表示装置を実現したことである。
【0012】上記発光素子として、金属−絶縁体−金属
の薄膜積層型電子源と蛍光体との組み合わせで構成した
発光素子を用いることできる。
【0013】また、上記発光素子として、下部電極、第
1の絶縁層、制御電極、半導体及び絶縁体の少なくとも
一方からなる母体材料に発光体を含ませた発光層、並び
に、上部電極をこの順序で積層した単位発光素子を複数
個、2次元状に配置し、これら複数個の発光素子は、パ
ターン化された上記下部電極及び上記制御電極で接続さ
れており、上記下部電極パターン及び上記制御電極パタ
ーンは互いに交差しており、上記上部電極及び上記下部
電極の少なくとも一方の側から光を出射するマトリクス
型表示素子を用いることもできる。
【0014】さらに、上記発光素子として、フィールド
・エミッタ・チップと蛍光体との組み合わせで構成した
発光素子を用いることできる。
【0015】また、上記アンプとして、電圧増幅率が1
のバッファアンプを用いるのが好適である。
【0016】本発明の他の特徴は、印加電圧の増加に対
する輝度増加量が指数関数に近いか、あるいはそれ以上
に急峻な特性を有する発光素子をマトリクス状に配列し
たマトリクス型表示素子と、表示データに対応したアナ
ログ信号を、上記マトリクス型表示素子に印加するアナ
ログ駆動回路とを用い、ピーク輝度を、通常の電圧範囲
の輝度の2ないし5倍以上とした高ダイナミックレンジ
の階調表示を行うマトリクス型表示装置を実現したこと
である。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は、本発明によるマトリクス
型表示装置の基本的な実施の形態を示すもので、マトリ
クス型表示素子100とアナログ型駆動回路の結線図で
ある。マトリクス型表示素子100の走査電極45は走
査電極駆動回路41へ結線し、データ電極46はデータ
電極駆動回路42に結線する。n番目の走査電極45と
m番目のデータ電極46の交点の画素(発光素子)を
(n、m)で表すことにする。
【0018】本発明におけるマトリクス型表示素子10
0は、いくつかの具体例について後述するが、各発光素
子の、印加電圧の増加に対する輝度増加量の依存性が、
指数関数以上の急峻な特性を有するものを用いるものと
する。
【0019】各データ電極駆動回路42は、シフトレジ
スタ201と映像信号線202、アナログスイッチ20
3、ホールド回路204及びアンプ205から構成され
ている。映像信号線202には、表示画像に対応した映
像信号がアナログ信号で供給される。映像信号が、
(n、m)画素の画像情報を送っている時に、シフトレ
ジスタのm列目に信号を出力し、m列目のアナログスイ
ッチを導通状態にする。すると、(n、m)画素に対応
した映像信号は、m列目のホールド回路204に蓄えら
れる。このようにして、m=1番目のホールド回路から
順次映像信号が蓄えられていく。1行分の信号がそれぞ
れのホールド回路204に蓄えられた時点で、n番目の
下部電極11に負電圧を印加し、第n行にある発光素子
を半選択状態とし、同時にデータ電極駆動回路42内の
アンプ205を動作状態にして、ホールド回路内204
に保持された信号電圧を上部電極バスライン32に出力
する。加速電極112には400V程度の電圧を印加し
ておく。
【0020】(実施例1)図2を用いて本発明のマトリ
クス型表示素子100の第1の実施例を述べる。ここで
は表示素子として、金属−絶縁体−金属の3層の薄膜を
積層した構成の電子源(以下、MIM電子源と呼ぶ)か
らの放出電子を真空中で加速して、蛍光板に照射して発
光させる発光素子をマトリクス状に配列したものを例と
する。このMIM電子源を用いた表示素子は例えば特願
平7−296471号に開示されている。
【0021】ガラスなど絶縁性の基板10上に下部電極
11をRFスパッタリング法などにより形成する。この
際、マスクを用いたり、あるいは、フォトリソグラフィ
ーとエッチングを併用することにより、図3に示したよ
うにパターン化して形成する。続いて、陽極酸化により
絶縁層12を5〜10nm程度の膜厚で形成する。次い
で、スパッタリングなどの方法で、SiO2などの絶縁層を
形成し、電極端保護層15とする。電極端保護層15
は、下部電極11の端部に電界が集中して絶縁破壊が発
生するのを防ぎ、素子を長寿命化する働きがある。
【0022】次に、スパッタリングにより、膜厚1nm
のIr、膜厚2nmのPt、膜厚3nmのAuを順に積層し、
上部電極13とする。上部電極13は、図3に示すよう
に、下部電極11との交点のみに形成する。続いて、Au
など導電率の高い材料を図3のパターンで膜厚500n
m程度形成し、上部電極バスライン32とする。図3の
ように、上部電極バスライン32を上部電極13より細
いパターンとすることにより、上部電極バスライン32
と下部電極11との間の電気容量が小さくなるので、素
子の高速駆動が容易になる。
【0023】面板110にはガラスなど透光性のものを
用い、表面に透光性の加速電極112としてITO(I
ndium Tin Oxide)を面板全面に形成す
る。次に、加速電極112の上に蛍光体114を塗布す
る。蛍光体114としては、低速電子線で励起しても発
光効率が高い蛍光体、例えば、ZnO:Znを用いるとよい。
このようにして加速電極112と蛍光体114を形成し
た面板110を、MIM電子源を形成した基板10と2
00μm程度の間隔を保った配置で封着する。最後に、
基板10と面板110とで挟まれた空間を真空に排気し
て、表示素子100が完成する。
【0024】図4中の白丸(○)は、上記したMIM電
子源の上部電極13と下部電極11との間の印加電圧と
その時のMIM電子源からの放出電流の関係をプロット
したものである。縦軸には放出電流量の相対値がプロッ
トしてある。図4では絶縁層12の膜厚が5.5nmの
場合を示したが、電流−電圧特性は絶縁層12の膜厚な
どによって異なる。放出電子が蛍光体114に衝突して
発光したときの輝度は放出電流量に比例するので、図4
はMIM電子源と蛍光体とを組み合わせた発光素子の輝
度−電圧特性を示すことになる。
【0025】一方、図4中の黒丸(●)は、電圧変化に
対して指数関数的に増加する関数をプロットしたもので
ある。図4から明らかなように、MIM電子源と蛍光体
とを組み合わせた発光素子は、指数関数よりも急峻な輝
度−電圧特性が得られる。
【0026】次に、このような発光素子を駆動するアナ
ログ型駆動回路について説明する。前記のマトリクス型
表示素子のn行目を半選択状態にするための負電圧を−
4.5Vに設定する。すると、上部電極バスライン32
に0〜7.5Vの範囲の電圧を印加すると輝度は1/1
00000以下〜0.4の範囲で変化する。すなわち、
映像信号線202に供給する映像信号を0〜7.5Vの
範囲に設定しておくことにより、約5桁のダイナミック
レンジの輝度変調を行うことができる。
【0027】なお、MIM電子源では、上部電極13の
再表面層の材料の仕事関数よりも小さな印加電圧では、
電子は放出されないことが、電子放出機構から規定され
ている。この実施例では、上部電極13の再表面をAu
(仕事関数4.8eV)としているので、下部電極11
に−4.5V印加した状態では、全く電子は放出されな
い。したがって、下部電極に−4.5V印加するのみで
は輝度はゼロである。すなわち、行本数が何本に増えよ
うとも「黒レベル」の上昇は発生せず、前記のダイナミ
ックレンジが確保できる。
【0028】また、通常の画像に対する映像信号を0〜
3.5Vの範囲(MIM電子源印加電圧に換算すると−
4.5〜8V)にすると、500階調の強弱をもって表
示できるので、通常画像を表示するには十分である。そ
して、前記の「キラキラ光」らせようとする画素に対し
ては、7.5Vの信号を発生すれば、さらに10倍以上
の輝度を発生できるので、十分に迫力のある映像を表示
することができる。
【0029】通常のテレビ画像の時間平均輝度は、通常
の信号レベル範囲の最大値の1/4程度なので、この例
では、時間平均輝度がピーク輝度の1/40となる。し
かし、時間平均輝度をもっと大きくして全体的に明るい
映像にしたいなどの制限がある場合には、時間平均輝度
がピーク輝度の1/10以下になるように信号レベルを
設定しても、迫力ある映像が得られる。逆にいうと、上
記表示素子のピーク輝度を、上記通常の信号レベル範囲
の最大値の2ないし5倍以上にすることは容易であり、
十分、迫力のある映像を表示することができる。
【0030】なお、データ電極駆動回路42を上記の回
路構成にした場合には、映像信号の水平帰線期間の間し
かデータ電極46に電圧が印加されないので、十分な輝
度が得られないことがあるが、その場合には、図5のよ
うに、データ電極駆動回路42のそれぞれにアナログス
イッチ、ホールド回路、アンプを2個ずつ組み込めばよ
い。すなわち、偶数番目の行2n(n=1、2、...)
の映像信号が映像信号線202に来ているときには、ア
ナログスイッチ2031を導通状態にしてホールド回路
2041に信号を保持する。この時点では、もう一方の
ホールド回路2042には、1行前の2n−1行の映像
信号がホールドされており、その信号がアンプ2052
からデータ電極46出力され続けている。そして、映像
信号線202上の映像信号が2n+1行に移った時点
で、アンプ2052の出力を切り放し、代わりにアンプ
2051の出力をデータ電極46に接続する。そして、
今度は、2n+1行の映像信号をアナログスイッチ20
32を通してサンプリングし、ホールド回路2042に
保持していく。この回路構成では、データ電極46に
は、常に信号電圧が印加されることになり、より高い画
面輝度を得ることが出来る。
【0031】上記実施例において、映像信号線202に
入力する映像信号の電圧振幅を、データ電極46に印加
すべき電圧振幅と等しい値に調整しておくと、アンプ2
05として電圧増幅率1のバッファアンプを用いればよ
いので、回路構成が簡単になり、低コストで表示装置を
製造できる。
【0032】なお、本実施例では、単一色表示の画像表
示装置の例を示したが、蛍光体114を各画素毎に塗り
分けることにより、カラー表示が出来るようになること
は言うまでもない。その際、映像信号線202も、赤、
緑、青の3原色の映像信号に対応した3本に分けた方が
信号処理上都合がよい。
【0033】(実施例2)本発明を用いた第2の実施例
を図6及び図7を用いて説明する。Al2O3など絶縁性の
基板10上に、下部電極11をRFスパッタリングなど
により形成する。この際、マスクを用いたり、あるい
は、フォトリソグラフィーとエッチングを併用すること
により、図7に示したようにパターン化する。続いて、
陽極酸化により絶縁層12を5〜10nm程度の膜厚で
形成する。次に、スパッタリングなどの方法で、SiO2
どの絶縁層を形成し、電極端保護層15とする。電極端
保護層15は、下部電極11の端部に電界が集中して絶
縁破壊が発生するのを防ぎ、素子を長寿命化する働きが
ある。
【0034】次に、スパッタリングにより、膜厚1nm
のIr、膜厚2nmのPt、膜厚3nmのAuの積層膜を形成
して制御電極14とする。制御電極14は、図7に示す
ように、下部電極11との交点のみに形成する。続い
て、Auなど導電率の高い材料を、図6のパターンで膜厚
500nm程度形成し、制御電極バスライン32とす
る。このように制御電極バスラインの幅を細くすると、
制御電極バスライン32と下部電極11との間の浮遊容
量を小さくすることができ、素子の高速駆動が容易にな
る。
【0035】次に、基板全面にZnS:Mnを、電子ビーム蒸
着法により1〜100μm成膜し、発光層51とする。
この後、発光層51の上には、透明なITO電極をスパ
ッタリングなどの方法で200nm程度の膜厚で形成
し、上部電極17とする。最後に、素子全体を膜厚50
0nm程度のAl2O3で被覆し、保護層20とする。保護
層20の形成には、電子ビーム蒸着法などを用いる。保
護層20は、発光層51のZnS系材料が吸湿して劣化す
るのを防ぐ働きがある。
【0036】下部電極11と制御電極14との間に、制
御電極を正極性として5〜10V程度の電圧を印加する
と、絶縁層12内の電界が10MV/cm程度になり、
トンネル効果により下部電極11中の電子が絶縁層12
の伝導帯に流れ込む。これらの電子は絶縁層12中の電
界で加速されてホットエレクトロンとなって制御電極1
4に達する。これらのホットエレクトロンのうち、制御
電極14と発光層51との間のポテンシャル障壁よりも
高いエネルギーを有する電子は発光層に流れ込む。する
と、制御電極14と上部電極17との間の電界により電
子が加速され、発光層51内の発光体を励起し、発光さ
せる。
【0037】制御電極14と上部電極17との間の電界
は一定なので、発光強度(輝度)は制御電極14から発
光層51に流入する電子の量に比例する。発光層51へ
電子が流入するメカニズムは、上述のように先の実施例
において電子が真空中に放出されるメカニズムと同じで
ある。したがって、下部電極11と制御電極14との間
の印加電圧に対する輝度変化の依存性は、図4の白丸
(○)の特性とほぼ同じになる。したがって、図1中の
走査電極45を本実施例の下部電極11に対応させ、図
1中のデータ電極46を本実施例の制御電極14に対応
させ、先の実施例と同様な信号電圧を走査電極46とデ
ータ電極46に印加すれば、輝度変化のダイナミックレ
ンジが広い画像を表示することが出来る。
【0038】(実施例3)本発明の第3の実施例を図8
を用いて説明する。互いに平行な複数本の陰極バスライ
ンを基板上に形成する。その陰極バスライン上に1〜2
μmの膜厚の絶縁層543をSiO2で形成し、さらにその
上にAl、Auなどで互いに平行な複数本のゲート電極54
5を、陰極バスラインと直交する形で形成する。陰極バ
スラインとゲート電極との交点が画素となる。制御電極
545と絶縁層543とに直径1μm程度の穴を開け
て、そこにMoの材料をコーン状に蒸着してエミッタチッ
プ542とする。エミッタチップ542は、1画素に1
3〜104個程度作製する。このようにして、フィール
ド・エミッタ・アレイを形成する。なお、フィールド・
エミッタ・アレイの作成方法は、例えば、特開昭61−
221783号公報に詳細に記載されている。なお、本
実施例では、陰極バスライン21とエミッタチップ54
2間に抵抗層を設けていないので、陰極バスライン−ゲ
ート電極間の印加電圧の増加に対して放出電流量が指数
関数以上の急峻な依存性で増加する。
【0039】一方、先の実施例と同様に、ガラスなどの
透光性面板110上に加速電極112をITOなど透明
導電材料で形成し、その上に蛍光体114を形成する。
蛍光体114には低速電子線励起でも発光効率が高いも
の、例えば、ZnO:Znなどを用いると良い。この面板11
0を先に製作したフィールド・エミッタ・アレイを形成
した基板とを封着し、内部を真空に排気する。
【0040】図1中のデータ電極46を本実施例の陰極
バスライン21に対応させ、図1中の走査電極45を本
実施例のゲート電極545に対応させる。加速電極11
2へは先の実施例と同様、400V程度の一定電圧を常
時印加しておく。走査電極駆動回路41およびデータ電
極駆動回路42での信号電圧の発生のタイミングは先の
実施例と同じである。ただし、本実施例の場合、走査電
極駆動回路41で+50V程度の正電圧のパルスを発生
させ、データ電極駆動回路42では、電圧振幅−30〜
0V程度の負電圧のパルスとする。映像信号線202に
印加する信号の電圧振幅が0〜+3Vである場合には、
アンプ205として電圧増幅率が10の反転増幅器を用
いればよい。このようにすると、各画素上のフィールド
・エミッタ542とゲート電極545との間に、画像信
号に応じて(ゲート電極545側を正極性として)+5
0〜+80Vの電圧が印加されるので、印加電圧に応じ
た電流量の電子がフィールド・エミッタ542から真空
中に放出され、蛍光体114に衝突して発光する。
【0041】以上述べたように、本発明によれば、輝度
変調のダイナミックレンジが極めて広い、マトリクス・
アドレス型の表示装置を容易に実現することができる。
【0042】なお、本発明は、印加電圧の変化に対して
発光素子の輝度変化が、指数関数に近いかそれ以上に急
峻な依存性を有するものであれば、上記実施例に取り上
げた表示素子に制限されるものではないことは言うまで
もない。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば,マトリクス・ディスプ
レイを用いて、輝度の強弱比が3桁以上のダイナミック
レンジを有する表示装置を容易に提供することができ
る。
【0044】特に、金属−絶縁体−金属薄膜積層型電子
源(MIM電子源)と蛍光体との組み合わせで構成した
表示素子を用いて、輝度の強弱比が3桁以上のダイナミ
ックレンジを有する表示装置を容易に提供することがで
きる。
【0045】特に、金属−絶縁体−金属−半導体または
絶縁体を母体とする発光層−加速電極の積層構造で構成
される表示素子を用いて、輝度の強弱比が3桁以上のダ
イナミックレンジを有する表示装置を容易に提供するこ
とができる。
【0046】特に、フィールド・エミッタ・チップと蛍
光体との組み合わせで構成した表示素子を用いて、輝度
の強弱比が3桁以上のダイナミックレンジを有する表示
装置を容易に提供することができる。
【0047】特に、データ電極駆動回路に入力する、映
像信号に対応するアナログ信号の電圧振幅を、データ電
極に印加する信号電圧と等しくすることにより、輝度の
強弱比が3桁以上のダイナミックレンジを有する表示装
置をより低コストで提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるマトリクス型表示装置の実施の形
態を示すブロック結線図。
【図2】本発明の第1の実施例に用いる表示素子の構造
図。
【図3】第1の実施例における表示素子中の電極パター
ンを示した図。
【図4】第1の実施例におけるMIM電子源の電流−電
圧特性を示した図。
【図5】第1の実施例に用いる駆動回路の別の構成例を
示した結線図。
【図6】第2の実施例に用いる表示素子の構造図。
【図7】第2の実施例に用いる表示素子中の電極パター
ンを示した図。
【図8】第3の実施例に用いる表示素子の構造図。
【符号の説明】
10…基板、11…下部電極、12…絶縁層、13…上
部電極、14…制御電極、15…電極端保護層、17…
上部電極、20…保護層、32…上部電極バスライン、
41…走査電極駆動回路、42…データ電極駆動回路、
45…走査電極、46…データ電極、51…発光層、1
00…表示素子、110…面板、112…加速電極、1
14…蛍光体、201…シフトレジスタ、202…映像
信号線、203…アナログスイッチ、204…ホールド
回路、205…アンプ

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】印加電圧の増加に対する輝度増加量が指数
    関数に近いかあるいはそれ以上に急峻な特性を有する発
    光素子をマトリクス状に配列したマトリクス型表示素子
    と、表示データに対応したアナログ信号を、上記マトリ
    クス型表示素子に印加するアナログ駆動回路とからなる
    ことを特徴とするマトリクス型表示装置。
  2. 【請求項2】印加電圧の増加に対する輝度増加量が指数
    関数に近いかあるいはそれ以上に急峻な特性を有する発
    光素子をマトリクス状に配列したマトリクス型表示素子
    と、表示データに対応したアナログ信号を、アナログス
    イッチとアンプを通して上記マトリクス型表示素子に印
    加するアナログ駆動回路とからなることを特徴とするマ
    トリクス型表示装置。
  3. 【請求項3】上記発光素子として、金属−絶縁体−金属
    の薄膜積層型電子源と蛍光体との組み合わせで構成した
    発光素子を用いたことを特徴とする請求項1又は請求項
    2記載のマトリクス型表示装置。
  4. 【請求項4】上記マトリクス型表示素子として、下部電
    極、第1の絶縁層、制御電極、半導体及び絶縁体の少な
    くとも一方からなる母体材料に発光体を含ませた発光
    層、並びに、上部電極をこの順序で積層した単位発光素
    子を複数個、2次元状に配置し、これら複数個の発光素
    子は、パターン化された上記下部電極及び上記制御電極
    で接続されており、上記下部電極パターン及び上記制御
    電極パターンは互いに交差しており、上記上部電極及び
    上記下部電極の少なくとも一方の側から光を出射するマ
    トリクス型表示素子を用いたことを特徴とする請求項1
    又は請求項2記載のマトリクス型表示装置。
  5. 【請求項5】上記発光素子として、フィールド・エミッ
    タ・チップと蛍光体との組み合わせで構成した発光素子
    を用いたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の
    マトリクス型表示装置。
  6. 【請求項6】上記アンプとして、電圧増幅率が1のバッ
    ファアンプを用いたことを特徴とする請求項2記載のマ
    トリクス型表示装置。
  7. 【請求項7】印加電圧の増加に対する輝度増加量が指数
    関数に近いかあるいはそれ以上に急峻な特性を有する発
    光素子をマトリクス状に配列したマトリクス型表示素子
    と、表示データに対応したアナログ信号を、上記マトリ
    クス型表示素子に印加するアナログ駆動回路とを用い、
    ピーク輝度を、通常の電圧範囲の輝度の2ないし5倍以
    上としたことを特徴とするマトリクス型表示装置。
  8. 【請求項8】印加電圧の増加に対する輝度増加量が指数
    関数に近いかあるいはそれ以上に急峻な特性を有する発
    光素子をマトリクス状に配列したマトリクス型表示素子
    と、表示データに対応したアナログ信号を、上記マトリ
    クス型表示素子に印加するアナログ駆動回路とを用い、
    時間平均輝度をピーク輝度の10分の1以下に抑えたこ
    とを特徴とするマトリクス型表示装置。
  9. 【請求項9】印加電圧の増加に対する輝度増加量が指数
    関数に近いかあるいはそれ以上に急峻な特性を有する発
    光素子をマトリクス状に配列したマトリクス型表示素子
    と、表示データに対応したアナログ信号を、上記マトリ
    クス型表示素子に印加するアナログ駆動回路とを用い、
    256階調の動作範囲の最高輝度値よりも2ないし5倍
    のピーク輝度を表示可能にしたことを特徴とするマトリ
    クス型表示装置。
  10. 【請求項10】表示動作に使用する輝度範囲内におい
    て、印加電圧の増加に対する輝度増加量が指数関数に近
    いかあるいはそれ以上に急峻な特性を有する発光素子を
    マトリクス状に配列したマトリクス型表示素子と、表示
    データに対応したアナログ信号を、上記マトリクス型表
    示素子に印加するアナログ駆動回路とからなることを特
    徴とするマトリクス型表示装置。
  11. 【請求項11】表示動作に使用する輝度範囲内におい
    て、印加電圧の増加に対する放出電流量の増加量が、フ
    ァウラー・ノルトハイムの式にほぼ従う電子放出素子と
    蛍光体とを組合わせて構成した発光素子をマトリクス状
    に配列したマトリクス型表示素子と、表示データに対応
    したアナログ信号を、アナログスイッチとアンプを通し
    て上記マトリクス型表示素子に印加するアナログ駆動回
    路とからなることを特徴とするマトリクス型表示装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101412710B1 (ko) * 2012-07-09 2014-06-30 김선기 통기성과 소수성을 갖는 필터
JP2016530908A (ja) * 2013-07-05 2016-10-06 日東電工株式会社 汚染物質を分解するためのフィルタエレメント、汚染物質を分解するためのシステムおよび該システムを使用する方法

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