JPH10314181A - 医科用セメント練合注入器 - Google Patents

医科用セメント練合注入器

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JPH10314181A
JPH10314181A JP9129558A JP12955897A JPH10314181A JP H10314181 A JPH10314181 A JP H10314181A JP 9129558 A JP9129558 A JP 9129558A JP 12955897 A JP12955897 A JP 12955897A JP H10314181 A JPH10314181 A JP H10314181A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】医科用セメントと硬化液との練合を容易かつ衛
生的なものとする医科用セメント練合注入器及び医科用
セメントの注入方法を提供する。 【解決手段】セメント注入部10、セメント吐出部1
1、セメント練合用蓋20、セメント収納部30、ピス
トン部40よりなる医科用セメントセメント練合注入器
においてセメント注入部とセメント練合用蓋とをセメン
ト注入部に交互に脱着可能とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医科用のセメント
ペーストを患部である骨に注入するときに用いる医科用
セメント練合注入器に関し、特に十分に錬合された医科
用セメントを患部に的確に注入できる医科用セメント練
合注入器に関する。
【0002】
【従来の技術】骨腫瘍や骨粗鬆症等の骨の病気の治療用
として各種の医科用セメントが開発されている(特開平
3ー69536、特開平3ー128061)。これらの
セメントは硬化液と練合してペースト状とし、手または
へらで患部へ塗布する方法あるいは注入器を用いて患部
へ注入する方法によって使用されている。後者の方法は
患部へ深くかつ少量ずつセメントペーストを注入でき手
術後のセメントの体内への分散が少ないので、患者への
負担が軽く好ましい方法である。
【0003】
【発明が解決する課題】しかし現在は適当な注入器がな
いので注入用には市販の注射器を用いている。市販の注
射器を用いる際には、まず注射器のピストンを抜いた状
態で筒部へセメントペーストを入れ、次いでピストンを
取付けこれを押すことによって患部へセメントペースト
を注入する。この操作のときには最初から針は取り外し
ている。針を用いないのは、ペーストの粘度が高いから
である。
【0004】また、セメントの粉と硬化液は予め乳鉢等
で練合してペースト状にした後に、スパチュラ等で掬っ
て注入器へ充填する。しかし、乳鉢で練合する際には、
周囲から雑菌や異物が混入する危険性が高く、また、練
合したセメントペーストをスパチュラで注入器内に充填
する作業は煩雑である。さらに、乳鉢の壁面に付着した
ペーストは充填できず捨てていたので経済的ではなかっ
た。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するためになされたものである。即ち、本発明は医科用
セメントと硬化液との練合を注入器の中で行なわせるよ
うにしたものである。このようにして練合することによ
って、雑菌等から隔離された状態で練合が可能であり、
衛生的に医科用セメントのぺーストを患部へ注入でき
る。また練合装置からの移し変えの操作を必要とせず操
作が単純で効率的である。さらに、使用のできないセメ
ントペーストが発生しないので経済的でもある。
【0006】即ち、具体的には本発明の医科用セメント
練合注入器はセメント注入部10、セメント吐出部1
1、セメント練合用蓋20、セメント収納部30、ピス
トン部40とよりなる医科用セメント練合注入器におい
て、セメント注入部とセメント練合用蓋がセメント収納
部に交互に脱着可能に接合できることを内容とする。
【0007】
【発明の実施の態様】以下に本発明をその実施の態様に
従って説明する。本発明においては、セメント収納部と
セメント練合用蓋が脱着可能に接合されている。接合の
方式は、医科用セメントと硬化液との練合の際にペース
トの漏れがなくかつ容易に脱離しないものであれば特に
限定されるものではない。例えば、ねじ込み式やセメン
ト収納部又はセメント練合用蓋の筒状部に溝をきって嵌
合する方式としてもよい。尚、セメント練合用蓋の内面
は粉と硬化液との練合に適するように平面より図2に示
すように凹面であることが好ましい。
【0008】本発明のセメント練合注入器を使用すると
きには、まずセメント練合用蓋を外し、セメント収納部
内に医科用セメントの粉と必要量の硬化液を充填する。
医科用セメントが小瓶等に充填されているときには、セ
メント収納部の口を小瓶の外形より大きく設計すること
によってセメントが入り易くなる。また、硬化液は注射
器等で必要量分取して使用することができる。
【0009】医科用セメントと硬化液とをセメント収納
部に入れてセメント練合用蓋を取り付けた後に、セメン
ト練合注入器全体を図6に示す様に振動しながら内容物
を練合してセメントペーストを作成する。図6(イ)に
は手動による練合方法を、図6(ロ)には振動式練合機
(例えば、パソリナ社製NSー80型試験管ミキサー)
を用いた練合方法の例が示してある。セメントと水の混
合の際の重量比は、手動の場合は2.5以下が好まし
く、振動式練合器を用いた場合には3.5以下が好まし
い。それ以上であると水分が少なすぎ十分な練合ができ
ない。練合時間は30〜120 秒程度が好適である。
【0010】練合が終了した後、セメント練合用蓋を取
り外し代わりにセメント注入部を取り付ける。この際、
手術の目的にあった吐出部を有するセメント吐出部を取
り付けるべきである。セメント収納部とセメント注入部
との接合はセメントペーストの漏れがなくかつ容易に外
れないものであれば特に限定されるものではなく、ねじ
込み式や嵌合式が好適に用いられる。
【0011】本発明の注入器の材質は特に限定されるも
のではなくガラス、プラスチック、金属等を好適に用い
ることができるが、使用前にガンマ線や電子線による照
射若しくはエチレンオキシドガス等での燻蒸による滅菌
処理をするので、これらの処理に耐える必要がある。ま
た注入器は各部位毎に異なった材料を用いることができ
る。吐出部を手術の際に予め患部の状態に合わせて切断
し長さを調節する必要があるときは、ゴムやプラスチッ
クを用いるのが好ましい。尚、プラスチックとしてはポ
リプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート等を好
適に用いることができる。
【0012】本発明において、セメント注入部、セメン
ト収納部等は原則として円柱体である。しかし、セメン
トペーストを患部へ注入する際のピストン部の操作やセ
メント粉と硬化液との練合に支障がない限りにおいて、
楕円体や角柱体等をも用いることができる。尚、セメン
ト収納部の容積は患部の状態によってに定まるものであ
るが、通常は2〜100cc程度である。
【0013】また、練合に適する医科用セメントの量は
セメント収納部の内容積の半分以下であり、例えば、セ
メント収納部の内容積が10ccのときは6g(容積に
して約5cc)以下、20ccのとき12g(容積にし
て10cc)以下である。これを超してセメントを充填
すると均一なセメントペーストを得ることが困難であ
る。
【0014】本発明においてセメント吐出部は筒状、先
端部を細くした円錐台状あるいはこれらに類似の形状と
することができる。また、セメント吐出部はセメント注
入部と一体的に接合されている必要はなく、脱着可能と
することができる。その場合セメント吐出部は、製作の
時には十分な長さのものとし、手術の際に切断して患部
へセメントペーストを注入するのに適した長さのものと
することができる。セメント吐出部は図1ではセメント
注入部の中心に設けられているが、必ずしも中心部にあ
る必要はなく任意の位置に取り付けることが可能であ
る。セメントペーストの吐出口12は必ずしも吐出部の
最先端である必要はなく、図3あるいは図4に示すよう
にセメント吐出部の側面に位置することも可能である。
また吐出口は1個とは限らない。また、図5に示すよう
にピストンの先端部を突起状とし、その突起がセメント
吐出部に挿入されるような構造をとることができる。本
発明において、ピストン部はセメントペーストを吐出さ
せるのに必要な力を加えることができれば形状は問われ
ないが、一般の注射器用のピストンと類似の形状とする
のが好ましい。
【0015】本発明の医科用セメント練合注入器を用い
て生体用セメントペーストを患部へ注入するには、セメ
ント注入部を接続させたままピストンを押し込むことに
よって、セメント吐出部より練合したセメントペースト
を患部へ向けて吐出させることができる 尚、本発明の医科用セメント練合注入器を用いる医科用
セメントとはリン酸カルシウム系の水硬性セメントを挙
げることができる。具体的には、α型第3リン酸カルシ
ウム、第1リン酸カルシウム、第2リン酸カルシウム及
び第4リン酸カルシウムのそれぞれ単独、α型第3リン
酸カルシウムと第1リン酸カルシウムの混合物、α型第
3リン酸カルシウムと第2リン酸カルシウムの混合物、
α型リン酸カルシウムと第4リン酸カルシウムの混合
物、第4リン酸カルシウムと第1リン酸カルシウムの混
合物、第4リン酸カルシウムと第2リン酸カルシウムの
混合物、α型第3リン酸カルシウム、第4リン酸カルシ
ウム及び第1リン酸カルシウムの混合物並びにα型第3
リン酸カルシウム、第4リン酸カルシウム及び第2リン
酸カルシウムの混合物をそれぞれ主成分とするセメント
を好ましく挙げることができる。
【0016】
【発明の効果】本発明の医科用セメント練合注入器は、
注入器内でセメントと硬化液とを練合できる構造として
いるため、セメントと硬化液の練合を容易かつ衛生的に
行なうことができる。又、練合したセメントペーストを
注入器内に充填する手間が省け効率的な注入作業ができ
る。さらに、全量を注入器より患部へ吐出できるので経
済的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の医科用セメント練合注入器の1実施態
様の全体図である。 (イ)セメント練合時 (ロ)セメント吐出時
【図2】セメント収納用蓋の1実施態様である。
【図3】セメント吐出部先端部の1実施態様である。
【図4】セメント吐出部先端部の1実施態様である。
【図5】ピストン部の1実施態様である。
【図6】セメントペースト練合方法の1実施態様であ
る。 (イ)手動練合 (ロ)機械練合
【符号の説明】
10 セメント注入部 11 セメント吐出部 12
セメント吐出部 20 セメント練合用蓋 30 セメント収納部 40
ピストン部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セメント注入部10、セメント吐出部1
    1、セメント練合用蓋20、セメント収納部30、ピス
    トン部40とよりなる医科用セメント練合注入器におい
    て、セメント注入部及びセメント練合用蓋がセメント収
    納部に交互に脱着可能に接合できることを特徴とする医
    科用セメント練合注入器。
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