JPH10314020A - 電磁誘導加熱調理鍋および炊飯器内釜とその製造方法 - Google Patents

電磁誘導加熱調理鍋および炊飯器内釜とその製造方法

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JPH10314020A
JPH10314020A JP16321397A JP16321397A JPH10314020A JP H10314020 A JPH10314020 A JP H10314020A JP 16321397 A JP16321397 A JP 16321397A JP 16321397 A JP16321397 A JP 16321397A JP H10314020 A JPH10314020 A JP H10314020A
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JP
Japan
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heating plate
electromagnetic induction
heating
rice cooker
plate
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JP16321397A
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Hisao Akiyama
久夫 秋山
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RITERA KK
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RITERA KK
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】鋳がらみ鋳造により、軽量で、付着強度と熱伝
導性がよく、加熱歪みが少なく、生産性の高い、低コス
トの電磁誘導加熱調理鍋および炊飯器の内釜の製造方法
を提案する。 【解決手段】電磁誘導加熱調理調理鍋および炊飯器の内
釜の底部において、加熱板4としての磁性体鋼板のSU
S材、または、Fe材に、アルミニュームで鋳がらみ鋳
造することによって構成される電磁誘導加熱調理調理鍋
および炊飯器の内釜、ならびにその製造方法であって、
磁性体の加熱部材と非磁性体アルミニューム本体とを密
着結合させるために、片面に斜V字状溝、頭がすぼんだ
W字状溝、傾斜変形凹部を設けた加熱板を、ダイキャス
ト金型のキャビティ内の電磁マグネットを形成した面に
固定し、加熱板を固定後に、溶融アルミニュームを高速
斜出して電磁マグネットに固定した加熱板を鋳がらみす
るように鋳造したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電磁誘導加熱調理鍋お
よび炊飯器内釜、つまり、電磁調理器、電気炊飯器の内
釜、調理鍋などにおいて、磁性体の加熱板と、非磁性体
アルミニューム本体とを密着結合させた電磁誘導加熱調
理鍋および炊飯器内釜と、その製造方法として、加熱板
としてのSUS材またはFe鋼板などの磁性体鋼板の片
面に、アンカー効果がてきるように斜V字状、又はW字
状に旋削またはフライス盤で切削形成後、磁性体鋼板の
加工によってでアンダカット状になるよう溝を形成して
加熱板を固定する方法として、磁性体鋼板を円板状の電
磁マグネットチャックに吸着固定し、加熱板をそのま
ま、または任意の形状にプレス成形後、加熱板を鋳造金
型に固定、金型キャビティー中央部の真空吸引孔より真
空吸引しながら加熱板としてアルミ溶融金属を注湯口か
ら高圧注湯し、加熱板を鋳がらみ鋳造し、または、V字
状、あるいは凹状の間欠的な凹部を円周方向あるいは放
射方向にプレス打鎚で初打ちし、前記加熱板に設けたV
字状、または凹状の間欠的な凹部の両側面に隣接して、
V字状にさらにプレス打鎚し、初打ちして形成された凹
部の頂部付近を、それぞれ内面に傾斜変形させた加熱板
とし、加熱板をそのまま、または任意の形状にプレス成
形後、アルミ溶融金属を注湯口から高圧注湯して、加熱
板を鋳がらみすることにより、生産性の高い、低コスト
で品質信頼性の高い電磁誘導加熱調理鍋および炊飯器内
釜の製造方法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電磁誘導加熱調理鍋および炊飯器
内釜、例えば、電磁調理器、電気炊飯器の内釜、調理鍋
などは、一般的には磁性体板材をプレス成形するという
製法が普通で、熱効率、省電力の面から磁性体板材と熱
伝導性の良い非磁性体板材を積層した板材をプレス成形
された調理器が中心であったが、近年、非磁性体アルミ
ニュームを鋳造後に、磁性体部材を溶射して加熱層を形
成して結合するという方法で、電磁誘導加熱調理鍋およ
び炊飯器内釜を製品化するという方法が採用されるよう
になっていた。
【0003】しかし、磁性体と非磁性体部材は、それぞ
れ材料成分が異なることから、熱膨脹係数が違うという
ことや、化学反応による溶融結合が難しいことから、冷
熱繰り返しの溶射付着強度が要求され、非磁性体アルミ
ニューム本体と磁性体部材など熱膨脹係数の異なる部材
を密着結合した底面が平坦な鍋などでは、非磁性体アル
ミニューム本体に磁性体部材を溶射、または鋳込むこと
により、製造工程において熱板の付着強度不足及び歪み
が発生するという欠陥を生じさせていた。
【0004】さらに、熱膨脹係数の異なる部材を密着結
合していることから、使用時に加熱や冷却の繰り返しに
よる使用で、鍋底が変形するなどの不具合があり、非磁
性体アルミニューム本体の形状、肉圧などで設計対応が
必要となっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする問題点】近年になって、非磁
性体アルミニューム本体に磁性体部材を溶射して加熱層
を形成するという電磁誘導加熱調理器も登場してきた
が、磁性体部材と非磁性体アルミニューム本体とは熱膨
脹係数が異なる材質が多いことからも、電磁誘導加熱調
理器の製造工程で熱板の付着強度不足及び歪みが生じて
不良品となることが多く、または、電磁誘導加熱調理器
を使用する時の加熱や冷却の繰り返しによる、電磁誘導
加熱調理器の内釜や電磁誘導加熱調理鍋の変形が発生す
るなどの不具合が起きてきている。
【0006】また、電磁誘導加熱調理器の内釜や電磁誘
導加熱調理鍋においては、加熱や冷却の繰り返しによる
磁性体金属部材と非磁性体アルミニューム本体との密着
結合強度の信頼性が要求されているが、化学反応による
溶融結合が難しいことから、製造品質管理が重要であ
り、生産性が阻害されるとともに、製造コストの高騰を
齎すなどの問題があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】従来の電磁誘導加熱調理
鍋および炊飯器内釜の製造方法においては、磁性体金属
板材をプレス成形するのが普通であったが、熱効率や省
電力の面から、磁性体金属板材と熱伝導性のよい非磁性
体金属板材を積層した板材をプレス成形したりした電磁
誘導加熱調理器や、磁性体金属板材に粉末溶射すること
によって表面を粗した加熱板を、溶融アルミニュームを
注湯して高圧成形で結合密着させた電磁誘導加熱調理器
等が普及してきたが、高価になってしまうという欠点が
あった。
【0008】本発明ではこうした欠点を解消するため
に、電磁誘導加熱調理鍋1の底部3、または炊飯器内釜
2の底面において、加熱板4、6としての磁性体鋼板の
SUS材、またはFe鋼板の片面を非磁性体アルミニュ
ームと密着結合させる手段として、磁性体鋼板の片面に
V字状、またはW字状でアンダカット状になるよう切削
形成したV字状溝5、またはW字状溝8を、円周方向に
形成した溝24、または放射方向に形成した溝23と
し、または、図13に示すように円周方向に形成した溝
24と放射方向に形成した溝23とを複合形成して加熱
板4,6とし、該加熱板4または,加熱板6を、そのま
ま、または任意の形状にプレス成形し、あるいは磁性体
鋼板を円板状の電磁マグネットチャック19に吸着固定
し、V字状に創成した単独バイトまたはアンギュラーカ
ッターなどの旋削刃具18を、回転させながら切削加工
でアンダカットを形成するよう加工した加熱板4,6
を、アルミ鋳造金型キャビティー33内に挿入し、加熱
板4,6の外周面を密着させ、金型キャビティー33中
央部の真空吸引孔26より真空吸引しながら、可動型内
金型31と固定型内金型32で構成される金型に固定状
態でアルミ溶融金属を注湯口25から高圧注湯し、加熱
板4,6を鋳がらみすることによって電磁誘導加熱調理
鍋1および炊飯器内釜2を提供するものである。
【0009】また、高圧注湯したアルミニュームは、必
要部分に注湯されるが、余分な注湯アルミニュームはオ
ーバーフロー部30に貯留されることになる。
【0010】また、第3、第4の実施例として、電磁誘
導加熱調理鍋1および炊飯器内釜2の加熱板9,10と
して、磁性体鋼板のSUS材またはFe鋼板の加熱板
9,10の片面に、第3の実施例として、プレス打鎚し
たV字状凹部11、または第4の実施例として、プレス
打鎚した凹状の凹部14を、間欠的に円周方向あるいは
放射方向にプレス打鎚で初打ちし、前記加熱板9,10
に設けた間欠的なV字状凹部11、または凹状凹部14
の両側面に隣接して、V字状凹部13、16をプレス打
鎚し、初打ちして形成された凹部の頂部付近をそれぞれ
内面に傾斜変形した凹部12、15の加熱板35、36
とし、加熱板35、36をそのまま、または任意の形状
にプレス成形後、加熱板35、36をアルミ鋳造金型キ
ャビティ33内に挿入し、加熱板35、36の外周面を
密着させ、金型キャビティ33中央部の真空吸引孔26
より真空吸引しながら、可動型内金型31と固定型内金
型32で構成される金型に固定状態で電磁誘導加熱調理
鍋1および炊飯器内釜2に固定するため、アルミ溶融金
属を注湯口25から高圧注湯し、加熱板35、36を鋳
がらみすることによって電磁誘導加熱調理鍋1および炊
飯器内釜2を提供するものである。
【0011】また、真空吸引に際しては、本装置の端部
に装着されるショイント29に直結する真空ポンプ28
を駆動させて真空吸引筒27を介して真空吸引孔26で
真空吸引させるようになっている。
【0012】また、電磁誘導加熱調理鍋1や炊飯器内釜
2では、加熱や冷却の繰り返しによる磁性体部材と、非
磁性体アルミニューム本体との密着結合強度の信頼性が
要求されており、化学反応による溶融結合が難しいこと
からも、製造品質管理が重要であり、そうした点を考慮
して製品化すると、生産性が低下するとともに、製造コ
ストが高くなるなどの問題があったが、磁性体の加熱板
を非磁性体アルミニューム本体に鋳がらみするようにし
た鋳造方法で、製造コストが低下し、密着結合強度の信
頼性も高まってきた。
【0013】
【作 用】本発明の内容を図面に従って、実施例を詳
細に説明すると、図1の電磁誘導加熱調理鍋1あるいは
図3の電磁誘導加熱炊飯器内釜2におけるように、本体
をアルミニュームなどの非磁性体としたのは、熱伝導と
軽量化を目的としており、磁性体鋼板のSUS材、また
はFe鋼板とする加熱板を鋳がらみして底部に固着させ
ているため熱効率もよくなった。
【0014】図1の電磁誘導加熱調理鍋1で説明する
と、アルミニュームなどの非磁性体の電磁誘導加熱調理
鍋1の底面3において、加熱板4としての磁性体鋼板の
SUS材、またはFe鋼板の片面に、非磁性体アルミニ
ュームと密着結合させる手段として、V字状、またはW
字状でアンダカット状になるよう切削形成したV字状溝
5、またはW字状溝8を、円周方向に形成した溝24、
または放射方向に形成した溝23とし、または、図13
に示すように円周方向に形成した溝24と放射方向に形
成した溝23とを複合形成して加熱板4とし、該加熱板
4を、そのまま、または任意の形状にプレス成形し、あ
るいは磁性体鋼板の加熱板4を図13に示すように円板
状の電磁マグネットチャック19に吸着固定し、V字状
に創成した単独バイトまたはアンギュラーカッターなど
の旋削刃具18を回転させながら切削加工でアンダカッ
トを形成するよう加工した加熱板4を、アルミ鋳造金型
キャビティー33内に挿入し、加熱板4の外周面を密着
させ、金型キャビティー33中央部より真空吸引孔26
より真空吸引しながら、可動型内金型31と固定型内金
型32で構成される金型に固定状態で、アルミ溶融金属
を注湯口25から高圧注湯し、加熱板4を鋳がらみする
ことによって電磁誘導加熱調理鍋1を提供するものであ
る。
【0015】具体的な製造方法としては、図1の電磁誘
導加熱調理鍋1、あるいは図3の電磁誘導加熱炊飯器内
釜2を鋳造するためのダイキャスト金型のキャビティ3
3内に、加熱板4を密着固定させ、可動型内金型31と
固定型内金型32とで挟持されている金型の間に形成さ
れる空隙部37に溶融アルミニュームを注湯口25から
射出ピストンを用いて高速射出し、SUS材またはFe
鋼板の加熱板4を溶融したアルミニュームで鋳がらみす
るように鋳造しているため、本発明により作られた製品
を冷熱繰り返して使用しても、鍋底が変形して不良品と
なったり、剥離や脱落が完全に防げるようになり、衝撃
に対しても耐久性が向上し、アルミニューム本体とSU
S材またはFe鋼板の加熱板4を密着結合させることが
できるものである。
【0016】上記のように加熱部材としての金属SUS
材、またはFe鋼板の加熱板4を密着固定させるが、鋳
造に際して加熱板4がずれないように、図4に示すよう
に、加熱板4の端部をシール部34として固定型内金型
32にシールし、真空ポンプ28を稼働させて真空吸引
溝27、真空吸引孔26を介して真空吸引するか、図
3、図4、図6に示すように、固定型内金型32に加熱
板4を固定するための加熱板挿入凹部38設け、加熱板
4を固定して、鋳造に際して加熱板4がずれないように
している。
【0017】また、図3に示す炊飯器内釜2のように底
面3が曲面や球状の場合には、加熱板6を、炊飯器内釜
2の底面3の曲面や球状の形状に合うようにプレス成形
し、ダイキャスト金型のキャビティ33内の曲面や球状
を形成した面に、加熱板6を密着固定した状態で、溶融
したアルミニュームを溶融射出して、アルミニューム本
体を加熱板6とともに鋳がらみして鋳造することによ
り、加熱板6を密着結合させるものである。
【0018】また、加熱板の熱伝導効率を要求される電
磁誘導加熱調理鍋や電磁誘導加熱炊飯器内釜において
は、加熱板の片面に図6、図7に示すように、W字状溝
8を切削加工することによって、2面がアンダーカット
される溝を形成できることからアルミニューム本体と加
熱板4との接触面積が増大し、熱伝導性とともに密着結
合強度も増大させることができるようになった。
【0019】さらに、加熱板の密着結合強度を増大させ
る方法としては、加熱板の片面にV字状、またはW字状
の溝を、円周方向と放射方向に複合形成した溝を切削加
工することで、熱伝導性に優れ、低コストの電磁誘導加
熱調理鍋や電磁誘導加熱炊飯器内釜が製造できるように
なった。
【0020】第3実施例、第4実施例で示すように、電
磁誘導加熱調理鍋1および炊飯器内釜2の加熱板9,1
0の片面に、第3の実施例として、プレス打鎚したV字
状凹部11、または第4の実施例として、プレス打鎚し
た凹状の凹部14を、間欠的に円周方向あるいは放射方
向にプレス打鎚で初打ちし、前記加熱板9,10に設け
た間欠的なV字状凹部11、または凹状凹部14の両側
面に隣接して、V字状凹部13、16をプレス打鎚し、
初打ちして形成された凹部の頂部付近をそれぞれ内面に
傾斜変形した凹部12、15の加熱板35、36とし、
加熱板35、36をそのまま、または任意の形状にプレ
ス成形後、加熱板35、36をアルミ鋳造金型キャビテ
ィ33内に挿入し、加熱板35、36の外周面を密着さ
せ、加熱板35、36を鋳がらみすることによって、脱
落しにくい凹部が形成されるので生産工程が簡単になっ
たばかりか、具体的に時間のロスもなくなった。
【0021】また、図14は実施例としての電磁誘導加
熱調理鍋1の製造装置の概略図で、図15は実施例とし
ての電磁誘導加熱調理炊飯器の内釜2の製造装置の概略
図であって、固定型内金型32のキャビティ33内に、
加熱板4,6を密着固定し、固定型内金型32と可動型
内金型31の間に形成される空隙部37に、溶融したア
ルミニュームを注湯口25から射出ピストンを用いて注
湯するもので、高圧注湯したアルミニュームは必要部分
に注湯されるが、余分な注湯アルミニュームはオーバー
フロー部30に貯留され、鋳造に際しての巣の発生を防
ぐことができるようになった。
【0022】
【効 果】本発明は、以上のような技術手段、構成、
つまり、電磁誘導加熱調理鍋1および炊飯器の内釜2の
底部3に、加熱板4と非磁性体アルミニュームと密着結
合させる手段として、V字状、またはW字状でアンダカ
ット状になるよう切削形成したV字状溝5、またはW字
状溝8を、円周方向に形成した溝24、または放射方向
に形成した溝23とし、または、図13に示すように円
周方向に形成した溝24と放射方向に形成した溝23と
を複合形成して加熱板4としているため、加熱板4を鋳
がらみすることによって加熱板4と非磁性体アルミニュ
ームとが完全に密着結合されるようになった。
【0023】また、本体をアルミニュームなどの非磁性
体としたのは、熱伝導と軽量化を目的としており、磁性
体鋼板のSUS材、またはFe鋼板とする加熱板を鋳が
らみして底部に固着させているため熱効率もよくなっ
た。
【0024】また、ダイキャスト金型のキャビティ33
内に、加熱板4を密着固定させ、可動型内金型31と固
定型内金型32とで挟持されている金型の間に形成され
る空隙部37に溶融アルミニュームを注湯口25から射
出ピストンを用いて高速射出し、SUS材またはFe鋼
板の加熱板4を溶融したアルミニュームで鋳がらみする
ように鋳造しているため、本発明により作られた製品を
冷熱繰り返して使用しても、鍋底が変形して不良品とな
ったり、剥離や脱落が完全に防げ、衝撃に対しても耐久
性が向上し、アルミニューム本体とSUS材またはFe
鋼板の加熱板4を密着結合させることができるようにな
った。
【0025】また、加熱板4を密着固定させるため、鋳
造に際して加熱板4がずれないように、加熱板4の端部
をシール部34として固定型内金型32にシールし、真
空ポンプ28を稼働させて、真空吸引溝27、真空吸引
孔26を介して真空吸引するか、固定型内金型32に加
熱板4を固定するための加熱板挿入凹部38設けて加熱
板4を固定しているため、鋳造に際して加熱板4がずれ
ないようになった。
【0026】また、加熱板の片面にW字状溝8を切削加
工することによって、2面がアンダーカットされる溝を
形成できることから、アルミニューム本体と加熱板4と
の接触面積が増大し、熱伝導性とともに密着結合強度も
増大させることができるようになった。
【0027】さらに、加熱板の片面にV字状、またはW
字状の溝を、円周方向と放射方向に複合形成した溝を切
削加工することで、熱伝導性に優れ、低コストの電磁誘
導加熱調理鍋や電磁誘導加熱炊飯器内釜が製造できるよ
うになった。
【0028】また、加熱板9,10の片面に、第3の実
施例として、プレス打鎚したV字状凹部11、または第
4の実施例として、プレス打鎚した凹状の凹部14を、
間欠的に円周方向あるいは放射方向にプレス打鎚で初打
ちし、前記加熱板9,10に設けた間欠的なV字状凹部
11、または凹状凹部14の両側面に隣接して、V字状
凹部13、16をプレス打鎚し、初打ちして形成された
凹部の頂部付近をそれぞれ内面に傾斜変形した凹部1
2、15の加熱板35、36とし、加熱板35、36を
そのまま、または任意の形状にプレス成形後、加熱板3
5、36をアルミ鋳造金型キャビティ33内に挿入し、
加熱板35、36の外周面を密着させ、加熱板35、3
6を鋳がらみすることによって、脱落しにくい凹部が形
成されるので生産工程が簡単になったばかりか、具体的
に時間のロスもなくなった。
【0029】また、固定型内金型32のキャビティ33
内に、加熱板4,6を密着固定し、固定型内金型32と
可動型内金型31の間に形成される空隙部37に、溶融
したアルミニュームを注湯口25から射出ピストンを用
いて注湯するもので、高圧注湯したアルミニュームは必
要部分に注湯されるが、余分な注湯アルミニュームはオ
ーバーフロー部30に貯留され、鋳造に際しての巣の発
生を防ぐことができるようになった。
【0030】また、以上のような構成により鋳がらみ強
度が向上し、熱効率もよく、製造コストの引下げが可能
となり、生産性のよい電磁誘導加熱調理鍋や電磁誘導加
熱炊飯器内釜が製造でき、底部3の外観を綺麗に保ちな
がら製品を提供できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図 1】 本発明の電磁誘導加熱調理鍋の一部断面
図。
【図 2】 本発明の電磁誘導加熱調理鍋の加熱板A部
の鋳込み状況図。
【図 3】 本発明の電磁誘導加熱炊飯器内釜の一部断
面図。
【図 4】 第1実施例の斜V字状詳細図。
【図 5】 第1実施例の内釜完成一部詳細図。
【図 6】 第2実施例の加熱板におけるW字状溝形成
図。
【図 7】 第2実施例の加熱板におけるW字状溝詳細
図。
【図 8】 第3実施例の加熱板における初打ちのV字
状凹部形成図。
【図 9】 第3実施例の加熱板形成図。
【図10】 第4実施例の加熱板における初打ちの凹状
凹部形成図。
【図11】 第4実施例の加熱板形成図。
【図12】 第2実施例のW字状溝切削状態図。
【図13】 第1実施例の溝の形状図。
【図14】 電磁誘導加熱調理鍋の製造装置の概略図。
【図15】 電磁誘導加熱炊飯器の製造装置の概略図。
【符号の説明】
1:電磁誘導加熱調理鍋 2:炊飯器内釜 3:底部 4:加熱板 5:斜V字状溝 6:加熱板 7:加熱板 8:W字状溝 9:加熱板 10:加熱板 11:V字状凹部 12:傾斜変形した凹部 13:プレス打鎚したV字状凹部 14:プレス打鎚した凹状凹部 15:傾斜変形した凹部 16:プレス打鎚したV字状凹部 17:加熱板 18:旋削刃具 19:電磁マグネットチャック 20:電磁マグネットチャックボルト 21:旋削盤主軸フランジ 22:旋削刃具取付主軸 23:放射方向に形成した溝 24:円周方向に形成した溝 25:注湯口 26:真空吸引孔 27:真空吸引筒 28:真空ポンプ 29:ジョイント 30:オーバーフロー部 31:可動型内金型 32:固定型内金型 33:キャビティ 34:シール部 35:加熱板 36:加熱板 37:空隙部 38:加熱板挿入凹部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B22D 19/16 B22D 19/16 B H05B 6/12 305 H05B 6/12 305

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電磁誘導加熱調理鍋および炊飯器内釜の加
    熱板として、磁性体鋼板のSUS材またはFe鋼板の片
    面に、切削加工によって斜V字状、または、W字状でア
    ンダカット状になるよう切削形成した溝を、円周方向ま
    たは放射方向および円周方向と放射方向に複合形成して
    加熱板とし、該加熱板を、そのまま、または任意の形状
    にプレス成形後、加熱部材として、アルミ鋳造で鋳がら
    みした電磁誘導加熱調理鍋および炊飯器内釜。
  2. 【請求項2】電磁誘導加熱調理鍋および炊飯器内釜の加
    熱板として、磁性体鋼板のSUS材またはFe鋼板の片
    面に、V字状、又は凹状の凹部を間欠的に円周方向ある
    いは放射方向にプレス打鎚しで初打ちし、前記加熱板に
    設けたV字状、又は凹状の間欠的な凹部の両側面に隣接
    して、さらにV字状凹部をプレス打鎚し、初打ちして形
    成された凹部の頂部付近をそれぞれ内面に傾斜変形した
    加熱板とし、加熱板をそのまま、または任意の形状にプ
    レス成形後、加熱板として、電磁誘導加熱調理鍋または
    炊飯器内釜に固定するため、アルミ溶融金属を高圧注湯
    し、加熱板を鋳がらみした電磁誘導加熱調理鍋および炊
    飯器内釜。
  3. 【請求項3】凹溝を縞状にロール成形後、頂部付近を2
    工程でプレス又はロールにて内面に傾斜変形したSUS
    またはFe鋼板を任意の形状にプレス成形、またはその
    ままで加熱板として鋳造鋳込みした電磁誘導加熱調理鍋
    および炊飯器内釜。
  4. 【請求項4】電磁誘導加熱調理鍋および炊飯器内釜の加
    熱板として、磁性体鋼板のSUS材またはFe鋼板の片
    面を切削加工によって斜V字状、又はW字状でアンダカ
    ット状になるよう溝を形成して加熱板を固定する方法と
    して、磁性体鋼板を円板状の電磁マグネットチャックに
    吸着固定し、V字状に創成した単独バイト、またはアン
    ギュラーカッターなどの旋削刃具を回転させながら切削
    加工でアンダカットが形成するよう加工した加熱板を、
    加熱板そのまま、または任意の形状にプレス成形した加
    熱板を、アルミ鋳造金型キャビティー内に挿入し、加熱
    板の外周面を密着させ、金型キャビティー中央部の真空
    吸引孔より真空吸引しながら、可動型内金型と固定型内
    金型で構成される金型に固定状態で、アルミ溶融金属を
    注湯口から高圧注湯して、加熱板を鋳がらみすることを
    特徴とする電磁誘導加熱調理鍋および炊飯器内釜の製造
    方法。
  5. 【請求項5】電磁誘導加熱調理鍋および炊飯器内釜の加
    熱板として、磁性体鋼板のSUS材またはFe鋼板の片
    面に、V字状、または凹状の間欠的な凹部を円周方向あ
    るいは放射方向にプレス打鎚で初打ちし、前記加熱板に
    設けたV字状、または凹状の間欠的な凹部の両側面に隣
    接して、V字状に、さらにプレス打鎚して凹部を形成
    し、初打ちして形成されたV字状または凹状の間欠的な
    凹部の頂部付近を、それぞれ内面に傾斜変形させた加熱
    板とし、該加熱板をそのまま、または任意の形状にプレ
    ス成形後、加熱板をアルミ鋳造金型キャビティー内に挿
    入し、加熱板の外周面を密着させ、金型キャビティー中
    央部の真空吸引孔より真空吸引しながら、可動型内金型
    と固定型内金型で構成される金型に固定状態で、アルミ
    溶融金属を注湯口から高圧注湯し、加熱板を鋳がらみす
    ることを特徴とする電磁誘導加熱調理鍋および炊飯器内
    釜の製造方法。
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