JPH10313513A - ケーブル用引き紐の先導装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電柱間に作業者を配する必要がなく、作業性
の優れた、ケーブル引き紐の先導装置を提供する。 【解決手段】 吊り線１に吊設した螺旋状ケーブル吊り
具２の内側に配置した先導具３の後端に電柱間の距離に
見合う長さの可撓性素材より成る押圧線体６の先端を接
続する。該押圧線体６の末端に、末端にケーブルを接続
した引き紐１０の先端を接続する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、電柱間に張設した吊り
線（メッセンジャーワイヤー）に吊設した螺旋状ケーブ
ル吊り具に受支案内させて前記電柱間にケーブルを張設
する際、該ケーブルを螺旋状ケーブル吊り具に沿って移
動させるために用いるケーブル用引き紐の先導装置に関
するものである。すなわち、一方の電柱から他方の電柱
位置までわたしたケーブル用引き紐を引っ張ることによ
って該ケーブル用引き紐の末端側に接続したケーブルを
前記螺旋状ケーブル吊り具に受支案内させて移動させ、
ケーブルは電柱間に張設されるのであるが、本発明は、
ケーブル用引き紐の先端を一方の電柱側から他の一方の
電柱側に移動させるために用いるケーブル用引き紐の先
導装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】吊り線にぶら下がって行う所謂宙乗り作
業若しくは高所作業を利用して行うかの方法しかなく、
いずれにしても手先で螺旋状ケーブル吊り具に沿わせて
ケーブル用引き紐の先端を一方の電柱側から他の一方の
電柱側へと移動させるようにしている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来例は、いずれも作
業者が吊り線に沿って移動しつつ螺旋状ケーブル吊り具
に沿うケーブル用引き紐の移動作業を行うため、作業性
に欠ける。

【０００４】本発明は、電柱間に作業者を配する必要が
なく作業性の優れた、ケーブル用引き紐の先導装置を提
供することを目的として創案したものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】吊り線に吊設した螺旋状
ケーブル吊り具の内側に配置した先導具の後端に電柱間
の距離に見合う長さの可撓性素材より成る押圧線体の先
端を接続し、該押圧線体の末端に、末端にケーブルを接
続した引き紐の先端を接続すると共に、前記先導具を前
記吊り線に移動可能に組付けたことを基本的手段とす
る。

【０００６】なお、前記の先導具を、先導具主体の一側
に一端を止着した複数個の掛止片を前記主体の長手方向
に沿って並設し、前記掛止片を内側に吊り線を相対的に
係合する係合間隙を備えた、薄肉のＶ字形弾性片で構成
すると共に、前記掛止片の自由端側に係止孔を設け、該
係止孔に係止する突子を前記主体の前記一側に対向する
他の一端側に出没自在に設け、さらに、前記突子に前記
掛止片を介して係止する透孔を、前記主体に摺嵌した施
錠片に設けた構成にすることにより、先導具と吊り線の
組付け関係が良好に保たれ、ケーブル用引き紐の先導操
作がなお一層円滑に行われる。

【０００７】

【実施例】図面は本発明に係るケーブル用引き紐の先導
装置の一実施例を示し、図１は正面図、図２は先導具の
一部欠截正面図、図３は図１のＸ−Ｘ線断面図、図４は
図１のＹ−Ｙ線断面図である。

【０００８】図中、１は電柱間に架設したケーブル用の
吊り線で、該吊り線１に巻き付けるように螺旋状ケーブ
ル吊り具２を前記電柱間のほぼ全域に配してある。

【０００９】なお、螺旋状ケーブル吊り具２は、螺旋状
の吊り具単位体（１、０ｍ〜１、５ｍの長さがある）
を、ジョイントスリーブで連結しながら一方の電柱側か
ら他の電柱側へと前記吊り線１に沿わせて順次送り出し
電柱間に配したもので、螺旋状の内径は、ケーブル（場
合によれば複数本の）を挿通させるに充分な大きさにし
てある。

【００１０】３は、螺旋状ケーブル吊り具２を通じて前
記吊り線１に沿って、電柱間を移動させる先導具で、先
導具３は、先導具主体４に一対の掛止片５、５´を組付
け、該掛止片５、５´を組外し可能にして前記吊り線１
に吊設し、掛止片５、５´を薄い金属片で構成すること
により吊り線１と螺旋状ケーブル吊り具２との接触部に
あっても吊り線１に沿って容易に移動する。

【００１１】この先導具３には、可撓性素材より成る押
圧線体６の先端にコネクタ７、末端に接続フック８を設
けて構成したよび線工具９の前記コネクタ７を取付け、
よび線工具９の末端側の接続フック８には、末端にケー
ブルを接続した引き紐１０を組付けてある。

【００１２】しかして、一方の電柱側から先導具３を前
記螺旋状ケーブル吊り具２の内側に配し、よび線工具９
すなわち押圧線体６を前記一方の電柱側から他の一方の
電柱側方向に押圧すると、押圧線体６は先導具３を螺旋
状ケーブル吊り具２の内側において他の一方の電柱側へ
と移動せしめ、該他の一方の電柱側においてよび線工具
９すなわち押圧線体６を引っ張ると、押圧線体６に引っ
張られて、前記螺旋状ケーブル吊り具２の内側において
引き紐１０の先端が前記一方の電柱側から他の一方の電
柱側へと移動し、次いで、引き紐１０を引っ張ることに
よってケーブルが電柱間に架設されるのである。

【００１３】前記押圧線体６は先導具３を一方の電柱か
ら他方の電柱まで押送できる程度に見合う長さを備え、
実施例にあってはＦＲＰ製の可撓性線体で構成してあ
る。

【００１４】ここで可撓性とは螺旋状ケーブル吊り具２
が成す曲路に応じてたわみ変形し、かつ、先導具３に押
圧力が伝達される性質をいう。

【００１５】なお、先導具３の前記先導具主体４は棒状
金属体で構成したもので、この先導具主体４の先後両端
に設けた螺子孔１１、１１´にボルト杆１２、１２´を
螺合して規制筒１３、１３´を締付け、該規制筒１３、
１３´は、該規制筒１３、１３´に隣接させて配した前
記掛止片５、５´の先導具主体４の軸線に沿う方向（吊
り線１に沿う方向）の回動を規制する。

【００１６】前記掛止片５、５´は、薄肉の（先導具３
が吊り線１に沿って移動する際、螺旋状ケーブル吊り具
２が邪魔にならず、吊り線１と螺旋状ケーブル吊り具２
との間を通過できる程度に）Ｕ字形弾性片より成り（実
施例はステンレスを素材としている）、内側に前記吊り
線１を相対的に係合できる程度の係合間隙１４、１４´
を備えたもので、前記規制筒１３、１３´に隣接するよ
うにしてその一端を前記先導具主体４の一側に螺子１
５、１５´で止着し、他の一端側には係止孔１６、１６
´を設けて、前記螺子１５、１５´部に対向して（前記
一側に対応する）先導具主体４の他の一側に出没自在に
設けた突子１７、１７´に係合するようにしてある。

【００１７】突子１７、１７´は先導具主体４内に収設
したスプリング１８、１８´によって周面より常時突出
するように付勢されて前記主体４に設けたもので、この
突子１７、１７´に前記掛止片５、５´を介して係止す
る透孔１９、１９´を部片２０ａ、２０´ａに設けた施
錠片２０、２０´を前記先導具主体４に摺嵌させてあ
る。

【００１８】施錠片２０、２０´は、内側面に前記主体
４の長手方向に沿う係合溝２１、２１´を備えた筒状体
から成り、先導具主体４の外側に配して該主体４に前記
の通り摺嵌したもので、前記係合溝２１、２１´には先
導具主体４に組付けたスプリングピン２２、２２´を係
合し、このピン２２、２２´と前記係合溝２１、２１´
の係合関係により前記部片２０ａ、２０´ａに設けた前
記透孔１９、１９´は突子１７、１７´を確実に係離す
る。

【００１９】また、施錠片２０、２０´は先導具主体４
の長手方向の中央部の大径部４Ａの存在によって前記突
子１７、１７´からの離開方向への移動が規制される。

【００２０】先導具本体４の先端側のボルト杆１２には
キャップ材２３を螺合し、後端側のボルト杆１２´には
前記コネクタ７を螺合して接続し、前記の通りよび線工
具９を先導具３に連結してある。

【００２１】なお、先導具主体４を先後対称形にしてあ
るのは、キャップ材２３を組代えることにより該主体の
両端いずれも「先端」部として用いることができるよう
にするためである。

【００２２】しかして、掛止片５、５´の係合間隙１
４、１４´に吊り線１を相対的に係合するようにして先
導具３の掛止片５、５´を吊り線１に組合わせ、該掛止
片５、５´に設けた係止孔１６、１６´をスプリング１
８、１８´で突出方向に付勢された突子１７、１７´に
係合した後、施錠片２０、２０´を主体大径部４Ａ側か
ら螺子孔１１、１１´方向に押圧すると、係合溝２１、
２１´とスプリングピン２２、２２´の係合関係によ
り、施錠片２０、２０´は先導具主体４の軸線に沿い真
直ぐに移動し、該施錠片２０、２０´の部片２０ａ、２
０´ａの透孔１９、１９´が前記突子１７、１７´に係
止し、先導具３は吊り線１に吊下組付けられる。

【００２３】そして、ボルト杆１２´によび線金具９の
コネクタ７を連結して前記の通り操作することによりケ
ーブル用引き紐１０の先導操作を行うのである。

【００２４】

【発明の効果】本発明は前記の通りの構成であるから、
一方の電柱側から押圧線体の押圧作業を行うだけで、先
導具を配する必要がなく、作業性の優れた装置を提供で
きる。

【００２５】また、施錠片の移動させるだけで、掛止片
の吊り線に対する組付け、組外し操作を行え、かつ、先
導具の吊り線に沿う移動が円滑に行われ先導作業を能率
的に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】正面図。

【図２】先導具の一部欠截正面図。

【図３】図１のＸ−Ｘ線断面図。

【図４】図１のＹ−Ｙ線断面図。

【符号の説明】

１ 吊り線 ２ 螺旋状ケーブル吊り具 ３ 先導具 ６ 押圧線体 １０ 引き紐

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 吊り線に吊設した螺旋状ケーブル吊り具
   の内側に配置した先導具の後端に電柱間の距離に見合う
   長さの可撓性素材より成る押圧線体の先端を接続し、該
   押圧線体の末端に、末端にケーブルを接続した引き紐の
   先端を接続すると共に、前記先導具を前記吊り線に移動
   可能に組付けた、ケーブル用引き紐の先導装置。
2. 【請求項２】 先導具を下記ａ）乃至ｄ）の各事項を備
   えたものとした請求項１記載のケーブル用引き紐先導装
   置。 ａ）先導具主体の一側に一端を止着した複数個の掛止片
   を前記主体の長手方向に沿って並設すること。 ｂ）該掛止片を内側に吊り線を相対的に係合する係合間
   隙を備えた、薄肉のＶ字形弾性片で構成すること。 ｃ）前記掛止片の自由端側に係止孔を設け、該係止孔に
   係止する突子を前記主体の前記一側に対向する他の一端
   側に出没自在に設けること。 ｄ）前記突子に前記掛止片を介して係止する透孔を、前
   記主体に摺嵌した施錠片に設けること。