JPH10312527A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH10312527A
JPH10312527A JP12000097A JP12000097A JPH10312527A JP H10312527 A JPH10312527 A JP H10312527A JP 12000097 A JP12000097 A JP 12000097A JP 12000097 A JP12000097 A JP 12000097A JP H10312527 A JPH10312527 A JP H10312527A
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JP
Japan
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binder
magnetic
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recording medium
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Abandoned
Application number
JP12000097A
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English (en)
Inventor
Satoru Inoue
井上  悟
Tomohiro Sato
智広 佐藤
Kazuhiro Takahashi
和宏 高橋
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Publication of JPH10312527A publication Critical patent/JPH10312527A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電磁変換特性や耐久性に優れた磁気記録媒体
を提供する。 【解決手段】 本発明に係る磁気記録媒体は、非磁性支
持体上に、磁性粉末と結合剤とを主体とする磁性層を有
する。上記結合剤はスルホン酸金属塩を含む塩化ビニル
系樹脂と、3級アミンを含むポリウレタン樹脂とを併用
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、いわゆる塗布型の
磁気記録媒体に関し、特に分散性、耐久性の向上を可能
とする磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】デジタルデータストレージやハイビジョ
ン用デジタル信号の記録など、高密度磁気記録が進むな
かで、塗布型の磁気記録媒体においても年々高密度化が
要求されている。この高密度磁気記録ではフェライト、
アモルファス、センダスト等を主成分とする磁気ヘッド
を多数個装着した回転ドラムを摺動させ、磁気ヘッドと
磁気記録媒体の相対速度を高めることでより多くの情報
を記録する方法が主流となっている。このため、磁気記
録媒体には電磁変換特性の向上と、磁気ヘッドとの高速
の摺動に耐え得る耐久性の向上とが要求されている。
【0003】このような状況のなか、磁性層においては
極めて微細な磁性粉末、非磁性粉末を結合剤中に分散さ
せ電磁変換特性を向上させるとともに、研磨剤や潤滑
剤、無機顔料を添加することで耐久性の向上を図ってい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一方、結合剤に関して
も、樹脂に極性基を導入することにより分散性を高め、
電磁変換特性や耐久性の向上が図られており、例えば特
開平1−227217号公報にカルボキシル基を有する
樹脂、および3級アミンを有する樹脂を含有する結合剤
が報告されている。しかし、高密度記録の要求にともな
って磁性粉末の微粒子化が進んでおり、微細な磁性粉末
に対しては十分な分散ができず、要求される電磁変換特
性や耐久性は得られていない。
【0005】また、スルホン酸金属塩、4級アンモニウ
ム塩、エポキシ基等の極性基を導入した結合剤を使用す
ることで分散性を高め、電磁変換特性の向上は得られて
いるが、磁気ヘッドの粉落ち等、耐久性の面では十分な
性能が得られておらず、これらの特性を向上することが
課題となっている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上述の課題
を解決するため鋭意検討の結果、特定の極性基を有する
樹脂を併用した結合剤を用いることで分散性や耐久性の
両方を飛躍的に改善できることを見いだした。
【0007】本発明に係る磁気記録媒体は、非磁性支持
体上に、磁性粉末と結合剤とを主体とする磁性層を有
し、上記結合剤はスルホン酸金属塩を含む塩化ビニル系
樹脂と、3級アミンを含むポリウレタン樹脂とを含むこ
とを特徴とする。
【0008】すなわち、本発明は結合剤に極性基として
スルホン酸金属塩を有する塩化ビニル系樹脂と、3級ア
ミンを有するポリウレタン樹脂とを併用することで微細
な磁性粉末に対しても分散性を高め、電磁変換特性や耐
久性に優れた磁気記録媒体を得るものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施例に
ついて、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0010】本発明を適用した磁気記録媒体は図1に示
すように、非磁性支持体1上に、磁性粉末と結合剤とを
主体とする磁性層2が形成されている。
【0011】上記非磁性支持体1は、ポリエステル、ポ
リオレフィン、セルロース誘導体、ビニル系樹脂、プラ
スチック、金属、セラミックス、単結晶シリコンまた
は、紙等のように、塗布型の磁気記録媒体に使用される
公知のものがいずれも使用可能である。具体的には、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、セルローストリアセテート、セルロースダイアセ
テート、セルロースアセテートブチレート、ポリ塩化ビ
ニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリイ
ミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、アルミニウム、
銅、アルミニウム合金等が挙げられる。
【0012】また、この非磁性支持体の形状としてはフ
ィルム、テープ、シート、カード、ドラム等のいずれで
もよい。
【0013】磁性層2は磁性粉末と結合剤とを主体と
し、その他潤滑剤と、分散剤と、研磨剤と、帯電防止剤
等とが配合された磁性塗料が上記非磁性支持体上1に塗
布されて形成される。
【0014】上記磁性粉末には、γ−Fe23、Fe3
4またはこれらの中間酸化鉄でFeOxで表される強
磁性粉、これらの酸化鉄にコバルトが付加されたもの、
鉄、ニッケル、コバルトを75%以上含む強磁性合金、
バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト等、公
知の強磁性材料がいずれも使用可能である。
【0015】また、ブルナウアー・エメット・テーラー
比表面積(以下、BET比表面積と称す)が50m2
g以上の磁性粉末を用いるのが好ましい。
【0016】上記潤滑剤には、シリコンオイル、脂肪酸
変性シリコン、フッ素含有シリコン、またはその他のフ
ッ素系潤滑剤ポリオレフィン、ポリグリコール、アルキ
ル燐酸エステルや金属塩、ポリフェニルエーテル、フッ
化アルキルエーテル、炭素数12〜24の高級アルコー
ル類や高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル類、アルキルカ
ルボン酸アミン塩やフッ化アルキルカルボン酸アミン塩
等のアミン系潤滑剤等が使用可能である。なお、上記の
高級アルコールや高級脂肪酸、高級脂肪酸エステルは、
それぞれ不飽和であっても分岐していても構わない。
【0017】上記の高級脂肪酸および脂肪酸エステル類
としては具体的に、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミ
チル酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、アラキン
酸、オレイン酸、エイコ酸、エライジン酸、ヘベン酸、
リノール酸、リノレイン酸、ステアリン酸オクチル、ス
テアリン酸イソオクチル、ミリスチン酸オクチル、ミリ
スチン酸イソオクチル、ステアリン酸イソオクチル、ス
テアリン酸ブトキシエチル、ステアリン酸ブチル、ステ
アリン酸ヘプチル等が挙げられる。
【0018】また、潤滑剤は単独で用いてもよいし、複
数の潤滑剤を混合して用いてもよい。
【0019】潤滑剤は、磁性塗料中に添加してもよい
し、磁性層表面に塗布してもよい。
【0020】上記分散剤としては炭素数5〜25の脂肪
族、およびそのアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩
からなる金属石鹸、脂肪酸エステル類、脂肪酸アミド、
アミン、4級アンモニウム塩、燐酸エステル、ホウ酸エ
ステル等、公知の分散剤がいずれも使用可能である。
【0021】上記研磨剤としては、例えば、α−アルミ
ナ、β−アルミナ、溶融アルミナ、炭化ケイ素、酸化ク
ロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、コランダム、ダイア
モンド、ケイ石、ザクロ石、ガーネット、窒化ケイ素、
窒化ホウ素、炭化タングステン、酸化チタン等、モース
硬度6以上の公知の材料を単独かまたは複数組み合わせ
たものが使用可能である。
【0022】上記帯電防止剤としては、例えば、カーボ
ンブラック、天然界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、
カチオン性界面活性剤等の公知の帯電防止剤が使用可能
である。
【0023】上記結合剤としては、塗布型の磁気記録媒
体の結合剤として用いられる公知の樹脂からなるものが
使用可能である。
【0024】本発明にかかる磁気記録媒体は、その磁性
層に、極性基としてスルホン酸金属塩が導入された塩化
ビニル系樹脂と、極性基として3級アミンが導入された
ポリウレタン樹脂とを含む結合剤を用いることを特徴と
する。
【0025】本発明に用いる塩化ビニル系樹脂として
は、具体的に、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコ
ール共重合樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸
共重合樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸−ビ
ニルアルコール共重合樹脂等が挙げられる。また、この
塩化ビニル系樹脂はエポキシ基、水酸基を含んでいても
構わない。
【0026】本発明に用いる塩化ビニル系樹脂に導入さ
れるスルホン酸金属塩の種類としては、亜硫酸ナトリウ
ム、重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カリウム、スルファ
ニル酸ナトリウム、スルファミン酸ナトリウム、タウリ
ンナトリウム等が挙げられる。スルホン酸金属塩の含有
量としては0.01mmol/g〜0.2mmol/gの
範囲内であることが好ましい。
【0027】また、本発明に用いるポリウレタン樹脂
は、ポリオールと、イソシアネートと、分子内に3級ア
ミンを有する鎖延長剤または架橋剤とを共重合して得る
ことができる。
【0028】本発明において、上記のポリウレタン樹脂
としては、用いるポリオールにより、アジペート系、ポ
リカプロラクトン系等のポリエステルポリウレタン樹
脂、ポリエーテルポリウレタン樹脂、その他ポリカーボ
ネイト系、アクリル系、ブタジエン系等が挙げられ、い
ずれも使用可能であるが、ポリエステルポリウレタン樹
脂またはポリエーテルポリウレタン樹脂がより好まし
い。
【0029】本発明に用いるポリウレタン樹脂に導入さ
れる3級アミンの種類としては、脂肪属アミン、芳香属
アミン、アルカノールアミン、アルコキシアルキルアミ
ン等があり、具体的には、ジメチルアミン、ジエチルア
ミン、ジイソプロピルアミン、メチルエタノールアミ
ン、ジオクチルアミン、N−メチルブチルアミン、N−
メチルフェニルアミン、2−メトキシエチルアミン、ジ
−2−メトキシエチルアミン等が挙げられる。
【0030】この3級アミンは、ポリウレタン樹脂の主
鎖に導入しても側鎖に導入しても構わない。また、3級
アミンの含有量としては0.01mmol/g〜0.5
mmol/gの範囲内であることが好ましい。
【0031】また、金属スルホン酸金属塩基を有した塩
化ビニル系樹脂と、3級アミンを有したポリウレタン樹
脂と、極性基を有していない樹脂とを組み合わせた結合
剤や、スルホン酸金属塩基を有した塩化ビニル系樹脂
と、3級アミンを有したポリウレタン樹脂と、その他の
極性基を有した樹脂とを組み合わせた結合剤がいずれも
使用可能である。
【0032】そして、スルホン酸金属塩基を有した塩化
ビニル系樹脂と、3級アミンを有したポリウレタン樹脂
とは、磁性層を構成する全結合剤のそれぞれ10重量%
以上であることが好ましい。
【0033】本発明を適用した磁気記録媒体の磁性層に
おいては、スルホン酸金属塩を有した塩化ビニル系樹脂
と3級アミンを有したポリウレタン樹脂とが併用されて
なる結合剤の他にポリイソシアネートを硬化剤として結
合剤100重量部に対し5〜30重量部混合することで
接着性、剛性、耐久性がさらに向上する。しかし、ポリ
イソシアネートを30重量部を越えた量を添加すると、
塗料の保存特性が悪化したり、塗布した後の塗膜の柔軟
性を損ない、裁断時の塗膜の欠落が発生したり耐久性が
劣化するので好ましくない。
【0034】なお、本発明は図2に示すように、非磁性
支持体11の一方の面に上述の構成からなる磁性層12
を形成し、他方の面に非磁性粉末と結合剤とを主体とす
るバックコート層13を形成した磁気記録媒体に適用し
てもよい。
【0035】また、本発明は図3に示すように非磁性支
持体21の一方の面に非磁性粉末、磁性粉末、あるいは
両者を混合したものと結合剤とを主体とした下塗り層2
2を設けてもよい。これにより接着強度が向上する。下
塗り層22の上層に上述の構成からなる磁性層23を形
成した磁気記録媒体、あるいは、さらに他方の面に上述
の構成からなるバックコート層24を形成した磁気記録
媒体に適用してもよい。
【0036】
【実施例】以下に本発明の具体的な実施例を比較例とと
もに説明する。
【0037】〈実施例1〉以下に示す方法により磁気記
録媒体を作製した。
【0038】磁性塗料として、BET比表面積57m2
/gの金属磁性粉末を100重量部と、結合剤を20重
量部と、α-Al23を4重量部と、カーボンブラック
を1重量部と、メチルエチルケトン、トルエン、シクロ
ヘキサノンを各々適量とを連続ニーダーで混練した後、
サンドミルを用いて分散した。
【0039】さらに、ポリイソシアネートを4重量部
と、ミリスチン酸を1重量部とを加え、均一に混練した
後、平均口径3μmのフィルターでろ過し、磁性塗料と
した。
【0040】ここでは、上記結合剤として、スルホン酸
金属塩含有塩化ビニル系樹脂を20重量部と、3級アミ
ン含有ポリウレタン樹脂を80重量部とを混合したもの
を用いた。
【0041】上記磁性塗料を、厚さ11μmのポリエチ
レンテレフタレートフィルム上に、厚さ3.5μmで塗
布、乾燥し、カレンダー処理を行った後、2分の1イン
チ幅に裁断し、ビデオテープとして磁気記録媒体を完成
させた。
【0042】〈実施例2〉結合剤として、スルホン酸金
属塩含有塩化ビニル系樹脂を50重量部と、3級アミン
含有ポリウレタン樹脂を50重量部とを混合したものを
用いた以外は、実施例1と同様にして磁気記録媒体を作
製した。
【0043】〈実施例3〉結合剤として、スルホン酸金
属塩含有塩化ビニル系樹脂を80重量部と、3級アミン
含有ポリウレタン樹脂を20重量部とを混合したものを
用いた以外は、実施例1と同様にして磁気記録媒体を作
製した。
【0044】〈実施例4〉結合剤として、カルボキシル
基含有塩化ビニル系樹脂を20重量部と、スルホン酸金
属塩含有塩化ビニル系樹脂を40重量部と、3級アミン
含有ポリウレタン樹脂を40重量部とを混合したものを
用いた以外は、実施例1と同様にして磁気記録媒体を作
製した。
【0045】〈実施例5〉結合剤として、カルボキシル
基含有塩化ビニル系樹脂を40重量部と、スルホン酸金
属塩含有塩化ビニル系樹脂を10重量部と、3級アミン
含有ポリウレタン樹脂を50重量部とを混合したものを
用いた以外は、実施例1と同様にして磁気記録媒体を作
製した。
【0046】〈実施例6〉結合剤として、スルホン酸金
属塩含有塩化ビニル系樹脂を40重量部と、カルボキシ
ル基含有ポリウレタン樹脂を20重量部と、3級アミン
含有ポリウレタン樹脂を40重量部とを混合したものを
用いた以外は、実施例1と同様にして磁気記録媒体を作
製した。
【0047】〈実施例7〉結合剤として、スルホン酸金
属塩含有塩化ビニル系樹脂を10重量部と、カルボキシ
ル基含有ポリウレタン樹脂を40重量部と、3級アミン
含有ポリウレタン樹脂を50重量部とを混合したものを
用いた以外は、実施例1と同様にして磁気記録媒体を作
製した。
【0048】〈実施例8〉BET比表面積が50m2
g未満の磁性粉末を用いて、磁気記録媒体を作製した。
磁性塗料として、BET比表面積45m2/gのCo−
γFe23粉末を100重量部と、結合剤を20重量部
と、α-Al23を4重量部と、カーボンブラックを1
重量部と、メチルエチルケトン、トルエン、シクロヘキ
サノンを各々適量とを連続ニーダーで混練した後、サン
ドミルを用いて分散した。さらに、ポリイソシアネート
を4重量部と、ミリスチン酸を1重量部とを加え、均一
に混練した後、平均口径3μmのフィルターでろ過し、
磁性塗料とした。
【0049】ここでは、上記結合剤として、スルホン酸
金属塩含有塩化ビニル系樹脂を20重量部と、3級アミ
ン含有ポリウレタン樹脂を80重量部とを混合したもの
を用いた。
【0050】上記磁性塗料を、厚さ11μmのポリエチ
レンテレフタレートフィルム上に、厚さ3.5μmで塗
布、乾燥し、カレンダー処理を行った後、2分の1イン
チ幅に裁断し、ビデオテープとして磁気記録媒体を完成
させた。
【0051】〈実施例9〉結合剤として、スルホン酸金
属塩含有塩化ビニル系樹脂を50重量部と、3級アミン
含有ポリウレタン樹脂を50重量部とを混合したものを
用いた以外は、実施例8と同様にして磁気記録媒体を作
製した。
【0052】〈実施例10〉結合剤として、スルホン酸
金属塩含有塩化ビニル系樹脂を80重量部と、3級アミ
ン含有ポリウレタン樹脂を20重量部とを混合したもの
を用いた以外は、実施例8と同様にして磁気記録媒体を
作製した。
【0053】〈実施例11〉結合剤として、カルボキシ
ル基含有塩化ビニル系樹脂を20重量部と、スルホン酸
金属塩含有塩化ビニル系樹脂を40重量部と、3級アミ
ン含有ポリウレタン樹脂を40重量部とを混合したもの
を用いた以外は、実施例8と同様にして磁気記録媒体を
作製した。
【0054】〈実施例12〉結合剤として、カルボキシ
ル基含有塩化ビニル系樹脂を40重量部と、スルホン酸
金属塩含有塩化ビニル系樹脂を10重量部と、3級アミ
ン含有ポリウレタン樹脂を50重量部とを混合したもの
を用いた以外は実施例8と同様にして磁気記録媒体を作
製した。
【0055】〈実施例13〉結合剤として、スルホン酸
金属塩含有塩化ビニル系樹脂を40重量部と、カルボキ
シル基含有ポリウレタン樹脂を20重量部と、3級アミ
ン含有ポリウレタン樹脂を40重量部とを混合したもの
を用いた以外は、実施例8と同様にして磁気記録媒体を
作製した。
【0056】〈実施例14〉結合剤として、スルホン酸
金属塩含有塩化ビニル系樹脂を10重量部と、カルボキ
シル基含有ポリウレタン樹脂を40重量部と、3級アミ
ン含有ポリウレタン樹脂を50重量部とを混合したもの
を用いた以外は、実施例8と同様にして磁気記録媒体を
作製した。
【0057】〈比較例1〉スルホン酸金属塩含有塩化ビ
ニル系樹脂と3級アミン含有ポリウレタン樹脂とを併用
しない結合剤を用いて磁気記録媒体を作製した。
【0058】磁性塗料として、BET比表面積57m2
/gの金属磁性粉末を100重量部と、結合剤を20重
量部と、α-Al23を4重量部と、カーボンブラック
を1重量部と、メチルエチルケトン、トルエン、シクロ
ヘキサノンを各々適量とを連続ニーダーで混練した後、
サンドミルを用いて分散した。
【0059】さらに、ポリイソシアネートを4重量部
と、ミリスチン酸を1重量部とを加え、均一に混練した
後、平均口径3μmのフィルターでろ過し、磁性塗料と
した。ここでは、上記結合剤として、カルボキシル基含
有塩化ビニル系樹脂を用いた。
【0060】上記磁性塗料を、厚さ11μmのポリエチ
レンテレフタレートフィルム上に、厚さ3.5μmで塗
布、乾燥し、カレンダー処理を行った後、2分の1イン
チ幅に裁断し、ビデオテープとして磁気記録媒体を完成
させた。
【0061】〈比較例2〉結合剤として、スルホン酸金
属塩含有塩化ビニル系樹脂を用いた以外は比較例1と同
様にして磁気記録媒体を作製した。
【0062】〈比較例3〉結合剤として、カルボキシル
基含有ポリウレタン樹脂を用いた以外は比較例1と同様
にして磁気記録媒体を作製した。
【0063】〈比較例4〉結合剤として、3級アミン含
有ポリウレタン樹脂を用いた以外は、比較例1と同様に
して磁気記録媒体を作製した。
【0064】〈比較例5〉結合剤として、カルボキシル
基含有塩化ビニル系樹脂を50重量部と、スルホン酸金
属塩含有塩化ビニル系樹脂を50重量部とを混合したも
のを用いた以外は、比較例1と同様にして磁気記録媒体
を作製した。
【0065】〈比較例6〉結合剤として、カルボキシル
基含有塩化ビニル系樹脂を50重量部と、カルボキシル
基含有ポリウレタン樹脂を50重量部とを混合したもの
を用いた以外は、比較例1と同様にして磁気記録媒体を
作製した。
【0066】〈比較例7〉結合剤として、カルボキシル
基含有塩化ビニル系樹脂を50重量部と、3級アミン含
有ポリウレタン樹脂を50重量部とを混合したものを用
いた以外は、比較例1と同様にして磁気記録媒体を作製
した。
【0067】〈比較例8〉結合剤として、スルホン酸金
属塩含有塩化ビニル系樹脂を50重量部と、カルボキシ
ル基含有ポリウレタン樹脂を50重量部とを用いた以外
は、比較例1と同様にして磁気記録媒体を作製した。
【0068】〈比較例9〉結合剤として、カルボキシル
基含有ポリウレタン樹脂を50重量部と、3級アミン含
有ポリウレタン樹脂を50重量部とを混合したものを用
いた以外は、比較例1と同様にして磁気記録媒体を作製
した。
【0069】〈比較例10〉BET比表面積が50m2
/g未満の磁性粉末を用いて、磁気記録媒体を作製し
た。磁性塗料として、BET比表面積45m2/gのC
o−γFe23粉末を100重量部と、結合剤を20重
量部と、α-Al23を4重量部と、カーボンブラック
を1重量部と、メチルエチルケトン、トルエン、シクロ
ヘキサノンを各々適量とを連続ニーダーで混練した後、
サンドミルを用いて分散した。さらに、ポリイソシアネ
ートを4重量部と、ミリスチン酸を1重量部とを加え、
均一に混練した後、平均口径3μmのフィルターでろ過
し、磁性塗料とした。
【0070】ここでは、上記結合剤として、カルボキシ
ル基含有塩化ビニル系樹脂を用いた。
【0071】上記磁性塗料を、厚さ11μmのポリエチ
レンテレフタレートフィルム上に、厚さ3.5μmで塗
布、乾燥し、カレンダー処理を行った後、2分の1イン
チ幅に裁断し、ビデオテープとして磁気記録媒体を完成
させた。
【0072】〈比較例11〉結合剤として、スルホン酸
金属塩含有塩化ビニル系樹脂を用いた以外は比較例10
と同様にして磁気記録媒体を作製した。
【0073】〈比較例12〉結合剤として、カルボキシ
ル基含有ポリウレタン樹脂を用いた以外は比較例10と
同様にして磁気記録媒体を作製した。
【0074】〈比較例13〉結合剤として、3級アミン
含有ポリウレタン樹脂を用いた以外は、比較例10と同
様にして磁気記録媒体を作製した。
【0075】〈比較例14〉結合剤として、カルボキシ
ル基含有塩化ビニル系樹脂を50重量部と、スルホン酸
金属塩含有塩化ビニル系樹脂を50重量部とを混合した
ものを用いた以外は、比較例10と同様にして磁気記録
媒体を作製した。
【0076】〈比較例15〉結合剤として、カルボキシ
ル基含有塩化ビニル系樹脂を50重量部と、カルボキシ
ル基含有ポリウレタン樹脂を50重量部とを混合したも
のを用いた以外は、比較例10と同様にして磁気記録媒
体を作製した。
【0077】〈比較例16〉結合剤として、カルボキシ
ル基含有塩化ビニル系樹脂を50重量部と、3級アミン
含有ポリウレタン樹脂を50重量部とを混合したものを
用いた以外は、比較例10と同様にして磁気記録媒体を
作製した。
【0078】〈比較例17〉結合剤として、スルホン酸
金属塩含有塩化ビニル系樹脂を50重量部と、カルボキ
シル基含有ポリウレタン樹脂を50重量部とを用いた以
外は、比較例10と同様にして磁気記録媒体を作製し
た。
【0079】〈比較例18〉結合剤として、カルボキシ
ル基含有ポリウレタン樹脂を50重量部と、3級アミン
含有ポリウレタン樹脂を50重量部とを混合したものを
用いた以外は、比較例10と同様にして磁気記録媒体を
作製した。
【0080】以上のようにして作製された磁気記録媒体
について、電磁変換特性、耐久性の特性をそれぞれ評価
した。まず、電磁変換特性については、ソニー製BVW
−70型のビデオテープレコーダーを用いてRF出力値
を測定した。ソニー製BCT−30G型のベータカム用
カセットテープのRF出力値を基準値とし、基準値との
差により評価を行った。
【0081】つぎに、耐久性については、90分長のビ
デオテープカセットを5巻連続で記録、再生したときの
ビデオヘッドへの粉落ち量を光学顕微鏡により200倍
で観察した。ほとんど粉落ちの見られないものを0点、
粉落ち量の多いものを5点として評価を行った。
【0082】BET比表面積が57m2/gの微細な金
属磁性粉末を用いて作製した実施例1〜実施例7、およ
び比較例1〜比較例9の磁気記録媒体についての特性評
価結果を表1に示す。
【0083】ここで、表1中において結合剤Aはカルボ
キシル基含有塩化ビニル系樹脂を表す。結合剤Bはスル
ホン酸金属塩含有塩化ビニル系樹脂を表す。結合剤Cは
カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂を表す。結合剤D
は3級アミン含有ポリウレタン樹脂を表す。
【0084】
【表1】
【0085】まず、スルホン酸金属塩含有塩化ビニル系
樹脂と3級アミン含有ポリウレタン樹脂とを併用しない
結合剤を用いた比較例1〜比較例9では、RF出力が−
2.3〜−0.5といずれも基準値より大きく劣り、微
細な磁性粉末を十分に分散させることができないことが
わかった。
【0086】また、粉落ち量も3.5〜4.5と多く、
耐久性も十分ではなかった。
【0087】これに対し、スルホン酸金属塩含有塩化ビ
ニル系樹脂と3級アミン含有ポリウレタン樹脂とを併用
した結合剤を用いた実施例1〜実施例7では、RF出力
が−0.5〜+0.5と、比較例1〜比較例9よりもす
ぐれた電磁変換特性が得られ、微細な磁性粉末でも十分
に分散させることができることがわかった。
【0088】また、粉落ち量も1.5〜2.5と少な
く、耐久性も十分に得られた。
【0089】以上の結果より、スルホン酸金属塩含有塩
化ビニル系樹脂と3級アミン含有ポリウレタン樹脂とを
併用した結合剤を用いることで、微細な磁性粉末を十分
に分散させ、電磁変換特性と耐久性とを、ともに飛躍的
に向上できることがわかった。
【0090】BET比表面積が45m2/gの比較的大
きな磁性粉末を用いて作製した実施例8〜実施例14、
および比較例10〜比較例18の磁気記録媒体について
の特性評価結果を表2に示す。
【0091】ここで、表2中において結合剤Aはカルボ
キシル基含有塩化ビニル系樹脂を表す。結合剤Bはスル
ホン酸金属塩含有塩化ビニル系樹脂を表す。結合剤Cは
カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂を表す。結合剤D
は3級アミン含有ポリウレタン樹脂を表す。
【0092】
【表2】
【0093】スルホン酸金属塩含有塩化ビニル系樹脂と
3級アミン含有ポリウレタン樹脂とを併用しない結合剤
を用いた比較例10〜比較例18では、RF出力が−
1.22〜+0.5であり、粉落ち量が2.0〜3.5
であった。比較的大きな磁性粉末を用いた場合、微細な
磁性粉末を用いた場合よりも高い電磁変換特性、耐久性
が得られているが、それでも十分であるとは言えない。
【0094】スルホン酸金属塩含有塩化ビニル系樹脂と
3級アミン含有ポリウレタン樹脂とを併用した結合剤を
用いた実施例8〜実施例14では、RF出力が−0.4
〜+0.8であり、粉落ち量が1.5〜2.5であっ
た。比較例10〜比較例18と比較すると電磁変換特
性、耐久性ともに向上しているが、微細な磁性粉末を用
いた場合と比べて、その効果は小さいことがわかる。
【0095】したがって、スルホン酸金属塩含有塩化ビ
ニル系樹脂と3級アミン含有ポリウレタン樹脂とを併用
した結合剤を用いることにより、磁性粉末を分散させ、
電磁変換特性、耐久性をともに向上できることがわかっ
た。そしてこの効果は、BET比表面積が50m2/g
以上の、微細な磁性粉末に対して顕著に表れた。
【0096】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、結合剤
にスルホン酸金属塩含有塩化ビニル系樹脂と3級アミン
含有ポリウレタン樹脂とを併用することで、微細な磁性
粉末でも十分に分散させ、磁気記録媒体の電磁変換特性
を向上させることができた。また、磁気ヘッドとの高速
の摺動に耐え得る耐久性も向上した。すぐれた電磁変換
特性、耐久性を合わせもつ磁気記録媒体を実現し、更な
る高密度磁気記録を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した磁気記録媒体の一構成例を示
す、厚さ方向の拡大断面図である。
【図2】本発明を適用した磁気記録媒体の一構成例を示
す、厚さ方向の拡大断面図である。
【図3】本発明を適用した磁気記録媒体の一構成例を示
す、厚さ方向の拡大断面図である。
【符号の説明】
1,11,21 非磁性支持体、 2,12,23 磁
性層、 13,24バックコート層、 22 下塗り層
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年8月4日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0080
【補正方法】変更
【補正内容】
【0080】以上のようにして作製された磁気記録媒体
について、電磁変換特性、耐久性の特性をそれぞれ評価
した。まず、電磁変換特性については、ソニー製BVW
−70型のビデオテープレコーダーを用いてRF出力値
を測定した。実施例1〜実施例7及び比較例1〜比較例
9については、ソニー製BCT−30MA型のベータカ
ムSP用カセットテープのRF出力値を基準値とし、基
準値との差により評価を行った。実施例8〜実施例14
及び比較例10〜比較例18については、ソニー製BC
T−30G型のベータカム用カセットテープのRF出力
値を基準値とし、基準値との差により評価を行った。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に、磁性粉末と結合剤と
    を主体とする磁性層を有し、 上記結合剤は、スルホン酸金属塩を含む塩化ビニル系樹
    脂と、3級アミンを含むポリウレタン樹脂とを含むこと
    を特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 上記磁性粉末は、ブルナウアー・エメッ
    ト・テーラー比表面積が50m2/g以上であることを
    特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
JP12000097A 1997-05-09 1997-05-09 磁気記録媒体 Abandoned JPH10312527A (ja)

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