JPH10312083A - 重合トナー及びその製造方法 - Google Patents

重合トナー及びその製造方法

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JPH10312083A
JPH10312083A JP12056497A JP12056497A JPH10312083A JP H10312083 A JPH10312083 A JP H10312083A JP 12056497 A JP12056497 A JP 12056497A JP 12056497 A JP12056497 A JP 12056497A JP H10312083 A JPH10312083 A JP H10312083A
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JP
Japan
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polymer
monomer
weight
toner
polymer particles
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JP12056497A
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English (en)
Inventor
Tetsushi Tanabe
哲史 田部
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Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱定着性に優れるとともに、トナー粒子間の
融着及びプロセス内における固着を生じない重合トナー
及びその製造方法を提供すること。 【解決手段】 重合トナーAは、芳香族ビニル類の重合
体Bが、芳香族ビニル類とアクリル酸エステル類とから
なる共重合体Cの表面に形成されているので、熱定着性
に優れるとともに、トナー粒子間の融着及びプロセス内
における固着を生じることがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真等の画像
形成装置に使用する重合トナー及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、トナーは、バインダー樹脂、着色
剤、荷電制御剤等の材料を加熱し、溶融混練し、冷却固
化した後に、それを粉砕して微小粒子とする、いわゆる
粉砕法により製造されていた。しかし、この方法では、
粉砕のみにより微小粒子を生成するため、粒度分布が広
く、通常、分級を行って粒度分布を狭くしなければなら
ないという問題があった。
【0003】また、この分級によっても、トナーの粒子
径は、分級する装置の分級性能に左右されていたので、
7μm程度までを限界としており、電子写真等の画像形
成装置に使用する場合には、高解像化に対応できないと
いう問題があった。
【0004】この問題を解決するために、重合法による
トナーの製造方法が提案され、粒度分布を狭くし、粒子
径を小さくすることが可能となった。この重合法には、
分散重合による方法、懸濁重合による方法、乳化重合し
た粒子の凝集体による方法があり、中でも分散重合によ
る方法が最も粒度分布を狭くする方法として知られてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、重合法
では、重合反応によって形成される1種類の重合体を用
いなければならない。また、粒度分布の狭い微小粒子を
得ることができる単量体の種類は、限られている。
【0006】さらに、重合法は、粉砕法とは異なり、分
子量の異なる複数の種類の樹脂を混合して幅広い分子量
分布を持つようにすることができず、ガラス転移点(以
下、Tgと記す)、軟化点(以下、Tsと記す)、流出
開始点(以下、Tfbと記す)等の熱特性を自由に制御
することが困難であるため、幅広い温度域で定着するこ
とが困難であるとともに、トナー粒子間の融着及びプロ
セス内のブレード等への固着を生じるという問題があっ
た。
【0007】本発明は、上述した問題を解決するために
なされたものであり、熱定着性に優れるとともに、トナ
ー粒子間の融着及びプロセス内における固着を生じない
重合トナー及びその製造方法を提供することを目的とし
ている。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明の請求項1に記載の重合トナーは、重合体の
ガラス転移点が約70℃以上である第1の単量体と重合
体のガラス転移点が約50℃以下である第2の単量体と
からなる共重合体と、少なくとも前記第1の単量体から
なる重合体とを備えたものを対象として、特に、前記重
合体を、前記共重合体の表面に形成したことを特徴とし
ている。
【0009】上記構成を有する本発明の請求項1に記載
の重合トナーにおいて、少なくとも第1の単量体からな
る重合体は、重合体のガラス転移点が約70℃以上であ
る第1の単量体と重合体のガラス転移点が約50℃以下
である第2の単量体とからなる共重合体の表面に形成さ
れているので、熱定着性に優れるとともに、トナー粒子
間の融着及びプロセス内における固着を生じることがな
い。
【0010】また、請求項2に記載の重合トナーは、前
記重合トナー全体のガラス転移点を約50℃以上とした
ことを特徴としている。
【0011】上記構成を有する請求項2に記載の重合ト
ナーは、全体のガラス転移点が約50℃以上であるの
で、さらに、トナー粒子間の融着及びプロセス内におけ
る固着を生じることがない。
【0012】また、請求項3に記載の重合トナーは、前
記第1の単量体として、芳香族ビニル系単量体を有し、
前記第2の単量体として、アクリル酸もしくはメタクリ
ル酸のエステル類を有することを特徴としている。
【0013】上記構成を有する請求項3に記載の重合ト
ナーは、第1の単量体として、芳香族ビニル系単量体を
有し、第2の単量体として、アクリル酸もしくはメタク
リル酸のエステル類を有するので、少ないエネルギーに
おいても優れた熱定着性を有することができる。
【0014】さらに、請求項4に記載の重合トナーの製
造方法は、重合体のガラス転移点が約70℃以上である
第1の単量体と重合体のガラス転移点が約50℃以下で
ある第2の単量体とを重合して重合トナーを製造する方
法を対象として、特に、重合反応中に、水、もしくは水
と親水性有機溶剤との混合物を投入して、表面に少なく
とも前記第1の単量体からなる重合体を形成するように
したことを特徴としている。
【0015】上記構成を有する請求項4に記載の重合ト
ナーの製造方法において、重合トナーは、重合体のガラ
ス転移点が約70℃以上である第1の単量体と重合体の
ガラス転移点が約50℃以下である第2の単量体とが重
合反応している最中に、水、もしくは水と親水性有機溶
剤との混合物が投入されて、表面に少なくとも第1の単
量体からなる重合体が形成される。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0017】図1は、本発明の実施の形態における重合
トナーAの概略図である。図1において、本実施の形態
の重合トナーAは、重合トナーAの表面に形成されトナ
ー粒子間の融着及びプロセス内における固着を防止する
重合体Bと、良好な定着性を実現する共重合体Cとから
なる。重合体Bは、少なくとも第1の単量体であるTg
が約70℃以上の単量体成分からなる重合体であり、そ
のTgが70゜C以上の単量体成分の含有量が重合トナ
ーA全体よりも2重量%以上多い。
【0018】また、重合体Bは、熱圧力定着に対して良
好な定着性を確保するため、融着や固着を防止するに十
分な効果を有する範囲内で極力薄いことが望ましい。
【0019】共重合体Cは、重合体のTgが約70℃以
上である単量体と第2の単量体である重合体のTgが約
50℃以下である単量体とからなる共重合体である。
【0020】なお、重合体Bと共重合体Cとの境界面
は、明確な二層構造としてもよいが、重合トナーAの内
部から表面に向かって、Tgが徐々に高くなるような構
造としてもよい。
【0021】本実施の形態の重合トナーAは、表面の重
合体が重合トナーA全体に比べて、重合体のTgが70
゜C以上の単量体成分の含有量が、2重量%程度多いこ
とによって、融着や固着を防止している。その理由は、
重合トナーA表面のTgが高いことにより、重合トナー
A表面の耐熱性が向上したこと及び重合トナーA表面が
硬化することにより、トナーの流動性が向上したこと等
によるものと推測される。
【0022】重合体のTgが70℃以上である単量体
は、スチレン及びα−メチルスチレン等の芳香族ビニル
類、メタクリル酸及びメタクリル酸メチル等のメタクリ
ル酸、そのメタクリル酸のエステル類、アクリル酸及び
アクリル酸2−tert−ブチルフェニル等のアクリル
酸と、そのアクリル酸のエステル類、アクリル酸ナトリ
ウム等のアクリル酸の金属塩、メタクリル酸ナトリウム
等のメタクリル酸の金属塩等である。
【0023】また、重合体のTgが50℃以下である単
量体は、アクリル酸ブチル、アクリル酸エチル及びアク
リル酸エチルヘキシル等のアクリル酸エステル類、メタ
クリル酸ブチル等のメタクリル酸エステル類、ビニルメ
チルエーテル及びビニルエチルエーテル等のビニルエー
テル類、ビニルホルメート及びビニルアセテート等のビ
ニルエステル類等である。
【0024】電子写真等の画像形成装置に使用するトナ
ーは、カラーのOHPにおいては、透明性が高いことが
望ましく、静電現像においては、絶縁性が高いことが望
ましい。また、前記トナーは、常温では、力学的強度が
ある程度高い必要があり、記録媒体に定着される場合に
は、小さなエネルギーで軟化して、定着される必要があ
る。例えば、島津製作所社製のフローテスターによれ
ば、軟化点Tsは、65℃〜100℃であることが望ま
しい。
【0025】従って、前記トナーは、芳香族ビニル類、
またはアクリル酸エステル類もしくはメタクリル酸エス
テル類のうちの1種類もしくは複数の種類を単量体とす
る共重合体であることが望ましく、これら単量体の中か
ら種類と比率とを調整して、重合トナーA全体のTsが
上記軟化点の範囲内に入るようにすればよい。
【0026】この場合には、架橋剤として、ジビニルベ
ンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロー
ルプロパン(トリ)メタクリレート、ペンタエリスリト
ールトリ(メタ)アクレート等を加えてもよい。
【0027】次に、重合トナーA表面のTgが、重合ト
ナーA全体のTgに比べて高い構造を有する重合トナー
Aの製造方法について説明する。
【0028】この製造方法は、前記共重合体Cの条件を
満たす重合粒子を予め製造しておき、この重合粒子を核
として、表面に重合体Bの条件を満たす重合体を新たに
重合するものである。なお、重合体Bの構成は、Tgが
70℃以上のものを単独で使用してもよいが、他の単量
体を含めてもよい。
【0029】また、別の製造方法として、分散重合によ
る製造方法がある。この方法は、重合反応の進行中に、
水、または水と親水性有機溶剤との混合物(以下、水等
という)を反応系中に投入するものである。この方法
は、重合体のTgが70℃以上である単量体が、Tgが
70℃未満の単量体に比べて強い疎水性を有することを
利用しており、重合反応の進行中に水等を投入すること
により、疎水性の強い、重合体のTgが70℃以上の単
量体が、重合反応中の重合粒子に分配される。そして、
重合粒子の表面付近の重合体が、重合粒子全体の含有率
に比べて、重合体のTgが70℃以上の単量体成分を2
重量%以上多く含有するように形成され、重合粒子全体
のTgは、50℃以上となる。
【0030】反応系中に水等を投入した場合、アクリル
酸エステル類やメタクリル酸エステル類に比べ、芳香族
ビニル系の単量体は疎水性が強いために、芳香族ビニル
類が反応系中の重合粒子に分配を促進され、反応速度が
著しく速くなる。このため、水等を投入した後に重合す
る重合粒子表面近傍の部分の重合体は、芳香族ビニル系
単量体成分の比率の高いものになっている。
【0031】水等を投入するタイミングは、反応系中に
残存する単量体の量が反応開始時の1〜70%となる時
期が望ましく、特に、5〜60%の時期が望ましい。残
存量が70%よりも多い場合に、水等を反応系中に投入
すると、SP値の変化によって溶液中から排除される単
量体が重合粒子に吸収されず、新たに重合粒子を形成し
て微重合粒子が生じる可能性がある。また、芳香族ビニ
ル系単量体が優先的に反応した後に、多量に残存したア
クリル系単量体が反応して、重合粒子表面にアクリル系
重合体を主体とする重合体層が形成され、所望の重合粒
子が生成できない。
【0032】一方、残存量が1%よりも少ない場合に
は、水等を反応系中に投入しても単量体濃度が低いた
め、水等を投入した後に生成する重合体では重合粒子表
面を覆うことができず、十分な融着、固着防止の効果を
得ることができない。
【0033】水等の投入方法は、反応系のSP値の急激
な変化を防止するため、滴下が望ましい。また、投入回
数は、1回で行ってもよいが、2回以上に分けて行って
もよい。例えば、架橋剤を使用する場合において、反応
系内の残存量が多い段階で架橋剤を投入すると、微重合
粒子が発生するので、予め、水等を投入して、反応を促
して残存量を減小させた後に架橋剤を投入して、さら
に、水等を投入して重合粒子表面近傍のスチレン重合体
の比率を高めるようにすればよい。
【0034】また、重合用溶媒としては、単量体には溶
解するが、その単量体の重合により生成された重合体に
は溶解しないものが望ましく、メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール、nーブタノール等の低級アルコ
ール、もしくはその低級アルコールと水との混合溶剤等
がある。
【0035】また、SP値調整用溶媒としては、ヘキサ
ン及びベンゼン等の炭化水素溶媒、エチルベンジルエー
テル等のエーテル類、アセトン等のケトン類、酢酸エチ
ル等のエステル類がある。
【0036】以下、重合トナーAの実施例について説明
する。
【0037】重合粒子の重合体の単量体成分の存在比率
の測定は、核磁気共鳴スペクトル(NMR)を用いて行
った。すなわち、重合粒子表面の単量体成分の存在比率
を測定する場合は、重合粒子表面がわずかにNMR用溶
媒に溶解した段階で、重合粒子を回収してNMR測定を
行った。
【0038】これに対して、重合粒子全体の単量体成分
の存在比率の測定は、重合粒子を完全にNMR用溶媒に
溶解させてNMR測定を行った。これらのNMRスペク
トルより、それぞれの単量体成分の特徴的なピークの面
積より、各単量体成分の存在比率を計算した。存在比率
を計算するために用いるピークとしては、例えば、スチ
レンとアクリル酸n−ブチルとの共重合体では、プロト
ンNMR測定を行い、スチレンに特徴的なピークとして
ベンゼン環の水素を、アクリル酸n−ブチルに特徴的な
ピークとしてブチル基のエステル結合に結合する炭素に
結合した水素を採用して計算した。
【0039】(実施例1)撹拌機、コンデンサー、温度
計、ガス導入管を付した反応容器に、 メタノール 233重量部 2−プロパノール 58重量部 ポリビニルピロリドンK−30 12重量部 スチレン 77重量部 アクリル酸n−ブチル 23重量部 α、α’−アゾビスイソブチロニトリル 3重量部 を入れて撹拌して溶解させ、100rpmで撹拌し、ガ
ス導入管より窒素ガスをパージしながら60℃に加熱す
る。
【0040】なお、スチレンは、重合体のTgが70℃
以上の単量体であり、アクリル酸n−ブチルは、重合体
のTgが50℃未満の単量体である。また、メタノール
と2−プロパノールとは、溶媒である。
【0041】8時間重合を行った後、前記溶解させたス
チレン及びアクリル酸n−ブチルのうち重合していない
スチレン及びアクリル酸n−ブチルがおよそ30%程度
残存している状態で、蒸留水19重量部とメタノール8
重量部との混合物を滴下した。さらに、4時間後、蒸留
水38重量部とメタノール15重量部との混合物を滴下
し、さらに、1時間重合後、スチレンが仕込量の92
%、アクリル酸n−ブチルが仕込量の80%まで反応し
た段階で、氷水浴により15分間冷却し、温度を60゜
Cから20゜Cまで低下させ、重合反応を終了させた。
重合反応の後、得られた重合粒子を濾別回収し、メタノ
ールで洗浄し、室温で48時間放置して乾燥させた。
【0042】このようにして得られた重合粒子を走査電
子顕微鏡により観察したところ球状に形成されており、
凝集、融着もみられなかった。コールターカウンターで
重合粒子径を測定したところ、体積平均粒子径は、7.
3μmであった。一方、数平均重合粒子径は、6.4μ
mであり、分散度(体積平均重合粒子径/数平均重合粒
子径)は1.1であり、重合粒子の粒子径のばらつきが
少ないことが判明した。
【0043】また、この重合粒子について、溶媒として
重クロロホルムを用いてプロトンNMR測定を行った。
重合粒子全体を溶媒に溶解させたときのスチレンとアク
リル酸n−ブチルとの比は、モル比で82対18(77
重量%対23重量%)であり、Tgは、64℃であっ
た。これに対して、重合粒子の表面のみを溶媒に溶解さ
せたときの重合体中のスチレンとアクリル酸n−ブチル
との比は、モル比で86対14(82重量%対18重量
%)であった。重合粒子表面のスチレンの比率は、重合
粒子全体の含有率に比べて5重量%多かった。
【0044】次に、重合粒子の粒子化方法を以下に示
す。
【0045】染料Kayalon Polyester
Black S200(日本化薬社製)と荷電制御剤
BONTRON E−84(オリエント化学社製)とを
メタノールに過剰に投入して撹拌した後に濾過して、溶
解しなかった染料と溶解しなかった荷電制御剤とを分離
して得られた飽和溶液5重量部に、前記乾燥して得られ
た重合粒子1重量部を、撹拌しながら投入して分散さ
せ、温度を30℃として1時間撹拌を続け、染色された
重合粒子を濾別回収した後、風乾し、この染色重合粒子
100重量部に疎水シリカ(ワッカー社製 HDK H
2000)3重量部を撹拌混合して外添し、黒色重合ト
ナーを得た。この重合トナーを市販のレーザープリンタ
ー(沖電気工業社製マイクロライン400)のトナーカ
ートリッジに充填して印字試験を試みたところ、十分な
定着強度があり、かつオフセット現象も見られなかっ
た。さらに、1万枚耐久印字試験を行ったが、画質の低
下は見られず、重合粒子間の融着や印字プロセス内の規
制ブレード等への固着も見られなかった。
【0046】(実施例2)前記実施例1と同様に、撹拌
機、コンデンサー、温度計、ガス導入管を備えた反応容
器に、実施例1と同組成のものを入れて撹拌して溶解さ
せ、100rpmで撹拌し、ガス導入管より窒素ガスを
パージしながら60℃に加熱する。13時間重合を行っ
た後、溶解させたスチレン及びアクリル酸n−ブチルの
約80%を重合させた後、氷水浴により15分以内に2
0℃まで冷却し、得られた重合粒子を濾別回収した。こ
のようにして得られた重合粒子を走査電子顕微鏡により
観察したところ球状に形成されていた。コールターカウ
ンターで重合粒子径を測定したところ、体積平均重合粒
子径が7.4μmであった。
【0047】次に、この重合粒子100重量部を以下の
もの スチレン 20重量部 α、α’−アゾビスイソブチロニトリル 3重量部 ポリビニルピロリドンK−30 5重量部 メタノール 1600重量部 水 400重量部 を溶解させた溶液に分散し、攪拌機、コンデンサー、温
度計、ガス導入管を備えた反応容器に入れて、100r
pmで撹拌し、ガス導入管より窒素ガスをパージしなが
ら60℃に加熱し、24時間重合を行い重合粒子表面に
スチレン層を形成させた。
【0048】このようにして得られた重合粒子を、走査
電子顕微鏡により観察したところ球状に形成されてい
た。コールターカウンターで重合粒子径を測定したとこ
ろ、体積平均重合粒子径が7.9μmになっており、厚
さ約0.25μmのスチレン層が重合粒子表面に生成さ
れたことが確認された。
【0049】表面にスチレン層が生成された重合粒子に
ついて、実施例1と同様にトナー化し、印字試験を行っ
たところ、十分な定着強度を確認した。また、オフセッ
ト現象も見られなかった。その後、1万枚耐久印字試験
を行ったが、画質の低下は見られず、重合粒子間の融着
や印字プロセス内の規制ブレード等への固着も見られな
かった。
【0050】(実施例3)撹拌機、コンデンサー、温度
計、ガス導入管を備えた反応容器に、 メタノール 204重量部 2−プロパノール 87重量部 ポリビニルピロリドンK−30 12重量部 スチレン 80重量部 アクリル酸2−エチルヘキシル 20重量部 α、α’−アゾビスイソブチロニトリル 3重量部 を入れて100rpmで撹拌し、ガス導入管より窒素ガ
スをパージしながら60℃に加熱する。10時間重合を
行った後、蒸留水38重量部とメタノール16重量部と
の混合物を滴下した。さらに、3時間重合反応を行っ
て、重合粒子を得た。 コールターカウンターで重合粒子
径を測定したところ、体積平均重合粒子径は、7.1μ
mであった。
【0051】この重合粒子について、溶媒として重クロ
ロホルムを用いてプロトンNMR測定を行った。 重合粒
子全体を溶媒に溶解させたときのスチレンとアクリル酸
2−エチルヘキシルとの比は、モル比で88対12(8
0重量%対20重量%)であり、Tgは、61℃であっ
た。
【0052】これに対して、重合粒子の表面のみを溶媒
に溶解させたときの重合体中のスチレンとアクリル酸n
−ブチルとの比は、モル比で89対11(82重量%対
18重量%)であり、重合粒子全体のスチレンの比率に
くらべ、表面のスチレン比率は2重量%高くなってい
た。
【0053】この重合粒子を実施例1と同様にトナー化
して、印字試験を行ったところ、十分な定着強度を確認
した。また、オフセット現象も見られなかった。その
後、1万枚耐久印字試験を行ったが、画質の低下は見ら
れず、重合粒子間の融着や印字プロセス内の規制ブレー
ド等への固着も見られなかった。
【0054】以下に、比較例を示す。
【0055】(比較例1)前記実施例1と同様に、撹拌
機、コンデンサー、温度計、ガス導入管を備えた反応容
器に、実施例1と同組成のものを入れて撹拌して溶解さ
せ、100rpmで撹拌し、ガス導入管より窒素ガスを
パージしながら60℃に加熱する。13時間重合を行
い、前記溶解させたスチレン及びアクリル酸n−ブチル
の約80%を重合させた後、氷水浴により15分以内に
20℃まで冷却し、得られた重合粒子を濾別回収し、メ
タノールで洗浄し、室温で48時間放置して乾燥させ
た。このようにして得られた重合粒子を走査電子顕微鏡
により観察したところ球状に形成されていた。コールタ
ーカウンターで重合粒子径を測定したところ、体積平均
重合粒子径は、7.4μmであった。
【0056】この重合粒子について、溶媒として重クロ
ロホルムを用いてプロトンNMR測定を行った。 重合粒
子全体を溶媒に溶解させたときのスチレンとアクリル酸
n−ブチルとの比は、モル比で82対18(77重量%
対23重量%)であり、Tgは、63℃であった。
【0057】これに対して、重合粒子の表面のみを溶媒
に溶解させたときの重合体中のスチレンとアクリル酸n
−ブチルとの比は、モル比で82対18(77重量%対
23重量%)であり、重合粒子全体のスチレンの比率
と、表面のスチレン比率は同じであった。
【0058】以上のようにして得られた重合粒子を実施
例1と同様の方法でトナー化し、印字試験を行ったとこ
ろ、2000枚印字を行ったところで、重合粒子間の融
着やクリーニングブレードへの固着がみられた。
【0059】(比較例2)撹拌機、コンデンサー、温度
計、ガス導入管を備えた反応容器に、 メタノール 233重量部 2−プロパノール 58重量部 ポリビニルピロリドンK−30 12重量部 スチレン 66重量部 アクリル酸n−ブチル 34重量部 α、α’−アゾビスイソブチロニトリル 3重量部 を入れて撹拌して溶解させ、実施例1と同様に重合反応
を行って、重合粒子を得た。 コールターカウンターで粒
子径を測定したところ、体積平均重合粒子径は、8.4
μmであった。
【0060】この重合粒子について、溶媒として重クロ
ロホルムを用いてプロトンNMR測定を行った。重合粒
子全体を溶媒に溶解させたときのスチレンとアクリル酸
n−ブチルとの比は、モル比で70対30(66重量%
対34重量%)であり、Tgは、48℃であった。
【0061】これに対して、重合粒子の表面のみを溶媒
に溶解させたときの重合体中のスチレンとアクリル酸n
−ブチルとの比は、モル比で75対25(71重量%対
29重量%)であり、重合粒子全体のスチレンの比率に
くらべ、表面のスチレン比率は5重量%高くなってい
た。
【0062】この重合粒子を実施例1と同様にトナー化
して、印字試験を行ったところ、3000枚印字を行っ
たところで、重合粒子間の融着やクリーニングブレード
への固着がみられた。
【0063】
【発明の効果】以上に説明したことから明らかなよう
に、本発明の請求項1に記載の重合トナーによれば、少
なくとも第1の単量体からなる重合体は、重合体のガラ
ス転移点が約70℃以上である第1の単量体と重合体の
ガラス転移点が約50℃以下である第2の単量体とから
なる共重合体の表面に形成されているので、熱定着性に
優れるとともに、トナー粒子間の融着及びプロセス内に
おける固着を生じることがない。
【0064】また、請求項2に記載の重合トナーは、全
体のガラス転移点が約50℃以上であるので、さらに、
トナー粒子間の融着及びプロセス内における固着を生じ
ることがない。
【0065】また、請求項3に記載の重合トナーは、第
1の単量体として、芳香族ビニル系単量体を有し、第2
の単量体として、アクリル酸もしくはメタクリル酸のエ
ステル類を有するので、少ないエネルギーにおいても優
れた熱定着性を有することができる。
【0066】さらに、請求項4に記載の重合トナーの製
造方法によれば、重合トナーは、重合体のガラス転移点
が約70℃以上である第1の単量体と重合体のガラス転
移点が約50℃以下である第2の単量体とが重合反応し
ている最中に、水、もしくは水と親水性有機溶剤との混
合物が投入されて、表面に第1の単量体を有する重合体
が形成されるので、簡単に、熱定着性に優れるととも
に、トナー粒子間の融着及びプロセス内における固着を
生じることがない重合トナーを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における重合トナーの概略
図である。
【符号の説明】
A 重合トナー B 重合体 C 共重合体

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合体のガラス転移点が約70℃以上で
    ある第1の単量体と重合体のガラス転移点が約50℃以
    下である第2の単量体とからなる共重合体と、 少なくとも前記第1の単量体からなる重合体とを備えた
    重合トナーにおいて、 前記重合体を、前記共重合体の表面に形成したことを特
    徴とする重合トナー。
  2. 【請求項2】 前記重合トナー全体のガラス転移点を約
    50℃以上としたことを特徴とする請求項1に記載の重
    合トナー。
  3. 【請求項3】 前記第1の単量体として、芳香族ビニル
    系単量体を有し、前記第2の単量体として、アクリル酸
    もしくはメタクリル酸のエステル類を有することを特徴
    とする請求項1もしくは請求項2に記載の重合トナー。
  4. 【請求項4】 ガラス転移点が約70℃以上である第1
    の単量体とガラス転移点が約50℃以下である第2の単
    量体とを重合して重合トナーを製造する重合トナーの製
    造方法において、 重合反応中に、水、もしくは水と親水性有機溶剤との混
    合物を投入して、表面に少なくとも前記第1の単量体か
    らなる重合体を形成するようにしたことを特徴とする重
    合トナーの製造方法。
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