JPH10311773A - 衝撃波位置推定方法および衝撃波位置推定装置 - Google Patents

衝撃波位置推定方法および衝撃波位置推定装置

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JPH10311773A
JPH10311773A JP13593997A JP13593997A JPH10311773A JP H10311773 A JPH10311773 A JP H10311773A JP 13593997 A JP13593997 A JP 13593997A JP 13593997 A JP13593997 A JP 13593997A JP H10311773 A JPH10311773 A JP H10311773A
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JP
Japan
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shock wave
pressure
estimating
measurement
wave position
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP13593997A
Other languages
English (en)
Inventor
Ryoji Yanagi
良二 柳
Katsuhiro Kanbe
勝啓 神戸
Hisao Futamura
尚夫 二村
Takao Oshima
孝夫 大嶋
Kichiya Enomoto
吉也 榎本
Makoto Utano
真 唄野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Aerospace Laboratory of Japan
Kawasaki Heavy Industries Ltd
Original Assignee
National Aerospace Laboratory of Japan
Kawasaki Heavy Industries Ltd
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Publication date
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  • Aerodynamic Tests, Hydrodynamic Tests, Wind Tunnels, And Water Tanks (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易なシステムにより衝撃波の移動量や位置
をリアルタイムに推定がなし得る衝撃波位置推定方法お
よび衝撃波位置推定装置を提供する。 【解決手段】 ラム燃焼器などへの空気導入路における
衝撃波の位置を空気導入路に一定間隔で設けられた所要
数の圧力検出手段11を有する圧力測定部10により圧
力分布を測定し、衝撃波位置推定部20によりその測定
値の中で最低圧力が測定された位置近傍に衝撃波位置が
あると推定するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は衝撃波位置推定方法
および衝撃波位置推定装置に関する。さらに詳しくは、
空気導入路内の圧力変化により衝撃波の位置を推定ある
いは検出する衝撃波位置推定方法および衝撃波位置推定
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、衝撃波の位置を検出する方法
としてシュリーレン写真あるいはシュリーレン画像を利
用した方法が知られている。そして、この方法によれば
衝撃波の発生状況を画像として把握できるという利点が
ある反面、その移動量や位置を簡易に数値として把握す
ることはできないという欠点がある。
【0003】そこで、シュリーレン画像に画像処理など
の再加工を施して衝撃波の移動量や位置を検出すること
が検討あるいは計画されている。
【0004】しかしながら、前記画像処理などを用いた
方法には、画像処理に伴う時間遅れがあるためにリアル
タイム性に欠けるという問題、画像処理装置のためにシ
ステムが大掛かりとなるとともに複雑化するという問
題、画像処理に伴うデータの再加工により検出精度が低
下するという問題などがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる従来技
術の課題に鑑みなされたものであって、簡易なシステム
により衝撃波の移動量や位置をリアルタイムに推定ある
いは検出がなし得る衝撃波位置推定方法および衝撃波位
置推定装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の衝撃波位置推定
方法は、ラム燃焼器などへの空気導入路における衝撃波
の位置を推定する衝撃波位置推定方法であって、空気導
入路における圧力を適宜間隔または一定間隔で測定し、
最低圧力が得られた近傍、例えば圧力測定間隔の1/2
以内に衝撃波位置があると推定することを特徴とする。
【0007】さらに、本発明の衝撃波位置推定方法にお
いて圧力測定を一定間隔で行った場合は、具体的には、
下記のようにして衝撃波位置が推定される。
【0008】(1)第1推定方法 この第1推定方法は下記式により衝撃波位置を推定する
ものである。
【0009】X=Xi-X0/2+X0*(Pi-1-Pi)/((Pi-1
-Pi)+(Pi+1-Pi))
【0010】ここに、 X:推定衝撃波位置 Xi:最低圧力測定位置 X0:圧力測定間隔 Pi:測定最低圧力 Pi-1:最低圧力測定位置直前の測定圧力 Pi+1:最低圧力測定位置直後の測定圧力
【0011】(2)第2推定方法 この第2推定方法は下記式により衝撃波位置を推定する
ものである。
【0012】 X=Xi-1+X0*(Pi2−Pi)/(Pi2−Pi1
【0013】ここに、 X:推定衝撃波位置 Xi-1 :最低圧力測定位置より一つ上流側の圧力測定位
置 X0:圧力測定間隔 Pi:測定最低圧力 Pi1:測定範囲の下流に衝撃波があるときの測定圧力 Pi2:測定位置Xiの直前の測定位置に衝撃波があると
きの測定圧力
【0014】(3)第3推定方法 この第3推定方法は、空気導入路における圧力を一定間
隔で測定し、最低圧力が得られた位置の前後近傍におけ
る圧力分布を直線近似することにより、降下直線および
上昇直線を求め、その降下直線および上昇直線の交点に
衝撃波位置があるとするものである。
【0015】この第3推定方法においては、予め降下直
線を求めておいてもよく、また予め上昇直線の勾配を求
めておいてもよい。
【0016】一方、本発明の衝撃波位置推定装置の第1
形態は、ラム燃焼器などへの空気導入路における衝撃波
の位置を推定する衝撃波位置推定装置であって、空気導
入路に適宜間隔または一定間隔で設けられた所要数の圧
力検出手段を有する圧力測定部と、前記圧力測定部から
の測定値により衝撃波位置を推定する衝撃波位置推定部
とを備え、前記衝撃波位置推定部により最低測定圧力位
置近傍に衝撃波位置があると推定することを特徴とす
る。
【0017】本発明の衝撃波位置推定装置の第2形態
は、ラム燃焼器などへの空気導入路における衝撃波の位
置を推定する衝撃波位置推定装置であって、空気導入路
に適宜間隔または一定間隔で設けられた所要数の圧力検
出手段を有する圧力測定部と、前記圧力測定部からの測
定値により衝撃波位置を推定する衝撃波位置推定部とを
備え、前記衝撃波位置推定部により圧力測定間隔の1/
2以内に衝撃波位置があると推定することを特徴とす
る。
【0018】本発明の衝撃波位置推定装置の第3形態
は、ラム燃焼器などへの空気導入路における衝撃波の位
置を推定する衝撃波位置推定装置であって、空気導入路
に一定間隔で設けられた所要数の圧力検出手段を有する
圧力測定部と、前記圧力測定部からの測定値により衝撃
波位置を推定する衝撃波位置推定部とを備え、前記衝撃
波位置推定部により下記式により衝撃波位置を推定する
ことを特徴とする。
【0019】X=Xi-X0/2+X0*(Pi-1-Pi)/((Pi-1
-Pi)+(Pi+1-Pi))
【0020】ここに、 X:推定衝撃波位置 Xi :最低圧力測定位置 X0:圧力測定間隔 Pi:測定最低圧力 Pi-1:最低圧力測定位置直前の測定圧力 Pi+1:最低圧力測定位置直後の測定圧力
【0021】本発明の衝撃波位置推定装置の第4形態
は、ラム燃焼器などへの空気導入路における衝撃波の位
置を推定する衝撃波位置推定装置であって、空気導入路
に一定間隔で設けられた所要数の圧力検出手段を有する
圧力測定部と、前記圧力測定部からの測定値により衝撃
波位置を推定する衝撃波位置推定部とを備え、前記衝撃
波位置推定部により下記式により衝撃波位置を推定する
ことを特徴とする。
【0022】 X=Xi-1+X0*(Pi2−Pi)/(Pi2−Pi1
【0023】ここに、 X:推定衝撃波位置 Xi-1 :最低圧力測定位置より一つ上流側の圧力測定位
置 X0:圧力測定間隔 Pi:測定最低圧力 Pi1:測定範囲の下流に衝撃波があるときの測定圧力 Pi2:測定位置Xiの直前の測定位置に衝撃波があると
きの測定圧力
【0024】本発明の衝撃波位置推定装置の第5形態
は、ラム燃焼器などへの空気導入路における衝撃波の位
置を推定する衝撃波位置推定装置であって、空気導入路
に一定間隔で設けられた所要数の圧力検出手段を有する
圧力測定部と、前記圧力測定部からの測定値により衝撃
波位置を推定する衝撃波位置推定部とを備え、前記衝撃
波位置推定部により、最低圧力が得られた位置の前後近
傍おける圧力分布を直線近似して降下直線および上昇直
線を算出し、その算出した降下直線および上昇直線の交
点を衝撃波位置であると推定することを特徴とする。
【0025】本発明の衝撃波位置推定装置の第5形態に
おいては、予め降下直線を求めておいてもよく、また予
め上昇直線の勾配を求めておいてもよい。
【0026】
【作用】本発明においては、ラム燃焼器などへの空気導
入路における圧力を、例えば一定間隔で測定し、そして
最低圧力が得られた測定位置の近傍に衝撃波位置がある
としているので、衝撃波位置を推定あるいは検出するた
めの装置構成が簡素化されるともに、衝撃波位置の推定
あるいは検出が短時間でなし得る。つまり、リアルタイ
ムで衝撃波位置の推定あるいは検出がなし得る。また、
この推定あるいは検出を連続して行うことにより、衝撃
波位置の移動も把握できる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しながら本
発明を実施の形態に基づいて説明するが、本発明はかか
る実施の形態のみに限定されるものではない。
【0028】実施の形態1 本発明の実施の形態1に係る衝撃波位置推定方法は、ラ
ムジェットのインテーク(以下、特に誤解の生じない場
合には単にインテークという)Iにおける衝撃波位置推
定方法であって、このインテークIにおいては衝撃波の
前まで圧力が降下する一方、衝撃波の後では圧力が上昇
するという現像を利用するもので、図1に示すような所
要数の圧力センサ(以下、単にセンサという)11をイ
ンテークI側壁に所定間隔で配置してなる圧力測定部1
0と、この圧力測定部10からの測定値に基づいて衝撃
波位置を推定する衝撃波位置推定部20と、出力部30
とを備えた衝撃波位置推定装置Aを用いて衝撃波位置を
推定するものであって、衝撃波位置推定部20におい
て、圧力測定部10の最低圧力を検出したセンサ11L
の前後のセンサ11B,11Aの圧力と最低圧力との各差
圧により、そのセンサ11Lの前後の1/2間を比例配
分して衝撃波の位置を推定あるいは検出するものであ
る。ここで、衝撃波位置推定部20は、例えばマイクロ
コンピュータにより構成されており、そのROMには後
述する各種演算あるいは処理をするためのプログラムが
格納されている。また、そのRAMには圧力測定値が一
時的に格納される。
【0029】例えば、インテークI側壁に配置されたセ
ンサ群により、図2に示すような圧力測定結果が得られ
たとすると、衝撃波位置推定部20は、衝撃波位置は最
低圧力(図示例ではP3)が測定されたセンサ(図示例
ではK3)位置(図示例ではX3)の前後近傍にあると仮
定する。つまり、衝撃波位置Xはセンサ間隔をX0とす
ると、X3±X0/2の範囲にあると推定する。そして、
この±X0/2の範囲を最低圧力が検出されたセンサ1
Lの前後のセンサ(図示例ではK2,K4)の測定圧力
(図示例ではP2,P4)とセンサK3の測定圧力P3との
差圧を用いて比例配分する。これを式で示せば下記式
(1)となる。
【0030】 X=X3−X0/2+X0*A/(A+B) (1)
【0031】ここに、 A=P2−P3 B=P4−P3
【0032】このように、この実施の形態1によれば、
インテークI側壁に所定間隔でセンサ群を設け、そのセ
ンサ群の中で最低圧力を測定したセンサ11Lの前後間
をその前後のセンサ、つまり直前にあるセンサ(直前セ
ンサ)11Bおよび直後にあるセンサ(直後センサ)1
Aによって測定された圧力と最低圧力との差圧により
比例配分するという簡単な処理により衝撃波位置が推定
あるいは検出される。そのため、衝撃波位置をリアルタ
イムに推定あるいは検出できる。また、この推定あるい
は検出を連続的に行えば衝撃波位置の移動量を推定ある
いは検出することもできる。
【0033】実施の形態2 本発明の実施の形態2に係る衝撃波位置推定方法は、イ
ンテークIにおける衝撃波位置推定方法であって、この
インテークIにおいては衝撃波後の圧力勾配が衝撃波の
位置により異なるという現像を利用するもので、まずラ
ム燃焼器後方の排気ノズル(図示省略)を開閉し、イン
テークIにおける衝撃波の発生位置を移動させてその移
動に伴う圧力分布を測定する。そして、衝撃波位置の推
定あるいは検出に際し、センサ群の測定圧力からどのセ
ンサ間に衝撃波があるかを仮定し、このときの圧力と先
に得た圧力とを差を用いて衝撃波位置のセンサ位置から
のずれを算出して衝撃波位置を推定あるいは検出するも
のである。なお、インテークIの圧力の測定は、実施の
形態1と同様に、図1に示す衝撃波位置推定装置Aによ
るものとされている。
【0034】衝撃波が圧力測定部10の位置検出範囲
(センサ設置範囲)の後方にある場合には、例えば図3
に示すような圧力分布が得られ、またラム燃焼器の排気
ノズル角をごくゆっくりと、つまり静止状態に近い状態
(準静的状態)で変化させて衝撃波を下流から上流に向
けてセンサ設置範囲全域にわたって移動させると、例え
ば図4に示すような圧力分布が得られる。そして、この
一連の準備が完了すると衝撃波位置の推定あるいは検出
を行う。この推定あるいは検出において、例えば図5に
示すような圧力分布が得られたとする。なお、図5には
説明の都合上、準備段階で得られた測定圧力も示されて
いる。
【0035】しかして、衝撃波位置推定部20は、図5
に示す圧力分布から衝撃波の位置は、センサK2とセン
サK3との間にあると仮定する。そこで、衝撃波位置の
推定あるいは検出時におけるセンサK3の測定圧力P3
衝撃波がセンサK2の位置X2にあるときのセンサK3
測定圧力P32との差圧および衝撃波がセンサ設置範囲の
下流にあるときのセンサK3の測定圧力P31と前記圧力
32との差圧の比により、センサK2とセンサK3との間
隔X0を比例配分して衝撃波位置Xを推定あるいは検出
する。これを式で示せば下記式(2)となる。
【0036】 X=X2+X0*D/C (2)
【0037】ここに、 C=P32−P3 D=P32−P31
【0038】このように、この実施の形態2によれば、
インテークI側壁に所定間隔でセンサ群を設け、それに
より衝撃波の下流の圧力勾配を求め、その得られた圧力
勾配を利用して衝撃波位置を推定あるいは検出している
ので、実施の形態1と同様に簡易に衝撃波位置をリアル
タイムに推定あるいは検出できる。また、この推定ある
いは検出を連続的に行えば衝撃波位置の移動量を推定あ
るいは検出することもできる。
【0039】実施の形態3 本発明の実施の形態3に係る衝撃波位置推定方法は、イ
ンテークIのセンサ群により測定された衝撃波前後の圧
力分布を局部的に見れば直線近似が可能であるところか
ら、まずセンサ群の中で最低圧力を示したセンサ11L
の近傍に衝撃波があると仮定し、ついでその仮定された
衝撃波前後の近傍における圧力勾配を直線近似し、その
直線近似により得られた二直線の交点を求めてその交点
を衝撃波位置とするものである。ここで、圧力勾配を直
線近似するために採用する測定圧力は、仮定された衝撃
波位置の前の数個あるいは後の数個のセンサ11の測定
圧力とされる。なお、インテークIの圧力分布の測定
は、実施の形態1と同様に、図1に示す衝撃波位置推定
装置Aによるものとされている。
【0040】例えば、衝撃波位置推定部20において、
図6に示すように仮定された衝撃波位置よりも上流側近
傍にあるセンサ11により得られた圧力分布を直線近似
することにより直線L1が得られたとし、また前記衝撃
波位置よりも下流側近傍にあるセンサ11により得られ
た圧力分布を直線近似することにより直線L2が得られ
たとすると、直線L1と直線L2との交点が衝撃波位置を
与えるとするものである。
【0041】このように、この実施の形態3によれば、
インテークI側壁に所定間隔でセンサ群を設け、それら
のセンサ群により測定された圧力分布より衝撃波位置を
仮定するとともに、その仮定された衝撃波の前後数個の
センサ11の位置および測定値により、衝撃波前後近傍
における圧力勾配を近似する直線を算出し、それら2直
線の交点を衝撃波位置としているので、簡易かつ迅速、
つまりリアルタイムに衝撃波位置が推定あるいは検出さ
れる。また、この推定あるいは検出を連続的に行えば衝
撃波位置の移動量を推定あるいは検出することもでき
る。
【0042】実施の形態4 本発明の実施の形態4に係る衝撃波位置推定方法は、実
施の形態3を改変したものであって、事前にセンサ11
が設置されている全域にわたって衝撃波前の圧力分布を
測定しておいて、その圧力分布より衝撃波前の圧力勾配
を近似する直線を算出しておき、衝撃波位置の検出時に
仮定された衝撃波位置の下流近傍の測定圧力より圧力勾
配を求めるとともに、その圧力勾配を近似する直線を実
施の形態3と同様にして算出し、その算出された直線と
前記衝撃波前の直線との交点を算出し、その交点を衝撃
波位置とするものである。
【0043】例えば、衝撃波位置推定部20において、
図7に示すように事前に衝撃波前の圧力勾配を近似する
直線L1を求めておいて、衝撃波位置の検出時に最低圧
力を測定しているセンサK3の位置X3と圧力P3および
センサK4の位置X4と圧力P4により衝撃波後の圧力勾
配を近似する直線L2を算出し、そしてこれらの2直線
1,L2の交点を算出してその交点を衝撃波位置とする
ものである。
【0044】このように、この実施の形態4によれば、
衝撃波前の圧力勾配を近似する直線が事前に算出されて
いるので、より短時間で衝撃波位置の推定あるいは検出
がなし得る。
【0045】実施の形態5 本発明の実施の形態5に係る衝撃波位置推定方法は、実
施の形態4を改変したものであって、事前にセンサ11
が設置されている全域にわたって衝撃波前の圧力分布を
測定しておいて、その圧力分布より衝撃波前の圧力勾配
を近似する直線を算出するとともに、排気ノズル角を準
静的に変化させて衝撃波の位置を上流側あるいは下流側
に移動させながら、そのときの衝撃波後の圧力勾配を測
定し、その圧力勾配を近似する直線の勾配を算出してお
き、衝撃波位置の検出時にその直線の勾配と最低圧力を
測定したセンサ11Lの一つ後のセンサ11Aの位置と測
定圧力により、衝撃波後の圧力勾配を近似する直線を算
出し、その算出された直線と前記衝撃波前の直線との交
点を求めて、その交点を衝撃波位置とするものである。
【0046】例えば、衝撃波位置推定部20において、
図8に示すように事前に衝撃波前の圧力勾配を近似する
直線L1を求めるとともに、衝撃波後の圧力勾配を近似
する直線の勾配を求めておいて、衝撃波位置の検出時に
その直線の勾配と最低圧力を測定しているセンサK3
次のセンサK4の位置X4と圧力P4により衝撃波後の圧
力勾配を近似する直線L2を算出し、そしてこれらの2
直線L1,L2の交点を算出してその交点を衝撃波位置と
するものである。
【0047】このように、この実施の形態5によれば、
衝撃波前の圧力勾配を近似する直線および衝撃波後の圧
力勾配を近似する直線の勾配が事前に算出されているの
で、より短時間で衝撃波位置の推定あるいは検出がなし
得る。
【0048】
【実施例】以下、より具体的な実施例により本発明をよ
り具体的に説明する。
【0049】実施例1〜2および比較例1〜2 図9に示すダミーインテークID、ラム燃焼器RD、可変
排気ノズルNDとを備えた試験装置Tに、図1に示す衝
撃波位置推定装置Aを装着し、そして実施の形態1によ
り衝撃波位置の推定あるいは検出を行った。衝撃波位置
の推定あるいは検出は、計測開始後19.1秒後(実施
例1)および計測開始後23.1後(実施例2)につい
て行い、その結果を表1に示す。また、比較のために実
施例1および実施例2と同一時刻におけるシュリーレン
画像により衝撃波位置を計測し(比較例1および比較例
2)、その結果を表1に併せて示した。なお、このシュ
リーレン画像による衝撃波位置の計測に当たっては、圧
力センサが試験装置TのダミーインテークIDの上側に
設けられているところから、衝撃波がダミーインテーク
Dの上側に到達している個所を衝撃波位置とした。
【0050】
【表1】
【0051】表1より実施例1および実施例2における
衝撃波の推定あるいは検出位置は、それぞれ比較例1お
よび比較例2の検出位置によく一致しているのがわか
る。とりわけ、衝撃波がスロート近傍に位置するときに
は、シュリーレン画像による計測値と本発明の衝撃波位
置推定方法による推定値とは完全に一致している。した
がって、従来のシュリーレン画像による検出方法を本発
明の推定方法に置き換えても問題のないのがわかる。
【0052】以上、本発明を実施の形態および実施例に
基づいて説明してきたが、本発明はかかる実施の形態お
よび実施例のみに限定されるものではなく、種々改変が
可能である。例えば、本発明はラムジェットエンジン、
ラム燃焼器試験設備、ショックダウン試験設備、衝撃波
位置検出をなすための設備などに適用できる。また、実
施の形態においては圧力センサは所定間隔で配置されて
いるが、適宜間隔とされてもよい。例えば、精度よく推
定したい部分には密に配置し、残りの部分については粗
く配置するようにしてもよい。
【0053】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、ラ
ム燃焼器などの空気導入路の側壁に適宜間隔または所定
間隔で圧力検出手段を設けて空気導入路内の圧力分布を
測定し、そして最低測定圧力が得られた位置の近傍に衝
撃波位置があるとしているので、衝撃波位置を簡易な構
成により迅速に推定あるいは検出できるという優れた効
果が得られる。つまり、衝撃波位置をリアルタイムに推
定あるいは検出できるという優れた効果が得られる。ま
た、本発明による衝撃波位置の推定あるいは検出を連続
して行えば簡易に衝撃波位置の移動も把握できるという
効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の衝撃波位置推定方法に用いられる衝撃
波位置推定装置の一例の概略図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る衝撃波位置推定方
法の説明図である。
【図3】本発明の実施の形態2の推定方法の説明図であ
って、圧力測定範囲の下流に衝撃波があるときの圧力分
布を模式図的に示すグラフである。
【図4】本発明の実施の形態2の推定方法の説明図であ
って、センサK2の位置に衝撃波があるときの圧力分布
を模式図的に示すグラフである。
【図5】本発明の実施の形態2の衝撃波位置推定方法の
説明図である。
【図6】本発明の実施の形態3の衝撃波位置推定方法の
説明図である。
【図7】本発明の実施の形態4の衝撃波位置推定方法の
説明図である。
【図8】本発明の実施の形態5の衝撃波位置推定方法の
説明図である。
【図9】本発明の実施例および比較例において用いられ
た試験設備の側面図である。
【図10】比較例1のシュリーレン画像である。
【図11】比較例2のシュリーレン画像である。
【符号の説明】
10 圧力測定部 11 圧力センサ 20 衝撃波位置推定部 30 出力部 A 衝撃波位置推定装置 I インテーク T 試験装置 ID ダミーインテーク RD ラム燃焼器 ND 可変排気ノズル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神戸 勝啓 明石市川崎町1番1号 川崎重工業株式会 社明石工場内 (72)発明者 二村 尚夫 明石市川崎町1番1号 川崎重工業株式会 社明石工場内 (72)発明者 大嶋 孝夫 明石市川崎町1番1号 川崎重工業株式会 社明石工場内 (72)発明者 榎本 吉也 明石市川崎町1番1号 川崎重工業株式会 社明石工場内 (72)発明者 唄野 真 明石市川崎町1番1号 川崎重工業株式会 社明石工場内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラム燃焼器などへの空気導入路における
    衝撃波の位置を推定する衝撃波位置推定方法であって、 空気導入路における圧力を適宜間隔で測定し、最低圧力
    が得られた近傍に衝撃波位置があると推定することを特
    徴とする衝撃波位置推定方法。
  2. 【請求項2】 ラム燃焼器などへの空気導入路における
    衝撃波の位置を推定する衝撃波位置推定方法であって、 空気導入路における圧力を一定間隔で測定し、最低圧力
    が得られた近傍に衝撃波位置があると推定することを特
    徴とする衝撃波位置推定方法。
  3. 【請求項3】 前記近傍が圧力測定間隔の1/2以内と
    されていることを特徴とする請求項1または2記載の衝
    撃波位置推定方法。
  4. 【請求項4】 衝撃波位置を下記式により推定すること
    を特徴とする請求項2記載の衝撃波位置推定方法。 X=Xi-X0/2+X0*(Pi-1-Pi)/((Pi-1-Pi)+(Pi+1
    -Pi)) ここに、 X:推定衝撃波位置 Xi:最低圧力測定位置 X0:圧力測定間隔 Pi:測定最低圧力 Pi-1:最低圧力測定位置直前の測定圧力 Pi+1:最低圧力測定位置直後の測定圧力
  5. 【請求項5】 衝撃波位置を下記式により推定すること
    を特徴とする請求項2記載の衝撃波位置推定方法。 X=Xi-1+X0*(Pi2−Pi)/(Pi2−Pi1) ここに、 X:推定衝撃波位置 Xi-1 :最低圧力測定位置より一つ上流側の圧力測定位
    置 X0:圧力測定間隔 Pi:測定最低圧力 Pi1:測定範囲の下流に衝撃波があるときの測定圧力 Pi2:測定位置Xiの直前の測定位置に衝撃波があると
    きの測定圧力
  6. 【請求項6】 ラム燃焼器などへの空気導入路における
    衝撃波の位置を推定する衝撃波位置推定方法であって、 空気導入路における圧力を一定間隔で測定し、最低圧力
    が得られた位置の前後近傍における圧力分布を直線近似
    することにより、降下直線および上昇直線を求め、その
    降下直線および上昇直線の交点を衝撃波位置とすること
    を特徴とする請求項2記載の衝撃波位置推定方法。
  7. 【請求項7】 予め降下直線を求めておくことを特徴と
    する請求項6記載の衝撃波位置推定方法。
  8. 【請求項8】 予め上昇直線の勾配を求めておくことを
    特徴とする請求項6または7記載の衝撃波位置推定方
    法。
  9. 【請求項9】 ラム燃焼器などへの空気導入路における
    衝撃波の位置を推定する衝撃波位置推定装置であって、
    空気導入路に適宜間隔または一定間隔で設けられた所要
    数の圧力検出手段を有する圧力測定部と、前記圧力測定
    部からの測定値により衝撃波位置を推定する衝撃波位置
    推定部とを備え、 前記衝撃波位置推定部により最低測定圧力位置近傍に衝
    撃波位置があると推定することを特徴とする衝撃波位置
    推定装置。
  10. 【請求項10】 ラム燃焼器などへの空気導入路におけ
    る衝撃波の位置を推定する衝撃波位置推定装置であっ
    て、空気導入路に適宜間隔または一定間隔で設けられた
    所要数の圧力検出手段を有する圧力測定部と、前記圧力
    測定部からの測定値により衝撃波位置を推定する衝撃波
    位置推定部とを備え、 前記衝撃波位置推定部により圧力測定間隔の1/2以内
    に衝撃波位置があると推定することを特徴とする衝撃波
    位置推定装置。
  11. 【請求項11】 ラム燃焼器などへの空気導入路におけ
    る衝撃波の位置を推定する衝撃波位置推定装置であっ
    て、空気導入路に一定間隔で設けられた所要数の圧力検
    出手段を有する圧力測定部と、前記圧力測定部からの測
    定値により衝撃波位置を推定する衝撃波位置推定部とを
    備え、 前記衝撃波位置推定部により下記式により衝撃波位置を
    推定することを特徴とする衝撃波位置推定装置。 X=Xi-X0/2+X0*(Pi-1-Pi)/((Pi-1-Pi)+(Pi+1
    -Pi)) ここに、 X:推定衝撃波位置 X :最低圧力測定位置 X0:圧力測定間隔 Pi:測定最低圧力 Pi-1:最低圧力測定位置直前の測定圧力 Pi+1:最低圧力測定位置直後の測定圧力
  12. 【請求項12】 ラム燃焼器などへの空気導入路におけ
    る衝撃波の位置を推定する衝撃波位置推定装置であっ
    て、空気導入路に一定間隔で設けられた所要数の圧力検
    出手段を有する圧力測定部と、前記圧力測定部からの測
    定値により衝撃波位置を推定する衝撃波位置推定部とを
    備え、 前記衝撃波位置推定部により下記式により衝撃波位置を
    推定することを特徴とする衝撃波位置推定装置。 X=Xi-1+X0*(Pi2−Pi)/(Pi2−Pi1) ここに、 X:推定衝撃波位置 Xi-1 :最低圧力測定位置より一つ上流側の圧力測定位
    置 X0:圧力測定間隔 Pi:測定最低圧力 Pi1:測定範囲の下流に衝撃波があるときの測定圧力 Pi2:測定位置Xiの直前の測定位置に衝撃波があると
    きの測定圧力
  13. 【請求項13】 ラム燃焼器などへの空気導入路におけ
    る衝撃波の位置を推定する衝撃波位置推定装置であっ
    て、空気導入路に一定間隔で設けられた所要数の圧力検
    出手段を有する圧力測定部と、前記圧力測定部からの測
    定値により衝撃波位置を推定する衝撃波位置推定部とを
    備え、 前記衝撃波位置推定部により、最低圧力が得られた位置
    の前後近傍おける圧力分布を直線近似して降下直線およ
    び上昇直線を算出し、その算出した降下直線および上昇
    直線の交点を衝撃波位置であると推定することを特徴と
    する衝撃波位置推定装置。
  14. 【請求項14】 予め降下直線を求めておくことを特徴
    とする請求項13記載の衝撃波位置推定装置。
  15. 【請求項15】 予め上昇直線の勾配を求めておくこと
    を特徴とする請求項13または14記載の衝撃波位置推
    定装置。
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