JPH1031103A - 光学的光減衰フィルタ - Google Patents
光学的光減衰フィルタInfo
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- JPH1031103A JPH1031103A JP20531696A JP20531696A JPH1031103A JP H1031103 A JPH1031103 A JP H1031103A JP 20531696 A JP20531696 A JP 20531696A JP 20531696 A JP20531696 A JP 20531696A JP H1031103 A JPH1031103 A JP H1031103A
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Abstract
等の光減衰基板の片面または両面にクロムなどの光減衰
膜をコーティングすることにより、フィルタ内での多重
反射光を低減させて、フレアやゴーストのない良好な画
像を得る。 【解決手段】 NDガラス等からなる吸収NDフィルタ
板2の両面に、クロム、インコネルなどの金属膜からな
るNDコート膜3A、3Bをコーティングして、NDフ
ィルタ1を構成する。吸収NDフィルタ板2の透過率は
40%、NDコート膜3A、3Bの透過率は15%であ
り、NDフィルタ1の透過率は6.3%となるが、ND
コート3A、3B間において生じる光の多重反射率は、
0.0025%となるため、多重反射を大幅に低減する
ことができる。これにより、多重反射光を原因とするフ
レアやゴーストの発生を防止して、良好な画像を得るこ
とができる。
Description
用されるいわゆるNDフィルタ等の光学的光減衰フィル
タに関するものである。
るための光減衰用に使用される光減衰フィルタとして、
光を吸収するNDガラスあるいはNDプラスチック(以
下NDガラス等とする)の板材からなるものが知られて
いる。このような光減衰フィルタは、可視光の波長全域
において均一な透過率を有することが理想的であるが、
上述したNDガラス等は長波長側での透過率が短波長側
と比較して大きいため、光減衰フィルタを使用したビデ
オカメラ等により得られる画像は、全体的に赤みを帯び
たものとなってしまう。また、NDガラス等の材質が限
られているため、透過率変更の自由度が大幅に制限され
てしまう。
透明ガラスの表面にクロム、インコネルなどの金属膜あ
るいは誘電体膜等の光減衰膜をコーティングし、この光
減衰膜により一部の光を吸収し、減衰せしめるものが知
られている。このような光減衰膜を用いた光減衰フィル
タでは、NDガラス等よりなる光減衰フィルタに比べて
光透過率変更の自由度は大きくなるものの以下の如き大
きな問題を有する。
タを使用した光学系の第1例を表す図である。図9に示
すように、光減衰フィルタを使用した光学系の第1例
は、前段より、結像レンズ21、片面に光減衰膜22A
をコーティングしたNDフィルタ22、およびCCD2
3を有する結像光学系24を配してなるものである。結
像光学系24にはCCD23を保護するためのCCDカ
バーガラス25が設けられている。そして、結像レンズ
21を透過した光はNDフィルタ22により減衰されて
CCDカバーガラス25を透過してCCD23の結像面
上に結像するようになっている。
の第2例を表す図である。図10に示すように、光減衰
フィルタを使用した光学系の第2例は、前段より、両面
に光減衰膜32A、32BをコーティングしたNDフィ
ルタ32、結像レンズ31およびCCD等の結像面33
を配してなるものである。そして、被写体35の像を表
す光はNDフィルタ32により減衰され、結像レンズ3
1により結像面33上の点P10において結像するように
なっている。
系の第3例を表す図である。図11に示すように、光減
衰フィルタを使用した光学系の第3例は、前段より、結
像レンズ41、両面に光減衰膜42A、42Bをコーテ
ィングしたNDフィルタ42およびCCD等の結像面4
3を配してなるものである。そして、結像レンズ41を
透過した光はNDフィルタ42により減衰されて結像面
43上の点P12において結像するようになっている。
す光学系においては、NDフィルタ22、32、42に
より光を減衰させることができるものの、NDフィルタ
22、32、42にコーティングされている光減衰膜に
より、反射光を生じてしまうという問題がある。例え
ば、第1例においては、NDフィルタ22を透過した光
の一部がCCDカバーガラス25において反射され、そ
の反射光L10がさらにNDフィルタ22の光減衰膜2
2Aをコーティングされた面において反射されて、CC
D23の本来とは異なった位置もしくはCCD23から
はずれた位置に入射してしまう。
2に入射した光の一部が、NDフィルタ32の両面にお
いて多重反射を起こし、その多重反射光L11が結像面
33の点P10とは異なる位置P10′に結像してしまう。
さらに、第3例においても第2例と同様に、NDフィル
タ42に入射した光の一部が、NDフィルタ42の両面
において多重反射を起こし、この多重反射光L12が結
像面43上における点P12の手前の点P12′に結像して
しまう。
により反射された反射光あるいは多重反射光L10〜L
12は、本来の結像点とは異なる位置に結像することと
なるため、結像された光を可視像として再生した際に得
られる画像においてフレアやゴーストが生じてしまい、
画質が劣化してしまうこととなる。
もので、反射光によるフレアやゴーストを発生させるこ
となく良好な画像を得ることができ、さらに、可視光全
域に亘り均一な透過率特性を有するとともに、透過率の
変更に際し設計自由度の高い光学的光減衰フィルタを提
供することを目的とするものである。
衰フィルタは、光減衰基板の片面または両面に光減衰膜
をコーティングしたことを特徴とするものである。な
お、上記光学的光減衰フィルタにおいては、前記光減衰
膜が、金属膜であることが好ましい。
ネルからなることが好ましい。さらに、上記光学的光減
衰フィルタにおいては、前記光減衰膜が、誘電体膜であ
ることが好ましい。
は、前記光減衰膜が、少なくとも2層の誘電体膜と少な
くとも1層の金属膜とを交互に積層させてなることが好
ましい。なお、上記光減衰基板および光減衰膜はいずれ
も光吸収作用によって光を減衰させるものである。
形態について説明する。
光減衰フィルタの構成を表す断面図である。図1に示す
ように、本発明の第1実施形態に係る光学的光減衰フィ
ルタ(以下NDフィルタとする)1は、NDガラス板等
からなる吸収NDフィルタ板2の両面に金属膜からなる
NDコート膜3A、3Bをコーティングすることにより
構成されるものである。本実施形態においては、吸収N
Dフィルタ板2として、厚さが2mmのHOYA製ND
25を使用し、NDコート膜3A、3Bの材料としてク
ロムを用いる。なお、NDコート膜3A、3Bの形成方
法としては、周知の膜形成方法、例えば蒸着やスパッタ
リング等の種々の方法を用いることが可能である。
透過率の特性を図2に示す。図2に示すように、ND2
5は、透過する可視光を全波長域に亘って略40%に吸
収減衰させるものであるが、長波長側の透過率が短波長
側と比較して若干大きくなる特性を有するものである。
一方、NDコート膜3A、3Bの可視光の波長に対する
透過率の特性を図3に示す。なお、図3における透過率
とは、可視光全波長域に亘り透過率が100%の透明ガ
ラス板に、NDコート膜3A、3Bをコーティングする
ことにより構成されるNDフィルタの可視光の透過率の
ことをいうものであり、本実施形態においては、透過率
は略15%となっている。図3に示すように、NDコー
ト膜3A、3Bの透過率特性は、短波長側が長波長側と
比較して若干大きくなっているものである。
す透過率特性を有する吸収NDフィルタ板2に図3に示
す透過率特性を有するNDコート膜3A、3Bをコーテ
ィングすることにより、図4に示すように、可視光の全
波長域に亘って略6.3%の透過率特性を有するNDフ
ィルタ1を得ることができる。すなわち、ND25から
なる吸収NDフィルタ板2は長波長側の透過率が短波長
側と比較して若干大きくなる特性を有し、NDコート膜
3A、3Bは短波長側が長波長側と比較して若干大きく
なる特性を有するものであるため、双方の特性が打ち消
し合って、可視光の全波長域に亘って略均一な透過率を
有するNDフィルタ1を得ることができる。
性を図5に示す。図5において破線は本実施形態に係る
NDフィルタ1の多重反射率特性を示し、実線は可視光
全波長域の光に対して透明なガラスに図3に示す透過率
特性を有するNDコート膜3A、3Bをコーティングし
たNDフィルタ(以下、従来のNDフィルタとする)の
多重反射率特性を示す。ここで、図5における多重反射
率とは、入射光に対する多重反射光の比率のことであ
り、図6に示すようにNDフィルタ1に対して斜めに入
射する光L1に対する、NDフィルタ1の両面において
多重反射して射出される破線で示される光L2の比率の
ことをいうものである。
多重反射率が略0.04%であるのに対して、本実施形
態に係るNDフィルタ1の多重反射率は0.0025%
であり、従来のNDフィルタと比較して多重反射光は略
1/16となっている。すなわち、ND25からなる吸
収NDフィルタ板2にNDコート膜3A、3Bをコーテ
ィングすることにより、透明ガラスにNDコート膜3
A、3Bをコーティングしたものと比較して透過率は約
1/2.5(=6.3/15)となるが、多重反射率は
1/16となっている。すなわち、透過率は減少するも
のの、多重反射率は従来のNDフィルタと比較して16
倍も少なくなっている。したがって、従来のNDフィル
タと比較して、多重反射率を大幅に減少させることがで
き、これにより多重反射光を原因とするフレアやゴース
トの発生を防止し、良好な画像を得ることができる。
NDフィルタ板2にクロムからなるNDコート膜3A、
3Bをコーティングしているが、これに代えて誘電体膜
をコーティングしてもよいものである。
明する。図7は本発明の第2実施形態に係る光学的光減
衰フィルタの構成を示す断面図である。図7に示すよう
に、本発明の第2実施形態に係る光学的光減衰フィルタ
(以下NDフィルタとする)11は、吸収NDフィルタ
板12の両面に誘電体膜14A、14Bをコーティング
し、その上にNDコート膜13A、13Bをコーティン
グし、さらに誘電体膜15A、15Bをコーティングす
ることにより構成される。このように、吸収NDフィル
タ板12に対して誘電体膜14A、14B、15A、1
5BとNDコート膜13A、13Bからなる積層コーテ
ィングを施すことにより、NDコート膜13A、13B
のみをコーティングしたものと比較して、吸収NDフィ
ルタ板12の両面での反射率を低減させることができ
る。したがって、多重反射光を低減することができ、多
重反射光によるフレアやゴーストを一層低減してより良
好な画像を得ることができる。
術との、入射光に対する多重反射光の比率を比較して示
すグラフである。図8において破線は本実施形態に係る
NDフィルタ11の多重反射率特性を示し、実線は従来
のNDフィルタの多重反射率特性を示す。すなわち、第
2実施形態のものによれば、透明ガラスにNDコート膜
3A、3Bをコーティングしたものと比較して、多重反
射率が1/20と大幅に小さいものとなっている。な
お、この積層コーティング膜自体の光透過率は上記第1
実施形態のNDコート膜3A、3Bと略同様の光透過率
となっている。
ート膜を形成するための金属材料としてクロムを使用し
ているが、インコネル等の他の金属材料を使用すること
も可能である。また、上記実施形態においては、吸収N
Dフィルタ板2の両面にNDコート膜、誘電体膜あるい
はNDコート膜と誘電体膜とを積層したものをコーティ
ングしているが、吸収NDフィルタ板2の片面にのみこ
れらをコーティングしてもよいものである。
る光学的光減衰フィルタによれば、光減衰基板の片面ま
たは両面に光減衰膜をコーティングしたことにより、多
重反射光を大幅に低減することができる。これにより、
本発明の光学的光減衰フィルタを使用した光学系により
得られる画像において、フレアやゴーストの発生を大幅
に減少することができ、良好な画像を得ることができ
る。また、光減衰基板の光透過特性と光減衰膜の光透過
特性とを加算することで、波長に対する両者の変動分を
互いに打ち消して、可視光全域に亘る均一な光透過特性
を有するものとすることができる。さらに、光減衰膜の
コーティング厚みを変化させることにより所望の透過率
に設定することが可能である。また、光減衰膜を、少な
くとも2層の誘電体膜と少なくとも1層の金属膜とを交
互に積層させてなるものとすることにより、光減衰基板
の表面における光の反射率を低減することができ、これ
により多重反射光をより一層低減することができる。
成を表す断面図
過率特性を表すグラフ
に対する多重反射光の比率を比較して示すグラフ
内での多重反射光を表す図
成を表す断面図
に対する多重反射光の比率を比較して示すグラフ
図
す図
す図
Claims (5)
- 【請求項1】 光学的光減衰フィルタにおいて、 光減衰基板の片面または両面に光減衰膜をコーティング
したことを特徴とする光学的光減衰フィルタ。 - 【請求項2】 前記光減衰膜が、金属膜であることを特
徴とする請求項1記載の光学的光減衰フィルタ。 - 【請求項3】 前記金属膜が、クロムまたはインコネル
からなることを特徴とする請求項2記載の光学的光減衰
フィルタ。 - 【請求項4】 前記光減衰膜が、誘電体膜であることを
特徴とする請求項1記載の光学的光減衰フィルタ。 - 【請求項5】 前記光減衰膜が、少なくとも2層の誘電
体膜と少なくとも1層の金属膜とを交互に積層させてな
ることを特徴とする請求項1記載の光学的光減衰フィル
タ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20531696A JP3654388B2 (ja) | 1996-07-15 | 1996-07-15 | 光学的光減衰フィルタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20531696A JP3654388B2 (ja) | 1996-07-15 | 1996-07-15 | 光学的光減衰フィルタ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1031103A true JPH1031103A (ja) | 1998-02-03 |
JP3654388B2 JP3654388B2 (ja) | 2005-06-02 |
Family
ID=16504938
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20531696A Expired - Fee Related JP3654388B2 (ja) | 1996-07-15 | 1996-07-15 | 光学的光減衰フィルタ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3654388B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005283855A (ja) * | 2004-03-29 | 2005-10-13 | Fujitsu Ltd | フィルタ、その製造方法、撮像装置及び電子装置 |
JP2010002866A (ja) * | 2008-06-23 | 2010-01-07 | Ricoh Co Ltd | 光走査装置、画像形成装置及び光量調整方法 |
JP2010176118A (ja) * | 2008-12-29 | 2010-08-12 | Ricoh Co Ltd | 光走査装置及び画像形成装置 |
JP2010277094A (ja) * | 2004-11-24 | 2010-12-09 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | 吸収型多層膜ndフィルターの製造方法 |
-
1996
- 1996-07-15 JP JP20531696A patent/JP3654388B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005283855A (ja) * | 2004-03-29 | 2005-10-13 | Fujitsu Ltd | フィルタ、その製造方法、撮像装置及び電子装置 |
JP4563709B2 (ja) * | 2004-03-29 | 2010-10-13 | 富士通株式会社 | フィルタ及び電子装置 |
JP2010277094A (ja) * | 2004-11-24 | 2010-12-09 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | 吸収型多層膜ndフィルターの製造方法 |
JP2010002866A (ja) * | 2008-06-23 | 2010-01-07 | Ricoh Co Ltd | 光走査装置、画像形成装置及び光量調整方法 |
JP2010176118A (ja) * | 2008-12-29 | 2010-08-12 | Ricoh Co Ltd | 光走査装置及び画像形成装置 |
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