JPH10310834A - クロスフィン用アルミニウム合金薄板およびその製造方法 - Google Patents

クロスフィン用アルミニウム合金薄板およびその製造方法

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JPH10310834A JP9132977A JP13297797A JPH10310834A JP H10310834 A JPH10310834 A JP H10310834A JP 9132977 A JP9132977 A JP 9132977A JP 13297797 A JP13297797 A JP 13297797A JP H10310834 A JPH10310834 A JP H10310834A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 どのようなサイズの通路管にも適用できるフ
ィンピッチの長さで、揮発性潤滑油を使用しても高加工
性を有し成形性が良好なアルミニウム薄板およびその製
造方法を提供する。 【構成】 wt%で、Fe:0.05〜0.30%未
満、Mn:0.03%を超え0.10%未満、結晶粒微細化
剤を含有し、残部が不可避的不純物およびAlからな
り、不可避的不純物中Siが0.15%未満であって、
実質的にサブグレン組織からなるアルミニウム合金連続
鋳造圧延板であり、導電率55%IACS以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はクロスフィン用アル
ミニウム合金薄板およびその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】熱交換器は熱媒体の通路管と該通路管に
接触して媒体の熱を周囲の空気に放出するフィン材から
なり、このものは種々の方法で製造されている。即ち、
例えば、熱媒体の通路管とフィン材をろう付けして接合
する方法があり、この方法によって接合されたものは振
動等に強く自動車のラジエータ等の製造に使用されてい
るが、600℃近い温度で加熱してろう材を溶融するこ
とからコストが高くなる欠点がある。一方ルームエアコ
ンや冷蔵庫等に装着される熱交換器には、ろう付け接合
に代ってコストの低い機械的手段で熱媒体の通路管とフ
ィン材を接合する方法が採られている。すなわち、フィ
ン材となる厚さ100〜150μmの薄板に熱媒体通路
管径相当の貫通孔を設け、該貫通孔に通路管を貫通せし
めて熱媒体の通路管とフィン材を密着させる方法であ
る。つまりこのような通路管が貫通密着したフィンはク
ロスフィンと称されており、斯様なクロスフィンは例え
ば1〜2mm程度の所定間隔を採って多数枚積層され熱
交換器を構成するものである。
【0003】前記したような熱媒体の通路管を貫通せし
める貫通孔はクロスフィンが互いに間隔を採って積層で
きるようにし、フィン面に対し直角方向にフィンの積層
間隔の立ち上がった鍔がつくように成形され、しかも鍔
の先端はそのフィン間隔を確実なものとするように外側
に反る如く設けられている。即ち、この鍔は上記の他に
通路管とクロスフィンの結合力を高め熱伝達作用を向上
させるものである。
【0004】ところで、アルミニウムは成形性および熱
伝導性が良好なことからクロスフィンに使用されている
が、前述したような先端が外側に反る如くされた鍔の代
表的な製造方法としては次の〜のような方法があ
る。 アルミニウム薄板に通路管より大径でしかも高さの高
いドロー加工(絞り加工)を施し、その後径を小径とし
高さを低くする絞り工程を3〜4工程施して立ち上がっ
た鍔部分を形成し、次にピアシング(孔あけ)およびバ
ーリング加工(孔開き加工)して通路管の通る貫通孔を
設け、しかる後リフレア加工(鍔の先端を外側に反らせ
る加工)するドロー生成法。 最初にアルミニウム薄板にピアシングおよびバーリン
グ加工して貫通孔を開け、次にアイアニング加工(しご
き加工)を2工程施して板厚を薄くしつつ鍔の立上り部
分を形成し、しかる後前記リフレア加工するドローレス
成形法。 ドロー成形法におけるドロー加工を1〜2工程施し、
次にピアシングおよびバーリング加工して貫通孔を開
け、次いでアイアニング加工して鍔の立ち上がりに足ら
ない長さを補足し、しかる後リフレア加工する複合成形
法。
【0005】即ち、前記したのドロー成形法は絞り加
工が主体であって延性を要するためアルミニウム薄板と
しては軟質材が適用されてきた。これに対しのドロー
レス成形法はしごき加工で鍔を立ち上げることにより硬
質素材の適用を可能としたが、揮発性潤滑油の存在する
条件下での金型摩耗軽減のため、絞りとしごき加工を併
用したの複合成形法が開発されたものである。
【0006】然して、アルミニウムは熱伝導性が良好で
成形加工性に優れていることから、このようなクロスフ
ィンの材料として使用されており、特開平5−1564
12号公報には、Si:0.01〜0.15重量%、Fe:
0.05〜0.040%、Mn:0.10〜0.50%を含有
し、残部がAlと不可避的不純物からなる連続鋳造板を
圧下率80%以上として冷間圧延し、得られた薄板に2
30〜330℃の温度で調質焼鈍を施した強度と穴拡げ
性を向上した技術が提案されている。
【0007】更に、特開平8−327291号公報に
は、特定量のFe,Tiを含有し強冷間圧延した連続鋳
造圧延板に対し長時間の調質焼鈍を施し、特定量のFe
を固溶させ、組織をサブグレインと板厚中央部に再結晶
粒を混在させた複合組織として強度、延性および成形性
を付与する技術を提案している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述の如きドロー加
工、リフレア加工、アイアニング加工等のフィン加工は
精密であり、金型加工に際して成形加工性を良好にする
ために、摩擦係数の低い潤滑油が使用されている。この
ような潤滑油は7〜8cStと粘度が高く、フィン加工
後のフィン材の潤滑油除去に特殊な処理材を使用し、こ
の処理材が近年環境を劣化するものとして改善を求めら
れている。即ち、潤滑油除去に特殊な処理材を使用しな
い方法として揮発油を潤滑油としてフィン加工すること
が提案されているが、この揮発性潤滑油は摩擦係数が高
く成形加工のし難い欠点がある。
【0009】上記したような従来技術における特開平5
−156412号公報に記載されたものは、近年の環境
対策を考慮した多様化に対しては穴拡げ性に劣り汎用性
に欠ける。即ちルームクーラや冷蔵庫等に装着される熱
交換器における通路管のサイズは種々採用されており、
どのようなサイズの通路管にも適用できるフィンピッチ
(リフレア加工後の鍔高さ)の長い、即ち高加工性のあ
るアルミニウム薄板が求められているが、前記公報に記
載されているものは、揮発性潤滑油を使用するとフィン
加工性に劣り、殊にリフレア加工時に鍔先端部に割れが
発生し、外形寸法の小さい通液管に対しては外形寸法に
対する穴拡げ率が大きくなって対応できず、また通路管
との結合力を低め、且つ外観も好ましくない。
【0010】また、特開平8−327291号公報に記
載されたものは、調質焼鈍の条件(加熱温度、保持時
間)の幅を拡く設定すると所望の強度の材質にバラツキ
が大きくなって、調質焼鈍性に劣る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上述したよ
うな従来技術における課題を解決することについて鋭意
検討した結果、Fe含有量を少な目にすると共にSi含
有量を少くし、しかもMnの特定量を含有させることに
より、調質焼鈍がし易く、更に板厚断面の再結晶比率が
1%未満であるような、実質的にサブグレイン組織であ
るアルミニウム薄板はフィンピッチの長いクロスフィン
の成形加工に適していることを見出して本発明を完成し
たものであり、特にドローレスおよび複合成形に適して
いて、また一部のドロー成形にも適合した半硬質アルミ
ニウム薄板を提供し、またその安定した製品を得しめる
ことのできる製造方法を得ることに成功したものであっ
て、以下の如くである。
【0012】(1) wt%で、Fe:0.05〜0.
30%未満、Mn:0.03%を超え0.10%未満、結晶
粒微細化剤を含有し、残部が不可避的不純物およびAl
からなり、不可避的不純物中Siが0.15%未満であ
って、実質的にサブグレイン組織からなるアルミニウム
合金連続鋳造圧延板であり、導電率55%IACS以上
であることを特徴とするクロスフィン用アルミニウム合
金薄板。
【0013】(2) wt%で、Fe:0.05〜0.
30%未満、Mn:0.03%を超え0.10%未満、結晶
粒微細化剤を含有し、残部が不可避的不純物およびAl
からなり、不可避的不純物中Siが0.15%未満であ
るアルミニウム合金溶湯を板厚30mm以下で連続鋳造し
てから圧下率90%以上の冷間圧延を行い、次いで25
0〜300℃の温度で2時間以上の調質焼鈍を行うこと
を特徴とするクロスフィン用アルミニウム合金薄板の製
造方法。
【0014】
【発明の実施の形態】上記したような本発明について更
に説明すると、本発明によるアルミニウム合金薄板にお
いては成分組成、組織、導電率を必須要件とし、これら
について成分組成から説明すると、先ずFe:0.05
〜0.30wt%未満を要件とする。即ち、Feは、
0.05〜0.30wt%未満であって、このFeは連
続鋳造圧延で微細な金属間化合物および十分に固溶させ
て強度とフィン成形性を付与し、爾後の調質焼鈍での板
厚断面で均一なサブグレイン組織とするために含有させ
るものであって、Fe含有量が0.05%未満では好ま
しい強度付与ができず、また0.30wt%以上では板
厚断面に5μm以上の金属間化合物を生じて成形性を低
下させると共に、爾後の調質焼鈍でその周辺が優先的に
再結晶するので板厚断面の再結晶比率が1%以上となり
易く、板厚断面の組織を実質的にサブグレイン組織とす
ることができない。
【0015】Mnは、0.03wt%を超え0.10wt%
未満であって、このMnは、フィンピッチの長い高加工
性に影響することなく、しかも調質焼鈍の条件(加熱温
度、保持時間)の幅を拡く設定しても所望の強度の材質
とすることができ、調質焼鈍をし易くする。Mnの0.0
3wt%以下はこのような効果が認められず、また0.1
0wt%以上となると、フィンピッチの長い高加工性に
劣り好ましくなく、しかも熱伝導性が低下する。好まし
いMnの量は0.05wt%以上である。
【0016】結晶粒微細化剤は、たとえばTi,B等で
あって、これらは連続鋳造時の結晶粒を微細化して鋳造
割れを防止するために含有させるものである。Ti含有
量が0.001wt%未満であると上述の作用が低下
し、また0.02wt%を越えると、熱伝導性を低下さ
せる。Ti含有量の好ましい上限は0.015wt%未
満である。このTiの添加はAl−Ti母合金またはT
iとBを添加させる場合はAl−Ti−B母合金を用い
ると好ましく、Al−Ti−B母合金を使用した場合は
Bが含有されるが、その量が0.002wt%以下であ
れば本発明のアルミニウム薄板の特質を阻害することが
ない。
【0017】不可避的不純物としては、熱伝導性、成形
性および耐触性を低下させないように、代表的なものと
してSiを0.15wt%未満として大きな金属間化合
物の生成を抑制するが、その他の不純物としてもCuを
0.15wt%未満、Cr,VおよびZrそれぞれ0.
015wt%未満とすることが望ましい。前記のように
Feが0.30wt%未満、Mnが0.10wt%未満
で、しかもSiが0.15wt%未満であることにより
調質焼鈍を容易とし、しかも金属間化合物の大きさを規
制し、板厚断面の再結晶比率が1%未満であるような実
質的にサブグレイン組織とし、さらに揮発性潤滑油を使
用してもフィンピッチの長いクロスフィンの成形加工を
適切に達成せしめる。
【0018】組織中金属間化合物については、板厚断面
の組織が実質的にサブグレイン組織で、5μm以上の金
属間化合物を含まないアルミニウム薄板であって、斯か
る薄板は連続鋳造技術による鋳片の圧延板であることに
より殊にMnをはじめ他の合金元素の固溶量が多くな
り、調質焼鈍時の強度調整がし易い利点が得られる。
【0019】導電率については55%IACS以上であ
って、このようにすることにより熱伝導を良好ならしめ
ることができ、熱交換器としての特性を適切に発揮せし
め得る。
【0020】次に本発明の製造方法においては、連続鋳
造時の板厚、冷間圧延時の圧下率および調質焼鈍条件が
あり、これらについて先ず連続鋳造は急冷凝固してスラ
ブを鋳造し連続して圧延できる方法であれば限定するも
のでない。例えば、対設した一対の内部冷却回転ロール
間にアルミニウム溶湯を注入し、鋳造されたスラブを焼
鈍することなく圧延する水冷ロール法があり、その他の
方法としても、他側を冷却した一対の回転板の間にアル
ミニウム溶湯を注入し、鋳造されたスラブを焼鈍するこ
となく圧延する方法などが適宜に採用される。
【0021】上記したような連続鋳造の条件としては、
たとえば溶湯の温度680〜730℃のものを鋳型に注
入すると共に底部から引出し、スラブとする。スラブの
厚さは30mm以下、好ましくは10mm以下であっ
て、鋳造後直ちに適宜に熱間ないし温間での圧延を採用
して、このような厚さとする。スラブ厚さが30mmを超
えると5μm以上の大きさの金属間化合物が形成される
ため、その後の圧延においても斯様な大型金属間化合物
が存在し、調質焼鈍においてその周囲が再結晶組織とな
って本発明による薄板を適切に実現し難くなる。なおス
ラブの引出し速度は50〜150cm/分である。
【0022】上記のようにして得られたスラブは95%
以上の冷間圧延が施される。即ち、本発明によるものは
上記のような組成と冷却速度を規定して95%以上の冷
間加工を施すと調質焼鈍で均一なサブグレイン組織とな
る。
【0023】上記のように圧下率95%以上の冷間圧延
を施した後、調質焼鈍は250〜300℃の温度で、2
時間以上実施する。即ちこの処理は圧下率95%以上の
冷間圧延と相俟って加工組織を均一なサブグレイン組織
とし高度の成形性を得しめると共に導電率を55%IA
CS以上として熱伝導性の良好なものとするものであ
る。この場合の圧下率が90%未満であり、また調質焼
鈍温度が250℃未満で、かつ2時間未満の条件の何れ
かが満たされない条件では、加工組織の残存による成形
性の劣化および導電率が55%IACS未満の何れか一
方または双方が顕われる。また調質焼鈍温度が300℃
を超えると板厚断面の再結晶比率が1%以上となり、本
発明の目的とする好ましい板厚断面の組織を実質的にサ
ブグレイン組織とし難くする。この調質焼鈍の保持時間
が10時間以上となることは経済的でない。
【0024】
【実施例】次の表1に示す本発明合金および比較合金の
組成(wt%)を有する各アルミニウム溶湯を水冷ロー
ル法により7mmのスラブに鋳造し、冷間圧延して厚さ0.
100mm(圧下率99%)の薄板とした。
【0025】
【表1】
【0026】上記のようにして得られた各薄板を、調質
焼鈍した。調質焼鈍条件は、調質温度を250〜300
℃,保持時間を2〜10時間の範囲で行い、抗張力13
0〜150MPa となる調質条件の範囲を図1に示す。
本発明合金の薄板を使用して調質焼鈍をした結果を示す
図1Aおよび図1BによるとMn含有量の少ない比較合
金の結果を示す図1Cと比較して焼鈍の温度幅が広く、
調質焼鈍温度が振れても所望の抗張力が得られるので、
調質焼鈍のし易いことが判る。
【0027】次の表2に示す本発明合金および比較合金
の組成(wt%)を有する各アルミニウム溶湯を水冷ロ
ール法により7mmのスラブに鋳造し、冷間圧延して厚さ
0.100mm(圧下率99%)の薄板とした。
【0028】
【表2】
【0029】上記のようにして得られた各薄板を表3に
示す条件で調質焼鈍を行い、またこのようにして得られ
たアルミニウム薄板に対しては、次いでそれぞれドロー
レス成形および複合成形して成形性を評価した結果は表
3の後段に併せて示す。なおその他の特性として組織の
状態、導電率、機械的性質を測定したが、それらの結果
も表3に併せて示す。
【0030】
【表3】
【0031】前記表3に示した評価および測定条件は以
下に示す如くである。 鍔の成形性;鍔の成形性は、次の各方法で鍔を100個
成形し、欠陥の発生による評価を行ったが、成形に際し
て使用した潤滑油は、粘度が1.5cStの揮発油であ
る。また鍔の最終寸法はいずれも内径9.9mmに加工
した。 ドローレス成形;2工程のしごき工程を施し、次ぎにリ
フレア加工して、フィンピッチ(リフレア加工後の鍔の
高さ)を1.6mmにし、成形したものについてリフレ
アからカラー部に至る割れ欠陥の発生で評価した。 複合成形;2工程の絞り加工を施し、次いで2工程のし
ごき加工をなし、引続きリフレア加工して、フィンピッ
チ1.8mmにした。成形したものについてリフレアか
らカラー部に至る割れ欠陥の発生で評価した。 板厚断面による再結晶粒の有無;板厚の断面を研磨後、
1%ほう弗酸水溶液を用いて陽極酸化皮膜処理し、偏光
顕微鏡により観察した。 サブグレインの状態;表層付近および中央付近TEMに
より観察した。 導電率;20℃の油漕内によりダブルブリッチ法により
測定した(JIS H0505)。
【0032】然して前記した表3における評価○、△お
よび×については、何れも発生のないものを○とし、リ
フレア加工時の割れ発生率が30%以下のものを△、ま
たリフレア加工時の割れ発生率が30%超えるものを×
としたもので、リフレア加工時の割れ発生率は次式によ
る結果である。 リフレア加工時の割れ(発生率)=割れ発生カラー数/
供試カラー数×100
【0033】上記したような表3の結果によるときは、
本発明によるものはクロスフィンの鍔をドローレスおよ
び複合成形の何れの成形法によってもリフレア割れ等の
欠陥なしに適切な加工をなし得るものであるのに対し、
比較合金および従来合金板によるものはドローレスおよ
び複合成形のいずれか、あるいは両方ともにおいて劣っ
ていることが明かである。しかも、本発明によるものは
導電率や強度においても優れており、クロスフィンの鍔
成形法のドローレスおよび複合成形に適したアルミニウ
ム薄板を準備することなしに好ましい製品を得しめるこ
とが理解される。
【0034】
【発明の効果】以上説明したような本発明によるとき
は、クロスフィンの鍔部をドローレスおよび複合成形法
の何れの方法によっても適切に成形せしめることがで
き、従って工程その他の管理を簡略化し、簡易且つ低コ
ストに、しかもどのようなサイズの通路管に対しても適
宜に採用することのできるフィンピッチの長い、高加工
を可能ならしめた好ましいクロスフィンを的確に製産し
得るものであり、しかも粘性の低い揮発性潤滑油を使用
しても上述のフィン加工ができるから環境を考慮した工
業的にその効果の大きい発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明合金の薄板を使用して連続焼鈍したもの
(AとB)とMn含有量の少ない比較合金(C)におい
て所望の抗張力が得られる調質焼鈍温度と保持時間の範
囲を示す図表である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年5月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】上記のようにして得られたスラブは90
以上の冷間圧延が施される。即ち、本発明によるものは
上記のような組成と冷却速度を規定して90%以上の冷
間加工を施すと調質焼鈍で均一なサブグレイン組織とな
る。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】上記のように圧下率90%以上の冷間圧延
を施した後、調質焼鈍は250〜300℃の温度で、2
時間以上実施する。即ちこの処理は圧下率90%以上の
冷間圧延と相俟って加工組織を均一なサブクルイン組織
とし高度の成形性を得しめると共に導電率を55%IA
CS以上として熱伝導性の良好なものとするものであ
る。この場合の圧下率が90%未満であり、また調質焼
鈍温度が250℃未満で、かつ2時間未満の条件の何れ
かが満たされない条件では、加工組織の残存による成形
性の劣化および導電率が55%IACS未満の何れか一
方または双方が顕われる。また調質焼鈍温度が300℃
を超えると板厚断面の再結晶比率が1%以上となり、本
発明の目的とする好ましい板厚断面の組織を実質的にサ
ブグレイン組織とし難くする。この調質焼鈍の保持時間
が10時間以上となることは経済的でない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C22F 1/00 651 C22F 1/00 651A 681 681 685 685Z 686 686A 691 691B 691C 694 694A

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 wt%で、Fe:0.05〜0.30%
    未満、Mn:0.03%を超え0.10%未満、結晶粒微細
    化剤を含有し、残部が不可避的不純物およびAlからな
    り、不可避的不純物中Siが0.15%未満であって、
    実質的にサブグレイン組織からなるアルミニウム合金連
    続鋳造圧延板であり、導電率55%IACS以上である
    ことを特徴とするクロスフィン用アルミニウム合金薄
    板。
  2. 【請求項2】 wt%で、Fe:0.05〜0.30%
    未満、Mn:0.03%を超え0.10%未満、結晶粒微細
    化剤を含有し、残部が不可避的不純物およびAlからな
    り、不可避的不純物中Siが0.15%未満であるアル
    ミニウム合金溶湯を板厚30mm以下で連続鋳造してから
    圧下率90%以上の冷間圧延を行い、次いで250〜3
    00℃の温度で2時間以上の調質焼鈍を行うことを特徴
    とするクロスフィン用アルミニウム合金薄板の製造方
    法。
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