JPH10310709A - 結晶性熱可塑性樹脂組成物及びその製造方法 - Google Patents

結晶性熱可塑性樹脂組成物及びその製造方法

Info

Publication number
JPH10310709A
JPH10310709A JP12362597A JP12362597A JPH10310709A JP H10310709 A JPH10310709 A JP H10310709A JP 12362597 A JP12362597 A JP 12362597A JP 12362597 A JP12362597 A JP 12362597A JP H10310709 A JPH10310709 A JP H10310709A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thermoplastic resin
crystalline thermoplastic
component
acid
mixture
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP12362597A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaru Kubota
勝 久保田
Hajime Serizawa
肇 芹澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Polyplastics Co Ltd
Original Assignee
Polyplastics Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Polyplastics Co Ltd filed Critical Polyplastics Co Ltd
Priority to JP12362597A priority Critical patent/JPH10310709A/ja
Publication of JPH10310709A publication Critical patent/JPH10310709A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 結晶化速度が速く、結晶性熱可塑性樹脂の優
れた特性を損なうことなく機械的特性並びに特に成形サ
イクルが良好な結晶性熱可塑性樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 (A) 結晶性熱可塑性樹脂に対して、(B)
炭素クラスター 0.1〜2000ppm を配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、結晶性熱可塑性樹
脂組成物及びその製造方法に関し、機械的特性及び特に
成形サイクルに優れた成形材料を提供するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ポリエ
ステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリアセタール
及びポリアリーレンサルファイドなどの結晶性熱可塑性
樹脂は、優れた加工性、耐薬品性、電気的性質、機械的
性質などを有しているため、射出成形品、中空成形品、
フィルム、シート、繊維などに加工され各種用途に用い
られている。しかしながら用途によっては、剛性、耐熱
剛性、成形サイクルなどが充分とはいえない場合があ
る。このような結晶性熱可塑性樹脂からなる成形体の剛
性、耐熱剛性、成形サイクルを向上させるには、成形加
工時に微細な結晶を急速に生成させればよいことが知ら
れている。このため、従来から結晶性熱可塑性樹脂の結
晶化速度を速めるために、たとえばタルクなどの無機結
晶核剤、安息香酸アルミニウムなどの有機結晶核剤が用
いられている。しかしながら、従来の結晶核剤では、結
晶化速度の向上効果が必ずしも充分でなく、得られる成
形体の剛性、耐熱剛性などの機械的特性および成形サイ
クルが必ずしも満足するものではなかった。結晶性樹脂
の結晶化速度を向上させる方法としては、例えば特開昭
58−160343号公報には、ポリエチレンテレフタレートま
たはこれを主成分とするポリエステルに、アビエチン
酸、ショウノウ酸などのペルテン類のカルボン酸金属塩
を配合することが記載されている。しかしながら、有機
結晶核剤は、核剤製造プロセス中、長期保存中、あるい
は樹脂への混練時に劣化し、それが原因で成形品の機械
的特性を低下させやすい。そこで機械的特性および成形
サイクルに優れた樹脂組成物が得られれば工業的価値は
大きい。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、これらの
課題を解決するために鋭意検討した結果、結晶性熱可塑
性樹脂に炭素クラスターを特定の割合で配合することに
より、得られた結晶性熱可塑性樹脂組成物は、結晶化速
度が速く、結晶性熱可塑性樹脂の優れた特性を損なうこ
となく機械的特性並びに特に成形サイクルが良好な結晶
性熱可塑性樹脂組成物であることを見出し、本発明を完
成するに至った。即ち、本発明は、(A) 結晶性熱可塑性
樹脂に対して(B) 炭素クラスター 0.1〜2000ppm
を配合したことを特徴とする結晶性熱可塑性樹脂組成
物、並びに(A) 結晶性熱可塑性樹脂に対して(B) 炭
素クラスター 0.1〜2000ppm を添加し、その共存下で30
秒以上加熱溶融混練処理することを特徴とする結晶性熱
可塑性樹脂組成物の製造方法である。
【0004】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明で用いる(A) 結晶性熱可塑性樹脂としては
特に制約はなく、各種の分析手段、例えばX線回折、示
差熱分析等により結晶性を有することが確認できる熱可
塑性樹脂であればいずれでも良く、例えばポリエステ
ル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリアセタール、お
よびポリアリーレンサルファイドなどが挙げられる。ポ
リエステルとしては、構成成分としてテレフタル酸、イ
ソフタル酸、ナフタレンカルボン酸、4,4'−ジフェニル
ジカルボン酸、ジフェニルエーテルカルボン酸、α,β
−ビス(4−カルボキシフェノキシ)エタン、アジピン
酸、セバチン酸、アゼライン酸、デカンジカルボン酸、
ドテカンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、
ダイマー酸等のジカルボン酸又は、それらのエステル形
成誘導体の1種又は2種以上と、エチレングリコール、
プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオ
ール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール、オ
クタンジオール、デカンジオール、シクロヘキサンジメ
タノール、ハイドロキノン、ビスフェノールA、2,2 −
ビス(4'−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、キ
シレングリコール、ポリエチレンエーテルグリコール、
テトラメチレンエーテルグリコール、両末端が水酸基で
ある脂肪族ポリエステルオリゴマー等の1種又は2種以
上から選ばれたグリコール類とから重縮合反応によって
得られるポリエステル樹脂が一般的であり、ホモポリエ
ステル、コポリエステルの何れにてもよい。コポリエス
テルを構成するためのコモノマー成分としては上記以外
に、グリコール酸、ヒドロキシ酸、ヒドロキシ安息香
酸、ヒドロキシフェニル酢酸、ナフチルグリコール酸の
ようなヒドロキシカルボン酸、プロピオラクトン、ブチ
ロラクトン、カプロラクトン、バレロラクトンのような
ラクトン化合物も使用することができ、また熱可塑性を
保持しうる範囲でトリメチロールプロパン、トリメチロ
ールエタン、ペンタエリスリトール、トリメリット酸、
トリメシン酸、ピロメリット酸のような多官能性エステ
ル形成成分を使用した分岐または、架橋構造を有するポ
リエステルであってもよい。また、ジブロモテレフタル
酸、テトラブロモテレフタル酸、テトラクロロテレフタ
ル酸、1,4 −ジメチロールテトラブロモベンゼン、テト
ラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノー
ルAのエチレンまたはプロピレンオキサイド付加物のよ
うな芳香族核にハロゲン化合物を置換基として有し、か
つエステル形成基を有する化合物を用いたハロゲンを有
するポリエステルコポリマーも含まれる。また、高融点
ハードセグメントと低融点ソフトセグメントのブロック
共重合体を構成するポリエステル系エラストマーも使用
することができる。このポリエステル系エラストマーと
して、例えば、アルキレンテレフタレート単位を主体と
するハードセグメントと脂肪族ポリエステルもしくはポ
リエーテルからなるソフトセグメントとのブロック共重
合体が挙げられる。これらのポリエステル成分(A) とし
て1種又は2種以上を混合して使用することができる。
特に好ましいポリエステルとしては、ポリブチレンテレ
フタレート、ポリエチレンテレフタレートおよびこれら
を主たる繰り返し単位とする共重合体であり、共重合体
形成するコモノマー成分としては、特に好ましくはイソ
フタル酸、ビスフェノールA、2,2 −ビス(β−ヒドロ
キシエトキシフェニル)プロパン、2,2 −ビス(β−ヒ
ドロキシエトキシテトラブロモフェニル)プロパン等が
挙げられる。
【0005】ポリオレフィンとしては、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリメチルペンテ
ン、ポリメチルブテンなどのオレフィン単独重合体、プ
ロピレン・エチレンランダム共重合体などのオレフィン
共重合体などを挙げることができ、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリ−1−ブテンが特に好ましい。このよ
うなポリオレフィンは、単独で用いてもよく、2種以上
組み合わせて用いてもよい。
【0006】ポリアミドとしては、ナイロン−6、ナイ
ロン−66、ナイロン−10、ナイロン−12、ナイロン−46
等の脂肪族ポリアミドなどを挙げることができ、ナイロ
ン−6、ナイロン−66が特に好ましい。このようなポリ
アミドは、単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて
用いてもよい。
【0007】ポリアセタールとしては、ポリオキシメチ
レン、ポリアセトアルデヒド、ポリプロピオンアルデヒ
ド、ポリブチルアルデヒドなどを挙げることができ、特
にポリオキシメチレンが好ましい。かかるポリオキシメ
チレンとしては、ポリオキシメチレンホモポリマー、コ
ポリマー、ターポリマー或いはこれらの変性ポリマーの
いずれもが使用できる。このようなポリアセタールは、
単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよ
い。
【0008】ポリアリーレンサルファイドとしては、主
として繰り返し単位-(Ar-S-)-(但し、Arはアリーレン
基)で構成されたものである。アリーレン基(-Ar-)とし
ては、例えば、p−フェニレン基、m−フェニレン基、
o−フェニレン基、置換フェニレン基(ただし置換基は
アルキル基、好ましくはC1〜C5のアルキル基、またはフ
ェニル基)、p,p'−ジフェニレンスルホン基、p,p'−ビ
フェニレン基、p,p'−ジフェニレンエーテル基、p,p'−
ジフェニレンカルボニル基、ナフタレン基などが使用で
きる。この場合、前記のアリーレン基から構成されるア
リーレンサルファイド基の中で、同一の繰り返し単位を
用いたポリマー、即ちホモポリマーを用いることがで
き、また組成物の加工性という点から、異種繰り返し単
位を含んだコポリマーが好ましい場合もある。ホモポリ
マーとしては、アリーレン基としてp−フェニレン基を
用いたp−フェニレンサルファイド基を繰り返し単位と
する実質上線状のものが特に好ましく用いられる。ま
た、コポリマーとしては、前記の、アリーレン基からな
るアリーレンサルファイド基の中で、相異なる2種以上
の組み合わせが使用できるが、中でもp−フェニレンサ
ルファイド基を主とし、m−フェニレンサルファイド基
を含む組み合わせが特に好ましく用いられる。この中で
p−フェニレンサルファイド基を60モル%以上、より好
ましくは70モル%以上含む実質上線状のものが、耐熱
性、成形性、機械物性等の点から適当である。この場
合、成分の繰り返し単位がランダム状のものより、ブロ
ック状に含まれているもの(例えば特開昭61−14228 号
公報に記載のもの)が、加工性が良く、かつ耐熱性、機
械物性も優れており、好ましく使用できる。(A) 成分と
してのポリアリーレンサルファイドは、比較的低分子量
の線状ポリマーを酸化架橋または熱架橋により溶融粘度
を上昇させ、成形加工性を改良したポリマーも使用でき
るが、2官能性モノマーを主体とするモノマーから縮重
合によって得られる実質的に線状構造の高分子ポリマー
を使用することができる。得られる成形物の物性は後者
の実質的に線状構造ポリマーのほうが高く好ましい場合
が多い。また、本発明のポリアリーレンサルファイドと
しては、前記のポリマーの他に、モノマーの一部分とし
て3個以上の官能基を有するモノマーを混合して使用し
て重合した分岐または架橋ポリアリーレンサルファイ
ド、または、これを前記の線状ポリマーにブレンドした
配合樹脂も用いることができ好適である。
【0009】次に、本発明の(B) 炭素クラスターとは、
C60 、C70 、高次フラーレン類およびこれらの混合物で
あり、一般的にフラーレンと称されるものである。フラ
ーレンの一般的な製造方法(化学50巻6号(1995)p.34
7)は、グラファイトや炭化水素を原料とし、レーザー気
化法やアーク放電法などによって発生させる。発生する
ススのなかには炭素、C60 、C70 、高次フラーレン類、
炭化水素などが含まれる。C60 、C70 、高次フラーレン
類を含む炭素ススを抽出したトルエン溶液にカリックス
アレーンを加え、室温で攪拌して沈澱を生成させる。沈
澱物中のC60 の純度が低い場合には、沈澱に新たにトル
エンを加え加熱解離した後、室温にもどして沈澱を再形
成させ純度をあげる。必要に応じてこの再沈澱化を繰り
返すことによって、最終的には高純度 C60・1錯体が得
られる。次にこの沈澱物をクロロホルム中で攪拌すると
C60が黒色沈澱として得られる。再沈澱化によってC60
の純度および収率は向上する。精製は、従来公知の方法
で行うことができ、必要操作が加熱のほか攪拌と濾過だ
けである。本発明の(B) 炭素クラスターとしては、
C60 、C70 、高次フラーレン類およびこれらの混合物で
あっても良く、好ましくは C60/C70 の混合割合が80/
20〜 100/0および0/100 〜20/80のものである。本
発明において、(B) 炭素クラスターの添加量は、(A) 結
晶性熱可塑性樹脂に対して 0.1〜2000ppm である。添加
量が 0.1ppm 未満では結晶化促進効果は得られず、2000
ppm を越えると炭素クラスターの凝集により樹脂の機械
的特性を損なう場合がある。(B) 炭素クラスターの好ま
しい添加量は、1〜1000ppm であり、特に好ましくは5
〜500ppmである。
【0010】次に本発明の樹脂組成物は、その成形物、
物性を損なわない範囲で各種充填剤の添加は可能であ
り、機械的強度、耐熱性、寸法安定性、電気的性質の性
能に優れた成形品を得るためには配合することが好まし
い。これは、目的に応じて繊維状、粒子状、板状または
中空状の充填剤が用いられる。繊維状充填剤としては、
ガラス繊維、アスベスト繊維、カーボン繊維、シリカ繊
維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化硼素
繊維、窒化硅素繊維、硼素繊維、チタン酸カリ繊維、更
にステンレス、アルミニウム、チタン、銅、真鍮等の金
属繊維状物などの無機質繊維状物が挙げられる。特に代
表的な繊維状充填剤はガラス繊維、またはカーボン繊維
である。なお、ポリアミド、フッ素樹脂、アクリル樹脂
などの高融点有機質繊維状物質も使用することができ
る。粒子状充填剤としては、カーボンブラック、シリ
カ、石英粉末、ガラスビーズ、ガラス粉硅酸カルシウ
ム、硅酸アルミニウム、カオリン、タルク、クレー、硅
藻土、ウォラストナイトの如き硅酸塩、酸化鉄、酸化チ
タン、アルミナの如き金属の酸化物、炭酸カルシウム、
炭酸マグネシウムの如き金属の炭酸塩、硫酸カルシウ
ム、硫酸バリウムの如き金属の硫酸塩、その他炭化硅
素、窒化硅素、各種金属粉末等が挙げられる。粒子状充
填剤としては、マイカ、ガラスフレーク、各種金属箔等
が挙げられる。また、中空状充填剤としては、シラスバ
ルーン、金属バルーン、ガラスバルーン等が挙げられ
る。これらの充填剤は、有機シラン、有機ボラン、有機
チタネート等を使用して表面処理を施すことが好まし
い。これらの無機充填剤は1種または2種以上併用する
ことができる。繊維状充填剤、特にガラス繊維またはカ
ーボン繊維と粒子状または板状充填剤は特に機械的強度
と寸法精度、電気的性質等を兼備する上で好ましい組み
合わせである。無機充填剤の添加量は、成分(A)100重量
部に対し 120重量部以下であり、これ以上であると成形
加工性や靭性を害し好ましくない。特に好ましくは70重
量部以下である。
【0011】尚、本発明の目的を逸脱しない範囲で、他
の熱可塑性樹脂、例えばポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化
ビニリデン樹脂、ポリカーボネート系樹脂、天然ゴム、
合成ゴム等の熱可塑性樹脂、或いは難燃剤、酸化防止
剤、紫外線防止剤、滑剤、離型剤、発泡剤、架橋剤、着
色剤等の添加剤を加えても差し支えない。
【0012】本発明組成物の調製方法は種々の公知の方
法で可能である。(A) 結晶性熱可塑性樹脂、(B) 炭素ク
ラスターの混合順序並びにその状態には何ら制限はな
い。本発明の樹脂組成物の好ましい調製方法としては、
ペレット状、ビーズ状、パウダー状などによる(A) 成分
と所望量の(B) 成分の共存下で加熱溶融し、30秒以上混
練処理する方法があげられる。混合方法としては、バン
バリーミキサー、ロール、押出機等の公知の方法を採用
することができる。具体的には、例えば(A) 、(B) 成分
を予めタンブラーまたはヘンシェルミキサーのような混
合機で均一に混合した後、1軸または2軸の押出機に供
給して溶融混練処理し、ペレット状組成物を製造する。
この際、(B) 成分を微細粉砕した粒状物または有機溶剤
に溶解又は分散させた溶液を、一部または全部を粉末状
にした(A) 成分に加えて混合に供してもよい。特に、配
合量の少ない(B) 成分を混合する場合は、有機溶剤に溶
解又は分散させた溶液を一部または全部を粉末状にした
(A) 成分に加えた後、乾燥により溶剤を除去して混合に
供するのが好ましい。配合量の少ない(B) 成分は、この
様な溶液配合法の方が均一に分散し有効である。溶融混
練処理温度は、樹脂成分が溶融する温度より5℃ないし
100℃高い温度であり、特に好ましくは樹脂の融点より
10℃ないし60℃高い温度である。高温過ぎると樹脂の分
解や異常反応を生じ好ましくない。また、混練処理時間
は少なくとも30秒以上15分以内、好ましくは1〜10分で
ある。
【0013】
【実施例】次に、実施例および比較例により本発明をさ
らに具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら
制限されるものではない。尚、結晶性熱可塑性樹脂、炭
素クラスターおよびその他の物質は市販品を使用した。
また、結晶性熱可塑性樹脂組成物の性能評価は次の方法
によった。結晶化速度 得られたペレットを示差走査熱量計(DSC)により一
定速度(10℃/分)で溶融状態から冷却状態にし、融点
ピーク温度(Tm)と結晶化発熱ピーク温度(結晶化温
度:Tc)を測定することにより結晶化速度を評価した。
結晶化温度(Tc)の上昇効果の高いものほど結晶化速度
が速い。 (A) 結晶性熱可塑性樹脂 (A-1) PBT:ポリブチレンテレフタレート樹脂(ポリ
プラスチックス株式会社製、ジュラネックス2000) (A-2) PET:ポリエチレンテレフタレート樹脂(鐘紡
株式会社製、ベルペット EFG-6) (B) 炭素クラスター (B-1) フラーレンC60 (東京化成工業株式会社製 C60
C70=80/20) (B-2) フラーレンC60 (東京化成工業株式会社製 C60
99.9%) (B-3) フラーレンC70 (東京化成工業株式会社製 C70
98%) 実施例1、5 予めベンゼンにフラーレンC60(B-1)を溶かした0.04%フ
ラーレンC60 溶液を作成し、この溶液をポリブチレンテ
レフタレート樹脂(PBT)(A-1) に対するフラーレン
C60 の割合が表1に示す配合量になるように加え、溶剤
を除去後、ヘンシェルミキサーで5分間予備混合した。
これをシリンダー温度 250℃の押出機で溶融混練しペレ
ット化した。得られたペレットを用い、前記の試験方法
により結晶化速度の評価を行った。結果を表1に示す。
【0014】実施例2 実施例1のフラーレンC60(B-1)溶液をフラーレンPure C
60(B-2) 溶液に代え、表1に示す配合量で実施例1と同
様に行った。結果を表1に示す。
【0015】実施例3 実施例1のフラーレンC60(B-1)溶液をフラーレンC70(B-
3)溶液に代え、表1に示す配合量で実施例1と同様に行
った。結果を表1に示す。
【0016】実施例4 実施例1のフラーレンC60(B-1)溶液を微細粉砕したフラ
ーレンC60(B-1)粒状物に代え、表1に示す配合量で実施
例1と同様に行った。結果を表1に示す。
【0017】比較例1 フラーレンを配合しないポリブチレンテレフタレート樹
脂(PBT)(A-1) を同様の方法で評価した。結果を表
1に示す。
【0018】実施例6 実施例1のPBT樹脂(A-1) をポリエチレンテレフタレ
ート樹脂(PET)(A-2) に代え、表1に示す配合量で
実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。 比較例2 フラーレンを配合しないポリエチレンテレフタレート樹
脂(PET)(A-2) を同様の方法で評価した。結果を表
1に示す。
【0019】
【表1】
【0020】
【発明の効果】上記の説明および実施例から明らかな如
く、本発明の結晶性熱可塑性樹脂組成物は機械的特性、
特に成形サイクルに優れた成形品を提供することができ
る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A) 結晶性熱可塑性樹脂に対して(B) 炭素
    クラスター 0.1〜2000ppmを配合したことを特徴とする
    結晶性熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】(A) 結晶性熱可塑性樹脂が、ポリエステル
    樹脂である請求項1記載の結晶性熱可塑性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】(B) 炭素クラスターが、C60 、C70 、高次
    フラーレン類及びこれらの混合物から選ばれたものであ
    る請求項1又は2記載の結晶性熱可塑性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】(A) 結晶性熱可塑性樹脂に対して(B) 炭素
    クラスター 0.1〜2000ppm を添加し、その共存下で30秒
    以上加熱溶融混練処理することを特徴とする結晶性熱可
    塑性樹脂組成物の製造方法。
  5. 【請求項5】(B) 炭素クラスターを有機溶剤に溶解又は
    分散させ、その溶液又は分散液を添加する請求項4記載
    の結晶性熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
JP12362597A 1997-05-14 1997-05-14 結晶性熱可塑性樹脂組成物及びその製造方法 Pending JPH10310709A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12362597A JPH10310709A (ja) 1997-05-14 1997-05-14 結晶性熱可塑性樹脂組成物及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12362597A JPH10310709A (ja) 1997-05-14 1997-05-14 結晶性熱可塑性樹脂組成物及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10310709A true JPH10310709A (ja) 1998-11-24

Family

ID=14865227

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12362597A Pending JPH10310709A (ja) 1997-05-14 1997-05-14 結晶性熱可塑性樹脂組成物及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10310709A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006117760A (ja) * 2004-10-20 2006-05-11 Teijin Ltd ポリエステル系樹脂組成物およびその製造法
JP2006214057A (ja) * 2005-02-07 2006-08-17 Teijin Ltd ポリエステル系繊維およびその製造法
JP2007084720A (ja) * 2005-09-22 2007-04-05 Ntn Corp ナノ粒子配合樹脂組成物
JP2007191645A (ja) * 2006-01-20 2007-08-02 Sanyo Chem Ind Ltd 熱可塑性樹脂用改質剤
US7531209B2 (en) 2005-02-24 2009-05-12 Michael Raymond Ayers Porous films and bodies with enhanced mechanical strength
US7790234B2 (en) 2006-05-31 2010-09-07 Michael Raymond Ayers Low dielectric constant materials prepared from soluble fullerene clusters
US7875315B2 (en) 2006-05-31 2011-01-25 Roskilde Semiconductor Llc Porous inorganic solids for use as low dielectric constant materials
US7883742B2 (en) 2006-05-31 2011-02-08 Roskilde Semiconductor Llc Porous materials derived from polymer composites
US7919188B2 (en) 2006-05-31 2011-04-05 Roskilde Semiconductor Llc Linked periodic networks of alternating carbon and inorganic clusters for use as low dielectric constant materials
US10343972B2 (en) 2014-02-21 2019-07-09 Showa Denko K.K. Fullerene derivative, fluororesin composition, and lubricant

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006117760A (ja) * 2004-10-20 2006-05-11 Teijin Ltd ポリエステル系樹脂組成物およびその製造法
JP4612392B2 (ja) * 2004-10-20 2011-01-12 帝人株式会社 ポリエステル系樹脂組成物およびその製造法
JP2006214057A (ja) * 2005-02-07 2006-08-17 Teijin Ltd ポリエステル系繊維およびその製造法
US7531209B2 (en) 2005-02-24 2009-05-12 Michael Raymond Ayers Porous films and bodies with enhanced mechanical strength
JP2007084720A (ja) * 2005-09-22 2007-04-05 Ntn Corp ナノ粒子配合樹脂組成物
JP2007191645A (ja) * 2006-01-20 2007-08-02 Sanyo Chem Ind Ltd 熱可塑性樹脂用改質剤
US7790234B2 (en) 2006-05-31 2010-09-07 Michael Raymond Ayers Low dielectric constant materials prepared from soluble fullerene clusters
US7875315B2 (en) 2006-05-31 2011-01-25 Roskilde Semiconductor Llc Porous inorganic solids for use as low dielectric constant materials
US7883742B2 (en) 2006-05-31 2011-02-08 Roskilde Semiconductor Llc Porous materials derived from polymer composites
US7919188B2 (en) 2006-05-31 2011-04-05 Roskilde Semiconductor Llc Linked periodic networks of alternating carbon and inorganic clusters for use as low dielectric constant materials
US10343972B2 (en) 2014-02-21 2019-07-09 Showa Denko K.K. Fullerene derivative, fluororesin composition, and lubricant

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH10310709A (ja) 結晶性熱可塑性樹脂組成物及びその製造方法
JP5277513B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物およびその製造方法
JP3320538B2 (ja) 液晶性ポリエステル樹脂組成物
JPS6343425B2 (ja)
WO1992013034A1 (en) Thermoplastic resin composition
JPH028247A (ja) ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物及び光反射用成形品
CN114249910B (zh) 液晶性树脂微粒的制造方法
GB1569345A (en) Reinforced thermoplastic polyester composition having highvoltage breakdown resistance
JPH04100860A (ja) ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物及びその製造法
JP2001026719A (ja) リサイクル樹脂組成物及びその製造方法
GB1592206A (en) Flame-retarded reinforced thermoplastic polyester composition having arc resistance and process for preparing same
JPH0481466A (ja) ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物及びその製造法
JPH11140315A (ja) ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物
JPH01168758A (ja) ポリアミド樹脂組成物
JP2004155855A (ja) メタリック調結晶性樹脂成形品
US4418172A (en) Polyester composition containing 2-methyl-1,3-propylene glycol dibenzoate
JP3083479B2 (ja) ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物
JPH07107130B2 (ja) ポリアリーレンチオエーテル成形用組成物
WO2022153945A1 (ja) 液晶ポリエステル組成物、液晶ポリエステル組成物の製造方法及び射出成形体の製造方法
JP2001234053A (ja) 樹脂組成物
JP2000345016A (ja) 樹脂組成物および成形品ならびにそれらの製造方法
JP3006033B2 (ja) 樹脂組成物
JPH04253733A (ja) ポリオレフィン系樹脂組成物構造体及びその製造法
JPH04259540A (ja) 耐熱性樹脂成形品の製造方法
JPH0762240A (ja) 粉末成形用ポリアリーレンスルフィド樹脂成形材料