JPH10310643A - イソシアネート基含有シリコーン化合物およびイソシアネート基含有化合物 - Google Patents

イソシアネート基含有シリコーン化合物およびイソシアネート基含有化合物

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JPH10310643A
JPH10310643A JP12265697A JP12265697A JPH10310643A JP H10310643 A JPH10310643 A JP H10310643A JP 12265697 A JP12265697 A JP 12265697A JP 12265697 A JP12265697 A JP 12265697A JP H10310643 A JPH10310643 A JP H10310643A
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isocyanate group
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JP12265697A
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English (en)
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Yutaka Furukawa
豊 古川
Masami Kodera
真美 小寺
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AGC Inc
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】常温処理が可能であり、シリコーン化合物の有
する効果が長期に持続する新規な化合物を提供する。 【解決手段】−(CH22 Si(NCO)3 等の式−
(CH2a Si(R13-b (NCO)b で表される
基がケイ素原子に直接結合しているオルガノシロキサン
単位を含むイソシアネート基含有シリコーン化合物およ
びその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なイソシアネ
ート基含有フルオロシリコーン化合物、および新規なイ
ソシアネート基含有化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】シリコーン化合物、特に含フッ素有機ケ
イ素化合物は、その潤滑性、撥水撥油性、耐油・耐薬品
性等の性質により種々の産業分野への応用展開が計られ
ている。このような化合物の例としては、CF32
4 −、C4924 −、C81724 −、CF
336 −、C4936 −、C81736
−等のペルフルオロアルキル基含有基がケイ素原子に直
接結合したオルガノシロキサン単位を有する構造のフル
オロシリコーンオイルが挙げられる。
【0003】しかし、通常のフルオロシリコーンオイル
は反応性基を持っていないため、性能の耐久性に劣る問
題があった。たとえば、樹脂、粉体等に処理した場合に
は、時間の経過とともに表面ににじみだし、性能が低下
し、やがては失われるという問題があった。
【0004】シリコーンオイルの耐久性を改善するため
に、ケイ素原子に直接結合した−(CH2a Si(C
33-b (Y)b [ただし、Yはアルコキシ基等の加
水分解性基、aは1以上の整数、bは1〜3の整数。]
なる加水分解性基を含ませる提案がある。しかし、該加
水分解性基が反応するためには、加熱する必要があり、
被処理物が限定される問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記従来
の問題点を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定
のイソシアネート基含有化合物が上記問題を解決しうる
ことを見いだした。すなわち、本発明は、シロキサン単
位を形成するケイ素原子に下式1で表されるイソシアネ
ート基含有基が直接結合しているオルガノシロキサン単
位(a1 )を含むイソシアネート基含有シリコーン化合
物を提供する。
【0006】ただし、式中の記号は以下の意味を示す。 R1 :1価有機基。 Q1 :単結合または2価有機基。 a:1以上の整数。 b:1、2または3。
【0007】
【化9】 (OCN)b (R13-b Si−Q1 −(CH2a − ・・式1
【0008】また、本発明は、イソシアネート基含有シ
リコーン化合物の製造方法、および、イソシアネート基
含有シリコーン化合物の原料として有用な新規な下式5
で表されるイソシアネート基含有化合物を提供する。
【0009】
【化10】 (OCN)b (R13-b Si−Q2 −CH=CH2 ・・式5
【0010】
【発明の実施の形態】本明細書における「有機基」と
は、炭素原子を含む基をいう。有機基としては、炭化水
素基が好ましい。「炭化水素基」は、芳香族炭化水素基
または脂肪族炭化水素基のいずれでもよいが、脂肪族炭
化水素基が好ましく、特にアルキル基が好ましい。ま
た、本明細書における炭化水素基は、炭素−炭素結合間
にエーテル性の酸素原子を含んでいてもよい。
【0011】本明細書における「2価連結基」として
は、2価有機基、炭素原子を含まない2価の基、また
は、2価原子を示す。2価有機基としては、アルキレン
基が好ましい。また、2価有機基は、アルキレン基の炭
素−炭素結合間または末端炭素原子に、−CO2 −、−
SO2 −、−SO3 −、−NHCO−、−NRCO−
(Rは低級アルキル基)、エーテル性の酸素原子(−O
−)、チオエーテル性のイオウ原子(−S−)等が挿入
した基または結合した基であってもよい。炭素原子を含
まない2価の基としては、−SO2 −、−SO3 −、等
の基が好ましい。2価原子としては、−S−または−O
−が好ましい。
【0012】また、本明細書における「シリコーン化合
物」はシロキサン結合(Si−O−Si)を1個以上含
む化合物である。また、シロキサン単位は、シリコーン
化合物を形成するシロキサン結合のケイ素原子に1価原
子または1価の基が結合した単位をいう。また、シロキ
サン単位はSiO4/2 単位のようにケイ素原子に結合す
る基の全てが−OSi≡であってもよい。シロキサン単
位のうち、シロキサン単位を形成するケイ素原子に有機
基が直接結合しているものをオルガノシロキサン単位と
いう。
【0013】本発明におけるイソシアネート基含有シリ
コーン化合物は、式1で表されるイソシアネート含有基
[以下、イソシアネート含有基(式1)のように記載す
る。他の化合物や基においても同様である。]がケイ素
原子に直接結合しているオルガノシロキサン単位(a
1 )を含む化合物である。
【0014】イソシアネート含有基(式1)におけるR
1 は1価有機基を示す。R1 は、以下に説明するイソシ
アネート基含有基(式1)または含フッ素有機基(式
2)であってもよいが、これらの基以外の基(以下、
「他の1価有機基」と記す。)であるのが好ましい。
【0015】他の1価有機基としては1価炭化水素基が
好ましく、特にアルキル基が好ましく、とりわけメチル
基が好ましい。アルキル基の炭素原子数は1〜10が好
ましく、特に1〜4が好ましく、とりわけ1(すなわち
メチル基)であるのが好ましい。また、アルキル基は、
直鎖の構造が好ましい。R1 以外の基においても同様で
ある。
【0016】イソシアネート含有基(式1)におけるQ
1 は、単結合が好ましい。aは2〜5の整数が好まし
く、特に2または3が好ましい。bは2または3が好ま
しく、特に3が好ましい。
【0017】イソシアネート基含有基(式1)の具体例
を挙げる。 (OCN)3 Si(CH22 −、 (OCN)2 (CH3 )Si(CH22 −、 (OCN)(CH32 Si(CH22 −、 (OCN)2 (CH3 )Si(CH23 −、 (OCN)3 Si(CH24 −。
【0018】オルガノシロキサン単位(a1 )は、シロ
キサン単位を形成するケイ素原子にイソシアネート基含
有基(式1)が直接結合しているオルガノシロキサン単
位である。オルガノシロキサン単位(a1 )としては、
(R10)(A1 )SiO2/2、(A12 SiO2/2
(A1 )SiO3/2 、(A13 SiO1/2 、(R10
2 (A1 )SiO1/2 、(R10)(A12 SiO1/2
[ただし、A1 はイソシアネート基含有基(式1)を示
し、R10は、同一であっても異なっていてもよく、それ
ぞれ独立に1価有機基を示す。]が挙げられる。1価有
機基(R10)としては、他の1価有機基が好ましい。
【0019】本発明のイソシアネート基含有シリコーン
化合物は、上記オルガノシロキサン単位(a1 )のみか
らなる化合物であってもよいが、他のオルガノシロキサ
ン単位を含むのが好ましい。他のオルガノシロキサン単
位としては、シロキサン単位を形成するケイ素原子に含
フッ素有機基(式2)が直接結合しているオルガノシロ
キサン単位(a2 )が好ましい。すなわち、本発明のイ
ソシアネート基含有シリコーン化合物としては、オルガ
ノシロキサン単位(a1 )、および、オルガノシロキサ
ン単位(a2 )、を含むイソシアネート基含有フルオロ
シリコーン化合物が好ましい。
【0020】ただし、式中の記号は以下の意味を示す。 Rf :エーテル性の酸素原子を含んでいてもよい1価ポ
リフルオロ炭化水素基。 X:2価連結基。
【0021】Rf −X− ・・式2 含フッ素有機基(式2)におけるRf は、エーテル性の
酸素原子を含んでいてもよい1価ポリフルオロ炭化水素
基を示す。本明細書における「エーテル性の酸素原子を
含んでいてもよい1価ポリフルオロ炭化水素基」とは、
エーテル性の酸素原子を含んでいてもよい1価炭化水素
基の水素原子の2個以上がフッ素原子に置換された基を
いい、ポリフルオロアルキル基が好ましい。1価ポリフ
ルオロアルキル基は、エーテル性の酸素原子を含んでい
てもよい。なお、以下においてエーテル性の酸素原子を
含んでいてもよい1価ポリフルオロ炭化水素基を「Rf
基」と記す。
【0022】Rf 基中に存在するフッ素原子の割合は、
(Rf 基中のフッ素原子数)/[Rf 中に対応する同一
炭素原子数の(エーテル性の酸素原子を含んでいてもよ
い)炭化水素基中の水素原子数]×100(%)で表現
した場合に60%以上であるのが好ましく、特には80
%以上が好ましく、さらには実質的に100%である場
合、すなわち炭化水素基の水素原子の実質的に全てがフ
ッ素原子に置換された「ペルフルオロ炭化水素基」であ
るのが好ましい。ペルフルオロ炭化水素基も、エーテル
性の酸素原子を含んでいてもよい。
【0023】また、Rf 基は、直鎖、分岐のいずれの構
造であってもよく、直鎖の構造が特に好ましい。分岐の
構造である場合には、分岐部分の炭素原子数1〜3程度
の短鎖であるのが好ましく、分岐部分がRf 基の末端部
分に存在している構造が好ましい。Rf 基の炭素数は1
〜18が好ましく、特に4〜12が好ましい。
【0024】さらに、式2におけるRf は、ペルフルオ
ロアルキル基が好ましい。ペルフルオロアルキル基もエ
ーテル性の酸素原子を含んでいてもよい。ペルフルオロ
アルキル基の炭素数は1〜18が好ましく、特に4〜1
2が好ましい。
【0025】Rf 基の具体例としては、以下に示す例が
挙げられる。なお、以下の具体例中には、それぞれの構
造異性の基に相当する基も含まれる。エーテル性の酸素
原子を含まない場合のRf 基の具体例。 C49 −{ただし、CF3 (CF23 −、(CF
32 CFCF2 −、(CF33 C−、CF3 CF2
CF(CF3 )−等の構造異性の基を含む}、C511
−{ただし、CF3 (CF24 −、(CF32 CF
(CF22 −、(CF33 CCF2 −、CF3 (C
22 CF(CF3 )−等の構造異性の基を含む}、
613−{ただし、CF3 (CF22 C(CF3
2 −等の構造異性の基を含む}、C817−、C1021
−、C1225−、C1429−、C1633−、C18
37−、C2041−、(CF32 CF(CF2s
(sは0または1以上の整数)、HCt2t−(tは0
または1以上の整数)。
【0026】エーテル性の酸素原子を含む場合のRf
としては、ポリフルオロオキシアルキレン部分を含む基
が好ましく、特にペルフルオロオキシアルキレン部分を
含む基が好ましく、とりわけ、ペルフルオロオキシアル
キレン部分を含み、かつ、末端がペルフルオロアルキル
基である基が好ましい。該ペルフルオロオキシアルキレ
ンとしては、ペルフルオロオキシメチレン、ペルフルオ
ロオキシエチレン、ペルフルオロオキシプロピレン、ペ
ルフルオロオキシブチレン等が挙げられる。
【0027】エーテル性の酸素原子を含む場合のRf
の具体例としては、以下に示す例が挙げられる。下式中
のu、y、v、wは、それぞれ1以上の整数を示し、2
以上の整数が好ましい。なお、以下の具体例中には、そ
れぞれの構造異性の基に相当する基も含まれる。
【0028】
【化11】CF3 (CF24 OCF(CF3 )−、 F[CF(CF3 )CF2 O]u CF(CF3 )CF2
CF2 −、 F[CF(CF3 )CF2 O]y CF(CF3 )−、 F(CF2 CF2 CF2 O)v CF2 CF2 − F(CF2 CF2 O)w CF2 CF2 −。
【0029】また、含フッ素有機基(式2)中のXは、
2価連結基を示し、2価有機基が好ましく、エーテル性
の酸素原子を含んでいてもよい2価炭化水素基が特に好
ましい。さらにXは、エーテル性の酸素原子を含まない
2価炭化水素基が好ましく、アルキレン基が特に好まし
い。アルキレン基は直鎖または分岐のいずれの構造であ
ってもよいが、−(CH2i −(ここで、iは1〜2
0の整数、好ましくは3〜10の整数である。)で表さ
れる直鎖のアルキレン基が特に好ましい。分岐の構造で
ある場合には、分岐部分の炭素原子数が1〜3程度の短
鎖のものが好ましい。一方、エーテル性の酸素原子を含
む2価炭化水素基としては、アルキレン基の炭素−炭素
結合の1か所にエーテル性の酸素原子が挿入された基が
好ましい。
【0030】含フッ素有機基(式2)は、下式2a、下
式2b、または下式2cで表される含フッ素有機基であ
るのが好ましい。ただし、式2a、式2b、および式2
c中の記号は、下記の意味を示す。 Rf1、Rf3:それぞれ独立に、エーテル性の酸素原子を
含まない1価ポリフルオロ炭化水素基。 Rf2:エーテル性の酸素原子を含む1価ポリフルオロ炭
化水素基。 X1 、X2 、X3 、X4 、およびX5 :それぞれ独立
に、エーテル性の酸素原子を含まない2価炭化水素基。
【0031】Rf1−X1 − ・・式2a Rf2−X2 −O−X3 − ・・式2b Rf3−X4 −O−X5 − ・・式2c
【0032】Rf1、Rf2、Rf3は、それぞれ、上記のR
f 基の好ましい態様として説明した基が好ましい。X
1 、X2 、X3 、X4 、およびX5 は、それぞれ独立
に、−(CH2h −(ここで、hは1〜10の整数)
であるのが好ましく、X1 、X3、およびX5 は、それ
ぞれ3または4が好ましく、X2 およびX4 は、それぞ
れ2、3または4が好ましい。
【0033】さらに、含フッ素有機基(式2)は、下式
2a’、下式2b’、または下式2c’で表される含フ
ッ素有機基であるのが特に好ましい。ただし、式2
a’、式2b’、および式2c’中の記号は、下記の意
味を示す。 d、g:それぞれ独立に1〜18の整数。dは4〜12
の整数が好ましく、6〜12の整数が特に好ましく、g
は4〜12の整数が好ましい。また、式2a’、式2
c’中のペルフルオロアルキル基は直鎖構造であるのが
好ましい。 e:1〜10の整数、好ましくは1〜5の整数。 X1 、X2 、X3 、X4 、X5 :上記と同じ意味。
【0034】
【化12】 Cd2d+1−X1 − ・・式2a’ F[CF(CF3 )CF2 O]e CF(CF3 )−X2 −O−X3 − ・・式2b’ Cg2g+1−X4 −O−X5 − ・・式2c’
【0035】式2aの具体例を挙げる。なお、以下の式
中のペルフルオロアルキル基の構造は直鎖構造または分
岐構造を示し、直鎖構造であるのが好ましい。 C49 −(CH22 −、 C49 −(CH23 −、 C49 −(CH24 −、 C511−(CH22 −、 C511−(CH23 −、 C613−(CH22 −、 C817−(CH22 −、 C817−(CH23 −、 C817−(CH24 −、 C919−(CH22 −、 C919−(CH23 −、 C1021−(CH22 −。
【0036】式2bの具体例を挙げる。 F[CF(CF3 )CF2 O]2 CF(CF3 )CH2 O(CH23 −、 F[CF(CF3 )CF2 O]3 CF(CF3 )CH2 O(CH23 −、 F[CF(CF3 )CF2 O]4 CF(CF3 )CH2 O(CH23 −、 F(CF2 CF2 CF2 O)2 CF2 CF2 CH2 O(CH23 −。
【0037】式2cの具体例を挙げる。ただし、下式中
のペルフルオロアルキル基は、直鎖構造または分岐構造
を示し、直鎖構造であるのが好ましい。 C49 −(CH22 −O−(CH23 −、 C613−(CH22 −O−(CH23 −、 C817−(CH22 −O−(CH23 −、 C817−(CH23 −O−(CH23 −。
【0038】本発明におけるオルガノシロキサン単位
(a2 )としては、(R10)(A2 )SiO2/2 、(A
22 SiO2/2 、(A2 )SiO3/2 、(A23
iO1/2 、(R102 (A2 )SiO1/2 、(R10
(A22 SiO1/2 [ただし、A2 は含フッ素有機基
(式2)を示し、R10は同一であっても異なっていても
よく、それぞれ独立に1価有機基を示す。]が挙げられ
る。1価有機基(R10)としては他の1価有機基が好ま
しい。
【0039】イソシアネート基含有フルオロシリコーン
化合物中のオルガノシロキサン単位(a1 )とオルガノ
シロキサン単位(a2 )とのモル比は、オルガノシロキ
サン単位(a1 )/オルガノシロキサン単位(a2 )が
1/100〜1/1であるのが好ましく、1/20〜1
/1が特に好ましい。
【0040】さらに、本発明のイソシアネート基含有シ
リコーン化合物は、オルガノシロキサン単位(a1 )お
よびオルガノシロキサン単位(a2 )以外の他のオルガ
ノシロキサン単位(a3 )を含むのが好ましい。オルガ
ノシロキサン単位(a3 )は、イソシアネート基含有基
(式1)および含フッ素有機基(式2)以外の他の1価
有機基のみがケイ素原子に結合したオルガノシロキサン
単位である。
【0041】オルガノシロキサン単位(a3 )としては
(R112 SiO2/2 、(R11)SiO3/2 、(R11
3 SiO1/2 等が挙げられる(ただし、式中のR11は、
同一であっても異なっていてもよく、他の1価有機基を
示し、メチル基が好ましい。)。オルガノシロキサン単
位(a3 )の量は、イソシアネート基含有シリコーン化
合物中のオルガノシロキサン単位(a1 )のモル数に対
して2〜10倍モル数が好ましい。
【0042】本発明のイソシアネート基含有シリコーン
化合物のオルガノシロキサン単位は、直鎖状または分岐
状に連なるのが好ましく、特に直鎖状に連なるのが好ま
しい。また、イソシアネート基含有シリコーン化合物が
分岐の構造である場合には、SiO4/2 単位を含んでい
てもよい。また、種類の異なるシロキサン単位を含む場
合には、ブロック重合体、またはランダム重合体のいず
れであってもよい。
【0043】本発明のイソシアネート基含有シリコーン
化合物としては、以下に記す直鎖状イソシアネート基含
有フルオロシリコーン化合物が好ましく、特に下式3で
表されるイソシアネート基含有フルオロシリコーン化合
物が好ましい。
【0044】ただし、下式中の記号は以下の意味を示
し、式中のオルガノシロキサン単位の連なり方は、ブロ
ック状またはランダム状のいずれであってもよい。 A1 :式1で表されるイソシアネート基含有基。 A2 :式2で表される含フッ素有機基。 R10:同一であっても異なっていてもよく、それぞれ独
立に1価有機基。 n、m:それぞれ独立に1以上の整数。 k:0以上の整数。
【0045】
【化13】 (R10)3SiO・[Si(A2)(R10)O]n・[Si(A1)(R10)O]m・[Si(R10)2O]k・Si(R10)3 ・・式3、 (R10)2(A1)SiO・[Si(A2)(R10)O]n・[Si(R10)2O]k・Si(A1)(R10)2 、 (R10)2(A2)SiO・[Si(A1)(R10)O]m・[Si(R10)2O]k・Si(A1)(R10)2 、 (R10)3SiO・[Si(A2)(A1)O]n・[Si(R10)2O]k・Si(R10)3、 (R10)2(A2)SiO・[Si(A1)(R10)O]m・[Si(R10)2O]k・Si(R10)3 、 (R10)2(A1)SiO・[Si(A2)(R10)O]m・[Si(R10)2O]k・Si(R10)3 、 (R10)2(A2)SiO・[Si(R10)2O]k・Si(R10)2(A1) 。
【0046】また、上記のイソシアネート基含有フルオ
ロシリコーン化合物の表記は、オルガノシロキサン単位
がブロック状に連なるブロック重合体、ランダム状に連
なるランダム重合体のいずれの場合も含むものとする。
他の化合物の表記についても同じである。
【0047】上記の直鎖状イソシアネート基含有フルオ
ロシリコーン化合物におけるR10は、他の1価有機基で
ある場合が好ましく、特にメチル基であるのが好まし
い。kは0〜50が好ましく、特に2〜30が好まし
い。mは1〜10が好ましく、特に1〜5が好ましい。
nは1〜100が好ましく、特に5〜80が好ましい。
なお、kが0である場合のオルガノシロキサン単位は、
存在しないことを意味する。kとmとnとの比はフッ素
含有量によって適宜変更されうるが、好ましくは(10
〜2)/1/(100〜1)であり、特には(5〜3)
/1/(20〜1)が好ましい。さらに、本発明のイソ
シアネート基含有フルオロシリコーン化合物は常温で流
動することが好ましいため、その分子量は1×102
1×106 程度が好ましく、特に1×102 〜1×10
3 が好ましい。
【0048】イソシアネート基含有フルオロシリコーン
化合物の具体例としては、下記化合物が挙げられる。た
だし、下式中、A21は、−(CH23 OCH2 CF
(CF 3 )[OCF2 CF(CF2 )]3 Fを示す。
【0049】
【化14】(CH3)3SiO・{Si[(CH2)2(CF2)7CF3](CH3)O]5
[Si(CH3)2O]45・・{Si[(CH2)2Si(NCO)3](CH3)O}・Si(C
H3)3、 {(OCN)3Si(CH2)2}(CH3)2SiO・{Si[(CH2)3(CF2)7CF3](C
H3)O}5・・[Si(CH3)2O]45・Si(CH3)2{(CH2)2Si(NCO)3} 、 (CH3)3SiO・[Si(A21)(CH3)O]5・[Si(CH3)2O]4・・{Si[(CH2)
2Si(NCO)3](CH3)O}・Si(CH3)3、 {(OCN)3Si(CH2)2}(CH3)2SiO・[Si(A21)(CH3)O]5・・[Si(CH
3)2O]45・Si(CH3)2{(CH2)2Si(NCO)3} 、 (CH3)3SiO・{Si[(CH2)3O(CF2)7CF3](CH3)O]5・・[Si(CH3)2
O]45・{Si[(CH2)2Si(NCO)3](CH3)O}・Si(CH3)3、 {(OCN)3Si(CH2)2}(CH3)2SiO・{Si[(CH2)3O(CF2)7CF3](CH
3)O}5・・[Si(CH3)2O]45・Si(CH3)2{(CH2)2Si(NCO)3} 。
【0050】本発明のイソシアネート基含有シリコーン
化合物は、常温で反応性のイソシアネート基含有基を有
することから、常温での適用が必要な種々の用途に用い
て、シリコーン化合物に基づく効果を付与でき、かつ、
その効果が耐久性に優れる利点がある。特にイソシアネ
ート基含有フルオロシリコーン化合物は、シリコーン化
合物に基づく性能と、含フッ素有機基に基づく性能を発
揮しうる化合物である。さらに、本発明のイソシアネー
ト基含有シリコーン化合物を被処理物表面に処理した場
合には、含フッ素有機基に基づく種々の性能とともに、
表面に付着した液体が転がり落ちやすくなる性質が付与
される利点もある。
【0051】本発明のイソシアネート基含有フルオロシ
リコーン化合物の製造方法としては、以下の方法1また
は2が好ましい。
【0052】[方法1]シロキサン単位を形成するケイ
素原子に水素原子が直接結合しているシロキサン単位
(aH )を2単位以上含むヒドロシリコーン化合物[以
下、ヒドロシリコーン化合物(H1 )と記す。]に下式
5で表されるイソシアネート基含有化合物と下式6で表
される化合物とを付加反応させることを特徴とするイソ
シアネート基含有フルオロシリコーン化合物の製造方
法。
【0053】ただし、式中の記号は、以下の意味を示
す。 R1 :1価有機基。 Q2 :単結合または2価連結基。 b:1、2または3。 Rf :エーテル性の酸素原子を含んでいてもよい1価ポ
リフルオロ炭化水素基。 X6 :単結合または2価連結基。 R20:同一であっても異なっていてもよく、それぞれ独
立に水素原子または1価有機基。
【0054】
【化15】 (OCN)b (R13-b Si−Q2 −CH=CH2 ・・式5 Rf −X6 −CR2020CR20 =CR2020 ・・式6
【0055】ヒドロシリコーン化合物(H1 )中のヒド
ロシロキサン単位(aH )としては、(R10)HSiO
2/2 、H2 SiO2/2 、HSiO3/2 、H3 SiO
1/2 、(R102 HSiO1/2 、(R10)H2 SiO
1/2 が挙げられる(ただし、R10は1価有機基を示し、
他の1価有機基が好ましい。)。
【0056】イソシアネート基含有化合物(式5)のR
1 、bは、式1におけるものと同じ意味を示し、好まし
い態様も同一である。また、Q2 は単結合または−(C
2n −(nは1〜10の整数であり、2〜4の整数
が好ましい。)が好ましく、特に単結合または−CH2
−が好ましい。
【0057】イソシアネート基含有化合物(式5)の具
体例としては、下記化合物が挙げられる。 (OCN)3 SiCH=CH2 、 (OCN)2 (CH3 )SiCH=CH2 、 (OCN)(CH32 SiCH=CH2 、 (OCN)3 SiCH2 CH=CH2 、 (OCN)2 (CH3 )SiCH2 CH=CH2 、 (OCN)(CH32 SiCH2 CH=CH2 、 (OCN)3 SiCH2 CH2 CH=CH2
【0058】また、化合物(式6)におけるX6 は、単
結合または−(CH2n −(nは1〜10の整数であ
り、2〜4の整数が好ましい。)が好ましく、特に単結
合または−CH2 −が好ましい。R20は、式中の基が全
て同一であっても異なっていてもよく、水素原子が好ま
しい。R20が1価有機基である場合には、メチル基が好
ましい。
【0059】式6で表される化合物の具体例としては、
下記化合物が挙げられる。ただし、下式中のペルフルオ
ロアルキル基は直鎖構造または分岐構造のいずれであっ
てもよく、直鎖構造が好ましい。 C613CH2 CH=CH2 、 C613CH2 CH=CHCH3 、 C817CH2 CH=CH2 、 C817CH2 CH2 CH=CH2 、 C613OCH2 CH=CH2 、 C817OCH2 CH=CH2 、 C817CH2 CH=CHCH3 、 C919CH2 CH=CH2 、 C1021CH2 CH=CH2 、 C1225CH2 CH=CH2
【0060】方法1におけるヒドロシリコーン化合物
(H1 )にイソシアネート基含有化合物(式5)と化合
物(式6)とを付加反応させると、ヒドロシリル基(S
i−H)への付加反応(ヒドロシリル化反応)が起こ
る。反応条件は、通常のヒドロシリル化反応の条件によ
ればよく、たとえば、白金、パラジウム等の貴金属触媒
の存在下に80〜90℃で反応させればよい。
【0061】方法1におけるヒドロシリコーン化合物
は、目的化合物の構造により適宜選択すればよく、下式
4で表される化合物が好ましい。式4中のR10、n、
m、kの意味は式3における意味と同じであり、好まし
い態様も式3におけるものと同じである。
【0062】
【化16】 (R10)3SiO・[SiH(R10)]n+m・[Si(R10)2]k・Si(R10)3・・式4
【0063】方法1により合成されるイソシアネート基
含有フルオロシリコーン化合物(B1 )としては、下記
化合物が挙げられ、これらのうち、式4で表される化合
物を原料として化合物(式6)のR20が全て水素原子で
あるものを用いた場合の主生成物である下式8aで表さ
れる化合物が好ましい。
【0064】ただし、下式中の記号は以下の意味を示
す。 R10、n、m、k:式3における意味と同じ意味。 A5a:式5aで表される基。 A6a:式6aで表される基。 R1 、Q2 、b:式5における意味と同じ意味。 R5 、X6 :式6における意味と同じ意味。
【0065】
【化17】 (R10)3SiO・[Si(A5a)(R10)]n・[Si(A6a)(R10)]m・ ・[Si(R10)2]k・Si(R10)3 ・・式8a (OCN)b (R13-b Si−Q2 −CH2 CH2 −・・式5a Rf −X6 −CH2 CH2 CH2 − ・・式6a
【0066】[方法2]シロキサン単位を形成するケイ
素原子に水素原子が直接結合しているシロキサン単位
(aH )、および、シロキサン単位を形成するケイ素原
子に下式2で表される含フッ素有機基が直接結合してい
るオルガノシロキサン単位(a2 )、を含むヒドロシリ
コーン化合物[以下ヒドロシリコーン化合物(H2 )と
記す。]に、下式5で表されるイソシアネート基含有化
合物を付加反応させることを特徴とするイソシアネート
基含有フルオロシリコーン化合物の製造方法。
【0067】方法2におけるヒドロシロキサン単位(a
H )は、方法1におけるヒドロシロキサン単位(aH
と同じである。また、方法2におけるオルガノシロキサ
ン単位(a2 )は、イソシアネート基含有フルオロシリ
コーン化合物におけるオルガノシロキサン単位(a2
と同じである。
【0068】ヒドロシロキサン単位(aH )およびオル
ガノシロキサン単位(a2 )とを含むヒドロシリコーン
化合物(H2 )としては、直鎖構造の化合物であるのが
好ましく、特に下式7aで表される化合物が好ましい。
ただし、式中のA2 、R10、n、m、kは、式3におけ
る意味と同じ意味を示す。
【0069】
【化18】 (R10)3SiO・(SiHR10)n・[Si(A2)(R10)]m・[Si(R10)2]k・Si(R10)3 ・・・式7a
【0070】ヒドロシリコーン化合物(H2 )は、含フ
ッ素有機基(式1)が結合した環状トリシロキサン、お
よび必要に応じて他の有機基が結合した環状ポリシロキ
サンとを、ジシロキサンとともに共重合する方法(特開
平8−302020)により製造できる。
【0071】イソシアネート基含有化合物(式5)は、
方法1で使用したものと同じ化合物である。ヒドロシリ
コーン化合物(H2 )とイソシアネート基含有化合物
(式5)との付加反応においてもヒドロシリル化がおこ
る。方法2におけるヒドロシリル化の反応条件も、通常
のヒドロシリル化反応の条件が採用できる。
【0072】方法2により生成するイソシアネート基含
有フルオロシリコーン化合物としては、式7aで表され
る化合物を原料として反応させた場合に生成する下式8
bで表される化合物が好ましい。
【0073】ただし、式中の記号は、以下の意味を示
す。 R10、n、m、k、A1 :式3における意味と同じ意味
を示す。 A5a:式4aにおける意味と同じ意味。
【0074】
【化19】 (R10)3SiO・[Si(A5a)R10]n・[Si(A1)(R10)]m・[Si(R10)2]k・Si(R10)3 ・・式8b
【0075】イソシアネート基含有フルオロシリコーン
化合物の製造方法としては、ヒドロシリル化反応工程の
みを採用する方法1が反応操作が効率的であり、原料の
入手も容易であることから好ましい。方法2において
は、ヒドロシリコーン化合物(H2 )を共重合反応によ
り得ようとすると、共重合反応後に後処理が必要であ
り、反応操作が煩雑である問題がある。また、共重合反
応は反応蒸留法で行うため、ヒドロシリコーン化合物中
の含フッ素有機基が炭素原子数の多いものは沸点が高い
ことから合成が難しく、収率がきわめて低くなる問題も
ある。したがって、ヒドロシリコーン化合物(H2 )は
ヒドロシリル化反応で合成するのが好ましい。
【0076】イソシアネート基含有化合物(式5)は新
規化合物であり、下式5bで表される化合物と下式5c
で表される化合物とを反応させることによって合成でき
る。ただし、下式中の記号は、式5における意味と同じ
意味し、X7 はハロゲン原子を示す。
【0077】
【化20】 (X7b (R23-b Si−Q2 −CH=CH2 ・・式5b Na(NCO)b ・・式5c
【0078】イソシアネート基含有化合物は、本発明の
イソシアネート含有シリコーン化合物の原料に限定され
ず、種々の機能性材料原料として用いうる有用な化合物
である。
【0079】
【実施例】
[例1]撹拌器、温度計を備えた200ccの4つ口フ
ラスコを、充分に窒素置換し、オイル状の下式9で表さ
れるヒドロシリコーン(ただし、化合物(式9)はラン
ダム重合体。)を100g入れた。温度を90℃に昇温
した後、CF3 (CF27 CH2 CH=CH2 23
0.8gに塩化白金酸を白金として2ppmになるよう
に溶解したものを滴下ロートから滴下した。反応の進行
とともに、内温の10℃程度の上昇が観察された。1時
間撹拌後、CH2 =CHSi(NCO)3 を10.0g
滴下した。H−Si(2150cm-1)の消失をIRス
ペクトルにより確認後、4時間後に反応を停止した。活
性炭0. 5gを入れ室温で1時間撹拌後、濾過し、透明
なオイルを得た。得られた生成物はNMR、IRにより
分析した結果、式9aで表される構造(ただし、化合物
(式9a)はランダム重合体。)であることを確認し
た。
【0080】式9aの同定データ:1HNMR(CDCl3,TMS)δ
(ppm):0.43〜 0.51(m,SiCH2),1.52(tt,Si-C-CH2), 2.19
〜2.46(m,Si-C-C-CH2).19 FNMR(CDCl3,CFCl3) δ(ppm):-81.7(CF 3 ),-115.1(CF 2 C
F3),-126.9(CH2CF 2 ),-122.5 〜-124.1(CF 2 ).
【0081】
【化21】 (CH3)3SiO・[SiH(CH3)O]20・[Si(CH3)2O]30・Si(CH3)3 ・・式9 (CH3)3SiO・{Si[(CH2)3(CF2)7CF3](CH3)O}18・{Si[CH2CH2Si(NCO)3](CH3)O}2・ ・[Si(CH3)2O]30・Si(CH3)3 ・・式9a
【0082】[例2]例1のCF3 (CF27 CH2
CH=CH2 のかわりにCF3 (CF27CH2 CH2
CH=CH2 237gを用いること以外は例1と同様
に反応させ透明なオイルを得た。得られた生成物を同様
に分析した結果、下式9bで表される構造(ただし、化
合物(式9b)はランダム重合体。)であることを確認
した。
【0083】
【化22】 (CH3)3SiO・{Si[(CH2)4(CF2)7CF3](CH3)O}18・{Si[CH2CH2Si(NCO)3](CH3)O}2・ ・[Si(CH3)2O]30・Si(CH3)3 ・・式9b
【0084】[例3]例1のCF3 (CF27 CH2
CH=CH2 のかわりにCF3 (CF27CH2 OC
2 CH=CH2 261gを用いること以外は例1と同
様に反応させ透明なオイルを得た。得られた生成物を同
様に分析した結果、下式9cで表される構造(ただし、
化合物(式9c)はランダム重合体。)であることを確
認した。
【0085】
【化23】 (CH3)3SiO・{Si[(CH2)3OCH2(CF2)7CF3](CH3)O}18・ ・{Si[CH2CH2Si(NCO)3](CH3)O}2・[Si(CH3)2O]30・Si(CH3)3 ・・式9c
【0086】[例4]例1のCF3 (CF27 CH2
CH=CH2 のかわりにF[CF(CF3 )CF2 O]
2 CF(CF3 )CH2 OCH2 CH=CH2 261g
を用いること以外は例1と同様に反応させ透明なオイル
を得た。得られた生成物を同様に分析した結果、下式9
dで表される構造(ただし、化合物(式9d)はランダ
ム重合体。)であることを確認した。
【0087】
【化24】 (CH3)3SiO・{Si[(CH2)3OCH2CF(CF3)(OCF2CF(CF3))2F](CH3)O}18・ ・{Si[CH2CH2Si(NCO)3](CH3)O}2・[Si(CH3)2O]30・Si(CH3)3 ・・式9d
【0088】[例5]撹拌器、温度計を備えた100c
cの3つ口フラスコを、充分に窒素置換し、(CH3
3 SiOSi(CH33 を5g、ヒドロシリル基を含
有する環状テトラシロキサン[SiH(CH3 )O]4
を3.7g、含フッ素環状トリシロキサン{Si[(C
22 (CF23 CF3 ](CH3 )O}3 を7
5.4g入れた。
【0089】50℃に昇温後、トリフルオロメタンスル
ホン酸40mgを入れた。5時間後ガスクロマトグラフ
ィによりモノマ−の消失が確認されたので、NaHCO
3 を0. 4g入れ反応を停止した。1時間撹拌後、濾過
し、透明なオイルを得た。得られた生成物はNMR、I
Rにより分析した結果、下式10(ただし、化合物(式
10)はランダム重合体。)で表される構造であること
を確認した。
【0090】次に、撹拌器、温度計を備えた100cc
の3つ口フラスコを、充分に窒素置換し、上記オイルを
100g入れた。温度を90℃に昇温した後、CH2
CHSi(NCO)3 13.4gに塩化白金酸を白金と
して2ppmになるように溶解したものを、このオイル
に滴下した。H−Siの消失をIRにより確認後、1時
間後に反応を停止した。活性炭0.5gを入れ室温で1
時間撹拌後、濾過し、透明なオイルを得た。得られた生
成物はNMR、IRにより分析した結果、下式10a
(ただし、化合物(式10a)はランダム重合体。)で
表される構造であることを確認した。
【0091】
【化25】 (CH3)3SiO・[SiH(CH3)O]2・ ・{Si(CH3)[(CH2)2(CF2)3CF3]O}8・Si(CH3)3・・式10 (CH3)3SiO・{Si[CH2CH2Si(NCO)3](CH3)O}2・ ・{Si(CH3)[(CH2)2(CF2)3CF3]O}8・Si(CH3)3・・式10a
【0092】[例6]CH2 =CHSi(NCO)3
例 撹拌器、温度計を備えた1リットルの4つ口フラスコ
を、充分に窒素置換し、300gのテトラヒドロフラン
と195gのNaNCOを入れた。滴下ロートからCH
2 =CHSiCl3 163.1gを温度が50℃以下に
保たれるようにゆっくり滴下した。滴下終了後、1時間
撹拌した。反応終了後、濾過し、蒸留することによりC
2 =CHSi(NCO)3 を得た(収率85.7
%)。生成物のNMRおよびIRスペクトルを測定し、
構造を確認した。 IR:Si−NCO(2260cm-1)。1 HNMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):5.2 〜5.4(m,-CH=C,1H),5.7
〜6.2(m,-C=CH2,2H).
【0093】
【発明の効果】本発明のイソシアネート基含有シリコー
ン化合物は、新規化合物であり、常温で処理した場合に
もシリコーン化合物に由来する優れた性能を長期にわた
って持続しうる優れた化合物である。該化合物は繊維ガ
ラス、金属、セラミックス、皮革等の基材に適用する表
面処理剤、樹脂添加剤、塗料添加剤、乳化剤等として有
用な化合物である。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シロキサン単位を形成するケイ素原子に下
    式1で表されるイソシアネート基含有基が直接結合して
    いるオルガノシロキサン単位(a1 )を含むイソシアネ
    ート基含有シリコーン化合物。ただし、式中の記号は以
    下の意味を示す。 R1 :1価有機基。 Q1 :単結合または2価有機基。 a:1以上の整数。 b:1、2または3。 【化1】 (OCN)b (R13-b Si−Q1 −(CH2a − ・・式1
  2. 【請求項2】シロキサン単位を形成するケイ素原子に下
    式1で表されるイソシアネート基含有基が直接結合して
    いるオルガノシロキサン単位(a1 )、および、シロキ
    サン単位を形成するケイ素原子に下式2で表される含フ
    ッ素有機基が直接結合しているオルガノシロキサン単位
    (a2 )、を含むイソシアネート基含有フルオロシリコ
    ーン化合物。ただし、式中の記号は以下の意味を示す。 R1 :1価有機基。 Q1 :単結合または2価有機基。 a:1以上の整数。 b:1、2または3。 Rf :エーテル性の酸素原子を含んでいてもよい1価ポ
    リフルオロ炭化水素基。 X:2価連結基。 【化2】 (OCN)b (R13-b Si−Q1 −(CH2a − ・・式1 Rf −X− ・・式2
  3. 【請求項3】下式3で表されるイソシアネート基含有フ
    ルオロシリコーン化合物。ただし、式中の記号は以下の
    意味を示し、式中のオルガノシロキサン単位の連なり方
    は、ブロック状またはランダム状のいずれであってもよ
    い。 A1 :下式1で表されるイソシアネート基含有基。 A2 :下式2で表される含フッ素有機基。 R10:同一であっても異なっていてもよく、それぞれ独
    立に1価有機基。 n、m:それぞれ独立に1以上の整数。 k:0以上の整数。 R1 :1価有機基。 Q1 :単結合または2価有機基。 a:1以上の整数。 b:1、2または3。 Rf :エーテル性の酸素原子を含んでいてもよい1価ポ
    リフルオロ炭化水素基。 X:2価連結基。 【化3】 (R10)3SiO・[Si(A2)(R10)O]n・[Si(A1)(R10)O]m・[Si(R10)2O]k・Si(R10)3 ・・式3 (OCN)b (R13-b Si−Q1 −(CH2a − ・・式1 Rf −X− ・・式2
  4. 【請求項4】式2で表される含フッ素有機基が、下式2
    a、下式2b、または下式2cで表される含フッ素有機
    基である請求項2または3記載のイソシアネート基含有
    フルオロシリコーン化合物。ただし、式中の記号は、下
    記の意味を示す。 Rf1、Rf3:それぞれ独立に、エーテル性の酸素原子を
    含まない1価ポリフルオロ炭化水素基。 Rf2:エーテル性の酸素原子を含む1価ポリフルオロ炭
    化水素基。 X1 、X2 、X3 、X4 およびX5 :それぞれ独立に、
    エーテル性の酸素原子を含まない2価炭化水素基。 Rf1−X1 − ・・式2a Rf2−X2 −O−X3 − ・・式2b Rf3−X4 −O−X5 − ・・式2c
  5. 【請求項5】式2で表される含フッ素有機基が、下式2
    a’、下式2b’、または下式2c’で表される含フッ
    素有機基である請求項2または3記載のイソシアネート
    基含有フルオロシリコーン化合物。ただし、式中の記号
    は、下記の意味を示す。 d、g:それぞれ独立に1〜18の整数。 e:1〜10の整数。 X1 、X2 、X3 、X4 、X5 :それぞれ独立に、エー
    テル性の酸素原子を含まない2価炭化水素基。 【化4】 Cd2d+1−X1 − ・・式2a’ F[CF(CF3 )CF2 O]e CF(CF3 )−X2 −O−X3 − ・・式2b’ Cg2g+1−X4 −O−X5 − ・・式2c’
  6. 【請求項6】X1 、X2 、X3 、X4 およびX5 が、そ
    れぞれ独立に−(CH2h −(ここで、hは1〜10
    の整数を示す。)である請求項4または5記載のイソシ
    アネート基含有フルオロシリコーン化合物。
  7. 【請求項7】シロキサン単位を形成するケイ素原子に水
    素原子が直接結合しているシロキサン単位(aH )を2
    単位以上含むヒドロシリコーン化合物に下式5で表され
    るイソシアネート基含有化合物と下式6で表される化合
    物とを付加反応させることを特徴とするイソシアネート
    基含有フルオロシリコーン化合物の製造方法。ただし、
    式中の記号は、以下の意味を示す。 R1 :1価有機基。 Q2 :単結合または2価連結基。 b:1、2または3。 Rf :エーテル性の酸素原子を含んでいてもよい1価ポ
    リフルオロ炭化水素基。 X6 :単結合または2価連結基。 R20:同一であっても異なっていてもよく、それぞれ独
    立に水素原子または1価有機基。 【化5】 (OCN)b (R13-b Si−Q2 −CH=CH2 ・・式5 Rf −X6 −CR2020CR20=CR2020 ・・式6
  8. 【請求項8】ヒドロシリコーン化合物が下式4で表され
    る化合物である請求項7記載の製造方法。ただし、式中
    の記号は、以下の意味を示し、式中のオルガノシロキサ
    ン単位の連なり方は、ブロック状またはランダム状のい
    ずれであってもよい。 R10:同一であっても異なっていてもよく、それぞれ独
    立に1価有機基。 n:1以上の整数。 m:1以上の整数。 k:0以上の整数。 【化6】 (R10)3SiO・[SiH(R10)]n+m・[Si(R10)2]k・Si(R10)3 ・・式4
  9. 【請求項9】シロキサン単位を形成するケイ素原子に水
    素原子が直接結合しているシロキサン単位(aH )、お
    よび、シロキサン単位を形成するケイ素原子に下式2で
    表される含フッ素有機基が直接結合しているオルガノシ
    ロキサン単位(a2 )、を含むヒドロシリコーン化合物
    に、下式5で表されるイソシアネート基含有化合物を付
    加反応させることを特徴とするイソシアネート基含有フ
    ルオロシリコーン化合物の製造方法。ただし、式中の記
    号は、以下の意味を示す。 Rf :エーテル性の酸素原子を含んでいてもよい1価ポ
    リフルオロ炭化水素基。 X:2価連結基。 R1 :1価有機基。 Q2 :単結合または2価有機基。 b:1、2または3。 【化7】 Rf −X− ・・式2 (OCN)b (R13-b Si−Q2 −CH=CH2 ・・式5
  10. 【請求項10】式5で表されるイソシアネート基含有化
    合物。ただし、式中の記号は以下の意味を示す。 R1 :1価有機基。 Q2 :単結合または2価有機基。 b:1、2または3。 【化8】 (OCN)b (R13-b Si−Q2 −CH=CH2 ・・式5
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