JPH10309724A - 不連続面レンズの製造方法および成形金型およびその加工装置 - Google Patents

不連続面レンズの製造方法および成形金型およびその加工装置

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JPH10309724A
JPH10309724A JP5646498A JP5646498A JPH10309724A JP H10309724 A JPH10309724 A JP H10309724A JP 5646498 A JP5646498 A JP 5646498A JP 5646498 A JP5646498 A JP 5646498A JP H10309724 A JPH10309724 A JP H10309724A
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mold
molding
discontinuous surface
mirror
die
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Application number
JP5646498A
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English (en)
Inventor
Katsuki Shingu
克喜 新宮
Nobuo Yasuhira
宣夫 安平
Shingo Matsumoto
慎五 松元
Yuichi Kimura
雄一 木村
Hiromi Wakazono
弘美 若園
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electronics Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 材料コスト、加工コストおよび組立コストを
いずれも低減できる構成を備えた不連続面レンズの成形
金型を提供する。 【解決手段】 レンズ3の表面を形成するための主金型
部19と、主金型部19に合体されて主金型部19との
間に成形用空間21を形成する副金型部9とを備える。
主金型部19は、レンズ3のミラー平面3aをそれぞれ
形成する鏡面状のM個の成形用小平面20aが平板体の
一端面に沿い一列に配して形成された金型分割ユニット
20をN個備える。各金型分割ユニット20は互いに平
行な配置で且つ密着状態で組立用固定枠10の内部に挿
入して固定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばCRT(陰
極線管)の蛍光面を露光により形成する際に使用される
露光用補正レンズのような不連続面を有するレンズを製
作するための成形金型およびその成形金型の加工装置並
びに不連続面レンズの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、シャドウマスク形カラー陰極線
管用パネルの内面には、黒色吸光層の開口部を介して
赤、緑および青の3色の蛍光体層が規則的に形成された
蛍光面を有しており、この蛍光面は、通常、露光装置を
使用した写真法により形成される。上記露光装置は、図
7に示すように、光源部1と、この光源部1から放射さ
れた露光光線2を実際の使用時に陰極から放射されて磁
界により偏向される電子ビームの軌跡に近似させるため
の露光用補正レンズ3とを基本構成としている。この露
光装置には、シャドウマスク4が装着されたCRT用パ
ネル7が補正レンズ3に対向して設置され、パネル7の
内面に塗布形成された感光膜や蛍光体スラリー膜が、補
正レンズ3およびシャドウマスク4を介して露光光線2
により露光される。
【0003】上記補正レンズ3は、光源部1からの距離
がそれぞれ異なる各露光面に対して露光光線2を電子ビ
ームの軌跡に近似させる補正機能を有する必要があるた
め、それぞれ所定の方向に三次元的に傾斜した複数のミ
ラー平面3aが列方向および行方向に配設された不連続
な表面を有する。このような形状の補正レンズ3は、図
5に示すような成形金型を用いて熱可塑性樹脂または紫
外線硬化樹脂による成形加工により製作される。
【0004】上記成形金型は、主金型部8と副金型部9
とから構成されている。主金型部8は、組立用固定枠1
0の内部にM×N個の金型分割ブロック11がM行、N
列の配置で挿入されるとともに、これら金型分割ブロッ
ク11が、行方向押圧用ボルト14のねじ込みにより行
方向xに押圧される行方向押圧板12および列方向押圧
用ボルト17のねじ込みにより列方向yに押圧される列
方向押圧板14からそれぞれ押圧力を受けて、静止摩擦
力によって固定されている。各金型分割ブロック11
は、各々の一端面に補正レンズ3のミラー平面3aを形
成するための成形用小平面11aを有しており、これら
成形用小平面11aは、各々がセッティングされる位置
に固有の三次元的傾きを有している。例えば、各金型分
割ブロック11がセッティングされる番地を(i,j)
とすれば、各金型分割ブロック11の成形用小平面11
aは、行方向xにθx(i,j)の傾きを有し、且つ列
方向yにθy(i,j)の傾きを有している。一方、副
金型部9は、組立固定枠10に対応する開口を有する容
器状であって、一側面に樹脂注入口18が設けられてい
る。
【0005】上記成形金型は、主金型部8と副金型部9
とを合体させて型締めしたのちに、各金型分割ブロック
11の各々の成形用小平面11aと副金型部9の内面と
の間の成形用空間に樹脂注入口18から所要の樹脂を注
入することにより、上述の補正レンズ3を成形加工でき
るものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記成
形金型は、補正レンズ3の各ミラー平面3aをそれぞれ
形成するための成形用小平面11aを個々の金型分割ブ
ロック11に設けた構成となっており、さらに、各金型
分割ブロックは、断面矩形状の比較的小さな軸状体の一
端面にそれぞれ固有の三次元的傾きを有する成形用小平
面3aを備えた形状になっている。そのため、成形用小
平面11aを形成するには、誤差が2〜3μm程度の高
い寸法精度を要する加工が必要となる。また、金型分割
ブロック11の製作には、成形用小平面11aを鏡面に
仕上げるために研削加工と研磨加工とを必要とする。さ
らに、図6に示すように、金型分割ブロック11の間に
ずれが発生すると、押圧板13,14による押圧力が矢
印で図示するように均等に伝達されなくなるので、各金
型分割ブロック11の側面は、隣接する金型分割ブロッ
ク11に密着するように行単位および列単位で研削加工
される。
【0007】したがって、金型分割ブロック11の素材
としては、比較的小さな軸状体に極めて高い寸法精度が
要求される加工を行うことから、超硬合金などの硬脆材
料を用いる必要があり、材料費が高くつく。また、金型
分割ブロック11は、その全数を個々に研削加工と研磨
加工とにより製作するので、製作工数が多くなって加工
コストが高くつく。そのため、上記の成形金型はかなり
のコスト高になっている。
【0008】また、主金型部8の組立てに際しては、例
えば金型分割ブロック11の間に異物が噛み込むような
事態が発生すると、押圧板12,13による押圧力が分
散されて金型分割ブロック11を所定の配置で固定でき
ない原因となるので、クリーンルーム内での精密作業に
より行われている。しかも、主金型部8の組立てに際し
ては、各金型分割ブロック11を1個ずつ組立固定枠1
0内に挿入して位置決めする必要がある上に、全ての金
型分割ブロック11を挿入したのちに、行方向押圧用ボ
ルト14および列方向押圧用ボルト17を均等にねじ込
んで、行方向xおよび列方向yからの押圧力が同等にな
るように固定しなければならないので、金型の組立工数
が多くなる。これらが金型コストをさらに高くする要因
になっている。
【0009】そこで、本発明は、材料コスト、加工コス
トおよび組立コストをいずれも低減できる構成を備えた
不連続面レンズの成形金型およびその加工装置並びに不
連続面レンズの製造方法を提供することを目的とするも
のである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、異なる三次元的傾きを有する複数の小さ
なミラー平面が表面にM行およびN列に配設されてなる
不連続面レンズを成形加工するための成形金型におい
て、前記レンズの表面を形成するための主金型部と、こ
の主金型部に合体されて前記主金型部との間に成形用空
間を形成する副金型部とを有し、前記主金型部を、前記
ミラー平面をそれぞれ形成する鏡面状のM個の成形用小
平面が平板体の一端面に沿い一列に配して形成された金
型分割ユニットをN個備えるとともに、前記各金型分割
ユニットが互いに平行な配置で且つ密着状態で組立用固
定枠の内部に挿入して固定した構成となっている。
【0011】この不連続面レンズの成形金型は、主金型
部と副金型部を合体して型締めし、主金型部の各成形用
小平面と副金型部の内面とで囲まれた成形用空間内に所
要の樹脂を注入することにより、例えばCRTの蛍光面
を露光により形成する際に使用する露光用補正レンズの
ような不連続面レンズを樹脂成形する。
【0012】この成形金型では、比較的大きな平板状の
金型分割ユニットにM個の成形用小平面を一括形成でき
るとともに、金型分割ユニットの側面は隣接する金型分
割ユニットに合わせて切削加工できるので、主金型部の
製作工数が格段に削減し、金型コストを低減できる。ま
た、主金型部の組立てに際しては、平板状の1個の金型
分割ユニットを組立固定枠内に嵌入することによりM個
の成形用小平面を一挙に形成できるので、全ての成形用
小平面の配列を迅速に行うことができ、主金型部の組立
工数が低減する。しかも、比較的大きな平板状の金型分
割ユニットを組立用固定枠内に挿入するので、従来金型
における成形用小平面を個々に有する金型分割ブロック
を組立用固定枠内に挿入して組み立てる場合のような異
物の噛み込みによる不都合が発生するおそれが殆どな
い。そのため、クリーンルーム内での精密作業を特に必
要としないので、組立工数の低減と合わせて製作コスト
が低減する。
【0013】上記発明において、組立用固定枠の内部
に、単一の押圧板が配列方向端部の金型分割ユニットに
接触状態で挿入されているとともに、前記組立用固定枠
の側壁に、押圧用ボルトがこれをねじ込むことにより前
記押圧板を介して前記各金型分割ユニットを押圧するよ
うに装着されている構成とすることが好ましい。
【0014】これにより、単一の押圧板による一方向の
押圧作用のみによってN個の金型分割ユニットを一挙に
固定して、M×N個の成形用小平面の配設を完了できる
ので、組立工数が一層減少する。また、2枚の押圧板に
より直交する2方向から押圧する従来金型に比較して構
成を簡素化できる。その結果、製作コストを一層低減で
きる。
【0015】また、上記発明において、金型分割ユニッ
トは切削加工により鏡面を形成することが可能な軟質金
属を素材として形成することができる。
【0016】これにより、従来金型における金型分割ブ
ロックの加工素材である硬脆材料に比較して材料費が相
当に低減するとともに、成形用小平面の加工が格段に容
易になって製作工数も低減する。また、金型分割ユニッ
トは、平板体にM個の成形用小平面を形成するととも
に、その側面を隣接する金型分割ユニットの側面に合わ
せて配列方向の単位で研削加工できることから、研削加
工にさほど高い寸法精度を要求されないので、軟質金属
により形成しても何ら支障が生じない。
【0017】一方、本発明は、不連続面レンズの成形金
型における金型分割ユニットを切削加工する加工装置に
おいて、前記金型分割ユニットの加工素材である軟質金
属の平板状被加工材料を保持して直交する2軸の回りに
それぞれ回動させることにより、前記被加工材料を所定
の三次元的傾きに設定する2軸セッティングテーブル
と、前記被加工材料を切削して成形用小平面を形成する
鏡面切削工具と、前記鏡面切削工具を保持して前記被加
工材料における成形用小平面の各形成箇所に順次移送さ
せるとともに、前記鏡面切削工具が前記形成箇所に対向
する毎に、前記鏡面切削工具を前記被加工材料に対し切
削加工する方向にそれぞれ1回だけ移動させるプレーナ
加工機とを備えている。
【0018】上記加工装置では、2軸セッティングテー
ブルとプレーナ加工機の一連の連続作動によって鏡面切
削工具で被加工材料を連続的に切削加工するだけで、平
板状被加工材料にM個の成形用小平面を一括形成できる
から、従来金型のように研削加工と研磨平面とにより1
個の成形用小平面を有する金型分割ブロックを製作する
場合に比較して、全ての成形用小平面を形成するのに要
する製作時間が大幅に短縮する。しかも、軟質金属から
なる被加工材料を切削加工するので、バリや湾曲が生じ
ない。
【0019】また本発明は、上記成形金型を用い、その
成形用空間内に樹脂を注入して不連続面レンズを成形す
ることを特徴とする不連続面レンズの製造方法に係るも
のである。
【0020】上記構成により低コストで不連続面レンズ
を製造することができる。
【0021】更に上記発明において、副金型部を光学レ
ンズで構成したり、副金型部を主要部の光学ガラスと、
この光学ガラスを着脱可能に支持する枠部とから構成す
ることができる。
【0022】これにより得られる不連続面レンズは、光
学ガラスに樹脂が一体に成形されたもので、曲げや反り
等が生じずに強度が高い。
【0023】また本発明は、上記のように副金型部が主
に光学ガラスで構成された成形金型を用い、その成形用
空間内に樹脂を注入して成形することにより前記光学ガ
ラスの上に不連続面レンズを一体に成形することを特徴
とする不連続面レンズの製造方法に係るものである。
【0024】上記構成により、強度の高い不連続面レン
ズを製造することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態について図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は本
発明の第1実施形態に係る不連続面レンズの成形金型の
組立過程を示す分解斜視図であり、図2はその主金型部
19の平面図である。これらの図において、図5と同等
のものには同一の符号を付してその説明を省略する。こ
の成形金型の主金型部19は、行方向xの1行分である
M個の成形用小平面20aが平板状部材の一端面に一体
形成された金型分割ユニット20をN個備えている。各
成形用小平面20aは、基準平面に対して行方向xの傾
きθxと列方向yの傾きθyとを有しており、その三次
元的傾きは、補正レンズ3に対応する番地(i,j)に
よりそれぞれ固有の値θx(i,j)、θy(i,j)
に設定されている。また、従来金型における行方向押圧
板12および行方向押圧用ボルト14は設けられていな
い。したがって、組立固定枠10は、その行方向xの幅
が行方向押圧板12のほぼ厚み分だけ小さくなってい
る。換言すれば、組立固定枠10の行方向xでの対向面
の間隔は金型分割ユニット20の長さよりも僅かに大き
く設定されて、金型分割ユニット20を嵌め込む状態に
挿入するようになっている。
【0026】上記成形金型は、図1に矢印で示すよう
に、N個の金型分割ユニット20を所定の順序で組立固
定枠10内に嵌め込んでいき、図2に示すように全ての
金型分割ユニット20の挿入が終了したのちに、列方向
押圧用ボルト17をねじ込むことにより列方向押圧板1
3を介して各金型分割ユニット20を列方向に押圧し
て、各金型分割ユニット20を静止摩擦力により固定す
ると、主金型部19の組み立てが完了する。この主金型
部19に副金型部9を合体して型締めし、図3に示すよ
うに、各成形用小平面20aと副金型部9の内面とで囲
まれた成形用空間21内に樹脂注入口18から所要の樹
脂22を注入して、例えば露光用補正レンズ3のような
不連続面レンズを樹脂成形する。
【0027】なお、図8に示す本発明の第2実施形態の
ように、副金型部を光学ガラス9aで構成することもで
きる。この場合、光学ガラス9aの内面と、図3のもの
よりその上部を延長した主金型部19の内面及び各成形
用小平面20aとで囲まれた成形用空間21内に樹脂2
2が注入され、光学ガラス9a上に不連続面レンズを成
形することができる。
【0028】また、図9に示す本発明の第3実施形態の
ように、副金型部を主要部の光学ガラス9aと、この光
学ガラス9aを着脱可能に支持する枠部9bとから構成
することもできる。この場合、光学ガラス9aと枠部9
bとの内面及び各成形用小平面20aとで囲まれた成形
用空間21内に樹脂22が注入され、図8のものと同様
に光学ガラス9aと樹脂成形品が一体化し、強度の高い
不連続面レンズを成形することができる。
【0029】従来金型における金型分割ブロック11で
は、断面矩形の比較的小さな軸状部材の端面に極めて高
い寸法精度が要求される研削および研磨加工を行うこと
から、硬脆材料を用いる必要があったのに対して、この
成形金型では、平板状の比較的大きな金型分割ユニット
20にM個の成形用小平面20aを形成するとともに、
各金型分割ユニット20の側面を列方向yに隣接する金
型分割ユニット20の側面に合わせて行単位で研削加工
できる。その結果、金型分割ユニット20の素材とし
て、例えばアルミニウム−マグネシウム合金、無酸素
銅、無電解ニッケルなどの軟質金属を用いることが可能
となり、材料費が相当に低減する。また、M個の成形用
小平面20aを一括形成できることと、軟質金属を素材
とすることによって成形用小平面20aの加工が格段に
容易になること、金型分割ユニット20の側面を行単位
で研削加工できることと、列方向押圧板13および列方
向押圧用ボルト17が不要となることとにより、主金型
部19の製作工数が格段に削減し、さらに、上述の材料
費が廉価となることと合わせて金型コストを大幅に低減
できる。
【0030】また、主金型部19の組立てに際しては、
平板状の金型分割ユニット20を組立固定枠10内に嵌
入するので、従来金型のようなクリーンルーム内での精
密作業を特に必要としないとともに、全ての成形用小平
面20aの配列を迅速に行うことができ、さらに、各金
型分割ユニット20を列方向押圧用ボルト17のねじ込
み作業のみで固定することができるから、組立工数が減
少して金型コストを一層低減できる。
【0031】図4は上記成形金型における金型分割ユニ
ット20の加工装置を示す斜視図である。この加工装置
は、金型分割ユニット20用の被加工材料24を保持し
てその加工用端面を所定の角度に姿勢制御する2軸セッ
ティングテーブル27と、被加工材料24に成形用小平
面20aを切削加工するための鏡面切削用ダイヤモンド
工具28と、このダイヤモンド工具28を保持して位置
制御するプレーナ加工機29とを備えて構成されてい
る。プレーナ加工機29は、ダイヤモンド工具28を加
工送り方向X、選択方向Yおよび昇降方向Zに作動させ
る3軸直交テーブルを備え、ダイヤモンド工具28の1
回の作動により被加工材料24を切削すると同時に鏡面
化して成形用小平面20aを形成するよう作動させるよ
うになっている。
【0032】この加工装置23は、図示しない制御装置
が予め設定された制御データに基づき制御プログラムを
実行して2軸セッティングテーブル27およびプレーナ
加工機29を自動制御する。すなわち、プレーナ加工機
29がダイヤモンド工具28を昇降方向Zに沿い降下さ
せて被加工材料24における或るセグメント番地(i,
j)に対向させると、2軸セッティングテーブル27
は、被加工材料24をその中央点30を通るα軸回りに
回動させて上記セグメント番地(i,j)に設定されて
いる行方向Xの傾きθx(i,j)に傾斜させると同時
に、被加工材料24をその中央点30を通るβ軸回りに
回動させて上記セグメント番地(i,j)に設定された
列方向Xの傾きθx(i,j)に傾斜させる。続いて、
プレーナ加工機29はダイヤモンド工具28を矢印で示
すように加工送り方向Xに移動させる。このダイヤモン
ド工具28の移動速度は、それの1回の移動による切削
によって軟質金属からなる被加工材料24に成形用小平
面20aを切削加工できる速度(10〜100mm/sec )に設
定されている。
【0033】このようにして一つの成形用小平面20a
が切削加工されると、プレーナ加工機29は、ダイヤモ
ンド工具29を昇降方向Zに沿い上昇させて被加工材料
24から退避させたのちに選択方向Yに所定ピッチだけ
移動させて、ダイヤモンド工具29を被加工材料24に
おける次のセグメント番地(i,j)に対向させる。
【0034】そののちに、上述と同様の作動をM回繰り
返して、被加工材料24にM個の成形用小平面20aを
形成すると、一つの金型分割ユニット20が出来上が
る。
【0035】したがって、この加工装置23では、2軸
セッティングテーブル27とプレーナ加工機29の一連
の連続作動によるダイヤモンド工具28のM回の切削加
工のみによって平板状被加工材料24にM個の鏡面状の
成形用小平面20aを一括形成できるから、従来金型の
ように研削加工と研磨平面とにより1個の成形用小平面
を有する金型分割ブロックを製作する場合に比較して、
全ての成形用小平面20aを形成するのに要する製作時
間が大幅に短縮する。
【0036】なお、上記実施形態では、加工装置23を
2軸回転テーブルである2軸セッティングテーブル27
と3軸直交テーブルであるプレーナ加工機29とにより
構成した場合を例示したが、加工装置23は、その他の
5軸動作の可能な構成であれば実施可能である。
【0037】
【発明の効果】以上のように本発明の請求項1の不連続
面レンズの成形金型によれば、金型分割ユニットにM個
の成形用小平面を一括形成でき、金型分割ユニットの側
面を隣接する金型分割ユニットに合わせて切削加工でき
るので、主金型部の製作工数が格段に削減して金型コス
トを低減できる。また、N個の金型分割ユニットを組立
固定枠内に嵌入するだけで全ての成形用小平面の配列を
完了できるので、主金型部の組立工数が低減する。しか
も、主金型部の組立時に異物の噛み込みにより不都合が
発生するおそれが殆どないので、クリーンルーム内での
精密作業を特に必要としない。したがって、大幅にコス
トダウンできる。
【0038】また、請求項2の不連続面レンズの成形金
型によれば、単一の押圧板による一方向の押圧作用のみ
によってN個の金型分割ユニットを一挙に固定できるの
で、組立工数が減少するとともに、主金型部の固定手段
の構成を簡素化できる結果、製作コストを一層低減でき
る。
【0039】さらに、請求項3の不連続面レンズの成形
金型によれば、金型分割ユニットを切削加工により鏡面
を形成することが可能な軟質金属を素材として形成する
ので、材料費が相当に低減するとともに、成形用小平面
の加工が格段に容易になって製作工数も低減する。しか
も、研削加工にさほど高い寸法精度を要求されないこと
から、金型分割ユニットを軟質金属により形成すること
に伴う支障は生じない。
【0040】本発明の請求項4の成形金型の加工装置に
よれば、2軸セッティングテーブルとプレーナ加工機の
一連の連続作動によって鏡面切削工具で被加工材料を連
続的に切削加工するだけで、平板状被加工材料にM個の
成形用小平面を一括形成できるから、主金型部の製作時
間が大幅に短縮する。しかも、軟質金属からなる被加工
材料を切削加工するので、バリや湾曲が生じることもな
い。
【0041】本発明の請求項5の不連続面レンズの製造
方法によれば、低コストで不連続面レンズを製造するこ
とができる。
【0042】本発明の請求項6や請求項7の不連続面レ
ンズの成形金型によれば、副金型部あるいはその主要部
が光学ガラスで構成されているので、光学ガラスと樹脂
とが一体化し、曲げや反り等が生じずに強度が高い不連
続面レンズが得られる。
【0043】本発明の請求項8の不連続面レンズの製造
方法によれば、強度の高い不連続面レンズを製造するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る不連続面レンズの
成形金型の組立過程を示す分解斜視図。
【図2】同上実施の形態の成形金型における主金型部の
平面図。
【図3】同上実施の形態の成形金型の成形過程の縦断面
図。
【図4】本発明の第1実施形態に係る成形金型の加工装
置を示す要部の斜視図。
【図5】従来の成形金型の組立過程を示す分解斜視図。
【図6】同上成形金型における不都合の発生状況を示す
一部の平面図。
【図7】本発明の成形金型により成形加工できる不連続
面レンズの使用状態を説明するための構成図。
【図8】本発明の第2実施形態に係る不連続面レンズの
成形金型の成形過程の縦断面図。
【図9】本発明の第3実施形態に係る不連続面レンズの
成形金型の成形過程の縦断面図。
【符号の説明】
3 露光用補正レンズ(不連続面レンズ) 3a ミラー平面 9 副金型部 9a 光学ガラス 9b 枠部 10 組立用固定枠 13 押圧板 17 押圧用ボルト 19 主金型部 20 金型分割ユニット 20a 成形用小平面 21 成形用空間 22 樹脂 23 加工装置 24 被加工材料 27 2軸セッティングテーブル 28 鏡面切削工具 29 プレーナ加工機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松元 慎五 大阪府高槻市幸町1番1号 松下電子工業 株式会社内 (72)発明者 木村 雄一 大阪府高槻市幸町1番1号 松下電子工業 株式会社内 (72)発明者 若園 弘美 大阪府高槻市幸町1番1号 松下電子工業 株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 異なる三次元的傾きを有する複数の小さ
    なミラー平面が表面にM行およびN列に配設されてなる
    不連続面レンズを成形加工するための成形金型におい
    て、 前記レンズの表面を形成するための主金型部と、この主
    金型部に合体されて前記主金型部との間に成形用空間を
    形成する副金型部とを有し、 前記主金型部は、前記ミラー平面をそれぞれ形成する鏡
    面状のM個の成形用小平面が平板体の一端面に沿い一列
    に配して形成された金型分割ユニットをN個備えるとと
    もに、前記各金型分割ユニットが互いに平行な配置で且
    つ密着状態で組立用固定枠の内部に挿入して固定された
    構成となっていることを特徴とする不連続面レンズの成
    形金型。
  2. 【請求項2】 組立用固定枠の内部に、単一の押圧板が
    配列方向端部の金型分割ユニットに接触状態で挿入され
    ているとともに、前記組立用固定枠の側壁に、押圧用ボ
    ルトがこれをねじ込むことにより前記押圧板を介して前
    記各金型分割ユニットを押圧するように装着されている
    請求項1に記載の不連続面レンズの成形金型。
  3. 【請求項3】 金型分割ユニットは切削加工により鏡面
    を形成することが可能な軟質金属を素材として形成され
    ている請求項1または請求項2に記載の不連続面レンズ
    の成形金型。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の不連続面レンズの成形
    金型における金型分割ユニットを切削加工する加工装置
    であって、 前記金型分割ユニットの加工素材である軟質金属の平板
    状被加工材料を保持して直交する2軸の回りにそれぞれ
    回動させることにより、前記被加工材料を所定の三次元
    的傾きに設定する2軸セッティングテーブルと、 前記被加工材料を切削して成形用小平面を形成する鏡面
    切削工具と、 前記鏡面切削工具を保持して前記被加工材料における成
    形用小平面の各形成箇所に順次移送させるとともに、前
    記鏡面切削工具が前記形成箇所に対向する毎に、前記鏡
    面切削工具を前記被加工材料に対し切削加工する方向に
    それぞれ1回だけ移動させるプレーナ加工機とを備えて
    なることを特徴とする成形金型の加工装置。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3のいずれかに記載の成
    形金型を用い、その成形用空間内に樹脂を注入して不連
    続面レンズを成形することを特徴とする不連続面レンズ
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 副金型部が光学ガラスで構成されている
    請求項1、2、3のいずれかに記載の不連続面レンズの
    成形金型。
  7. 【請求項7】 副金型部が主要部の光学ガラスと、この
    光学ガラスを着脱可能に支持する枠部とから構成されて
    いる請求項1、2、3のいずれかに記載の不連続面レン
    ズの成形金型。
  8. 【請求項8】 請求項6または7記載の成形金型を用
    い、その成形用空間内に樹脂を注入して成形することに
    より前記光学ガラス上に不連続面レンズを一体に成形す
    ることを特徴とする不連続面レンズの製造方法。
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JP2005096296A (ja) * 2003-09-25 2005-04-14 Fujitsu Component Ltd 導波路成形用型
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