JPH10309516A - レーザ塗装除去方法及びレーザ処理装置 - Google Patents

レーザ塗装除去方法及びレーザ処理装置

Info

Publication number
JPH10309516A
JPH10309516A JP9121236A JP12123697A JPH10309516A JP H10309516 A JPH10309516 A JP H10309516A JP 9121236 A JP9121236 A JP 9121236A JP 12123697 A JP12123697 A JP 12123697A JP H10309516 A JPH10309516 A JP H10309516A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
laser
color
laser beam
processing object
height
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP9121236A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Tsunemi
明良 常見
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Heavy Industries Ltd filed Critical Sumitomo Heavy Industries Ltd
Priority to JP9121236A priority Critical patent/JPH10309516A/ja
Publication of JPH10309516A publication Critical patent/JPH10309516A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laser Beam Processing (AREA)
  • ing And Chemical Polishing (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 化学薬品を用いることなく、塗装膜の除去が
可能な塗装膜除去方法、及びその塗装膜除去に適したレ
ーザ処理装置を提供する。 【解決手段】 レーザ光を処理対象物の表面に照射し、
かつ処理対象物の表面におけるレーザ光のエネルギ密度
を変化させることができるエネルギ密度可変光学系を用
いて、表面に塗装膜が形成された処理対象物の表面にレ
ーザ光を照射する。塗装膜の少なくとも上層部分がアブ
レーションにより除去される。アブレーション中に、処
理対象物の表面のレーザ照射部分の色を観測する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ光を用いた
塗装除去方法及びその塗装除去方法に適したレーザ処理
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】航空機等の機体外板の塗装除去には、主
にメチレンクロライドと呼ばれる毒性の強い薬品が用い
られている。従来は、塗装表面にこの薬剤を吹き付け、
塗料を脆弱化させた後、手作業で塗装膜を機体外板表面
からかき落とすことによって除去していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の塗装膜除去
方法は危険であるばかりでなく、作業効率も低い。ま
た、除去物の回収及び廃棄処理にも問題がある。
【0004】本発明の目的は、化学薬品を用いることな
く、塗装膜の除去が可能な塗装膜除去方法、及びその塗
装膜除去に適したレーザ処理装置を提供することであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の一観点による
と、レーザ光を処理対象物の表面に照射し、かつ該処理
対象物の表面におけるレーザ光のエネルギ密度を変化さ
せることができるエネルギ密度可変光学系を用いて、表
面に塗装膜が形成された処理対象物の該表面にレーザ光
を照射し、該塗装膜の少なくとも上層部分をアブレーシ
ョンにより除去するとともに、前記処理対象物の表面の
レーザ照射部分の色を観測する工程を有する塗装除去方
法が提供される。
【0006】照射レーザ光のエネルギ密度が低すぎる
と、アブレーションが生じない。また、エネルギ密度が
高すぎると、塗装膜の下地材料が損傷を受けてしまう。
すなわち、塗装膜をアブレーションにより除去する際に
は、エネルギ密度の好適な範囲が存在する。エネルギ密
度可変光学系を用いることにより、エネルギ密度を好適
な範囲に設定することができる。アブレーション中の処
理対象物の表面の色を観測することにより、下地表面が
露出したか否かを検出することができる。
【0007】本発明の他の観点によると、レーザ光を集
光もしくは発散し処理対象物の表面に照射するレンズ
と、前記レンズを支持し、前記処理対象物表面から前記
レンズまでの高さを調節可能なレンズ支持機構と、前記
処理対象物の表面のレーザ照射された領域の色を観測す
る色センサと、判定基準となる基準色を記憶し、前記色
センサにより観測された色を前記基準色と比較し、両者
が一致するかまたは近似する場合、終了処理を実行する
色判定手段とを有するレーザ処理装置が提供される。
【0008】処理対象物表面からレンズまでの高さを変
えることにより、処理対象物表面におけるレーザ光のエ
ネルギ密度を変えることができる。色センサにより、ア
ブレーション中の処理対象物の表面の色を観測すること
ができる。色の変化により、塗装膜が除去されたことを
検出することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施例によるレ
ーザ処理装置の概略斜視図を示す。処理対象物1の表面
にレーザ照射ヘッド10が接触している。レーザ照射ヘ
ッド10は、処理対象物1側に開口を有する箱型容器1
1と、その内部に収納された光学部品を含んで構成され
ている。箱型容器11の側面に透明窓12が取り付けら
れており、透明窓12を通して内部を目視観察すること
ができる。なお、箱型容器11自体を透明な材料で形成
してもよい。
【0010】レーザ照射ヘッド10は、マニピュレータ
アーム50の先端に取り付けられている。マニピュレー
タアーム50は、マニピュレータ本体51により制御さ
れ、レーザ照射ヘッド10を処理対象物1の表面の所望
の位置に移動させ支持する。
【0011】レーザ光発生装置60から出力したレーザ
ビームが、ビーム整形用光学部品61、ビーム伝送用ア
ーム62を通ってレーザ照射ヘッド10内に導かれる。
【0012】レーザ光発生装置60は、例えば横方向励
起大気圧型CO2 レーザ装置(TEA−CO2 レーザ装
置)である。TEA−CO2 レーザ装置は、波長9〜1
1μmのレーザビームをパルス的に出力する。
【0013】ビーム整形用光学部品61は、レーザ光発
生装置60から出力したレーザビームの断面形状を所望
の形に整形する。例えば、矩形状の貫通孔を有するアパ
ーチャにより構成され、レーザビームの断面形状を矩形
状に整形する。
【0014】ビーム伝送用アーム62は、例えば複数の
関節を有する屈伸可能なアームであり、レーザ照射ヘッ
ド10の移動に追随し、ビーム整形用光学部品61を通
過したレーザビームをレーザ照射ヘッド10まで導く。
【0015】レーザ照射ヘッド10に、ガス導入管13
及びガス排気管15が取り付けられている。ガス導入管
13はガス供給装置14に接続されており、ガス供給装
置14からガス導入管13を通してレーザ照射ヘッド1
0内にガスが導入される。ガス排気管15はガス排気装
置16に接続されており、ガス排気装置16は、ガス排
気管15を通してレーザ照射ヘッド10内のガスを排気
する。
【0016】図2は、図1のレーザ照射ヘッド10の概
略断面図を示す。処理対象物1側の面が開口した箱型容
器11が、その開口の周囲を処理対象物1の表面にほぼ
接するように保持されている。箱型容器11の開口部と
対向する面に形成された貫通孔17にレーザ伝送用アー
ム62が連結されている。レーザ伝送用アーム62内を
伝送されたレーザビーム63が、貫通孔17を通って箱
型容器11内に導入される。
【0017】箱型容器11内に導入されたレーザビーム
は、ハーフミラー20及びホモジナイザ31を透過し偏
向器21及び22により反射され、集光レンズ23に入
射する。集光レンズ23により集光されたレーザビーム
は、処理対象物1の表面に照射される。
【0018】ハーフミラー20は、レーザビームの一部
を反射し、エネルギセンサ30に入射させる。エネルギ
センサ30は、レーザビームのエネルギを測定する。
【0019】ホモジナイザ31は、レーザビームの断面
内の強度分布をほぼ一様にする。偏向器21及び22
は、それぞれレーザビームの照射位置を、処理対象物1
の表面内の相互に直交するY軸方向及びX軸方向に移動
させる。偏向器21及び22は、例えばガルバノミラー
により構成される。偏向器21及び22をガルバノミラ
ーとした場合、レーザ照射位置の移動速度を一定に保つ
ために、集光レンズ23をアークサインレンズとするこ
とが好ましい。偏向器21及び22によるレーザビーム
の偏向角が時間に比例して変化する場合には、同様の理
由から集光レンズ23をfθレンズとすることが好まし
い。なお、偏向器21及び22として回転ポリゴンミラ
ーを用いてもよい。また、fθレンズを用いた場合で
も、ガルバノミラーの角度変化が時間に対して非線形に
なるように動作させることにより、レーザ照射位置での
移動速度を一定に保つことが可能となる。
【0020】集光レンズ23は、集光レンズ支持機構2
4により箱型容器11の側面に取り付けられている。集
光レンズ支持機構24は、処理対象物1の表面から集光
レンズ23までの高さを調節することができる。集光レ
ンズ23に、高さセンサ25が取り付けられている。高
さセンサ25は、処理対象物1の表面から集光レンズ2
3までの高さを検出し、高さ制御装置26に検出信号を
送出する。
【0021】高さ制御装置26には、予め高さ目標値が
記憶されている。高さ制御装置26は、高さセンサ25
から受信した検出信号に基づき、集光レンズ23の高さ
が目標値に近づくように集光レンズ支持機構24を制御
し、集光レンズ23の高さを調節する。
【0022】箱型容器11内に、可視光レーザ装置32
が設置されている。可視光レーザ装置32は、例えばH
eNeレーザ装置等である。可視光レーザ装置32から
出力された可視レーザビームは、ハーフミラー20によ
り反射され、貫通孔17を通って入射したレーザビーム
と同一の光軸に沿って伝搬する。従って、可視レーザビ
ームは、処理対象物1の表面のうちTEA−CO2 レー
ザ光とほぼ同一の領域を照射する。このため、図1に示
す透明窓12を通してレーザビームの照射位置を目視観
察することができる。
【0023】箱型容器11内に、ノズル40と41が配
置されている。ノズル40と41は、箱型容器11の側
壁に取り付けられたガス導入管13に連通している。ノ
ズル40は、処理対象物1の表面のレーザビーム照射位
置及びその近傍にガスを噴出する。ノズル41は、集光
レンズ23の処理対象物1側の面に向かってガスを噴出
する。このガス流により、処理対象物1の表面からの飛
散物が集光レンズ23の表面に付着することを抑制する
ことができる。
【0024】箱型容器11内に配置されたガス吸引口4
2が、箱型容器11の側壁に取り付けられたガス排気管
15に連通している。ガス吸引口42の先端は、処理対
象物1の表面のレーザ照射位置の方を向く。ガス吸引口
42は、箱型容器11内のガスを排気するとともに、レ
ーザ照射部分から飛散した除去物を排出することができ
る。
【0025】ガス吸引口42の先端近傍に、色センサ4
3及び温度センサ44が取り付けられている。
【0026】色センサ43は、例えばCCDを含んで構
成され、処理対象物1のレーザビーム照射位置及びその
近傍の色を検出する。色センサ43の出力信号は、色判
定装置46に入力される。色判定装置46には、予め判
定基準となる基準色の範囲が記憶されている。この基準
色の範囲は、例えば色度図内に指定されたある基準領域
により特定される。
【0027】色判定装置46は、色センサ43により検
出された色が、基準色の範囲内であるか否か、すなわ
ち、基準色と一致または近似するか否かを判定する。例
えば、検出された色の色度図内の位置を求め、この位置
が色度図内の基準領域内か否かを判定する。
【0028】塗装膜の下地表面の色と塗装膜の色とが異
なる場合、下地表面の色を含むある範囲を基準色の範囲
として設定しておくことにより、下地表面が露出したか
否かを判定することができる。
【0029】温度センサ44は、例えば放射温度計であ
り、処理対象物1の表面のレーザビーム照射位置及びそ
の近傍の温度を検出する。温度センサ44の出力信号
は、温度異常検出装置45に入力される。温度異常検出
装置45には、予め判定基準となる基準温度が記憶され
ている。
【0030】温度異常検出装置45は、温度センサ44
により検出された温度と基準温度とを比較する。検出温
度が基準温度よりも高い場合には、異常処理を実行す
る。異常処理は、例えばレーザ光照射の停止等である。
【0031】次に、図1及び図2に示すレーザ処理装置
の動作を、処理対象物表面の塗装膜を除去する場合を例
にとって説明する。
【0032】図2に示すレーザ照射ヘッド10に入射し
たレーザビームが、処理対象物1の表面に照射され、塗
装膜がアブレーションにより除去される。処理対処物1
の表面におけるレーザビームのエネルギ密度(フルエン
ス)が低すぎる場合には、塗装膜はアブレーションされ
ない。また、エネルギ密度が高すぎる場合には、塗装膜
の下地材料が損傷を受けてしまう。従って、レーザビー
ムのエネルギ密度を、下地材料が損傷を受けず、かつ塗
装膜がアブレーションされるような範囲に設定すること
が好ましい。なお、レーザ光発生装置60から出力され
たレーザビームのエネルギ密度が十分高い場合には、集
光レンズ23の代わりに発散レンズを用いる場合もあり
得る。
【0033】集光レンズ支持機構24により、処理対象
物1の表面から集光レンズ23までの高さを調節して照
射領域の面積を変えることにより、エネルギ密度を調節
することができる。エネルギ密度の好適な範囲は、下地
材料及び塗装膜の種類によって異なる。従って、予め異
なるエネルギ密度で予備実験を行い、好適なエネルギ密
度の範囲、すなわち好適な集光レンズ23の高さを決定
しておくことが好ましい。
【0034】高さ制御装置26に、集光レンズ23の好
適な高さを記憶させておく。高さ制御装置26が、高さ
センサ25により検出された高さと、予め記憶されてい
る好適な高さとを比較し、好適な高さに近づくように集
光レンズ支持機構24を制御する。この高さ制御によ
り、常時好適なエネルギ密度でアブレーションを行うこ
とができる。
【0035】偏向器22により、レーザビームの照射位
置をX軸方向に掃引し、その後偏向器21によりY軸方
向に照射位置をずらす。再び偏向器22により照射位置
をX軸方向に掃引し、X軸方向に関して前回の掃引と同
じ範囲にレーザ光を照射する。この掃引を繰り返すこと
により、処理対象物1の表面のある領域の塗装膜をアブ
レーションにより除去することができる。
【0036】図1に示すマニピュレータアーム50を駆
動してレーザ照射ヘッド10の位置を移動させ、上記X
軸及びY軸方向の掃引を繰り返し実行する。このように
して、処理対象物1の表面の広い領域の塗装膜をアブレ
ーションにより除去することができる。
【0037】レーザ照射ヘッド10を移動させると、処
理対象物1の表面の曲率の変化、凹凸等により、その表
面から集光レンズ23までの高さが変動する場合があ
る。この場合、高さセンサ25と高さ制御装置26によ
り、集光レンズ23の高さを一定に保つことができる。
このため、処理対象物1の表面におけるレーザ光のエネ
ルギ密度を一定に維持することができ、安定したアブレ
ーションを行うことが可能になる。
【0038】なお、偏向器21による掃引方向と偏向器
22による掃引方向とは、必ずしも直交させる必要はな
い。両者の掃引方向が相互に交わる関係にあればよい。
【0039】また、上述の掃引方法では、偏向器21と
22を用いて2次元的に掃引する場合を説明したが、い
ずれか一方の偏向器のみを用いて1次元的に掃引を行っ
てもよい。この場合、図1に示すマニピュレータアーム
50により、掃引方向に交わる方向にレーザ照射ヘッド
10を移動させる。このようにして、処理対処物1の表
面の広い領域にレーザビームを照射することができる。
【0040】ノズル40から処理対象物1の表面にガス
を吹き付けることにより、表面の温度上昇を抑制するこ
とができる。なお、吹き付けガスとして、処理対象物1
を酸化しないガス、例えばArガス、Heガス等の不活
性ガス、もしくはN2 ガス等を用いることが好ましい。
なお、耐酸化性の高い材料を処理する場合には、空気を
吹き付けてもよい。また、処理対象物1の表面から飛散
した除去物は、ガス吸引口42から排出される。
【0041】レーザアブレーションによる塗装膜の除去
が行われている間も、温度異常検出装置45が、処理対
象物1の表面温度の正常性を監視している。処理対象物
1の表面温度が、予め設定されている基準温度を超える
と異常処理が実行される。異常処理は、例えば、レーザ
光照射の停止、警報の鳴動等である。なお、検出温度が
基準温度を超えた場合、レーザ光のパルス繰り返し周波
数を低下させてもよい。
【0042】このように、レーザアブレーションを利用
することにより、有毒な化学薬品を使用することなく塗
装膜の除去を行うことができる。
【0043】アブレーション中に処理対象物1の表面温
度を監視しているため、温度上昇による処理対象物1の
損傷、変質等を防止することができる。
【0044】国際航空輸送協会(IATA)の基準によ
ると、航空機の機体表面の塗装膜を除去する際に、機体
表面温度を80℃以下に維持しなければならない。例え
ば、温度異常検出装置に設定しておく基準温度を75℃
とすることにより、機体表面温度がIATA基準を満た
しているか否かを確認しながら塗装膜の除去を行うこと
ができる。
【0045】また、色判定装置46で処理対象物1の表
面の色を観測しているため、塗装膜が完全に除去された
か否かを判定することができる。航空機の塗装膜は、通
常、接着及び防錆のためのプライマ層、及びその上に塗
布された化粧用のトップコート層の2層からなる。プラ
イマ層とトップコート層の色が異なる場合には、色判定
装置46により、トップコート層が除去されてプライマ
層が露出したことを検出することができる。
【0046】また、塗装膜の厚さにむらがある場合、全
面に同一の条件でレーザ照射を行ったのでは、塗装膜を
除去しきれない領域が生ずる。色判定装置46で下地表
面が露出したか否かを判定しながらレーザ照射を行うこ
とにより、塗装膜に厚さむらがある場合にも、除去残り
の発生を防止することができる。
【0047】次に、図3を参照して塗装膜除去の実験結
果について説明する。実験には、アルミ板の表面上に航
空機の機体の塗装に使用される厚さ約80μmの塗装膜
を形成したサンプルを用いた。レーザ光発生装置60
は、繰り返し周波数100Hzでパルスレーザ光を出力
するTEA−CO2 レーザ装置である。処理対象物1の
表面におけるレーザビームのエネルギ密度は約5J/c
2 、照射領域の形状は、約14mm×1mmの長方形
である。このとき、アブレーション除去される領域は約
5mm×0.5mmの長方形状である。ショット間の移
動距離は約0.5mmである。また、レーザビーム照射
位置のX軸方向の掃引速度を25mm/sとした。
【0048】図3は、レーザビーム照射履歴を示す。ま
ず、矢印S1で示すように偏向器22によりX軸方向に
約5cm掃引する。次に、偏向器21によりY軸方向に
約0.5cmずらし、矢印S2で示すように再び偏向器
22によりX軸方向に関して同じ範囲を掃引する。さら
に、Y軸方向に約0.5cmずらし、矢印S3で示すよ
うにX軸方向に関して同じ範囲を掃引する。矢印S1〜
S3の掃引により、約5cm×1.5cmの長方形の領
域にレーザビームを照射することができる。矢印S1〜
S3の掃引を3回繰り返し実行する。
【0049】その結果、アルミ板表面の塗装膜はほぼ完
全に除去され、母材であるアルミ板の表面が露出した。
アルミ板の表面の損傷は見られなかった。
【0050】上記実験では、処理対象物表面の同一領域
に3回のレーザ照射を行った。レーザ照射回数を減らす
ことにより、塗装膜の下層部分を残し、上層部分のみを
除去することができる。航空機の機体表面の塗装膜は、
通常、接着及び防錆のためのプライマ層と、その上に塗
布された化粧のためのトップコート層からなる。レーザ
照射回数を調節することにより、例えばトップコート層
のみを除去することが可能になる。
【0051】上記実施例では、レーザ光発生装置として
パルス発振型のTEA−CO2 レーザ装置を用いた場合
を説明したが、その他のレーザ装置を用いてもよい。例
えば、Nd:YAGレーザ装置、Nd:YLFレーザ装
置、エキシマレーザ装置、銅蒸気レーザ装置、COレー
ザ装置、半導体レーザ装置等を用いてもよい。また、パ
ルス発振型に限る必要はなく、連続発振型のレーザ装置
を用いてもよい。また、これらレーザ装置から出力され
たレーザ光の高調波、例えば第2〜第5高調波、または
ラマン変換光等を用いてもよい。
【0052】以上実施例に沿って本発明を説明したが、
本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種
々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に
自明であろう。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
レーザアブレーションを利用することにより、化学薬品
を使用することなく、処理対象物の表面に形成された塗
装膜を除去することができる。また、処理対象物表面か
ら集光レンズまでの高さを調節することにより、レーザ
ビームのエネルギ密度を好適な範囲に設定することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例によるレーザ処理装置の概略を
示す斜視図である。
【図2】図1に示すレーザ照射ヘッドの概略を示す断面
図である。
【図3】レーザビームの掃引の様子を説明するための図
である。
【符号の説明】
1 処理対象物 10 レーザ照射ヘッド 11 箱型容器 12 透明窓 13 ガス導入管 14 ガス供給装置 15 ガス排気管 16 ガス排気装置 17 貫通孔 20 ハーフミラー 21、22 偏向器 23 集光レンズ 24 集光レンズ支持機構 25 高さセンサ 26 高さ制御装置 30 エネルギセンサ 31 ホモジナイザ 32 可視光レーザ装置 40、41 ノズル 42 ガス吸引口 43 色センサ 44 温度センサ 45 温度異常検出装置 46 色判定装置 50 マニピュレータアーム 51 マニピュレータ本体 60 レーザ光発生装置 61 ビーム整形用光学部品 62 レーザ伝送用アーム 63 レーザビーム

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光を処理対象物の表面に照射し、
    かつ該処理対象物の表面におけるレーザ光のエネルギ密
    度を変化させることができるエネルギ密度可変光学系を
    用いて、表面に塗装膜が形成された処理対象物の該表面
    にレーザ光を照射し、該塗装膜の少なくとも上層部分を
    アブレーションにより除去するとともに、前記処理対象
    物の表面のレーザ照射部分の色を観測する工程を有する
    塗装除去方法。
  2. 【請求項2】 レーザ光を集光もしくは発散し処理対象
    物の表面に照射するレンズと、 前記レンズを支持し、前記処理対象物表面から前記レン
    ズまでの高さを調節可能なレンズ支持機構と、 前記処理対象物の表面のレーザ照射された領域の色を観
    測する色センサと、 判定基準となる基準色を記憶し、前記色センサにより観
    測された色を前記基準色と比較し、両者が一致するかま
    たは近似する場合、終了処理を実行する色判定手段とを
    有するレーザ処理装置。
JP9121236A 1997-05-12 1997-05-12 レーザ塗装除去方法及びレーザ処理装置 Withdrawn JPH10309516A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9121236A JPH10309516A (ja) 1997-05-12 1997-05-12 レーザ塗装除去方法及びレーザ処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9121236A JPH10309516A (ja) 1997-05-12 1997-05-12 レーザ塗装除去方法及びレーザ処理装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10309516A true JPH10309516A (ja) 1998-11-24

Family

ID=14806289

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9121236A Withdrawn JPH10309516A (ja) 1997-05-12 1997-05-12 レーザ塗装除去方法及びレーザ処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10309516A (ja)

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007517674A (ja) * 2004-01-09 2007-07-05 ゼネラル レーザートロニクス コーポレーション レーザコーティング剥離のための色感知
JP2009195801A (ja) * 2008-02-20 2009-09-03 Fukuda Corporation:Kk 金属製ワークの加工方法
RU2468457C1 (ru) * 2011-08-03 2012-11-27 Федеральное государственное бюджетное образовательное учреждение высшего профессионального образования "Санкт-Петербургский национальный исследовательский университет информационных технологий, механики и оптики" Способ удаления радиоактивной пленки с поверхности объекта
JP2014079664A (ja) * 2012-10-12 2014-05-08 Toyokoh Co Ltd 塗膜除去方法及びレーザー照射装置
US9370842B2 (en) 2007-03-22 2016-06-21 General Lasertronics Corporation Methods for stripping and modifying surfaces with laser-induced ablation
JP2018001199A (ja) * 2016-06-29 2018-01-11 株式会社Ihi 表面処理装置
US9895771B2 (en) 2012-02-28 2018-02-20 General Lasertronics Corporation Laser ablation for the environmentally beneficial removal of surface coatings
US10086597B2 (en) 2014-01-21 2018-10-02 General Lasertronics Corporation Laser film debonding method
US10112257B1 (en) 2010-07-09 2018-10-30 General Lasertronics Corporation Coating ablating apparatus with coating removal detection
KR20190083639A (ko) * 2017-07-17 2019-07-12 삼성중공업 주식회사 작업 품질 검사 기능을 구비한 레이저 클리닝 장치 및 그 방법
JP2020040115A (ja) * 2018-09-13 2020-03-19 三郷金属工業株式会社 レーザー被膜剥離システム
JP2021030243A (ja) * 2019-08-16 2021-03-01 公益財団法人レーザー技術総合研究所 レーザー表面処理装置及びレーザー表面処理方法
KR102280373B1 (ko) * 2020-12-30 2021-07-22 주식회사 마이크로이미징 3중 구조의 레이저출사안전장치를 갖는 클린 레이저 시스템
JP2022007667A (ja) * 2020-06-26 2022-01-13 三菱重工業株式会社 表面加工装置および方法
CN116213940A (zh) * 2023-05-04 2023-06-06 中国人民解放军空军工程大学 一种飞机复合材料大面积损伤原位去除打磨装置

Cited By (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8030594B2 (en) 2004-01-09 2011-10-04 General Lasertronics Corporation Color sensing for laser decoating
US8269135B2 (en) 2004-01-09 2012-09-18 General Lasertronics Corporation Color sensing for laser decoating
JP2007517674A (ja) * 2004-01-09 2007-07-05 ゼネラル レーザートロニクス コーポレーション レーザコーティング剥離のための色感知
US9375807B2 (en) 2004-01-09 2016-06-28 General Lasertronics Corporation Color sensing for laser decoating
US9370842B2 (en) 2007-03-22 2016-06-21 General Lasertronics Corporation Methods for stripping and modifying surfaces with laser-induced ablation
JP2009195801A (ja) * 2008-02-20 2009-09-03 Fukuda Corporation:Kk 金属製ワークの加工方法
US11045900B2 (en) 2010-07-09 2021-06-29 General Lasertronics Corporation Coating ablating apparatus with coating removal detection
US11819939B2 (en) 2010-07-09 2023-11-21 General Lasertronics Corporation Coating ablating apparatus with coating removal detection
US10112257B1 (en) 2010-07-09 2018-10-30 General Lasertronics Corporation Coating ablating apparatus with coating removal detection
RU2468457C1 (ru) * 2011-08-03 2012-11-27 Федеральное государственное бюджетное образовательное учреждение высшего профессионального образования "Санкт-Петербургский национальный исследовательский университет информационных технологий, механики и оптики" Способ удаления радиоактивной пленки с поверхности объекта
US9895771B2 (en) 2012-02-28 2018-02-20 General Lasertronics Corporation Laser ablation for the environmentally beneficial removal of surface coatings
US11338391B2 (en) 2012-02-28 2022-05-24 General Lasertronics Corporation Laser ablation for the environmentally beneficial removal of surface coatings
JP2014079664A (ja) * 2012-10-12 2014-05-08 Toyokoh Co Ltd 塗膜除去方法及びレーザー照射装置
US10086597B2 (en) 2014-01-21 2018-10-02 General Lasertronics Corporation Laser film debonding method
JP2018001199A (ja) * 2016-06-29 2018-01-11 株式会社Ihi 表面処理装置
KR20190083639A (ko) * 2017-07-17 2019-07-12 삼성중공업 주식회사 작업 품질 검사 기능을 구비한 레이저 클리닝 장치 및 그 방법
JP2020040115A (ja) * 2018-09-13 2020-03-19 三郷金属工業株式会社 レーザー被膜剥離システム
JP2021030243A (ja) * 2019-08-16 2021-03-01 公益財団法人レーザー技術総合研究所 レーザー表面処理装置及びレーザー表面処理方法
JP2022007667A (ja) * 2020-06-26 2022-01-13 三菱重工業株式会社 表面加工装置および方法
KR102280373B1 (ko) * 2020-12-30 2021-07-22 주식회사 마이크로이미징 3중 구조의 레이저출사안전장치를 갖는 클린 레이저 시스템
CN116213940A (zh) * 2023-05-04 2023-06-06 中国人民解放军空军工程大学 一种飞机复合材料大面积损伤原位去除打磨装置
CN116213940B (zh) * 2023-05-04 2023-08-08 中国人民解放军空军工程大学 一种飞机复合材料大面积损伤原位去除打磨装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH1128900A (ja) レーザ光を用いた塗装除去方法及びレーザ処理装置
JPH10309516A (ja) レーザ塗装除去方法及びレーザ処理装置
US9481052B2 (en) Methods for stripping and modifying surfaces with laser-induced ablation
US9023461B2 (en) Apparatus for optically laser marking articles
US5613509A (en) Method and apparatus for removing contaminants and coatings from a substrate using pulsed radiant energy and liquid carbon dioxide
US8604380B2 (en) Method and apparatus for optimally laser marking articles
JPH10309899A (ja) レーザ処理装置及び塗装除去方法
US5194723A (en) Photoacoustic control of a pulsed light material removal process
KR100318248B1 (ko) 레이저빔에의한공동글래스물품절단방법및장치
CN113146078B (zh) 一种用于激光水下加工的气泡观测与消除装置、方法
JP7307614B2 (ja) 下地処理方法及び下地処理装置
WO2013141810A1 (en) A laser cleaning apparatus and method
JP5826387B2 (ja) 対象物に最適にレーザマーキングを施すための方法及び装置
WO2019203050A1 (ja) 配線修正装置および配線修正方法
JPH10305376A (ja) レーザ処理装置と塗装除去方法
JP5983933B2 (ja) 塗膜除去方法及びレーザー照射装置
JPH10309515A (ja) レーザによる塗装除去方法及びレーザ処理装置
KR101782608B1 (ko) 소재 표면 세정 장치 및 세정 방법
JPH10309900A (ja) レーザ塗装除去方法とレーザ処理装置
JPH10309517A (ja) レーザ処理装置及びそれを用いた塗装除去方法
JPH07225300A (ja) レーザによる表面付着物の除去方法及び装置
JP7504135B2 (ja) コンポーネントを穿孔する方法及び装置
CN115768585A (zh) 用于利用ir激光处理表面的方法
US6900409B2 (en) Single head laser high throughput laser shock peening
WO2013074105A1 (en) Method and apparatus for optimally laser marking articles

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20040803