JPH10309190A - セレン酸還元菌及び排水処理方法 - Google Patents

セレン酸還元菌及び排水処理方法

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JPH10309190A
JPH10309190A JP9136157A JP13615797A JPH10309190A JP H10309190 A JPH10309190 A JP H10309190A JP 9136157 A JP9136157 A JP 9136157A JP 13615797 A JP13615797 A JP 13615797A JP H10309190 A JPH10309190 A JP H10309190A
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wastewater
microorganism
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JP9136157A
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English (en)
Inventor
Koichiro Iwashita
浩一郎 岩下
Tatsuto Nagayasu
立人 長安
Masahito Kaneko
雅人 金子
Susumu Okino
沖野  進
Masao Hino
日野  正夫
Yasuyuki Ogushi
泰之 小串
Ryohei Ueda
良平 植田
Katsuji Yoshimi
勝治 吉見
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 排水中のセレン(特に6価Se)の効果的な
除去が可能で、低コストで溶出基準等の遵守が実現でき
る排水処理方法を提供する。 【解決手段】 排水中の6価Seを微生物処理により4
価Se又は/及び単体Seに還元したのち、固液分離す
る。微生物としては、発明者らが見出した微生物、即ち
パラコッカス属に属し6価のSeを還元する能力を有す
るセレン酸還元菌FERM BP−5662を使用す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Se(セレン)を
含む排水からSe、特に6価Seを効果的に除去できる
排水処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、火力発電設備等に設けられる排
煙脱硫装置としては、排煙を吸収剤スラリ(例えば石灰
石スラリ)に接触させて、排煙中の硫黄酸化物を吸収除
去するとともに、吸収塔内のスラリから副生物として石
膏を分離回収する湿式排煙脱硫装置が近年普及してい
る。ところが、この排煙脱硫装置から出る排水中には、
排煙中に存在していた有害物が溶け込んで含有されるた
め、放流又は再利用する前にこれら有害物を除去する必
要がある。特に、石炭焚きボイラー用の排煙脱硫装置に
おいては、石炭中に最大10mg/kg程度の含有量で
含まれるSeの有害性が近年問題となっており、排水中
から除去し無害化して処理することが望まれている。
【0003】なおSeは、ヒ素化合物に類似した毒性を
持ち、海外で障害の事例や排出規制があるため、我が国
でも1994年2月に新たに規制項目に加わり、環境基
準(0.01mg/リットル)、排水基準(0.1mg
/リットル)、埋立処分に関する溶出基準(0.3mg
/リットル)が制定された。またSeは、排水中におい
て4価のSe(主形態:亜セレン酸SeO3 2-)と、6価
のSe(主形態:セレン酸SeO4 2-)として存在し、特
に6価のSeは溶解度が高く(溶解度95%at20
℃)溶出し易い。
【0004】なお、現行の排煙脱硫装置には、通常排水
処理装置が設けられ、この装置において排水の浄化処理
が行われるようになっている。ところが、従来の排水処
理装置では、凝集沈殿処理、COD(化学的酸素要求
量)処理、微生物による脱窒処理等が順次行われる構成
とされ、Se除去処理については考慮されていなかっ
た。
【0005】また、従来4価のSeについては、FeC
3又はFe2(SO4)3や、キレート剤(例えば、ミヨシ
樹脂製:エポラス MX−7)、或いは高分子重金属捕
集剤(例えば、ミヨシ樹脂製:エポフロック L−1)
などにより不溶化して、固液分離することにより除去す
る方法が考えられていた。しかしながら、従来6価のS
eについては、効果的な除去方法は見出されていなかっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このため従来では、排
水中にセレン(特に6価Se)が含まれる場合、前記溶
出基準等を遵守するために、脱硫排水等を例えば多量の
水で希釈するといっためんどうでコストのかかる処理が
必要となるという問題があった。
【0007】そこで本発明は、セレン酸の効果的な還元
能力を有するセレン酸還元菌を見出すとともに、排水中
のセレン(特に6価Se)の効果的な除去が可能で、低
コストで前記溶出基準等の遵守が実現できる排水処理方
法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載のセレン酸還元菌 FERM BP−
5662は、発明者らにより新規に見出された細菌であ
り、パラコッカス属に属し6価のSeを還元する能力を
有する。
【0009】請求項2記載の排水処理方法は、Seを含
む排水から少なくとも6価のSeを除去する排水処理方
法であって、パラコッカス属に属するセレン酸還元菌
FERM BP−5662を少なくとも含有する活性汚
泥を使用した微生物処理により、排水中の6価Seを4
価Se又は/及び単体Seに還元したのち、固液分離す
る工程を含むことを特徴とする。
【0010】請求項3記載の排水処理方法は、前記微生
物処理が、脱窒能を有する微生物と、パラコッカス属に
属するセレン酸還元菌 FERM BP−5662とを
少なくとも含有する活性汚泥を使用した微生物処理であ
って、該微生物処理においてSeの還元とともに脱窒処
理を行うことを特徴とする。
【0011】請求項4記載の排水処理方法は、前記微生
物処理において、排水中に4価のSeを不溶化する処理
剤を添加することを特徴とする。
【0012】請求項5記載の排水処理方法は、前記微生
物処理を施し、固液分離する前あるいは固液分離した後
の排水に4価のSeを不溶化する処理剤を添加し、さら
に必要に応じて固液分離を行う工程を設けたことを特徴
とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。 (第1例)まず、本発明の排水処理方法の実施の形態の
第1例について、図1により説明する。図1において脱
硫装置1は、例えば、底部に石灰石スラリ(吸収剤スラ
リ)が供給されるタンクが形成された吸収塔(図示略)
を備え、この吸収塔のタンク内の吸収剤スラリを循環ポ
ンプ(図示略)により吸収塔の塔本体部に送って、この
塔本体部を通過する排煙と気液接触させることにより、
排煙中の硫黄酸化物を吸収除去するものである。そし
て、タンク酸化方式の場合には、排煙と接触し前記タン
ク内に流下した吸収剤スラリが、タンク内に吹込まれた
空気により酸化されタンク内において副生品である石膏
(固形分)が生成する構成となっている。
【0014】この場合、タンク内のスラリの一部が連続
的に抜き出されて固液分離されることにより、水分含有
率の低い石膏が連続的に採取され、一方分離水の多く
は、前記タンク内に新たに供給される石灰石スラリを構
成する水分として循環的に使用される。また、分離水の
一部は、いわゆる脱硫排水Aとして脱硫装置の系外に排
出される。これは、排煙中からスラリ中に溶け込んだ不
純物がスラリを構成する循環水中に過剰に蓄積し脱硫性
能が阻害されるのを防ぐために必須の処理である。この
脱硫排水Aには、特に石炭焚きボイラ用の場合、排煙中
から相当量のSeが溶け込んでいる。例えば、6価Se
は、0.3mg/リットル程度含有される。
【0015】そしてこの脱硫排水Aは、本例の場合排水
処理装置2において、図1に示す如く、凝集沈殿工程、
COD処理工程、微生物処理工程、4価Se除去工程を
経て、処理済排水Bとして放流される。ここで凝集沈殿
工程は、脱硫装置1における石膏採取のための固液分離
処理において分離できなかった微細な固形分(粒子)を
凝集沈降装置により除去する工程であり、またCOD処
理工程は、COD値を基準値以下とするために無機汚濁
物質を除去する工程である。このCOD処理工程は、排
水を高温で煮沸させて汚濁物質を熱分解する方法や、吸
着樹脂により特定の汚濁物質を選択吸着するといった周
知の方法で行うことができる。なお、排水中に含まれる
4価Seは、その一部又は全部が上記凝集沈殿処理にお
いて凝集剤と反応し亜セレン酸塩となって固相側に析出
し除去されるが、少なくとも6価のSeは、上記凝集沈
殿工程及びCOD処理工程においても排水中に溶存した
まま後流側に排出される。
【0016】微生物処理工程では、好気処理(好気性微
生物処理)、嫌気処理(嫌気性微生物処理)、沈殿処理
(固液分離)の各処理を順に行う。ここでの好気処理
は、亜硝酸菌(NH4 +を酸化してNO2 -を生成させる性
質を有する細菌)と、硝酸菌(NO2 -を酸化してNO3 -
を生成させる性質を有する細菌)とを含む活性汚泥を使
用し、この活性汚泥が浮遊又は懸濁する攪拌槽に、CO
D処理工程後の排水を導入攪拌し、必要に応じて空気を
吹込んで曝気(空気にさらす)するものである。この好
気処理では、相当の滞留時間を経て、排水中のNH4 +
活性汚泥中の亜硝酸菌により酸化されてNO2 -となり、
さらにこのNO2 -は活性汚泥中の硝酸菌により酸化され
てNO3 -となる。なお、この好気処理が終了した排水
は、必要に応じて沈殿処理等を行って、この好気処理に
用いられる活性汚泥をなるべく含まない状態で、後流側
(嫌気処理における後述の攪拌槽等)に送出される。
【0017】次に嫌気処理は、6価Seを4価Se又は
/及び単体Seに還元するセレン還元能を有する微生物
(本発明のセレン酸還元菌 FERM BP−5662
を含むもの)と、脱窒菌(NO3 -を還元してN2を生成さ
せる性質を有する細菌)とを含む活性汚泥を使用し、こ
の活性汚泥が浮遊又は懸濁する攪拌槽に、前記好気処理
後の排水を導入攪拌し、栄養源を補給しつつ密閉状態と
して嫌気性の環境を保持するものである。なお栄養源と
しては、有機酸(例えば酢酸,酢酸塩)、アルコール
(例えばメタノール,エタノール)、アルデヒド、ケト
ン、糖(例えばブドウ糖)などが使用できる。この嫌気
処理では相当の滞留時間を経て、排水中のNO3 -が活性
汚泥中の脱窒菌により還元されてN2となるとともに、セ
レン還元能を有する微生物により、同時に排水中の6価
のSe(主形態:セレン酸SeO4 2-)が4価のSe(S
eO3 2-)に還元され、或いはさらに単体Seとなる。
【0018】そして、沈殿処理では、上記嫌気処理後の
排水が、例えば沈降分離装置等に導入され、汚泥(固形
分)が除去された後に後流(4価Se除去工程)に送出
される。この際、単体Seは溶解度が極端に低いためほ
とんどが固形分として析出し、4価のSeも6価のSe
に比して溶解度が低いため一部が析出する。このため、
排水中に溶存する若干量の4価のSeを除きほとんどの
Seが、汚泥中に取込まれて排水から除去される。な
お、沈殿処理により除去された汚泥は、そのまま廃棄物
として処理してもよいが、例えば4価Seを不溶化する
処理剤を添加し混合した後、遠心沈降機等により脱水し
ケーキ状として廃棄等すれば、取扱いも容易になるし、
セレン溶出の問題も少ない。
【0019】そして、4価Se除去工程では、不溶化処
理(4価Se不溶化処理)、凝集沈殿処理(固液分離)
の各処理を順に行う。不溶化処理は、上記微生物処理工
程後の排水を攪拌槽に導入し、この攪拌槽に4価Seを
不溶化する処理剤(例えばFeCl3又はFe2(S
4)3)を投入して排水中に混入するものである。この
処理によれば、排水中に含まれる4価のSe(主形態:
亜セレン酸SeO3 2-)が、処理剤と例えば以下の反応
式(1),(2)又は(3),(4)で示される反応を
起こして亜セレン酸鉄(Fe2(SeO3)3)となり不溶
化する。
【0020】
【化1】 FeCl3 → Fe3+ + 3Cl- (1) 2Fe3+ + 3SeO3 2- → Fe2(SeO3)3↓ (2) 又は Fe2(SO4)3 → 2Fe3+ + 3SO4 2- (3) 2Fe3+ + 3SeO3 2- → Fe2(SeO3)3↓ (4)
【0021】このため、次の凝集沈殿処理において凝集
沈降装置等によりこの排水が固液分離されると、4価の
Seは、亜セレン酸鉄として固相側に分離され、排出さ
れる固形分(スラッジ)中に不溶化されて混入する。し
たがって、排水処理装置2から排出される処理済排水B
中には、セレンがほとんど含有されず、前述の排出基準
が十分に満足される。
【0022】なお、凝集沈殿処理により除去されたスラ
ッジは、そのまま産業廃棄物として処理してもよいが、
例えば遠心沈降機等により脱水しケーキ状として廃棄等
すれば、取扱いが容易となる。なお、このスラッジ中に
おいては、ほとんどのセレンが不溶化されて存在するた
め、ケーキ状として廃棄等してもセレンの溶出基準を十
分に満足できる。またなお、ここでは微生物処理工程後
の汚泥が分離された後の排水に4価Seを不溶化する処
理剤を添加する例について説明したが、微生物処理工程
後の汚泥を分離する前の排水に前記処理剤を添加し、不
溶化したSeを後の固液分離工程において汚泥とともに
分離するようにしてもよい。
【0023】以上のような排水処理方法によれば、後述
する実施例で実証されるように、従来は除去不可能であ
った6価のSeをも排水中から十分除去して、前述した
排水基準(0.1mg/リットル)を容易にクリアすること
ができる。しかも、6価Seの還元は脱窒処理と同時に
行われるので、微生物処理工程のための装置構成は、硝
化処理(好気処理)及び脱窒処理(嫌気処理)を行って
いた従来の排水処理装置と同じ装置構成(活性汚泥を除
く機器構成)でそのまま実現でき、この場合4価Se除
去工程のための機器を設置するだけで既存の装置に容易
かつ低コストに本発明を適用できる。また、6価Seの
還元と脱窒処理とを別工程で行う場合に比し、全体の処
理時間が格段に短縮できる。
【0024】なお、排水中のSe濃度、或いは微生物処
理槽の容量や代謝状態の管理によっては、微生物処理工
程におけるSe除去作用により、微生物処理工程後の排
水中に残留するSe(主に4価Se)の濃度が排出基準
値以下となるので、4価Se除去工程は必ずしも必要で
はない。
【0025】(第2例)次に、本発明の排水処理方法の
実施の形態の第2例について、図2により説明する。こ
の例は、排水処理装置2aにおいて、前述した亜硝酸
菌,硝酸菌,セレン酸還元菌,脱窒菌を含む活性汚泥を
微生物処理工程内でリサイクルする方式の一例である。
【0026】すなわち、COD処理工程後の排水を各種
菌を含む活性汚泥が浮遊する好気処理工程に導入し、空
気を吹き込んで曝気する。この好気処理工程では、相当
の滞留時間を経て、排水中のNH4 +が活性汚泥中の亜硝
酸菌により酸化されてNO2 -となり、さらにこのNO2 -
は活性汚泥中の硝酸菌により酸化されてNO3 -となる。
この好気処理が終了した排水は、活性汚泥とともに次の
嫌気処理工程に導かれる。
【0027】嫌気処理では、活性汚泥が浮遊する程度の
攪拌を実施し、栄養源を補給しつつ密閉状態として嫌気
性の環境を保持する。なお栄養源としては、前述したよ
うに、有機酸(例えば酢酸,酢酸塩)、アルコール(例
えばメタノール,エタノール)、アルデヒド、ケトン、
糖(例えばブドウ糖)などが使用できる。この嫌気処理
では、セレン還元能を有する微生物(本発明のセレン酸
還元菌FERM BP−5662を含むもの)により、
排水中の6価Seが4価Se又は/及び単体Seに還元
されるとともに、排水中のNO3 -が活性汚泥中の脱窒菌
により還元されてN2となる。
【0028】嫌気処理工程で残存した栄養源はそのまま
ではCOD増加の原因となるので、次の酸化処理工程
で、例えば空気を吹き込んで曝気し、残存した栄養源を
活性汚泥中の微生物の好気的代謝により分解処理する。
そして、この酸化処理工程が終了した排水は、活性汚泥
とともに次の沈殿処理工程に導かれる。この沈殿処理工
程では、例えば沈降分離装置等により活性汚泥と排水と
に分離される。
【0029】ここで、沈降分離され濃縮された活性汚泥
の一部は、好気処理工程の処理槽に返送されリサイクル
される。このリサイクル量は、排水の処理性能を信頼性
高く保持するため、好気処理工程の処理槽に流入するC
OD処理工程後の排水量の例えば2倍程度とする。ま
た、沈殿処理工程で、活性汚泥(固形分)が除去された
排水は、後流(4価Se除去工程)に送出される。
【0030】なお、以上の微生物処理工程において、菌
の増殖等により活性汚泥の全体量が増加した場合には、
沈殿処理工程で濃縮された活性汚泥を適宜抜き出して系
外に排出することにより調整すればよい。また、活性汚
泥中の微生物の活性を安定的に保持するため、各種菌の
共通栄養源(例えば、リン酸)を適宜好気処理工程に添
加するのが好ましい。
【0031】以上説明した第2例の排水処理方法によれ
ば、前述の第1例と同様の効果に加えて、以下のような
効果がある。すなわち、微生物処理工程においては、1
種類の活性汚泥が循環利用されるリサイクル方式が採用
されているので、各処理工程毎に大掛かりな固液分離
(活性汚泥の分離)の操作をする必要がなくなるととも
に、活性汚泥の装置への出し入れ等の作業や取扱い、及
び菌管理が容易となり、さらなる装置の簡素化やメンテ
ナンス作業の容易化が図れる。また、活性汚泥の攪拌
(混合)状態を良好に維持し易く、高い活性度が確保で
きる利点もある。
【0032】(第3例)次に、本発明の排水処理方法の
実施の形態の第3例について、図3により説明する。こ
の例は、排水処理装置2bにおいて、4価Seの不溶化
剤を微生物処理工程で排水中に投入する例である。すな
わち、処理剤(例えばFeCl3又はFe2(SO4)3
を、例えば図3に示すように排水処理装置2bの好気処
理における攪拌槽に投入し、或いは嫌気処理における攪
拌槽に投入して排水中に混入する構成とする。
【0033】この場合、排水中にもともと溶存していた
4価Seや、嫌気処理において6価Seが還元されて生
成した4価Seのほとんどが、好気処理における攪拌槽
や嫌気処理における攪拌槽において、投入された上記処
理剤と上記反応式(1),(2)又は(3),(4)で
示される反応を起こし、やはり亜セレン酸鉄(Fe2(S
eO3)3)となり不溶化して、沈殿処理において固形分
(スラッジ)中に含まれて除去される。
【0034】したがって、処理済排水B中には、セレン
がほとんど含有されず、前述の排出基準が十分に満足さ
れる。しかも、この場合には、微生物処理工程後の4価
Se除去工程は不要となり、4価Se除去工程のための
装置構成が削除された略従来と同様の構成の排水処理装
置であればよい。このため、装置構成が極めて簡単にな
り、既存の設備に対しても排水処理装置の設備コスト増
を招くことなくセレン除去機能を付加することができ
る。また、微生物処理工程後の4価Se除去工程がない
分だけ全体の処理時間もさらに短縮化される。
【0035】またこの場合、微生物処理工程の沈殿処理
において生じるスラッジは、ほとんどのセレンが不溶化
されて存在するため、必要に応じて固液分離してケーキ
状とし、そのまま廃棄等しても問題ない。なお、4価S
eを不溶化する処理剤としては、2価のFeを含むもの
(例えばFeSO4)を投入してもよい。この場合で
も、自然酸化、或いは好気処理における曝気による強制
酸化により、2価のFeが3価のFeとなり、やはり上
記反応式(1),(2)又は(3),(4)で示される
反応が生じ、4価Seを不溶化することができる。
【0036】
【実施例】次に、本発明の排水処理方法の一実施例とし
て、発明者らが行った実験について、以下説明する。な
お、以下実験では、既存の排煙脱硫システムの排水処理
装置における脱窒処理に使用されている脱窒菌及びセレ
ン酸還元菌を含む活性汚泥を、6価Se濃度が10pp
m程度で、かつ密閉した嫌気性環境において、14日間
程度馴養(じゅんよう)したものを使用している。
【0037】なお、この活性汚泥中の6価Seを還元す
る微生物としては、少なくともパラコッカス属に属する
一株が、後述する如く発明者らに見出されて新規な細菌
として同定され、FERM BP−5662として受託
された。また、以下の実験は、処理中には新たな培養液
(この場合脱硫排水等)の出し入れを行わない方式(い
わゆる回分式)で微生物を増殖させる方法を採用してい
る。また、微生物の栄養源としては、この場合酢酸塩を
活性汚泥に加えた。
【0038】(実験1.)まず実験1は、表1に示す条
件で、上記活性汚泥50ミリリットルと脱硫排水450ミリリットル
をフラスコ内で混合攪拌し、密閉して嫌気性環境とした
後、25℃で攪拌しながら24時間保持し、その後固形
分を沈殿させ上澄み水だけを採り出して、上澄み水中の
6価のSe濃度又は4価のSe濃度、及び窒素(N
3 -)の濃度を分析した。
【0039】
【表1】
【0040】分析結果は、表2に示すように、6価Se
濃度が著しく低下し、処理前の排水中にはほとんど測定
できなかった4価Seの濃度が増加した。なお、6価S
eの減少量と4価Se濃度の増加量の差は、単体Seに
まで還元されたものと考えられる。
【0041】
【表2】
【0042】そして、上記処理後に、上記上澄み水にF
eCl3を添加し混合攪拌した後、凝集沈殿処理する
と、液中の全Se濃度が0.02mg/リットルとなり、排
出基準(0.1mg/リットル)を大幅にクリアーした。
【0043】(実験2.)次に実験2は、上記活性汚泥
50ccと脱硫排水450cc(処理前の6価Se濃度
8ppm)をフラスコ内に流入し、さらに4価Seの不
溶化剤としてFeSO4を0.5g添加して混合攪拌し、
密閉して嫌気性環境とした後、25℃で攪拌しながら2
4時間保持し、その後固形分を沈殿させ上澄み水だけを
採り出して、上澄み水中の6価又は4価のSe濃度を分
析した。結果は、6価Seも4価Seも測定できずほと
んど液中には存在していなかった。なお、処理中のPH
は、7〜7.8であった。
【0044】なお、本発明の排水処理方法は以上説明し
た形態に限られず各種の態様が有り得る。例えば、Se
を不溶化する処理剤としては、FeCl3又はFe2(S
4)3の他に、キレート剤(例えば、ミヨシ樹脂製:エ
ポラス MX−7)や、高分子重金属捕集剤(例えば、
ミヨシ樹脂製:エポフロック L−1,L−2)等を使
用することができる。また、前述したように2価のFe
を含む化合物(FeSO4)をこの処理剤として加えて
もよい。
【0045】また前述したように、微生物処理工程にお
けるSe除去作用により、微生物処理工程後の排水中に
残留するSe(主に4価Se)の濃度が所望の値以下と
なる場合には、4価Se除去工程は必ずしも必要ではな
い。また、本発明の排水処理方法は、脱硫排水のみなら
ず6価Seを含む排水であれば、いかなる排水にも適用
できる。
【0046】次に、本発明のセレン酸還元菌 FERM
BP−5662の培養及び単離の方法の一例について
説明する。発明者らは、セレン酸を効果的に還元する微
生物を探索するため、従来の排水処理装置における脱窒
処理に使用されていた活性汚泥の中から、以下のような
方法で微生物を単離し、セレン酸の還元能力を調べた結
果、セレン酸を効果的に還元するパラコッカス属の新株
であることを見出した。そこで、Paracoccus
sp.SR−25と命名して工業技術院生命工学工業
技術研究所に寄託の結果、FERM BP−5662と
して受託された。
【0047】本発明のセレン酸還元菌 FERM BP
−5662(以下、本菌株という。)を分離するための
培養は、表3に示すPYAセレン酸培地を用いた。即
ち、前述の脱窒処理に使用されていた活性汚泥の集積培
養液を、この培地上に希釈プレーティングし、ガスパッ
クを用いて嫌気的に培養した。培養温度は27℃とし
た。なおここで集積培養液とは、自然環境、又はそれか
ら採取した試料中で特定微生物だけを選択的に増殖させ
る技法(即ち、集積培養)により得られた培養液をい
う。そして、セレン酸還元菌がセレン酸含有培地上で赤
色を呈することを利用してスクリーニング(特定の微生
物を探索して分離する操作)を行った。具体的には、培
地上において赤色を呈した特定のコロニーのみを新しい
別の培地に植付けることにより、特定の菌株を選抜し
た。なおセレン酸は、元素態セレンにまで還元されると
赤変するので、これによりセレン酸還元能を有する微生
物が選抜されることになる。その後、同様の培地、培養
条件で同じ操作を繰り返すことにより菌株を純化して、
特定のセレン酸還元菌を単離した。
【0048】
【表3】
【0049】次に、本菌株の微生物学的特徴について説
明する。本菌株の基本的な生化学的特徴付けは、「微生
物の分類と同定(下)」(長谷川 武治 編著、学会出
版センター刊)に準じて行った。また、市販の簡易同定
キットであるIDテストNF−18(日水製薬製)とB
BL CRYSTALNF/E(ベクトン・ディッキン
ソン)を用いた簡易同定試験も併せて行った。まず、本
菌株の微生物学的特徴を、表4に示す。
【0050】
【表4】
【0051】本菌株は、グラム陰性の短桿菌(たんかん
きん)で運動性はなく、嫌気的にも好気的にも生育可能
な通性嫌気性菌である。オキシダーゼ試験およびカタラ
ーゼ試験は陽性で、グルコースから好気的に酸を生成す
る(OFテスト=O)。硝酸還元能を示し、硝酸を窒素
ガスにまで還元する。また、栄養培地で増殖したコロニ
ーは、中央部が若干陥没した円形で、オレンジ色を呈す
る。また、本菌株は酢酸を単一炭素源とする無機塩培地
で生育しており、栄養要求性はないものと考えられる。
但し、これらの基本的な特徴からは、属を断定するまで
には至らなかった。
【0052】次に、日水製薬IDテストNF−18の結
果を表5にまとめる。この結果を付属のデータベースと
比較したが、本菌株に該当する菌株はない。
【0053】
【表5】
【0054】次に、BBL CRYSTAL NF/E
の結果を表6及び表7に示すが、本菌株については判定
不能であった。
【0055】
【表6】
【0056】
【表7】
【0057】また、本菌株について、Bergey’s
Manual(Krieg,N.R..andJ.G.Holt(1984) Berge
y's manual of systematic bacteriology.William s &
Wilkins.)を参照したが、明確な分離はできなかった。
そこで本発明者らは、遺伝子工学的手法を用いて本菌株
の同定を行った。それについて、以下説明する。
【0058】遺伝子工学的手法は、特定の遺伝子の塩基
配列を比較し、その相同性に基づいて生物を分類する方
法で、微生物のみならず、動物や人間に至るまで、その
進化の過程を含めた研究に用いられており、近年急速に
普及しつつある方法である。本菌株については、16S
rRNA遺伝子と呼ばれる遺伝子の塩基配列を解析す
ることにより、分類・同定を行った。
【0059】rRNA(リボソームRNA)は、蛋白質
の生産工場として働くリボソームの成分である。リボソ
ームは、mRNA(メッセンジャーRNA)を蛋白質に
翻訳するのに必ず必要なパーツであり、それ故、すべて
の原核生物、真核生物に存在している。従って、基本的
な構造は同じながら、機能に関わらない部分に遺伝子の
変異が積み重ねられるという、分類の指標にするのによ
い条件を満たしている。なお、RNAは取扱いが難しい
ため、その鋳型であるDNAを直接増幅し、塩基配列を
決定するという方法が考え出されており、今回はその方
法により、本菌株の16S rRNA遺伝子を解析し
た。
【0060】本菌株からのDNA抽出は、一般的なフェ
ノール抽出法を用い、また、16SrRNA遺伝子の増
幅(複製して量を増やす操作)は、PCR(polymerase
chain reaction:ポリメラーゼ連鎖反応)法にて行っ
た。増幅されたDNA断片は、GENECLEAN(ニ
ッポンジーン製)を用いて支持体であるアガロースゲル
より回収し、制限酵素であるHind IIIとBamHIで
切断した。そして、同じくHind IIIとBamHIで切
断したpUC19をベクターとして用い、このベクター
に回収したDNA断片をライゲーション(DNAリガー
ゼなどを用いて連結させる操作)し、プラスミド(染色
体外遺伝子)として大腸菌(E.Coli JM10
9)に導入した。導入されたコロニーをIPTG(isop
ropyl thiogalactoside;イソプロピルチオガラクトシ
ド)とX−gal(5-bromo-4-chloro-3-indolyl-β-D-
galactoside;5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリル-β-D-
ガラクトシド)を用いた検出系により選択し、再度導入
したプラスミドの抽出、制限酵素処理を行い、目的の断
片を保持した株であることを確認した。決定された本菌
株の16S rRNA遺伝子の塩基配列(1426塩
基)を図5,6に示す。
【0061】そして、国立遺伝学研究所のDDBJのF
ASTAプログラムを利用して、本株菌の上記塩基配列
と相同性の高い塩基配列を検索したところ、表8に示す
ように、パラコッカス(Paracoccus)属の多
くの種の16S rRNA遺伝子と非常によく似てお
り、本菌株はパラコッカス属に属する新株であると同定
された。
【0062】
【表8】
【0063】次に、集積培養した本菌株を含む活性汚泥
によるセレン酸の還元試験について説明する。表9に示
す酢酸基礎培地(セレン酸100mg−Se/リットルを含
む)を50mリットル入れた120mリットル容量のバイアル瓶
に、前述の活性汚泥3%を添加し、気相を窒素置換し
た。その後27℃で静置培養し、1週間毎に植え継ぎを
行った。そして、この植え継ぎを数回繰り返して得られ
た集積培養系によるセレン酸の還元試験を実施し、硝酸
性窒素濃度(NO3−N),菌体濃度(蛋白濃度),総有
機性炭素(TOC),セレン酸(SeO4:6価セレ
ン),亜セレン酸(SeO3:4価セレン)を経時的に
測定した。その結果を、図4に示す。なお、表9におけ
る「Wolfe's Mineral Solution」は、表10に示す組成
の溶液である。
【0064】
【表9】
【0065】
【表10】
【0066】図4に示すように、上記集積培養系は、2
39mg/リットルのセレン酸(100mg−Se/リットル)
を約1週間で還元することができた。同時に、硝酸やT
OCの除去も進んでおり、セレン酸と硝酸の同時除去が
可能であることが示された。また、培養液が赤色を示
し、その沈殿物をEDS(Energy Dispersive X-ray Sp
ectroscopy;エネルギ分散X線分光)分析を実施した結
果、セレンが析出され単体セレンが生成していることを
確認した。従って、セレン酸は亜セレン酸を経由して相
当量が単体セレンまで還元されていることが分った。な
お前述したような手法で、この集積培養系からセレン酸
還元能を持つ微生物を単離し同定した結果、少なくとも
本菌株(パラコッカス属に属するセレン酸還元菌 FE
RM BP−5662)が含まれていることを確認し
た。
【0067】
【発明の効果】請求項1記載のセレン酸還元菌 FER
M BP−5662は、パラコッカス属に属す新株であ
り、6価Seをも還元する能力を有する。このため、従
来処理が困難であった6価Seの分離除去処理が本菌株
による微生物処理により容易に可能となり、例えば排煙
脱硫装置の排水処理等に利用して極めて有益である。
【0068】請求項2記載の排水処理方法によれば、微
生物処理において排水中の6価Seが4価Se又は/及
び単体Seに還元されるので、容易に固形分として除去
できる。単体Seは極端に溶解度が低く、また4価Se
も6価Seに比較して溶解度が低いため、この微生物処
理及びその後の固液分離で多くのSeが固形分として除
去できる。このため、排水中に従来除去不可能であった
6価のSeが存在する場合でも、この濃度を格段に低下
させることができる。
【0069】請求項3記載の排水処理方法によれば、微
生物処理において、Seの還元とともに脱窒処理を行う
から、排水処理装置の構成が簡単になる。すなわち、例
えばSe除去処理を脱窒処理とは別の活性汚泥を使用し
て別工程で行う場合には、別個にSe除去処理専用の機
器(例えば、微生物処理用の攪拌槽)を設ける必要があ
るが、この発明の構成であれば、同じ機器を共用するこ
とができる。いいかえると、従来より微生物処理による
脱窒処理を行っていた既存の排水処理装置であれば、装
置構成を改造することなく、使用していた活性汚泥を変
更するだけで、そのまま本発明の処理方法が実施でき
て、6価Seの除去処理も可能になる。また、この構成
であれば、Seの還元と同時期に脱窒処理を行うから、
全体的な排水処理に必要な処理時間も短くてすむ。
【0070】請求項4記載の排水処理方法によれば、微
生物処理において排水中に4価Seを不溶化する処理剤
が加えられるから、未処理排水中にそもそも存在した4
価Seや、微生物処理における6価Seの還元により生
じた4価Seのほとんどが、不溶化して、その後の固液
分離処理(例えば沈殿処理)により除去できる。したが
って、処理後排水中の全Se濃度をさらに低減し、大き
な裕度をもって排水基準等の規制値を遵守することがで
きる。しかもこの場合には、微生物処理において排水中
に処理剤を加える構成であるから、微生物処理における
処理槽に処理剤を添加する装置を設けるだけで実施で
き、処理剤を排水に混合するための攪拌槽等を別個設け
る必要がないため、排水処理装置の設備コストが安く、
既存の装置の改造も極めて容易となる。
【0071】請求項5記載の排水処理方法によれば、微
生物処理後の工程において、微生物処理後の排水に4価
Seを不溶化する処理剤が加えられ、固液分離が行われ
る。このため、未処理排水中にそもそも存在した4価S
eや、微生物処理における6価Seの還元により生じた
4価Seであって、微生物処理において固形分として除
去できなかった残留4価Seのほとんどが、微生物処理
後のこの工程により除去される。したがって、処理後排
水中の全Se濃度をさらに低減し、大きな裕度をもって
排水基準等の規制値を遵守することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の排水処理方法を適用した脱硫排水処理
システム(第1例)を示す図である。
【図2】本発明の排水処理方法を適用した脱硫排水処理
システム(第2例)を示す図である。
【図3】本発明の排水処理方法を適用した脱硫排水処理
システム(第3例)を示す図である。
【図4】本発明のセレン酸還元菌の作用を実証する実験
結果を示す図である。
【図5】本発明のセレン酸還元菌の遺伝子塩基配列を示
す図である。
【図6】本発明のセレン酸還元菌の遺伝子塩基配列を示
す図である。
【符号の説明】
1 脱硫装置 2,2a,2b 排水処理装置 A 脱硫排水 B 処理済み排水
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12R 1:01) (72)発明者 沖野 進 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島研究所内 (72)発明者 日野 正夫 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島研究所内 (72)発明者 小串 泰之 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島研究所内 (72)発明者 植田 良平 神奈川県横浜市金沢区幸浦一丁目8番地1 三菱重工業株式会社基盤技術研究所内 (72)発明者 吉見 勝治 神奈川県横浜市金沢区幸浦一丁目8番地1 三菱重工業株式会社基盤技術研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パラコッカス属に属し6価のSeを還元
    する能力を有するセレン酸還元菌 FERM BP−5
    662。
  2. 【請求項2】 Seを含む排水から少なくとも6価のS
    eを除去する排水処理方法であって、 パラコッカス属に属するセレン酸還元菌 FERM B
    P−5662を少なくとも含有する活性汚泥を使用した
    微生物処理により、排水中の6価Seを4価Se又は/
    及び単体Seに還元したのち、固液分離する工程を含む
    ことを特徴とする排水処理方法。
  3. 【請求項3】 前記微生物処理が、脱窒能を有する微生
    物と、パラコッカス属に属するセレン酸還元菌 FER
    M BP−5662とを少なくとも含有する活性汚泥を
    使用した微生物処理であって、該微生物処理においてS
    eの還元とともに脱窒処理を行うことを特徴とする請求
    項2記載の排水処理方法。
  4. 【請求項4】 前記微生物処理において、排水中に4価
    のSeを不溶化する処理剤を添加することを特徴とする
    請求項2乃至3の何れかに記載の排水処理方法。
  5. 【請求項5】 前記微生物処理を施し、固液分離する前
    あるいは固液分離した後の排水に4価のSeを不溶化す
    る処理剤を添加し、さらに必要に応じて固液分離を行う
    工程を設けたことを特徴とする請求項2乃至3の何れか
    に記載の排水処理方法。
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