JPH10308128A - 電気絶縁用樹脂モールド品 - Google Patents

電気絶縁用樹脂モールド品

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JPH10308128A
JPH10308128A JP11765997A JP11765997A JPH10308128A JP H10308128 A JPH10308128 A JP H10308128A JP 11765997 A JP11765997 A JP 11765997A JP 11765997 A JP11765997 A JP 11765997A JP H10308128 A JPH10308128 A JP H10308128A
Authority
JP
Japan
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resin
silicone oil
resin molded
oil
mold
Prior art date
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Pending
Application number
JP11765997A
Other languages
English (en)
Inventor
Hironori Sekiya
洋紀 関谷
Satoshi Makishima
聡 槙島
Hiroyuki Hiramoto
裕行 平本
Toshio Shimizu
敏夫 清水
Hisashi Hirai
久之 平井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内部にボイドやギャップが発生した場合でも
電気的に自己修復を行うことを実現し、電気的特性を向
上させること。 【解決手段】 モールド樹脂1の主成分をエポキシ樹脂
とし、更にシリコーンオイル6を添加する。ここで、モ
ールド樹脂1注に微小ボイド4または微小ギャップ5が
発生した場合、これらの内部又は表面にシリコーンオイ
ル6を存在させるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は重電機器に使用され
る電気絶縁用樹脂モールド品に係り、特に内部に金属部
品や電気・電子部品などのインサートがモールドされた
高電圧用の電気絶縁用樹脂モールド品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の電気絶縁用樹脂モールド品に関
し、金属部品や電気・電子部品などをインサートする電
気絶縁用樹脂モールド品について、図5を参照しながら
説明する。図5は、この種の電気絶縁用樹脂モールド品
の構成を示す断面の模式図である。同図において、イン
サート3をモールド樹脂1でモールドした構造となって
おり、モールド樹脂1中には無機質フィラー2が均一に
分散され、モールド樹脂1の強度の補強効果及び熱収縮
量低減効果を図っている。
【0003】この種の電気絶縁用樹脂モールド品は、例
えばガス絶縁開閉装置あるいは閉鎖配電盤等の電気機器
に用いられている。従来の電気絶縁用樹脂モールド品に
用いるモールド樹脂としては、電気的特性、耐熱性、耐
薬品性、寸法安定性などが優れているため、通常熱硬化
性のエポキシ樹脂などが用いられている。電気絶縁用樹
脂モールド品は、通常熱硬化性モールド樹脂を減圧下で
脱泡し、金型に注入後硬化させ所定の形状を得る方法で
樹脂内部のボイドを少なくし、比較的優れた電気的特性
を示す電気絶縁用樹脂モールド品を得ている。特に、1
0kV以上のような高電圧の重電機器用の電気絶縁用樹
脂モールド品を製造する場合には、ボイドや、インサー
トとモールド樹脂間のはく離によるギャップなどは電気
的特性の低下を招くため、これらの除去が重要であり、
数百Pa程度の減圧脱泡工程や、モールド樹脂との接着
性を高めるサンドブラスト等のインサート表面処理が行
われ、樹脂モールド品が製造されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来
の手段で注型により製造した電気絶縁用樹脂モールド品
の場合には、次のような不具合があった。すなわち、減
圧による脱泡は数ミリかそれ以上の大きなボイドを無く
す、あるいは全体としてのボイドの数を少なくする方法
であって、ボイドを全く無くすことは不可能であり、数
ミリ以下あるいは視認できる大きさ以下の微小ボイドが
ある程度残留することになる。
【0005】一方、モールド樹脂とインサートの界面に
おいて、主として両者の熱膨脹率の差異に起因する熱応
力が加わるため、樹脂モールド品としての強度に問題は
ない場合にも界面にはく離が存在し、μmサイズ以下の
微小ギャップが生じるおそれがある。
【0006】これらの微小ボイドおよび微小ギャップな
どの欠陥は、コロナ特性やトラッキング特性のような電
気的特性が低下する原因となり、絶縁の電気的損傷の起
点になることが懸念される。
【0007】本発明の目的は、内部に発生するボイドや
ギャップなどの欠陥に対し、電気的な自己修復機能をも
つモールド樹脂によってモールドすることにより、優れ
た電気的特性をもつ電気絶縁用樹脂モールド品を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明者らは優れた電気的特性を有する電気絶縁
用樹脂モールド品について鋭意検討した結果、例えばシ
リコーンオイルのようなモールド樹脂中への拡散性を持
ち、電気絶縁性に優れ、撥水性を有する物質をモールド
樹脂中に添加することにより、電気絶縁用樹脂モールド
品の電気的特性を向上させることができることを見いだ
し、本発明を完成するに至った。
【0009】本モールド樹脂としては、エポキシ樹脂を
主成分として、さらに硬化材及び適宜他の添加材を含有
したモールド樹脂を用いる。エポキシ樹脂には、一分子
中に少なくとも一個のエポキシ分子を有するエポキシ樹
脂、例えばビスフェノールA形エポキシ樹脂、ビスフェ
ノールF形エポキシ樹脂、ビスフェノールA−D形エポ
キシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、アミン形エポキシ樹脂
等を主剤とし、硬化剤としてはエポキシ樹脂の硬化剤と
して通常使用され得るものであれば特に限定されない
が、例えば有機酸無水物、ポリアミン樹脂等を用いる。
【0010】エポキシ樹脂系モールド樹脂には、必要に
応じてエポキシ樹脂の硬化反応を促進させるための触
媒、柔軟性添加剤(例えば、ゲル状物質、ゴム粉末な
ど)が配合し、使用してもよい。
【0011】無機質フィラーとしては、溶融シリカ粉
末、石英粉末、ガラス粉末、ガラス短繊維、アルミナ、
窒化アルミニウム等が使用される。また、電気絶縁用樹
脂モールド品に用いられるインサート表面には、必要に
応じてサンドブラスト、ショットブラスト等の表面粗し
処理、及び各種プライマー等の化学的な接着性の強化処
理が施され得る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に
基づいて詳説する。図1は、本発明の第1の実施の形態
を示す電気絶縁用樹脂モールド品の断面の模式図であ
る。同図において、無機質フィラー2が均一に分散した
モールド樹脂1中の微小ボイド4、あるいはモールド樹
脂1とインサート3の界面における微小ギャップ5の内
部あるいは表面にシリコーンオイル6が存在する。
【0013】一方、モールド樹脂1としては、例えば液
状ビスフェノール系エポキシ樹脂を主剤とし、さらに硬
化剤として有機酸無水物、可塑剤を含有した熱硬化性樹
脂を用いる。無機質フィラー2としては、電気絶縁用シ
リカ粉末が配合される。また、インサート3は銅を用い
サンドブラストによる表面粗し処理による接着性の強化
処理が施されている。このような構成において、モール
ド樹脂1にシリコーンオイル6を添加する。
【0014】この電気絶縁用樹脂モールド品は、製造直
後からモールド樹脂1内部に添加されたシリコーンオイ
ル6が時間とともにモールド樹脂1中に拡散し、モール
ド樹脂1の表面に浸出するため、微小ボイド4や微小ギ
ャップ5の内部を満たし、あるいはこれらの内部表面に
被膜を形成することができ、これらの空間が電気的に保
護される。
【0015】ここで、本モールド品と従来のモールド品
の電気的特性について、図2を参照しながら説明する。
図2に示した特性は、電気絶縁用樹脂モールド品の一つ
であるT形ブッシング7において、従来の無機フィラー
を均一に分散させたモールド樹脂で製造したものと、上
述した第1の実施の形態としてのシリコーンオイルをモ
ールド樹脂に添加して製造したものについて、部分放電
特性の経時変化を調査した結果である。同図から明らか
なように、本実施の形態品の方が従来品に比べて時間と
ともに部分放電特性が向上していることがわかる。
【0016】なお、第1の実施の形態において、シリコ
ーンオイル6が有する消泡効果によってモールド工程中
の減圧脱泡が容易となり、樹脂モールド品中に発生する
微小ボイド数自体も減少し、製造直後における電気的特
性向上の効果も認められる。
【0017】次に、本発明の第2の実施の形態を図3に
基づいて説明する。この第2の実施の形態の特徴は、シ
リコーンオイルをポリエーテル変性シリコーンオイルと
した点にある。ポリエーテル変性シリコーンオイルは、
図3に示すように分子中に親水基と疎水基を備えている
ものであり、親水性のエポキシ樹脂に対して疎水性の無
機質フィラーや高分子の柔軟粒子(例えば、ゲル状物質
あるいはゴム粉末)などを分散させる際にその界面を安
定に保ち、電気的特性、機械的強度などの諸特性をより
一層向上させることができる。
【0018】次に、本発明の第3の実施の形態を図4に
基づいて説明する。この第3の実施の形態の特徴は、シ
リコーンオイルの動粘度を1000cSt以下としたこ
とにある。図4に示すように、シリコーンオイルの動粘
度を1000cSt以下にすることにより、シリコーン
オイルのモールド樹脂中における分散速度が向上し、電
気的特性向上の効果をより速やかに得ることができる。
【0019】なお、これらの第1から第3それぞれの実
施の形態において、シリコーンオイルと同様にモールド
樹脂中を分散し、微小ボイドあるいは微小ギャップに浸
出する物質としてフッ素オイルを用いることもできる。
さらに、シリコーンオイルあるいはフッ素オイルの配合
量は、モールド樹脂100重量部に対して0.5〜20
重量部とすることにより、配合量が多すぎることによっ
て生じる電気絶縁用樹脂モールド品表面のべたつきや、
表面に浸出したオイル成分の他の部品への悪影響をなく
すことができる。また、無機質フィラー等を含まないモ
ールド樹脂あるいは含浸用樹脂に対してもシリコーンオ
イルなどの添加によって電気的特性向上を図ることがで
きる。
【0020】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、モールド
樹脂の主成分がエポキシ樹脂であって、シリコーンオイ
ル又はフッ素オイルの内のいずれか一方を添加したの
で、内部にボイドやギャップが発生した場合でもシリコ
ーンオイル又はフッ素オイルにより満たされるか表面が
被覆され、電気的特性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す電気絶縁用樹
脂モールド品の断面を示す模式図。
【図2】[図1]の電気絶縁用樹脂モールド品と従来の
電気絶縁用樹脂モールド品における部分放電特性を説明
するための図。
【図3】本発明の第2の実施の形態を示す電気絶縁用樹
脂モールド品におけるシリコーンオイルの構造図。
【図4】本発明の第3の実施の形態を示す電気絶縁用樹
脂モールド品における部分放電特性を説明するための
図。
【図5】代表的な電気絶縁用樹脂モールド品の断面を示
す模式図。
【符号の説明】
1…モールド樹脂、3…インサート、6…シリコーンオ
イル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 敏夫 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 平井 久之 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モールド樹脂の主成分がエポキシ樹脂で
    あって、シリコーンオイル又はフッ素オイルの内のいず
    れか一方を添加したことを特徴とする電気絶縁用樹脂モ
    ールド品。
  2. 【請求項2】 シリコーンオイル又はフッ素オイルの配
    合量は、前記エポキシ樹脂100重量部に対して0.5
    〜20重量部にしたことを特徴とする請求項1記載の電
    気絶縁用樹脂モールド品。
  3. 【請求項3】 前記シリコーンオイルの動粘度が100
    0cSt以下であることを特徴とする請求項1又は請求
    項2記載の電気絶縁用樹脂モールド品。
  4. 【請求項4】 前記シリコーンオイルがポリエーテル変
    性シリコーンオイルであることを特徴とする請求項1乃
    至請求項3のいずれかに記載の電気絶縁用樹脂モールド
    品。
JP11765997A 1997-05-08 1997-05-08 電気絶縁用樹脂モールド品 Pending JPH10308128A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001155553A (ja) * 1999-08-30 2001-06-08 Pirelli Cavi & Syst Spa 自己修復性保護部分を有する電気ケーブル及び自己修復性保護部分を有する電気ケーブルを製造する装置並びに方法
WO2016170952A1 (ja) * 2015-04-21 2016-10-27 日東電工株式会社 自己修復型電気絶縁性樹脂組成物およびそれを用いた電線

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