JPH10308028A - 光ヘッド用光学系 - Google Patents

光ヘッド用光学系

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JPH10308028A
JPH10308028A JP9114821A JP11482197A JPH10308028A JP H10308028 A JPH10308028 A JP H10308028A JP 9114821 A JP9114821 A JP 9114821A JP 11482197 A JP11482197 A JP 11482197A JP H10308028 A JPH10308028 A JP H10308028A
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optical
protective substrate
optical disk
aberration
aperture
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JP9114821A
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Katsura Otaki
桂 大滝
Yutaka Ichihara
裕 市原
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 異なる保護基板厚を有する複数の光ディスク
に対して読み書きが可能な光ヘッド用光学系を提供す
る。 【解決手段】 光ディスク31に信号の読み書きをする
ための光ヘッド用光学系の対物レンズ10の光軸上に輪
帯開口21を配設する。輪帯開口21によって対物レン
ズ10の周縁部のみ光が透過可能となる。読み書きする
光ディスク31の種類の違いによる保護基板31aの厚
さや屈折率の違いによって対物レンズ10に発生する収
差を、レーザダイオード40や受光素子70などによる
データの読み書きが可能な収差範囲に収めるように輪帯
開口21の内径開口数と外側開口数とが決められる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の種類の光デ
ィスクに対して読み出しあるいは書き込みの可能な光ヘ
ッド用光学系に関する。
【0002】
【従来の技術】信号の読み出しあるいは書き込み用とし
て用いられている光ディスクとしては、信号の読み取り
の原理に応じて光磁気ディスク(MOディスク)、位相
変調ディスク(CD)、相変化ディスク(PD)などに
分類される。これらの光ディスクはいずれも厚さ1.2
mmの保護基板により光ディスク内部の信号面が保護さ
れる。
【0003】一方、情報の記録密度を高めるために開発
されたディジタルビデオディスク(DVD)は、0.6
mmの保護基板により信号面が保護されている。したが
って、1.2mmの保護基板厚に対応して設計された光
ヘッドで0.6mmの保護基板厚のディスクから記録を
読みだそうとしたときに、保護基板厚の差によって光ヘ
ッドの光学系は極めて大きな球面収差(波面収差)を生
じ、集光スポットを十分に小さく絞ることができない。
これについて図6を参照して説明する。
【0004】図6は、光ディスクの信号面に対するレー
ザ光の集光状態を説明する図である。図6(a)におい
て、基板厚1.2mmの光ディスクに対して収差が良好
に補正された対物レンズ10により、円形開口20を透
過したレーザ光が光ディスク30の信号面30bに集光
している様子を示す。ところが、図6(b)に示すよう
に、基板厚0.6mmの光ディスク31の信号面31b
に対しては球面収差が発生し、信号の読み出しができな
い。
【0005】1台の装置で異なる保護基板厚を有する光
ディスクからデータの読み出しをしようとした場合に生
ずる上述した問題点を解決するため、いくつかの提案が
なされている。
【0006】ここで、既に提案されているいくつかの方
式について説明する。ヘッド切換方式は、異なる保護
基板厚を有する光ディスクにそれぞれ対応した専用の光
ヘッドを装置に内蔵し、データを読み出す光ディスクの
保護基板厚に応じてこれら専用のヘッドを切り換えて用
いるものである。光学系切換方式は、ヘッドの投受光
部や駆動部などの主要部を共用し、このヘッドに光ディ
スクの保護基板厚に対応した2種類のレンズをターレッ
ト式の切換装置などによって切換え可能に組み込んだも
のである。
【0007】以上の切換方式に対してヘッドの主要部お
よびレンズを共用するホログラム方式あるいは絞り込み
方式も提案されている。ホログラム方式は、光ヘッド
のレンズ表面の一部にホログラムを形成あるいは別設
し、レーザダイオード(LD)などの光源から出射され
てレンズのホログラム部分を透過して回折、集光される
光と、ホログラム以外の部分を透過して集光される光と
に分割するものである。そして分割された光は、それぞ
れ異なる保護基板厚のディスクに対して焦点を結ぶこと
が可能となる。絞り込み方式は、光ヘッドのレンズに
隣接して可変絞りを設け、ディスクの基板厚の違いによ
り生ずる球面収差を低減するために可変絞りを絞るもの
である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た〜の各方式には以下のような問題点があった。す
なわち、のヘッド切換方式ではそれぞれの基板厚に対
応した専用のピックアップを複数用意せねばならず、装
置の大型化やコストの上昇を招いていた。の光学切換
方式では、レンズの切換機構を必要とし、これによる光
ヘッドの複雑化にともなう信頼性の低下やコストの上昇
を招いていた。のホログラム方式では、ヘッドのレン
ズにホログラムを形成するために、非常に高度な金型加
工技術、ガラス成形技術を要していた。の絞り込み方
式では、例えば可変絞りを透過型の液晶シャッタを用い
ることにより、可動部がなく、したがって構造が単純で
信頼性に優れる光ヘッドが実現可能となる反面、絞り込
みにともなう開口数の低下による光量の低下や、解像力
の低下が問題となっていた。
【0009】本発明の目的は、異なる保護基板厚を有す
る種々の光ディスクに対して情報の読み出しあるいは書
き込みが可能で、低廉で信頼性に優れた光ヘッド用光学
系を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】一実施の形態を示す図3
に対応付けて本発明を説明する。 (1) 請求項1に記載の発明は、光源40から出射さ
れた光を光ディスク31の信号面31bに導くととも
に、光ディスク31の信号面で反射された光を受光素子
70に導く対物レンズ10と;対物レンズ10の光軸上
に設けられ、対物レンズ10の開口を制限するための輪
帯開口21とを有し;輪帯開口21は、少なくとも第1
および第2の光ディスクの保護基板厚の差あるいは保護
基板の屈折率の差により生ずる収差を、データの読み書
き込みが可能な収差範囲に収めるようにその内径開口数
および外径開口数が定められることにより上述の目的を
達成する。 (2) 請求項2に記載の発明は、以下の条件式を満足
するものである。 G(NA1,NA2)×|T1・nc1−T2・nc2|
/λ<0.21 但し、 G(NA1,NA2)={(1−NA2/NA1)2
0.3×(1−NA2/NA1)}×650×(NA1
/0.60)4×1/1.5 λ :光ヘッドで用いられる光源40の波長 T1 :第1の光ディスクの保護基板厚 T2 :第2の光ディスクの保護基板厚(T1>T
2) nc1 :第1の光ディスクの保護基板の屈折率 nc2 :第2の光ディスクの保護基板の屈折率 NA1 :輪帯開口21の内側開口数 NA2 :輪帯開口21の外側開口数 (3) 請求項3に記載の発明において、第1および第
2の光ディスクは以下の条件式(1)に従うものであ
り、かつ輪帯開口21は以下の条件式(2)に従うもの
である。 条件式(1): |T1・nc1−T2・nc2|/1.
5<0.7(mm) 条件式(2): NA2/NA1>0.5 但し、 T1 :第1の光ディスクの保護基板厚(mm) T2 :第2の光ディスクの保護基板厚(mm、 T
1>T2) nc1 :第1の光ディスクの保護基板の屈折率 nc2 :第2の光ディスクの保護基板の屈折率 NA1 :輪帯開口の内側開口数 NA2 :輪帯開口の外側開口数
【0011】なお、本発明の構成を説明する上記課題を
解決するための手段の項では、本発明を分かり易くする
ために発明の実施の形態の図を用いたが、これにより本
発明が実施の形態に限定されるものではない。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について図1
〜図5を参照して説明する。
【0013】保護基板厚1.2mmの光ディスクに対し
て収差補正されている光ヘッド用光学系で、保護基板厚
0.6mmの光ディスクに対して信号の書き込みあるい
は読み出しをしようとしたときに発生する球面収差を図
1に示す。この図1のグラフにおいて、横軸には対物レ
ンズ10に入射する光線の高さ(光軸からの距離)を表
し、縦軸には各高さで対物レンズ10に入射した光線が
集光されて光軸と交わる位置を表す。この球面収差図
で、光線の高さがNA1(円形開口20の半径に相当)
のとき、球面収差はピーク値W0となっている。ここで
円形開口20に変えて、内径NA2、外径NA1の輪帯
開口を挿入した場合を考えると、図1のグラフにおいて
球面収差はWI〜W0にまで減少する。このように、円
形開口に代えて輪帯開口を挿入することによって、図2
に示すように球面収差を大きく減少させ、結像性能を上
げることができる。
【0014】ここで1.2mmの保護基板厚を有する光
ディスクとしてCDを想定し、さらに0.6mmの保護
基板厚を有する光ディスクとしてDVDを想定し、1.
2mmの保護基板厚を有する光ディスクに対して収差補
正された光ヘッド用光学系で、0.6mmの保護基板厚
を有する光ディスクから信号を読み取ろうとしたときに
発生する球面収差と、輪帯開口を用いることによる球面
収差低減効果とについて説明する。説明で用いる記号の
意味は以下のとおりである。 λ:使用波長 NA0:円形開口20の径によって決まる開口数。 NA1:輪帯開口21の外径によって決まる開口数。 NA2:輪帯開口21の内径によって決まる開口数。 T1 :CDの保護基板厚。 T2 :DVDの保護基板厚。 nc :保護基板の屈折率。 ρ :瞳上での座標。
【0015】DVDの方が高い解像力を要求されるの
で、NA0(CD用の円形開口の開口数)よりもNA1
(DVD用の輪帯開口の外径NA)を大きくするように
してもよいが、CDにアクセスする場合であってもNA
の大きい方が集光スポットを絞ることができるので、こ
こではあえてNA0(CD用の円形開口の開口数)をN
A1(DVD用の輪帯開口の外径NA)より小さくする
ことはせずにNA1=NA0として以下の説明をする。
【0016】ここでは対物レンズ10の収差がCD、つ
まり保護基板厚が1.2mmの光ディスクに対して補正
されているものとすると、保護基板厚が0.6mmのD
VDに対しては大きな球面収差が発生する。3次収差論
で論じたときには、この球面収差の大きさは保護基板厚
の変化量(T2−T1)に比例し、以下の式で与えられ
ることが知られている(光ディスク技術、尾上守夫監
修、村山,小出,山田,國兼共著、’89 ラジオ技術
社刊、pp.61)。
【数1】 W(ρ)=W0×(ρ/NA1)4 … 式(1) W0=|T2−T1|×(nc2−1)×(NA1)4/(8×nc3) … 式(2) ρ:0〜NA1 (NAで規格化した光線の入射高。)
【0017】式(1)は、あくまでガウス像面上での球
面収差であり、最良像面上での球面収差ではない。光ヘ
ッド用光学系においてはオートフォーカス機構によって
自動的に最良像面の追尾が行われるので、意味があるの
はガウス像面上の球面収差ではなく、最良像面における
球面収差である。そして、オートフォーカスにより波面
収差のRMS値(以下RMS波面収差)を最小にするよ
うにしてデフォーカスの成分が除去されるので、最良像
面での球面収差は、一般的にはガウス像面上での収差よ
りも小さくなる。なお、上記の式(2)において、W0
はガウス像面上での球面収差のピーク値を意味する。
【0018】ここで、最良像面がガウス像面から距離Z
の位置にあったとすると、この最良像面での球面収差は
以下の式(3)で表される。
【数2】 W(ρ)=W0×(ρ/NA1)4−Z×(ρ/NA1)2/2 … 式(3) 式(3)において、上述したように距離ZはRMS波面
収差を最小にするという条件より決定することができ
る。なお、光ヘッド用光学系では上述したようにオート
フォーカス機構によって自動的に最良像面を追尾するの
で、Zがいかなる値をとるかは重要ではない。
【0019】また、W0と最良像面におけるRMS波面
収差ΔWとの間には以下の関係が成立することが知られ
ている(Principles of Optics, 6-th Ed.、M.Born,E.W
olf共著、’93 Pergamonn Press刊、アメリカ、p
p.464)。
【数3】 ΔW=W0/(6×51/2) … 式(4 )
【0020】以上の式に具体的な数値を当てはめること
により、1.2mmの基板厚を有するCDに対して収差
を補正した光ヘッド用光学系で0.6mmの基板厚を有
するDVDに対して発生する収差がどの程度のものにな
るのかについて説明する。例として、λ=680nm
m、NA1=0.6、T1=1.2mm、T2=0.6
mm、nc=1.5の場合で計算をしてみると、保護基
板厚が1.2mmから0.6mmになることにより生ず
る球面収差は、式(2)に各値を代入してW0=5.3
λとなる。したがって、最良像面におけるRMS波面収
差ΔWは、式(4)よりΔW=0.39λRMSと、非
常に大きな値となる。
【0021】また、T1=0.9mm、T2=1.2m
mまたは0.6mmの場合(他の条件は上記条件と同
一)で計算してみても、ΔW=0.20λRMSとな
り、非常に大きな値であることに変わりはない。
【0022】通常、光ディスクの読み書きに用いられる
光ヘッド用光学系で実用可能な波面収差の基準はλ/1
4RMS(≒0.07λRMS)以下とされており、上
述の例ではこの基準をはるかに越えており、DVDから
の信号の読み取りは不可能である。
【0023】上述した球面収差は、対物レンズ10に輪
帯開口21を挿入(図2参照)することにより、低減す
ることができる。このとき、最良像面の位置も、円形開
口時の最良像面位置から移動するが、先述のとおりオー
トフォーカス機構によって補正されるので問題はない。
以下、この例について説明する。
【0024】対物レンズ10に輪帯開口21を挿入した
ときの球面収差および最良像面位置は、円形開口20を
挿入した場合と同様にして求めることができる。すなわ
ち、式(3)によって算出される球面収差に基づいてR
MS波面収差ΔWを求め、このRMS波面収差ΔWが最
小となるようにZを求めれば、そのZが輪帯開口挿入時
の最良像面位置となる。一方、RMS波面収差ΔWは、
輪帯開口を透過した光線の球面収差W(ρ)を積算、平
均化することにより求めることができる。すなわち、以
下の式(5)〜式(7)によってRMS波面収差ΔWを
計算し、このΔWが最小となるようなZを求めればよ
い。このZが輪帯開口21を挿入した場合の最良像面位
置となり、そして、そのときの球面収差が最良像面位置
での球面収差となる。
【数4】
【0025】ところで、CDやDVDの読み取りを目的
とした再生専用の光学系では、書換型ディスク用の光学
系と異なり、情報の消去や記録をする必要がないので、
光エネルギの必要量も少ない。従って、上述したよう
に、対物レンズ10に輪帯絞り21を配設したことによ
る光利用効率(円形開口20を通過した光量に対する、
輪帯開口21を通過した光量の比)の低下は殆ど問題と
ならないが、この光利用効率ηは、以下の式(8)によ
って適宜見積もることが可能である。
【数5】 ここにK=φobj/φbeam(けられ数)であり、 φobj :対物レンズの開口径(開口寸法) φbeam:ガウスビームのビームサイズ(ビーム中心
の強度に対して周辺の強度が1/e2になるときのビー
ム径)
【0026】続いて図3を参照して本発明の実施の形態
に係る光ヘッド用光学系の要部について説明する。図3
において光ヘッド用光学系は、レーザビームを出射する
レーザダイオード(LD)40と、レーザビームを平行
光にするためのコリメータレンズ50と、輪帯開口21
と、コリメータレンズ50により導かれる平行光を光デ
ィスクの信号面(図3においては信号面31b)に集光
する対物レンズ10と、信号面31bで反射され、集光
レンズ10、コリメータレンズ50により導かれたレー
ザ光を図の下方に導くビームスプリッタ60と、ビーム
スプリッタ60により導かれたレーザ光を電気信号に変
換する受光素子70とを備える。
【0027】図3に示す光ヘッド用光学系はさらに、受
光素子70に導かれるレーザ光の焦点位置を検出する焦
点検出回路80と、焦点検出回路80からの焦点検出信
号をもとにフォーカシングアクチュエータ82に対して
制御信号を発する制御回路81と、制御回路81からの
制御信号に基づいて保持枠83を対物レンズ10の光軸
方向に駆動するフォーカシングアクチュエータ82とを
備える。
【0028】以上のような構成により、図3に示す光ヘ
ッド用光学系において、LD40から出射され、コリメ
ータレンズ50、輪帯開口21、対物レンズ10を経て
光ディスクの信号面31bに導かれ、そして信号面31
b反射されたレーザ光は受光素子70に焦点を結ぶ。そ
して輪帯開口21によって、信号の読み出しあるいは書
き込みをしようとする光ディスクの保護基板の厚さや屈
折率の違いによらず、収差は良好に補正される。
【0029】
【実施例】以下に、本発明の実施の形態に係る光ヘッド
用光学系について三つの実施例により説明する。
【0030】(実施例1)光ヘッド用光学系における諸
条件を以下のように定める。
【表1】 波長 :λ=650nm 保護基板の屈折率 :nc=1.5 けられ数 :K=0.9 DVD保護基板厚 :T1=0.6mm CD保護基板厚 :T2=1.2mm 対物レンズの収差補正対象 :保護基板厚0.6m
m(DVD)に対する。 輪帯開口の条件 開口数(NA) :外径NA=0.6(内径
NAは以下の説明で変数として扱う。)
【0031】上記の表1に示す条件の光ヘッド用光学系
でCDの信号を読み取ろうとした場合に発生するRMS
波面収差ΔWについて、図4(a)を参照して説明す
る。図4(a)は、表1の条件に基づいて輪帯開口の内
径NAを変化させたときのRMS波面収差ΔWおよび光
利用効率を計算し、プロットしたものであり、横軸は輪
帯開口の内径NAを、縦軸の左側は波面収差を、縦軸の
右側は光利用効率をそれぞれ示す。なお、この図4
(a)において、光利用効率ηは、外径NA=0.6の
円形開口の場合を100%として求めたものである。
【0032】図4(a)から読み取れるように、表1に
示す条件の光ヘッド用光学系で発生する波面収差ΔW
は、 内径NA=0.48のとき、波面収差ΔW=0.052
λRMS 内径NA=0.53のとき、波面収差ΔW=0.016
λRMS このときの光利用効率ηは、 内径NA=0.48のとき、光利用効率η=20% 内径NA=0.52のとき、光利用効率η=10% と、実用上全く支障のない値である。
【0033】同様の計算によって、波面収差が光ヘッド
用光学系の解像限界とされる0.07λRMSとなると
きの輪帯開口の内径NAを求めると、NA=0.46と
なる。この、解像限界時の内径NAを外径NAで規格化
すると、0.46/0.6=0.77となる。つまり、
輪帯開口による収差の補正が有効となるときの条件を、
外径NAと内径NAとを用いて一般化して表現すると、
内径NA/外径NA>0.77となる。
【0034】これに対し、上述した光ヘッド用光学系に
おいて、輪帯開口に代えて外径NA=0.6の円形開口
が挿入されている場合、CD(保護基板厚=1.2m
m)に対してアクセスする際に発生する波面収差は、式
(2)および式(4)より、 W0=5.54λ ΔW=0.41λRMS となり、収差は激増する。先述したように通常の光ヘッ
ド用光学系において、一般的に読み取り可能な収差の許
容値とされるΔW=0.07λRMSに対してこの0.
41λRMSは、かなり大きな値であり、全く解像しな
いといってよい。すなわち、実施例1に係る光ヘッド用
光学系の輪帯開口が効果的に収差を補正することがわか
る。 (実施例2)諸条件は、光ヘッド用光学系の収差がCD
の保護基板厚(1.2mm)とDVDの保護基板厚
(0.6mm)との平均値である0.9mmに対してな
されている点以外は表1に準ずる(つまり、DVDを読
み取る際にもCDを読み取る際にも収差が残存する状態
にして収差を振り分ける)。
【0035】この条件において、輪帯開口を有する光ヘ
ッド用光学系でCDの信号を読み取ろうとした場合に発
生するRMS波面収差ΔWについて、図4(b)を参照
して説明する。図4(b)は、上述した実施例2の条件
に基づいて輪帯開口の内径NAを変化させたときのRM
S波面収差および光利用効率を計算し、プロットしたも
のである。なお、グラフの横軸および縦軸は図4(a)
に示すグラフのものと同様であり、その説明を省略す
る。
【0036】図4(b)から読み取ると、輪帯開口の効
果により、収差は以下のようになる。 内径NA=0.48のとき、波面収差ΔW=0.028
λRMS 内径NA=0.53のとき、波面収差ΔW=0.009
λRMS このときの光利用効は、 内径NA=0.48のとき、光利用効率η=20% 内径NA=0.53のとき、光利用効率η=10% と、実施例1と同様に実用上全く支障のない値である。
【0037】続いて波面収差が光ヘッド用光学系の解像
限界とされる0.07λRMSとなるときの輪帯開口の
内径NAを図4(b)より求めると、NA=0.39と
なる。この、解像限界時の内径NAを外径NAで規格化
すると、0.39/0.6=0.65となる。すなわ
ち、対物レンズの収差補正対象を保護基板厚0.9mm
とした場合において、輪帯開口による収差の補正が有効
となるときの条件を、外径NAと内径NAとを用いて一
般化して表現すると、内径NA/外径NA>0.65と
なる。
【0038】これに対して上述の光ヘッド用光学系に外
径NA=0.6の円形開口を挿入し、DVDあるいはC
Dを再生する際に発生する波面収差は、式(2)におけ
る|T2−T1|の項に0.3を代入し、 W0=2.77λ ΔW=0.21λRMS となる。これでも収差の許容値であるΔW=0.07λ
RMSに対しては依然として大きな値であり、ここでも
輪帯開口による収差低減の効果が確認できる。
【0039】(実施例3)実施例3の説明に先立ち、D
VDあるいはCDの信号面に形成されるピットについて
説明する。DVDの信号面に形成されるピットの大きさ
は、記録密度を高めるために、CDの信号面に形成され
るピットに比べて、より細かいものとなっている。これ
にともない、DVDの信号読み取り用の光ヘッド光学系
には、より高い解像力が要求される。より具体的に説明
すると、それぞれの光ディスクに形成される最短ピット
長は、DVDでは0.4μm、CDでは0.9μmと、
DVDから信号を読み取る場合にはCDの場合に比べて
約2倍の解像力が要求される。逆の表現をすれば、CD
読み取り時に要求される解像力は、DVD読み取りに要
求される解像力に比べて約半分程度の低さでよい。した
がって、光ヘッドに用いられる光源の波長がCD、DV
Dいずれの光ディスクを読み取るときにも同一の波長
(本実施例では650nm)の光である場合には、CD
読み取り時に光ヘッド用光学系で発生する波面収差は
0.07λRMSよりも大きくてもよい。
【0040】ここで、CD読み取り可能な波面収差レベ
ルがどの程度になるのかについて、図5(a)を参照し
て説明する。図5(a)は、最小ピット長0.9μmに
対して、光ヘッド用光学系の対物レンズ10(図3)で
発生するRMS波面収差量に応じて変化するMTF値を
計算し、プロットしたグラフである。計算に用いたパラ
メータは、λ=650nm、NA=0.60である。最
小ピット長(図5(a)の例においては0.9μm)が
解像可能なMTFレベルは一般に25%以上とされてお
り、図5(a)のグラグから波面収差が0.14λRM
S程度存在していても、CDの信号面に形成された最小
ピットを読み取り可能であるといえる。つまり、CDか
ら信号を読み取る場合には、DVDから信号を読み取る
場合の2倍程度の波面収差が存在してもよいといえる。
【0041】そこで、実施例2で光ヘッド用光学系の対
物レンズの収差補正対象を0.9mmの保護基板厚(D
VD、CDの保護基板厚0.6mm、1.2mmの平均
値)としたのに対し、実施例3では収差補正対象の保護
基板厚を、0.9mmよりもDVDの保護基板厚に近づ
けることで、より効率的な収差の振り分けを行うことが
できる。すなわち、DVD、CDの光ディスクを読み取
り可能な波面収差レベルはそれぞれ0.07λRMS、
0.14λRMSであるので、DVDの保護基板厚0.
6mmとCDの保護基板厚1.2mmとを0.07:
0.14に内分する厚みである0.8mmを収差補正対
象の保護基板厚とすればよい。このように収差補正の対
象を定めることにより、DVD、CDそれぞれの光ディ
スクを読み取り可能なMTFレベルをバランスよく設定
することができる。
【0042】上述したように光ヘッド用光学系の対物レ
ンズの収差補正対象を0.8mmの保護基板厚とし、D
VDから信号を読み取る際に発生する波面収差について
図5(b)を参照して説明する。図5(b)は、輪帯開
口の内径NAを変化させたときのRMS波面収差および
光利用効率を計算し、プロットしたものである。この計
算に際して用いたパラメータは収差補正対象の保護基板
厚を0.8mmとした以外は実施例1の表1に示すもの
と同様である。なお、図5(b)において、グラフの横
軸および縦軸は図4(a)に示すグラフのものと同様で
あり、その説明を省略する。
【0043】波面収差が光ヘッド用光学系の解像限界と
される0.07λRMSとなるときの輪帯開口の内径N
Aを図5(b)より読み取ると、内径NA=0.32と
なる。この、解像限界時の内径NAを外径NAで規格化
すると、0.32/0.6=0.53となる。すなわ
ち、対物レンズの収差補正対象を保護基板厚0.8mm
とした場合において、輪帯開口による収差の補正が有効
となるときの条件を、外径NAと内径NAとを用いて一
般化して表現すると、内径NA/外径NA>0.53と
なる。内径NAが0.32のときの光利用効率ηについ
て図5(b)より読み取ると、54%と非常に高い値と
なる。ちなみにこのときの輪帯開口(外径NA=0.
6、内径NA=0.32)と、円形開口(NA=0.
6)との開口面積比は約3:4である。上記光利用効率
ηの算出にあたり、けられ数=0.9を前提としたが、
仮にガウスビームの中央部(光源の、照度の落ち込みの
少ない部分)を使えば光利用効率ηはさらに向上し、7
0%程度以上にまで向上することも期待できる。
【0044】以上説明した三つの実施例にもとづいて、
上述した波面収差について一般的な扱いを行う。ここ
で、以下の表2に示すように符号を定めて説明をする。
【表2】 輪帯開口の内径NA :NA1 輪帯開口の外径NA :NA2 光ヘッド光学系の光源の波長 :λ 光ディスクの保護基板の変化量 :ΔT (信号を読み取ろうとしている光ディスクの保護基板厚
と、収差補正の対象となった保護基板厚との差) 光ディスクの保護基板厚の変化にともない、発生するR
MS波面収差 :ΔW
【0045】便宜上、以下の説明の前提としてΔT=0
のとき、光ヘッド用光学系に残存する収差は0とする。
【0046】図4(a)に示すRMS収差補正曲線を、
NA1およびNA2をパラメータとして2次曲線でフィ
ッティングすると、以下の式が得られる。
【数6】 ΔW(λRMS)=0.60×(1−NA2/NA1)2 +0.18×(1−NA1/NA2) … 式(9)
【0047】式(9)は、NA1の値をNA2の値に近
づける、つまり輪帯開口の幅を0に近づけると波面収差
も0に近づくことを示している。また、式(9)はλ=
650nm、ΔT=0.6mmのときのものであるが、
波面収差は一般に光ディスクの保護基板厚の変動量ΔT
とNA4とに比例し、波長に逆比例するので式(9)Δ
Tおよびλで規格化でき、以下のように表される。
【数7】 ΔW={0.60×(1−NA2/NA1)2 +0.18×(1−NA2/NA1)}×(650/λ) ×(ΔT/0.6)×(NA1/0.6)4 ={(1−NA2/NA1)2+0.3×(1−NA2/NA1)} ×(650/λ)×ΔT×(NA1/0.6)4 … 式(10 ) 光ヘッド用光学系で信号が実用上十分に読み取り可能と
される条件を以下の式(11)で表し、これを式(1
0)にあてはめ、式の一部を整理して表現すると式(1
2)が得られる。
【数8】 ΔW<0.07λRMS … 式(11) G(NA1、NA2)×ΔT/λ<0.07 … 式(12) ここに、 G(NA1、NA2) ={(1−NA2/NA1)2+0.3×(1−NA2/NA1)} ×650×(NA1/0.60)4×(650/λ) ×ΔT×(NA1/0.6)4 … 式(13)
【0048】以上の説明の前提として、ΔT=0のとき
に光ヘッド用光学系に残存する収差は0と仮定したが、
この残存収差が0でないときの条件式について説明する
と、ΔT=0のときに光ヘッド用光学系に残存する収差
の量をWとすれば、保護基板厚の変動(ΔT)に起因し
て発生する波面収差ΔWと残存収差Wとの2乗和が0.
07λRMSを越えなければよい。したがって、このと
きには式(12)に代えて式(14)で表すことができ
る。
【数9】 G(NA1、NA2)×ΔT/λ<(0.072−W21/2 … 式(14)
【0049】以上が、輪帯開口を用いることにより、同
一の光ヘッド用光学系で異なる保護基板厚を有する光デ
ィスクからの信号が読み取り可能な条件であるが、光ヘ
ッド用光学系の対物レンズの収差補正対象をどのように
定めるかを含めて整理すると次のような結論を得ること
ができる。
【0050】保護基板厚T1の光ディスクに対して収差
補正された光ヘッド用光学系の対物レンズに輪帯開口が
挿入されている場合、保護基板厚T2(T1≠T2)の
光ディスクからの信号が読み取り可能な条件は、式(1
5)で表される。
【数10】 G(NA1、NA2)×|T1−T2|/λ<0.07 … 式(15)
【0051】読み取り可能な複数の保護基板厚を有する
光ディスクの保護基板厚をT1、T2(T1≠T2)と
表したとき、保護基板厚(T1+T2)/2に対して収
差補正された光ヘッド用光学系の対物レンズに輪帯開口
が挿入されている場合、保護基板厚T1およびT2の両
方の光ディスクから信号の読み取りが可能な条件は、保
護基板厚T1の光ディスクから信号を読み取る場合であ
っても、保護基板厚T2の光ディスクから信号を読み取
る場合であっても、式(12)においてΔT=|T1−
T2|/2となるので、式(16)のように表される。
【数11】 G(NA1、NA2)×|T1−T2|/λ<0.14 … 式(16)
【0052】読み取り可能な複数の保護基板厚を有する
光ディスクの保護基板厚をT1、T2(T1≠T2)と
表したとき、保護基板厚T1、T2の厚み差を1:2に
内分する保護基板厚に対して収差補正された光ヘッド用
光学系の対物レンズに輪帯開口が挿入されている場合、
保護基板厚T1の光ディスクから信号の読み取りが可能
な条件は、式(12)においてΔT=|T1−T2|/
3となるので、式(17)のように表される。
【数12】 G(NA1、NA2)×|T1−T2|/λ<0.21 … 式(17) このとき、保護基板厚T2の光ディスクから信号の読み
取り可能な条件は、式(12)においてΔT=|T1−
T2|/(3/2)となり、さらに保護基板厚T2の光
ディスクに形成されている最小ピット長は保護基板厚T
1の光ディスクに形成されている最短ピット長の約2倍
となっているので、読み取り可能条件は2倍に緩和さ
れ、式(19)のように表される。そして、この式(1
8)を整理すると式(17)と同じになる。
【数13】 G(NA1、NA2)×|T1−T2|/1.5/λ<(0.07×2) … 式(18)
【0053】以上のように、同一の光ヘッド用光学系に
より保護基板厚の異なる2種類の光ディスクから信号の
読み取りを可能とするためには、それぞれの光ディスク
から信号を読み取る際に要求される解像力に応じて対物
レンズの収差補正対象とする保護基板厚を設定すればよ
い。このとき、保護基板厚の異なる2種類の光ディスク
から信号を読み取る際に、両方の保護基板厚を有する光
ディスクで同じ解像力が要求されるときには式(16)
に従って、一方の保護基板厚を有する光ディスクで要求
される光ヘッド用光学系の解像力が他方の解像力の2倍
要求されるときには式(17)に従って輪帯開口を設定
すればよい。
【0054】以上の説明において、異なる保護基板厚を
有する光ディスクの保護基板の屈折率は等しく、ともに
1.5としたが、これらの屈折率が異なるものであって
もよい。つまり、光ヘッド用光学系で発生する波面収差
は保護基板厚の変動にともなう光路長の変化に起因する
ものであるので、上述した式(15)〜式(17)にお
ける保護基板厚の項を光路長で表現すればよく、光路長
=保護基板厚×保護基板屈折率であるから、表3のよう
に記号を定めたときに、例えば式(17)は以下の式
(19)で表すことができる。
【表3】 保護基板厚T1の光ディスクの保護基板の屈折率 : nc1 保護基板厚T2の光ディスクの保護基板の屈折率 : nc2
【数14】 G(NA1、NA2) ×|T1・(nc1/1.5)−T2・(nc2/1.5)|/λ<0.21 … 式(19) あるいは、G(NA1、NA2)×(1/1.5)を改
めてG(NA1、NA2)と定義しなおせば、式(1
9)は式(20)で表すことができる。
【数15】 G(NA1、NA2)×|T1・nc1−T2・nc2|/λ<0.21 … 式(20) ここに、 G(NA1、NA2) ={(1−NA2/NA1)2+0.3×(1−NA2/NA1)} ×650×(NA1/0.60)4×1/1.5 … 式(21 )
【0055】また、以上の説明では、異なる保護基板厚
を有する2種類の光ディスクは共に読み取り専用である
場合を想定したが、これらのディスクの一方あるいは両
方が書換型ディスク、つまり一方が光磁気ディスクまた
は相変化型ディスクで、他方が再生専用DVDまたは書
換え型DVDであっても上述の輪帯開口は有効である。
【0056】さらに、光ヘッド用光学系に用いる光源の
波長は、DVDから信号を読み取る際も、CDから信号
を読み取る際も同一であるものとして説明したが、異な
る波長の光を用いるものであってもよい。ただし、信号
の読み取りに際しては同一の波長であっても何の問題も
ない。むしろ同一の波長を用いる方が単一のレーザダイ
オードと単一の対物とを使用できるので経済的である。
【0057】以上の実施の形態の説明では3次の収差の
みを考えたが、より高次の収差を考慮しても全く同様の
効果を得ることができる。さらに球面収差(波面収差)
だけでなく、残存収差がコマ収差あるいは非点収差であ
っても光ヘッド用光学系に輪帯開口を配置することによ
り収差の低減が可能であり、解像力は向上する。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば光
ヘッド用光学系の対物レンズの光軸上に輪帯開口を配
し、複数の異なる光ディスクの保護基板厚の差または保
護基板の屈折率の差により光ヘッド用光学系で生ずる収
差を、データの読み出しあるいは書き込みが可能な収差
範囲に収めるように内径NAおよび外径NAを定めるこ
とにより、同一の光ヘッド用光学系で異なる保護基板厚
を有する光ディスクに対して書き込みあるいは読み出し
を行うことができる。また、絞り開口を単純に小さくし
て球面収差の補正をする場合に比べ、輪帯開口の外径N
Aをより大きく設定することができるので、集光スポッ
トを絞ることができ、したがって解像力に優れた光ヘッ
ド用光学系とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 1.2mmの保護基板厚を有する光ディス
クに書き込みあるいは読み出しすることを前提に収差補
正された光ヘッド用光学系で0.6mmの保護基板厚を
有する光ディスクに書き込みあるいは読み出しをしよう
としたときに発生する球面収差を表すグラフ。
【図2】 本発明に係る光ヘッド用光学系の対物レン
ズにより収差が補正され、光束が光ディスクの信号面に
結像する様子を示す縦断面図。
【図3】 本発明の実施の形態に係る光ヘッド用光学
系の要部を示す図。
【図4】 本発明の実施の形態に係る光ヘッド用光学
系において、輪帯開口の内径NAを変化させたときの波
面収差および光利用効率の変化を示すグラフであり、
(a)が保護基板厚の変化量ΔTが0.6mmの場合
を、(b)が保護基板厚の変化量ΔTが0.3mmの場
合をそれぞれ示す。
【図5】 本発明の実施の形態に係る光ヘッド用光学
系の光学性能の変化を示すグラフであり、(a)が波面
収差の変化にともない、MTF値が変化する様子を示
し、(b)が保護基板厚の変化量ΔTが0.2mmの場
合における、輪帯開口の内径NAを変化させたときの波
面収差および光利用効率の変化を示す。
【図6】 従来の技術に係る光ヘッド用光学系によ
り、異なる保護基板厚を有する光ディスクの信号面上へ
光が集光する様子を示す図であり、(a)が理想的に集
光している状態を、(b)が収差を発生している状態を
示す。
【符号の説明】
10 対物レンズ 20 円形開口 21 輪帯開口 30、31 光ディスク 30a、31a 保護基板 30b、31b 信号面 40 レーザダイオード 50 コリメータレンズ 60 ビームスプリッタ 70 受光素子

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源から出射された光を光ディスクの信
    号面に導くとともに、前記光ディスクの信号面で反射さ
    れた光を受光素子に導く対物レンズと、 前記対物レンズの光軸上に設けられ、前記対物レンズの
    開口を制限するための輪帯開口とを有し、 前記輪帯開口は、少なくとも第1および第2の光ディス
    クの保護基板厚の差あるいは保護基板の屈折率の差によ
    り生ずる収差を、データの読み書き込みが可能な収差範
    囲に収めるようにその内径開口数および外径開口数が定
    められることを特徴とする光ヘッド用光学系。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の光ヘッド用光学系にお
    いて、 以下の条件式を満足することを特徴とする光ヘッド用光
    学系。 G(NA1,NA2)×|T1・nc1−T2・nc2|
    /λ<0.21 但し、 G(NA1,NA2)={(1−NA2/NA1)2
    0.3×(1−NA2/NA1)}×650×(NA1
    /0.60)4×1/1.5 λ :光ヘッドで用いられる光源の波長 T1 :第1の光ディスクの保護基板厚 T2 :第2の光ディスクの保護基板厚(T1>T
    2) nc1 :第1の光ディスクの保護基板の屈折率 nc2 :第2の光ディスクの保護基板の屈折率 NA1 :輪帯開口の内側開口数 NA2 :輪帯開口の外側開口数
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の光ヘッド用光学系にお
    いて、 前記第1および第2の光ディスクは以下の条件式(1)
    に従うものであり、かつ前記輪帯開口は以下の条件式
    (2)に従うものであることを特徴とする光ヘッド用光
    学系。 条件式(1): |T1・nc1−T2・nc2|/1.
    5<0.7(mm) 条件式(2): NA2/NA1>0.5 但し、 T1 :第1の光ディスクの保護基板厚(mm) T2 :第2の光ディスクの保護基板厚(mm、 T
    1>T2) nc1 :第1の光ディスクの保護基板の屈折率 nc2 :第2の光ディスクの保護基板の屈折率 NA1 :輪帯開口の内側開口数 NA2 :輪帯開口の外側開口数
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1312687C (zh) * 2000-10-03 2007-04-25 松下电器产业株式会社 光学信息记录媒质,光学信息记录/再现方法和装置
JPWO2005064607A1 (ja) * 2003-12-25 2007-07-19 コニカミノルタオプト株式会社 対物レンズ、光ピックアップ装置及び光情報記録再生装置

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JP4706481B2 (ja) * 2003-12-25 2011-06-22 コニカミノルタオプト株式会社 光ピックアップ装置

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