JPH10307130A - アミノ酸分析装置およびその制御方法 - Google Patents

アミノ酸分析装置およびその制御方法

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JPH10307130A
JPH10307130A JP11576197A JP11576197A JPH10307130A JP H10307130 A JPH10307130 A JP H10307130A JP 11576197 A JP11576197 A JP 11576197A JP 11576197 A JP11576197 A JP 11576197A JP H10307130 A JPH10307130 A JP H10307130A
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liquid
amino acid
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acid analyzer
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JP11576197A
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Yoshio Fujii
芳雄 藤井
Takeshi Hashimoto
剛 橋本
Masato Ito
正人 伊藤
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】異常処理における二次障害を回避する。 【解決手段】分離カラムに接続された移動相の流路と、
該流路を介して分離カラムに、所定の送液条件で移動相
を送液する送液機構と、送液機構と分離カラムとの間の
流路に分析対象の試料を導入する試料導入部とを備える
アミノ酸分析装置に、異常処理機構52を設ける。異常
処理機構52は、送液機構が、送液中に所定の異常を検
出すると、送液条件を変更して、あらかじめ定められた
新たな送液条件により送液する機構である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アミノ酸分析装置
およびその制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アミノ酸分析装置は、アミノ酸を分析す
るための高速液体クロマトグラフ装置であり、通常、分
離部と測定部とを備える。分離部は、分析対象の試料を
分離するための分離カラムと、移動相を送液する機構と
を備える。この送液機構と分離カラムとの間の流路に
は、試料導入部が設けられており、ここから導入された
試料は、送液機構により送液される移動相とともに分離
カラムに導入され、分離カラムに充填された固定相の間
を移動する間に分離される。
【0003】アミノ酸の検出は、アミノ酸を発色試薬と
反応させてその呈色を光学的に検出することが一般的で
あり、分離前に反応させるプレラベル法と、分離後に反
応させるポストカラム法とが知られているが、通常、ポ
ストカラム法が用いられる。このポストカラム法を用い
る場合、アミノ酸分析装置には、分離部と測定部との間
の流路に、試料と発色試薬とを反応させて加熱する反応
部が設けられる。例えば、特公昭63−67664号公
報に記載されたアミノ酸分析装置では、移動相(緩衝
液)をポンプで送液して、分離カラムに導入された試料
を分離させ、この分離したアミノ酸成分の流れにニンヒ
ドリン試薬の流れを合流させた後、加熱した反応コイル
を通すことによってこれらを反応させて、検出器で連続
的に検出する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】アミノ酸分析装置は、
通常、分析成分数が多いため、分析時間が長いことか
ら、昼夜連続の無人運転を行なうことが普通である。こ
のような無人運転時の障害の発生は、重篤な事故につな
がる可能性があるため、極力避けなければならない。従
って、アミノ酸分析装置には、異常発生の際の安全な処
理が自動的に行なわれることが特に求められる。しか
し、この異常発生の際の処理によって、二次障害が発生
することも少なくない。例えば、一般のアミノ酸分析装
置では、エラーが発生すると安全確保のため送液を停止
することが多いが、これによって反応コイルが詰まって
しまうことがある。
【0005】アミノ酸分析装置に用いられる反応コイル
には、ある程度長い反応時間を得る必要から、通常、細
長いチューブ(例えば、内径(直径)0.25mm、長
さ7〜20m)が使用される。このため、コイル内は流
れの抵抗が大きく、加熱中に送液が停止されると、コイ
ル内に滞留した液が長時間加熱されることにより、結晶
が析出するなどしてコイルが詰まってしまうのである。
【0006】そこで、本発明は、異常処理における二次
障害を回避することのできるアミノ酸分析装置と、その
制御方法とを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では、分離カラムに接続された移動相の流路
と、該流路を介して分離カラムに、所定の送液条件で移
動相を送液する送液機構と、送液機構と分離カラムとの
間の流路に分析対象の試料を導入する試料導入部とを備
えるアミノ酸分析装置であって、異常処理機構を備える
ものが提供される。本発明における異常処理機構は、送
液機構が、送液中に所定の異常を検出すると、送液条件
を変更して、あらかじめ定められた新たな送液条件によ
り送液する機構である。
【0008】また、本発明では、分離カラムに接続され
た移動相の流路と、流路を介して分離カラムに、所定の
送液条件で移動相を送液する送液機構と、流路に分析対
象の試料を導入する試料導入部とを備えるアミノ酸分析
装置の制御方法として、送液中に所定の異常を検出する
と、上記送液条件を変更して、あらかじめ定められた新
たな送液条件により送液するステップを備える制御方法
が提供される。
【0009】本発明によれば、二次障害を回避するため
のをあらかじめ設定しておき、異常が発生した際、この
異常処理用送液条件により送液を行なうことにより、異
常処理における二次障害を回避することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明では、例えば、送液機構、
分離カラムまたは流路における圧力異常(特に、あらか
じめ定められた上限値より高い圧力が検出されたこと)
や、測定装置におけるデータ処理異常、コイルにおける
温度異常など際して、送液条件が変更されるようにする
ことができる。
【0011】なお、本発明における異常処理機構は、異
常検出時に送液を一旦停止させるものであってもよい。
すなわち、異常処理機構に、異常を検出すると送液条件
の変更前に送液を停止する停止部と、送液条件を変更し
て新たな送液条件により送液を再開する再開部とを設け
てもよい。本発明を圧力異常に適用する場合には、従来
の装置に設けられている圧力リミッタを、この停止部と
して用いることができる。
【0012】送液条件には、例えば、上限値、および、
送液の流量または圧力を含めることができる。圧力が上
限値を超えた場合の異常処理用送液条件は、例えば、異
常発生前の上限値および送液の流量をそれぞれ低くした
り、流量を、設定された上限値より低い一定の圧力が保
持される量にしたりしたものとすることが望ましい。こ
のようにすれば、圧力異常による送液停止を回避しつ
つ、コイル内に液が滞留することを回避できる。
【0013】また、データ処理異常や、コイルにおける
温度異常が発生した場合の異常処理用送液条件は、異常
異常発生前の上限値および送液の流量を、それぞれ高く
したものとしてもよい。このようにすれば、データ処理
異常の際は、短時間でカラムを洗浄することができ、温
度異常の際は、加熱停止後に短時間でコイルを冷却する
ことができる。
【0014】なお、上述のように、本発明は、加熱時の
コイルの詰まりを回避することができるため、呈色反応
のために試料を加熱する分析方法を用いた装置に特に適
している。このような分析方法としては、例えば、発色
試薬としてダンシルクロライドまたはフェニルチオヒダ
ントインなどを用い、分離前に呈色させるプレラベル法
や、発色試薬としてニンヒドリンまたはo−フタルアル
デヒドなどを用い、分離後に呈色させるポストカラム法
などがある。
【0015】ポストカラム法を用いる場合、本発明のア
ミノ酸分析装置には、分離カラムにより分離された試料
に分析試薬(上述の例では発色試薬)を混合し加熱して
反応させる反応部を、さらに設ける。また、プレラベル
法を用いる場合、本発明のアミノ酸分析装置には、分離
カラムと試料導入部との間の流路に、流路導入された試
料に分析試薬(上述の例では発色試薬)を混合し、加熱
して反応させる反応部を、さらに設ける。
【0016】また、移動相には、二種以上の緩衝液を用
いることが望ましく、この場合、送液機構には、ステッ
プまたはグラジェント方式で緩衝液を切り替える機構
と、送液のためのポンプとを備えることが望ましい。
【0017】
【実施例】
<実施例1>以下、本発明を、移動相として緩衝液を用
い、分析試薬として発色試薬であるニンヒドリンを用い
たポストカラム法によるアミノ酸分析装置に適用した実
施例について説明する。
【0018】A.装置構成 本実施例のアミノ酸分析装置30は、図1に示すよう
に、送液機構31と、試料導入部(オートサンプラ)9
と、分離カラム10と、反応部33と、測定部34と、
これらをこの順につなぐ流路32とを備え、さらに、送
液機構31、オートサンプラ9、反応部33および測定
部34を制御する制御装置35を備える。
【0019】送液機構31は、それぞれ組成の異なる緩
衝液を保持する緩衝液槽1〜4と、カラム再生液を保持
する再生液槽5と、緩衝液ポンプ7と、アンモニアフィ
ルタカラム8とを備え、各緩衝液槽1〜4および再生液
槽5と緩衝液ポンプ7との間には、電磁弁シリーズ6が
設けられている。電磁弁シリーズ6によって選択された
緩衝液または再生液は、緩衝液ポンプ7によって、アン
モニアフィルタカラム8、オートサンプラ9を経由して
分離カラム10に送られる。オートサンプラ9によって
導入されたアミノ酸試料は、分離カラム10で分離され
る。
【0020】反応部33は、ニンヒドリン試薬を保持す
る発色試薬槽11と、この試薬を送液するための試薬ポ
ンプ12と、試薬を流路32に供給するための試薬流路
36およびミキサ13と、試料および試薬を加熱するた
めの反応コイル14と、この反応装置を加熱するための
加熱装置17とを備える。反応コイル14は、流路32
の一部を形成するコイル状のチューブである。
【0021】分離カラム10により分離された各アミノ
酸は、試薬ポンプ12によって送られてきたニンヒドリ
ン試薬とミキサ13で混合される。この混合液は、加熱
装置17で加熱された反応コイル14内を通過する際に
反応して呈色する。
【0022】測定部34は、アミノ酸の呈色を光学的に
検出し、検出信号を出力する検出器15と、検出器から
出力された信号を受信し、処理するデータ処理装置16
を備える。反応コイル14において呈色したアミノ酸
は、検出器15に送られ、連続的に検知される。検出器
15は、検出結果を信号としてデータ処理装置16に通
知し、これを受けたデータ処理装置16は、通知された
信号を処理して、クロマトグラムおよびデータとして出
力、記録、保存する。なお、検出結果の通知を受けるデ
ータ処理装置16と、分析装置30の各部の動作を制御
する制御装置35とを、一つの情報処理装置が兼ねても
よい。
【0023】制御装置35は、中央演算処理装置(CP
U)351と、主記憶装置352と、外部記憶装置35
3と、入出力装置(I/O)354とを備える情報処理
装置である。制御装置35は、図4に示すように、通常
の分析処理において各部の動作を制御する分析処理部5
1と、異常検出時に送液条件を変更する異常処理部52
と、送液条件記憶部53と、異常処理条件記憶部54と
を備える。
【0024】本実施例では、分析処理部51および異常
処理部52は、外部記憶装置353にあらかじめ保持さ
れ、主記憶装置352に読み込まれたインストラクショ
ン(プログラム)をCPU351が実行することにより
実現されるが、本発明はこのようなソフトウエアによる
ものに限られず、例えば、これら各部51,52を実現
するための所定のハードワイヤードロジックを含む特定
のハードウエア装置や、あるいは汎用プロセッサとハー
ドウエア装置との組合せによって実現されてもよい。ま
た、送液条件記憶部53および異常処理条件記憶部54
は、主記憶装置352(外部記憶装置353でもよい)
に確保された記憶領域である。
【0025】送液条件記憶部53は、移動相の送液スケ
ジュールを示す情報(すなわち、用いる緩衝液の種別
(すなわち移動相槽1〜5の番号)、混合比および流量
のスケジュール)を保持するための送液スケジュール記
憶領域531と、送液する移動相の種別(すなわち移動
相槽1〜5の番号)および混合比率とを保持するための
移動相記憶領域532と、緩衝液ポンプ7の圧力上限値
を保持するための圧力上限値記憶領域533と、移動相
の流量を保持するための流量記憶領域534とを備え
る。
【0026】また、異常処理条件記憶部54は、異常処
理時の送液条件を保持するための記憶領域であり、本実
施例では、緩衝液ポンプ7の圧力上限値を保持するため
圧力上限値記憶領域541と、移動相の流量を保持する
ための流量記憶領域542とを備える。
【0027】本実施例では、緩衝液ポンプ7の圧力が、
記憶領域533に保持された圧力上限値を超えた場合
に、送液条件が変更される。しかし、本発明はこれに限
られず、例えば、緩衝液ポンプ7の圧力下限値、試薬ポ
ンプ12の圧力上限値および圧力下限値、反応コイル1
4の温度の上限値および下限値、データ処理装置16の
処理結果の閾値などを、送液条件記憶部53に保持し、
これを異常発生の判定基準として用いるようにしてもよ
い。
【0028】また、本発明では、異常が発生した際に変
更される送液条件を、緩衝液ポンプ7の圧力上限値およ
び移動相の流量の2項目としているが、本発明はこれに
限られず、例えば、圧力上限値は変更せずに流量のみを
変更したり、あるいは流量は可変として緩衝液ポンプ7
の圧力を所定の値に一定させるように変更してもよい。
さらに、本発明では、送液条件に移動相の流量を含めて
いるが、例えば、流量の代わりに緩衝液ポンプ7の圧力
を用いてもよい。
【0029】B.制御装置における処理 制御装置35は、上述のように、正常時の連続測定処理
を行なう分析処理部51と、異常発生時に送液条件を変
更して障害を回避する異常処理部52とを備える。これ
らは、いずれも、入出力装置354を介して動作開始指
示が制御装置35に入力されると起動される。
【0030】(1)正常分析処理 分析処理部51は、まず、入出力装置35を介して移動
相の送液スケジュール、緩衝液ポンプ7の圧力上限値、
および、移動相の流量の入力を受け付け、送液条件記憶
部53の送液スケジュール記憶領域531、圧力上限値
記憶領域533に格納し、さらに、入力された送液スケ
ジュールにおける流量の初期値を流量格納領域534
へ、移動相の種別および混合比の初期値を移動相記憶領
域532へ、それぞれ格納する(ステップ501)。
【0031】つぎに、分析処理部51は、入出力装置3
5を介して、異常処理における緩衝液ポンプ7の圧力上
限値、および、移動相の流量の入力を受け付け、異常処
理条件記憶部54の圧力上限値記憶領域541および流
量記憶領域542へ格納する(ステップ502)。
【0032】続いて、分析処理部51は、移動相記憶領
域532に保持された情報の示す緩衝液槽1〜4に接続
された電磁弁6を動作させ、所定の比率で混合された緩
衝液がポンプ7に導入されるようにした後、流量格納領
域534に保持された流量になるように、緩衝液ポンプ
7を作動させる(ステップ503)。これにより、送液
が開始される。
【0033】つぎに、分析処理部51は、反応部33の
加熱装置17を、反応コイル14が所定の温度になるよ
うに起動させて試薬ポンプ12を起動し(ステップ50
4)、データ処理装置16に測定部の起動を指示し(ス
テップ505)、オートサンプラ9を起動する(ステッ
プ506)。これにより、試料の連続測定が開始され
る。
【0034】つぎに、分析処理部51は、一定時間(本
実施例では5秒)経過するまで待ち(ステップ50
7)、送液条件を変更すべきか否か判断する(ステップ
508)。このステップ508において、分析処理部5
1は、異常処理部52から変更が指示されている場合
は、送液条件を変更すべきであると判定する。異常処理
部52から変更が指示されていない場合は、送液スケジ
ュール記憶領域531に保持されたスケジュールを参照
し、スケジュールに登録された、その時点における送液
条件(移動相の種別、混合比、流量)を、現在実行中の
送液条件と比較し、異なっていれば、その値を移動相記
憶領域532および流量記憶領域534に格納した後、
送液条件を変更すべきであると判定する。
【0035】送液条件を変更すべきであると判定する
と、分析処理部51は、移動相記憶領域532および流
量記憶領域534に保持された条件になるように再生液
槽5の電磁弁6を開き、緩衝液槽1〜4の電磁弁6を閉
じて、再生液が所定の流量になるように緩衝液ポンプ7
を動作させる(ステップ509)。
【0036】つぎに、分析処理部51は、入出力装置3
54を介して終了指示がすでに入力されているか、また
は、異常処理部52から送液条件の変更が指示されてい
る場合は(ステップ510)、終了処理として、オート
サンプラ9を停止させ、データ処理装置16に測定部の
停止を指示し、加熱装置17の加熱を停止させた、試薬
ポンプ12を停止させた後、一定時間(本実施例では3
時間)が経過するのを待って、緩衝液ポンプ7を停止さ
せる(ステップ510)。
【0037】終了指示および異常処理部52からの送液
条件変更指示のいずれもなされていない場合や、ステッ
プ508において送液条件を変更すべきでないと判断し
た場合、分析処理部51は、処理をステップ507に戻
し、異常が検出されるか、終了が指示されるまで、連続
分析処理を続行する。
【0038】(2)障害回避処理 異常処理部52は、起動されるとまず、送液上記記憶部
53の圧力上限値記憶領域533から上限値を読み出し
(ステップ601)、入出力装置354を介して終了指
示が入力されていなければ(ステップ602)、緩衝液
ポンプ7に設けられた圧力検知器から圧力の通知を受け
(ステップ603)、その値がステップ601で読み出
した上限値以下であるか否か検査する(ステップ60
4)。上限値以下であれば、異常処理部52は処理をス
テップ602に戻し、一定時間(本実施例では5秒)お
きにこの圧力検査処理を繰り返す。なお、ステップ60
2において終了指示を検出すると、異常処理部52は処
理を終了する。
【0039】通知された圧力が上限値より大きければ、
異常処理部52は、入出力装置354の表示画面に異常
発生を表示した後、異常処理条件記憶部54に保持され
た圧力上限値および流量を読み出し(ステップ60
5)、それらの値を、送液条件記憶部53の圧力上限値
記憶領域533および流量記憶領域534に格納し、さ
らに、移動相記憶領域532にカラム再生液100%を
示す情報を格納して(ステップ606)、送液条件の変
更を分析処理部51に指示する(ステップ607)。
【0040】送液条件変更を指示した異常処理部52
は、一定時間(本実施例では5秒)ごとに、ポンプ7の
圧力がステップ606において新たに設定された上限値
以下か否の検査を繰り返す(ステップ608,60
9)。ここで圧力が上限値を超えていることが検出され
ると、異常処理部52は、入出力装置354の表示画面
に異常の再発生を表示した後、ポンプ7を停止させ、装
置30の稼働を強制終了させる(ステップ610)。
【0041】ステップ607において送液条件の変更を
指示された分析処理部51は、上述のように、ステップ
507においてこれを検知し、送液条件を、新たに送液
条件記憶部53に保持された内容に変更して(ステップ
509)、ポンプ7による送液を所定時間(本実施例で
は3時間)続行する。
【0042】なお、本実施例では、異常発生が2回(ス
テップ604,609)検出されると装置30を強制終
了させるが、例えば、異常処理用送液条件を複数組み用
意しておき、異常発生の検出のたびに、送液条件を変更
するようにしてもよい。
【0043】また、本実施例では、異常を検出しても、
送液条件を変更するのみで送液をすぐには停止させない
が、ステップ604において異常を検出した際、一旦送
液を停止するようにしてもよい。反応コイル14が詰ま
る前に液を流がすことができれば、コイル詰まりを防止
することができるからである。
【0044】本実施例では、ステップ606の処理によ
り、異常発生後に送液される溶液は、常にカラム再生液
とされるが、例えば、異常発生後に送液する液(例えば
水など)の液槽を別途用意し、これを用いてもよく、ま
た、緩衝液槽1〜4に保持された緩衝液を用いてもよ
い。さらに、異常発生後に送液する液の選択を、分析処
理部51の処理のステップ502において受け付けるよ
うにしてもよい。
【0045】C.動作例 つぎに、本実施例のアミノ酸分析装置30の、表1に示
した各設定値を用いた場合の動作例について、図1を用
いて説明する。図1では、圧力上限値を実線21,24
で、圧力実測値を点線22,25で、流量実測値を一点
鎖線23,26で、それぞれ表した。なお、ここでは、
流量が一定になるように送液する定流量モードで測定が
行なわれるものとした。
【0046】
【表1】
【0047】分析開始が指示され、ステップ501およ
び502において、表1に示した各値が入力されると、
分析処理部51は、所定の緩衝液を、その流量が0.4
ml/分の一定になるように緩衝液ポンプ7を制御して
送液し(ステップ503)、測定を開始する(ステップ
504〜506)。
【0048】図1に示すように、流量が0.4mlのと
きの、分析開始時のポンプ7の圧力22は約110kg
f/cm2であった。しかし、何らかの原因でカラム10
の圧力が上昇したり、配管パイプが目詰まりすると、こ
の圧力は上昇して上限値21に達し、異常となる。
【0049】このとき、従来は、緩衝液ポンプ7と試薬
ポンプ12とを停止させていたが、このようにすると、
反応コイル14の中には、ミキサ13で混合した緩衝液
とニンヒドリン11の混合液(および、場合によっては
発色したアミノ酸試料)が滞留する。高温(本実施例で
は130℃)に加熱された反応コイル14は、加熱装置
17による加熱を停止させてもすぐには冷却されないた
め(一般に、130℃から50℃に低下するのに約2〜
3時間を要する)、滞留した混合液は長時間加熱される
ことになる。従って、混合液の一部が蒸発することによ
り、溶質が結晶化し、反応コイル14を詰まらせてしま
うことがある。
【0050】そこで、本実施例では、反応コイル14が
詰まる前に液を流がすことにより、この異常処理による
二次障害を防止する。なお、緩衝液ポンプ7がエラーで
停止したとき、試薬ポンプ12のみを送液することは、
分離カラム10側への逆流が心配されるので適当でな
い。異常処理において流す溶液は、緩衝液、カラム再生
液または水が望ましい。本実施例では、上述のようにカ
ラム再生液が用いられる。
【0051】本実施例では、異常処理条件として、流量
0.05ml/分、圧力上限値75kgf/cm2が異
常処理条件記憶部54に登録されている(ステップ50
2)ため、圧力異常を検出した(ステップ601〜60
4)異常処理部52は、送液する流量26を0.05m
l/分とし、圧力上限値を75kgf/cm2として
(ステップ605,606)送液する(ステップ60
7)。本実施例では、安全確保のため圧力上限値を下げ
たが(図1では実線24として表示)、流量を少なくす
る(図1では一点鎖線26として表示)ことによりこの
上限値よりさらに低い圧力25で送液を継続することが
できた。このようにすれば、カラム再生液で分離カラム
10および反応コイル14を洗浄することができ、カラ
ム10およびコイル11の詰まりを防止することができ
る。
【0052】なお、温度が室温近く(50℃以下)にな
れば、反応コイル14の詰まりは進行しなくなる。上述
のように、通常130℃から50℃に低下するのに約2
〜3時間を要するため実施例では、異常処理時間(ステ
ップ510における送液時間)を3時間とした。
【0053】<実施例2>本実施例のアミノ酸分析装置
は、実施例1のものとほぼ同様であるが、分析処理部5
1は、ポンプ7の圧力が一定になるようにポンプ7を制
御する機能を有している。本実施例では、流量記憶領域
534,542の代わりに、一定に保持する属性(ポン
プ7の流量または圧力)とその属性値とを保持するため
の記憶領域が設けられており、分析処理部51および異
常処理部52は、流量の代わりにこの属性および属性値
を用いて処理を行なう。
【0054】つぎに、本実施例のアミノ酸分析装置の、
表2に示した各設定値を用いた場合の動作例について、
図2を用いて説明する。図2では、圧力上限値を実線2
1で、圧力実測値を点線22,27で、流量実測値を一
点鎖線23,28で、それぞれ表した。なお、本実施例
では、異常発生前の分析処理は、実施例1と同じ定流量
モードで行なわれるものとした。
【0055】
【表2】
【0056】本実施例においても、異常発生までは、実
施例1と同様に圧力・流量が推移し、なんらかの原因で
圧力上昇が起こると、異常処理部52が送液条件を変更
する。本実施例では、異常処理条件として、属性「圧
力」、属性値「50kgf/cm2」、圧力上限値「1
50kgf/cm2」が異常処理条件記憶部54に登録
されている(ステップ502)ため、圧力異常を検出し
た(ステップ601〜604)異常処理部52により送
液条件が変更され(ステップ606,607)、これを
受けた分析処理部51により、ポンプ7が定圧モードで
(すなわち、圧力が50kgf/cm2以下となる範囲
内で、流量が最大になるように)制御される(ステップ
509〜511)。
【0057】定圧モードでは、流量28は、負荷が変わ
ると自動的に変化する。例えば、負荷抵抗が大きくなれ
ば、流量28が自動的に下げられることにより、ほぼ一
定の圧力27を保ったまま(すなわち、再度圧力異常が
発生するのを回避して)、送液が継続される。これによ
り、異常が発生しても、安全に分離カラムおよび反応コ
イル14を洗浄することができる。
【0058】なお、上述の実施例1および本実施例2で
は、あらかじめ異常処理条件を入力しておくことで、制
御装置により自動的に送液条件の変更が行なわれたが、
異常発生時に入力するようにしてもよく、また、あらか
じめ設定された条件を用いるようにしてもよい。さら
に、あらかじめ記憶装置内に各属性の省略時解釈値を用
意しておき、異常処理条件の入力が行なわれなければ、
この値を用いて異常処理を行なうようにしてもよい。
【0059】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、異常処理における二次障害を回避することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の動作例における圧力および流量の
変化を示すグラフである。
【図2】 実施例2の動作例における圧力および流量の
変化を示すグラフである。
【図3】 実施例1におけるアミノ酸分析装置の構成図
である。
【図4】 実施例1における制御装置の機能構成図であ
る。
【図5】 実施例1における分析処理部の処理を示す流
れ図である。
【図6】 実施例1における異常処理部の処理を示す流
れ図である。
【符号の説明】
1〜4…緩衝液槽、5…カラム再生液槽、6…電磁弁シ
リーズ、7…緩衝液ポンプ、8…アンモニアフィルタカ
ラム、9…オートサンプラ、10…分離カラム、11…
ニンヒドリン試薬槽、12…試薬ポンプ、13…ミキ
サ、14…反応コイル、15…検出器、16…データ処
理装置、17…加熱装置、21…分析処理用圧力上限
値、22…緩衝液ポンプ圧力実測値、23…正常処理中
の緩衝液ポンプ流量、24…異常処理用圧力上限値、2
5,27…異常処理中の緩衝液ポンプ圧力実測値、2
6,28…異常処理中の緩衝液ポンプ流量、30…アミ
ノ酸分析装置、31…送液機構、32…流路、33…反
応部、34…測定部、35…制御装置、351…中央演
算処理装置(CPU)、352…主記憶装置、353…
外部記憶装置、354…入出力装置(I/O)、51…
分析処理部、52…異常処理部、53…送液条件記憶
部、531…送液スケジュール記憶領域、532…移動
相記憶領域、533…圧力上限値記憶領域、534…流
量記憶領域、54…異常処理条件記憶部、541…圧力
上限値記憶領域、542…流量記憶領域。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分離カラムに接続された移動相の流路と、 上記流路を介して上記分離カラムに、所定の送液条件で
    上記移動相を送液する送液機構と、 上記流路に分析対象の試料を導入する試料導入部とを備
    え、 上記送液機構は、 上記送液中に所定の異常を検出すると、上記送液条件を
    変更して、あらかじめ定められた新たな送液条件により
    送液する異常処理機構を備えることを特徴とするアミノ
    酸分析装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載のアミノ酸分析装置におい
    て、 上記所定の異常は、 上記送液機構、上記分離カラムまたは上記流路におい
    て、あらかじめ定められた上限値より高い圧力が検出さ
    れたことであることを特徴とするアミノ酸分析装置。
  3. 【請求項3】請求項1記載のアミノ酸分析装置におい
    て、 上記異常処理機構は、 上記異常を検出すると、上記送液条件の変更前に上記送
    液を停止する停止部と、 上記送液条件を変更して上記新たな送液条件により送液
    を再開する再開部とを備えることを特徴とするアミノ酸
    分析装置。
  4. 【請求項4】請求項1記載のアミノ酸分析装置におい
    て、 上記送液条件の変更は、 上記上限値および上記送液の流量を、それぞれ低くする
    ことであることを特徴とするアミノ酸分析装置。
  5. 【請求項5】請求項1記載のアミノ酸分析装置におい
    て、 上記送液条件の変更は、 上記流量を、上記上限値より低い一定の圧力が保持され
    る流量にすることであることを特徴とするアミノ酸分析
    装置。
  6. 【請求項6】請求項1記載のアミノ酸分析装置におい
    て、 上記分離カラムにより分離された上記試料に分析試薬を
    混合し加熱して反応させる反応部を、さらに有すること
    を特徴とするアミノ酸分析装置。
  7. 【請求項7】請求項6記載のアミノ酸分析装置におい
    て、 上記分析試薬は、 ニンヒドリンおよびo−フタルアルデヒドのいずれかを
    含むことを特徴とするアミノ酸分析装置。
  8. 【請求項8】分離カラムに接続された移動相の流路と、
    該流路を介して該分離カラムに、所定の送液条件で上記
    移動相を送液する送液機構と、上記流路に分析対象の試
    料を導入する試料導入部とを備えるアミノ酸分析装置の
    制御方法において、 上記送液中に所定の異常を検出すると、上記送液条件を
    変更して、あらかじめ定められた新たな送液条件により
    送液することを特徴とするアミノ酸分析装置の制御方
    法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011069675A (ja) * 2009-09-25 2011-04-07 Hitachi High-Technologies Corp 反応液体クロマトグラフ装置における制御方法,反応液体クロマトグラフ装置、およびアミノ酸分析計
JP2012002711A (ja) * 2010-06-18 2012-01-05 Hitachi High-Technologies Corp アミノ酸分析装置、およびアミノ酸分析装置の起動時の処理方法
JP2014235153A (ja) * 2013-06-05 2014-12-15 株式会社島津製作所 分析装置制御装置

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