JPH10304625A - 低騒音ブラシ保持装置 - Google Patents

低騒音ブラシ保持装置

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JPH10304625A
JPH10304625A JP11605797A JP11605797A JPH10304625A JP H10304625 A JPH10304625 A JP H10304625A JP 11605797 A JP11605797 A JP 11605797A JP 11605797 A JP11605797 A JP 11605797A JP H10304625 A JPH10304625 A JP H10304625A
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JP
Japan
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brush
brush holder
vibration
substrate
holder
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Application number
JP11605797A
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English (en)
Inventor
Toshio Yamamoto
敏夫 山本
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Asmo Co Ltd
Original Assignee
Asmo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、ブラシとコンミュテ
ータの摺動によって発生するブラシの自励振動及びこの
振動により生ずる異音を抑圧することのできるモータの
低騒音ブラシ保持装置を提供する。 【解決手段】 低騒音ブラシ保持装置10は、コンミ
ュテータに摺接するブラシ11と、このブラシ11を保
持するブラシホルダ13と、このブラシホルダ13が配
設される基板15と、を備えたブラシ保持装置10にお
いて、ブラシ11にはブラシ11の長手軸と交差するよ
うに板材12が配設され、ブラシホルダ13は側面に切
欠部13bが形成され、板材12はブラシホルダ13に
形成された切欠部13bからブラシホルダ13外方に突
出し、板材12と基板15との間に振動吸収材16を介
在させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モータのブラシ保
持装置に係り、特にブラシとコンミュテータの摺動によ
って発生するブラシの自励振動及びこの振動により生ず
る異音を抑圧し、更に安定した通電状態を確保する低騒
音ブラシ保持装置に関する。
【0002】
【従来の技術】直流モータにおいては、周知のように整
流作用を得るためにブラシとコンミュテータが用いられ
ており、ブラシはブラシ保持装置によって保持されてコ
ンミュテータと摺接するように構成されている。従来の
ブラシ装置としては、例えば、図20に示すように給電
線106を有するブラシ101を収納するブラシホルダ
102と、ブラシ101をコンミュテータ104へ弾性
的に押圧するスプリング103と、を具備するものが一
般的である。このようなブラシ装置においては、コンミ
ュテータ104が回転したとき、ブラシ101とコンミ
ュテータ104間の摩擦力が不安定であることや、コン
ミュテータ104のセグメント間段差とブラシ101の
衝突等の原因により、ブラシ101が自励振動を起こ
し、整流作用を悪化させるばかりでなく、この自励振動
により異音を発生して使用者に不快感を与えていること
が経験的に知られている。
【0003】またブラシ101が振動することにより、
ブラシ101とブラシホルダ102が衝突し、この衝突
より発生する衝撃力がモータ各部に伝達し、各部を共振
させて騒音を発生する。また、ブラシ101が振動する
ことで、ブラシ101とコンミュテータ104との間の
電気的接続が不安定となり、モータ性能を悪化させると
ともに火花発生の原因ともなり、ブラシ101の異常摩
耗や電磁ノイズの発生を引き起こすという問題があっ
た。
【0004】ブラシが自励振動していない定常状態にお
いては、ブラシとコンミュテータとの間の摩擦力を含
め、ブラシに加わる外力の総和はすべてバランスしてい
る。そして、たまたま、僅かのアンバランスが生じて
も、直ちにもとのバランス状態に戻ることができれば、
自励振動を発生することはない。
【0005】しかしながら、摩擦特性やブラシの動力学
的特性およびブラシに対してコンミュテータやブラシホ
ルダが与えられている拘束状況が変化した時には、僅か
のアンバランスが生じても、摩擦力を介する機械的エネ
ルギーがこのバランスの変化に加わって、アンバランス
が増幅され、ブラシの振動エネルギーが大きくなって自
励振動となる。
【0006】このようにして発生するブラシの自励振動
を解決するには、大別して、ブラシ等の材料を改良する
方法と構造を改良する方法とが考えられる。材料を改良
する方法としては、例えばブラシの材質をより振動し難
いものにすることが考えられる。しかし、一般に振動を
抑圧・減衰させる場合、材料の改良よりも構造の改良を
行った方がより効果的であることが知られている。
【0007】ところで、従来提案されているブラシの自
励振動を抑制する技術としては、図21で示すようなブ
ラシの後端面を傾斜させた技術(例えば実開昭59−6
6374号公報,実開昭60−31153号公報参照)
や、図22で示すような側圧用板ばねを用いた技術等が
知られている。
【0008】或いは、ブラシをコンミュテータ方向へ弾
発する板ばねをブラシの側部まで延出すると共に、この
延出部分にブラシ側部に当接する突起部を形成し、ブラ
シをブラシホルダ内で、コンミュテータに密着当接させ
るようにして、ブラシがブラシホルダ内でコンミュテー
タ円周方向へ動きにくくなるような拘束力をブラシに与
えたり、コンミュテータと反対側のブラシ端部を、ブラ
シの長軸に対して傾斜面とし、この傾斜面にブラシをコ
ンミュテータ側へ弾発する板ばねを当接させると共に、
上述したように板ばねの延出部分に設けた突起部によっ
て、ブラシを短軸方向でしかもコンミュテータの回転方
向側へ押圧する構成としたものが知られている(例えば
実開昭62−188965号公報参照)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし上述の各技術に
おいては、ブラシ保持装置の形状変更による共振の回避
や、材質の変更等による強度向上を計って振幅を低減さ
せる手法が用いられているものであり、またブラシとブ
ラシホルダとの間の摩擦力が大きくなり、ブラシ101
のコンミュテータ摺接面が摩耗したとき、ブラシと側圧
用板ばね間の摩擦力が、ブラシがコンミュテータの方向
へ近づくのを妨げて、通電不良になるという問題があ
る。さらに、側圧用板ばね105が共振を起こして騒音
を発生することもあり、抜本的対策には至っていない。
【0010】或いは特開昭61−51780に開示され
ているように、いわゆる板ばねブラシのコンミュテータ
摺動部の長手方向に粘着剤を用いて紙等の非ゴム系のシ
ート材を貼着した技術が知られている。しかしこの技術
は弾性機能を備えた板ばねブラシタイプのブラシにおい
てのみ適用可能な技術であり、スプリング別体タイプの
ブラシには適用することができない。
【0011】また、特にブラシ振動には、図18で示す
ような、ブラシ101のコンミュテータ104側に向か
う方向を軸Yとしてブラシ101が矢印A方向に運動す
るヨーイング振動と、図19で示すような、コンミュテ
ータ104の回転軸と同方向を軸Zとしてブラシ101
が矢印B方向に運動するピッチング振動との2つの振動
モードが知られている。なお、図11及び図12におけ
る矢印Rはコンミュテータ104の回転方向を示すもの
である。
【0012】本発明の目的は、ブラシとコンミュテータ
の摺動によって発生するブラシの自励振動及びこの振動
により生ずる異音を抑圧することのできるモータの低騒
音ブラシ保持装置を提供することにある。
【0013】さらに本発明の目的は、安定した通電性を
確保することのできる低騒音ブラシ保持装置を提供する
ことにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本願請求項1に係る低騒
音ブラシ保持装置は、コンミュテータに摺接するブラシ
と、該ブラシを保持するブラシホルダと、該ブラシホル
ダが配設される基板と、を備えたブラシ保持装置におい
て、前記ブラシにはブラシの長手軸と交差するように板
材が配設され、前記ブラシホルダは側面に切欠部が形成
され、前記板材は前記ブラシホルダに形成された切欠部
からブラシホルダ外方に突出し、前記板材と前記基板と
の間に振動吸収材を介在させたことを特徴とする。
【0015】本願請求項2に係る低騒音ブラシ保持装置
は、 コンミュテータに摺接するブラシと、該ブラシを
保持するブラシホルダと、該ブラシホルダが配設される
基板と、を備えたブラシ保持装置において、前記ブラシ
にはブラシの長手軸と交差するように板材が配設され、
該板材の自由端が折り曲げられ、該折り曲げた部分にピ
ッグテールが取り付けられ、前記ブラシホルダは側面に
切欠部が形成され、前記板材は前記ブラシホルダに形成
された切欠部からブラシホルダ外方に突出し、前記板材
と前記基板との間に振動吸収材を介在させたことを特徴
とする。
【0016】本願請求項3に係る低騒音ブラシ保持装置
は、コンミュテータに摺接するブラシと、該ブラシを保
持するブラシホルダと、該ブラシホルダが配設される基
板と、を備えたブラシ保持装置において、前記ブラシの
外面にはブラシの長手軸と交差するように溝部が形成さ
れ、該溝部にはクランク形状に形成された板材が配設さ
れ、前記ブラシホルダは側面に切欠部が形成され、前記
板材は前記ブラシホルダに形成された切欠部からブラシ
ホルダ外方に突出し、前記板材と前記基板との間に振動
吸収材を介在させたことを特徴とする。
【0017】本願請求項4に係る低騒音ブラシ保持装置
は、コンミュテータに摺接するブラシと、該ブラシを保
持するブラシホルダと、該ブラシホルダが配設される基
板と、を備えたブラシ保持装置において、前記ブラシに
はブラシの長手軸と交差するように板材が配設され、該
板材は前記ブラシの長手軸方向に沿った両側面から突出
し、前記ブラシホルダの長手軸方向に沿った両側面には
切欠部が形成され、前記板材は前記ブラシホルダに形成
された切欠部からブラシホルダ外方に突出し、前記板材
と前記基板との間に振動吸収材を介在させたことを特徴
とする。
【0018】本願請求項5に係る低騒音ブラシ保持装置
は、コンミュテータに摺接するブラシと、該ブラシを保
持するブラシホルダと、該ブラシホルダが配設される基
板と、を備えたブラシ保持装置において、前記ブラシに
はピッグテールが取り付けられるとともに前記ブラシの
長手軸と交差するように板材が配設され、前記ブラシホ
ルダは側面に切欠部が形成され、前記板材は前記ブラシ
ホルダに形成された切欠部からブラシホルダ外方に突出
し、前記板材と前記基板との間に振動吸収材を介在させ
たことを特徴とする。
【0019】前記振動吸収材は、粘着性を有し低弾性か
つ不定形のゲル状物質または弾性を有する板状部材から
なると好適である。
【0020】
【発明の実施の形態】低騒音ブラシ保持装置10は、コ
ンミュテータ25に摺接するブラシ11と、このブラシ
11を保持するブラシホルダ13と、このブラシホルダ
13が配設される基板15と、を備えている。ブラシ1
1にはブラシ11の長手軸11bと交差するように板材
である防振板12が配設され、ブラシホルダ13は側面
に切欠部13bが形成され、防振板12はブラシホルダ
13に形成された切欠部13bからブラシホルダ13の
外方に突出し、防振板12と基板15との間には振動吸
収材16を介在させている。
【0021】このように、ブラシ保持装置に振動吸収材
を用いることにより、ブラシに加わる加振力に減衰を付
加することによって抑制し、上記のようなピッチング振
動及びヨーイング振動により発生する騒音を防止するこ
とができる。また、振動吸収材による摩擦抵抗力は、ブ
ラシをコンミュテータ側へ弾発するスプリングの荷重よ
りも小さいものであるため、ブラシがコンミュテータと
の摩耗によってコンミュテータ側に移動するのを妨げる
ことなく、常に安定した通電性を確保することができ
る。
【0022】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。なお、以下に説明する部材,配置等は本発明を
限定するものでなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変
することができるものである。
【0023】図1乃至図7は、本発明に係る第1実施例
を示すものであり、図1は本例の低騒音ブラシ保持装置
を装着したモータの要部断面図、図2及び図3は低騒音
ブラシ保持装置の要部斜視図、図4及び図5は低騒音ブ
ラシ保持装置の断面説明図、図6及び図7は低騒音ブラ
シ保持装置の作用を示す説明図である。
【0024】本発明のモータ20は、図1で示すよう
に、ヨーク22内に配設された固定子23と、アーマチ
ャ24と、このアーマチャ24の回転軸26の出力軸2
1側に取着されたコンミュテータ25と、低騒音ブラシ
保持装置10とを備えている。
【0025】本例のアーマチャ24は、アーマチャコア
24aにコイル24bを巻回して形成され、回転軸26
と一体になって回転するもので、回転軸26の両端部は
軸受部27(一方のみ表示)によって回転可能に軸支さ
れている。
【0026】本例の低騒音ブラシ保持装置10は、モー
タ20のヨーク22内に取付けられた基板15上に形成
されたブラシホルダ13と、このブラシホルダ13に保
持されてコンミュテータ25と摺接するブラシ11と、
このブラシに配設された板材である防振板12と、この
防振板12と基板15との間に介在する振動吸収材16
と、を主な構成要素として構成されている。
【0027】本例のブラシ11は、図3で示すように従
来この種の装置で用いられているようなスプリング別体
タイプのブラシであり、角柱状に形成されている。そし
て、図4で示すように、その長手軸11b方向の一方の
端面は、コンミュテータ25の外周面に接している。
【0028】また、ブラシ11には防振板12が一体に
配設されている。この防振板12はブラシ11成形時に
インサートされてブラシ11と一体に形成されている。
この防振板12は金属製で、ブラシ11へ電力を供給す
るようにピッグテール(給電線)17と結合されてい
る。なお本実施例においては、防振板12の端部を折り
曲げた形状とし、この折り曲げた部分へピッグテール1
7を配設している例を示したが、ピッグテール17が配
設可能であれば特に折り曲げ形状とする必要はない。
【0029】本例のブラシホルダ13は基板15上にお
いて、基板15と一体に形成されており、矩形の中空枠
体13aからなる箱状の形態をしている。そしてこのブ
ラシホルダ13のコンミュテータ25側の面及びこれに
対向する面(反コンミュテータ側の面)は開放され、ま
た側部位置には前記防振板12を突出させるための切欠
部13bが形成されている。
【0030】そして上記ブラシホルダ13の反コンミュ
テータ側の面にはスプリングキャップ18が配設されて
いる。このスプリングキャップ18はブラシホルダ13
の反コンミュテータ面の蓋体となるものである。このブ
ラシホルダ13の内部にはブラシ11と、付勢手段とし
てのスプリング14が配設されている。このスプリング
14は、スプリングキャップ18のブラシホルダ13の
中空部側の面に一端を止着しており、スプリング14と
コンミュテータ25との間にブラシ11が保持されてい
る。そしてブラシ11はスプリング14によってコンミ
ュテータ25へ弾発されている。
【0031】また本例のブラシホルダ13には、板状の
ガード部19が形成されている。このガード部19は、
図2で示すように基板15及びブラシホルダ13と一体
に形成されており、基板15に対して略垂直になるよう
に配設されている。このガード部19は、後述する振動
吸収材16がモータ20の振動により変形したときに、
振動吸収材16がブラシ11、コンミュテータ25等の
モータ20内部における各構成部材に付着するのを防ぐ
ためのものである。
【0032】本例の振動吸収材16は粘着性を有し、低
弾性かつ不定形のゲル状物質で、保形性を有するもので
あり例えばブチルゴムを用いている。そしてこの振動吸
収材16は、基板15と防振板12との間に介在される
ものである。この振動吸収材16を基板15と防振板1
2との間に介在させる方法としては、ブラシ11をブラ
シホルダ13内に配設する前に、振動吸収材16を予め
基板15上に配置しておき、この配置された振動吸収材
16に防振板12を接着しても良く、或いはブラシ11
をブラシホルダ13に配設した後に、切欠部13bから
延出した防振板12と基板15との間に配置しても良
い。
【0033】また防振板12の端部側(ピッグテール1
7配設側)に振動が増幅されることから、防振板12の
長さを一定以上にし、その端部と基板15との間に振動
吸収材16を塗布するとより効果的である。
【0034】次に本低騒音ブラシ保持装置10の作用に
ついて説明する。図6及び図7に示すように、ブラシ1
1に矢印A方向に振動するヨーイング振動、または矢印
B方向に振動するピッチング振動が発生すると、このヨ
ーイング振動及びピッチング振動に対応して、防振板1
2に矢印A′方向の振動及び矢印B′方向の振動が発生
する。
【0035】そして本例の低騒音ブラシ保持装置10に
は、振動吸収材16が防振板12と基板15の間に介在
しており、この振動吸収材16は振動A′及び振動B′
によって変形する。このとき振動吸収材16の変形に対
する抵抗が減衰力となり、ブラシ11に発生したヨーイ
ング振動及びピッチング振動を速やかに収束させること
ができる。
【0036】またブラシ11がコンミュテータ25と摺
動し、摩耗するに従ってコンミュテータ25側へ移動し
ても、振動吸収材9は低弾性かつ不定形のゲル状物質か
らなるため、振動吸収材16の変形の摩擦抵抗力はスプ
リング14の荷重と比べはるかに小さいものであり、振
動吸収材16はブラシ11の摩耗によるコンミュテータ
25側への移動に合わせて変形し、ブラシ11のコンミ
ュテータ25側への移動を妨げることなく通電不良の原
因となることはない。
【0037】図8乃至図14は本発明の他の実施例を示
すものであり、図8及び図9は低騒音ブラシ保持装置の
要部斜視図、図10は低騒音ブラシ保持装置の断面説明
図、図11(a),(b)及び図12(a),(b)は
低騒音ブラシ保持装置の要部説明図、図13及び図14
は低騒音ブラシ保持装置の作用を示す説明図である。本
例において前記実施例と同一部材等には同一符号を付し
てその説明を省略する。
【0038】前記実施例では、振動吸収材16として、
ブチルゴムのように粘着性を有し、低弾性かつ不定形の
ゲル状物質を有するものを用いた例を示したが、図8乃
至図14に示す実施例では、振動吸収材16として、樹
脂フィルム,薄ゴム板,薄金属板等からなる弾性を有す
る板状部材を用いている。
【0039】そして、本例の振動吸収材16は図11及
び図12に示すように、一方の端部を折り曲げて形成さ
れ、折り曲げ部16aと、本体16bとから構成されて
いる。図11に示す実施例では、折り曲げ部16aは、
本体16bと鋭角をなすように成形加工されている。そ
して図11(b)に示すように、この折り曲げ部16a
を、防振板12の基板15へ向いた面において、接着,
粘着,かしめ,溶接等の手段で固定する。
【0040】或いは上記振動吸収材16は、図12に示
すように折り曲げ部16aと本体16bとが鈍角をなす
ように形成されても良い。そしていずれの場合も、振動
吸収材16を防振板12に配設するときは、本体16b
が基板15側に位置するように配設される。このとき振
動吸収材16は矢印F方向において弾性変形可能であ
る。
【0041】そして図10に示すように、ブラシ11を
ブラシホルダ13内の所定の位置へ設置することによ
り、振動吸収材16は基板15と弾性的に接触する。
【0042】また図13で示すように、ブラシ11はブ
ラシホルダ13内で振動吸収材16の弾性力により矢印
C方向へ押圧される。これによりブラシ11はヨーイン
グ振動に対して抵抗力を有し、ブラシ11にヨーイング
振動の発生し難い構成とすることができる。しかし振動
のエネルギーが大きいときには、図13における矢印A
方向で示されたヨーイング振動が発生する。このとき、
ヨーイング振動に対応して防振板12に矢印A′方向の
振動が発生する。このとき振動吸収材16は上記矢印
A′方向の振動によって、図14における矢印D方向に
変形し、矢印E方向に移動する。このとき矢印D方向へ
の変形による振動吸収材16の内部摩擦、及び矢印E方
向への移動による振動吸収材16と基板15との摩擦摺
動が減衰力となり、ブラシ11に発生したヨーイング振
動を速やかに収束させることができる。
【0043】或いはブラシ11にピッチング振動が発生
したときにおいても、このピッチング振動に対応して、
防振板12に図14に示す矢印B′方向の振動が発生
し、上記ヨーイング振動発生時と同様に、振動吸収材1
6が矢印D方向に変形し、矢印E方向に移動する。そし
て矢印D方向への変形による振動吸収材16の内部摩擦
及び矢印E方向への移動による振動吸収材16と基板1
5との摩擦摺動が減衰力となり、ブラシ10に発生した
ピッチング振動を速やかに収束させることができる。
【0044】なお、振動吸収材16と基板15間の摩擦
力は、スプリング14がブラシ11をコンミュテータ2
5側へ押圧する荷重よりも十分に小さいものであるた
め、ブラシ11がコンミュテータ25と摺動し、摩耗す
るに従ってコンミュテータ25側へ移動しても、振動吸
収材16、防振板12、ブラシ11は、ともにブラシ1
1の移動に合わせて基板15の上を移動するため、常に
安定した減衰力を得ることができ、またブラシ11とコ
ンミュテータ25間の通電不良の原因となることはな
い。
【0045】なお、上記実施例では振動吸収材16とし
て、樹脂フィルム,薄ゴム板,薄金属板等を用いた例を
示したが、これに限らず、樹脂フィルムや薄金属板を、
ゴム系接着剤或いは接着テープ等に使用される粘着剤等
で貼り合わせた複合材、例えば制振鋼板材等を用いても
良い。また上記実施例では板状の振動吸収材16を示し
たが、これに限らず金属線材等を適用しても良い。
【0046】図15乃至図17は本発明に係るさらに他
の実施例を示すものであり、低騒音ブラシ保持装置のブ
ラシ及び防振板を示す斜視図である。本例において前記
実施例と同一部材等には同一符号を付してその説明を省
略する。
【0047】図15における実施例では、防振板12
は、防振板12の有するばね力を利用してブラシ11と
結合している。本例は、ブラシ11に防振板配設部とし
ての凹部11aを形成し、この凹部11aにクランク状
に形成された防振板12を嵌合させて形成する。このよ
うにブラシ11と防振板12とを別体に形成し、組み付
ける構成とすることも可能である。
【0048】図16に示す実施例では、防振板12はブ
ラシ11にインサート成形されて、ブラシ11の両側か
ら突出するように形成されている。そしてこのとき、ブ
ラシ11の両側に突出したそれぞれの防振板12が、ブ
ラシホルダ13から突出できるように、ブラシホルダ1
3のそれぞれの側面に切欠部13bが形成される。
【0049】そして上記図16に示す実施例において
は、両方の防振板12と基板15との間に振動吸収材1
6を介在させ、且つ振動吸収材16がモータ20内部へ
付着するのを防ぐガード部19をブラシホルダ13を挟
んで両側に形成しても良い。このとき、より効果的にブ
ラシ11に発生する振動を収束させることができる。或
いは一方の防振板12と基板15との間にのみ振動吸収
材16を介在させても良い。防振板12の一方側にのみ
振動吸収材16を配置させたときには、ガード部19も
振動吸収材16が配置された側にのみ形成すれば良い。
【0050】図17に示す実施例では、従来の技術と同
様に、ピッグテール17を直接ブラシ11に結合して電
力を供給する構成を採用している。本例においては、防
振板12を通してブラシ11に電力を供給していないた
め、防振板12を金属材に限らず絶縁材から形成するこ
ともできる。また本例において、ピッグテール17を防
振板12に隣接して配設すれば、ピッグテール17をブ
ラシホルダ13の外方へ延出させるとき、ブラシホルダ
13の切欠部13bから延出させることができ、ピッグ
テール17のために切欠部13bとは別に切欠部を設け
る必要がない。
【0051】上記実施例では、ブラシホルダ13が基板
15と一体に形成された例を示したが、これに限らずブ
ラシホルダ13を別体に形成し、ボルト等で基板15上
に固定する構成としても良い。
【0052】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、ブラシ
に防振板を配設し、防振板と基板との間に振動吸収材を
介在させているので、ブラシが振動を生じ、ブラシの振
動により防振板が振動すると、防振板の振動により振動
吸収材が変形或いは移動し、この変形,移動に対する抵
抗が減衰力となり、ブラシの振動を収束させ、振動から
起こる騒音を防止することができる。
【0053】また上記振動吸収材による摩擦抵抗力は、
ブラシをコンミュテータ側へ弾発するスプリングの荷重
よりも小さいものであり、ブラシがコンミュテータとの
摩耗によってコンミュテータ側に移動するのを妨げるこ
となく、常に安定した通電性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る低騒音ブラシ保持装置を装着した
モータの要部断面図である。
【図2】本発明に係る低騒音ブラシ保持装置の要部斜視
図である。
【図3】本発明に係る低騒音ブラシ保持装置の要部斜視
図である。
【図4】本発明の低騒音ブラシ保持装置の断面説明図で
ある。
【図5】図4をX方向から見た低騒音ブラシ保持装置の
断面説明図である。
【図6】本発明の低騒音ブラシ保持装置の作用を示す説
明図である。
【図7】本発明の低騒音ブラシ保持装置の作用を示す説
明図である。
【図8】本発明の低騒音ブラシ保持装置の他の実施例に
おける要部斜視図である。
【図9】本発明の低騒音ブラシ保持装置の他の実施例に
おける要部斜視図である。
【図10】本発明の低騒音ブラシ保持装置の他の実施例
における断面説明図である。
【図11】(a),(b)は本発明の低騒音ブラシ保持
装置の他の実施例における要部説明図である。
【図12】(a),(b)は本発明の低騒音ブラシ保持
装置の他の実施例における要部説明図である。
【図13】本発明の低騒音ブラシ保持装置の他の実施例
における作用を示す説明図である。
【図14】本発明の低騒音ブラシ保持装置の他の実施例
における作用を示す説明図である。
【図15】本発明の低騒音ブラシ保持装置の他の実施例
における要部斜視図である。
【図16】本発明の低騒音ブラシ保持装置の他の実施例
における要部斜視図である。
【図17】本発明の低騒音ブラシ保持装置の他の実施例
における要部斜視図である。
【図18】ヨーイング振動の説明図である。
【図19】ピッチング振動の説明図である。
【図20】従来例を示す説明図である。
【図21】従来例を示す説明図である。
【図22】従来例を示す説明図である。
【符号の説明】
10 低騒音ブラシ保持装置 11 ブラシ 12 防振板 13 ブラシホルダ 14 スプリング 15 基板 16 振動吸収材 17 ピッグテール 18 スプリングキャップ 19 ガード部 20 モータ 22 ヨーク 23 固定子 24 アーマチャ 25 コンミュテータ 26 回転軸 27 軸受部 A ヨーイング振動 B ピッチング振動

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンミュテータに摺接するブラシと、該
    ブラシを保持するブラシホルダと、該ブラシホルダが配
    設される基板と、を備えたブラシ保持装置において、前
    記ブラシにはブラシの長手軸と交差するように板材が配
    設され、前記ブラシホルダは側面に切欠部が形成され、
    前記板材は前記ブラシホルダに形成された切欠部からブ
    ラシホルダ外方に突出し、前記板材と前記基板との間に
    振動吸収材を介在させたことを特徴とする低騒音ブラシ
    保持装置。
  2. 【請求項2】 コンミュテータに摺接するブラシと、該
    ブラシを保持するブラシホルダと、該ブラシホルダが配
    設される基板と、を備えたブラシ保持装置において、前
    記ブラシにはブラシの長手軸と交差するように板材が配
    設され、該板材の自由端が折り曲げられ、該折り曲げた
    部分にピッグテールが取り付けられ、前記ブラシホルダ
    は側面に切欠部が形成され、前記板材は前記ブラシホル
    ダに形成された切欠部からブラシホルダ外方に突出し、
    前記板材と前記基板との間に振動吸収材を介在させたこ
    とを特徴とする低騒音ブラシ保持装置。
  3. 【請求項3】 コンミュテータに摺接するブラシと、該
    ブラシを保持するブラシホルダと、該ブラシホルダが配
    設される基板と、を備えたブラシ保持装置において、前
    記ブラシの外面にはブラシの長手軸と交差するように溝
    部が形成され、該溝部にはクランク形状に形成された板
    材が配設され、前記ブラシホルダは側面に切欠部が形成
    され、前記板材は前記ブラシホルダに形成された切欠部
    からブラシホルダ外方に突出し、前記板材と前記基板と
    の間に振動吸収材を介在させたことを特徴とする低騒音
    ブラシ保持装置。
  4. 【請求項4】 コンミュテータに摺接するブラシと、該
    ブラシを保持するブラシホルダと、該ブラシホルダが配
    設される基板と、を備えたブラシ保持装置において、前
    記ブラシにはブラシの長手軸と交差するように板材が配
    設され、該板材は前記ブラシの長手軸方向に沿った両側
    面から突出し、前記ブラシホルダの長手軸方向に沿った
    両側面には切欠部が形成され、前記板材は前記ブラシホ
    ルダに形成された切欠部からブラシホルダ外方に突出
    し、前記板材と前記基板との間に振動吸収材を介在させ
    たことを特徴とする低騒音ブラシ保持装置。
  5. 【請求項5】 コンミュテータに摺接するブラシと、該
    ブラシを保持するブラシホルダと、該ブラシホルダが配
    設される基板と、を備えたブラシ保持装置において、前
    記ブラシにはピッグテールが取り付けられるとともに前
    記ブラシの長手軸と交差するように板材が配設され、前
    記ブラシホルダは側面に切欠部が形成され、前記板材は
    前記ブラシホルダに形成された切欠部からブラシホルダ
    外方に突出し、前記板材と前記基板との間に振動吸収材
    を介在させたことを特徴とする低騒音ブラシ保持装置。
  6. 【請求項6】 前記振動吸収材は、粘着性を有し低弾性
    かつ不定形のゲル状物質または弾性を有する板状部材か
    らなることを特徴とする請求項1,2,3,4,5いず
    れか記載の低騒音ブラシ保持装置。
JP11605797A 1997-04-21 1997-04-21 低騒音ブラシ保持装置 Pending JPH10304625A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1193831A2 (en) 2000-09-05 2002-04-03 Asmo Co., Ltd. Brush holding device capable of reducing noise

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