JPH10302755A - アルカリ蓄電池用極板 - Google Patents

アルカリ蓄電池用極板

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JPH10302755A
JPH10302755A JP9107820A JP10782097A JPH10302755A JP H10302755 A JPH10302755 A JP H10302755A JP 9107820 A JP9107820 A JP 9107820A JP 10782097 A JP10782097 A JP 10782097A JP H10302755 A JPH10302755 A JP H10302755A
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Katsuya Kono
勝也 河野
Nobutaka Ooi
伸剛 大井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 活物質保持体と集電タブのニッケルメッキ層
との融合を強固にして、大電流放電性能を向上させる。 【解決手段】 厚み0.08mmの冷間圧延鋼鈑を母材
10とし、母材10の表面にニッケルを片面毎に5〜1
0μmの厚みになるように電解メッキあるいは無電解メ
ッキを行ってニッケルメッキ層11を形成した後、焼鈍
する。このように表面にニッケルメッキ層11を形成し
た母材10を所定の大きさに切断して、集電タブ10a
を形成する。活物質充填後のニッケルスポンジからなる
活物質保持体20の一部の活物質を剥離して活物質保持
体を露出させた剥離部21を形成し、この剥離部21に
集電タブ10aスポット溶接にて溶接し、溶接部23を
形成してニッケル正極板20aを作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はニッケル・水素蓄電
池、ニッケル・カドミウム蓄電池、ニッケル・亜鉛蓄電
池などのアルカリ蓄電池に係り、特に、活物質保持体に
活物質を塗着した極板と、この極板と端子とを接続する
集電タブとを備えたアルカリ蓄電池の集電タブと活物質
保持体の溶接部の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、アルカリ蓄電池に使用される正極
活物質としては、水酸化ニッケルが知られている。水酸
化ニッケルを正極活物質とするニッケル電極は、ニッケ
ル・カドミウム蓄電池を中心にして、ニッケル・水素蓄
電池、ニッケル・亜鉛蓄電池などに広く採用されてい
る。このニッケル電極としては、パンチングメタル等の
芯体にニッケル粉末を焼結して形成した多孔性基板に含
浸により水酸化ニッケルよりなる活物質を含浸充填させ
る、いわゆる焼結式ニッケル電極が知られている。
【0003】しかしながら、上記した焼結式ニッケル電
極は、多孔性基板(焼結基板)を高多孔度とした場合に
は機械的強度が弱くなるため、実用的には80%の多孔
度とするのが限界であるとともにパンチングメタル等の
芯体を必要とすることから、活物質の充填密度が低く、
高エネルギー密度のニッケル電極を実現する上で問題が
ある。また、焼結基板の細孔は10μm以下であるの
で、活物質の充填工程を何度も繰り返す必要がある溶液
含浸法や電着含浸法に限定されるため、充填工程が煩雑
であるとともに製造コストも高くなるという問題があ
る。
【0004】一方、これらの欠点を改良するために、芯
体を有さない多孔性のニッケルスポンジ(あるいは発泡
ニッケル)からなる活物質保持体に正極活物質である水
酸化ニッケル粉末を直接充填した、いわゆる非焼結式ニ
ッケル電極が主流となってきた。この非焼結式ニッケル
電極においては、通常、活物質保持体に正極活物質であ
る水酸化ニッケル粉末を充填した後、所定の厚みになる
ように圧延する。その後、活物質の一部を剥離して活物
質保持体を露出させ、この露出した部分に非焼結式ニッ
ケル電極と端子とを接続する集電タブを抵抗溶接により
溶接するようにしている。
【0005】この種の非焼結式ニッケル電極に用いる集
電タブとしは、ニッケルスポンジからなる活物質保持体
との溶接性、経済性等を考慮して、一般的には、冷間圧
延鋼鈑にニッケルメッキを施したニッケルメッキ鋼鈑が
用いられる。このニッケルメッキ鋼鈑のニッケルメッキ
層の厚みは2〜3μmである。そして、このようなニッ
ケルメッキ鋼鈑を用いると、抵抗溶接の際の、ニッケル
メッキ鋼鈑のニッケルメッキ層が溶接時の発熱で軟化、
溶融して活物質保持体の多孔内に浸入、拡散して、融合
部が形成されるようになる。そのため、活物質保持体を
露出させた部分の多孔度が低ければこのようなニッケル
メッキ鋼鈑を用いてもそれなりの溶接強度のものが得ら
れる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、この
種の非焼結式ニッケル電極に用いるニッケルスポンジ
(あるいは発泡ニッケル)において、さらに高多孔度
(例えば、その多孔度は95%である)のものが開発さ
れた。このような高多孔度のニッケルスポンジを用いる
と、活物質の充填密度が向上して高容量、高エネルギー
密度のニッケル電極が得られるようになる。
【0007】しかしながら、高多孔度のニッケルスポン
ジを用いると、活物質保持体を露出させた部分の多孔度
も当然高くなる。そのため、集電タブとしてニッケルメ
ッキ層の厚みが2〜3μmのニッケルメッキ鋼鈑を用い
ると、溶接時の発熱で軟化、溶融して活物質保持体の多
孔内に浸入、拡散するニッケル量が比較的少ないため、
高多孔度のニッケルスポンジとニッケルメッキ層との融
合が充分ではなくなる。その結果、溶接状態が不安定と
なって、集電タブ外れを生じたり、溶接部の接触抵抗が
増大するという問題を生じた。そして、溶接部の接触抵
抗が増大すると大電流放電性能が低下するという問題を
生じる。
【0008】そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなさ
れたものであり、活物質保持体と集電タブのニッケルメ
ッキ層との融合を強固にして、大電流放電性能を向上さ
せることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】本
発明は、活物質を塗着した極板に端子と導電接続される
集電タブを溶接により固着したアルカリ蓄電池用極板で
あって、上記課題を解決するために、請求項1に記載の
発明においては、極板はニッケルスポンジよりなる活物
質保持体を備えるとともに、集電タブの少なくとも活物
質保持体との溶接部に5μm以上の厚みのメッキ層を備
えるようにしている。集電タブの少なくとも溶接部に5
μm以上の厚みのメッキ層を備えるようにすると、融合
するニッケル量が多くなるため、活物質保持体のニッケ
ルスポンジと集電タブのニッケルメッキ層との融合が強
固になって、大電流放電性能が向上する。
【0010】そして、金属基板にメッキ層を設ける場
合、メッキ層を厚くすればするほど融合するニッケル量
が多くなって溶接強度が向上するもの考えられるが、逆
にメッキ層を厚くしすぎるとメッキ層が剥がれ易くな
る。そこで、請求項2に記載の発明においては、メッキ
層の厚みを5μm以上で10μm以下と規定している。
このようにメッキ層の厚みの上限を10μmに規定する
とメッキ層自体の強度も大きくなるので、活物質保持体
と集電タブのニッケルメッキ層との融合がより強固なも
のとなる。
【0011】活物質保持体をニッケルスポンジのような
多孔質体とした場合、溶接時に溶融したニッケルがこの
多孔質内に入り込むことにより融合が強固なものとな
る。そこで、請求項3に記載の発明においては、メッキ
層を形成する金属をニッケルスポンジよりなる活物質保
持体と同等あるいはそれより低融点の金属あるいは合金
としている。このように、ニッケルスポンジよりなる活
物質保持体と同等あるいはそれより低融点の金属あるい
は合金によりメッキ層を形成すると、溶接時に溶融した
メッキ層を形成する金属が容易に多孔質内に入り込むこ
とが可能となるので、活物質保持体と集電タブのニッケ
ルメッキ層との融合が強固なものとなる。
【0012】そして、請求項4に記載の発明において
は、メッキ層を異なる金属あるいは合金からなる2層構
造とし、同2層構造の上層部のメッキ層を形成する金属
はニッケルスポンジよりなる活物質保持体より低融点の
金属あるいは合金としている。メッキ層をこのような2
層構造にすると、内層のメッキ層は集電タブと強固に固
着し、上層のメッキ層は溶接時に溶融してニッケルスポ
ンジの多孔内に容易に入り込むことができるので、活物
質保持体と集電タブとの融合が強固なものとなる。
【0013】表面にメッキ層を形成した集電タブと活物
質保持体とを溶接する場合、溶接による接合部の結合深
さと溶接強度とは相関関係がある。そこで、請求項5に
記載の発明においては、メッキ層と活物質保持体との溶
接による接合部の結合深さを2μm以上となるようにし
ている。このように接合部の結合深さを2μm以上にす
ると、必要とする溶接強度が得られるという実験結果が
得られた。
【0014】結合深さはメッキ層の厚みに関係するが、
メッキ層を厚くしすぎるとメッキ層が剥がれ易くなる。
そのため、結合深さには必然的に上限値が必要となる。
そこで、請求項6に記載の発明においては、上述の結合
深さを4〜11μmとしている。このように結合深さを
4〜11μmと規定すると、集電タブと活物質保持体と
の溶接強度が最適になる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、本発明のアルカリ蓄電池
用極板をニッケル−水素蓄電池のニッケル正極板に適用
した場合の一実施の形態を図に基づいて説明する。な
お、図1は本実施形態の集電タブを示す図であり、図1
(a)は、後述する実施例1〜4および比較例1の本実
施形態の集電タブを示す側面図であり、図1(b)は後
述する実施例5の本実施形態の集電タブを示す側面図で
あり、図1(c)はそれらの上面図である。図2は本実
施形態のニッケル正極板に図1の集電タブを溶接した状
態を示す図である。図3(a)はニッケル正極板に溶接
された集電タブを引き剥がす状態を示す図であり、図3
(b)はニッケル正極板より引き剥がされた集電タブの
裏面を示す図である。図4はニッケル正極板と集電タブ
との溶接状態を示す図である。
【0016】a.集電タブの作製 実施例1 厚み0.08mmの冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPC
C鋼鈑)を母材10とし、母材10の表面にニッケル
(その融点は約1450℃である)を片面毎に5μmの
厚みになるように電解メッキあるいは無電解メッキを行
ってニッケルメッキ層11を形成した後、焼鈍する。こ
のように表面にニッケルメッキ層11を形成した母材1
0を幅3mmで長さが12mmになるように切断して、
実施例1の集電タブ10aとする。
【0017】実施例2 厚み0.08mmの冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPC
C鋼鈑)を母材10とし、母材10の表面にニッケル
(その融点は約1450℃である)を片面毎に7μmの
厚みになるように電解メッキあるいは無電解メッキを行
ってニッケルメッキ層12を形成した後、焼鈍する。こ
のように表面にニッケルメッキ層12を形成した母材1
0を幅3mmで長さが12mmになるように切断して、
実施例2の集電タブ10bとする。
【0018】実施例3 厚み0.08mmの冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPC
C鋼鈑)を母材10とし、母材10の表面にニッケル
(その融点は約1450℃である)を片面毎に10μm
の厚みになるように電解メッキあるいは無電解メッキを
行ってニッケルメッキ層13を形成した後、焼鈍する。
このように表面にニッケルメッキ層13を形成した母材
10を幅3mmで長さが12mmになるように切断し
て、実施例3の集電タブ10cとする。
【0019】実施例4 厚み0.08mmの冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPC
C鋼鈑)を母材10とし、母材10の表面にニッケル
(その融点は約1450℃である)を片面毎に15μm
の厚みになるように電解メッキあるいは無電解メッキを
行ってニッケルメッキ層14を形成した後、焼鈍する。
このように表面にニッケルメッキ層14を形成した母材
10を幅3mmで長さが12mmになるように切断し
て、実施例4の集電タブ10dとする。
【0020】実施例5 厚み0.08mmの冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPC
C鋼鈑)を母材10とし、母材10の表面にニッケル
(その融点は約1450℃である)を片面毎に3μmの
厚みになるように電解メッキあるいは無電解メッキを行
ってニッケルメッキ層15を形成した後、焼鈍する。そ
の後、3μmの厚みのニッケルメッキ層15を形成した
表面にニッケル−リン合金(その重量比がNi:P=8
9:11となるようにしたニッケル−リン合金で、融点
が約880℃のもの)を片面毎に4μmの厚みになるよ
うに電解メッキあるいは無電解メッキを行ってニッケル
−リン合金層16を形成した後、焼鈍する。このニッケ
ルメッキ層15とニッケル−リン合金層16との2層構
造のメッキ層を有する母材10を幅3mmで長さが12
mmになるように切断して、実施例5の集電タブ10e
とする。
【0021】比較例1 厚み0.08mmの冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPC
C鋼鈑)を母材10とし、母材10の表面にニッケル
(その融点は約1450℃である)を片面毎に3μmの
厚みになるように電解メッキあるいは無電解メッキを行
ってニッケルメッキ層15を形成した後、焼鈍する。こ
のように表面にニッケルメッキ層15を形成した母材1
0を幅3mmで長さが12mmになるように切断して、
比較例1の集電タブ10fとする。
【0022】比較例2 厚み0.08mmの冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPC
C鋼鈑)を母材10として、母材10の表面にニッケル
を施すことなく、幅3mmで長さが12mmになるよう
に切断して、比較例2の集電タブ10gとする。
【0023】b.ニッケル正極板の作製 水酸化ニッケル90重量部と、金属コバルト粉末5重量
部と、水酸化コバルト粉末5重量部とを混合し、これを
メチルセルロース1重量%水溶液20重量部とを混練し
てスラリーを作製する。このようにして作製したスラリ
ーを、基体目付が600g/m2、厚みが1.5mm、
平均繊維径が75μmであるニッケルスポンジからなる
活物質保持体20に圧延後の活物質充填密度が約2.9
g/cc−voidとなるようにスラリーを充填した
後、厚みが約0.67mmになるまで圧延する。
【0024】ついで、このように活物質21を充填した
活物質保持体20の一部の活物質を剥離して活物質保持
体を露出させた剥離部22を形成し、この剥離部22に
上述のように作製した各集電タブ10a〜10gをスポ
ット溶接にて2点溶接し、溶接部23を形成してニッケ
ル正極板20a〜20gを作製する。なお、溶接点は2
点、4点、6点等何点で溶接しても良いが、本実施形態
においては2点で溶接してニッケル正極板20a〜20
gとした。また、図2は実施例1の集電タブ10aを溶
接したニッケル正極板20aを示している。
【0025】c.電池の作製 上述のように作製した20個づつのニッケル正極板20
a〜20gと、水素吸蔵合金をパンチングメタルに塗布
した負極板とをそれぞれポリプロピレン製不織布からな
るセパレータを介して、最外周が負極板となるようにし
て卷回してそれぞれ20個づつの渦巻状電極体を作製す
る。これらの20個づつの渦巻状電極体をAAAサイズ
の金属製外装缶にそれぞれ挿入した後、外装缶内に電解
液として比重1.3の水酸化カリウム水溶液を注入し、
外装缶を封口して、公称容量600mAHのニッケル−
水素蓄電池をそれぞれ20個づつ作製する。
【0026】d.実験結果 上記のように作製した各ニッケル正極板20a〜20g
をそれぞれ水平な台上に置き、図3(a)に示すよう
に、各集電タブ10a〜10gを垂直方向(図3(a)
の矢印のX方向)に引き起こして、各集電タブ10a〜
10gを各ニッケル正極板20a〜20gから引き剥が
す引き剥がし試験を行い、図3(b)に示すように、各
集電タブ10a〜10gの表面に固着したニッケルスポ
ンジAの有無を調べると表1に示すような結果となっ
た。なお、図3は実施例1の集電タブ10aを溶接した
ニッケル正極板20aを示している。
【0027】
【表1】
【0028】上記表1より明らかなように、ニッケルメ
ッキ層11,12,13,14,15を設けるもの(実
施例1〜5および比較例1)は、ニッケルメッキ層を設
けないもの(比較例2)より格段に、ニッケルスポンジ
Aが固着した個数が多くなった。また、ニッケルメッキ
層の厚みを厚くしたもの(実施例2〜4)はニッケルメ
ッキ層の厚みが薄いもの(実施例1および比較例1)よ
りニッケルスポンジAが固着した個数が多くなった。さ
らに、ニッケルメッキ層15の上部にニッケル−リン合
金のメッキ層16を設けたもの(実施例5)は、ニッケ
ルメッキ層の厚みを厚くしたもの(実施例2〜4)と同
様にニッケルスポンジAが固着した個数が多くなった。
【0029】このことから、ニッケルメッキ層の厚みの
下限値は5μmとするのが好ましい。一方、ニッケルメ
ッキ層の厚みが厚いほどニッケルスポンジとの融合性が
向上すると考えられるが、ニッケルメッキ層の厚みを1
5μmとしたもの(実施例4)においてメッキ剥がれが
生じたため、その上下値は10μmとするのが好まし
い。 ついで、上記のように作製した各ニッケル正極板
20a〜20gをエポキシ樹脂で固め、溶接点22,2
3を中心にして切断した後、硝酸でエッチングして、各
集電タブ10a〜10gとニッケルスポンジとの融合状
態を観測した。この観測結果は下記の表2に示すように
なった。なお、表2において結合深さは、図4に示すよ
うに、メッキ層11が溶けてニッケルスポンジ20を構
成する繊維25と融合する部分Bの結合深さZを表す。
なお、図4は実施例1の集電タブ10aを溶接したニッ
ケル正極板20aを示している。
【0030】
【表2】
【0031】上記表2より明らかなように、ニッケルメ
ッキ層11,12,13,14,15(実施例1〜5お
よび比較例1)の厚みが厚くなるほど、結合深さZが大
きくなった。また、ニッケルメッキ層15の上部に低融
点のニッケル−リン合金のメッキ層16を設けたもの
(実施例5)(2層トータルのメッキ層は7μmとな
る)は、実施例2のもの(ニッケルメッキ層が7μmの
もの)よりも結合深さZが1μm程度大きくなった。さ
らに、ニッケルメッキ層を設けないもの(比較例2)は
結合深さZがほぼ0となった。
【0032】このことから、ニッケルメッキ層15の上
部に低融点のニッケル−リン合金のメッキ層16を設け
ると、低融点のニッケル−リン合金が低い温度で溶けて
ニッケルスポンジを形成するニッケル繊維と融合し易く
なるため、結合深さZが大きくなるものと考えられる。
【0033】ついで、上述のようにして作製した各20
個づつのニッケル−水素蓄電池を用いて放電特性を測定
した。この測定においては、各20個づつのニッケル−
水素蓄電池をそれぞれ100%充電後、それぞれ1C、
2C、3C、5Cで放電させてその作動電圧(開放状態
から負荷を接続して1.00Vになるまでの中間の電圧
値)を測定すると、下記の表3に示すような結果となっ
た。
【0034】
【表3】
【0035】上記表3より明らかなように、高率放電に
なればなるほどメッキ層が厚い方が作動電圧特性が向上
した。また、ニッケルメッキ層15の上部に低融点のニ
ッケル−リン合金のメッキ層16を設けたもの(実施例
5)(2層トータルのメッキ層は7μmとなる)は、実
施例2のもの(ニッケルメッキ層が7μmのもの)より
も作動電圧特性が向上した。このことから、メッキ層の
厚みが同じであっても、結合深さZが大きいほど、集電
タブ10とニッケルスポンジとの融合性が向上して、融
合部分接触抵抗が低下することによるものと考えられ
る。
【0036】そして、表2の結合深さZの結果と、表3
の高率放電おける作動電圧特性を考慮すると、結合深さ
Zは2μm以上とすることが好ましく、最適には、4〜
11μmとすることが好ましい。
【0037】上述したように、本実施形態においては、
集電タブ10a,10b,10c,10dに活物質保持
体のニッケルスポンジ20との融合性が良好なニッケル
メッキ層11,12,13,14を設け、かつこのニッ
ケルメッキ層11,12,13,14の厚みを、溶接時
において軟化、溶融する量が多く、メッキ剥がれが生じ
ないような厚み(5〜10μm)としているので、高多
孔度のニッケルスポンジ20を活物質保持体として用い
ても、充分な溶接強度が得られるようになる。したがっ
て、高容量で、高エネルギー密度で、かつ大電流放電が
可能なニッケル正極が得られるようになる。
【0038】また、メッキ層を厚みが薄いニッケル(融
点は約1450℃)メッキ層15からなる下層とそれよ
り低融点のニッケル−リン合金(融点は約880℃)メ
ッキ層16とからなる上層の2層構造のメッキ層を設け
るようにすると、上層のニッケル−リン合金メッキ層1
6は溶接時に溶融し易くなるため、高多孔度のニッケル
スポンジ20内に浸入し易くなり、同じ厚みのニッケル
メッキ層を設けたものより、ニッケルスポンジ20と集
電タブ10eとの融合が強固なものとなる。
【0039】なお、上述の実施形態においては、メッキ
層を形成する金属としてニッケルを用いる例について説
明したが、例えば、亜鉛、すず、銅、鉛などのような、
ニッケルと同等あるいはニッケルより低融点で電池特性
に悪影響を与えない金属であればどのような金属を用い
ても良い。また、上述の実施形態においては、2層構造
のメッキ層を設ける場合の上層のメッキ層を形成する合
金としてニッケル−リン合金を用いる例について説明し
たが、例えば、ニッケル−すず合金のような、ニッケル
より低融点で電池特性に悪影響を与えない合金であれば
どのような合金を用いても良い。
【0040】なお、本発明においては、下地金属にメッ
キ層を設けた集電タブに本発明を適用する場合に有効で
あるが、下地金属としてニッケルを用いる場合は、当然
ニッケルメッキを施す必要がないことは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態の集電タブを示す図であ
り、図1(a)は、実施例1〜4および比較例1の集電
タブを示す側面図であり、図1(b)は実施例5の集電
タブを示す側面図であり、図1(c)はそれらの上面図
である。
【図2】 本実施形態のニッケル正極板に図1の集電タ
ブを溶接した状態を示す図である。
【図3】 図3(a)はニッケル正極板に溶接された集
電タブを引き剥がす状態を示す図であり、図3(b)は
ニッケル正極板より引き剥がされた集電タブの裏面を示
す図である。
【図4】 ニッケル正極板と集電タブとの溶接状態を示
す図である。
【符号の説明】
10,10a,10b,10c,10d,10e,10
f,10g…集電タブ、11,12,13,14,15
…ニッケルメッキ層、16…ニッケル−リン合金のメッ
キ層、20…ニッケルスポンジ、20a,20b,20
c,20d,20e,20f,20g…ニッケル正極
板、21…活物質、22…剥離部、23…溶接部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活物質を塗着した極板に端子と導電接続
    される集電タブを溶接により固着したアルカリ蓄電池用
    極板であって、 前記極板はニッケルスポンジよりなる活物質保持体を備
    えるとともに、 前記集電タブの少なくとも前記活物質保持体に溶接され
    る溶接部に5μm以上の厚みのメッキ層を備えたことを
    特徴とするアルカリ蓄電池用極板。
  2. 【請求項2】 前記メッキ層の厚みを5〜10μmとし
    たことを特徴とする請求項1に記載のアルカリ蓄電池用
    極板。
  3. 【請求項3】 前記メッキ層を形成する金属は前記活物
    質保持体と同等あるいはそれよりも低融点の金属あるい
    は合金としたことを特徴とする請求項1または請求項2
    に記載のアルカリ蓄電池用極板。
  4. 【請求項4】 前記メッキ層を異なる金属あるいは合金
    からなる2層構造とし、同2層構造の上層部のメッキ層
    を形成する金属は前記活物質保持体より低融点の金属あ
    るいは合金としたことを特徴とする請求項1から請求項
    3のいずれかに記載のアルカリ蓄電池用極板。
  5. 【請求項5】 前記メッキ層と前記活物質保持体との溶
    接による接合部の結合深さを2μm以上となるようにし
    たことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに
    記載のアルカリ蓄電池用極板。
  6. 【請求項6】 前記結合深さを4〜11μmとしたこと
    を特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の
    アルカリ蓄電池用極板。
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