JPH1030209A - カッター装置の防音式ブレードカバー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 切削する路面が凹凸等の起伏のある不陸部分
であっても台座の底面との当接を可能にし、底面の吸引
口の吸引力が低下することなく綺麗に泥水の吸引を行え
るようにする。 【解決手段】 ブレード２を内部に収納する上部カバー
４及び側部カバー３と、前記ブレード２の下方部分を内
部に収納する前記側部カバー３の下方に設けた伸縮自在
な蛇腹状の伸縮部材５と、該伸縮部材５の下方に取付け
られ中央部分が上下方向に貫通して前記ブレード２の下
方部分が収納される貫通開口６ｂを有する外形状が略長
方形状で、且つ、その内部に中空内部６ｃを有し、更
に、その底面に複数の吸収口６ａを形成した台座６とを
有するカッター装置の防音式ブレードカバーにおいて、
前記台座６を長手方向に中央で２分割して、その分割し
た中央部分の両端部を回転自在に軸支すると共に反対側
の両端部を下方へ弾力性部材９で付勢した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、コンクリートや
アスファルト等からなる路面を切削するコンクリートカ
ッターの駆動装置と連結されるカッター装置の防音式ブ
レードカバーに関する。

【０００２】

【従来の技術】この種の従来技術には、例えば、図６及
び図７に示すようなものがある。このカッター装置の防
音式ブレードカバー１’は、コンクリートカッターを構
成する駆動装置（図示省略）と連結され、この駆動装置
の駆動力によって高速回転する丸形のブレード２を内部
に収容することによって、ブレード２との接触による損
傷を防止すると共に、ブレード２と路面Ａとの切削音を
減消音し、且つ、路面Ａの切削粉の飛散を防止するもの
である。

【０００３】構成としては、ブレード２の中央部分を収
納する中空の側部カバー３と、ブレード２の上方部を収
納する前記側部カバー３の上方に着脱自在に設けた上部
カバー４と、ブレード２の下方部を収納する前記側部カ
バー３の下方に装着した上下方向に伸び縮み自在となる
蛇腹状の伸縮部材５と、この伸縮部材５の下方に固定し
た台座６からなる。この台座６は、ブレード２の下方部
分が収納されるように中央部分が上下方向に貫通して、
前記ブレードの下方部分を収納する貫通開口６ｂを有す
る外形状が略長方形状で、且つその内部に中空内部を有
し、更に、その底面に複数の吸引口６ａを形成したもの
である。このような構成では、ブレード２の下方が台座
６の中央の貫通開口６ｂ部分から突出し、この突出した
部分で路面Ａが切削される。

【０００４】使用の際には、駆動装置を図６の移動方向
Ｂに前進移動することによって、台座６を路面Ａに当接
した状態で摺動しながらブレード２で線状に路面の切削
を行う。この切削作業においては、路面Ａの切削を円滑
に行い且つ路面Ａとの摩擦熱で加熱されたブレード２を
冷却するために、冷却水を冷却用ホース（図示省略）か
ら側部カバー３の後端部に設けた送水部８を経て内部の
ブレード２の下方部分に放水している。そして、この冷
却水及び路面Ａの切削粉とが混じり合った泥水の後始末
をするために、台座６の前後端部のそれぞれの上面の図
外の減圧装置を接続した吸引ホース連結部６ｆから台座
６の中空内部６ｃを減圧し、これによってブレード６の
周囲を囲む略長方形状の底面の吸引口６ａからブレード
２の下方部分を囲むようにして泥水を吸引するようにし
ている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術では、台座６の中空内部６ｃを減圧すると共に、
その底面を路面Ａに当接し、ある程度密着して複数の吸
引口６ａと路面Ａ上の泥水との距離間を無くし、泥水の
吸引効果を得ようとするものであるので、例えば、想像
線で示すように、切削する路面Ａが凹凸等の起伏のある
不陸部分である場合には、台座６の底面と不陸部分との
間に隙間ｈが生じて双方の密着度は低くなるという不都
合が生じる。このような密着度の低下は、台座６の中空
内部が減圧されても、底面の吸引口６ａからの泥水の吸
引力は低下して泥水の吸引残しを生じる事態となる。こ
のような事態は、路面Ａ上に吸引されない泥水が残存す
ることになるので、路面Ａの汚れが目立つと共に、新た
に泥水を回収する作業を強いられて二度手間となって、
作業性が悪くなるという問題点が生じる。

【０００６】この発明は、上記問題点を解決するために
なされたもので、切削する路面が凹凸等の起伏のある不
陸部分であっても台座の底面との当接を可能にして、底
面の吸引口の吸引力が低下することなくきれいに泥水の
吸引を行えるカッター装置の防音式ブレードカバーを提
供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項１に係る発明では、回転駆動するブレードの
上方部及び中央部を内部に収納する上部カバー及び側部
カバーと、前記ブレードの下方部分を内部に収納する前
記側部カバーの下方に設けた伸縮自在な蛇腹状の伸縮部
材と、該伸縮部材の下方に取り付けられ中央部分が上下
方向に貫通して前記ブレードの下方部分が収納される貫
通開口を有する外形状が略長方形状で、且つその内部に
中空内部を有し、更に、その底面に複数の吸収口を形成
した台座とを有するカッター装置の防音式ブレードカバ
ーにおいて、前記台座を長手方向に中央で２分割して、
その分割した中央部分の両端部を回転自在に軸支すると
共に反対側の両端部を下方へ弾力性部材で付勢したもの
とした。

【０００８】

【発明の実施の形態】

【０００９】以下、この発明の実施の一形態について、
図に基づいて説明する。尚、従来技術と同様の構成につ
いては、具体的な説明を一部省略する。

【００１０】図１乃至図５に示すように、この発明に係
るカッター装置の防音式ブレードカバー１は、コンクリ
ートカッターの駆動装置（図示省略）の駆動力で高速回
転する丸形のブレード２を収納する側部カバー３と、こ
の側部カバー３の上方開口を着脱自在に密閉する上部カ
バー４と、前記側部カバー３の下方に装着される上下方
向に伸び縮み自在な蛇腹状の伸縮部材５を介して設けら
れる、底面の吸引口６ａに吸引力が付与された台座６と
からなる。

【００１１】前記側部カバー３と上部カバー４とは、図
１に示すように、連結具４ａによって着脱自在となり、
その前後端部には両腕７ａ間に支持板７ｂを設けたガイ
ド部材７がそれぞれ固着されると共に、その後端部のガ
イド部材７上方には冷却水を送水する冷却用ホース（図
示省略）と連結した送水部８が取付けられ、この送水部
８からブレード２の下方部分への放水によってブレード
２と路面Ａの摩擦熱の冷却と切削ゴミの飛散の防止を図
っている。

【００１２】前記伸縮部材５は、上下方向に伸び縮み自
在となるように周側面全体が波形に成形された蛇腹状の
もので、布地や弾力性に富む合成ゴム等を材質にして形
成されており、これによって台座６が路面Ａ上を摺動す
ることによって生じる振動を吸収し、且つ、路面Ａの形
状に沿って上下移動する台座６の動きを吸収している。

【００１３】前記台座６は、図２、図４に示すように、
ブレード２の下方部分が収納されるように中央が上下方
向の貫通開口部６ｂを有する外形状が略長方形状で、且
つ、この略長方形状を形成する各辺の内部が中空内部６
ｃとなっているもので、その長手方向の中央部分で２分
割してコの字形状とし、このコの字形状の開口端の分割
された両端部をピン６ｄ等で回動自在に軸支している。
そして、分割した２つの分割台座６０、６１の内部は双
方に通気が自在となっていると共に、それぞれの底面に
は複数の吸引口６ａが形成されている。

【００１４】又、上記２つの分割台座６０、６１からな
る台座６は、長手方向に伸縮部材５よりも長く形成され
ていることから、その伸縮部材５の前後部の突出部分６
ｅの上面に、前記支持板７ｂに上端部を規制されたバネ
部材９の下端を規制する突起６ｆが設けられ、これによ
って２つの分割台座６０、６１の端部は、それぞれピン
６ｄを中心にしてバネ部材９によって下方へ回転するよ
うに付勢されている。

【００１５】更に又、前記突出部分６ｅには、図外の減
圧装置と各分割台座６０、６１の中空内部６ｃとを接続
する吸引ホース連結部６ｇが突設されている。更に、前
記突出部分６ｅには、各分割台座６０、６１が上下方向
に安定して移動できるように、前記ガイド部材７を内側
に摺動する門形の門形部材１０が固定されている。又、
前端側の前記突出部分６ｅの下方には、路面Ａ上を進行
し易いようにソリ部６ｈが設けられている。

【００１６】尚、分割台座６０、６１は、分割した両端
部で相互に流通自在な構造について説明したが、中央の
分割部分でそれぞれが閉じた構造としてもよい。この場
合でも、各分割台座６０、６１の中空内部６ｃは、それ
ぞれの分割台座６０、６１に設けている吸引ホース連結
部６ｇから吸引されるので、その底面の吸引口６ａから
吸引される。

【００１７】このような台座６において、図２の想像線
で示すように、双方の分割台座６０、６１のピン６ｄを
中心にして回動自在となる可動角度αの限界は適宜選択
されて限定されないが、本実施の形態ではその可動角度
αの限界は略３０°となっている。

【００１８】次に使用について述べると、路面Ａが平垣
な場合には、２つの分割台座６０、６１からなる台座６
は水平状態を維持しながら、路面Ａを摺動する。路面Ａ
が凹凸等の起伏のある不陸部分のある場合において、図
５に示すように、分割台座６０、６１の端部が不陸部分
の凸部に乗り上げられたとき、伸縮部材３を歪ませなが
ら、前後端部がピン６ｄ部分を支点にしながらバネ部材
９の付勢力に対抗して側部カバー３に向かって接近移動
し、２つの分割台座６０、６１からなる台座６が側面か
らみてＶ字状に形状変化する。このとき、分割台座６
０、６１の突出部分６ｅの上面に設けた門形部材１０が
側部カバー３の前後端面のガイド７の両腕７ａ外面に当
接しながらガイドされるので、２つの分割台座６０、６
１は横振れ等を起こすことはない。

【００１９】このような状態では、路面Ａの不陸部分に
台座６の底面が略当接して密着に近いものとなるので、
吸引口６ａを通じて泥水を確実に吸引することが可能と
なって泥水の吸引残しを防ぐことができ、従来のように
路面Ａに吸引残しされて残存する泥水を新たに回収する
必要が無くなる。

【００２０】前記作用は、ピン６ｄの下方に不陸部分の
凹部が位置した場合の説明であるが、これとは逆に、ピ
ン６ｄの下方に不陸部分の凸部が位置する場合には、台
座６全体は側面からみて逆Ｖ字形状に形状変化すること
になり、これによって不陸部分と略当接して前記と同様
な効果が得られる。

【００２１】このように路面Ａの不陸部分を前進移動す
ることによって形状変化する台座６は、前記作用状態か
ら路面Ａの穏やかな不陸部分又は平坦面を前進移動した
際には、バネ部材９の付勢力によって元の水平状態に戻
る方向に形状変化するので、路面Ａの平坦、不陸部分を
問わずに常に底面は略当接した状態を維持して吸引口６
ａからの泥水の吸引を行えるので使い勝手が良くなる。

【００２２】

【発明の効果】以上説明したように、この発明は台座を
２つに分割して、その分割した端部をピンで回動自在と
したので、路面に凹凸があった場合でも、それに応じて
ピンを中心に回動し、台座の底面が路面に密着し易いよ
うになっているので、路面上の泥水を効率良く吸引する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施の一形態を示す全体斜視図。

【図２】図１の台座（作用状態）を詳細に示す一部断面
した斜視図。

【図３】図１の台座の底面図。

【図４】図２のＸ−Ｘ線断面図。

【図５】図１の作用状態図。

【図６】従来例の説明図。

【図７】従来例の台座の底面図。

【符号の説明】

１ 防音式ブレードカバー ２ ブレード ３ 側部カバー ４ 上部カバー ５ 伸縮部材 ６ 台座 ６ａ 吸引口 ６ｂ 貫通開口 ６ｃ 中空内部 ９ 弾力性部材

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 回転駆動するブレードの上方部及び中央
   部を内部に収納する上部カバー及び側部カバーと、前記
   ブレードの下方部分を内部に収納する前記側部カバーの
   下方に設けた伸縮自在な蛇腹状の伸縮部材と、該伸縮部
   材の下方に取り付けられ中央部分が上下方向に貫通して
   前記ブレードの下方部分が収納される貫通開口を有する
   外形状が略長方形状で、且つその内部に中空内部を有
   し、更に、その底面に複数の吸収口を形成した台座とを
   有するカッター装置の防音式ブレードカバーにおいて、 前記台座を長手方向に中央で２分割して、その分割した
   中央部分の両端部を回転自在に軸支すると共に反対側の
   両端部を下方へ弾力性部材で付勢したことを特徴とする
   カッター装置の防音式ブレードカバー。