JPH10301005A - 止水テープ - Google Patents

止水テープ

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JPH10301005A
JPH10301005A JP9108982A JP10898297A JPH10301005A JP H10301005 A JPH10301005 A JP H10301005A JP 9108982 A JP9108982 A JP 9108982A JP 10898297 A JP10898297 A JP 10898297A JP H10301005 A JPH10301005 A JP H10301005A
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博 渡辺
Kazuhiko Tsuji
和彦 辻
Naoki Okada
直樹 岡田
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Fujikura Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 止水性能に優れた止水テープの提供。
吸水樹脂粒子が確実に固着保持されている止水テープ
の提供。 支持体に対する接着性が良好な吸水層を備
えた止水テープの提供。 均質で表面平滑性に優れた
吸水層を備えてなる止水テープの提供。 製造段階に
おいて、吸水層を形成するためのバインダー成分が支持
体から漏れ出ることがない止水テープの提供。 【解決手段】 支持体1と、その表面に形成された目止
層2と、その表面に形成された吸水層3とを有してなる
止水テープであって、前記目止層2は、ゴム系バインダ
ーと、無機充填剤とを含有してなり、前記吸水層3は、
吸水樹脂粒子100重量部と、ゴム系バインダー2〜1
0重量部とを含有してなり、前記吸水樹脂粒子の50重
量%以上が10〜50μmの粒子径を有し、100μm
を超える粒子径の吸水樹脂粒子が実質的に含有されてい
ないことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバーケー
ブルなどの防水対策のために使用する止水テープに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、光ファイバーケーブルの外皮
部材が破損してそこから水が浸入したときに、ケーブル
の長手方向に移動しようとする水を吸収することによ
り、当該水の移動を抑止(止水)する止水テープが知ら
れている(例えば特開平3−200206号公報、特公
平7−119335号公報参照)。
【0003】図1は、止水テープが実装された光ファイ
バーケーブルの断面構造を示す説明図である。同図に示
す光ファイバーケーブルは、抗張体11の周面に、長手
方向(紙面の奥行き方向)に伸びる溝12が形成された
ロッド13が設けられ、このロッド13の周面に止水テ
ープ14が巻き付けられ、この止水テープ14の周面に
外皮部材15が形成されて構成されており、前記溝12
内には、光ファイバーの心線16が収容されている。
【0004】図2は、図1に示した光ファイバーケーブ
ルに実装されている止水テープ14の断面構造の一例を
示す説明図である。この止水テープ14は、織物または
不織布からなる支持体17と、この支持体17の表面に
形成された吸水層18とにより構成されている。
【0005】支持体17の表面に形成された吸水層18
は、有機高分子系のバインダー中に吸水樹脂粒子が分散
されて構成されている。吸水層18中に分散されている
吸水樹脂粒子は、水を吸収して膨潤粒子となり、その一
部は吸水層18から離脱して外部に移行し、ケーブル内
の隙間に充填されて止水効果を発揮する。この吸水層1
8は、吸水樹脂粒子と、バインダーと、有機溶剤とを含
む組成物を支持体17の表面に塗布し、塗膜を乾燥して
有機溶剤を除去することによって形成される。
【0006】図2に示したような断面構造を有する止水
テープ14は、吸水層18を内側(溝12側)にして、
ロッド(13)に巻き付けられることにより実装され
る。
【0007】図1に示した構成の光ファイバーケーブル
において、外皮部材15が破損してそこからケーブル内
に水が浸入すると、破損部分に対応する位置に巻き付け
られている止水テープ14の吸水層(18)が、浸入し
てきた水を吸収して膨潤し、溝12内の隙間を封止す
る。また、これとともに、吸水樹脂粒子(膨潤粒子)の
一部が、バインダーによる固着力に打ち勝って、吸水層
(18)から溝12内に移行し、当該溝12内の微小隙
間を封止する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかして、止水テープ
に優れた止水効果を発揮させる観点からは、吸水層中に
含まれる吸水樹脂粒子の量はできるだけ多いことが望ま
しく、当該吸水樹脂粒子の膨潤化を阻害するバインダー
の量はできるだけ少ないことが望ましい。
【0009】しかしながら、吸水層中におけるバインダ
ーの割合が低い場合、例えば、吸水樹脂粒子100重量
部あたり10重量部以下である場合には、そのような吸
水層を備えてなる止水テープにおいて、下記のような問
題を生じる。
【0010】(1)吸水樹脂粒子を吸水層内に固着保持
することができず、止水テープの裁断時および施工時
(ロッドへの巻き付け時)において、吸水樹脂粒子が吸
水層から脱落し、作業性の低下や環境汚染を招来する。
【0011】(2)支持体と吸水層との間に良好な接着
性が発揮されず、止水テープの製造時および施工時にお
いて、支持体の表面から吸水層が剥離してしまうことが
ある。
【0012】(3)バインダーの含有割合の低い吸水層
を形成するためには、形成用組成物として、バインダー
の含有割合の低い(吸水樹脂粒子の割合が高い)組成物
を支持体表面に塗布する必要がある。然るに、吸水樹脂
粒子の割合の高い組成物は塗布特性がきわめて低いもの
であり、このような組成物による塗膜には、コーターに
よる筋状の塗装跡、レベリング不良などに起因して凹凸
が形成され、この結果、均質で表面平滑性に優れた吸水
層を形成することができない。
【0013】(4)吸水層の形成工程において、形成用
組成物の塗布特性を改善するためには、有機溶剤を多量
に使用して組成物の粘度をできるだけ低くすることが必
要となる。しかしながら、織物または不織布からなる支
持体の表面に、このような粘度の低い組成物を塗布する
と、当該組成物中の有機溶剤およびこれに溶解されてい
るバインダー成分が支持体を透過して漏れ出てしまい、
この結果、吸水層を形成すること(止水テープを製造す
ること)ができなかったり、得られる止水テープに上記
(1)〜(2)のような問題が顕著に発生したりする。
【0014】本発明は、以上のような事情に基いてなさ
れたものである。本発明の第1の目的は、従来のものよ
りも止水性能に優れた止水テープを提供することにあ
る。本発明の第2の目的は、吸水樹脂粒子が確実に固着
保持され、裁断時および施工時において、吸水樹脂粒子
を脱落させない止水テープを提供することにある。本発
明の第3の目的は、支持体に対する接着性が良好な吸水
層を備えてなる止水テープを提供することにある。本発
明の第4の目的は、均質で表面平滑性に優れた吸水層を
備えてなる止水テープを提供することにある。本発明の
第5の目的は、製造段階において、吸水層を形成するた
めのバインダー成分が支持体から漏れ出ることがない止
水テープを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の止水テープは、
織物または不織布からなる支持体(1)と、この支持体
(1)の表面に形成された目止層(2)と、この目止層
(2)の表面に形成された吸水層(3)とを有してなる
止水テープであって、前記目止層(2)は、ゴム系バイ
ンダー100重量部と、無機充填剤50〜400重量部
とを含有してなり、前記吸水層(3)は、吸水樹脂粒子
100重量部と、ゴム系バインダー2〜10重量部とを
含有してなり、前記吸水樹脂粒子の50重量%以上が1
0〜50μmの粒子径を有し、100μmを超える粒子
径の吸水樹脂粒子が実質的に含有されていないことを特
徴とする。
【0016】また、本発明の止水テープは、織物または
不織布からなる支持体(1)の表面に、ゴム系バインダ
ー100重量部と、無機充填剤50〜400重量部と、
有機溶剤とを含む組成物〔以下、「目止層形成用組成
物」ともいう。〕を塗布し、塗膜を乾燥することにより
目止層(2)を形成し、この目止層(2)の表面に、5
0重量%以上が10〜50μmの粒子径を有し、粒子径
が100μmを超える粒子を実質的に含有しない吸水樹
脂粒子100重量部と、ゴム系バインダー2〜10重量
部と、有機溶剤とを含む、25℃における粘度が20ポ
イズ以下の組成物〔以下、「吸水層形成用組成物」とも
いう。〕を塗布し、塗膜を乾燥することにより吸水層
(3)を形成することにより得られることを特徴とす
る。
【0017】
【作用】
〔1〕 吸水層中に含有される吸水樹脂粒子の割合が
きわめて高く、当該吸水樹脂粒子の膨潤化を阻害するバ
インダーの割合がきわめて低い。また、 吸水樹脂粒
子の50重量%以上を占める小径(10〜50μm)の
粒子は、水との接触面積が大きいために膨潤速度が大き
い。更に、 小径の吸水樹脂粒子に由来する膨潤粒子
は、ケーブル内における微小隙間にも浸入することがで
き、空隙充填性に優れている。この結果、後述する実施
例の結果からも明らかなように、本発明の止水テープ
は、従来のテープよりも優れた止水効果を発揮すること
ができる。
【0018】〔2〕吸水層中に分散含有されている吸水
樹脂粒子の50重量%以上が、粒子径10〜50μmの
粒子であり、このような小径の粒子を含む吸水樹脂粒子
(集合体)は、単位重量あたりの体積が小さいためにバ
インダーとのなじみがよい。従って、少量のゴム系バイ
ンダーによって吸水樹脂粒子を確実に固着保持すること
ができる。
【0019】〔3〕「バインダーによる優れた固着保持
性」および「吸水樹脂粒子による優れた止水性能」は、
吸水層中におけるバインダーの含有割合および吸水樹脂
粒子の粒子径を制御することによってはじめて発揮され
る。すなわち、吸水層中におけるバインダーの含有割合
が高い場合(吸水樹脂粒子100重量部あたり10重量
部を超える場合)には、小径(10〜50μm)の吸水
樹脂粒子がバインダー中に埋没してしまい、当該吸水樹
脂粒子と水との接触が妨げられて止水性能が著しく低下
する。また、バインダーの含有割合を低くしても、小径
の吸水樹脂粒子が一定の割合で含有されていなければ、
止水テープの裁断時および施工時において、吸水樹脂粒
子の脱落という問題が生じる。バインダーの含有割合を
低くして、小径の吸水樹脂粒子を一定の割合で含有させ
ることにより、吸水樹脂粒子がバインダーに埋没される
ことなく、小径の粒子の一部が露出した状態で固着保持
される。この結果、優れた固着保持性能と止水性能とが
バランスよく発揮される。
【0020】〔4〕バインダーの含有割合が低く、か
つ、小径の吸水樹脂粒子を一定の割合で含有してなる吸
水層は見掛密度が高い(空隙率が小さい)ために、当該
吸水層を備えてなる止水テープは、その厚みが小さくな
るために良好な施工性を有する。
【0021】〔5〕吸水層形成用組成物の粘度を20ポ
イズ(25℃)以下とすることにより、形成される吸水
層は、均質で表面平滑性に優れたものとなる。
【0022】〔6〕支持体表面に目止層が形成されてい
るので、製造段階において粘度の低い吸水層形成用組成
物を塗布しても、当該組成物中のバインダー成分が支持
体を透過して漏れ出ることはなく、小径の吸水樹脂粒子
(10〜50μmの粒子)が漏れ出ることもない。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の止水テープについ
て詳細に説明する。図3は、本発明の止水テープの断面
構造の一例を示す説明図である。同図に示す止水テープ
は、織物または不織布からなる支持体1と、この支持体
1の表面に形成された目止層2と、この目止層2の表面
に形成された吸水層3とにより構成されている。
【0024】〔支持体〕本発明の止水テープを構成する
支持体(1)としては、ロッドに巻き付ける際の張力に
よって破断されることがなく、微生物によって分解され
ない合成繊維、例えばポリエステル、ナイロン、ポリプ
ロピレン、レーヨン、ビニロン;ポリエステル/ポリエ
チレン複合体、ポリエステル/アラミド複合体などの複
合材料などよりなる織物および不織布を好適に使用する
ことができる。
【0025】〔目止層〕本発明の止水テープを構成する
目止層(2)は、ゴム系バインダーと、無機充填剤とを
含有してなる。なお、この目止層中には、界面活性剤、
老化防止剤、合成樹脂などが含有されていてもよい。
【0026】目止層を構成するゴム系バインダーとして
は、例えばスチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、
イソプレンゴム、クロロプレンゴム、イソブチレンゴ
ム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロスル
ホン化ポリエチレンゴム、シリコーンゴム、トリフロロ
クロロエチレンゴム、ビニリデンフロライドゴム、ジヒ
ドロパーフロロアルキルアクリレートゴム、ポリウレタ
ンゴム、ビニル系ゴム、ニトリルゴム、アクリルゴムな
どを挙げることができ、これらは、単独でまたは2種以
上を組み合わせて使用することができる。
【0027】目止層を構成する無機充填剤としては、例
えば炭酸カルシウム、含水ケイ酸カルシウム、酸化アル
ミニウム、水酸化アルミニウム、含水ケイ酸アルミニウ
ム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグ
ネシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化チタン、酸化亜
鉛、シリカ、ベントナイト、カオリナイト、カーボンブ
ラック、ゼオライト、活性白土、クレー、タルクなどの
粉末を挙げることができ、これらは、単独でまたは2種
以上を組み合わせて使用することができる。
【0028】無機充填剤の粒子径としては、ゴム系バイ
ンダーへの分散性および十分な目止効果を図る観点から
1〜10μmであることが好ましい。
【0029】目止層中における無機充填剤の含有割合と
しては、ゴム系バインダー100重量部に対して、通常
50〜400重量部とされ、好ましくは100〜300
重量部とされる。この割合が50重量部未満である場合
には、十分な目止効果を図ることができず、この割合が
400重量部を超えると、支持体および吸水層に対する
目止層の接着性が損なわれる。
【0030】支持体の表面に目止層が形成されているこ
とにより、止水テープの製造段階(吸水層形成用組成物
の塗布工程)において、粘度の低い吸水形成用組成物を
塗布する場合であっても、組成物中のバインダー成分が
支持体を透過して漏れ出ることを確実に防止することが
できる。さらに、吸水樹脂粒子の50重量%以上を占め
る小径の吸水樹脂粒子(10〜50μmの粒子)が支持
体を透過して漏れ出ることも防止することができる。
【0031】〔吸水層〕本発明の止水テープを構成する
吸水層(3)は、吸水樹脂粒子と、ゴム系バインダーと
を含有してなる。
【0032】吸水層を構成する吸水樹脂粒子としては、
水に不溶で、微生物に分解されない合成樹脂からなるこ
と、特定の粒子径分布を有していること、自重の30〜
1000倍程度の水を吸収して膨潤粒子となることなど
の条件を具備する合成樹脂粒子の中から選択することが
できる。
【0033】吸水樹脂粒子を構成する合成樹脂の具体例
としては、アクリル酸塩系の架橋物、酢酸ビニル−アク
リル酸エステル共重合体のケン化物、ポリビニルアルコ
ールと無水マレイン酸塩との反応生成物、ポリビニルア
ルコール−マレイン酸共重合体の架橋物、アクリル酸塩
−アクリルアミド共重合体、ポリエチレンオキサイドの
変性物、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体の架橋
物、スルホアルキルアクリレート−アクリル酸共重合体
の架橋物などを挙げることができ、これらは、単独でま
たは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0034】本発明の止水テープにおいては、吸水層中
に含有されている吸水樹脂粒子の50重量%以上、好ま
しくは55重量%以上が10〜50μmの粒子径を有
し、かつ、当該吸水層中には、100μmを超える粒子
径の吸水樹脂粒子が実質的に含有されていない。ここ
で、「実質的に含有されていない」とは、吸水樹脂粒子
に占める割合が3重量%未満であることをいう。
【0035】粒子径が10〜50μmである小径の粒子
の占有割合が50重量%未満である場合、特に、粒子径
が50μmを超える粒子の占有割合が多い場合には、少
量のゴム系バインダーによって当該粒子を十分に固着保
持することができず、止水テープの裁断時および施工時
において、吸水樹脂粒子の脱落を生じやすい。また、粒
子径が10μm未満である微小粒子の占有割合が多い場
合には、ゴム系バインダー中に当該微小粒子が埋没して
しまい、止水性能が著しく低下する。また、粒子径が1
00μmを超える吸水樹脂粒子を少量のゴム系バインダ
ーによって固着保持することはきわめて困難であり、こ
のような大径の粒子が含有されていないことが必要であ
る。
【0036】吸水層を構成するゴム系バインダーとして
は、目止層を構成するバインダーとして例示したものを
挙げることができ、これらのうち、ハロゲン原子を含有
しない合成ゴムが好ましく、特に好ましくはブチルゴ
ム、エチレンプロピレンゴムおよびブチルゴム・エチレ
ンプロピレンゴムのブレンドゴムである。
【0037】吸水層中におけるゴム系バインダーの含有
割合としては、吸水樹脂粒子100重量部に対して、通
常2〜10重量部とされ、好ましくは5〜10重量部と
される。ゴム系バインダーの含有割合が2重量部未満で
ある場合には、当該吸水層を備えてなる止水テープにお
いて、吸水樹脂粒子の脱落や支持体表面(目止層表面)
からの吸水層の剥離を招く。一方、ゴム系バインダーの
含有割合が10重量部を超える場合には、小径の吸水樹
脂粒子(10〜50μmの粒子)がゴム系バインダー中
に埋没してしまい、当該吸水樹脂粒子と水との接触が妨
げられて止水性能が著しく低下する。
【0038】本発明の止水テープを構成する吸水層中に
は、界面活性剤、老化防止剤、樹脂系のバインダー、そ
の他の成分が含有されていてもよい。ここに、界面活性
剤としては、脂肪酸石鹸、直鎖アルキルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム、α−オレフィンスルホネート、アルコ
ールサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ルサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルフェニル
エーテルサルフェート、アルキルメチルタウライド、ジ
アルキルスルホサクシネートなどのアニオン系界面活性
剤;エーテル型、アルキルフェノール型、エステル型、
ソルビタンエステル型、ソルビタンエステルエーテル
型、アルキルアミン型、オキシエチレン−オキシプロピ
レンブロックポリマーなどのノニオン系界面活性剤を挙
げることができる。界面活性剤の含有割合としては、吸
水樹脂粒子100重量部あたり0.1〜5重量部とされ
る。
【0039】また、老化防止剤としては、アルキル化ジ
フェニルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、4,
4’−(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミ
ン、N,N’−ジ−2−ナフチル−P−フェニレンジア
ミン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェ
ノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフ
ェノール、モノ(α−メチルベンジル)フェノール、ジ
(α−メチルベンジル)フェノール、トリ(α−メチル
ベンジル)フェノール、2,2’−メチレンビス(4−
エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’
−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフ
ェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−
6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビ
ス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、
2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン、2,5
−ジ−tert−アミルハイドロキノン、2−メルカプ
トベンツイミダゾール、2−メルカプトベンツイミダゾ
ールの亜鉛塩、2−メルカプトメチルベンツイミダゾー
ル、2−メルカプトメチルベンツイミダゾールの亜鉛
塩、1,3−ビス(ジメチルアミノプロピル)−2−チ
オ尿素、トリブチルチオ尿素、トリス(ノニルフェニ
ル)ホスファイト、チオツプロピオン酸ジラウリルなど
を挙げることができ、老化防止剤の含有割合としては、
吸水樹脂粒子100重量部あたり0.2〜2重量部とさ
れる。
【0040】〔止水テープの製造方法〕本発明の止水テ
ープは、支持体の表面に目止層を形成し、この目止層の
表面に吸水層を形成することにより製造することができ
る。
【0041】本発明の止水テープを構成する目止層は、
ゴム系バインダーと、無機充填剤と、有機溶剤とを含む
目止層形成用組成物を支持体の表面に塗布し、塗膜を乾
燥して前記有機溶剤を除去することにより形成すること
ができる。
【0042】ここに、目止層形成用組成物中に含有され
る有機溶剤としては、当該組成物中に含有されているゴ
ム系バインダーを溶解できるものであれば特に制限され
るものではなく、例えばベンゼン、トルエン、キシレ
ン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン、ジ
オキサン、メチルアルコール、エチルアルコール、イソ
プロピルアルコール、酢酸エチル、テトラヒドロフラ
ン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジ
メチルスルホキシド、ジエチルエーテル、二塩化エチレ
ン、四塩化炭素、クロロホルムなどを挙げることができ
る。
【0043】目止層形成用組成物の塗布方法としては、
特に限定されるものではなく、フローティングナイフコ
ーター、ナイフオーバーロールコーター、リバースロー
ルコーターなどによる公知の塗布方法を採用することが
できる。また、その塗布量は、乾燥付着量(目止層とし
ての付着量)で10〜30g/m2 とされる。
【0044】本発明の止水テープを構成する吸水層は、
吸水樹脂粒子と、ゴム系バインダーと、有機溶剤とを含
む吸水層形成用組成物を前記目止層の表面に塗布し、塗
膜を乾燥することにより形成することができる。
【0045】ここに、吸水層形成用組成物中に含有され
る有機溶剤としては、当該組成物中に含有されているゴ
ム系バインダーを溶解できるものであれば特に制限され
るものではなく、具体的には、目止層形成用組成物中に
含有されるものとして例示した有機溶剤を挙げることが
できる。
【0046】吸水層形成用組成物の粘度(25℃)は、
通常20ポイズ以下とされ、好ましくは3〜10ポイズ
とされる。組成物の粘度が20ポイズを超える場合に
は、当該組成物の塗布特性が著しく低下し、均質で表面
平滑性に優れた吸水層を形成することができない。ここ
に、吸水層形成用組成物の粘度は有機溶剤の含有割合を
調整することによって容易に制御することができる。吸
水層形成用組成物の塗布方法としても、特に限定される
ものではなく、フローティングナイフコーター、ナイフ
オーバーロールコーター、リバースロールコーターなど
による公知の塗布方法を採用することができる。また、
その塗布量は、乾燥付着量(吸水層としての付着量)で
5〜100g/m2 とされる。
【0047】上記のような製造方法によれば、低粘度の
吸水層形成用組成物を支持体表面に直接塗布するのでは
なく、支持体表面に形成された目止層の表面に塗布して
吸水層を形成するので、吸水層形成用組成物の塗布工程
において、有機溶剤に溶解されているバインダー成分が
支持体を透過して漏れ出ることが確実に防止され、これ
により、吸水樹脂粒子の固着保持および支持体との接着
性を確保するために必要な量のゴム系バインダーを吸水
層の構成成分として含有させることができる。さらに、
吸水樹脂粒子の50重量%以上を占める小径の吸水樹脂
粒子(10〜50μmの粒子)が支持体を透過して漏れ
出ることも確実に防止され、これにより、優れた止水性
能を発揮するために十分な量の吸水樹脂粒子を吸水層の
構成成分として含有させることができる。
【0048】〔止水テープの実装方法〕本発明の止水テ
ープは、図1に示した止水テープ14と同様にしてロッ
ド(13)の周面に巻き付けられることにより、光ファ
イバーケーブルに実装される。
【0049】そして、吸水樹脂粒子の含有割合がきわめ
て高く、当該吸水樹脂粒子の膨潤化を阻害するバインダ
ーの割合がきわめて低い(吸水樹脂粒子100重量部あ
たり2〜10重量部)吸水層を備えてなり、前記吸水樹
脂粒子の50重量%以上が、膨潤速度が大きくて空隙充
填性にも優れる小径の粒子(10〜50μmの粒子)で
ある本発明の止水テープによれば、吸水により高い膨潤
圧力(空隙充填性)が得られるとともに、吸水層から離
脱してロッドの溝内隙間に移行する吸水樹脂粒子(膨潤
粒子)の量も多くなるため、従来のテープよりも優れた
止水効果が奏される。
【0050】しかも、バインダーの含有割合を低くし
て、小径の吸水樹脂粒子を一定の割合で含有させること
により、小径の吸水樹脂粒子がゴム系バインダーに埋没
されることなく、当該小径の吸水樹脂粒子は、その一部
が露出した状態(水との接触が確保された状態)で固着
保持される。この結果、優れた固着保持性能と止水性能
とがバランスよく発揮される。
【0051】以上、本発明の止水テープの一実施形態を
説明したが、本発明はこれらの形態に限定されるもので
はなく、種々の変更が可能である。例えば、支持体の両
面に、それぞれ、目止層と吸水層とが形成されていても
よい。また、本発明の止水テープは、光ファイバーケー
ブルのみならず、各種の通信ケーブルや電力ケーブルな
どの防水対策(止水対策)のためにも好適に使用するこ
とができる。
【0052】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
がこれらによって限定されるものではない。なお、以下
において、「部」は「重量部」を意味するものとする。
【0053】以下の実施例および比較例において、支持
体を構成する不織布としては、ポリエステルスパンボン
ド不織布「マリックス7060」〔ユニチカ(株)製:
目付60g/m2 〕を使用した。また、吸水樹脂粒子と
しては、「アクアリック CS−6」〔(株)日本触媒
製〕を篩分けし、粒子径分布の異なる3種類の吸水樹脂
粒子(粒子A・粒子B・粒子C)を調製した。これらの
吸水樹脂粒子の粒子径分布は下記のとおりであり、さら
に詳細な粒子径分布を図4に示す。
【0054】〔粒子A〕 ・粒子径10μm未満 : 3重量% ・粒子径10〜50μm :59重量% ・粒子径50〜100μm:38重量%
【0055】〔粒子B〕 ・粒子径 10μm未満 : 3重量% ・粒子径 10〜50μm :45重量% ・粒子径 50〜100μm: 7重量% ・粒子径100〜200μm:45重量%
【0056】〔粒子C〕 ・粒子径10μm未満 :52重量% ・粒子径10〜50μm :45重量% ・粒子径50〜100μm: 3重量%
【0057】<実施例1> (1)目止層形成用組成物の調製:ブチルゴム(ゴム系
バインダー)100部と、炭酸カルシウム(平均粒子径
2.5μm)200部とをロールにて混練し、得られた
ゴム組成物をトルエン250部に溶解して、粘度(25
℃)が300ポイズの目止層形成用組成物を調製した。
【0058】(2)吸水層形成用組成物の調製:ブチル
ゴム(ゴム系バインダー)2部と、吸水樹脂粒子(粒子
A)100部と、アニオン系界面活性剤「ニッコール
OTP−100」〔日光ケミカルズ(株)製〕2部とを
トルエン約100部に溶解して、20ポイズ(25℃)
の粘度に調整された吸水層形成用組成物を調製した。
【0059】(3)止水テープの製造:不織布からなる
支持体の表面に目止層形成用組成物を塗布し、塗膜を1
00℃で5分間乾燥することにより、前記支持体の表面
に目止層(目付20g/m2 )を形成した。次いで、形
成された目止層の表面に吸水層形成用組成物を塗布し、
塗膜を100℃で5分間乾燥して吸水層(目付50g/
2 )を形成することにより、支持体と、目止層と、吸
水層とからなり、厚みが0.25mmである本発明の止
水テープを製造した。
【0060】<実施例2〜3>下記表1に示す処方に従
ってブチルゴムの使用量を変更し、必要に応じてトルエ
ンの使用量を変更したこと以外は実施例1と同様にし
て、20ポイズ(25℃)の粘度に調整された吸水層形
成用組成物を調製し、調製された吸水層形成用組成物の
各々を使用したこと以外は実施例1と同様にして、本発
明の止水テープを製造した。
【0061】<実施例4>トルエンの使用量を変更し
て、50ポイズ(25℃)の粘度に調整された吸水層形
成用組成物を調製したこと以外は実施例1と同様にし
て、本発明の止水テープを製造した。
【0062】<比較例1〜2>下記表2に示す処方に従
ってブチルゴムの使用量を変更し、必要に応じてトルエ
ンの使用量を変更したこと以外は実施例1と同様にし
て、20ポイズ(25℃)の粘度に調整された吸水層形
成用組成物を調製し、調製された吸水層形成用組成物の
各々を、不織布からなる支持体の表面に直接塗布したと
ころ、組成物中の有機溶剤およびバインダー成分が支持
体を透過して漏れ出てしまい、テープを製造することが
できなかった。
【0063】<比較例3〜6>下記表2に示す処方に従
ってブチルゴムの使用量を変更し、必要に応じてトルエ
ンの使用量を変更したこと以外は実施例1と同様にし
て、20ポイズ(25℃)の粘度に調整された吸水層形
成用組成物を調製し、調製された吸水層形成用組成物の
各々を使用したこと以外は実施例1と同様にして、比較
用の止水テープを製造した。
【0064】<比較例7〜9>下記表2に示す処方に従
って、吸水樹脂粒子として粒子B100部を用いたこと
以外は実施例1〜3と同様にして比較用の止水テープを
製造した。
【0065】<比較例10〜12>下記表2に示す処方
に従って、吸水樹脂粒子として粒子C100部を用いた
こと以外は実施例1〜3と同様にして比較用の止水テー
プを製造した。
【0066】<止水テープの評価試験>上記の実施例1
〜4および比較例3〜12により得られた止水テープの
各々について、下記の項目について試験を行って性能を
評価した。評価結果を表1〜2に併せて示す。
【0067】(1)巻付け加工性:直径25mmのガラ
ス棒(擬似ケーブル)に止水テープを巻き付けて加工性
を評価した。評価基準としては、吸水層の剥離や吸水樹
脂粒子の脱落により加工することができなかった場合を
「×」、これらの不具合が生じることなく加工すること
ができた場合を「○」とした。
【0068】(2)固着保持性(磨耗量):止水テープ
を3cm×22cmに裁断して試験片を作製し、学振型
摩擦試験機を用い、100回の摩擦回転による試験片の
重量変化から磨耗量(吸水樹脂粒子の脱落量)を測定し
た。なお、摩擦用の基布としては、縦糸および横糸がそ
れぞれ250デニールのポリエステル糸からなり、打込
みが縦横50本/インチであるものを使用した。
【0069】(3)吸水離脱量:止水テープを5cm×
5cmに裁断して試験片を作製し、この試験片の吸水層
に人工海水0.2ml注入し、5分間経過後、表面に移
行した吸水樹脂粒子(膨潤粒子)をスクレーパーを用い
て掻き落とし、当該吸水樹脂粒子の重量を測定した。
【0070】(4)吸水倍率:止水テープ約1gを精秤
し(このときの重量をAとする)、この止水テープを2
0℃の人工海水中に浸漬した。10分間経過後、止水テ
ープを取り出して秤量し(このときの重量をB1 とす
る)、さらに、止水テープの吸水層から離脱して人工海
水中に移行している吸水樹脂粒子を濾別採取して秤量し
(このときの重量をB2 とする)、下記式に従って、吸
水倍率(W)を算出した。
【0071】
【数1】
【0072】(5)走水距離:図5(イ)は、走水距離
を測定するために使用した装置の正面図であり、図5
(ロ)は、同図(イ)におけるA−A断面図である。こ
の装置は、合成樹脂板20(幅10cm,長さ20m)
の長手方向に伸びるよう形成された溝21〜25(幅
1.5mm,深さ2.5mm)の各々に、光ファイバー
テープ心線(4芯)Pを収納し、次いで、前記溝21〜
25を塞ぐように、吸水層を溝側(下側)に向けて止水
テープTを載置し、さらに、この止水テープTの上に合
成樹脂板28(幅10cm,長さ20m)を載置固定す
ることにより構成されている。なお、合成樹脂板(2
0,28)間の液密性は、長手方向に伸びる側板26,
27を設けることにより確保されている。このような構
成の装置を使用し、対向配置された合成樹脂板(20,
28)と側板26,27とにより区画され、止水テープ
Tが収容されている装置内路S内に連通するように、装
置の一端20Aに配管29を接続し、この配管29から
装置内路S内に人工海水を浸入させた。ここに、人工海
水の水圧は0.1kgf/cm2 とした。この状態を2
4時間保持した後、この装置を解体して、当該装置の一
端20Aから他端20Bに向かって装置内路S内を移動
した人工海水の距離(走水距離)を測定した。
【0073】(6)耐ブロッキング性:止水テープを3
cm×15cmに裁断して試験片を10枚作製し、これ
らの試験片を恒温恒湿槽内(温度25℃,相対湿度85
%)において5時間放置した。次いで、恒温恒湿槽から
試験片を取り出し、これらを重ね合わせて積層体を作製
した後、当該積層体の両面をガラス板で挟持して50g
f/cm2 の圧縮荷重を付加し、この状態で前記恒温恒
湿槽内に再度放置した。24時間経過後、恒温恒湿槽か
ら試験片の積層体を取り出し、ガラス板を外して試験片
を1枚ずつ剥がした。評価基準としては、容易に剥離す
ることができた場合を「○」、若干の粘着性が認められ
た場合を「△」とした。
【0074】(7)吸水層の表面状態:止水テープの吸
水層における表面状態を目視により観察した。評価基準
としては、筋状の傷や凹凸が表面に生じていた場合を
「△」、これらの欠陥が認められず、均質で平滑な表面
状態であった場合を「○」とした。
【0075】
【表1】
【0076】
【表2】
【0077】表1に示す結果から明らかなように、実施
例1〜4に係る止水テープは、巻付け加工性が良好であ
り、また、固着保持性も良好であった。さらに、実施例
1〜4に係る止水テープは、優れた吸水性能・止水性能
を有するものであった。なお、実施例4に係る止水テー
プは、製造段階において使用した吸水層形成用組成物の
粘度が大きいものであったことから、当該止水テープの
吸水層は表面平滑性に劣るものであった。
【0078】これに対して、吸水層形成用組成物を支持
体表面に直接塗布した比較例1〜2においては、止水テ
ープを製造することができなかった。また、表2に示す
結果から明らかなように、ブチルゴムの含有割合が過小
な吸水層形成用組成物を使用して得られた比較例3に係
る止水テープは、巻付け加工性、固着保持性、吸水層の
表面平滑性に劣るものであった。また、ブチルゴムの含
有割合が過大な吸水層形成用組成物を使用して得られた
比較例4〜6に係る止水テープは、いずれも、吸水性能
・止水性能に劣るものであった。また、粒子径が50μ
mを超える粒子を多量に含む吸水樹脂粒子(粒子B)が
吸水層に含有されてなる比較例7〜9に係る止水テープ
は、いずれも、固着保持性が劣るものであり、比較例7
に係る止水テープは、巻付け加工性も不良であった。ま
た、粒子径が10μm未満である粒子を多量に含む吸水
樹脂粒子(粒子C)が吸水層に含有されてなる比較例1
0〜12に係る止水テープは、いずれも、吸水性能・止
水性能に劣るものであった。
【0079】
【発明の効果】本発明の止水テープは、吸水樹脂粒子の
含有割合がきわめて高く、バインダーの割合がきわめて
低い吸水層を備えてなり、しかも、吸水樹脂粒子の50
重量%以上が、膨潤速度が大きくて空隙充填性にも優れ
る小径の粒子(10〜50μmの粒子)であるので、本
発明の止水テープによれば、従来のテープよりも優れた
止水効果を発揮することができる。
【0080】また、小径の粒子(10〜50μmの粒
子)を50重量%以上の割合で含む吸水樹脂粒子は、嵩
密度が大きくてゴム系バインダーとのなじみがよく、従
って、少量のバインダーによって確実に固着保持するこ
とができる。
【0081】そして、吸水層中におけるバインダーの含
有割合が低く、小径の吸水樹脂粒子(10〜50μmの
粒子)が一定の割合で含有されているので、当該小径の
吸水樹脂粒子がゴム系バインダーに埋没されることな
く、粒子の一部が露出した状態(水との接触が確保され
た状態)で固着保持される。この結果、優れた固着保持
性能と止水性能とがバランスよく発揮される。
【0082】さらに、本発明の止水テープには、支持体
表面に目止層が形成されているので、製造段階におい
て、吸水層形成用組成物中のバインダー成分や小径の吸
水樹脂粒子(10〜50μmの粒子)が漏れ出ることは
ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】光ファイバーケーブルの断面構造を示す説明図
である。
【図2】従来の止水テープの断面構造の一例を示す説明
図である。
【図3】本発明の止水テープの断面構造の一例を示す説
明図である。
【図4】実施例および比較例で使用した吸水樹脂粒子の
粒子径分布を示すグラフである。
【図5】(イ)は走水距離の測定に使用する装置の正面
図であり、(ロ)は、(イ)におけるA−A断面図であ
る。
【符号の説明】
1 支持体 2 目止層 3 吸水層 11 抗張体 12 溝 13 ロッド 14 止水テープ 15 外皮部材 16 光ファイバーの心線 17 支持体 18 吸水層 19 カバークロス 20 合成樹脂板 21〜25 溝 26,27 側板 28 合成樹脂板 29 配管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡田 直樹 千葉県佐倉市六崎1440番地 株式会社フジ クラ佐倉工場内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 織物または不織布からなる支持体(1)
    と、この支持体(1)の表面に形成された目止層(2)
    と、この目止層(2)の表面に形成された吸水層(3)
    とを有してなる止水テープであって、 前記目止層(2)は、ゴム系バインダー100重量部
    と、無機充填剤50〜400重量部とを含有してなり、 前記吸水層(3)は、吸水樹脂粒子100重量部と、ゴ
    ム系バインダー2〜10重量部とを含有してなり、 前記吸水樹脂粒子の50重量%以上が10〜50μmの
    粒子径を有し、100μmを超える粒子径の吸水樹脂粒
    子が実質的に含有されていないことを特徴とする止水テ
    ープ。
  2. 【請求項2】 織物または不織布からなる支持体(1)
    の表面に、ゴム系バインダー100重量部と、無機充填
    剤50〜400重量部と、有機溶剤とを含む組成物を塗
    布し、塗膜を乾燥することにより目止層(2)を形成
    し、 この目止層(2)の表面に、50重量%以上が10〜5
    0μmの粒子径を有し、粒子径が100μmを超える粒
    子を実質的に含有しない吸水樹脂粒子100重量部と、
    ゴム系バインダー2〜10重量部と、有機溶剤とを含
    む、25℃における粘度が20ポイズ以下の組成物を塗
    布し、塗膜を乾燥することにより吸水層(3)を形成す
    ることにより得られることを特徴とする止水テープ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1431790A2 (en) * 2002-12-17 2004-06-23 FITEL USA CORPORATION (a Delaware Corporation) Water blocking optical fiber cable
JP2016094735A (ja) * 2014-11-13 2016-05-26 セーレン株式会社 建築下地用防水シート

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EP1431790A2 (en) * 2002-12-17 2004-06-23 FITEL USA CORPORATION (a Delaware Corporation) Water blocking optical fiber cable
EP1431790A3 (en) * 2002-12-17 2005-02-09 FITEL USA CORPORATION (a Delaware Corporation) Water blocking optical fiber cable
JP2016094735A (ja) * 2014-11-13 2016-05-26 セーレン株式会社 建築下地用防水シート

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