JPH1030085A - 機械装置の防塵構造 - Google Patents

機械装置の防塵構造

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JPH1030085A
JPH1030085A JP20282396A JP20282396A JPH1030085A JP H1030085 A JPH1030085 A JP H1030085A JP 20282396 A JP20282396 A JP 20282396A JP 20282396 A JP20282396 A JP 20282396A JP H1030085 A JPH1030085 A JP H1030085A
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JP
Japan
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sealing material
dustproof
dust
housing
mechanical device
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JP20282396A
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Akira Nihei
亮 二瓶
Takeshi Okada
毅 岡田
Hidetomo Kurebayashi
秀倫 榑林
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Fanuc Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磨耗による防塵機能の劣化や動力の損失が少
なく、また、相対運動をする部品の加工精度が多少ラフ
であっても面倒な組み立て作業を行わずに防塵に対処す
ることのできる機械装置の防塵構造を提供すること。 【解決手段】 ハウジング1の開口部4とシャフト6の
フランジ部5との間に間隙dを設け、この間隙に、多孔
性弗素樹脂からなるワッシャ状のシール材8を圧縮して
介装する。シール材8の柔軟性で加工誤差を吸収し、隙
間の発生を防止して防塵性能を確保する。多孔性弗素樹
脂は摩擦係数が小さいので動力損失が生じにくく、ま
た、耐磨耗性があるので防塵性能の劣化が生じにくい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機械装置の防塵構
造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】公差零の真円加工や公差零の平面研削は
事実上不可能である。従って、摺動や回転等の相対運動
をする部品と部品との間には、その相対運動を許容する
ためにある程度の間隙が必ず必要となる。
【0003】しかし、軸受けハウジングから駆動シャフ
トを突出させるような場合、その内部には減速機の歯車
やベアリング等の高精度部品が存在しているため、この
間隙から内部に塵や埃が侵入すると、塵や埃があたかも
研削剤のように作用し、歯車やベアリング等にカジリを
生じさせたり、その磨耗を早めたりするといった問題が
ある。
【0004】従来、この種の問題に対処するためには、
相対運動する部品同志の加工公差をシビアなものにして
ハメアイ箇所からの塵や埃の侵入を防ぐとか、回転箇所
にオイルシールまたはゴムやスポンジ等を介装して塵や
埃の侵入を防ぐとか、または、低摩擦物質を部品間の間
隙に介装して塵や埃の侵入を防ぐとかいった方法が提案
されているが、それぞれに難があり、いずれの方法を用
いても、部品の相対運動を許容し、かつ、塵や埃の侵入
を完全に防止するといったことは、なかなか困難であっ
た。
【0005】まず、部品同志のハメアイ公差をシビアな
ものにして塵や埃の侵入を防ぐといった方法は、前述し
た通り、公差零の真円加工や公差零の平面研削が事実上
不可能であることから明らかなように、あまり現実的で
はない。無論、零公差を狙って限りなく高精度の加工を
試みるといったこと自体は可能であるが、公差のオーダ
ーを上げるにつれて加工費用が著しく増大するため、費
用対実際的な効果の点で不経済である。いずれにせよ、
穴加工や円筒加工の組み合わせでは、部品の相対運動を
許容する必要上、穴加工の公差がプラスX,マイナス
零、また、これに内嵌される円筒外周面の公差がプラス
零,マイナスyとなるので、摺動部または回転部が全周
に亘って完全に密着するということは有り得ず、防塵手
段としては不十分である。
【0006】また、回転箇所にオイルシールを装着する
場合には、オイルシール自体が回転部に直に密着するの
で、大きな防塵効果を期待することができるが、この密
着作用と摩擦抵抗とによって動力のロスが生じるといっ
た欠点があり、また、オイルシール自体が磨耗して防塵
性能が劣化してゆくといった問題もある。オイルシール
自体の磨耗や劣化は、オイルシールとこれに摺接するシ
ャフトとの間に塵や埃が溜まれば溜まるほど促進され、
オイル漏れ防止機能自体にも悪影響を与える。更に、J
ISで規定されるところのオイルシールを取り付けるた
めには、部品と部品との間に相当に大きな間隙を設けな
ければならず、装置の小形化の妨げともなる。
【0007】特定の機械装置に合わせて設計されたゴム
またはスポンジ等の弾性体からなるシール材を用いて回
転部や摺動部に防塵を施すようにすれば、オイルシール
に合わせて回転部や摺動部を設計するといった必要がな
くなるので、装置の小形化の助けにはなるが、やはり、
素材と部品が弾性により強く押し付け合う上、素材の摩
擦係数が大きく、オイルシールの場合と同様、動力のロ
スや磨耗による防塵性の劣化は防ぎようがない。
【0008】また、これとは逆に、摩擦抵抗の小さな物
質は一般に堅いものが多いので、これをシール材として
使用する場合、オイルシールやゴムまたはスポンジ等の
弾性体の場合のようにそれ自体の圧縮変形によって真円
度の偏り等の加工誤差に対処することはできず、最初に
述べたハメアイ精度を利用する場合と同様、相対運動す
る各々の部品やシール材それ自体の加工公差を相当にシ
ビアに設定しなければならないという問題がある。
【0009】但し、この場合は3つの部品の組み立て公
差となるので、最初に述べた2つの部品のハメアイ精度
を利用する場合とでは多少事情が異なる。つまり、この
場合は、第3の部品となるシール材として様々な厚みの
物を予め準備しておき、穴やシャフト等の仕上り寸法に
応じて、最適の厚みを有するシール材を選択的に取り付
けることができるのである。但し、シール材の最終的な
選択および取り付け作業は全て現物合わせとなるので、
部材の選択や組み立て作業が大変であり、また、2つの
部品の加工誤差に応じてシール材の厚みを選択する関係
上、厚みの異なる多数のシール材を予め準備しておかな
ければならず、在庫管理も面倒である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
従来技術の欠点を解消し、磨耗による防塵機能の劣化や
動力の損失が少なく、また、相対運動をする部品の加工
精度が多少ラフであっても面倒な組み立て作業を行わず
に防塵に対処することのできる機械装置の防塵構造を提
供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、相対運動をす
る部品と部品との間に間隙を設け、この間隙に、圧縮可
能で耐磨耗性に優れた低摩擦係数の素材からなるシール
材を圧縮して介装したことを特徴とする構成により前記
目的を達成した。
【0012】相対運動をする部品と部品との間に間隙を
設けて圧縮可能なシール材を介装する構成であるため、
相対運動をする各々の部品の加工精度が必ずしも厳密で
なくても、シール材によってその加工誤差を吸収して防
塵機能を確保することができる。また、低摩擦係数の素
材からなるシール材を採用しているため、動力の損失が
なく、しかも、耐磨耗性に優れており、シール材と加工
面が強く接触しないのでシール材が磨耗して防塵性能が
劣化することもない。また、JISで規定された市販の
オイルシールに合わせて各部を設計する必要もなくなる
ので、無駄なスペースをなくして機械装置の小形化を達
成することができる。
【0013】多孔質の素材を採用する場合、防塵機能を
確保するためには、気泡の各々が独立して形成されてい
ることが望ましい。気泡が連続的に連絡されていると、
外部の塵や埃がこの経路を通って装置内部に侵入する可
能性があるからである。
【0014】また、シール材と加工面との摩擦による動
力の損失やシール材の磨耗を防止するための最も理想的
な方法は、シール財と加工面との間に限りなく零に近い
間隙を形成することであり、これにより、実質的な動力
の損失やシール材の磨耗を皆無にし、同時に、外部から
の塵や埃の侵入を防止することが可能になる。
【0015】多孔性弗素樹脂には、圧縮が可能であり、
しかも、圧縮力を取り除いても圧縮された時の形状をそ
のまま維持することができるといった特性がある。
【0016】従って、多孔性弗素樹脂から成るシール材
を相対運動をする部品と部品との間に圧縮して介装する
ようにすれば、回転する部品と部品との間、または、摺
動する部品と部品との間の間隙の最小部分の大きさに倣
ってシール材が自動的に変形し、その状態が維持され
る。これは、シール財と加工面との間に限りなく零に近
い間隙が形成されるということを意味し、動力の損失や
シール材の磨耗の防止や外部からの塵や埃の侵入を防止
する上で最も効果的な方法である。無論、回転する部品
と部品との間、または、摺動する部品と部品との間の間
隙の最小部分の大きさに倣ってシール材が変形するので
あるから、部品と部品との相対位置によりその間隙が最
小となったときには部品とシール材とが接触する可能性
があるが、この際、押し付け力は殆ど働かず、しかも、
多孔性弗素樹脂は元々摩擦係数の小さな素材であるか
ら、部品とシール材とが接触しても動力の損失やシール
材の磨耗といった問題は発生しない。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態の幾つかについて説明する。図1は本発明の防塵
構造を産業用ロボットの軸受けハウジングに適用した場
合の一例を示す概念図である。軸受けハウジングの本体
を構成するドラム状のハウジング1は、産業用ロボット
を床面に固定するためのベース(図示せず)上に一体的
に固定されており、その内部には、ハウジング1のボト
ム側に固設されたサーボモータMにより駆動される減速
機2が設けられ、減速機2の出力軸3には、ハウジング
1の開口部4と嵌合するフランジ部5を備えたシャフト
6が固着されている。
【0018】シャフト6は、ハウジング1の内周面に取
り付けられたボールベアング7により、その小径部をハ
ウジング1に対して回転自在に軸支されており、減速機
2を介し、サーボモータMによって回転駆動される。ま
た、フランジ部5には産業用ロボットの旋回胴(図示せ
ず)が固着され、産業用ロボット全体の揺動動作が行わ
れるようになっている。なお、実施形態においては産業
用ロボットの旋回胴を駆動する揺動軸に対して本発明を
適用したものについて開示しているが、その他の全ての
軸に対して同じ構成を適用することが可能である。
【0019】この実施形態でいう相対運動する二つの部
品とは、ハウジング1とシャフト6のことであり、より
厳密に部位まで特定するならば、ハウジング1の開口部
4とシャフト6のフランジ部5のことである。この実施
形態の場合、ハウジング1の内部には塵や埃を嫌うボー
ルベアリング7や減速機2が配備されているので、開口
部4とフランジ部5との嵌合面からの塵や埃の侵入を防
止する必要がある。
【0020】このような場合、従来であれば、ボールベ
アリング7をハウジング1のボトム側に寄せ、ハウジン
グ1の開口部側内周面とシャフト6の小径部との間にJ
ISで規定された既存のオイルシールを配備するか、ま
たは、開口部4とフランジ部5との嵌合面にゴムまたは
スポンジ等の弾性体からなるシール材を介装するか、も
しくは、開口部4とフランジ部5との嵌合面に低摩擦係
数の素材からなる堅いシール材を介装して塵や埃の侵入
を防止するところであるが、いずれの方法を採用したと
しても、従来の技術の項で述べた通りの不都合がある。
【0021】つまり、既存のオイルシールやゴムまたは
スポンジ等のシール材を配備する場合では、摩擦抵抗に
よる駆動力の損失等の問題があり、また、低摩擦係数の
素材からなる堅いシール材を介装する場合では、著しく
厳しい加工公差を適用するか、または、加工誤差を吸収
するために様々な寸法のシール材を予め準備しておかな
ければならないという問題がある。
【0022】そこで、本実施形態においては、これらの
問題を解消するため、ハウジング1の開口部4とシャフ
ト6のフランジ部5との間に間隙dを設け、この間隙
に、多孔性弗素樹脂からなるワッシャ状のシール材8を
介装するようにしている。無論、シール材8は、開口部
4もしくはフランジ部5のいずれか一方に適当な接着剤
で接着するか、または、開口部4もしくはフランジ部5
のいずれか一方もしくはその両方に周溝や周壁等を設け
て凹凸嵌合させ、径方向の位置ずれが生じないように構
成する。
【0023】既に述べた通り、この多孔性弗素樹脂は、
圧縮可能性や耐磨耗性および低摩擦係数の点で優れてお
り、シール材として好適である。多孔性弗素樹脂の圧縮
可能性は、専ら、その内部にある多数の気泡によって確
保されているが、各々の気泡は相互に独立しているの
で、発泡ウレタン等のスポンジとは相違し、これらの気
泡を経由して塵や埃が侵入することはない。
【0024】本実施形態においては、この圧縮可能性を
利用して防塵効果を高めるため、前記間隙dに比べてシ
ール材8の厚みを僅かに厚く構成し、シール材8の両端
面が開口部4とフランジ部5に圧接するようなかたちで
シール材8の最初の取り付け作業を行う。
【0025】そして、取り付け作業が完了した後、サー
ボモータMを駆動してシャフト6を回転させると、開口
部4とフランジ部5との間の間隙の最小部分の大きさ
d′に倣ってシール材8が変形し、その状態が維持され
る。シール材8の厚みがdからd′に縮むのは、フラン
ジ部5の加工誤差によってフランジ部5の表面にうねり
が生じており、その最も突出した部分でシール材8が押
し潰されたときの状態が多孔性弗素樹脂の特性によって
そのまま維持されるからである。図1ではdとd′の寸
法をかなりデフォルメして記載しているが、実際にはそ
の差は加工誤差に匹敵する程度の僅かなものであり、シ
ール材8とフランジ部5との隙間から塵や埃が侵入する
といったことは実際にはない。
【0026】フランジ部5の表面のうねりの頂点とシー
ル材8との間には実質的な隙間はなく、常に両者が摺接
することになるが、実際に両者が接触するのはうねりの
頂点部分のみであり、しかも、多孔性弗素樹脂には、外
力が取り除かれたからといって変形前の状態に復帰しよ
うとする弾性復帰能力はないので、両者間に押し付け力
は殆ど働かず、しかも、多孔性弗素樹脂は元々摩擦係数
の小さな素材であるから、フランジ部5の一部とシール
材8とが接触したとしても動力の損失やシール材8の磨
耗といった問題は発生しない。
【0027】また、シール材8の最初の取り付け作業
は、シール材8の両端面が開口部4とフランジ部5に圧
接するようなかたちで行うようにしているから、開口部
4の側にマイナスの加工誤差があった場合でも、密閉能
力が損なわれるようなことはない。
【0028】このような構成によれば、シール材8によ
って開口部4とフランジ部5の加工誤差を吸収すること
ができ、加工面にある程度の寸法誤差や形状誤差がある
場合でも、ハウジング1とシャフト6との相対的な回転
位置の変化に応じ、開口部4やフランジ部5の表面に倣
ってシール材8が形を変えながら埃や塵の侵入を阻止す
ることができる。また、この圧縮可能性によって加工誤
差を大幅に吸収することができるので、開口部4やフラ
ンジ部5の仕上り寸法に応じて様々な寸法のシール材8
を準備するといった必要もない。
【0029】ゴムまたはスポンジ等を開口部4やフラン
ジ部5に圧接してこれと同じことを行おうとすれば、強
い圧接力と摩擦抵抗とによって動力の損失が大きくなっ
てしまうが、多孔性弗素樹脂の場合には素材自体の摩擦
係数が小さいうえ、シール材8が間隙の大きさに応じて
なじむため、接触による摩擦は小さい。また、耐磨耗性
にも優れているので、開口部4やフランジ部5との摺接
作用によってシール材8自体が急速に劣化するというこ
ともない。
【0030】また、開口部4やフランジ部5の形状精度
が悪く表面にうねりが生じているような場合、堅くて摩
擦係数の小さな素材、例えば、中実の弗素樹脂等で形成
されたシール材等を用いると、ハウジング1とシャフト
6との相対的な回転位置の変化により双方のうねりの隆
起同志が対向したような場合に実質的な間隙dが狭小化
してシール材が圧壊したり、または、サーボモータMに
過大な負荷が作用したりする恐れがあるが、多孔性弗素
樹脂の場合にはそれ自体が容易に圧縮されるので、シー
ル材の圧壊といった問題はなく、また、開口部4とフラ
ンジ部5のうねりの隆起の間にシール材が挟み込まれて
強い圧接力が作用した場合であっても、その表面の摩擦
係数が小さく、接触による押し付け力が極めて小さいの
で、摩擦抵抗によってサーボモータMに過負荷が生じる
といった問題も発生しない。
【0031】図2は本発明の防塵構造を産業用ロボット
の軸受けハウジングに適用した場合の他の一例を示す概
念図である。ハウジング1,減速機2,シャフト6の構
成に関しては図1に示した実施形態と同様であるが、こ
の実施形態では、ボールベアリング7や減速機2を潤滑
するオイル9を封入するためのオイルシール10がハウ
ジング1内に取り付けられており、この点で、図1に示
した実施形態とは相違する。
【0032】オイルシール10は、図2に示す通り、ハ
ウジング1の開口部側内周面とシャフト6の小径部との
間に配備されているので、ハウジング1内のオイル9が
外部に漏れるのを防止することかでき、当然、外部の塵
や埃がハウジング1内に侵入するのを防止することもで
きる。しかし、従来の技術の項でも述べた通り、オイル
シール10とこれに摺接するシャフト6との間に塵や埃
が溜まれば溜まるほどオイルシール10の磨耗や劣化が
促進され、そのオイル漏れ防止機能自体に悪影響を与え
たり、シャフト6に傷を付けたりすることにもなり兼ね
ない。
【0033】つまり、視点を変えれば、このオイルシー
ル10自体も、ボールベアリング7や減速機2と同様、
塵や埃を嫌う機械要素の一つに過ぎないのである。
【0034】そこで、本実施形態においては、このオイ
ルシール10とシャフト6との間に塵や埃が侵入するの
を防止するための手段として、図1で示した実施形態の
場合と同様にして、ハウジング1の開口部4とシャフト
6のフランジ部5との間にシール材8を配備するように
している。このシール材8は飽くまで塵や埃の侵入を防
止するための手段であって、オイル洩れを防止するため
の手段ではない。
【0035】このように、シール材8によって外部の塵
や埃の侵入を防止すれば、オイルシール10自体にオイ
ル洩れ防止手段および防塵手段を兼ねさせた場合に比
べ、オイルシール10の寿命を遥かに引き延ばすことが
でき、また、シャフト6の小径部に傷が付くのを防止す
ることもでき、特に、溶接のスパッタや除去加工による
切粉等に晒される場所で使用される産業用ロボットや工
作機械の回転部または摺動部に取り付けられた駆動機構
や動力伝達機構の保護に役立つ。
【0036】オイルシールを2つ重ねて配備することで
ベアリング7寄りのオイルシール10、つまり、内側の
オイルシール10を保護することも可能であるが、その
分ハウジング1の全長が長くなるといった問題があり、
また、防塵手段として設けた外側のオイルシールの摩擦
力によって動力が余計に損なわれるといった問題があ
る。また、ゴムまたはスポンジ等の弾性体からなるシー
ル材を介装したとしても、これと同じ問題が生じるが、
多孔性弗素樹脂からなるシール材8を用いた本実施形態
においては、そのような問題は発生しない。
【0037】以上、相対的な回転運動を行う2つの部材
の対向面の間にワッシャ状のシール材を介装して塵や埃
の侵入を防止する場合を例にとって説明したが、一方の
部材に他方の部材が内嵌された状態で回転運動を行うよ
うな場合、または、軸方向の摺動運動を行うような場合
には、一方の部材の内周面と他方の部材の外周面との間
に、例えば、Oリングのようにして多孔性弗素樹脂のシ
ール材を介装するようにする。無論、軸方向の摺動運動
の場合に関しては、矩形穴と角柱といった内嵌関係も可
能である。
【0038】
【発明の効果】本発明は、相対運動をする部品と部品と
の間に間隙を設けて圧縮したシール材を介装する構成で
あるため、相対運動をする各々の部品の加工精度が厳密
でなくても、シール材によってその加工誤差を吸収して
防塵機能を確保することができ、また、部品の仕上り寸
法に対処するために様々な厚みのシール材を予め準備し
ておくといった必要もない。また、低摩擦係数の素材か
らなるシール材を採用している上、部品との接触力が極
めて小さいので、動力の損失が少なく、しかも、耐磨耗
性に優れているのでシール材が磨耗して防塵性能が劣化
することもない。更に、市販のオイルシールに合わせて
各部を設計する必要もなくなるので、無駄なスペースを
なくして機械装置の小形化を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の防塵構造を産業用ロボットの軸受けハ
ウジングに適用した場合の一例を示す概念図である。
【図2】本発明の防塵構造を産業用ロボットの軸受けハ
ウジングに適用した場合の他の一例を示す概念図であ
る。
【符号の説明】
1 ハウジング 2 減速機 3 出力軸 4 開口部 5 フランジ部 6 シャフト 7 ボールベアリング 8 シール材 9 オイル 10 オイルシール M サーボモータ d 間隙

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相対運動をする部品と部品との間に間隙
    を設け、この間隙に、圧縮可能で耐磨耗性に優れた低摩
    擦係数の素材からなるシール材を圧縮して介装したこと
    を特徴とする機械装置の防塵構造。
  2. 【請求項2】 前記シール材が、相互に連絡しない多数
    の気泡を有する多孔質素材により形成されていることを
    特徴とする請求項1記載の機械装置の防塵構造。
  3. 【請求項3】 前記シール材が多孔性弗素樹脂であるこ
    とを特徴とする請求項2記載の機械装置の防塵構造。
JP20282396A 1996-07-15 1996-07-15 機械装置の防塵構造 Withdrawn JPH1030085A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020116672A (ja) * 2019-01-23 2020-08-06 ファナック株式会社 ロボットのシール構造およびロボット

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020116672A (ja) * 2019-01-23 2020-08-06 ファナック株式会社 ロボットのシール構造およびロボット

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