JPH10300698A - き裂形状評価方法およびその評価装置 - Google Patents

き裂形状評価方法およびその評価装置

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JPH10300698A
JPH10300698A JP9109343A JP10934397A JPH10300698A JP H10300698 A JPH10300698 A JP H10300698A JP 9109343 A JP9109343 A JP 9109343A JP 10934397 A JP10934397 A JP 10934397A JP H10300698 A JPH10300698 A JP H10300698A
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JP9109343A
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Rie Sumiya
利恵 角谷
Yasu Yasuhara
縁 安原
Yasuyo Taguchi
耕世 田口
Mikiro Ito
幹郎 伊藤
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】金属材料に直流電流を流して、その時に生じる
材料の電位差を測定してき裂の形状を評価する方法にお
いて、簡易な方法でき裂の長さを推定できる実用的に極
めて有用な方法を提供する。 【解決手段】き裂を有する金属材料に直流電圧を付与し
て、その時に生じる金属材料の電位差を測定して前記き
裂の形状を評価する方法において、前記き裂が生じてい
る材料表面の電位差を測定して電位差比分布4を求め、
この電位差比分布4の最大値と理論上の最小値で整理し
て測定から求めた分布曲線5を作成する。き裂の深さa
はき裂長さcと測定値(V/V0)maxから求める。
この方法により、高温水中等の目視測定が不可能な環境
中の試験中のき裂形状をモニタリングすることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は金属材料のき裂形状
評価方法およびその評価装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、金属の構造材料に発生するき裂の
検査方法にはX線法,超音波法,開口合成法による像再
生法,ホログラフィ法や直流ポテンシャル法等が知られ
ている。とりわけ、金属材料に直流電圧を付与して、そ
の時に生じる金属材料の電位差を測定してき裂形状を評
価する方法、特にき裂長さの評価方法として、電位差分
布を3次元式で近似し、解析から求めたデータベースを
基にくり返し計算から求める直流ポテンシャル法が「材
料」第35巻第395 号P936 〜P941 に記載されている。
【0003】また、き裂の裏面の電位差分布を測定し、
その電位差分布をき裂から離れた電位差が一様な位置の
電位差を基準の電位差として電位差分布を無次元化した
電位差比分布曲線の変曲点から求める方法が、Nuclear
Engineering and Design138(1992)P259 〜268 に記載さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
直流ポテンシャル法では繰り返し計算が必要である。一
方、後者の直流ポテンシャル法ではき裂の裏面の電位差
を測定するため、き裂による電位差の変化が小さく大き
な電流を流す必要があること、また基準の電位差が1つ
の値であり、それぞれの測定点の取り付けの位置による
誤差の影響がそのまま現われやすいことなどの課題があ
る。
【0005】本発明は上記課題を解決するためになされ
たもので、金属材料に直流電圧を付与して、その時に生
じる金属材料の電位差を測定してき裂形状を評価する方
法において、その電位差から簡易な方法でき裂長さと深
さを求めることができるき裂形状評価方法を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、き裂
を有する金属材料に直流電圧を付与して、その時に生じ
る前記金属材料の電位差を測定することによりき裂形状
を評価する方法において、前記き裂が発生している表面
の電位差分布と電位分布解析結果から求めたマスターカ
ーブから前記き裂の形状を求めることを特徴とする。
【0007】請求項2の発明は、前記き裂発生前に測定
した電位差で前記き裂発生後の電位差を無次元化した分
布と電位分布解析結果から求めたマスターカーブから前
記き裂の形状を求めることを特徴とする。
【0008】請求項3の発明は、前記き裂発生前に測定
した電位差で前記き裂発生後の電位差を無次元化した分
布をさらに1からその分布の最大値で整理した分布曲線
と電位分布解析結果から求めたマスターカーブから前記
き裂の形状を求めることを特徴とする。
【0009】請求項4の発明は、前記き裂が発生してい
ない場合と発生している場合の電位分布解析結果から前
記き裂発生前後の電位差比分布を求め、さらにその分布
を理論上の最小値である1と実際の測定の最大値との間
で整理し、2種類以上のき裂長さでの値を結んだ曲線を
マスターカーブとすることを特徴とする。
【0010】請求項5の発明は、前記き裂が発生してい
ない場合と発生している場合の電位分布解析結果から前
記き裂発生前後の電位差比分布を求め、さらにその分布
を理論上の最小値である1と実際の測定の最大値との間
で整理し、2種類以上のき裂長さでの値にき裂発生後に
測定した電位差を無次元化した分布の最大値を乗じた値
を結んだ曲線をマスターカーブとすることを特徴とす
る。
【0011】請求項6の発明は、前記き裂発生前の電位
差の代わりに深さが板厚の10%以下で長さが板幅の5%
以下の切欠きまたはき裂を有する材料の電位差を用いる
ことを特徴とする。
【0012】き裂などの欠陥が生じた金属材料と欠陥が
生じる前の金属材料に、電圧を印加して電流を供給し、
欠陥発生前後の金属材料に生じる電位の分布を比較する
と、変化が現われる。したがって、図2に示すように評
価装置により材料(試験片)1に発生しているき裂(欠
陥)2をはさんだ位置の電位差を測定し、その電位差の
変化からき裂形状を求める。
【0013】すなわち、図2に示すようなき裂2を有す
る試験片1のき裂2の上下に測定線3を取り付けて測定
した電位差Vをき裂がない場合に測定した同じ位置の電
位差V0で無次元化することにより得られた図1に示す
ような電位差比(V/V0)分布4を求め、この電位差
比分布4の最大値(V/V0)maxと理論上の最小値
である1の間で整理した測定から求めた分布曲線5を作
成する。
【0014】図3は、き裂の長さ2cが等しく、き裂の
深さaが異なるき裂3種について、電位差比(V/V
0)分布を解析で求めた結果である。き裂2が試験片1
の中央に発生している場合、電位差比(V/V0)分布
はき裂2の長さの中心に対して対称であるため、片側の
み示している。この図は、き裂2のアスペクト比(き裂
深さa/き裂長さの半長c)が大きく、すなわち、き裂
2の深さaが深くなると、電位差比(V/V0)分布の
最大値(V/V0)maxが大きくなることを示してい
る。
【0015】つぎに図4は、図3の結果を、理論上の最
小値である1と分布の最大値(V/VO)maxの間で
整理したものである。図4のように整理すると、き裂の
深さaが異なっていても1本の曲線で表すことができ
る。図1に示すように各き裂長さcに対して解析から求
めた曲線6が決まるため、各き裂長さに対してき裂長さ
における分布曲線の値7も決まる。
【0016】したがって、本発明ではこの点に着目し、
き裂長さに対するき裂長さにおける分布曲線の値7を解
析により求めてマスターカーブ8とし、このマスターカ
ーブ8と測定から求めた分布曲線の交点9からき裂長さ
c’を求めることを特徴としている。
【0017】すなわち、試験片1に対して、き裂が発生
していない場合の電位分布解析と、前記試験片1の形状
に存在する2種類以上のき裂長さのき裂が発生している
場合のそれぞれの電位分布解析を行う。そして、解析か
ら求めた分布曲線6のき裂長さにおける分布曲線の値7
を結んだマスターカーブ8を求める。そして、測定から
求めた分布曲線とマスターカーブの交点9からき裂長さ
c’を求めることができる。
【0018】また、本発明は、き裂が発生している側の
面の電位差の測定を行うため、供給電流を小さくするこ
とが可能であり、き裂が発生していない場合の電位差
(V0)を同じ点の測定値を用いて無次元化するため、
各測定点の取り付けによる測定値の誤差の影響を小さく
することができる。
【0019】図3および図4に示す図により作用を説明
する。図3はき裂の長さ2cが等しく、き裂の深さaが
異なる3種類□a,△a,○aのき裂の電位差比(V/
V0)分布を示すき裂中心からの距離で示す分布図であ
る。き裂の深さaが深くなると、電位差比(V/V0)
分布の最大値(V/VO)maxが大きくなる傾向を示
している。
【0020】つぎに図4は、図3の電位差比(V/V
0)分布を1から最大値(V/V0)maxの間で整理
した分布曲線である。図4のように整理すると、き裂の
深さaが異なっていても1本の曲線で表すことができ
る。さらに、図1に示すように各き裂長さcに対して解
析から求めた分布曲線6が決まるため、き裂長さにおけ
る分布曲線値7も決まる。
【0021】したがって、本発明はこの点に着目し、き
裂長さにおける分布曲線の値7を解析により求めてマス
ターカーブ8とし、測定から求めた分布曲線とマスター
カーブの交点9からき裂長さc’を求めることを特徴と
している。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明に係るき裂形状評価方法の
第1の実施の形態を図2,図5〜図7により説明する。
図5に示すように、長さ 210mm、幅 120mm、板厚16mmの
材質がステンレス鋼からなる試験片1と図2に示すき裂
形状評価装置を準備した。
【0023】き裂形状を測定するための電位差(V)測
定を行うために、図2に示すように、試験片1の表面に
電流供給線13と電位差測定のための測定線3をスポット
溶接により取り付けた。電流供給線13は図5(a)に示
すように試験片1の両端の板厚の中央の測定線取付位置
17に取り付けて、試験片1に電流を流した。
【0024】測定線3は、き裂導入予定位置断面の上下
5mmの電流供給位置18に1と1’、2と2’…のように
対になるように、1〜19と1’〜19’の位置16に合
計19組を取り付け、その間の電位差を測定した。図2に
示すように、電流供給線13は直流電源14に、測定線3は
データ収録装置15に接続して、電流供給線13から20Aの
直流電流を供給し、その時に試験片1の表面に生じる電
位差(V)の分布を合計19組の測定線3により測定し、
試験片1の板幅の中心、すなわち本実施の形態では、き
裂を試験片1の中央に導入したので、き裂中心からの距
離に対する電位差(V)分布を求めた。求めた電位差
(V)分布は、き裂形状処理を行うデータ処理装置16に
より処理を行い、下記に示す手順によりき裂形状推定を
行った。
【0025】まず、評価の準備としてデータベースを作
成した。試験片1に対する電位差比(V/V0)分布4
のデータベースと、き裂長さ評価のためのマスターカー
ブ8を試験片1の電位分布解析を行って、作成した。
【0026】電位差比(V/V0)とは、き裂がある場
合の電位差(V)を同じ位置のき裂がない場合の電位差
(V0)で割った値である。解析は、試験片1の形状、
電流供給位置、電位差測定位置を模擬したモデルによ
り、き裂がない場合とき裂を想定した場合の電位分布解
析を行った。
【0027】ここでは、き裂の大きさは、き裂深さaと
き裂の半分の長さcの比(a/c)であるアスペクト比
が0.25, 0.5, 1.0の3種類で、それぞれのアスペクト
比に対して、き裂の深さaが板の厚さの10%,30%,50
%,70%の4種類、計12種類のき裂に対する電位分布解
析を行った。そして、その解析結果からき裂の上下5mm
の位置の板幅方向に対する電位差(V)分布のデータベ
ースを作成した。
【0028】つぎに、そのデータベースのき裂がない場
合の電位差(V0)分布を各き裂形状の電位差(V)分
布から、第1の電位差比(V/V0)分布4のような線
図を求めた。
【0029】それから、それぞれの電位差比(V/V
0)分布の最大値(V/V0)maxを求め、理論上の
最小値である1との間で、整理するために、それぞれの
位置の電位差比(V/V0)から、{(V/V0)-1
/{(V/V0)max-1}を算出し、分布曲線6を求
めた。
【0030】そのそれぞれの解析から求めた分布曲線6
の想定したき裂長さcに一致する位置でのき裂長さにお
ける分布曲線値の値7を結び、き裂長さcを求めるため
のマスターカーブ8を作成した。後述するように、この
マスターカーブ8はき裂長さを求めるために使用するも
のである。
【0031】つぎに、き裂深さaを求めるために、デー
タベースからき裂の各アスペクト比a/c毎に、き裂長
さcとそのき裂長さcに対する電位差比(V/V0)分
布の最大値(V/V0)maxの関係曲線10を作成し
た。以上のデータを図2中のき裂形状算出部となるデー
タ収録装置15に組み込み、データ処理装置16で処理す
る。
【0032】図6は試験片1に荷重を負荷して、き裂を
進展させて、き裂の進展評価をするために行う試験装置
の概念図である。支点19で試験片1を支え、負荷点20で
負荷装置21により繰り返し荷重を加え、き裂2を開閉さ
せて、進展させるものである。試験中のき裂の長さc及
びき裂深さaの検出のために本試験装置を用いた。
【0033】試験前にき裂2を進展させる予定の位置の
き裂発生前の電位差(V0)分布測定を行った。試験
は、き裂進展のきっかけとなる切欠きを試験片1の中央
に導入した後、開始した。そして、試験中はき裂形状推
定のために定期的に電流供給位置18から直流電流を供給
し、その都度、試験片1の表面に生じる電位差(V)の
分布を測定線取付位置17に取り付けた測定線3により測
定した。
【0034】試験中に測定した電位差(V)の値をき裂
導入前の同じ位置で測定した電位差(V0)で除して無
次元化した電位差比(V/V0)分布の一例を図7に示
す。図7はき裂進展試験を行いながら電位差(V)を測
定して、電位差比(V/V0)分布を求めた例である。
図1に示すように、その電位差比(V/V0)分布か
ら、それぞれの最大値(V/V0)maxと理論上の最
小値である1の間で整理した測定から求めた分布曲線5
を作成し、その測定から求めた分布曲線とマスターカー
ブの交点9の位置からき裂長さc’を求めた。
【0035】一方、図1に示すように、き裂深さaは、
データベースから作成した各アスペクト比a/c毎のき
裂長さcと電位差比(V/V0)分布の最大値(V/V
0)maxの関係曲線10と求めたき裂長さc’から、き
裂深さaと電位差比(V/V0)分布の最大値(V/V
0)maxとの関係曲線を求め、このき裂深さと電位差
比(V/V0)maxの関係曲線11と測定から求めた電
位差比(V/V0)分布の最大値(V/V0)maxか
ら求まるき裂深さ12を求めた。
【0036】以上のように、図7の3種類の電位差比
(V/V0)分布から求めたき裂長さおよび深さと実際
のき裂の寸法との比較を図8に示す。この方法により求
めたき裂の大きさは実際の大きさとよく一致しており、
この方法を用いてき裂進展速度の算出など、き裂進展評
価を行った。
【0037】つぎに、本発明の第2の実施の形態を図面
によって説明する。本実施の形態は第1の実施の形態と
同様の試験片1を用い、第1の実施の形態と同様な手順
にてき裂形状を求めた。第1の実施の形態に示すき裂発
生前の電位差(V0)分布として、き裂がない試験片の
電位差分布測定結果を用いる替わりに、表面き裂を進展
させようとする位置に表面の長さ2cが板幅の2%で表
面からの深さaが板厚の10%の切欠きを機械加工で導入
した試験片の電位差分布測定結果を用いた。
【0038】試験片1の表面き裂を進展させようとする
位置に切欠きを機械加工で導入した。切欠きの形状は長
さが6mmで、深さが1.5mm の半楕円形である。き裂形状
を推定するための電位差(V)測定を行うために、き裂
形状推定のための電流供給線13と電位差(V)測定のた
めの測定線3をスポット溶接により試験片1の表面に取
り付けた。なお、電流供給線13は試験片1の両端の板厚
中央の測定線取付位置17に取り付け、測定線3は切欠き
の上下5mmの位置16に合計19組を取り付けた。試験前
に電流供給線13から20Aの直流電流を供給し、その時に
試験片1の表面に生じる電位差の分布を測定線3により
測定し、それをき裂発生前の電位差(V0)とした。
【0039】つぎに、評価方法の準備を行った。第1の
実施の形態と同じ試験片形状であるため、実施例1と同
じデータベースを用いた。第1の実施の形態と同様に、
データベースよりき裂発生前の電位差(V0)分布とき
裂がある場合の電位差(V)分布から各き裂に対して図
1に示すような電位差比(V/V0)分布4を求め、電
位差比(V/V0)分布の最大値(V/V0)maxと
その分布の理論上の最小値である1の間で整理した解析
から求めた分布曲線6を求め、その分布曲線6のき裂長
さでの値、つまり、き裂長さにおける分布曲線の値7を
結び、き裂長さcを求めるためのマスターカーブ8を作
成した。
【0040】また、き裂深さaを求めるために、第1の
実施の形態と同様にデータベースよりき裂の各アスペク
ト比a/c毎に、き裂長さcと電位差比(V/V0)分
布の最大値(V/V0)maxの関係曲線10を作成し
た。
【0041】試験を開始し、試験中はき裂形状推定のた
めに定期的に電流供給線13から直流電流を供給し、その
都度、試験片1の表面に生じる電位差(V)の分布をプ
ローブ3にて測定した。
【0042】試験中に測定した電位差(V)の値をき裂
導入前の同じ位置で測定した電位差(V0)で除して無
次元化した電位差比(V/V0)分布の一例を図9に示
す。図8はき裂進展試験を行いながら電位差(V)を測
定して、電位差比(V/V0)分布を求めた例である。
【0043】その電位差比(V/V0)分布から、それ
ぞれの最大値(V/V0)maxと理論上の最小値であ
る1の間で整理した図1に示すような測定から求めた分
布曲線5を作成し、その測定から求めた分布曲線とマス
ターカーブの交点9の位置からき裂長さc’を求めた。
【0044】一方、き裂深さaは、データベースから作
成した各アスペクト比a/c毎のき裂長さcと電位差比
分布の最大値(V/V0)maxの関係曲線、つまりき
裂長さと(V/V0)maxの関係曲線10と求めたき裂
長さc’から、き裂深さaと電位差比(V/V0)分布
の最大値(V/V0)maxとの関係曲線11を求め、こ
の関係曲線11と測定から求めた電位差比(V/V0)分
布の最大値(V/V0)maxから求まるき裂深さ12を
求めた。
【0045】以上のように、図9の電位差比(V/V
0)分布から求めたき裂長さおよび深さと実際のき裂寸
法との比較を図9に示す。この方法により求めたき裂の
大きさは実際の大きさとよく一致しており、この方法を
用いてき裂進展評価を行うことができた。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、金属材料に直流電圧を
付与してその時に生じる電位差を測定し、その電位差か
ら簡易な方法でき裂の長さと深さを求めることができ、
実用的には極めて有用なき裂評価方法およびその評価装
置を提供できる。また、高温水中等の目視測定が不可能
な環境中の試験中のき裂形状をモニタリングすることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るき裂形状評価方法の第1の実施の
形態における測定グラフの行程を示す系統図。
【図2】本発明に係るき裂形状評価装置の第1の実施の
形態を示す結線図。
【図3】図1において、電位差比とき裂中心からの距離
を示す分布図。
【図4】図3の結果を理論上の最小値と最大値で整理し
て示す分布図。
【図5】(a)は試験片の大きさを示す斜視図、(b)
は(a)におけるA−A矢視方向を切断して示す横断面
図。
【図6】図1において試験片のき裂の進展評価を行う試
験装置を示す概念図。
【図7】図1において、き裂進展試験を行いながら電位
差を測定して電位差比分布を示す分布図。
【図8】本発明の第2の実施の形態において、き裂進展
試験を行いながら電位差比分布を求めた分布図。
【図9】図8において求めたき裂長さおよび深さと実際
のき裂寸法との比較を示す特性図。
【符号の説明】
1…試験片、2…き裂、3…測定線、4…電位差比(V
/V0)分布、5…測定から求めた分布曲線、6…解析
から求めた分布曲線、7…き裂長さにおける分布曲線の
値、8…マスターカーブ、9…測定から求めた分布曲線
とマスターカーブの交点、10…き裂長さと(V/V0)
maxの関係曲線、11…き裂深さと電位差比(V/V
0)maxの関係曲線、12…測定から求めた電位差比
(V/V0)maxから求まるき裂深さ、13…電流供給
線、14…直流電源、15…データ収録装置、16…データ処
理装置、17…測定線取付位置、18…電流供給位置、19…
支点、20…負荷点、21…負荷装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 幹郎 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 き裂を有する金属材料に直流電圧を付与
    して、その時に生じる前記金属材料の電位差を測定する
    ことによりき裂形状を評価する方法において、前記き裂
    が発生している表面の電位差分布と電位分布解析結果か
    ら求めたマスターカーブから前記き裂の形状を求めるこ
    とを特徴としたき裂形状評価方法。
  2. 【請求項2】 前記き裂発生前に測定した電位差で前記
    き裂発生後の電位差を無次元化した分布と電位分布解析
    結果から求めたマスターカーブから前記き裂の形状を求
    めることを特徴とする請求項1記載のき裂形状評価方
    法。
  3. 【請求項3】 前記き裂発生前に測定した電位差で前記
    き裂発生後の電位差を無次元化した分布をさらに1から
    その分布の最大値で整理した分布曲線と電位分布解析結
    果から求めたマスターカーブから前記き裂の形状を求め
    ることを特徴とする請求項1記載のき裂形状評価方法。
  4. 【請求項4】 前記き裂が発生していない場合と発生し
    ている場合の電位分布解析結果から前記き裂発生前後の
    電位差比分布を求め、さらにその分布を理論上の最小値
    である1と実際の測定の最大値との間で整理し、2種類
    以上のき裂長さでの値を結んだ曲線をマスターカーブと
    することを特徴とする請求項1記載のき裂形状評価方
    法。
  5. 【請求項5】 前記き裂が発生していない場合と発生し
    ている場合の電位分布解析結果から前記き裂発生前後の
    電位差比分布を求め、さらにその分布を理論上の最小値
    である1と実際の測定の最大値との間で整理し、2種類
    以上のき裂長さでの値にき裂発生後に測定した電位差を
    無次元化した分布の最大値を乗じた値を結んだ曲線をマ
    スターカーブとすることを特徴とする請求項1記載のき
    裂形状評価方法。
  6. 【請求項6】 前記き裂発生前の電位差の代わりに深さ
    が板厚の10%以下で長さが板幅の5%以下の切欠きまた
    はき裂を有する材料の電位差を用いることを特徴とする
    請求項1記載のき裂形状評価方法。
  7. 【請求項7】 試験片に直流電流を供給する直流電源
    と、前記試験片に接続する測定線と、この測定線に接続
    したデータ収録装置と、このデータ収録装置に接続した
    データ処理装置とを具備したことを特徴とするき裂形状
    評価装置。
JP9109343A 1997-04-25 1997-04-25 き裂形状評価方法およびその評価装置 Pending JPH10300698A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013044600A (ja) * 2011-08-23 2013-03-04 Jx Nippon Oil & Energy Corp 導電材料製構造物におけるきずの深さ推定方法
CN104677987A (zh) * 2015-03-15 2015-06-03 何赟泽 一种涡流雷达缺陷检测、定量和成像方法及系统
CN105259220A (zh) * 2015-10-29 2016-01-20 西安交通大学 基于四端子直流电位检测信号的裂纹电导率测定方法

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