JP2002286622A - 金属材質の腐食測定装置 - Google Patents

金属材質の腐食測定装置

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JP2002286622A
JP2002286622A JP2001084162A JP2001084162A JP2002286622A JP 2002286622 A JP2002286622 A JP 2002286622A JP 2001084162 A JP2001084162 A JP 2001084162A JP 2001084162 A JP2001084162 A JP 2001084162A JP 2002286622 A JP2002286622 A JP 2002286622A
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noise
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Masazumi Miyazawa
正純 宮澤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気化学的ノイズ法を用いて、金属表面の局
所腐食の腐食速度を信頼性よく且つ工業的にも有利に監
視すると共に、該局所腐食の形態を判断し得るようにす
る。 【解決手段】 腐食測定対象の金属表面と同一材質の複
数個の電極を同一腐食条件下に曝らした状態で、該各電
極間の電気化学的電流ノイズならびに電気化学的電位ノ
イズを測定する腐食電流電圧測定手段と、測定された電
流ノイズならびに電位ノイズの各測定データを取り入れ
て時系列に蓄積するデータ記憶手段と、蓄積された電流
ノイズまたは電位ノイズの測定データを取り出して下記
式(1) C=K×In/Vn ・・・(1) (ここで、Inは電気化学的電流ノイズ、Vnは電気化
学的電位ノイズ、Kは腐食係数を表す。)により腐食速
度Cを算出し、さらに局所腐食の形態を解析判断する局
所腐食形態判断手段と、判断した局所腐食形態を出力表
示する出力表示手段とを備えて構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属材質の腐食測
定に適用される腐食測定装置に関し、さらに詳しくは、
金属材質の局所腐食を測定して、該局所腐食の形態を判
断可能にする電気化学的ノイズ法による腐食測定装置に
係るものである。
【0002】
【従来の技術】化学プラントなどにおいて、冷却水また
はプラント液などの流体と接触する装置内部の金属面、
この場合には、反応器、蒸留塔、タンク(貯槽)、熱交
換器の各内部金属面、それに、これらの相互間を接続す
る金属配管の各内部金属面などでは、その金属材質の腐
食がしばしば問題となる。即ち、例えば、熱交換器の内
部配管では、流体に接する部分が、いわゆる伝熱面にな
るために腐食を生じ易いことが知られており、このよう
な腐食障害を未然に防止する必要上、該当金属表面の腐
食速度ないしは腐食傾向を確認しなければならない。
【0003】一般に、この種の金属材質の腐食測定法と
しては、従来からよく知られている如く、重量減少測定
法と分極抵抗測定法(直流分極抵抗法、交流分極抵抗
法、インピーダンス法)と電気抵抗測定法とのそれぞれ
がある。ここで、これらの各測定法における概要と作用
の得失との詳細を次に述べる。前記重量減少測定法(ク
ーポン法または浸漬試験法とも称される)は、測定対象
金属表面と同一材質の金属からなる試料試験片(細片ク
ーポン)を腐食性の試験流体中に浸漬して腐食を進行
(該腐食に伴って試料試験片自体の重量が減少する)さ
せておき、一定期間経過(通常の場合、30日〜90日
程度)後、該浸漬前後の試料試験片の腐食減量(質量
差)から試験期間中の平均的な腐食速度(腐食度)を求
める手段である。
【0004】本重量減少測定法では、(a)腐食速度を
瞬時(リアルタイム)的に測定できないこと、(b)測
定結果を得るまでに比較的長時間を要して対応が手遅れ
になる惧れを有すること、(c)局所腐食を測定できな
いことなどの不利がある。前記分極抵抗測定法は、電気
化学的な分極抵抗から測定時点での腐食速度を求める手
段、即ち、複数の試料試験片を相互に対極となるように
腐食性の試験流体中に浸漬して腐食を進行させた状態
で、該各試料試験片間に直流または交流の微弱な一定電
流を通電し、該通電によって生ずる電流または電位の変
化を測定することで、瞬時(リアルタイム)の全面腐食
速度を求める手段である。
【0005】本分極抵抗測定法では、(a)測定感度が
低くて温度の影響が大であり、且つ高温下での測定がで
きないこと、(b)局所腐食を測定できないことなどの
不利がある。前記電気抵抗測定法は、試料試験片を腐食
性の試験流体中に浸漬して腐食を進行(該腐食に伴う試
料試験片自体の断面積の減少に対応して、その電気抵抗
値が増加する)させると共に、一定期間毎に該試料試験
片の電気抵抗値を測定し、その測定値勾配から該当時間
における平均腐食速度を求める手段である。
【0006】本電気抵抗測定法では、(a)腐食速度を
瞬時(リアルタイム)的に測定できないこと、(b)測
定感度が低くて温度の影響が大であり、且つ高温下での
測定ができないこと、(c)局所腐食を測定できないこ
となどの不利がある。そこで、これらの不都合を改善す
る手段として、電気化学的ノイズ法が米国特許第513
9627号で提案されている。本提案は、腐食性流体中
に浸漬させた同一金属表面の2個の試料試験片からなる
電極間のカップリング電流と電気化学的電流ノイズとの
測定をなし、これらの双方を比較することで金属表面の
局所腐食の程度を判断する手段であり、さらに、2個の
電極間に生じている電気化学的電位ノイズを測定し、該
電気化学的電位ノイズと前記電気化学的電流ノイズとの
比較で抵抗/インピーダンスノイズを得た後、該抵抗/
インピーダンスノイズ出力と前記局所腐食の程度の出力
とを比較して局所腐食の腐食速度を判断する手段であ
る。
【0007】また、特開平10−19824号公報で
は、前記電気化学的ノイズ法を用いて、金属表面の全面
腐食および局所腐食の腐食速度を信頼性よく且つ工業的
にも有利に監視すると共に、該全面腐食および局所腐食
管理を行なうのに適した金属材質の腐食管理支援装置が
提案されている。しかしながら、前期米国特許第513
9627号及び特開平10−19824号公報で提案さ
れている腐食速度の判断方法では、実際の腐食速度との
一致性が不十分であり、工業的に有効且つ適切な腐食速
度や腐食度の絶対値測定を具体的に示してはおらず、さ
らには、信頼性のある局所腐食の監視をなし得ないもの
であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
実情に鑑み、前記電気化学的ノイズ法を用いて、金属表
面の全面腐食および局所腐食の腐食速度をより信頼性よ
く、且つ工業的にも有利に監視すると共に、該局所腐食
の形態を容易に判断し得るようにした金属材質の腐食管
理測定装置を提供することである。しかしながら、前記
提案に係る電気化学的ノイズ法は、1つの腐食測定法と
しての基本的な原理を開示するだけのもので、工業的に
有効且つ適切な腐食速度や腐食度の絶対値測定を具体的
に示してはおらず、さらには、信頼性のある局所腐食の
監視をなし得ないものであった。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明に係る請求項1に記載の発明は、腐食測定対
象の金属表面と同一もしくはほぼ同一材質の複数個の電
極を同一もしくはほぼ同一の腐食条件下に曝らした状態
で、該各電極間の電気化学的電流ノイズならびに電気化
学的電位ノイズをそれぞれに測定する腐食電流電圧測定
手段と、前記腐食電流電圧測定手段で測定された電気化
学的電流ノイズならびに電気化学的電位ノイズの各測定
データを取り入れて、該測定データを時系列に蓄積する
データ記憶手段と、前記データ記憶手段に時系列で蓄積
された電気化学的電流ノイズまたは電気化学的電位ノイ
ズの測定データを取り出し、該取り出された電気化学的
電流ノイズまたは電気化学的電位ノイズの測定データか
ら下記式(1) C=K×In/Vn ・・・(1) (ここで、Inは電気化学的電流ノイズ、Vnは電気化
学的電位ノイズ、Kは腐食係数を表す。)により腐食速
度Cを算出し、さらに局所腐食の形態を解析して判断す
る局所腐食形態判断手段と、前記局所腐食形態判断手段
で判断した局所腐食形態を出力表示する出力表示手段と
を備えることを特徴とする金属材質の腐食測定装置であ
る。
【0010】本発明の腐食測定装置では、腐食条件下に
曝らされた各電極間の電気化学的電流ノイズならびに電
気化学的電位ノイズが、腐食電流電圧測定手段によって
測定された後にデータ記憶手段に時系列で蓄積され、且
つ該データ記憶手段から取り出される電気化学的電流ノ
イズまたは電気化学的電位ノイズに基づいて、局所腐食
形態判断手段による局所腐食の形態の判断がなされ、さ
らに、該判断された局所腐食の形態が出力表示手段によ
って出力表示されることになる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る金属材質の腐
食測定装置の実施形態例につき、図1ないし図4を参照
して詳細に説明する。図1は、本実施形態例を含む腐食
測定装置の全体構成の概要を示すブロック図であり、こ
こでは、本実施形態例を含む腐食測定装置全体の構成と
その作用ならびに効果について述べる。
【0012】この図1に示す装置構成において、本実施
形態例を含む腐食測定装置は、内部に所要量の腐食性溶
液12を容納した腐食測定容器11を有しており、該腐
食性溶液12中には、腐食測定対象となる金属表面と同
一またはほぼ同一の材質(以下、単に同一材質という)
の3個の測定電極、この場合、第1、第2および第3の
各電極21、22、23が浸漬されて、該金属表面と同
一またはほぼ同一の腐食条件(以下、単に同一腐食条件
という)下、この場合、同一またはほぼ同一の温度条件
(以下、単に同一温度条件という)の下に曝らされてい
る。
【0013】また、前記第1の電極21と第2の電極2
2間には、内部抵抗がほぼゼロの電流測定回路、いわゆ
る無抵抗電流計(zero resistance ammeter)24を接
続させ、前記第2の電極22と第3の電極23間には、
該電極側に影響を与えずに信号電圧を測定し得る入力イ
ンピーダンスが非常に大きいアンプ回路、ここではバッ
ファー回路25を接続させてある。
【0014】従って、この態様の場合、前記第1の電極
21と第2の電極22間には、それぞれの各電極表面の
腐食の進行程度に応じたカップリング電流(結合電流:
Imean)aを生じ、該カップリング電流aは、前記無抵
抗電流計24によって測定され、且つ後述する信号処理
をなした上で、コンピュータ71のデータ記憶部72に
時系列で蓄積される。
【0015】このとき、電気化学的電流ノイズ(In )
bについては、前記カップリング電流aの変動をフィル
ター回路、特にバンドパスフィルター回路26によっ
て、その低周波数領域、特に1Hz程度以下の周波数領
域、好ましくは0.01〜1Hz程度の周波数領域の電
流変動を測定して得ることができ、該測定された電気化
学的電流ノイズbもまた後述する信号処理をなした上
で、コンピュータ71のデータ記憶部72に時系列で蓄
積される。ここで、この電気化学的電流ノイズbは、コ
ンピュータ71に取り込まれたカップリング電流aをし
かるべく演算処理し、その標準偏差を求めることによっ
ても同様に得られる。
【0016】一方、電気化学的電位ノイズ(Vn )cに
ついては、前記第2の電極22と第3の電極23間の電
位差(Vmean)を前記バッファー回路25によって測定
すると共に、この電位差の変動をフィルター回路、特に
バンドパスフィルター回路27によって、その低周波数
領域、特に1Hz程度以下の周波数領域、好ましくは
0.01〜1Hz程度の周波数領域の電位差変動を測定
して得ることができ、該測定された電気化学的電位ノイ
ズcもまた後述する信号処理をなした上で、コンピュー
タ71のデータ記憶部72に時系列で蓄積される。ここ
でも、この電気化学的電位ノイズcは、前記電位差を直
接コンピュータ71に取り込んでしかるべく演算処理
し、その標準偏差を求めることによっても同様に得られ
る。
【0017】次に、前記各測定データ信号(電流および
電圧の各測定データ)をコンピュータ71に入力するま
でのデータ処理の具体的な回路手段の詳細を図2
(a)、(b)および図3(a)、(b)に示す。図2
(a)、(b)は、同上データ処理回路をアナログ回路
によって構成したときの一例である。この場合、先ず、
前記電流信号、即ち、前記第1の電極21と第2の電極
22間のカップリング電流aは、同図(a)にみられる
ように、無抵抗電流計24によって測定されると共に、
その電流信号の一方は、信号の2乗平均を求めるRMS
回路→求めた信号を直流に変換するDC回路→直流に変
換された信号を対数に変換するLOG回路からなるコン
バータ(以下、対数コンバータという)31によって対
数変換され、さらに、アナログ/デジタルコンバータ
(以下、A/Dコンバータという)32によってデジタ
ル変換された後、前記コンピュータ71にカップリング
電流(Imean)aとして入力され、電流信号の他方は、
バンドパスフィルター回路26によって1Hz程度以下
の周波数成分が取り出された上で、同様に対数コンバー
タ41によって対数変換され、さらに、A/Dコンバー
タ42によってデジタル変換された後、前記コンピュー
タ71に電気化学的電流ノイズ(In )bとして入力さ
れる。
【0018】次いで、前記電圧信号、即ち、前記第2の
電極22と第3の電極23間の電位差は、同図(b)に
みられるように、バッファー回路25によって測定さ
れ、且つこの信号からバンドパスフィルター回路27に
よって1Hz程度以下の周波数成分が取り出された上
で、ここでも、対数コンバータ51によって対数変換さ
れ、さらに、A/Dコンバータ52によってデジタル変
換された後、前記コンピュータ71に電気化学的電位ノ
イズ(Vn )cとして入力される。
【0019】一方、図3(a)、(b)は、前記図2
(a)、(b)のアナログ回路構成に対応してデータ処
理回路をデジタル回路で構成したときの一例で、図中、
同一符号は同一または相当部分を示しており、該デジタ
ル回路構成によっても同様な作用が得られる。また、前
記金属表面と同一材質の金属片を同一腐食条件下で測定
して得た腐食測定データ、即ち、例えば、前記図1にお
いて、前記金属表面と同一材質の金属からなる試料試験
片(細片クーポン)61を用い、該試料試験片61を前
記腐食測定容器11内の腐食性溶液12中に同一腐食条
件下で一定時間浸漬した後、これを取り出して、そのと
きの腐食減量を質量測定器62によって測定した質量測
定データから求めた腐食度dについても前記コンピュー
タ71のデータ記憶部72に蓄積させる。本発明におい
ては、前記コンピュータ71において、図1に示されて
いる如く、前記データ記憶部72に蓄積されている電気
化学的電流ノイズ(In )b、電気化学的電位ノイズ
(Vn )cおよび腐食度dの測定データに基づき、次の
(2)式によって腐食係数K を算出する。 腐食係数Kの算出(算出過程73) Cn=K/ΣRn=K/Σ(Vn/In) K=Cn/Σ(In/Vn) ・・・(2) ここで、Σ(In /Vn) は、腐食度Cn に対応した時
間(所定時間)に相当するIn (電気化学的電流ノイズ
b)/Vn (電気化学的電位ノイズc)の比の蓄積量
(アンペア/ボルト)である。
【0020】次に、前記算出した腐食係数K を用いる
ことで、特定の時間周期毎に測定したIn (電気化学的
電流ノイズb)およびVn (電気化学的電位ノイズc)
の測定データに基づき、次の(1)式によって腐食速度
(mm/年)C を算出する。 腐食速度Cの算出(算出過程76) C=K×In/Vn ・・・(1) ここで、以上のようにして得られる腐食速度の推移は、
CRT101の画面上および/またはプリンター102
のプリントアウトとして出力表示され、同様に前記腐食
速度の瞬時値や、それを時系列で表わすトレンド値の推
移についても出力表示させ得る。
【0021】一方、前記出力表示には、腐食速度C1、
C2、C3 および平均腐食速度C4 に加えて、カップリ
ング電流(Imean)aと、電気化学的電流ノイズ(In
)bおよび電気化学的電位ノイズ(Vn )cとの各測
定データの瞬時値や、それを時系列で表わしたトレンド
値の推移や、その累積値などをも各別もしくわ相互に関
連付けて表示させることもできる。
【0022】続いて、本実施形態例における腐食形態判
断のための信号処理の態様例を図4に示す。即ち、本実
施形態例では、図4に示されているように、前記カップ
リング電流(Imean)aと電気化学的電流ノイズ(In
)bとを対応させて腐食の程度を把握することが可能
である。
【0023】この場合、前記In (電気化学的電流ノイ
ズb)/Imean(カップリング電流a)の比(In /I
mean比較部81)を用い、腐食の形態を次の4形態に分
け、それぞれの各形態を判断する。 全面腐食 :0.001<In /Imean<0.01 〔該全面腐食の形態判断82〕 混合腐食 :0.01<In /Imean<0.1 局所(部分)腐食 :0.1<In /Imean<1.0 〔該混合および局所腐食の各形態判断83〕 ピッチング(孔状腐食):1.0<In /Imean 〔該ピッチングの形態判断84〕 そして、前記In /Imeanの比81は、前記出力表示に
より、その瞬時値や、該瞬時値を時系列で表わすトレン
ド値の推移から、腐食の形態の推移を容易に把握するこ
とができる。
【0024】さらに、本実施形態例では、図4に示され
ているように、前記データ記憶部72に蓄積されている
電気化学的電流ノイズ(In )bまたは電気化学的電位
ノイズ(Vn )cの測定データから、ノイズピーク波形
解析部91によって全面腐食の形態判断95を始めとし
て、局所腐食の各形態、例えば、応力腐食割れの形態判
断96およびピッチングの形態判断97などをそれぞれ
次ぎのようにして行なう。即ち、局所腐食においては、
全面腐食での腐食速度または腐食度のような定量的な判
断は十分でなく、その腐食の形態を判断することが重要
になるからである。
【0025】この場合、前記局部腐食については、前記
電気化学的電流ノイズ(In )bまたは電気化学的電位
ノイズ(Vn )cの測定データにおいて、該測定データ
信号成分中の低周波ノイズ成分が増加してくることか
ら、この低周波ノイズ成分のピーク波形信号を解析して
該局部腐食の形態を判断することができる。ここで、前
記局部腐食の形態の解析法の一例は、次の通りである。 (a) ノイズ信号のピーク高さ/ピーク幅の比の大小を
比較して判断する。 (b)ノイズ信号のピーク繰返し周期の多少を比較して
判断する。 (c)ノイズ信号の低周波数ピーク成分数の多少を比較
して判断する。
【0026】ここで、前記コンピュータ71において、
前記電気化学的電流ノイズ(In )bを用いることで局
部腐食の形態判断を行なう場合について述べる。先ず、
前記データ記憶部72から抽出した電気化学的電流ノイ
ズ(In )bの信号のピーク波形をノイズピーク波形解
析部91によって解析し、引続き、該解析された信号の
ピーク高さ/ピーク幅の比の大小を高さ/幅比較部92
によって比較し、さらに、該比較した信号のピーク繰返
し周期の多少を繰返し周期検出部93によって対比し、
且つその低周波数ピーク成分数の多少を周波数成分数検
出部94によって対比し、それぞれの結果を次ぎの3通
りに区分することで、その腐食形態を判断する。 (イ)ピーク高さ/ピーク幅の比が小で、且つピーク繰
返し周期または低周波数ピーク成分数の少なくとも何れ
か一方が少ない領域のノイズ信号は全面腐食。 (ロ)ピーク高さ/ピーク幅の比が大で、且つピーク繰
返し周期または低周波数ピーク成分数の少なくとも何れ
か一方が多い領域のノイズ信号は応力腐食割れ。 (ハ)これらの(イ)、(ロ)の中間領域のノイズ信号
はピッチング。
【0027】即ち、前記電気化学的電流ノイズ(In )
bの信号は、このように全面腐食95と、応力腐食割れ
96またはピッチング97とに区分して、その腐食形態
が判断される。そして、該判断結果がCRT101やプ
リンター102に出力表示され、その瞬時値や、それを
時系列で表わしたトレンド値の推移から、腐食形態の推
移を容易に把握し得るのである。
【0028】なおこの場合の判断基準については、予め
判明している全面腐食、応力腐食割れまたはピッチング
を生起した標準金属の試料試験片を用い、それぞれのチ
エック項目についての判断基準の大中小および多少を決
めておけばよい。以下に、本発明方法による腐食率の測
定結果と、特開平10−19824号に記載の方法によ
る腐食率の測定結果と、実際の腐食率について比較した
結果を示す。
【0029】まず、SUS304を0.5%の塩酸水溶
液に浸した測定データから、本発明方法および特開平1
0−19824号に記載の方法に従って腐食係数を算出
し、次いで、SUS304を10%の塩酸水溶液に浸し
た時の測定データから、本発明方法および特開平10−
19824号に記載の方法に従って腐食率を算出した。
結果を下記に示す。(測定データ)
【0030】
【表1】 (腐食率計算結果)
【0031】
【表2】 以上のように、本発明方法によれば、より正確な腐食率
を求めることができる。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、金属材質の腐食測定に
適用する腐食測定装置において、腐食測定対象の金属表
面と同一材質の複数の電極を同一腐食条件下に曝らした
状態で、各電極間の電気化学的電流ノイズならびに電気
化学的電位ノイズのデータを測定すると共に、測定され
た電気化学的電流ノイズならびに電気化学的電位ノイズ
の測定データを時系列に蓄積し、且つ蓄積された電気化
学的電流ノイズまたは電気化学的電位ノイズの測定デー
タを取り出して局所腐食の形態を解析し、解析結果を出
力表示するようにしたから、金属表面の腐食態様、特に
局所腐食の腐食速度ならびに腐食形態を信頼性よく且つ
工業的にも有利に監視して判断し得るという優れた特長
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態例を含む腐食測定装置の全体
構成の概要を示すブロック図である。
【図2】(a)、(b)は、同上装置における電流、電
圧の各測定データ信号の処理回路をアナログ回路で構成
したときの一例を示すブロック図である。
【図3】(a)、(b)は、同上装置における電流、電
圧の各測定データ信号の処理回路をデジタル回路で構成
したときの一例を示すブロック図である。
【図4】同上装置における腐食形態判断のための信号処
理の態様例を説明するブロック図である。
【符号の説明】
11 腐食測定容器 12 腐食性溶液 21、22、23 電極 24 無抵抗電流計 25 バッファー回路 26、27 バンドパスフィルター回路 31、41、51 対数コンバータ 32、42、52 A/Dコンバータ 61 試料試験片(細片クーポン) 62 質量測定器 71 コンピュータ 72 データ記憶部 73 腐食係数Kの算出過程 76 腐食速度Cの算出過程 81 In /Imean比較部 82 全面腐食の形態判断 83 混合および局所腐食の各形態判断 84 ピッチングの形態判断 91 ノイズピーク波形解析部 92 高さ/幅比較部 93 繰返し周期検出部 94 周波数成分数検出部 95 全面腐食の形態判断 96 応力腐食割れの形態判断 97 ピッチングの形態判断 101 CRT 102 プリンター a カップリング電流(Imean) b 電気化学的電流ノイズ(In ) c 電気化学的電位ノイズ(Vn ) d 腐食度

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 腐食測定対象の金属表面と同一もしくは
    ほぼ同一材質の複数個の電極を同一もしくはほぼ同一の
    腐食条件下に曝らした状態で、該各電極間の電気化学的
    電流ノイズならびに電気化学的電位ノイズをそれぞれに
    測定する腐食電流電圧測定手段と、前記腐食電流電圧測
    定手段で測定された電気化学的電流ノイズならびに電気
    化学的電位ノイズの各測定データを取り入れて、該測定
    データを時系列に蓄積するデータ記憶手段と、前記デー
    タ記憶手段に時系列で蓄積された電気化学的電流ノイズ
    または電気化学的電位ノイズの測定データを取り出し、
    該取り出された電気化学的電流ノイズまたは電気化学的
    電位ノイズの測定データから下記式(1) C=K×In/Vn ・・・(1) (ここで、Inは電気化学的電流ノイズ、Vnは電気化
    学的電位ノイズ、Kは腐食係数を表す。)により腐食速
    度Cを算出し、さらに局所腐食の形態を解析して判断す
    る局所腐食形態判断手段と、前記局所腐食形態判断手段
    で判断した局所腐食形態を出力表示する出力表示手段と
    を備えることを特徴とする金属材質の腐食測定装置。
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