JPH1019824A - 金属材質の腐食管理支援装置 - Google Patents

金属材質の腐食管理支援装置

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JPH1019824A
JPH1019824A JP8250864A JP25086496A JPH1019824A JP H1019824 A JPH1019824 A JP H1019824A JP 8250864 A JP8250864 A JP 8250864A JP 25086496 A JP25086496 A JP 25086496A JP H1019824 A JPH1019824 A JP H1019824A
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JP
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corrosion
current
noise
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electrochemical
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Application number
JP8250864A
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English (en)
Inventor
Yutaka Tanaka
豊 田中
Shigeo Iwahashi
茂雄 岩橋
Masazumi Miyazawa
正純 宮澤
Kenji Morita
謙司 森田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気化学的ノイズ法を用いて、金属表面の全
面腐食および局所腐食の腐食速度を信頼性よく且つ工業
的にも有利に監視すると共に、該全面腐食および局所腐
食管理を効果的に支援する。 【解決手段】 腐食測定対象の金属表面と同一材質の電
極21、22、23を同一腐食条件下に曝らした状態
で、該各電極間のカップリング電流aおよび電気化学的
電流ノイズbを測定する腐食電流測定手段24、26
と、測定されたカップリング電流aおよび電気化学的電
流ノイズbの各電流測定データを取り入れて時系列に蓄
積するデータ記憶手段72と、蓄積されたカップリング
電流aおよび電気化学的電流ノイズbの各電流測定デー
タを取り出して腐食速度を算出する腐食速度算出手段7
3、74および76、77と、算出された腐食速度デー
タに基づいて腐食条件の設定変更を行なう腐食条件変更
手段81〜83および91、93とを備えて構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属材質の腐食管
理に適用される腐食管理支援装置に関し、さらに詳しく
は、金属材質の全面腐食および局所腐食を管理し得る電
気化学的ノイズ法による腐食管理支援装置に係るもので
ある。
【0002】
【従来の技術】化学プラントなどにおいて、冷却水また
はプラント液などの流体と接触する装置内部の金属面、
この場合には、反応器、蒸留塔、タンク(貯槽)、熱交
換器の各内部金属面、それに、これらの相互間を接続す
る金属配管の各内部金属面などでは、その金属材質の腐
食がしばしば問題となる。即ち、例えば、熱交換器の内
部配管では、流体に接する部分が、いわゆる伝熱面にな
るために腐食を生じ易いことが知られており、このよう
な腐食障害を未然に防止する必要上、該当金属表面の腐
食速度ないしは腐食傾向を確認しなければならない。
【0003】一般に、この種の金属材質の腐食測定法と
しては、従来からよく知られている如く、重量減少測定
法と分極抵抗測定法(直流分極抵抗法、交流分極抵抗
法、インピーダンス法)と電気抵抗測定法とのそれぞれ
がある。ここで、これらの各測定法における概要と作用
の得失との詳細を次に述べる。
【0004】前記重量減少測定法(クーポン法または浸
漬試験法とも称される)は、測定対象金属表面と同一材
質の金属からなる試料試験片(細片クーポン)を腐食性
の試験流体中に浸漬して腐食を進行(該腐食に伴って試
料試験片自体の重量が減少する)させておき、一定期間
経過(通常の場合、30日〜90日程度)後、該浸漬前
後の試料試験片の腐食減量(質量差)から試験期間中の
平均的な腐食速度(腐食度)を求める手段である。
【0005】本重量減少測定法では、(a)腐食速度を
瞬時(リアルタイム)的に測定できないこと、(b)測
定結果を得るまでに比較的長時間を要して対応が手遅れ
になる惧れを有すること、(c)局所腐食を測定できな
いことなどの不利がある。
【0006】前記分極抵抗測定法は、電気化学的な分極
抵抗から測定時点での腐食速度を求める手段、即ち、複
数の試料試験片を相互に対極となるように腐食性の試験
流体中に浸漬して腐食を進行させた状態で、該各試料試
験片間に直流または交流の微弱な一定電流を通電し、該
通電によって生ずる電流または電位の変化を測定するこ
とで、瞬時(リアルタイム)の全面腐食速度を求める手
段である。
【0007】本分極抵抗測定法では、(a)測定感度が
低くて温度の影響が大であり、且つ高温下での測定がで
きないこと、(b)局所腐食を測定できないことなどの
不利がある。
【0008】前記電気抵抗測定法は、試料試験片を腐食
性の試験流体中に浸漬して腐食を進行(該腐食に伴う試
料試験片自体の断面積の減少に対応して、その電気抵抗
値が増加する)させると共に、一定期間毎に該試料試験
片の電気抵抗値を測定し、その測定値勾配から該当時間
における平均腐食速度を求める手段である。
【0009】本電気抵抗測定法では、(a)腐食速度を
瞬時(リアルタイム)的に測定できないこと、(b)測
定感度が低くて温度の影響が大であり、且つ高温下での
測定ができないこと、(c)局所腐食を測定できないこ
となどの不利がある。
【0010】そこで、これらの不都合を改善する手段と
して、電気化学的ノイズ法が米国特許第5139627
号で提案されている。本提案は、腐食性流体中に浸漬さ
せた同一金属表面の2個の試料試験片からなる電極間の
カップリング電流と電気化学的電流ノイズとの測定をな
し、これらの双方を比較することで金属表面の局所腐食
の程度を判断する手段であり、さらに、2個の電極間に
生じている電気化学的電位ノイズを測定し、該電気化学
的電位ノイズと前記電気化学的電流ノイズとの比較で抵
抗/インピーダンスノイズを得た後、該抵抗/インピー
ダンスノイズ出力と前記局所腐食の程度の出力とを比較
して局所腐食の腐食速度を判断する手段である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記提
案に係る電気化学的ノイズ法は、1つの腐食測定法とし
ての基本的な原理を開示するだけのもので、工業的に有
効且つ適切な腐食速度や腐食度の絶対値測定を具体的に
示してはおらず、さらには、信頼性のある局所腐食の監
視をなし得ないものであった。
【0012】本発明は、このような実情に鑑み、前記電
気化学的ノイズ法を用いて、金属表面の全面腐食および
局所腐食の腐食速度を信頼性よく且つ工業的にも有利に
監視すると共に、該全面腐食および局所腐食管理を行な
うのに適した金属材質の腐食管理支援装置を提供するこ
とである。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明に係る請求項1に記載の発明は、腐食測定対
象の金属表面と同一もしくはほぼ同一材質の複数個の電
極を同一もしくはほぼ同一の腐食条件下に曝らした状態
で、該各電極間のカップリング電流および電気化学的電
流ノイズをそれぞれに測定する腐食電流測定手段と、前
記腐食電流測定手段で測定されたカップリング電流およ
び電気化学的電流ノイズの各電流測定データを取り入れ
て、該電流測定データを時系列に蓄積するデータ記憶手
段と、前記データ記憶手段に時系列で蓄積された各電流
測定データを取り出し、該取り出されたカップリング電
流および電気化学的電流ノイズの各電流測定データから
腐食速度を算出する腐食速度算出手段と、前記腐食速度
算出手段で算出された腐食速度データに基づいて前記腐
食条件の設定変更を行なう腐食条件変更手段とを備える
ことを特徴とする金属材質の腐食管理支援装置である。
【0014】本発明の腐食管理支援装置では、腐食条件
下に曝らされた各電極間のカップリング電流および電気
化学的電流ノイズが、腐食電流測定手段によって測定さ
れた後にデータ記憶手段に時系列で蓄積され、且つ該デ
ータ記憶手段から取り出されるカップリング電流および
電気化学的電流ノイズの各電流測定データから、腐食速
度算出手段によって腐食速度を算出すると共に、該算出
された腐食速度データに基づき、腐食条件変更手段によ
って腐食条件の設定変更がなされる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る金属材質の腐
食管理支援装置の実施形態例につき、図1ないし図6を
参照して詳細に説明する。
【0016】図1は、本実施形態例による腐食管理支援
手段を含む腐食測定装置の全体構成の概要を示すブロッ
ク図であり、ここでは、本実施形態例による腐食管理支
援手段を含む腐食測定装置全体の構成とその作用ならび
に効果について述べる。
【0017】この図1に示す装置構成において、本実施
形態例を含む腐食測定装置は、内部に所要量の腐食性溶
液12を容納した腐食測定容器11を有しており、該腐
食性溶液12中には、腐食測定対象となる金属表面と同
一またはほぼ同一の材質(以下、単に同一材質という)
の3個の測定電極、この場合、第1、第2および第3の
各電極21、22、23が浸漬されて、該金属表面と同
一またはほぼ同一の腐食条件(以下、単に同一腐食条件
という)下、この場合、同一またはほぼ同一の温度条件
(以下、単に同一温度条件という)の下に曝らされてい
る。
【0018】また、前記第1の電極21と第2の電極2
2間には、内部抵抗がほぼゼロの電流測定回路、いわゆ
る無抵抗電流計(zero resistance ammerter)24を接
続させ、前記第2の電極22と第3の電極23間には、
該電極側に影響を与えずに信号電圧を測定し得る入力イ
ンピーダンスが非常に大きいアンプ回路、ここではバッ
ファー回路25を接続させてある。
【0019】従って、この態様の場合、前記第1の電極
21と第2の電極22間には、それぞれの各電極表面の
腐食の進行程度に応じたカップリング電流(結合電流:
me an)aを生じ、該カップリング電流aは、前記無抵
抗電流計24によって測定され、且つ後述する信号処理
をなした上で、コンピュータ71のデータ記憶部72に
時系列で蓄積される。
【0020】このとき、電気化学的電流ノイズ(In
bについては、前記カップリング電流aの変動をフィル
ター回路、特にバンドパスフィルター回路26によっ
て、その低周波数領域、特に1Hz程度以下の周波数領
域、好ましくは0.01〜1Hz程度の周波数領域の電
流変動を測定して得ることができ、該測定された電気化
学的電流ノイズbもまた後述する信号処理をなした上
で、コンピュータ71のデータ記憶部72に時系列で蓄
積される。ここで、この電気化学的電流ノイズbは、コ
ンピュータ71に取り込まれたカップリング電流aをし
かるべく演算処理し、その標準偏差を求めることによっ
ても同様に得られる。
【0021】一方、電気化学的電位ノイズ(Vn )cに
ついては、前記第2の電極22と第3の電極23間の電
位差(Vmean)を前記バッファー回路25によって測定
すると共に、この電位差の変動をフィルター回路、特に
バンドパスフィルター回路27によって、その低周波数
領域、特に1Hz程度以下の周波数領域、好ましくは
0.01〜1Hz程度の周波数領域の電位差変動を測定
して得ることができ、該測定された電気化学的電位ノイ
ズcもまた後述する信号処理をなした上で、コンピュー
タ71のデータ記憶部72に時系列で蓄積される。ここ
でも、この電気化学的電位ノイズcは、前記電位差を直
接コンピュータ71に取り込んでしかるべく演算処理
し、その標準偏差を求めることによっても同様に得られ
る。
【0022】次に、前記各測定データ信号(電流および
電圧の各測定データ)をコンピュータ61に入力するま
でのデータ処理の具体的な回路手段の詳細を図2
(a)、(b)および図3(a)、(b)に示す。
【0023】図2(a)、(b)は、同上データ処理回
路をアナログ回路によって構成したときの一例である。
この場合、先ず、前記電流信号、即ち、前記第1の電極
21と第2の電極22間のカップリング電流aは、同図
(a)にみられるように、無抵抗電流計24によって測
定されると共に、その電流信号の一方は、信号の2乗平
均を求めるRMS回路→求めた信号を直流に変換するD
C回路→直流に変換された信号を対数に変換するLOG
回路からなるコンバータ(以下、対数コンバータとい
う)31によって対数変換され、さらに、アナログ/デ
ジタルコンバータ(以下、A/Dコンバータという)3
2によってデジタル変換された後、前記コンピュータ7
1にカップリング電流(Imean)aとして入力され、電
流信号の他方は、バンドパスフィルター回路26によっ
て1Hz程度以下の周波数成分が取り出された上で、同
様に対数コンバータ41によって対数変換され、さら
に、A/Dコンバータ42によってデジタル変換された
後、前記コンピュータ71に電気化学的電流ノイズ(I
n )bとして入力される。
【0024】次いで、前記電圧信号、即ち、前記第2の
電極22と第3の電極23間の電位差は、同図(b)に
みられるように、バッファー回路25によって測定さ
れ、且つこの信号からバンドパスフィルター回路27に
よって1Hz程度以下の周波数成分が取り出された上
で、ここでも、対数コンバータ51によって対数変換さ
れ、さらに、A/Dコンバータ52によってデジタル変
換された後、前記コンピュータ71に電気化学的電位ノ
イズ(Vn )cとして入力される。
【0025】一方、図3(a)、(b)は、前記図2
(a)、(b)のアナログ回路構成に対応してデータ処
理回路をデジタル回路で構成したときの一例で、図中、
同一符号は同一または相当部分を示しており、該デジタ
ル回路構成によっても同様な作用が得られる。
【0026】また、前記金属表面と同一材質の金属片を
同一腐食条件下で測定して得た腐食測定データ、即ち、
例えば、前記図1において、前記金属表面と同一材質の
金属からなる試料試験片(細片クーポン)61を用い、
該試料試験片61を前記腐食測定容器11内の腐食性溶
液12中に同一腐食条件下で一定時間浸漬した後、これ
を取り出して、そのときの腐食減量を質量測定器62に
よって測定した質量測定データから求めた腐食度dにつ
いても前記コンピュータ71のデータ記憶部72に蓄積
させる。
【0027】而して、前記コンピュータ71において
は、図1に示されている如く、前記データ記憶部72に
蓄積されているそれぞれの各測定データ、つまり、前記
カップリング電流(Imean)aと、電気化学的電流ノイ
ズ(In )bおよび電気化学的電位ノイズ(Vn )c
と、それに腐食度dとの各測定データに基づき、次の
(1)、(2)、(3)式によって対応するそれぞれの
各腐食係数K1、K2、K3 を算出する。
【0028】第1の腐食係数K1 の算出(算出過程7
3)
【式1】 ここで、Cn は、腐食溶液12中に金属試料試験片61
を所定時間浸漬したときの腐食度(mm)dであり、Σ
meanは、腐食度(d)Cn に対応した時間(所定時
間)に相当するImeanの蓄積量(アンペア)である。
【0029】第2の腐食係数K2 の算出(算出過程7
4)
【式2】 ここで、ΣIn /Vn は、腐食度Cn に対応した時間
(所定時間)に相当するIn (電気化学的電流ノイズ
b)/Vn (電気化学的電位ノイズc)の比の蓄積量
(アンペア/ボルト)である。
【0030】第3の腐食係数K3 の算出(算出過程7
5)
【式3】 ここで、ΣIn と、ΣImeanおよびΣVn とは、腐食度
(d)Cn に対応した時間(所定時間)に相当するIn
(電気化学的電流ノイズb)の蓄積量(アンペア)と、
mean(カップリング電流a)の蓄積量(アンペア)お
よびVn (電気化学的電位ノイズc)の蓄積量(ボル
ト)である。
【0031】次に、前記算出したそれぞれの各腐食係数
1、K2、K3 を用いることで、特定の時間周期毎に測
定したImean(カップリング電流a)と、In (電気化
学的電流ノイズb)およびVn (電気化学的電位ノイズ
c)の各測定データに基づき、次の(4)、(5)、
(6)式によって対応するそれぞれの各腐食速度(mm
/年)C1、C2、C3 を算出する。
【0032】第1の腐食速度C1 の算出(算出過程7
6)
【式4】
【0033】第2の腐食速度C2 の算出(算出過程7
7)
【式5】
【0034】第3の腐食速度C3 の算出(算出過程7
8)
【式6】
【0035】さらに、前記算出した各腐食速度(mm/
年)C1、C2、C3 を算術平均した値を平均腐食速度C
4 として算出する。
【0036】平均腐食速度C4 の算出(算出過程79)
【式7】
【0037】ここで、以上のようにして得られる腐食速
度C1、C2、C3 および平均腐食速度C4 の推移は、C
RT101の画面上および/またはプリンター102の
プリントアウトとして出力表示され、同様に前記腐食速
度の瞬時値や、それを時系列で表わすトレンド値の推移
についても出力表示させ得る。
【0038】一方、前記出力表示には、腐食速度C1
2、C3 および平均腐食速度C4 に加えて、カップリ
ング電流(Imean)aと、電気化学的電流ノイズ(I
n )bおよび電気化学的電位ノイズ(Vn )cとの各測
定データの瞬時値や、それを時系列で表わしたトレンド
値の推移や、その累積値などをも各別もしくわ相互に関
連付けて表示させることもできる。
【0039】本実施形態例では、前記のようにして得た
各腐食速度(mm/年)C1、C2、C3 の各データまた
はその平均腐食速度C4 のデータの結果に基づき、該デ
ータを本プロセスの所望とする腐食速度の目標値と対比
した上で、該目標値との差異から条件変更量を求めて腐
食条件の変更をなし、本プロセスを良好な状態に維持し
て腐食管理を行なうものである。
【0040】図4には、本実施形態例における腐食管理
支援のための信号処理の一例を示してある。
【0041】即ち、本実施形態例では、図4に示されて
いるように、前記各腐食速度(mm/年)C1、C2、C
3 の各データまたはその平均腐食速度C4 のデータを腐
食目標値比較部81に取り込んで目標値と対比する。ま
た、条件変更算出部82には、予め腐食メカニズムを検
討した結果での対処法、つまりプロセス変更条件が蓄積
されている。
【0042】ここで、前記腐食目標値比較部81での対
比結果により、先ず、前記条件変更算出部82に蓄積さ
れた情報に対応してプロセス条件変更部91への変更情
報がCRT92またはプリンター(図示せず)に出力表
示される。次いで、条件設定値変更部93においては、
出力表示の結果に基づいてプロセスの条件変更量の設定
値を手動的に変更するか、または、前記条件変更算出部
82から取り入れた算出結果に対応して自動的に変更
し、この変更量信号を制御部83を介した上で前記プロ
セス条件変更部91に送り、該プロセス条件変更部91
によってプロセスにおける条件変更が実行されるのであ
る。
【0043】その後、前記プロセスの条件変更に伴い、
該変更に対応した腐食性溶液12が腐食測定容器11内
に供給されて腐食条件が是正且つ緩和され、該プロセス
と同一腐食条件下で前記と同様な腐食測定が行なわれ
て、プロセス自体が良好な状態に維持されるのである。
【0044】次に、上記実施態様例を適用した実質的且
つ具体的な装置構成と実験例とについて述べる。
【0045】図5は、本具体例による装置構成の概要を
模式的に示す説明図であり、また、図6は、同上実験結
果の一例を示すグラフである。
【0046】ここでは、図5に示す製品タンク201を
測定対象とし、該製品タンク201の金属製天板202
に対し、本腐食測定装置(電気化学的ノイズ測定装置)
を付設して腐食性ガスによる該金属製天板202の腐食
測定を行なった。ここで、前記製品タンク201につい
ては、製品中に含まれる腐食性ガスによる腐食防止のた
め、構成の場合、内部に窒素ガスを5m3 /hr程度吹
き込みシールすることで、その腐食の調整をなしてい
る。なお、この図4中、符号203は、製品タンク20
1の付帯設備である。
【0047】即ち、前記製品タンク201内に対して、
前記図1に示した如く、前記分極抵抗測定法を適用し
て、金属製天板202の内部金属表面と同一金属材質の
3個の電極21、22、23を配置し、且つ内部に腐食
性ガスを導入した上で、先に述べたように、カップリン
グ電流(Imean)a、電気化学的電流ノイズ(In )b
および電気化学的電位ノイズ(Vn )cをそれぞれに測
定した。一方、前記質量減少測定法を適用して、前記金
属表面と同一金属材質の試料試験片61を同一腐食条件
下に曝らし、一定時間経過後、その腐食減量を質量測定
して、該質量測定データから腐食度dを求めた。
【0048】その後、前記(1)、(2)、(3)式で
演算処理して腐食係数K1、K2、K3 をそれぞれに求
め、且つ前記(4)、(5)、(6)と(7)式で演算
処理して平均腐食速度(mm/年)C4 を求めた。その
結果を図6のグラフに示す。
【0049】この図6のグラフから明らかなように、本
腐食測定手段を用いた場合の腐食速度は、平均して約
0.3〜0.4mm/年であり、ここでは、リアルタイ
ムでの腐食測定が容易に可能である。一方、これに対し
て質量減少測定法による腐食速度は、平均して約0.3
〜0.4mm/年であって、ほぼ同様の結果であった。
【0050】そして、この場合、前記腐食速度(mm/
年)C1、C2、C3 または平均腐食速度(mm/年)C
4 が、前記腐食目標値比較部81に入力されて目標値と
対比され、その対比結果のデータ、ここではプロセス条
件の変更データが前記条件変更算出部82に送られると
共に、該プロセス条件の変更データがCRT92に出力
表示される。
【0051】その後、前記条件設定値変更部93によっ
てプロセス条件の変更、つまり、前記製品タンク201
内にシールガスとして吹き込んでいる窒素ガスのフィー
ド量を、例えば、5m3 /hrから40m3 /hrに増
加させることで平均腐食速度(mm/年)C4 の調整を
なした。その結果、図6のグラフに示されているよう
に、該腐食速度が約0.1〜0.15mm/年に減少す
ることが確認された。
【0052】
【発明の効果】以上、実施態様例によって詳述したよう
に、本発明によれば、金属材質の腐食測定に適用する腐
食測定装置において、腐食測定対象の金属表面と同一も
しくはほぼ同一材質の複数個の金属電極を同一もしくは
ほぼ同一の腐食条件下に曝らした状態で、各金属電極間
のカップリング電流および電気化学的電流ノイズをそれ
ぞれに測定して、該測定された各電流測定データを時系
列で蓄積すると共に、これらのカップリング電流と電気
化学的電流ノイズを取り出して比較することで、該各電
流測定データから腐食速度を算出し、さらに、該算出さ
れた腐食速度データに基づいて腐食条件の設定変更を行
なうようにしたから、該当金属材質の全面腐食および局
所腐食を容易に測定し得て、該全面腐食および局所腐食
の状態を信頼性よく工業的にも有利に管理し且つ支援で
きるという優れた特長を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態例を含む腐食測定装置の全体
構成の概要を示すブロック図である。
【図2】(a)、(b)は、同上装置における電流、電
圧の各測定データ信号の処理回路をアナログ回路で構成
したときの一例を示すブロック図である。
【図3】(a)、(b)は、同上装置における電流、電
圧の各測定データ信号の処理回路をデジタル回路で構成
したときの一例を示すブロック図である。
【図4】本実施形態例における腐食管理支援のための信
号処理の一例を示すブロック図である。
【図5】本実施態様例を含む具体化された腐食測定装置
の概要を模式的に示す説明図である。
【図6】同上実験結果の一例を示すグラフである。
【符号の説明】
11 腐食測定容器 12 腐食性溶液 21、22、23 電極 24 無抵抗電流計 25 バッファー回路 26、27 バンドパスフィルター回路 31、41、51 対数コンバータ 32、42、52 A/Dコンバータ 61 試料試験片(細片クーポン) 62 質量測定器 71 コンピュータ 72 データ記憶部 73 第1の腐食係数K1 の算出過程 74 第2の腐食係数K2 の算出過程 75 第3の腐食係数K3 の算出過程 76 第1の腐食速度C1 の算出過程 77 第2の腐食速度C2 の算出過程 78 第3の腐食速度C3 の算出過程 79 平均腐食速度C4 の算出過程 81 腐食目標値比較部 82 条件変更算出部 83 制御部 91 プロセス条件変更部 92 CRT 93 条件設定値変更部 101 CRT 102 プリンター 201 製品タンク 202 製品タンクの金属製天板 203 製品タンクの付帯設備 a カップリング電流(Imean) b 電気化学的電流ノイズ(In ) c 電気化学的電位ノイズ(Vn ) d 腐食度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森田 謙司 福岡県北九州市八幡西区黒崎城石1番1号 三菱化学株式会社黒崎事業所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 腐食測定対象の金属表面と同一もしくは
    ほぼ同一材質の複数個の電極を同一もしくはほぼ同一の
    腐食条件下に曝らした状態で、該各電極間のカップリン
    グ電流および電気化学的電流ノイズをそれぞれに測定す
    る腐食電流測定手段と、 前記腐食電流測定手段で測定されたカップリング電流お
    よび電気化学的電流ノイズの各電流測定データを取り入
    れて、該電流測定データを時系列に蓄積するデータ記憶
    手段と、 前記データ記憶手段に時系列で蓄積された各電流測定デ
    ータを取り出し、該取り出されたカップリング電流およ
    び電気化学的電流ノイズの各電流測定データから腐食速
    度を算出する腐食速度算出手段と、 前記腐食速度算出手段で算出された腐食速度データに基
    づいて前記腐食条件の設定変更を行なう腐食条件変更手
    段とを備えることを特徴とする金属材質の腐食管理支援
    装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001208713A (ja) * 2000-01-26 2001-08-03 Mitsubishi Chemicals Corp 非水系有機液中における腐食測定方法及びその測定装置
JP2002286623A (ja) * 2001-03-23 2002-10-03 Mitsubishi Chemicals Corp 腐食測定装置
JP2002286622A (ja) * 2001-03-23 2002-10-03 Mitsubishi Chemicals Corp 金属材質の腐食測定装置
CN106153528A (zh) * 2016-08-31 2016-11-23 吴涛 一种金属面腐蚀检测仪及其测量方法

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