JPH10300373A - 蓄熱性発泡体及びその製造方法 - Google Patents
蓄熱性発泡体及びその製造方法Info
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- JPH10300373A JPH10300373A JP9123579A JP12357997A JPH10300373A JP H10300373 A JPH10300373 A JP H10300373A JP 9123579 A JP9123579 A JP 9123579A JP 12357997 A JP12357997 A JP 12357997A JP H10300373 A JPH10300373 A JP H10300373A
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08J—WORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
- C08J9/00—Working-up of macromolecular substances to porous or cellular articles or materials; After-treatment thereof
- C08J9/32—Working-up of macromolecular substances to porous or cellular articles or materials; After-treatment thereof from compositions containing microballoons, e.g. syntactic foams
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08J—WORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
- C08J9/00—Working-up of macromolecular substances to porous or cellular articles or materials; After-treatment thereof
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- C08J9/0009—Phase change materials
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 潜熱蓄熱剤が内包されたマイクロカプセルに
より蓄熱効果を発揮する蓄熱性発泡体及びその好適な製
造方法を提供する。 【解決手段】 本発明の蓄熱性発泡体は、シェル内に蓄
熱剤が内包されたマイクロカプセル及び発泡樹脂からな
る。上記発泡樹脂の材質はポリウレタンフォームであ
り、上記シェルの材質はポリオキシメチレンウレアであ
ることが好ましい。この蓄熱性発泡体は、上記発泡樹脂
と上記マイクロカプセルとを一体的に発泡成形する方
法、上記マイクロカプセルとバインダー樹脂との混合液
を上記発泡樹脂の成形体に含浸させるか或いはこの混合
液を上記発泡樹脂の成形体にコーティングする方法等に
より製造される。蓄熱効果とともにクッション性を有す
るため、枕、マットレス、シートクッション、衣類等の
用途に好適である。
より蓄熱効果を発揮する蓄熱性発泡体及びその好適な製
造方法を提供する。 【解決手段】 本発明の蓄熱性発泡体は、シェル内に蓄
熱剤が内包されたマイクロカプセル及び発泡樹脂からな
る。上記発泡樹脂の材質はポリウレタンフォームであ
り、上記シェルの材質はポリオキシメチレンウレアであ
ることが好ましい。この蓄熱性発泡体は、上記発泡樹脂
と上記マイクロカプセルとを一体的に発泡成形する方
法、上記マイクロカプセルとバインダー樹脂との混合液
を上記発泡樹脂の成形体に含浸させるか或いはこの混合
液を上記発泡樹脂の成形体にコーティングする方法等に
より製造される。蓄熱効果とともにクッション性を有す
るため、枕、マットレス、シートクッション、衣類等の
用途に好適である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は蓄熱性発泡体及びそ
の製造方法に関し、詳しくは、潜熱蓄熱剤が内包された
マイクロカプセルにより蓄熱効果を発揮する蓄熱性発泡
体及びその製造方法に関する。
の製造方法に関し、詳しくは、潜熱蓄熱剤が内包された
マイクロカプセルにより蓄熱効果を発揮する蓄熱性発泡
体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】潜熱蓄熱剤が内包されたマイクロカプセ
ルを蓄熱材として使用することは公知である。例えば、
特開平7−70943号公報には、このような蓄熱材を
バインダー樹脂により付着させた、吸発熱性を有する布
が開示されている。また、特開平6−235592号公
報には、上記蓄熱材を組み入れた繊維状構造物、及び上
記蓄熱材を溶融ゴムに混合したのち成形してなる潜水服
が開示されている。
ルを蓄熱材として使用することは公知である。例えば、
特開平7−70943号公報には、このような蓄熱材を
バインダー樹脂により付着させた、吸発熱性を有する布
が開示されている。また、特開平6−235592号公
報には、上記蓄熱材を組み入れた繊維状構造物、及び上
記蓄熱材を溶融ゴムに混合したのち成形してなる潜水服
が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記蓄熱材を
発泡体に含有又は付着させてなる「蓄熱性発泡体」及び
その製造方法については、これまで知られていなかっ
た。本発明の目的は、潜熱蓄熱剤が内包されたマイクロ
カプセルにより蓄熱効果を発揮する蓄熱性発泡体を提供
することにある。本発明の他の目的は、上記蓄熱性発泡
体を製造する好適な方法を提供することにある。
発泡体に含有又は付着させてなる「蓄熱性発泡体」及び
その製造方法については、これまで知られていなかっ
た。本発明の目的は、潜熱蓄熱剤が内包されたマイクロ
カプセルにより蓄熱効果を発揮する蓄熱性発泡体を提供
することにある。本発明の他の目的は、上記蓄熱性発泡
体を製造する好適な方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の請求項1記載の蓄熱性発泡体は、シェル内
に潜熱蓄熱剤が内包されたマイクロカプセルと、発泡樹
脂と、からなることを特徴とする。
に、本発明の請求項1記載の蓄熱性発泡体は、シェル内
に潜熱蓄熱剤が内包されたマイクロカプセルと、発泡樹
脂と、からなることを特徴とする。
【0005】上記「発泡樹脂」の種類は特に限定され
ず、蓄熱性発泡体の用途に応じて適宜選択すればよい。
例えば、ポリスチレンフォーム、ポリエチレンフォー
ム、ポリプロピレンフォーム、塩化ビニルフォーム、ゴ
ムフォーム、EVAフォーム、ABSフォーム、ナイロ
ンフォーム、アクリルフォーム、ウレタンフォーム、フ
ェノールフォーム、ユリアフォーム、シリコンフォー
ム、エポキシフォーム等が挙げられる。このうち好まし
い発泡樹脂は請求項2に記載のポリウレタンフォームで
あり、クッション性に優れることから、軟質ポリウレタ
ンフォーム又は半硬質ポリウレタンフォームが特に好ま
しい。
ず、蓄熱性発泡体の用途に応じて適宜選択すればよい。
例えば、ポリスチレンフォーム、ポリエチレンフォー
ム、ポリプロピレンフォーム、塩化ビニルフォーム、ゴ
ムフォーム、EVAフォーム、ABSフォーム、ナイロ
ンフォーム、アクリルフォーム、ウレタンフォーム、フ
ェノールフォーム、ユリアフォーム、シリコンフォー
ム、エポキシフォーム等が挙げられる。このうち好まし
い発泡樹脂は請求項2に記載のポリウレタンフォームで
あり、クッション性に優れることから、軟質ポリウレタ
ンフォーム又は半硬質ポリウレタンフォームが特に好ま
しい。
【0006】上記「潜熱蓄熱剤」としては、蓄熱性発泡
体の用途に応じて適当な融点を有するものを選択すれば
よい。例えば、パラフィン系炭化水素、天然ワックス、
石油ワックス、ポリエチレングリコール、無機化合物の
水和物等を使用することができる。
体の用途に応じて適当な融点を有するものを選択すれば
よい。例えば、パラフィン系炭化水素、天然ワックス、
石油ワックス、ポリエチレングリコール、無機化合物の
水和物等を使用することができる。
【0007】上記「シェル」の材質としては、その耐熱
温度が上記潜熱型蓄熱剤の融点に比べて十分に、例えば
30℃以上(好ましくは50℃以上)高い材質であっ
て、蓄熱性発泡体の用途に応じた強度を有する材質を適
宜選択すればよい。例えば、メラミン樹脂、アクリル樹
脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。このうち特に好まし
い材質は、請求項3に記載のポリオキシメチレンウレア
である。
温度が上記潜熱型蓄熱剤の融点に比べて十分に、例えば
30℃以上(好ましくは50℃以上)高い材質であっ
て、蓄熱性発泡体の用途に応じた強度を有する材質を適
宜選択すればよい。例えば、メラミン樹脂、アクリル樹
脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。このうち特に好まし
い材質は、請求項3に記載のポリオキシメチレンウレア
である。
【0008】マイクロカプセルの好ましい外径は1〜5
00μmであり、より好ましくは5〜100μmであ
る。また、内包される潜熱蓄熱剤の量は、蓄熱効果の点
からは多いほうが好ましいが、多すぎると潜熱蓄熱剤の
体積変化によりマイクロカプセルが破損する恐れがあ
る。このため、マイクロカプセル全体の重量に対する潜
熱蓄熱剤の量は、30〜90重量%とすることが好まし
く、60〜80重量%とすることがより好ましい。
00μmであり、より好ましくは5〜100μmであ
る。また、内包される潜熱蓄熱剤の量は、蓄熱効果の点
からは多いほうが好ましいが、多すぎると潜熱蓄熱剤の
体積変化によりマイクロカプセルが破損する恐れがあ
る。このため、マイクロカプセル全体の重量に対する潜
熱蓄熱剤の量は、30〜90重量%とすることが好まし
く、60〜80重量%とすることがより好ましい。
【0009】マイクロカプセルの製造方法としては、界
面重合法、in-situ 重合法、コアセルベート法等の従来
公知の製造方法から、潜熱蓄熱剤及びシェルの材質等に
応じて適切な方法を選択すればよい。
面重合法、in-situ 重合法、コアセルベート法等の従来
公知の製造方法から、潜熱蓄熱剤及びシェルの材質等に
応じて適切な方法を選択すればよい。
【0010】上記マイクロカプセルは、蓄熱性発泡体の
全体重量に対して20〜80重量%含有されることが好
ましく、25〜75重量%であることがより好ましい。
マイクロカプセルの含有量が20重量%未満では蓄熱効
果が不十分となる場合がある。一方、マイクロカプセル
の含有量が80重量%を超えると、蓄熱性発泡体の強度
及びクッション性が低下するため好ましくない。
全体重量に対して20〜80重量%含有されることが好
ましく、25〜75重量%であることがより好ましい。
マイクロカプセルの含有量が20重量%未満では蓄熱効
果が不十分となる場合がある。一方、マイクロカプセル
の含有量が80重量%を超えると、蓄熱性発泡体の強度
及びクッション性が低下するため好ましくない。
【0011】本発明の蓄熱性発泡体を製造する好適な方
法の一つは、請求項4に記載のように、上記発泡樹脂と
上記マイクロカプセルとを一体的に発泡成形する方法で
ある。例えば上記発泡樹脂がポリウレタンフォームであ
る場合、原料であるポリウレタン、発泡剤及び硬化剤等
とマイクロカプセルとを混合した後に加熱等により発泡
させる。この発泡方法としては一段階発泡でも二段階発
泡でもよく、更に他の発泡方法であってもよい。
法の一つは、請求項4に記載のように、上記発泡樹脂と
上記マイクロカプセルとを一体的に発泡成形する方法で
ある。例えば上記発泡樹脂がポリウレタンフォームであ
る場合、原料であるポリウレタン、発泡剤及び硬化剤等
とマイクロカプセルとを混合した後に加熱等により発泡
させる。この発泡方法としては一段階発泡でも二段階発
泡でもよく、更に他の発泡方法であってもよい。
【0012】また、このように一体的に発泡成形する方
法によると、通常は全体にわたってほぼ均一にマイクロ
カプセルが分散された蓄熱性発泡体が得られるが、マイ
クロカプセルの濃度が場所によって異なる発泡体を得る
ことも可能である。例えば、内部に比べて表面付近にマ
イクロカプセルを多く含む発泡体を製造する場合には、
成形体の内表面にマイクロカプセルを付着させるか或い
はマイクロカプセルを高濃度で含有するポリウレタンを
塗布した後、この成形体にマイクロカプセルを含まない
か或いは低濃度で含有するポリウレタンを流し込んで発
泡させればよい。
法によると、通常は全体にわたってほぼ均一にマイクロ
カプセルが分散された蓄熱性発泡体が得られるが、マイ
クロカプセルの濃度が場所によって異なる発泡体を得る
ことも可能である。例えば、内部に比べて表面付近にマ
イクロカプセルを多く含む発泡体を製造する場合には、
成形体の内表面にマイクロカプセルを付着させるか或い
はマイクロカプセルを高濃度で含有するポリウレタンを
塗布した後、この成形体にマイクロカプセルを含まない
か或いは低濃度で含有するポリウレタンを流し込んで発
泡させればよい。
【0013】本発明の蓄熱性発泡体を製造する他の方法
は、請求項5に記載のように、上記マイクロカプセルと
バインダー樹脂との混合液を上記発泡樹脂の成形体に含
浸させる方法である。具体的には、例えば上記成形体を
上記混合液に浸漬した後、ロールによる絞り出し又はプ
レスによる圧縮を行う等の方法によればよい。
は、請求項5に記載のように、上記マイクロカプセルと
バインダー樹脂との混合液を上記発泡樹脂の成形体に含
浸させる方法である。具体的には、例えば上記成形体を
上記混合液に浸漬した後、ロールによる絞り出し又はプ
レスによる圧縮を行う等の方法によればよい。
【0014】また、本発明の蓄熱性発泡体を製造する更
に他の方法は、請求項6に記載のように、上記マイクロ
カプセルとバインダー樹脂との混合液を上記発泡樹脂の
成形体にコーティングする方法である。このコーティン
グ方法としては、スプレー塗布、ロールコータ、刷毛塗
り、ドクターロール等の従来公知の方法を用いればよ
い。
に他の方法は、請求項6に記載のように、上記マイクロ
カプセルとバインダー樹脂との混合液を上記発泡樹脂の
成形体にコーティングする方法である。このコーティン
グ方法としては、スプレー塗布、ロールコータ、刷毛塗
り、ドクターロール等の従来公知の方法を用いればよ
い。
【0015】含浸又はコーティングによる上記製造方法
における「バインダー樹脂」としては、ポリオレフィン
系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリ
ル系樹脂、天然ゴム及び合成ゴム等から選択される一種
又は二種以上を使用可能である。このうち、アクリル系
樹脂、天然ゴム又は合成ゴムを用いることが好ましい。
また、上記「混合液」においてバインダー樹脂は、バイ
ンダー樹脂エマルジョンとしてマイクロカプセルと混合
されていることが好ましい。
における「バインダー樹脂」としては、ポリオレフィン
系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリ
ル系樹脂、天然ゴム及び合成ゴム等から選択される一種
又は二種以上を使用可能である。このうち、アクリル系
樹脂、天然ゴム又は合成ゴムを用いることが好ましい。
また、上記「混合液」においてバインダー樹脂は、バイ
ンダー樹脂エマルジョンとしてマイクロカプセルと混合
されていることが好ましい。
【0016】上記バインダー樹脂とマイクロカプセルと
の割合は、固形分の重量比で1:4〜4:1の範囲とす
ることが好ましく、1:3〜3:1の範囲とすることが
好ましい。マイクロカプセルの割合が上記範囲未満では
蓄熱効果が不十分となる場合がある。一方、マイクロカ
プセルの割合が上記範囲を超えると、バインダー樹脂と
マイクロカプセルとから形成された層が発泡樹脂成形体
から剥離する恐れがあり、また蓄熱性発泡体の触感も固
くなるため好ましくない。
の割合は、固形分の重量比で1:4〜4:1の範囲とす
ることが好ましく、1:3〜3:1の範囲とすることが
好ましい。マイクロカプセルの割合が上記範囲未満では
蓄熱効果が不十分となる場合がある。一方、マイクロカ
プセルの割合が上記範囲を超えると、バインダー樹脂と
マイクロカプセルとから形成された層が発泡樹脂成形体
から剥離する恐れがあり、また蓄熱性発泡体の触感も固
くなるため好ましくない。
【0017】本発明の蓄熱性発泡体は、この発泡体が蓄
熱性とともにクッション性を有するという特長を利用し
て、枕、マットレス、シートクッション、衣類等として
好適に用いられる。上記用途に用いる場合、潜熱蓄熱剤
の融点は体温よりもやや低い温度、例えば10〜35℃
(より好ましくは15〜30℃)とすることが好まし
い。この範囲の融点を有する潜熱蓄熱剤の例としては、
オクタデカン(融点28℃)、ヘキサデカン(融点18
℃)等のパラフィンワックスが挙げられる。また、上記
潜熱蓄熱剤は室温等と体温等との間の温度変化にともな
って固化又は融解することにより蓄熱効果を発揮するの
で、半永久的に使用することが可能である。
熱性とともにクッション性を有するという特長を利用し
て、枕、マットレス、シートクッション、衣類等として
好適に用いられる。上記用途に用いる場合、潜熱蓄熱剤
の融点は体温よりもやや低い温度、例えば10〜35℃
(より好ましくは15〜30℃)とすることが好まし
い。この範囲の融点を有する潜熱蓄熱剤の例としては、
オクタデカン(融点28℃)、ヘキサデカン(融点18
℃)等のパラフィンワックスが挙げられる。また、上記
潜熱蓄熱剤は室温等と体温等との間の温度変化にともな
って固化又は融解することにより蓄熱効果を発揮するの
で、半永久的に使用することが可能である。
【0018】以下、本発明の蓄熱性発泡体の作用を説明
する。 (1)枕への利用例 夏期において、室温25℃程度の使用環境を想定する。
人体頭部の温度は36℃程度であるので、蓄熱効果をも
たない従来の発泡体からなる枕を用いた場合、頭部と接
する部分の枕の温度は使用時間とともに図1の点線に示
すように推移する。一方、例えば融点28℃の潜熱蓄熱
剤を内包するマイクロカプセルを含む本発明の蓄熱性発
泡体からなる枕では、頭部と接する部分の枕の温度変化
は図1の実線で示すようになる。即ち、枕の温度が上昇
する過程において、枕の温度は潜熱蓄熱剤の融点温度に
一定時間保たれるので、従来の発泡体に比べて長く頭部
が涼しい状態に保たれるため、快適に眠りにつくことが
できる。
する。 (1)枕への利用例 夏期において、室温25℃程度の使用環境を想定する。
人体頭部の温度は36℃程度であるので、蓄熱効果をも
たない従来の発泡体からなる枕を用いた場合、頭部と接
する部分の枕の温度は使用時間とともに図1の点線に示
すように推移する。一方、例えば融点28℃の潜熱蓄熱
剤を内包するマイクロカプセルを含む本発明の蓄熱性発
泡体からなる枕では、頭部と接する部分の枕の温度変化
は図1の実線で示すようになる。即ち、枕の温度が上昇
する過程において、枕の温度は潜熱蓄熱剤の融点温度に
一定時間保たれるので、従来の発泡体に比べて長く頭部
が涼しい状態に保たれるため、快適に眠りにつくことが
できる。
【0019】(2)マットレスへの利用例 冬期において、室温15℃程度の使用環境を想定する。
例えば融点18℃の潜熱蓄熱剤を内包するマイクロカプ
セルを含む本発明の蓄熱性発泡体からなるマットレスを
予め電気毛布等により18℃以上に温めた後に使用すれ
ば、このマットレスの温度が潜熱蓄熱剤の融点温度に一
定期間保たれるので、体温によって温まるまでの間マッ
トレスを室温よりも温かい状態に維持することができ
る。また、就寝時には電気毛布等の電源を切ることがで
きるため、消費電力を節約できるとともに安全である。
例えば融点18℃の潜熱蓄熱剤を内包するマイクロカプ
セルを含む本発明の蓄熱性発泡体からなるマットレスを
予め電気毛布等により18℃以上に温めた後に使用すれ
ば、このマットレスの温度が潜熱蓄熱剤の融点温度に一
定期間保たれるので、体温によって温まるまでの間マッ
トレスを室温よりも温かい状態に維持することができ
る。また、就寝時には電気毛布等の電源を切ることがで
きるため、消費電力を節約できるとともに安全である。
【0020】尚、蓄熱性発泡体の温度が潜熱蓄熱剤の融
点温度に保たれる時間の長さは、この発泡体が含有する
マイクロカプセルの量、各マイクロカプセルに内包され
た潜熱蓄熱剤の量、マイクロカプセルから発泡体外部へ
の熱伝導率等により調節可能である。
点温度に保たれる時間の長さは、この発泡体が含有する
マイクロカプセルの量、各マイクロカプセルに内包され
た潜熱蓄熱剤の量、マイクロカプセルから発泡体外部へ
の熱伝導率等により調節可能である。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、実施例及び応用例により本
発明を具体的に説明する。
発明を具体的に説明する。
【0022】(実施例1)Frisby Technologies 社の商
品名「THERMASORB 83 」を用いて、マイクロカプセルの
含有量と蓄熱効果との関係を検討した。このマイクロカ
プセルは、ポリオキシメチレンウレアからなるシェル
に、融点28℃の潜熱蓄熱剤がマイクロカプセルの全体
重量に対して75重量%内包されたものであって、その
平均粒径は28μmである。ポリウレタンフォーム(株
式会社イノアックコーポレーション製、商品名「カラー
フォームUEM−35」)の表面に下記表1に示す組成
の混合液を、面積当たりの塗布量が固形分で500g/
m3 となるように刷毛塗りして、蓄熱性発泡体の試験片
1〜4を作成した。尚、バインダー樹脂エマルジョンと
しては、固形分45重量%のアクリル樹脂エマルジョン
(日本合成ゴム株式会社製、商品名「AE−934」)
を用いた。
品名「THERMASORB 83 」を用いて、マイクロカプセルの
含有量と蓄熱効果との関係を検討した。このマイクロカ
プセルは、ポリオキシメチレンウレアからなるシェル
に、融点28℃の潜熱蓄熱剤がマイクロカプセルの全体
重量に対して75重量%内包されたものであって、その
平均粒径は28μmである。ポリウレタンフォーム(株
式会社イノアックコーポレーション製、商品名「カラー
フォームUEM−35」)の表面に下記表1に示す組成
の混合液を、面積当たりの塗布量が固形分で500g/
m3 となるように刷毛塗りして、蓄熱性発泡体の試験片
1〜4を作成した。尚、バインダー樹脂エマルジョンと
しては、固形分45重量%のアクリル樹脂エマルジョン
(日本合成ゴム株式会社製、商品名「AE−934」)
を用いた。
【0023】
【表1】
【0024】各試験片につきJIS A 1413に規
定する平板比較法により断熱率を測定した。その結果
を、混合液を塗布しないポリウレタンフォームの断熱率
を1とした比率として、表1に併せて示す。
定する平板比較法により断熱率を測定した。その結果
を、混合液を塗布しないポリウレタンフォームの断熱率
を1とした比率として、表1に併せて示す。
【0025】表1から判るように、混合液を塗布しない
ポリウレタンフォームと比較して、試験片1〜4はいず
れも断熱率が向上しており、蓄熱効果があることを示し
ている。また、試験片1から4にかけて、バインダー樹
脂に対するマイクロカプセルの割合が増すにつれて断熱
率が高くなっている。
ポリウレタンフォームと比較して、試験片1〜4はいず
れも断熱率が向上しており、蓄熱効果があることを示し
ている。また、試験片1から4にかけて、バインダー樹
脂に対するマイクロカプセルの割合が増すにつれて断熱
率が高くなっている。
【0026】(応用例1)実施例1で用いたマイクロカ
プセルを50重量%含有するポリウレタンフォームを用
いて、本発明の蓄熱性発泡体からなるシートクッション
を作成した。また、比較のために、マイクロカプセルを
含有しないポリウレタンフォームにより同形状のシート
クッションを作成した。各シートクッションを26℃の
室内に120分間放置した後、その上に腰掛けてシート
クッションが温まるまでの時間を比較した。その結果、
本発明の蓄熱性発泡体を用いたシートクッションでは、
涼感がより長く保たれることが体感された。
プセルを50重量%含有するポリウレタンフォームを用
いて、本発明の蓄熱性発泡体からなるシートクッション
を作成した。また、比較のために、マイクロカプセルを
含有しないポリウレタンフォームにより同形状のシート
クッションを作成した。各シートクッションを26℃の
室内に120分間放置した後、その上に腰掛けてシート
クッションが温まるまでの時間を比較した。その結果、
本発明の蓄熱性発泡体を用いたシートクッションでは、
涼感がより長く保たれることが体感された。
【0027】(応用例2)実施例1で用いたポリウレタ
ンフォームを枕状に成形し、これに試験片3の作成に用
いた混合液を含浸させて、本発明の蓄熱性発泡体からな
る枕を作成した。この枕は、全体重量に対して30重量
%のマイクロカプセルを含有する。また、比較のため
に、マイクロカプセルを含有しないポリウレタンフォー
ムにより同形状の枕を作成した。各枕を20℃の室内に
120分間放置した後、その上に頭を載せて枕が温まる
までの時間を比較した。その結果、本発明の蓄熱性発泡
体を用いた枕では、涼感がより長く保たれることが体感
された。
ンフォームを枕状に成形し、これに試験片3の作成に用
いた混合液を含浸させて、本発明の蓄熱性発泡体からな
る枕を作成した。この枕は、全体重量に対して30重量
%のマイクロカプセルを含有する。また、比較のため
に、マイクロカプセルを含有しないポリウレタンフォー
ムにより同形状の枕を作成した。各枕を20℃の室内に
120分間放置した後、その上に頭を載せて枕が温まる
までの時間を比較した。その結果、本発明の蓄熱性発泡
体を用いた枕では、涼感がより長く保たれることが体感
された。
【0028】尚、本発明においては、前記具体的実施例
に示すものに限られず、目的、用途に応じて本発明の範
囲内で種々変更した実施例とすることができる。
に示すものに限られず、目的、用途に応じて本発明の範
囲内で種々変更した実施例とすることができる。
【0029】
【発明の効果】本発明の蓄熱性発泡体は、潜熱蓄熱剤が
内包されたマイクロカプセル及び発泡樹脂からなるの
で、蓄熱性とともにクッション性を有する。従って、例
えば枕、マットレス、シートクッション、衣類等の用途
に好適である。また、本発明の蓄熱性発泡体の製造方法
によると、この蓄熱性発泡体を容易に製造することがで
きる。
内包されたマイクロカプセル及び発泡樹脂からなるの
で、蓄熱性とともにクッション性を有する。従って、例
えば枕、マットレス、シートクッション、衣類等の用途
に好適である。また、本発明の蓄熱性発泡体の製造方法
によると、この蓄熱性発泡体を容易に製造することがで
きる。
【図1】本発明の蓄熱性発泡体からなる枕と、蓄熱効果
をもたない従来の発泡体からなる枕との、使用時におけ
る温度変化を示す模式的説明図である。
をもたない従来の発泡体からなる枕との、使用時におけ
る温度変化を示す模式的説明図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 シェル内に潜熱蓄熱剤が内包されたマイ
クロカプセルと、発泡樹脂と、からなることを特徴とす
る蓄熱性発泡体。 - 【請求項2】 上記発泡樹脂はポリウレタンフォームで
ある請求項1記載の蓄熱性発泡体。 - 【請求項3】 上記シェルはポリオキシメチレンウレア
である請求項1又は2記載の蓄熱性発泡体。 - 【請求項4】 上記発泡樹脂は上記マイクロカプセルと
一体的に発泡成形されることを特徴とする、請求項1、
2又は3記載の蓄熱性発泡体の製造方法。 - 【請求項5】 上記マイクロカプセルとバインダー樹脂
との混合液を上記発泡樹脂の成形体に含浸させることを
特徴とする、請求項1、2又は3記載の蓄熱性発泡体の
製造方法。 - 【請求項6】 上記マイクロカプセルとバインダー樹脂
との混合液を上記発泡樹脂の成形体にコーティングする
ことを特徴とする、請求項1、2又は3記載の蓄熱性発
泡体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9123579A JPH10300373A (ja) | 1997-04-24 | 1997-04-24 | 蓄熱性発泡体及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9123579A JPH10300373A (ja) | 1997-04-24 | 1997-04-24 | 蓄熱性発泡体及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10300373A true JPH10300373A (ja) | 1998-11-13 |
Family
ID=14864087
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9123579A Pending JPH10300373A (ja) | 1997-04-24 | 1997-04-24 | 蓄熱性発泡体及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10300373A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001040342A (ja) * | 1999-07-29 | 2001-02-13 | Mitsubishi Paper Mills Ltd | 蓄熱材マイクロカプセル |
JP2009123769A (ja) * | 2007-11-12 | 2009-06-04 | Kitagawa Ind Co Ltd | 断熱シート及び筐体 |
EP3159375A4 (en) * | 2014-06-18 | 2017-04-26 | Asahi Kasei Construction Materials Corporation | Phenol resin foam and method for manufacturing same |
CN109096529A (zh) * | 2017-06-20 | 2018-12-28 | 阿基里斯株式会社 | 具有蓄热蓄冷功能的聚氨酯发泡体 |
JP2020094205A (ja) * | 2018-12-03 | 2020-06-18 | Dic株式会社 | 蓄熱材及び蓄熱材の製造方法 |
-
1997
- 1997-04-24 JP JP9123579A patent/JPH10300373A/ja active Pending
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JP2019001973A (ja) * | 2017-06-20 | 2019-01-10 | アキレス株式会社 | 蓄熱蓄冷機能を有するポリウレタン発泡体 |
JP2020094205A (ja) * | 2018-12-03 | 2020-06-18 | Dic株式会社 | 蓄熱材及び蓄熱材の製造方法 |
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