JPH1029952A - ヒト免疫不全ウイルス感染の制御用組成物および制御方法 - Google Patents

ヒト免疫不全ウイルス感染の制御用組成物および制御方法

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JPH1029952A
JPH1029952A JP8185893A JP18589396A JPH1029952A JP H1029952 A JPH1029952 A JP H1029952A JP 8185893 A JP8185893 A JP 8185893A JP 18589396 A JP18589396 A JP 18589396A JP H1029952 A JPH1029952 A JP H1029952A
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JP8185893A
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Toru Otake
徹 大竹
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Takara Shuzo Co Ltd
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Takara Shuzo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 細胞へのHIV感染に関与する機能性物質の
制御を介してHIV感染を制御する。 【解決課題】 細胞へのHIV感染に関与する、フィブ
ロネクチンまたはそのフラブメント等の機能性物質を制
御する抗体等の物質を使用する組成物および方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒト免疫不全ウイ
ルス(HIV)の細胞への感染を制御する組成物および
方法に関する。さらに詳しくは、HIVの細胞への感染
を促進する機能性物質、該機能性物質に特異的な結合性
物質を利用するHIVの細胞への感染の制御用組成物お
よびその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】エイズはヒト免疫不全ウイルス(HI
V)のT細胞への感染により引き起こされる重篤な免疫
不全症である。エイズの臨床症状としては、T細胞の破
壊による免疫機能の低下に起因するものが主であり、カ
リニ肺炎、サイトメガロウイルス感染といった日和見感
染症や、悪性腫瘍(カポジ肉腫、悪性リンパ腫等)が代
表的である。このほかHIVの感染が直接の原因である
と言われる神経症状(HIV脳症)も観察される。HI
V感染の特徴は高い細胞特異性が見られることである。
HIVは免疫系に関与するT細胞(ヘルパーT細胞)や
マクロファージの細胞表面に発現されるCD4分子をレ
セプターとして認識して感染することが知られており、
これが免疫不全発症の最も大きな原因と考えられてい
る。エイズを治療する薬剤としては、HIV感染細胞に
作用し、ウイルスの逆転写酵素を阻害する、3′−アジ
ド−2′,3′−ジデオキシチミジンおよび2′,3′−
ジデオキシイノシンのみが国内で認可されている。国外
でも同様な作用メカニズムの薬剤が数種使用されている
が、これらの薬剤は、作用メカニズムの点からも当然で
あるが、いずれも重篤な副作用を示すため、その使用は
著しく制限されている。
【0003】また、これらの薬剤に耐性を獲得した変異
HIV株の出現も治療上の大きな問題となっている。作
用機作の異なるHIV治療薬としてウイルスを構成する
タンパクのプロセッシングに関与するプロテアーゼの阻
害剤も開発されているが、この場合も耐性株の出現とい
う問題を克服できていない。ワクチンは感染症に有効な
治療、予防法である。HIVの弱毒株や野生型のHIV
を人工的に不活化したものを取得することができればこ
れをワクチンとして利用することが期待される。しか
し、HIVの感染力は他のウイルスに比較して低く、大
量、かつ急速なHIVの継代培養が困難なことがワクチ
ンの実用化の障害の一つとなっている。HIVの細胞特
異的な感染は、HIVを遺伝子導入のためのベクターと
して利用する場合には大きな利点となる。複製能を欠損
させて感染性ウイルス粒子の産生能力を除いたHIVベ
クターはCD4発現細胞に特異的に遺伝子を導入するこ
とが可能であり、エイズの他、リンパ球系の細胞の機能
異常が原因である白血病、免疫不全症のような疾病の遺
伝子治療手段として期待されている。さらに、HIVベ
クターは現在の主流であるレトロウイルスベクターとは
異なり、非分裂細胞の染色体中にも外来遺伝子を導入で
きるという性質も有している。
【0004】上記したように、HIVの感染に関しては
細胞表面のCD4分子が極めて重要な役割を果たしてい
るが、CD4の発現が認められない細胞においてもHI
Vの感染が認められたという例が報告されている[マイ
クロバイオロジカル・レビュー(Microbiological Revi
ews)、第57巻、第183〜289頁(199
3)]。また、その一方ではCD4に加えて、それ以外
の細胞由来因子がHIVの細胞への侵入に必須であるこ
とも示されてきている[ジャーナル・オブ・ウイロロジ
ー(Jounal of Virology)、第67巻、第5939〜5
947頁(1993)]。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】HIVの細胞への感染
に関与する機能性物質の解明は、HIV感染を人為的に
コントロールすることを可能にする。本発明は、HIV
の細胞への感染に関与する機能性物質の制御を介してH
IV感染を制御する組成物および方法を提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、HIVの
細胞への感染にある特定の機能性物質が関与しているこ
とを見出した。例えば、フィブロネクチン、線維芽細胞
増殖因子あるいはこれらと実質的に同等の機能を有する
機能性物質の存在下において、HIVの細胞への感染が
制御されること、さらに、これらの機能性物質の存在下
において複製能欠損HIVベクターによる細胞への遺伝
子導入が制御できることを見い出し、本発明を完成する
に至った。
【0007】すなわち、本発明の第1の態様は、HIV
による細胞感染の制御用組成物に関し、HIVの感染に
関与する機能性物質を有効成分としてなることを特徴と
する。
【0008】感染に関与する機能性物質としては、フィ
ブロネクチンまたはフィブロネクチンのフラグメントが
使用でき、とりわけフィブロネクチンのヘパリン結合部
位を含有するポリペプチドが使用できる。例えば、配列
表の配列番号1で表されるポリペプチド、該ポリペプチ
ドの機能的同等物および該ポリペプチドまたは該ポリペ
プチドの機能的同等物を含有するポリペプチド等が好適
に使用できる。また、線維芽細胞増殖因子、該因子の機
能的同等物および該因子または該因子の機能的同等物を
含有するポリペプチドから選択される機能性物質も本発
明の方法に使用できる。例えば、配列表の配列番号4で
表されるポリペプチド、該ポリペプチドの機能的同等物
および該ポリペプチドまたは該ポリペプチドの機能的同
等物を含有するポリペプチド等が好適に使用できる。こ
れらの機能性物質は、実質的に純化された天然物を使用
しても良く、その酵素的、化学的分解物、また、これら
を遺伝子工学的に作製したものを使用してもよい。さら
に、これらの物質の機能を損なうことなく、改変された
もの(自体公知方法により化学的に修飾したもの等)も
使用することができる。
【0009】本明細書において用いる「機能的同等物」
とは以下のようなものをいう。天然に存在するタンパク
にはそれをコードする遺伝子の多形や変異の他、生成後
のタンパクの生体内および精製中の修飾反応などによっ
てそのアミノ酸配列中にアミノ酸の欠失、挿入、付加、
置換等の変異が起こりうる。しかし、このような変異が
該タンパクの活性や構造の保持に関して重要でない部分
に存在する場合には、変異を有しないタンパクと実質的
に同等の生理、生物学的活性を示すものがあることが知
られている。このように構造的に若干の差違があっても
その機能については大きな違いが認められないものを本
明細書では「機能的同等物」と呼ぶ。
【0010】上記のような変異を人為的に導入した場合
も同様であり、この場合にはさらに多種多様の変異タン
パクを作製することが可能である。例えば、ヒトインタ
ーロイキン2(IL−2)のアミノ酸配列中のあるシス
テイン残基をセリンに置換したポリペプチドがインター
ロイキン2活性を保持することが知られている[サイエ
ンス(Science)、第224巻、1431頁(198
4)]。また、ある種のタンパクは、活性には必須でな
いペプチド領域を有していることが知られている。例え
ば、細胞外に分泌されるタンパクに存在するシグナルペ
プチドや、プロテアーゼの前駆体等に見られるプロ配列
などがこれに当たり、これらの領域のほとんどは翻訳後
あるいは活性型タンパクへの転換に際して除去される。
このようなタンパクは一次構造上は異なった形で存在し
ているが、最終的には同等の機能を発現するタンパクで
ある。
【0011】遺伝子工学的にタンパクの生産を行う場合
には、目的のタンパクのアミノ末端、あるいはカルボキ
シル末端に該タンパクの活性とは無関係のペプチド鎖が
付加されることがある。例えば、目的のタンパクの発現
量を上げるために、使用される宿主中で高発現されるタ
ンパクのアミノ末端領域の一部を目的のタンパクのアミ
ノ末端に付加した融合タンパクが作製されることがあ
る。また、発現されたタンパクの精製を容易にするため
に、特定の物質に親和性を有するペプチドを目的のタン
パクのアミノ末端あるいはカルボキシル末端に付加する
ことも行われている。これらの付加されたペプチドは目
的タンパクの活性に悪影響をおよぼさない場合には付加
されたままであってもよく、また、必要なら適当な処
理、例えば、プロテアーゼによる限定分解などによって
目的タンパクから除去できるようにすることもできる。
上記されたような、そのタンパクの機能には必須でない
ペプチドを保持した、あるいは付加されたものであって
も、同等の機能を発現できる限りにおいては「機能的同
等物」の範囲内に属するものである。
【0012】本発明の第2の態様は、HIVによる細胞
感染の制御用組成物およびその方法に関し、上記のよう
なHIVの感染に関与する機能性物質を制御することを
特徴とする。本発明においては、感染に関与する機能性
物質を制御するために、例えば、上記の感染に関与する
機能性物質に対して特異的な結合活性を有する物質を使
用する。このような結合性物質としては、例えば、上記
の機能性物質を抗原として認識する抗体が挙げられ、抗
フィブロネクチン抗体、配列表の配列番号2で表される
ポリペプチドあるいは配列表の配列番号3で表されるポ
リペプチドを特異的に認識する抗体、抗線維芽細胞増殖
因子抗体等を使用することができる。この他の特異的な
結合性物質としては、ヘパリンまたはヘパリン断片を使
用することも可能である。また、感染に関与する機能性
物質を制御するために、上記のHIV感染に関与する機
能性物質の断片であって、該機能性物質に拮抗作用を有
し、該機能性物質の感染への関与を妨げる機能性物質断
片を使用することもできる。
【0013】本発明の第3の態様は、HIVによる感染
細胞の制御用組成物および方法に関し、上記の感染に関
与する機能性物質の存在下で、感染細胞に抗HIV性物
質をコードする遺伝子を組み込んだ複製能欠損HIVウ
イルスベクターで感染させるための組成物およびそのよ
うな工程を含むことを特徴とする方法である。抗HIV
物質としてはアンチセンス核酸、リボザイム、デコイ、
細胞内抗体またはトランスドミナントタンパク等の物質
が使用できる。
【0014】これら本発明の第1および第2の態様にお
いて、HIVが感染する細胞は、特に限定されるもので
はないが、CD4分子を発現する細胞が使用でき、特に
好ましくはCD4陽性T細胞が使用できる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の1つの好ましい実施態様
は、HIVの感染に関与する機能性物質を介してHIV
の細胞への感染を制御する治療用、予防用、検査用、試
験用等の組成物および方法である。このような感染に関
与する機能性物質としては、例えば、フィブロネクチ
ン、フィブロネクチンのフラグメント、線維芽細胞増殖
因子、該因子を含有するポリペプチド、ならびにこれら
の機能性物質の機能的同等物が挙げられる。これらの機
能性物質は天然起源の物質から得ることができ、また、
人為的に作製する(例えば、組換えDNA技術や化学合
成技術によって作製する)ことができ、さらに、天然起
源の物質と人為的に作製された物質とを組み合せて作製
することができる。また、本発明に使用する機能性物質
には、本明細書中に示されるHIVの感染に関与する天
然起源のポリペプチドのアミノ酸配列にアミノ酸の欠
失、置換、挿入および/または付加を生じた変異体を含
むポリペプチドの機能的同等物も包含される。機能的同
等物は、例えば、該機能的同等物をコードする遺伝子を
作製し、これを使用して得られた産物について所望の生
物活性を確認することにより、得ることができる。
【0016】特定の理論によって限定されるものではな
いが、本発明においては、HIVと標的細胞とが特定の
機能性物質上の、それぞれの機能領域に結合し、HIV
と標的細胞とが近接して配置されることによって機能性
物質がHIVの細胞への感染に関与すると考えられる。
この点に関して、HIVと結合し、その結果、本発明で
有効に役立つ機能性物質の能力は、下記実施例に記載し
たような定型的な方法を使用して確認することができ
る。すなわち、これらの機能性物質の感染への関与は、
適当なマトリックス上に固定された該機能性物質とHI
V粒子との結合の強さを、HIVがマトリックスからの
洗い流しに抵抗する程度として測定することによって確
認することができる。例えば、HIV含有上清液は、各
種の機能性物質がその表面に固定された容器(例えば細
胞培養用プレート等)中でインキュベートされる。次
に、この容器を生理的食塩緩衝液等で徹底的に洗浄した
後、標的細胞を該容器に添加してインキュベートするこ
とにより容器内に残存しているウイルスの感染価(HI
V粒子数)を測定する。ウイルスの感染価は細胞に現れ
た細胞変性効果(cytopathic effect、CPE)の観
察、あるいは細胞培養液上清中の逆転写酵素活性の測定
によって測定することができる。この結果を適当な対照
実験(例えば、BSA被覆された容器を使用して)と比
較する。対照と比較して機能性物質で被覆されたウエル
内の残存感染価が高いことは、当該物質が本発明の機能
性物質として用いることができることを意味する。
【0017】本明細書中に記載のフィブロネクチンおよ
びフィブロネクチンのフラグメントは天然より得られた
もの、あるいは人為的に作成されたもののいずれでもよ
く、例えば、ルオスラチ(Ruoslahti)ら[ジャーナル
・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J. Biol. Che
m.)第256巻、第7277頁(1981)];パテル
(Patel)およびロディッシュ(Lodish)[ジャーナル
・オブ・セルラー・バイオロジー(J. Cell. Biol.)第
102巻、第449頁(1986)];およびベルナル
ディ(Bernardi)等[ジャーナル・オブ・セルラー・バ
イオロジー(J.Cell. Biol.)第105巻、第489頁
(1987)]によって報告された方法によって、天然
起源の物質から実質的に純粋な形態で製造することがで
きる。この点に関して、本明細書で実質的に純粋なフィ
ブロネクチンまたはフィブロネクチンフラグメントと称
しているのは、これらが天然においてフィブロネクチン
と共に存在する他のタンパク質を本質的に含有していな
いことを意味する。
【0018】本明細書中に記載の実質的に純粋なフィブ
ロネクチンまたはフィブロネクチンフラグメントは、例
えば、米国特許第5,198,423号に記載されている
方法にしたがって、遺伝子工学的に製造することもでき
る。すなわち、下記実施例でH−271(配列表の配列
番号3にH−271のアミノ酸配列を示す)、CH−2
71(配列表の配列番号4にCH−271のアミノ酸配
列を示す)およびCH−296(配列表の配列番号4に
CH−296のアミノ酸配列を示す)として記載された
組換えポリペプチドおよびこれらを取得する方法は、上
記の特許公報に詳細に記載されており、工業技術院生命
工学工業技術研究所にFERM BP−2799(CH
−271)、FERM BP−2800(CH−29
6)およびFERM BP−2264(H−271)と
して寄託されたイー・コリ(E.coli)を培養すること
によって取得することができる。また、下記実施例で使
用したC−274(配列表の配列番号7にC−274の
アミノ酸配列を示す)は米国特許第5,102,988号
公報に記載の方法に従って得ることができる。
【0019】本明細書に記載の線維芽細胞増殖因子は、
実質的に純化された天然物を使用しても良く、また、遺
伝子工学的に作製されたものを使用しても良い。さら
に、これらのポリペプチドの機能を損なうことなく改変
されたものも使用することができる。線維芽細胞増殖因
子の例としては、配列番号4で表される線維芽細胞増殖
因子を使用することができる。配列番号8で表されるポ
リペプチド(以下、C−FGF・Aと称する)は配列番
号4で表される線維芽細胞増殖因子のN末端にフィブロ
ネクチンの細胞接着部位ポリペプチドが結合したポリペ
プチドであり、米国特許第5,302,701号公報に記
載された方法にしたがって遺伝子工学的に製造すること
ができる。すなわち、該特許公報にFERM P−12
637として記載され、現在はFERM BP−527
8として工業技術院生命工学工業技術研究所に寄託され
ているイー・コリを使用してC−FGF・Aを得ること
ができる。
【0020】上記したように、本発明によってHIVの
細胞への感染を制御する、すなわち、感染を促進する組
成物および方法が提供され、人為的なHIV感染細胞の
効率的な作製、ならびにHIVの大量、かつ急速な人工
培養が可能となる。HIVの人工培養は、HIV粒子の
工業的な製造と、それを原料とする不活化HIVワクチ
ンの製造を可能にする。なお、不活化ワクチンの製造を
可能にする。なお、不活化ワクチンは天然のままのウイ
ルスに比べて抗原性が低下す場合があるため、実用的に
は天然のウイルスの抗原性を保持し、かつ病原性の低下
した弱毒化ワクチンがより好ましい。このような弱毒化
ワクチンもまた本発明の組成物および方法を用いて効率
よく作製することが可能である。すなわち、HIVの継
代培養を繰り返すことによって、病原性が低下もしくは
消失した変異HIV株を分離することができる。この
際、培養中にHIVに変異原処理(変異原性化学物質の
添加や紫外線照射等)を行って変異株の出願頻度を増加
させてもよい。こうして得られた変異HIV株を培養し
てウイルス粒子を調製し、これを弱毒化ワクチンとして
使用することができる。さらに、本発明はHIVに関す
る基礎研究を進めるうえでの実験手法としても重要であ
る。上記したようにHIVは高い宿主特異性を有してい
るため、これまでのHIVの研究はT細胞由来細胞のよ
うな浮遊細胞を用いたものがほとんどであった。本発明
の方法によってHIVを、例えば、HeLa細胞のよう
な継代培養可能な付着細胞に感染させることにより、次
のような利点が得られる。
【0021】容器に付着する細胞を材料にすることは、
細胞へのウイルス感染の有無の確認、ならびに感染細胞
数の計数を容易にする。HIV感染の確認は細胞に生じ
た細胞変性効果の観察によって行われるが、浮遊細胞で
この観察を行うには非常な熟練を要する。付着細胞は容
器に付着した状態で生育するため、顕微鏡下での観察に
よって容易に感染の確認でき、かつ感染細胞数の正確な
計数ができる。このため多数の試料を同時に扱うことも
容易となり、中和抗体や抗ウイルス剤のスクリーニング
を効率よく行うことができる。また、抗ウイルス剤耐性
ウイルス株の出現等も容易に確認できる。このほか、付
着細胞は浮遊細胞に比べて取り扱いが容易であり、例え
ば、遠心分離を行うことなく培地を交換することができ
るなど、ウイルスによる汚染の危険性を減らすうえでも
効果がある。
【0022】また、本発明の別の好ましい実施態様は、
HIVの感染に関与する機能性物質に特異的に結合する
物質を利用してHIVの細胞への感染を制御する方法で
ある。上記の機能性物質は生体内においてもHIVの感
染に一定の役割を果たしている。したがって、該機能性
物質に特異的に結合する物質の共存下では該機能性物質
の感染への関与が阻害され、HIVの細胞への感染が抑
制される。該機能性物質に特異的に結合する物質として
は、該機能性物質を認識する抗体が挙げられる。このよ
うな抗体としては、抗フィブロネクチン抗体、抗フィブ
ロネクチンフラグメント抗体、配列表の配列番号2で表
される細胞接着活性を有するポリペプチド(C−27
7)、あるいは配列表の配列番号3で表されるヘパリン
結合活性を有するポリペプチド(H−296)を特異的
に認識する抗体、抗線維芽細胞増殖因子抗体等が挙げら
れる。これらの抗体はポリクローナルなものでも、モノ
クローナルなものでもよい。
【0023】抗フィブロネクチンフラグメント抗体の例
としては、上記のC−277を認識するモノクローナル
抗体であるFN12−8(宝酒造社製)、あるいは上記
のH−296を認識するモノクローナル抗体であるフィ
ブロネクチンモノクローナル抗体クローン3E1(ベー
リンガー・マンハイム社製)がある。これらの抗体がH
IVの細胞への感染を抑制する作用を示すかどうかは、
上記された機能性物質のHIV感染への関与を確認する
操作において、HIVの添加前に該機能性物質によって
被覆された容器を試験しようとする抗体で処理するか、
あるいは細胞の添加時に抗体を添加することによってH
IV感染への影響を調べ、確認することができる。ま
た、フィブロネクチン、および線維芽細胞増殖因子はと
もにヘパリン結合活性を有しており、また、フィブロネ
クチンが有するレトロウイルス結合活性はこのヘパリン
結合活性と関連していることが1995年10月5日に
国際公開されたWO 95/26200号公報に記載さ
れている。ヘパリン、およびヘパリン断片の存在下にお
いてはレトロウイルスに属するHIVと上記の機能性物
質との結合が阻害され、この結果HIVの細胞への感染
が制御される。
【0024】上記のように感染に関与する機能性物質に
特異的に結合する物質を利用するほか、該機能性物質の
断片を利用することによってもHIVの細胞への感染を
抑制することが可能である。このような断片としては上
記の機能性物質の有するHIVおよび細胞への結合活性
に関与する領域のうちの一方のみを失った断片が使用で
きる。該断片はHIVと感染に関与する機能性物質との
結合、あるいは感染に関与する機能性物質と標的細胞と
の結合に対してそれぞれ拮抗作用を示し、HIVの細胞
への感染を抑制する。これらの断片の製造にあたっては
上記の機能性物質の構造と機能に関する情報を利用する
ことができる。例えば、フィブロネクチンの細胞との結
合に関与する領域についてはジャーナル・オブ・バイオ
ロジカル・ケミストリー(J. Biol. Chem.)第258
巻、第10193〜10196頁(1983)に、また
フィブロネクチンのヘパリンとの結合に関与する領域に
ついてはWO 89/01942号公報にそれぞれ記載
されている。また、線維芽細胞増殖因子の細胞、および
ヘパリンとの結合に関与する領域に関してはプロシーデ
ィングス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・
サイエンス・オブ・ザ・USA(Proc. Natl. Acad. Sc
i. USA)、第85巻、第2324〜2328頁(198
8)にそれぞれ記載されている。
【0025】本発明に使用される上記の機能性物質の断
片は、これらの情報をもとに天然より得られた該機能性
物質より作製するか、あるいはそれをコードする遺伝子
を利用して遺伝子工学的に作製することができる。ま
た、本発明の別の好ましい実施態様は、複製能を欠損し
たHIVベクターを用いた細胞への遺伝子導入を上記の
機能性物質の存在下に行い、遺伝子導入効率を上昇させ
るというものである。複製能欠損HIVベクターとして
は、例えば、ジャーナル・オブ・クリニカル・インベス
ティゲーション(Jounal of ClinicalInvestigatio
n)、第88巻、第1043〜1047頁(1991)
に記載のベクター等が使用できる。該ベクターは複製
能、すなわち感染性ウイルス粒子の生産能を欠損してい
るために安全性が高く、またCD4発現細胞に高い親和
性を有しており、特にHIV感染症であるエイズの遺伝
子治療に有望である。
【0026】本発明により細胞に導入される遺伝子とし
ては、特に限定するものではないが、エイズの治療を目
的とする場合には、抗HIV物質をコードするものが使
用でき、アンチセンス核酸、リボザイム、デコイ等の核
酸をコードする遺伝子、あるいはトランスドミナントタ
ンパク(transdominant protein)、細胞内抗体(intrac
ellular antibody)等のタンパクをコードする遺伝子が
使用できる。
【0027】本明細書に記載の「アンチセンス核酸」と
は、HIV由来のRNA(ゲノムRNAおよびmRN
A)と相補的な塩基配列を有し、これらと2本鎖を形成
することによって該RNAにコードされる遺伝子情報の
発現(転写、翻訳)を抑制するものを言う。HIVの増
殖抑制に有効なアンチセンス核酸としてはtat遺伝子
[ヌクレイック・アシッズ・リサーチ(Nucl. Acids Re
s.)第19巻、第3359〜3368頁(199
1)]、あるいはrev遺伝子[プロシーディングス・
オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス
・オブ・ザ・USA(Proc. Natl. Acad. Sci. USA)、
第86巻、第4244〜4248頁(1989)]に関
するものが知られている。
【0028】また、「リボザイム」とは、特定のRNA
塩基配列を認識して切断する活性を有するRNA分子を
言い、該配列を有するRNAにコードされる遺伝情報の
発現を阻害する。リボザイムは標的とするRNAの塩基
配列より設計可能であり、例えば、ハンマ−ヘッド型リ
ボザイムの場合にはフェブス・レターズ(FEBS Letter
s)、第228巻、第228−230頁(1988)に
記載の方法によって設計することができる。また、ハン
マ−ヘッド型リボザイムに限らず、ヘアピン型、デルタ
型リボザイム等、特定の塩基配列を有するRNAを切断
し、そこにコードされる遺伝情報の発現を阻害するもの
であれば本明細書で言うリボザイムに含まれる。抗HI
V活性を有するリボザイムとしてはgag遺伝子に対す
るハンマ−ヘッド型リボザイム[サイエンス(Scienc
e)、第247巻、第1222〜1225頁(199
0)]や5'リーダー配列に対するヘアピン型リボザイ
ム[プロシーディングス・オブ・ザ・ナショナル・アカ
デミー・オブ・サイエンス・オブ・ザ・USA(Proc.
Natl. Acad. Sci. USA)、第89巻、第10802〜1
0806頁(1992)]について抗HIV活性が報告
されている。
【0029】「デコイ」とは、RNA上に存在する活性
化タンパク結合部位と同じ塩基配列を有し、この活性化
タンパクに対して「おとり」として働くRNA分子であ
る。HIVの遺伝子発現においてはRNA上のTAR部
位にTatタンパクが、またRRE部位にRevタンパ
クが結合することが重要であり、TAR配列[セル(Ce
ll)、第63巻、第601〜608頁(1990)]あ
るいはRRE配列[ニュー・バイオロジスト(New Biol
ogist)、第4巻、第66〜74頁(1992)]を有
するデコイが抗HIV活性を示すことが知られている。
「トランスドミナントタンパク」とはRNA上の特定の
塩基配列を認識して結合する活性化タンパク(上記Ta
tタンパクやRevタンパク等)の変異タンパクであ
り、RNAへの結合能力は有するが遺伝子の発現を活性
化する能力を失ったものである。該タンパクがHIV由
来のRNAの活性化タンパク結合部位(上記のTAR部
位やRRE部位等)に結合することにより、正常な活性
化タンパクの結合を妨げ、HIV遺伝子の発現を抑制す
る。Revタンパクの変異タンパクを利用して感染性H
IV粒子の産生を抑制する例がジャーナル・オブ・エク
スペリメンタル・メディシン(Jounal of Experimental
Medicine)、第176巻、第1197〜1201頁
(1992)に報告されている。
【0030】「細胞内抗体」とは細胞内に発現される1
本鎖ペプチドからなる抗体分子であり、HIVの構成タ
ンパクを特異的に認識するものを発現させることでHI
V遺伝子の発現や感染性ウイルス粒子の産生を阻害する
ことができる。HIVのエンベロープタンパクであるg
p120に対する細胞内抗体は感染性ウイルス粒子の産
生抑制効果を有している[プロシーディングス・オブ・
ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス・オブ
・ザ・USA(Proc. Natl. Acad. Sci. USA)、第90
巻、第7889〜7893頁(1993)]。
【0031】上記した種々の抗HIV物質をコードする
遺伝子は、これらの遺伝子の発現を制御するのに適当な
プロモーター、典型的には外来プロモーターの制御下
で、組換えHIVベクター内に導入することができる。
また必要に応じてプロモーター以外の発現制御因子、例
えばターミネーター配列やエンハンサー配列を付加して
もよい。さらに遺伝子が導入された細胞の選択を可能と
するようなマーカー遺伝子を同時に導入することも可能
である。該ベクターに導入される遺伝子は天然由来のも
の、人為的に作製されたもの(化学的合成、遺伝子増幅
等)、あるいはこれらの遺伝子がライゲーションや当該
技術分野で知られている他の手段によって結合されたも
ののいずれであってもかまわない。
【0032】本発明の、HIV感染に関与する機能性物
質または該機能性物質を制御する物質を有効成分とする
細胞のHIV感染制御用組成物は、自体公知の方法によ
り、上記したような当該機能物質または当該機能性物質
を制御する物質を、適当な液体ないしは固体の担体、例
えば、デンプン、乳糖、白糖、マンニト、カルボキシメ
チルセルロース、無機塩等や、これらの溶液、生理食塩
水、注射用蒸留水と合し、液体ないしは固体の組成物と
して調製することができる。該組成物を製剤とする場合
には、経口剤や、注射剤、点滴用剤等の非経口剤とする
ことができる。その調製にあたっては、必要に応じて、
溶剤、分散剤、乳化剤、緩衝剤、安定剤、賦形剤、結合
剤、崩壊剤、滑沢剤等を加えて、錠剤、顆粒剤、散剤、
粉末剤、カプセル剤等の固形剤、通常液剤、懸濁剤、乳
剤等の液剤とする。また、これを使用前に適当な担体の
添加によって液状となし得る乾燥品とすることもでき
る。また、組成物における機能性物質を制御する物質の
量は、特に限定するものではなく、その用途に応じで適
宜選択できる。
【0033】また、本発明の、HIVの細胞への感染に
関与する機能性物質と、複製能欠損HIVウイルスベク
ターとを組み合わせてなるHIV感染細胞制御用組成物
も、自体公知の方法により、例えば、これらの物質を、
各々、液体ないしは固体の組成物とし、キットとして組
み合わせることにより調製できる。
【0034】本発明のHIV感染に関与する機能性物質
の存在下で組換えHIVベクターを標的細胞に感染させ
ることにより、該遺伝子が導入された細胞を効率よく取
得することができる。該ベクター中に導入されている遺
伝子は標的細胞の染色体DNA中に組み込まれ、該細胞
中で安定に発現することができる。こうして得られた遺
伝子導入細胞を生体に移植することによって、その生体
が罹患している疾病の治療を行う「遺伝子治療」が可能
である。この方法が適用可能な疾病としては、例えば、
血液細胞、特にT細胞の機能に異常を伴う疾病が挙げら
れ、上記した理由からエイズの治療への適用が最も期待
される。
【0035】本発明の組成物および方法を利用してエイ
ズの遺伝子治療を行う場合には次のような方法が使用で
きる。まず、患者あるいは適当なドナーの血液を採取
し、細胞画分を調製する。この際、必要に応じて血液中
のT細胞、特に好ましくはCD4陽性T細胞を精製する
か、あるいはその含有率が高くなるよう濃縮操作を施し
てもよい。上記のHIV感染に関与する機能性物質の存
在下、得られた細胞集団に抗HIV物質をコードする遺
伝子を含有するHIVベクターを感染させ、目的の遺伝
子が導入された細胞を取得することができる。この細胞
は、例えば、静脈内投与のような慣用的な方法によって
患者体内に移植され、導入された抗HIV物質の発現に
よってエイズが治癒し、またはその病状が緩和される。
【0036】本発明においてHIV感染を制御される細
胞は、HIVが感染可能な細胞であれば特に限定される
ものではない。HIVは血液系の細胞の他、血管内皮細
胞、樹枝状突起細胞等に感染すると言われている。HI
Vが高い親和性を有するCD4分子を発現する細胞、特
にCD4陽性のT細胞は本発明の方法の実施に適してい
る。CD4分子を発現する細胞としては、公知方法によ
りCD4分子をコードする遺伝子を導入された細胞も含
有される。また、上記したように、付着細胞も本発明の
方法の適用が望まれる細胞である。このほか上記の機能
性物質が親和性を有する種々の細胞に対して本発明の方
法を適用することが可能であり、さらに、細胞特異的な
親和性を有するリガンドを導入することによって該機能
性物質に細胞選択性を付与することも可能である。
【0037】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明はこれらの実施例の範囲に限定され
るものではない。 実施例1 ウイルス上清液の調製 HIV−1を産生する、HTLV−IIIB株に持続感染し
ているMOLT−4細胞は10% ウシ胎児血清(FC
S、ギブコ社製)ならびに100単位/mlのペニシリン
および100μg/mlのストレプトマイシン(共にギブ
コ社製)を含有するRPMI−1640培地(フローラ
ボラトリー社製)中で培養した。なお、以降の操作に使
用したRPMI−1640培地はすべて100単位/ml
のペニシリンおよび100μg/mlのストレプトマイシ
ンを含んだものである。HIV−1を含有する上清液
は、10% FCSを含有する50mlのRPMI−16
40培地を入れた培養用フラスコに上記の細胞を接種
し、CO2インキュベーター中で5日間培養した後に採
集して調製した。採集した培地上清を0.45μmのフ
ィルター(ミリポア社製)でろ過してウイルス上清液ス
トックとし、使用するまでは−80℃で保存した。
【0038】上清液のウイルス感染価はMT−4細胞
[サイエンス(Science)、第229巻、第563〜5
66頁(1985)]を使用して測定した。すなわち、
96ウエルの組織培養プレート(ファルコン社製)中に
1ウエルあたりに3×104個のMT−4細胞を含むR
PMI−1640培地100μlを添加し、さらに、系
列希釈したウイルス上清液100μlずつを各ウエルに
加えた。これをCO2インキュベーター中、37℃で5
日間インキュベートした後、各ウエルにおける細胞変性
効果(CPE)を観察し、Behrens−Karbe
r法により上清液中のウイルス感染価(TCID50/m
l)を算出した。 本発明において使用されたHIV−
1ウイルス上清液のストックは1×105.5TCID50
/mlの力価を有していた。
【0039】実施例2 フィブロネクチン由来ポリペプチドの調製 ヒトフィブロネクチン由来のポリペプチド、H−271
(配列表の配列番号5にそのアミノ酸配列を示す)は該
ポリペプチドをコードするDNAを含む組換えプラスミ
ド、pHD101を含有する、Escherichia coli H
B101/pHD101(FERM BP−2264)
より、米国特許第5,198,423号に記載の方法によ
り調製した。また、ポリペプチドCH−271(配列表
の配列番号6にそのアミノ酸配列を示す)は以下に示す
方法により調製した。すなわち、Escherichia coli
HB101/pCH101(FERM BP−279
9)を上記の公報に記載の方法で培養し、該培養物より
CH−271を得た。また、ポリペプチドCH−296
(配列表の配列番号1にそのアミノ酸配列を示す)は以
下に示す方法により調製した。すなわち、Escherichia
coli HB101/pCH102(FERM BP−
2800)を上記の公報に記載の方法で培養し、該培養
物よりCH−296を得た。さらに、ポリペプチドC−
274(配列表の配列番号7にそのアミノ酸配列を示
す)は以下に示す方法により調製した。すなわち、Esch
erichia coli JM109/pTF7221(FER
M BP−1915)を用い、米国特許第5,102,9
88号に記載の方法で培養し、該培養物よりC−274
を得た。
【0040】実施例3 C−FGF・Aの調製 ポリペプチドC−FGF・A(配列表の配列番号8にそ
のアミノ酸配列を示す)は以下に示す方法に従って調製
した。すなわち、上記ポリペプチドをコードするDNA
を含有する組み換えプラスミド、pYMH−CF・Aを
含む、Escherichia coli JM109/pYMH−C
F・A(FERM BP−5278)を100μg/ml
のアンピシリンを含むL−培地5ml中、37℃で8時間
培養した。この前培養液を100μg/mlのアンピシリ
ン、1mMのIPTG(イソプロピル−β−D−チオガ
ラクトピラノシド)を含むL−培地500mlに接種し、
37℃で一夜培養した後集菌した。得られた菌体を1m
M PMSF(フェニルメタンスルホニウムフルオリ
ド)、0.05% ノニデットP−40を含む10mlの
PBS(リン酸緩衝生理食塩水)に懸濁し、超音波処理
を行って菌体を破砕した後、遠心分離を行って上清を得
た。この上清の260nmの吸収4000に対して1mlの
5% ポリエチレンイミンを加えた後、遠心分離して上
清を得た。この上清をあらかじめPBSで平衡化したヘ
パリン−ハイトラップカラム(ファルマシア社製)にか
け、PBSで非吸着の画分を洗浄した後、0.5Mから
2MのNaCl濃度勾配を持つPBSで吸着画分の溶出
を行った。溶出液をSDS−ポリアクリルアミドゲル電
気泳動(SDS−PAGE)により分析すると約47kd
のポリペプチドを含む2つの画分が存在していたが、こ
のうちの高NaCl濃度で溶出された方の画分を集めて
1.5M NaClを含むPBSで平衡化したスーパー
ロース6カラム(ファルマシア社製)にかけた。溶出液
をSDS−PAGEにより分析し、約47kdのポリペプ
チドを含む画分を集めて精製C−FGF・Aを調製し、
以下の操作に使用した。
【0041】実施例4 C277−ColVの調製 ポリペプチドC277−ColV(配列表の配列番号9
にそのアミノ酸配列を示す)は以下に示す操作によって
精製した。すなわち、上記ポリペプチドをコードするD
NAを含有する組み換えプラスミド、pTF7520C
olVを含む、Escherichia coli JM109/pT
F7520ColV(FERM BP−5277)を1
00μg/mlのアンピシリンを含むL−培地5ml中、3
7℃で6.5時間培養した。この前培養液を100μg
/mlのアンピシリンを含むL−培地500mlに接種し、
37℃で培養した。660nmにおける吸光度が0.6に
達した時点でIPTGを終濃度1mMになるように添加
して一夜培養した後に集菌した。得られた菌体を1mM
EDTA、0.05% ノニデットP−40、2mM
PMSFを含む10mlのPBSに懸濁し、超音波処理
を10分間行って菌体を破砕した。この菌体破砕液を遠
心分離して得た上清をPBSで平衡化したリソースQカ
ラム(ファルマシア社製)にかけ、目的のポリペプチド
を含む非吸着画分を得た。この画分をPBSで平衡化し
たヘパリン−ハイトラップカラムにかけ、PBSで非吸
着の画分を洗浄した後、0Mから0.5MのNaCl濃
度勾配を持つPBSで吸着画分の溶出を行った。溶出液
をSDS−PAGEにより分析し、48kdのポリペプチ
ドを含む画分を集めて精製C277−ColVを調製
し、以下の操作に使用した。
【0042】実施例5 ColVの調製 まず、ポリペプチドColV(配列表の配列番号10に
そのアミノ酸配列を示す)をイー・コリを宿主として発
現するためのプラスミドを構築した。Escherichia col
i HB101/pTF7520ColV(FERM
BP−5277)を培養し、得られた菌体よりアルカリ
−SDS法によってプラスミドpTF7520ColV
を調製した。このプラスミドをNcoI、BamHI
(ともに宝酒造社製)で消化後、アガロースゲル電気泳
動を行い、約0.58kbのDNA断片をゲルより回収し
た。これをあらかじめNcoIとBamHIで消化して
おいたプラスミドベクターpET8C(ノバジェン社
製)と混合してライゲーションを行った。得られた組換
えプラスミドをイー・コリBL21に導入して得られた
形質転換体よりプラスミドを調製し、上記の約0.58
kbDNA断片1分子のみが含まれたものを選び、これを
プラスミドpETColVと命名した。
【0043】上記のプラスミドpETColVで形質転
換されたイー・コリBL21、Escherichia coli B
L−21/pETColVを50μg/mlのアンピシリ
ンを含むL−培地10ml中、37℃で一夜培養した。こ
の前培養液0.2mlを50μg/mlのアンピシリン、を含
むL−培地100mlに接種し、37℃で培養した。60
0nmの吸光度が0.4に達した時点でIPTGを終濃度
1mMとなるように添加し、一夜培養した後に集菌し
た。得られた菌体を1mM EDTA、0.05% ノ
ニデットP−40、10μg/ml アプロチニン(aprot
inin)、10μg/ml ロイペプチン(leupeptin)、2
mM PMSFを含む5mlのPBS(リン酸緩衝生理食
塩水)に懸濁し、超音波処理を行って菌体を破砕した
後、遠心分離を行って上清を得た。この上清をPBSで
平衡化したヘパリン−5PW HPLCカラムにかけ、
PBSで非吸着の画分を洗浄した後、0.5MのNaC
lを含むPBSで吸着画分の溶出を行った。溶出液をS
DS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動により分析した
結果、ほぼ単一な約18kdのポリペプチドが確認され
た。こうして得られた精製ColVを以下の操作に使用
した。
【0044】実施例6 プレートのポリペプチドによる被覆 レトロウイルスの細胞への感染実験に使用するプレート
(96ウエルの組織培養プレート、ファルコン社製)は
以下に示す操作にしたがってポリペプチドで被覆した。
すなわち、上記の実施例に記載の各種ポリペプチドを2
5.6μg/mlとなるようにPBSに溶解した溶液を1
ウエルあたり50μlずつ添加し、室温で2.5時間イ
ンキュベートした。次にポリペプチド溶液を2% ウシ
血清アルブミン(BSA、ベーリンガー・マンハイム社
製)を含むPBS 100μlに交換してさらに1時間、
室温でインキュベートした後、PBS 200μlでウエ
ルを3回洗浄した。BSAで被覆した対照プレートは、
上記の操作のうちポリペプチド溶液とのインキュベーシ
ョンを省略して作製した。なお、以降に示す実施例での
ウイルス感染実験においては、特に断らない限り上記の
96ウエルの組織培養プレートを使用した。
【0045】実施例7 ポリペプチドでコートされたプレート上でのHIV−1
の感染(1) CH−296、H−271、C−274でそれぞれ被覆
されたプレート中でのHIV−1ウイルスの感染を以下
に示す方法によって調べた。すなわち、上記のポリペプ
チド被覆プレート、BSAで被覆した対照プレート、な
らびにポリペプチドで被覆しないプレートのそれぞれに
正確に段階希釈したHIV−1ウイルス上清液を50μ
l/ウエルずつ加え、CO2インキュベーター中で37
℃、30分間プレインキュベーションした後、200μ
lのPBSでウエルを3回洗浄した。このプレートに
1.5×105cell/mlに調製したMT−4細胞を2
00μl/ウエルずつ加え、CO2インキュベーター中で
37℃、5日間培養した。培養終了後、各プレートにつ
いて、HIV−1の増殖によるCPE(細胞変性効果)
を顕微鏡下で観察し、ウイルスの感染効率を評価した。
表1に実験結果を示す。表中、−はCPEが観察されな
いことを、±はわずかなCPEが認められることを、+
は中程度のCPEが認められることを、また++は強い
CPEが認められることをそれぞれ示す。また、表中N
Tはポリペプチドで被覆されていないプレートでの実験
結果を示す。
【0046】
【表1】
【0047】表1に示されるように、CH−296で被
覆されたプレートでは対照プレート(BSA被覆プレー
ト)に比べて低濃度のウイルスで感染が起こっており、
該ポリペプチドがHIVの感染を促進する作用を有する
ことが確認された。また、H−271、C−274でも
ごくわずかな感染の促進が認められた。
【0048】実施例8 ポリペプチドでコートされたプレート上でのHIV−1
の感染(2) 実施例7で使用されたポリペプチドに加え、CH−27
4、FGF(ベクトンディッキンソン社製)、C−FG
F・A、ColV、C277−ColVの各ポリペプチド
で被覆されたプレート中でのHIV−1ウイルスの感染
を実施例7同様の方法で調べた。また、10-1倍希釈、
10-2倍希釈のウイルス上清液を添加したウエルより培
養液を採取し、その上清中の逆転写酵素活性を感染症学
雑誌、第68巻、第923〜931頁に記載の方法で測
定した。表2にCPE観察の結果を、また、表3に逆転
写酵素活性測定の結果をそれぞれ示す。
【0049】
【表2】
【0050】
【表3】
【0051】表2よりCH−296、FGF、C−FG
F・AにHIV感染促進作用が認められた。また、H−
271、C−274もわずかながら同様の作用を有して
いるように思われる。一方、表3に示された逆転写酵素
活性はCH−296、FGF、C−FGF・Aの3つの
ポリペプチド被覆プレートで顕著に高く、これらのポリ
ペプチドがHIV感染促進作用を有していることが確認
された。
【0052】
【発明の効果】本発明により、HIV感染を人為的に制
御する方法が提供される。また複製能欠損HIVベクタ
ーによる細胞への遺伝子導入を制御する方法が提供され
る。特に抗HIV性物質をコードする遺伝子を組み込ん
だベクターの使用により、HIV感染細胞の制御が可能
となり、効率的なHIV感染症の治療方法が提供され
た。
【0053】
【配列表】
【0054】配列番号:1 配列の長さ:574 配列の型:アミノ酸 鎖の数:1本鎖 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列: Pro Thr Asp Leu Arg Phe Thr Asn Ile
Gly Pro Asp Thr Met Arg 1 5
10 15 Val Thr Trp Ala Pro Pro Pro Ser Ile
Asp Leu Thr Asn Phe Leu 20
25 30 Val Arg Tyr Ser Pro Val Lys Asn Glu
Glu Asp Val Ala Glu Leu 35
40 45 Ser Ile Ser Pro Ser Asp Asn Ala Val
Val Leu Thr Asn Leu Leu 50
55 60 Pro Gly Thr Glu Tyr Val Val Ser Val
Ser Ser Val Tyr Glu Gln 65
70 75 His Glu Ser Thr Pro Leu Arg Gly Arg
Gln Lys Thr Gly Leu Asp 80
85 90 Ser Pro Thr Gly Ile Asp Phe Ser Asp
Ile Thr Ala Asn Ser Phe 95
100 105 Thr Val His Trp Ile Ala Pro Arg Ala
Thr Ile Thr Gly Tyr Arg 110
115 120 Ile Arg His His Pro Glu His Phe Ser
Gly Arg Pro Arg Glu Asp 125
130 135 Arg Val Pro His Ser Arg Asn Ser Ile
Thr Leu Thr Asn Leu Thr 140
145 150 Pro Gly Thr Glu Tyr Val Val Ser Ile
Val Ala Leu Asn Gly Arg 155
160 165 Glu Glu Ser Pro Leu Leu Ile Gly Gln
Gln Ser Thr Val Ser Asp 170
175 180 Val Pro Arg Asp Leu Glu Val Val Ala
Ala Thr Pro Thr Ser Leu 185
190 195 Leu Ile Ser Trp Asp Ala Pro Ala Val
Thr Val Arg Tyr Tyr Arg 200
205 210 Ile Thr Tyr Gly Glu Thr Gly Gly Asn
Ser Pro Val Gln Glu Phe 215
220 225 Thr Val Pro Gly Ser Lys Ser Thr Ala
Thr Ile Ser Gly Leu Lys 230
235 240 Pro Gly Val Asp Tyr Thr Ile Thr Val
Tyr Ala Val Thr Gly Arg 245
250 255 Gly Asp Ser Pro Ala Ser Ser Lys Pro
Ile Ser Ile Asn Tyr Arg 260
265 270 Thr Glu Ile Asp Lys Pro Ser Met Ala
Ile Pro Ala Pro Thr Asp 275
280 285 Leu Lys Phe Thr Gln Val Thr Pro Thr
Ser Leu Ser Ala Gln Trp 290
295 300 Thr Pro Pro Asn Val Gln Leu Thr Gly
Tyr Arg Val Arg Val Thr 305
310 315 Pro Lys Glu Lys Thr Gly Pro Met Lys
Glu Ile Asn Leu Ala Pro 320
325 330 Asp Ser Ser Ser Val Val Val Ser Gly
Leu Met Val Ala Thr Lys 335
340 345 Tyr Glu Val Ser Val Tyr Ala Leu Lys
Asp Thr Leu Thr Ser Arg 350
355 360 Pro Ala Gln Gly Val Val Thr Thr Leu
Glu Asn Val Ser Pro Pro 365
370 375 Arg Arg Ala Arg Val Thr Asp Ala Thr
Glu Thr Thr Ile Thr Ile 380
385 390 Ser Trp Arg Thr Lys Thr Glu Thr Ile
Thr Gly Phe Gln Val Asp 395
400 405 Ala Val Pro Ala Asn Gly Gln Thr Pro
Ile Gln Arg Thr Ile Lys 410
415 420 Pro Asp Val Arg Ser Tyr Thr Ile Thr
Gly Leu Gln Pro Gly Thr 425
430 435 Asp Tyr Lys Ile Tyr Leu Tyr Thr Leu
Asn Asp Asn Ala Arg Ser 440
445 450 Ser Pro Val Val Ile Asp Ala Ser Thr
Ala Ile Asp Ala Pro Ser 455
460 465 Asn Leu Arg Phe Leu Ala Thr Thr Pro
Asn Ser Leu Leu Val Ser 470
475 480 Trp Gln Pro Pro Arg Ala Arg Ile Thr
Gly Tyr Ile Ile Lys Tyr 485
490 495 Glu Lys Pro Gly Ser Pro Pro Arg Glu
Val Val Pro Arg Pro Arg 500
505 510 Pro Gly Val Thr Glu Ala Thr Ile Thr
Gly Leu Glu Pro Gly Thr 515
520 525 Glu Tyr Thr Ile Tyr Val Ile Ala Leu
Lys Asn Asn Gln Lys Ser 530
535 540 Glu Pro Leu Ile Gly Arg Lys Lys Thr
Asp Glu Leu Pro Gln Leu 545
550 555 Val Thr Leu Pro His Pro Asn Leu His
Gly Pro Glu Ile Leu Asp 560
565 570 Val Pro Ser Thr
【0055】配列番号:2 配列の長さ:277 配列の型:アミノ酸 鎖の数:1本鎖 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列: Pro Thr Asp Leu Arg Phe Thr Asn Ile
Gly Pro Asp Thr Met Arg 1 5
10 15 Val Thr Trp Ala Pro Pro Pro Ser Ile
Asp Leu Thr Asn Phe Leu 20
25 30 Val Arg Tyr Ser Pro Val Lys Asn Glu
Glu Asp Val Ala Glu Leu 35
40 45 Ser Ile Ser Pro Ser Asp Asn Ala Val
Val Leu Thr Asn Leu Leu 50
55 60 Pro Gly Thr Glu Tyr Val Val Ser Val
Ser Ser Val Tyr Glu Gln 65
70 75 His Glu Ser Thr Pro Leu Arg Gly Arg
Gln Lys Thr Gly Leu Asp 80
85 90 Ser Pro Thr Gly Ile Asp Phe Ser Asp
Ile Thr Ala Asn Ser Phe 95
100 105 Thr Val His Trp Ile Ala Pro Arg Ala
Thr Ile Thr Gly Tyr Arg 110
115 120 Ile Arg His His Pro Glu His Phe Ser
Gly Arg Pro Arg Glu Asp 125
130 135 Arg Val Pro His Ser Arg Asn Ser Ile
Thr Leu Thr Asn Leu Thr 140
145 150 Pro Gly Thr Glu Tyr Val Val Ser Ile
Val Ala Leu Asn Gly Arg 155
160 165 Glu Glu Ser Pro Leu Leu Ile Gly Gln
Gln Ser Thr Val Ser Asp 170
175 180 Val Pro Arg Asp Leu Glu Val Val Ala
Ala Thr Pro Thr Ser Leu 185
190 195 Leu Ile Ser Trp Asp Ala Pro Ala Val
Thr Val Arg Tyr Tyr Arg 200
205 210 Ile Thr Tyr Gly Glu Thr Gly Gly Asn
Ser Pro Val Gln Glu Phe 215
220 225 Thr Val Pro Gly Ser Lys Ser Thr Ala
Thr Ile Ser Gly Leu Lys 230
235 240 Pro Gly Val Asp Tyr Thr Ile Thr Val
Tyr Ala Val Thr Gly Arg 245
250 255 Gly Asp Ser Pro Ala Ser Ser Lys Pro
Ile Ser Ile Asn Tyr Arg 260
265 270 Thr Glu Ile Asp Lys Pro Ser 275
【0056】配列番号:3 配列の長さ:296 配列の型:アミノ酸 鎖の数:1本鎖 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列: Ala Ile Pro Ala Pro Thr Asp Leu Lys Phe Thr Gln Val Thr Pro 1 5 10 15 Thr Ser Leu Ser Ala Gln Trp Thr Pro Pro Asn Val Gln Leu Thr 20 25 30 Gly Tyr Arg Val Arg Val Thr Pro Lys Glu Lys Thr Gly Pro Met 35 40 45 Lys Glu Ile Asn Leu Ala Pro Asp Ser Ser Ser Val Val Val Ser 50 55 60 Gly Leu Met Val Ala Thr Lys Tyr Glu Val Ser Val Tyr Ala Leu 65 70 75 Lys Asp Thr Leu Thr Ser Arg Pro Ala Gln Gly Val Val Thr Thr 80 85 90 Leu Glu Asn Val Ser Pro Pro Arg Arg Ala Arg Val Thr Asp Ala 95 100 105 Thr Glu Thr Thr Ile Thr Ile Ser Trp Arg Thr Lys Thr Glu Thr 110 115 120 Ile Thr Gly Phe Gln Val Asp Ala Val Pro Ala Asn Gly Gln Thr 125 130 135 Pro Ile Gln Arg Thr Ile Lys Pro Asp Val Arg Ser Tyr Thr Ile 140 145 150 Thr Gly Leu Gln Pro Gly Thr Asp Tyr Lys Ile Tyr Leu Tyr Thr 155 160 165 Leu Asn Asp Asn Ala Arg Ser Ser Pro Val Val Ile Asp Ala Ser 170 175 180 Thr Ala Ile Asp Ala Pro Ser Asn Leu Arg Phe Leu Ala Thr Thr 185 190 195 Pro Asn Ser Leu Leu Val Ser Trp Gln Pro Pro Arg Ala Arg Ile 200 205 210 Thr Gly Tyr Ile Ile Lys Tyr Glu Lys Pro Gly Ser Pro Pro Arg 215 220 225 Glu Val Val Pro Arg Pro Arg Pro Gly Val Thr Glu Ala Thr Ile 230 235 240 Thr Gly Leu Glu Pro Gly Thr Glu Tyr Thr Ile Tyr Val Ile Ala 245 250 255 Leu Lys Asn Asn Gln Lys Ser Glu Pro Leu Ile Gly Arg Lys Lys 260 265 270 Thr Asp Glu Leu Pro Gln Leu Val Thr Leu Pro His Pro Asn Leu 275 280 285 His Gly Pro Glu Ile Leu Asp Val Pro Ser Thr 290 295
【0057】配列番号:4 配列の長さ:155 配列の型:アミノ酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列: Met Ala Ala Gly Ser Ile Thr Thr Leu Pro Ala Leu Pro Glu Asp 1 5 10 15 Gly Gly Ser Gly Ala Phe Pro Pro Gly His Phe Lys Asp Pro Lys 20 25 30 Arg Leu Tyr Cys Lys Asn Gly Gly Phe Phe Leu Arg Ile His Pro 35 40 45 Asp Gly Arg Val Asp Gly Val Arg Glu Lys Ser Asp Pro His Ile 50 55 60 Lys Leu Gln Leu Gln Ala Glu Glu Arg Gly Val Val Ser Ile Lys 65 70 75 Gly Val Cys Ala Asn Arg Tyr Leu Ala Met Lys Glu Asp Gly Arg 80 85 90 Leu Leu Ala Ser Lys Cys Val Thr Asp Glu Cys Phe Phe Phe Glu 95 100 105 Arg Leu Glu Ser Asn Asn Tyr Asn Thr Tyr Arg Ser Arg Lys Tyr 110 115 120 Thr Ser Trp Tyr Val Ala Leu Lys Arg Thr Gly Gln Tyr Lys Leu 125 130 135 Gly Ser Lys Thr Gly Pro Gly Gln Lys Ala Ile Leu Phe Leu Pro 140 145 150 Met Ser Ala Lys Ser 155
【0058】配列番号:5 配列の長さ:271 配列の型:アミノ酸 鎖の数:1本鎖 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列: Ala Ile Pro Ala Pro Thr Asp Leu Lys Phe Thr Gln Val Thr Pro 1 5 10 15 Thr Ser Leu Ser Ala Gln Trp Thr Pro Pro Asn Val Gln Leu Thr 20 25 30 Gly Tyr Arg Val Arg Val Thr Pro Lys Glu Lys Thr Gly Pro Met 35 40 45 Lys Glu Ile Asn Leu Ala Pro Asp Ser Ser Ser Val Val Val Ser 50 55 60 Gly Leu Met Val Ala Thr Lys Tyr Glu Val Ser Val Tyr Ala Leu 65 70 75 Lys Asp Thr Leu Thr Ser Arg Pro Ala Gln Gly Val Val Thr Thr 80 85 90 Leu Glu Asn Val Ser Pro Pro Arg Arg Ala Arg Val Thr Asp Ala 95 100 105 Thr Glu Thr Thr Ile Thr Ile Ser Trp Arg Thr Lys Thr Glu Thr 110 115 120 Ile Thr Gly Phe Gln Val Asp Ala Val Pro Ala Asn Gly Gln Thr 125 130 135 Pro Ile Gln Arg Thr Ile Lys Pro Asp Val Arg Ser Tyr Thr Ile 140 145 150 Thr Gly Leu Gln Pro Gly Thr Asp Tyr Lys Ile Tyr Leu Tyr Thr 155 160 165 Leu Asn Asp Asn Ala Arg Ser Ser Pro Val Val Ile Asp Ala Ser 170 175 180 Thr Ala Ile Asp Ala Pro Ser Asn Leu Arg Phe Leu Ala Thr Thr 185 190 195 Pro Asn Ser Leu Leu Val Ser Trp Gln Pro Pro Arg Ala Arg Ile 200 205 210 Thr Gly Tyr Ile Ile Lys Tyr Glu Lys Pro Gly Ser Pro Pro Arg 215 220 225 Glu Val Val Pro Arg Pro Arg Pro Gly Val Thr Glu Ala Thr Ile 230 235 240 Thr Gly Leu Glu Pro Gly Thr Glu Tyr Thr Ile Tyr Val Ile Ala 245 250 255 Leu Lys Asn Asn Gln Lys Ser Glu Pro Leu Ile Gly Arg Lys Lys 260 265 270 Thr
【0059】配列番号:6 配列の長さ:549 配列の型:アミノ酸 鎖の数:1本鎖 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列: Pro Thr Asp Leu Arg Phe Thr Asn Ile Gly Pro Asp Thr Met Arg 1 5 10 15 Val Thr Trp Ala Pro Pro Pro Ser Ile Asp Leu Thr Asn Phe Leu 20 25 30 Val Arg Tyr Ser Pro Val Lys Asn Glu Glu Asp Val Ala Glu Leu 35 40 45 Ser Ile Ser Pro Ser Asp Asn Ala Val Val Leu Thr Asn Leu Leu 50 55 60 Pro Gly Thr Glu Tyr Val Val Ser Val Ser Ser Val Tyr Glu Gln 65 70 75 His Glu Ser Thr Pro Leu Arg Gly Arg Gln Lys Thr Gly Leu Asp 80 85 90 Ser Pro Thr Gly Ile Asp Phe Ser Asp Ile Thr Ala Asn Ser Phe 95 100 105 Thr Val His Trp Ile Ala Pro Arg Ala Thr Ile Thr Gly Tyr Arg 110 115 120 Ile Arg His His Pro Glu His Phe Ser Gly Arg Pro Arg Glu Asp 125 130 135 Arg Val Pro His Ser Arg Asn Ser Ile Thr Leu Thr Asn Leu Thr 140 145 150 Pro Gly Thr Glu Tyr Val Val Ser Ile Val Ala Leu Asn Gly Arg 155 160 165 Glu Glu Ser Pro Leu Leu Ile Gly Gln Gln Ser Thr Val Ser Asp 170 175 180 Val Pro Arg Asp Leu Glu Val Val Ala Ala Thr Pro Thr Ser Leu 185 190 195 Leu Ile Ser Trp Asp Ala Pro Ala Val Thr Val Arg Tyr Tyr Arg 200 205 210 Ile Thr Tyr Gly Glu Thr Gly Gly Asn Ser Pro Val Gln Glu Phe 215 220 225 Thr Val Pro Gly Ser Lys Ser Thr Ala Thr Ile Ser Gly Leu Lys 230 235 240 Pro Gly Val Asp Tyr Thr Ile Thr Val Tyr Ala Val Thr Gly Arg 245 250 255 Gly Asp Ser Pro Ala Ser Ser Lys Pro Ile Ser Ile Asn Tyr Arg 260 265 270 Thr Glu Ile Asp Lys Pro Ser Met Ala Ile Pro Ala Pro Thr Asp 275 280 285 Leu Lys Phe Thr Gln Val Thr Pro Thr Ser Leu Ser Ala Gln Trp 290 295 300 Thr Pro Pro Asn Val Gln Leu Thr Gly Tyr Arg Val Arg Val Thr 305 310 315 Pro Lys Glu Lys Thr Gly Pro Met Lys Glu Ile Asn Leu Ala Pro 320 325 330 Asp Ser Ser Ser Val Val Val Ser Gly Leu Met Val Ala Thr Lys 335 340 345 Tyr Glu Val Ser Val Tyr Ala Leu Lys Asp Thr Leu Thr Ser Arg 350 355 360 Pro Ala Gln Gly Val Val Thr Thr Leu Glu Asn Val Ser Pro Pro 365 370 375 Arg Arg Ala Arg Val Thr Asp Ala Thr Glu Thr Thr Ile Thr Ile 380 385 390 Ser Trp Arg Thr Lys Thr Glu Thr Ile Thr Gly Phe Gln Val Asp 395 400 405 Ala Val Pro Ala Asn Gly Gln Thr Pro Ile Gln Arg Thr Ile Lys 410 415 420 Pro Asp Val Arg Ser Tyr Thr Ile Thr Gly Leu Gln Pro Gly Thr 425 430 435 Asp Tyr Lys Ile Tyr Leu Tyr Thr Leu Asn Asp Asn Ala Arg Ser 440 445 450 Ser Pro Val Val Ile Asp Ala Ser Thr Ala Ile Asp Ala Pro Ser 455 460 465 Asn Leu Arg Phe Leu Ala Thr Thr Pro Asn Ser Leu Leu Val Ser 470 475 480 Trp Gln Pro Pro Arg Ala Arg Ile Thr Gly Tyr Ile Ile Lys Tyr 485 490 495 Glu Lys Pro Gly Ser Pro Pro Arg Glu Val Val Pro Arg Pro Arg 500 505 510 Pro Gly Val Thr Glu Ala Thr Ile Thr Gly Leu Glu Pro Gly Thr 515 520 525 Glu Tyr Thr Ile Tyr Val Ile Ala Leu Lys Asn Asn Gln Lys Ser 530 535 540 Glu Pro Leu Ile Gly Arg Lys Lys Thr 545
【0060】配列番号:7 配列の長さ:274 配列の型:アミノ酸 鎖の数:1本鎖 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列: Pro Thr Asp Leu Arg Phe Thr Asn Ile Gly Pro Asp Thr Met Arg 1 5 10 15 Val Thr Trp Ala Pro Pro Pro Ser Ile Asp Leu Thr Asn Phe Leu 20 25 30 Val Arg Tyr Ser Pro Val Lys Asn Glu Glu Asp Val Ala Glu Leu 35 40 45 Ser Ile Ser Pro Ser Asp Asn Ala Val Val Leu Thr Asn Leu Leu 50 55 60 Pro Gly Thr Glu Tyr Val Val Ser Val Ser Ser Val Tyr Glu Gln 65 70 75 His Glu Ser Thr Pro Leu Arg Gly Arg Gln Lys Thr Gly Leu Asp 80 85 90 Ser Pro Thr Gly Ile Asp Phe Ser Asp Ile Thr Ala Asn Ser Phe 95 100 105 Thr Val His Trp Ile Ala Pro Arg Ala Thr Ile Thr Gly Tyr Arg 110 115 120 Ile Arg His His Pro Glu His Phe Ser Gly Arg Pro Arg Glu Asp 125 130 135 Arg Val Pro His Ser Arg Asn Ser Ile Thr Leu Thr Asn Leu Thr 140 145 150 Pro Gly Thr Glu Tyr Val Val Ser Ile Val Ala Leu Asn Gly Arg 155 160 165 Glu Glu Ser Pro Leu Leu Ile Gly Gln Gln Ser Thr Val Ser Asp 170 175 180 Val Pro Arg Asp Leu Glu Val Val Ala Ala Thr Pro Thr Ser Leu 185 190 195 Leu Ile Ser Trp Asp Ala Pro Ala Val Thr Val Arg Tyr Tyr Arg 200 205 210 Ile Thr Tyr Gly Glu Thr Gly Gly Asn Ser Pro Val Gln Glu Phe 215 220 225 Thr Val Pro Gly Ser Lys Ser Thr Ala Thr Ile Ser Gly Leu Lys 230 235 240 Pro Gly Val Asp Tyr Thr Ile Thr Val Tyr Ala Val Thr Gly Arg 245 250 255 Gly Asp Ser Pro Ala Ser Ser Lys Pro Ile Ser Ile Asn Tyr Arg 260 265 270 Thr Glu Ile Asp
【0061】配列番号:8 配列の長さ:432 配列の型:アミノ酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列: Pro Thr Asp Leu Arg Phe Thr Asn Ile Gly Pro Asp Thr Met Arg 1 5 10 15 Val Thr Trp Ala Pro Pro Pro Ser Ile Asp Leu Thr Asn Phe Leu 20 25 30 Val Arg Tyr Ser Pro Val Lys Asn Glu Glu Asp Val Ala Glu Leu 35 40 45 Ser Ile Ser Pro Ser Asp Asn Ala Val Val Leu Thr Asn Leu Leu 50 55 60 Pro Gly Thr Glu Tyr Val Val Ser Val Ser Ser Val Tyr Glu Gln 65 70 75 His Glu Ser Thr Pro Leu Arg Gly Arg Gln Lys Thr Gly Leu Asp 80 85 90 Ser Pro Thr Gly Ile Asp Phe Ser Asp Ile Thr Ala Asn Ser Phe 95 100 105 Thr Val His Trp Ile Ala Pro Arg Ala Thr Ile Thr Gly Tyr Arg 110 115 120 Ile Arg His His Pro Glu His Phe Ser Gly Arg Pro Arg Glu Asp 125 130 135 Arg Val Pro His Ser Arg Asn Ser Ile Thr Leu Thr Asn Leu Thr 140 145 150 Pro Gly Thr Glu Tyr Val Val Ser Ile Val Ala Leu Asn Gly Arg 155 160 165 Glu Glu Ser Pro Leu Leu Ile Gly Gln Gln Ser Thr Val Ser Asp 170 175 180 Val Pro Arg Asp Leu Glu Val Val Ala Ala Thr Pro Thr Ser Leu 185 190 195 Leu Ile Ser Trp Asp Ala Pro Ala Val Thr Val Arg Tyr Tyr Arg 200 205 210 Ile Thr Tyr Gly Glu Thr Gly Gly Asn Ser Pro Val Gln Glu Phe 215 220 225 Thr Val Pro Gly Ser Lys Ser Thr Ala Thr Ile Ser Gly Leu Lys 230 235 240 Pro Gly Val Asp Tyr Thr Ile Thr Val Tyr Ala Val Thr Gly Arg 245 250 255 Gly Asp Ser Pro Ala Ser Ser Lys Pro Ile Ser Ile Asn Tyr Arg 260 265 270 Thr Glu Ile Asp Lys Pro Ser Met Ala Ala Gly Ser Ile Thr Thr 275 280 285 Leu Pro Ala Leu Pro Glu Asp Gly Gly Ser Gly Ala Phe Pro Pro 290 295 300 Gly His Phe Lys Asp Pro Lys Arg Leu Tyr Cys Lys Asn Gly Gly 305 310 315 Phe Phe Leu Arg Ile His Pro Asp Gly Arg Val Asp Gly Val Arg 320 325 330 Glu Lys Ser Asp Pro His Ile Lys Leu Gln Leu Gln Ala Glu Glu 335 340 345 Arg Gly Val Val Ser Ile Lys Gly Val Cys Ala Asn Arg Tyr Leu 350 355 360 Ala Met Lys Glu Asp Gly Arg Leu Leu Ala Ser Lys Cys Val Thr 365 370 375 Asp Glu Cys Phe Phe Phe Glu Arg Leu Glu Ser Asn Asn Tyr Asn 380 385 390 Thr Tyr Arg Ser Arg Lys Tyr Thr Ser Trp Tyr Val Ala Leu Lys 395 400 405 Arg Thr Gly Gln Tyr Lys Leu Gly Ser Lys Thr Gly Pro Gly Gln 410 415 420 Lys Ala Ile Leu Phe Leu Pro Met Ser Ala Lys Ser 425 430
【0062】配列番号:9 配列の長さ:464 配列の型:アミノ酸 鎖の数:1本鎖 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列: Pro Thr Asp Leu Arg Phe Thr Asn Ile Gly Pro Asp Thr Met Arg 1 5 10 15 Val Thr Trp Ala Pro Pro Pro Ser Ile Asp Leu Thr Asn Phe Leu 20 25 30 Val Arg Tyr Ser Pro Val Lys Asn Glu Glu Asp Val Ala Glu Leu 35 40 45 Ser Ile Ser Pro Ser Asp Asn Ala Val Val Leu Thr Asn Leu Leu 50 55 60 Pro Gly Thr Glu Tyr Val Val Ser Val Ser Ser Val Tyr Glu Gln 65 70 75 His Glu Ser Thr Pro Leu Arg Gly Arg Gln Lys Thr Gly Leu Asp 80 85 90 Ser Pro Thr Gly Ile Asp Phe Ser Asp Ile Thr Ala Asn Ser Phe 95 100 105 Thr Val His Trp Ile Ala Pro Arg Ala Thr Ile Thr Gly Tyr Arg 110 115 120 Ile Arg His His Pro Glu His Phe Ser Gly Arg Pro Arg Glu Asp 125 130 135 Arg Val Pro His Ser Arg Asn Ser Ile Thr Leu Thr Asn Leu Thr 140 145 150 Pro Gly Thr Glu Tyr Val Val Ser Ile Val Ala Leu Asn Gly Arg 155 160 165 Glu Glu Ser Pro Leu Leu Ile Gly Gln Gln Ser Thr Val Ser Asp 170 175 180 Val Pro Arg Asp Leu Glu Val Val Ala Ala Thr Pro Thr Ser Leu 185 190 195 Leu Ile Ser Trp Asp Ala Pro Ala Val Thr Val Arg Tyr Tyr Arg 200 205 210 Ile Thr Tyr Gly Glu Thr Gly Gly Asn Ser Pro Val Gln Glu Phe 215 220 225 Thr Val Pro Gly Ser Lys Ser Thr Ala Thr Ile Ser Gly Leu Lys 230 235 240 Pro Gly Val Asp Tyr Thr Ile Thr Val Tyr Ala Val Thr Gly Arg 245 250 255 Gly Asp Ser Pro Ala Ser Ser Lys Pro Ile Ser Ile Asn Tyr Arg 260 265 270 Thr Glu Ile Asp Lys Pro Ser Met Gly Ile Arg Gly Leu Lys Gly 275 280 285 Thr Lys Gly Glu Lys Gly Glu Asp Gly Phe Pro Gly Phe Lys Gly 290 295 300 Asp Met Gly Ile Lys Gly Asp Arg Gly Glu Ile Gly Pro Pro Gly 305 310 315 Pro Arg Gly Glu Asp Gly Pro Glu Gly Pro Lys Gly Arg Gly Gly 320 325 330 Pro Asn Gly Asp Pro Gly Pro Leu Gly Pro Pro Gly Glu Lys Gly 335 340 345 Lys Leu Gly Val Pro Gly Leu Pro Gly Tyr Pro Gly Arg Gln Gly 350 355 360 Pro Lys Gly Ser Ile Gly Phe Pro Gly Phe Pro Gly Ala Asn Gly 365 370 375 Glu Lys Gly Gly Arg Gly Thr Pro Gly Lys Pro Gly Pro Arg Gly 380 385 390 Gln Arg Gly Pro Thr Gly Pro Arg Gly Glu Arg Gly Pro Arg Gly 395 400 405 Ile Thr Gly Lys Pro Gly Pro Lys Gly Asn Ser Gly Gly Asp Gly 410 415 420 Pro Ala Gly Pro Pro Gly Glu Arg Gly Pro Asn Gly Pro Gln Gly 425 430 435 Pro Thr Gly Phe Pro Gly Pro Lys Gly Pro Pro Gly Pro Pro Gly 440 445 450 Lys Asp Gly Leu Pro Gly His Pro Gly Gln Arg Gly Glu Thr 455 460
【0063】配列番号:10 配列の長さ:186 配列の型:アミノ酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列: Gly Ile Arg Gly Leu Lys Gly Thr Lys
Gly Glu Lys Gly Glu Asp 1 5
10 15 Gly Phe Pro Gly Phe Lys Gly Asp Met
Gly Ile Lys Gly Asp Arg 20
25 30 Gly Glu Ile Gly Pro Pro Gly Pro Arg
Gly Glu Asp Gly Pro Glu 35
40 45 Gly Pro Lys Gly Arg Gly Gly Pro Asn
Gly Asp Pro Gly Pro Leu 50
55 60 Gly Pro Pro Gly Glu Lys Gly Lys Leu
Gly Val Pro Gly Leu Pro 65
70 75 Gly Tyr Pro Gly Arg Gln Gly Pro Lys
Gly Ser Ile Gly Phe Pro 80
85 90 Gly Phe Pro Gly Ala Asn Gly Glu Lys
Gly Gly Arg Gly Thr Pro 95
100 105 Gly Lys Pro Gly Pro Arg Gly Gln Arg
Gly Pro Thr Gly Pro Arg 110
115 120 Gly Glu Arg Gly Pro Arg Gly Ile Thr
Gly Lys Pro Gly Pro Lys 125
130 135 Gly Asn Ser Gly Gly Asp Gly Pro Ala
Gly Pro Pro Gly Glu Arg 140
145 150 Gly Pro Asn Gly Pro Gln Gly Pro Thr
Gly Phe Pro Gly Pro Lys 155
160 165 Gly Pro Pro Gly Pro Pro Gly Lys Asp
Gly Leu Pro Gly His Pro 170
175 180 Gly Gln Arg Gly Glu Thr 185
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07K 14/78 ZNA C07K 16/18 16/18 16/22 16/22 16/44 16/44 C12P 21/02 A // C12N 15/09 A61K 37/02 ADY C12P 21/02 9282−4B C12N 15/00 A (C12P 21/02 C12R 1:19)

Claims (40)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 細胞へのヒト免疫不全ウイルス(HI
    V)の感染に関与する機能性物質を有効成分としてなる
    細胞へのHIV感染の制御用組成物。
  2. 【請求項2】 機能性物質が、フィブロネクチンまたは
    フィブロネクチンのフラグメントである請求項1記載の
    組成物。
  3. 【請求項3】 フィブロネクチンのフラグメントが配列
    表の配列番号1で表されるポリペプチド、該ポリペプチ
    ドの機能的同等物および該ポリペプチドまたは該ポリペ
    プチドの機能的同等物を含有するポリペプチドから選択
    される機能性物質である請求項2記載の組成物。
  4. 【請求項4】 機能性物質が線維芽細胞増殖因子、該因
    子の機能的同等物および該因子または該因子の機能的同
    等物を含有するポリペプチドから選択される機能性物質
    である請求項1記載の組成物。
  5. 【請求項5】 細胞へのHIVの感染に関与する機能性
    物質を制御する物質を有効成分としてなる細胞へのHI
    V感染の制御用組成物。
  6. 【請求項6】 機能性物質が、フィブロネクチンまたは
    フィブロネクチンのフラグメントである請求項5記載の
    組成物。
  7. 【請求項7】 フィブロネクチンのフラグメントが配列
    表の配列番号1で表されるポリペプチド、該ポリペプチ
    ドの機能的同等物および該ポリペプチドまたは該ポリペ
    プチドの機能的同等物を含有するポリペプチドから選択
    される機能性物質である請求項6記載の組成物。
  8. 【請求項8】 機能性物質が線維芽細胞増殖因子、該因
    子の機能的同等物および該因子または該因子の機能的同
    等物を含有するポリペプチドから選択される機能性物質
    である請求項5記載の組成物。
  9. 【請求項9】 機能性物質を制御する物質が、HIV感
    染に関与する機能性物質に特異的な結合性物質である請
    求項5記載の組成物。
  10. 【請求項10】 結合性物質が抗体である請求項9記載
    の組成物。
  11. 【請求項11】 抗体が抗フィブロネクチン抗体である
    請求項10記載の組成物。
  12. 【請求項12】 抗体が配列表の配列番号2で表される
    ポリペプチドを特異的に認識する抗体である請求項11
    記載の組成物。
  13. 【請求項13】 抗体が配列表の配列番号3で表される
    ポリペプチドを特異的に認識する抗体である請求項11
    記載の組成物。
  14. 【請求項14】 抗体が抗線維芽細胞増殖因子抗体であ
    る請求項10記載の組成物。
  15. 【請求項15】 結合性物質がヘパリンまたはヘパリン
    断片である請求項9記載の組成物。
  16. 【請求項16】 機能性物質を制御する物質が、請求項
    6、7または8記載の感染に関与する機能性物質の断片
    であって、該機能性物質に拮抗作用を有し、該機能性物
    質の感染への関与を妨げる断片である請求項5記載の組
    成物。
  17. 【請求項17】 HIVの細胞への感染に関与する機能
    性物質と、複製能欠損HIVウイルスベクターとを組み
    合わせてなるHIV感染細胞制御用組成物。
  18. 【請求項18】 複製能欠損HIVウイルスベクター
    が、抗HIV性物質をコードする遺伝子を組み込んだ複
    製能欠損HIVウイルスベクターである請求項17記載
    の組成物。
  19. 【請求項19】 抗HIV物質がアンチセンス核酸、リ
    ボザイム、デコイ、細胞内抗体あるいはトランスドミナ
    ントタンパクから選択される物質である請求項18記載
    の組成物。
  20. 【請求項20】 感染に関与する機能性物質が請求項
    6、7または8記載の物質である請求項17〜19いず
    れか1項に記載の組成物。
  21. 【請求項21】 細胞がCD4分子を発現する細胞であ
    る請求項1〜20いずれが1項に記載の組成物。
  22. 【請求項22】 細胞がCD4陽性T細胞である請求項
    21に記載の組成物。
  23. 【請求項23】 細胞へのHIVの感染を制御する方法
    において、感染に関与する機能性物質を制御することを
    特徴とする細胞へのHIV感染制御方法。
  24. 【請求項24】 機能性物質が、フィブロネクチンまた
    はフィブロネクチンのフラグメントである請求項23記
    載の方法。
  25. 【請求項25】 フィブロネクチンのフラグメントが配
    列表の配列番号1で表されるポリペプチド、該ポリペプ
    チドの機能的同等物および該ポリペプチドまたは該ポリ
    ペプチドの機能的同等物を含有するポリペプチドから選
    択される機能性物質である請求項24記載の方法。
  26. 【請求項26】 機能性物質が線維芽細胞増殖因子、該
    因子の機能的同等物および該因子または該因子の機能的
    同等物を含有するポリペプチドから選択される機能性物
    質である請求項25記載の方法。
  27. 【請求項27】 HIV感染に関与する機能性物質に特
    異的な結合性物質を使用することを特徴とする請求項2
    3記載の方法。
  28. 【請求項28】 結合性物質が抗体である請求項27記
    載の方法。
  29. 【請求項29】 抗体が抗フィブロネクチン抗体である
    請求項28記載の方法。
  30. 【請求項30】 抗体が配列表の配列番号2で表される
    ポリペプチドを特異的に認識する抗体である請求項29
    記載の方法。
  31. 【請求項31】 抗体が配列表の配列番号3で表される
    ポリペプチドを特異的に認識する抗体である請求項29
    記載の方法。
  32. 【請求項32】 抗体が抗線維芽細胞増殖因子抗体であ
    る請求項28記載の方法。
  33. 【請求項33】 結合性物質がヘパリンまたはヘパリン
    断片である請求項27記載の方法。
  34. 【請求項34】 請求項24、25または26記載の感
    染に関与する機能性物質の断片であって、該機能性物質
    に拮抗作用を有し、該機能性物質の感染への関与を妨げ
    る断片を使用することを特徴とする請求項23記載の方
    法。
  35. 【請求項35】 HIVの感染細胞を制御する方法にお
    いて、感染に関与する機能性物質の存在下で、感染細胞
    に複製能欠損HIVウイルスベクターを導入することを
    含むHIV感染細胞の制御方法。
  36. 【請求項36】 抗HIV性物質をコードする遺伝子を
    組み込んだ複製能欠損HIVウイルスベクターを使用す
    る請求項35記載の方法。
  37. 【請求項37】 抗HIV物質がアンチセンス核酸、リ
    ボザイム、デコイ、細胞内抗体あるいはトランスドミナ
    ントタンパクから選択される物質である請求項36記載
    の方法。
  38. 【請求項38】 感染に関与する機能性物質が請求項
    2、3または4記載の物質である請求項35から37い
    ずれか1項に記載の方法。
  39. 【請求項39】 細胞がCD4分子を発現する細胞であ
    る請求項23〜38いずれか1項に記載の方法。
  40. 【請求項40】 細胞がCD4陽性T細胞である請求項
    39に記載の方法。
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