JPH10299189A - 建築物の外装構造及びその施工方法 - Google Patents

建築物の外装構造及びその施工方法

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JPH10299189A
JPH10299189A JP11376497A JP11376497A JPH10299189A JP H10299189 A JPH10299189 A JP H10299189A JP 11376497 A JP11376497 A JP 11376497A JP 11376497 A JP11376497 A JP 11376497A JP H10299189 A JPH10299189 A JP H10299189A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 建築物の屋根や壁といった外装構造にあっ
て、複数の外装材によって構成される外装面を連続する
弾性防水層で被覆し、耐候性及び耐久性を向上させた建
築物の外装構造を提案する。 【解決手段】 複数の外装材1を接続してなる建築物の
外装構造にあって、前記外装材1によって構成される外
装面の全面に亘って連続する弾性防水層3を形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物の屋根や壁
といった外装構造にあって、複数の外装材によって構成
される外装面を連続する弾性防水層で被覆し、耐候性及
び耐久性を向上させた建築物の外装構造及び施工方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、建築物の外装構造として、隣接す
る縦葺き外装材の接続部の屋内側に樋部材を添設する構
造が数多く提案されている。例えばこれらの構造として
は、特公平1−52540号公報、特公平7−3971
8号公報、特公平8−6409号公報等に記載される外
装構造が知られているが、このような構造では、外装材
の側縁間を被覆するカバー部材と外装材との隙間、或い
は隣接する外装材どうしの隙間からの浸入水を、外装面
の屋内側に添設された樋部材で受け止めて軒側に排出す
る構造である。そのため、外部は強風雨のような高い圧
力を伴う悪気象条件でも、構造内部の樋部材空間はこの
ような圧力を殆ど受けることがなく、円滑な排水を行う
ことができるという特性を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記従来
の外装構造では、以下のような問題があった。即ち、風
雨等により木の葉や枝、塵、埃等が外装面に頻繁に飛来
してくるような環境の建築物では、経年の使用により浸
入水とともに微細な木の葉や枝、塵、埃が樋部材内に浸
入し、排水面に堆積することがある。そして、排水面の
堆積物は排水を妨げる抵抗物となる(樋部材素材の粗度
係数を大きく低下させる)ので、所期の排水性が損なわ
れる。また、表面形状が平坦状の外装材の場合、その裏
面にバックアップ材が敷設されていて外装面上を歩行で
きる歩行屋根として好適であるが、縦葺き外装材の素材
として一般に薄膜のプレコート材が用いられるため、歩
行者の靴に付いた砂粒や小石で擦り傷が生じ、地金が表
出して錆等の腐食の原因となったり、塗膜の剥離を招き
やすいという問題がある。尚、前記プレコート材はカラ
ーコイルメーカーでロールコートされるため、品質に優
れるが、塗膜厚は一般的に数十ミクロンしかない。さら
に、カバー部材と外装材との隙間、或いは隣接する外装
材どうしの隙間を覆うように部分的に防水シートを貼着
する構造も一部提案されているが、このような構造では
防水シートと外装面との接着性が完全でなければ問題を
解決することができず、接着作業に雨仕舞い性が依存す
るものであった。また、外装材の伸縮に追従できず、亀
裂を発生させたり剥離する等の問題を生じて結局雨仕舞
い性を向上することができなかった。さらに、防水シー
トと外装材の両方に化粧性が求められる構造であるもの
の、素材が異なる(外装材表面の塗料バインダーとシー
トを構成する樹脂成分との相違)ため、色を一致させる
ことが極めて困難であり、しかも経年に伴う退色、変色
によって結局異なる色となるので、継ぎ当て状の外観と
なり意匠性を著しく損ねるものであった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上記に鑑み提案
されたもので、複数の外装材を接続してなる建築物の外
装構造にあって、前記外装材によって構成される外装面
の全面に亘って連続する弾性防水層を形成したことを特
徴とする建築物の外装構造を提案する。また、本発明
は、隣接する縦葺き外装材の接続部の屋内側に樋部又は
樋部材を設けてなる建築物の外装構造にあって、前記縦
葺き外装材によって構成される外装面の全面に亘って連
続する弾性防水層を形成したことを特徴とする建築物の
外装構造をも提案するものである。尚、本発明における
縦葺き外装材は、建築物の屋根や外壁に用いられる縦葺
き屋根板材や縦張り外壁材であって、より具体的には瓦
棒、折板、サイディングである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明における弾性防水層として
は、種々の構成のものを用いることができるが、防滑性
を有するものが好ましい。また、この弾性防水層は、以
下の(1)弾性防水塗料により形成される塗膜である場
合,(2)弾性防水シートである場合の2種類に大別さ
れる。
【0006】(1)弾性防水層が弾性防水塗料により形
成される塗膜である場合 この場合、適宜に濃度や粘度等を調整された弾性防水塗
料を外装面に塗装することにより弾性防水層が形成され
るものであって、具体的な塗装(塗布)方法については
公知の吹き付け(噴霧)、刷毛塗り、ローラー塗り等ど
のような方法を採用してもよい。また、連続する弾性防
水層を形成するには一般の塗装に比べて極めて厚肉の塗
膜を形成する必要があるが、特にその膜厚を限定するも
のではなく、通常簡易タイプでも0.4mm以上、一般
的には1mm以上に設定される。さらに、必ずしも均一
な厚みの塗膜とする必要はなく、例えば意匠性を損なわ
ない程度に接続部における空隙部分(雨水の浸入部分)
を覆う箇所を特に厚肉に形成するようにしてもよい。
尚、一般に行われている200ミクロン以下のコートで
は、比較的塗料の粘度が低くても塗装直後に溶媒(水)
の蒸発により粘度上昇が生じてタレ等の発生が抑制され
るが、塗布量がその数倍に及ぶ弾性防水塗料の塗装で一
度塗り仕上げする場合には、タレ等を生じないようにタ
レ等を生じないように高粘度で塗装することが望まし
い。重ね塗りする場合には、低粘度のものとしてもよ
い。尚、これらの弾性防水塗料の塗装の下処理として防
錆性や密着性等を向上する目的で公知の下塗り錆止め塗
装やプライマーコートを行うようにしてもよい。また、
これら弾性防水塗料の塗膜表面に意匠性や耐久性等を向
上する目的で公知のトップコートを行うようにしてもよ
い。
【0007】前記弾性防水塗料としては、その乾燥塗膜
が外装材の伸縮に追従できる程度の伸縮性と防水性とを
有する点を除いて特に限定するものではないが、例えば
以下の構成の塗料を用いることができる。 ・アクリル系水性弾性防水塗料 アクリル系樹脂エマルジョンに、SBRラテックス、ポ
リ酢酸ビニル、エチレン・酢酸ビニル共重合体等の合成
樹脂、二酸化チタン、炭酸カルシウム、水酸化アルミニ
ウム等の無機体質顔料、分散剤、消泡剤、増粘剤、乳化
剤、可塑剤、湿潤剤、着色顔料、滑石パウダー、ガラス
ビーズ、シリカフラワー、セラミック粉等の無機微粉
末、ホワイトスピリット、防黴剤、防湿剤、か焼アルミ
ナ、マイカ、カオリン、ドロマイト、タルク、酸化亜鉛
等の無機材、酸化鉄炭化水素、エチレングリコールモノ
ブチルエーテル等の各種添加剤を適宜に配合して調製す
ることができる。上記のアクリル系樹脂エマルジョンと
しては、アクリル酸、メタクリル酸又はこれらのエステ
ルの(共)重合体、或いはスチレンや酢酸ビニル等のビ
ニル系モノマー等の共重合可能な他のモノマーとの共重
合体等を用いることができる。また、このアクリル系樹
脂エマルジョンにセメントやフィラーを配合してポリマ
ーセメントエマルジョンとしてもよい。尚、このアクリ
ル系(共)重合体は、Tg(ガラス転移点)が−10〜
−60℃程度のものを使用するので、このアクリル系水
性弾性防水塗料は、防水性能及び高伸張性(弾性)を有
し、耐水性、耐久性、耐折り曲げ性、クラック追従性、
経済性も優れている。
【0008】・カルボキシ変性スチレンブタジエン系水
性弾性防水塗料 カルボキシ変性スチレンブタジエン共重合体(CSB
R)、メタクリル酸シクロヘキシル共重合体、脂肪酸石
鹸等からなる複合ポリマーエマルジョンに、酸化珪素
(珪砂)、酸化カルシウム、酸化鉄(鉄粉)、酸化亜鉛
(亜鉛華)、グリシン、フライアッシュ、セラミック粉
等を混合して調製される。さらに、前記アクリル系塗料
において記載した各種添加剤等を添加するようにしても
よい。また、必要に応じてセメント、砂からなるモルタ
ルを配合するようにしてもよい。このCSBR系塗料
は、乾燥膜厚が最低1.1mm程度となるように塗装さ
れ、前記アクリル系水性弾性防水塗料と同様に、鉄や亜
鉛メッキ面等に対する接着性に優れ、また伸縮性にも優
れているため外装材の伸縮にも十分に追従することがで
き、さらに防水、防錆、弾力を付与させる。
【0009】・アスファルト系水性弾性防水塗料 アスファルト乳剤、アスファルト乳剤にポリマーエマル
ジョン、ポリマーセメント、水性ポリウレタン系樹脂と
珪砂等の砂状粒子を混合して調製される。このアスファ
ルト系水性弾性防水塗料は、前記ポリマー系の水性防水
塗料と同様に外装材の伸縮に追従するが、前記ポリマー
系の水性防水塗料に比べて伸縮性や追従性では劣る。し
かし、前記ポリマー系の水性防水塗料に比べて強度特性
については優れている。
【0010】尚、これらのアクリル系、CSBR系、ア
スファルト系の各弾性防水塗料の塗膜に防滑性を付与す
るには、塗料中に50〜1500ミクロンのガーネット
ダスト、クウォートダスト、珪砂、銅スラグ、ジルコニ
ウム粉粒、酸化アルミニウムカーボランダム粒、グラニ
ット、セラミック粉砕粒、破砕ガラス等の無機質細粒等
を配合したり、塗装後に散布するようにしてもよいし、
塗料を塗布後、半乾きの状態で表面に型押し具等を圧接
して適宜形状の凹凸を形成するようにしてもよい。ま
た、これらの塗料を塗布する際には、硬質のハケを用い
て塗料を塗布、仕上げするようにしてもよい。また、前
記例示した塗料に用いられる各ポリマーには軟質ウレタ
ン、弾性エポキシ、SBS等の他の弾性樹脂を用いても
よいし、適宜に塑性樹脂を配合するようにしてもよい。
さらに、この弾性防水塗料は、水性のものに限定するも
のではないが、前記アクリル系、CSBR系、アスファ
ルト系の各水性弾性防水塗料は、有機溶剤等を使用して
いないので自然環境の保全に貢献する。
【0011】(2)弾性防水層が弾性防水シートである
場合 この場合、予めフィルム状に形成された弾性防水シート
を外装面の全面に亘って接着することにより弾性防水層
が形成されるものであって、具体的な接着方法について
は公知の熱融着、接着剤、粘着剤、溶剤による溶着等で
固定する等どのような方法を採用してもよい。また、外
装面のうち折曲部等にも弾性防水シートが十分に密接す
るように圧搾空気等を噴出しながら接着するようにして
もよい。さらにその際、この弾性防水シートは外装面の
全面に亘って敷設されるので、例えば接着剤や粘着剤を
全面に塗布しなくてもよい。
【0012】前記弾性防水シートとしては、外装材の伸
縮に追従できる程度の伸縮性と防水性とを有する点を除
いて特に限定するものではないが、例えば以下の構成の
シートを用いることができる。 ・ゴム製又は樹脂製のフィルム状弾性防水シート クロロプレンゴム(CR)等のゴムやその加硫物、ポリ
塩化ビニル(PVC)やポリエチレン(PE)、ポリウ
レタン(PU)等の合成樹脂などを1〜数mmの厚肉の
フィルム状に加工成形する。尚、フィルム加工方法等に
ついては何ら限定するものではなく、公知のどのような
方法を採用してもよい。また適宜に可塑剤、安定剤、顔
料、充填剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、難燃剤等の繊
維補強剤等の各種添加剤を配合するようにしてもよい。
さらに、適宜複層フィルムとしてもよい。尚、このフィ
ルム状弾性防水シートを外装面に接着するには、前記の
ように公知のどのような方法を採用してもよいが、接着
剤として外装材の伸縮に伴うシートの伸縮(追従)を妨
げることがなく防水性を有するもの、例えば前記各種の
弾性防水塗料の防水性を有するものを用いることが好ま
しい。
【0013】・繊維シートを支持体とする弾性防水シー
ト 繊維シートのようにそれ自体は防水性を有しない支持体
に例えば前記各種の弾性防水塗料等を含浸させたり塗布
する等して弾性防水シートとする。この場合、予め含浸
処理を施した後に適宜固定手段により外装面に固定する
ようにしてもよいし、外装面に支持体を被覆した後に前
記各種の弾性防水塗料等を塗布してその場で含浸するよ
うにしてもよい。後者の場合、前記各種の弾性防水塗料
等は接着剤の機能を果たすものとなる。前記繊維シート
としては、ガラス繊維、セラミックス繊維(シリカアル
ミナ系繊維)等の無機質系繊維、ポリエステル繊維、ア
クリル繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、ビニロン繊維、ナ
イロン繊維、ポリプロピレン繊維、不織布等の合成繊維
の1種以上からなる繊維質シートを用いることができ
る。
【0014】尚、これらの各弾性防水シートに防滑性を
付与するには、目の粗い繊維シートの一側面に前記各種
の弾性防水塗料を塗布し、繊維シートの多数の隙間を通
して弾性防水塗料を繊維シートの他側面より突出させて
多数の小突起を形成してもよい。また、前記ゴム製、合
成樹脂製のシート以外にもアスファルトシートを用いる
ようにしてもよい。
【0015】本発明におけるその他の構成については特
に限定するものではなく、どのような外装構造、構成部
材を採用してもよい。例えば、外装材は、比較的安価な
防蝕メッキを施した鋼板でよいが、チタン合金板、ステ
ンレス鋼板、アルミ合金板、表面化粧鋼板、ラミネート
鋼板、銅板、真鍮板、鉛板等の公知の金属素材を用いて
もよい。尚、本発明では、前記の弾性防水層を外装面の
全面に亘って形成する構成であって化粧性は基本的に外
装材に求められないため、外装材としては施工までの間
の品質低下を生じない程度の表面処理(例えば防錆処理
など)を行ったものを用いることができる。また、この
外装材及び外装構造は、その形状や接続、固定方式につ
いても特に限定するものではなく、従来公知の嵌合式、
重合式、係合式等のいずれの方式のものでも良い。
【0016】本発明の建築物の外装構造は、弾性防水層
を外装面の全面に亘って設けたので、その弾性により弾
性防水層は外装材の熱伸縮に対応して亀裂を発生させる
ことも外装面から剥離することもなく、雨水やその他の
外的影響から外装面を保護することができる。また、弾
性防水層の存在により、外装材の温度上昇が緩和され、
外装材の熱伸縮量が抑制されるので、外装材と固定部材
等との摩耗が減少し、長期的安全性が向上する。さら
に、この弾性防水層は、従来のプレコート材の塗膜に比
較して厚肉に形成されるので、極めて耐候性、耐食性に
優れる。したがって、本発明の外装構造は、長期に亘っ
て美観を維持するものとなる。
【0017】特に弾性防水層を弾性防水塗料の塗装によ
り形成する場合、極めて簡単な操作で高い接着性を得る
ことができ、局部的に破損が生じても破損が拡張するこ
とがない。また、弾性防水シートで弾性防水層を形成す
る場合、例えば接着強度を低く設定(相対的にシートの
破断強度を大きくする)して局部的に破損する箇所が多
くなったらシートを強制的に剥離して新しいシートを接
着するようにしてもよい。
【0018】特に隣接する縦葺き外装材の接続部の屋内
側に樋部又は樋部材を設けた外装構造では、前記のよう
に雨水の浸入に伴って微細な木の葉や枝、塵、埃等が樋
部や樋部材に浸入して堆積するという問題があったが、
本発明では前記の弾性防水層によって微細な木の葉や
枝、塵、埃等の浸入が防止されるので、樋部材の排水性
の低下を防止することができる。特に内部に樋部又は樋
部材を設ける場合、経年の使用により弾性防水層に局部
的な破損が生じたり、施工不良箇所があっても樋部又は
樋部材が設けられているので、雨仕舞い性能が確保され
るものとなる。
【0019】
【実施例】以下、本発明を図面に基づいて説明する。
【0020】図1、図2には、外装材1の一部に樋部1
6を設ける態様、図3、図4、図5には、外装材1とは
別部材の樋部材2を設ける態様を示した。また、図1、
図3、図4の弾性防水層3は弾性防水塗料により形成さ
れたもので、図2、図5の弾性防水層3は弾性防水シー
トである。
【0021】図1及び図2に示す各外装構造は、一方の
側縁に、平面部11から外方へ延在する折り返し片状の
重合部12を備えると共に該重合部12の下方に係止部
13を備え、他方の側縁に被重合部15を備えると共に
該被重合部15の下方に樋部16を備える外装材(縦葺
き屋根板)1を用いて施工した表面(外装面)が平坦な
外装構造(屋根構造)である。図中、4は外装材1の樋
部16の外側壁面に跨がる抱持部41を備えると共に被
係止部42を備える吊子部材であり、5は平面部11の
裏面に敷設されるバックアップ材である。このバックア
ップ材5は外装材1と一体に敷設してもよい。そして、
外装材1の係止部13を他方の外装材1の樋部16内で
吊子部材4の被係止部42に係合させると共に重合部1
2と被重合部15を重合させて樋部16を覆うように接
続した構成である。
【0022】図1の外装面の全面に亘って形成される弾
性防水層3は、外装面を十分に洗浄した後、アクリル系
樹脂(固形分)を30〜50重量%、好ましくは35〜
42重量%、酸化チタンを2.5〜5重量%、好ましく
は3〜5重量%、酸化鉄を3〜4重量%、好ましくは3
〜3.6重量%、炭酸カルシウムを8〜15重量%、好
ましくは8〜13重量%を配合した水性弾性エマルジョ
ン塗料(ハイ−FX,株式会社ハイウッドシステム製)
を塗装することが好ましい。この弾性防水塗料は、乾燥
膜厚が最低1.3mm程度となるように塗装され、高伸
張性(伸張率500%以上)、耐水性(透水性0.04
ml)、クラック追従性等の特性が何れも優れ、しかも
水性であるにもかかわらず、下塗り錆止め塗料やプライ
マーを必要とすることなく腐食性素材等に直接塗布する
ことができ(付着強度25kgf/cm2 )、さらに防
錆効果をも発揮する。また、上記の水性弾性エマルジョ
ン塗料の塗装表面には、アクリル系樹脂68〜88重量
部と、消泡剤1.5〜0.2重量部と、流動加湿成分1
〜0.22重量部と、防湿剤1〜0.033重量部と、
水4〜0.5重量部と、可塑剤3〜0.62重量部と、
防黴剤1〜0.1重量部と、顔料分散剤1〜0.15重
量部と、酸化チタン8〜1.45重量部、炭酸カルシウ
ム9〜16重量部、か焼アルミナ9〜16重量部、マイ
カ9〜16重量部、カオリン9〜16重量部、ドロマイ
ト9〜16重量部、タルク9〜16重量部、酸化亜鉛9
〜16重量部、炭化水素2〜0.5重量部、エチレング
リコールモノブチルエーテル3〜0.25重量部からな
る仕上げ塗料による塗装(膜厚100ミクロン程度)を
用いると、特に伸縮性に優れ、亀裂等の発生が確実に防
止されるものとなる。図2の外装面の全面に亘って形成
される弾性防水層3は、予め目の粗いアクリル繊維シー
トの一側面に前記アクリル系弾性防水塗料を塗布し、繊
維シートの多数の隙間を通して他面側から塗料を突出さ
せ、多数の小突起を形成した。このシートの小突起が形
成された面を上面にし、同じ塗料を接着剤として外装面
に塗布しながらシートを外装面に敷設、接着した。
【0023】このように施工される図示実施例の外装構
造は、弾性防水層を外装面の全面に亘って設けたので、
雨水やその他の外的影響から外装面(構造)を保護する
ことができ、長期に亘って美観を維持するものとなる。
また、この外装構造は、重合部12と被重合部15とが
重合して樋部16を覆う構造であるため、基本的に微細
な木の葉や枝、塵、埃等が樋部16に浸入しにくいもの
であり、しかも外装面の全面に亘って弾性防水層3が設
けられているので、微細な木の葉や枝、塵、埃等が樋部
16に浸入して堆積することがなく、樋部16の排水性
の低下を防止することができる。さらに、図1の弾性防
水層3の表面には無機質粉粒が多数表出し、図2の弾性
防水層3の表面には小突起が無数に形成されて何れも防
滑性を備えているので、歩行屋根として好適に利用する
ことができる。また、弾性防水層3の存在により、外装
材1の急激な温度変化が緩和され、外装材1の熱伸縮量
は抑制される。その結果、外装材1の熱伸縮による吊子
部材4との摩耗が減少し、長期的安全性が向上する。
【0024】図3、図4に示す各外装構造は、前記図
1、図2の各外装構造と同様に表面(外装面)が平坦な
外装構造(屋根構造)であるが、外装材1と別部材の樋
部材2が配設され、外装材1,1間に樋部材2を塞ぐカ
バー部材6が配設される構成であり、図3では樋部材2
を跨ぐように吊子部材4が固定され、図4では樋部材2
自体が吊子部材4を兼ねる構成である。尚、図3におけ
る7は外装材1の側縁を樋部材2の内部で固定する固定
金具である。図3の外装面の全面に亘って形成される弾
性防水層3は前記図1と同様の水性弾性防水塗料を用い
てもよいが、防滑性を付与する目的で粒径50〜150
0ミクロンのガーネットと、水硬性セメントと、アクリ
ル系合成樹脂を含有する水性エマルジョンとを含有する
アクリル系弾性防水塗料(塗料配合は以下に示した)を
用いてローラ塗り等により乾燥膜厚1.5mm程度とな
るように塗布して形成してもよい。このアクリル系水性
弾性防水塗料による弾性防水層3は、前記のように防滑
性を付与するばかりでなく、ハンマーショックで剥離が
起こらない程の高い耐衝撃性も付与し、高い接着性(4
6kgf/cm2 )、耐摩耗性、圧縮強度、曲げ強度等
においても優れ、さらに防錆効果をも発揮する。 (塗料配合) ハイ−BX 粉体A材(株式会社ハイウッドシステム製) 1kg 溶剤B材 215ml 図4の外装面の全面に亘って形成される弾性防水層3は
前記図2と同様にアクリル繊維シート及び前記アクリル
系弾性防水塗料にて形成した。このように施工される図
示実施例の外装構造は、前記図1、図2の外装構造と全
く同様の効果が果たされ、この場合、樋部材2の排水性
の低下を防止することができる。
【0025】図5に示す外装構造は、凸状の接続部が形
成される外装構造であるが、上下に分割される固定具
(吊子部材)4の間に樋部材2が受止される構成であ
る。図5の外装面の全面に亘って形成される弾性防水層
3は前記図2と同様にアクリル繊維シート及びアクリル
系弾性防水塗料にて形成したが、シートの貼着に際して
は圧搾空気を用いて十分に密着するようにした。このよ
うに施工される図示実施例の外装構造は、前記各外装構
造と全く同様の効果が果たされる。
【0026】以上本発明を図面の実施の形態に基づいて
説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるもの
ではなく、特許請求の範囲に記載の構成を変更しない限
りどのようにでも実施することができる。
【0027】
【発明の効果】以上要するに本発明は、伸張性、防水性
を有する弾性防水層を外装面の全面に亘って設けたの
で、その弾性により弾性防水層は外装材の熱伸縮に対応
して亀裂を発生させることも外装面から剥離することも
なく、雨水やその他の外的影響から外装面(構造)を保
護することができ、長期に亘って美観を維持するものと
なる。即ち、弾性防水層の存在により、外装材の急激な
温度変化が緩和されるので、この弾性防水層がない場合
に比べて外装材の熱伸縮量は抑制される。その結果、外
装材の熱伸縮による固定部材等との摩耗が減少するの
で、長期的安全性が向上する。 また、弾性防水層は、
プレコート材に比べて厚肉に形成されるので、極めて耐
候性、耐食性に優れる。
【0028】また、本発明の外装構造は、新設の建築物
としての使用は勿論、既設屋根の改修構造としても有用
であり、さらに緑化屋根の人工地盤の基礎構造としても
有用である。
【0029】特に内部に樋部又は樋部材を設ける場合、
雨水の浸入に伴って微細な木の葉や枝、塵、埃等が樋部
や樋部材に浸入して堆積するという従来の問題を解消
し、樋部又は樋部材の排水性の低下を防止することがで
きる。経年の使用により弾性防水層に局部的な破損が生
じたり、施工不良箇所があっても樋部又は樋部材が設け
られているので、雨仕舞い性能が確保されるものとな
る。
【0030】また、防滑性を有する弾性防水層を設けた
外装構造は、表面形状が平坦状の外装構造にあっては歩
行屋根とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の外装構造の一実施例を示す断面図であ
る。
【図2】本発明の外装構造の他の一実施例を示す断面図
である。
【図3】本発明の外装構造の他の一実施例を示す断面図
である。
【図4】本発明の外装構造の他の一実施例を示す斜視図
である。
【図5】本発明の外装構造の他の一実施例を示す断面図
である。
【符号の説明】
1 外装材 16 樋部 2 樋部材 3 弾性防水層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の外装材を接続してなる建築物の外
    装構造にあって、 前記外装材によって構成される外装面の全面に亘って連
    続する弾性防水層を形成したことを特徴とする建築物の
    外装構造。
  2. 【請求項2】 隣接する縦葺き外装材の接続部の屋内側
    に樋部又は樋部材を設けてなる建築物の外装構造にあっ
    て、 前記縦葺き外装材によって構成される外装面の全面に亘
    って連続する弾性防水層を形成したことを特徴とする建
    築物の外装構造。
  3. 【請求項3】 弾性防水層は、防滑性を有することを特
    徴とする請求項1又は2に記載の建築物の外装構造。
  4. 【請求項4】 弾性防水層は、弾性防水塗料により形成
    された塗膜であることを特徴とする請求項1〜3のいず
    れか一項に記載の建築物の外装構造。
  5. 【請求項5】 弾性防水層は、弾性防水シートであるこ
    とを特徴とする建築物1〜3のいずれか一項に記載の建
    築物の外装構造。
  6. 【請求項6】 複数の外装材を接続施工した後、弾性防
    水塗料を塗布するか、弾性防水シートを接着して外装材
    によって構成される外装面の全面に亘って連続する弾性
    防水層を形成することを特徴とする建築物の外装構造の
    施工方法。
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