JPH1029902A - 植物用防除材 - Google Patents

植物用防除材

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JPH1029902A
JPH1029902A JP9160997A JP9160997A JPH1029902A JP H1029902 A JPH1029902 A JP H1029902A JP 9160997 A JP9160997 A JP 9160997A JP 9160997 A JP9160997 A JP 9160997A JP H1029902 A JPH1029902 A JP H1029902A
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Tadakatsu Yamamoto
忠勝 山本
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 樹木、花木、野菜類等各種植物の病害虫の除
去を、環境汚染等の問題を引き起こすことなく、安全確
実に実施するための植物用防除材を提供すること。 【解決手段】 本発明は、粘着剤(14)の塗布された
基材フィルム(10)の少なくとも一部に植物の病虫害
防除に有効な薬剤成分含有部(12)が設けられ、さら
に、この薬剤成分含有部に対して、薬効を昂進し、ある
いは薬効発揮状態を変更するための活性化手段(16)
を付加した植物用防除材であって、この活性化手段(1
6)が、基材フィルム(10)を植物に貼付する際に選
択的に作用し、前記薬剤成分の植物組織への浸透を助長
するように機能する手段である植物用防除材である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹木、野菜または
花木類等の植物の幹や枝葉につき、あるいは幹茎等の内
部に侵入し、これら植物の成長を停止させ、あるいは極
端な場合には枯死させるに至る害虫や、枝葉等に生ずる
べと病、うどん粉病、白さびまたは赤さび等各種さび
病、たんそ病、黒斑病、キウリ・モザイク・ウイルス
(以下、CMVともいう)その他の病害を防除するため
の植物用防除材に関するものである。
【0002】
【従来技術】樹木、野菜または花木類等の各種植物の樹
皮や枝葉に付いた病虫害の防除のためには、エアゾール
剤、水和剤、液剤、乳剤、粉剤等の各種の防除剤、殺虫
剤、殺菌剤等があり、これらをスプレイ、噴霧器、散粉
器等を用いて直接散布することにより防除している。
【0003】これら各種の植物用防除剤は、害虫や病気
の種類に応じて次々と強力なものが製造及び販売され、
適用時期さえ誤らなければ迅速な防除が可能である。そ
の一方で、これらの中の化学的な農薬には極めて強力な
薬剤も多数含まれており、人畜に対する直接接触の場合
の急性の中毒被害や毒性による危険はもとより、かつて
問題となったDDTやBHC等のように、それらの人畜
の体内への直接の蓄積または食物連鎖により動植物への
残留成分による長期間の悪影響も懸念されている。
【0004】そのため、環境問題をも配慮した天敵を利
用する生化学的農薬や、黴菌その他の菌類またはウイル
ス類を弱毒化して、人間の種痘やBCGと同様に、病害
虫を防除する研究も注目されつつある。しかし、このよ
うな環境問題を配慮し、かつ人畜に対する影響も考慮し
た防除材は、その効力も穏やかなものが多く、植物に対
して長時間にわたり影響を及ぼしめる態様による使用法
が必要となる。
【0005】従来の、主として化学的に合成された強力
な各種農薬剤類においても、枝葉の表面の場合はともか
く、植物の内側にまで入り込む害虫や各種病原菌による
病害を防除するのは容易ではなかった。通常の散布また
は散粉ではこのような植物内部まで確実に浸透させるこ
とが困難なためである。あえて、従来の薬剤によって内
部に侵入している害虫類やその他の病虫害を防除するに
は、植物表面や枝葉における害虫類に対する散布の場合
に比して、強力かつ高濃度の薬剤を多量に使用しなけれ
ばならない。これは、内部にまで影響を及ぼしている病
害虫に対する浸透効果が希薄であることから、十分な防
除効果を発揮するまで繰り返し使用する必要があるため
である。
【0006】したがって、従来通り外部から散布する薬
剤により防除しようとすると、使用薬剤による直接また
は間接の薬害または環境汚染の原因となり、人畜および
周辺の生態系に対して重大な影響を及ぼすおそれがあ
る。さらに、枝葉や根元部分に付いて新芽や根茎部に対
して害を及ぼすような夜行性や予期できない時間に集ま
る害虫や病害をもたらす各種病原菌またはウイルス類に
対しては、植物組織内部に薬剤成分を吸収せしめること
により防除または忌避せしめる手段が好ましい。例え
ば、前述のキュウリ・モザイク・ウイルスに感染した野
菜や花木、例えばトマト、胡瓜、ピーマン等は、茎に壊
疽が出たり葉が縮れたりして果実にも黒い筋が出たりす
る被害があり、所期の収穫を期待することはできない。
これら被害を有効かつ安全に防除する手段が求められて
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事態に対処し、周囲環境に配慮し、安全かつ有効に病虫
害防除を行うための植物用防除材を指向するもので、従
来技術の欠点を解消し、樹木、野菜、花木等各種植物の
病虫害に対する予防または防除のために植物に集中的に
効果を及ぼしめながら、人畜および環境に対する悪影響
を大幅に軽減することができる植物用防除材を提供する
ことを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、少なく
とも一部に粘着剤が塗布された基材フィルムと、該基材
フィルムの少なくとも一部に付着せしめられた植物の病
虫害防除に有効な薬剤成分含有部と、前記基材フィルム
に付着せしめられた前記薬剤成分含有部の薬効を昂揚す
るための活性化手段とを有する植物用防除材において、
前記薬効成分を昂揚するための活性化手段(16、26)は、
前記薬剤成分含有部(12、22)における薬剤成分が、当該
植物の植物組織内に吸収される作用を助けるために、当
該植物の表皮に貼付する際の動作に応じて、選択的に作
用する手段であって、当該植物の表皮に貼付後、植物組
織への浸透作用を助ける活性化手段である、植物用防除
材によって達成される。
【0009】
【作用】本発明にかかる植物用防除材の使用にあたって
は、粘着材塗布面を覆っている保護フィルムを剥離し、
当該植物の適宜部分、例えば害虫の侵入痕跡または食い
出し孔または排泄物排出孔のある表皮部分または農作物
類の苗の根元部等に薬剤成分含有部の少なくとも一部を
当接し、フィルム状の基材に付着せしめられている粘着
剤により、貼付固定せしめる。
【0010】このように薬剤成分含有部によって植物表
皮を包囲しておくことにより、侵入害虫の脱出を防止
し、併せて、害虫の酸素吸入動作に伴い殺虫成分を孔内
部まで浸透または気流として到達させることができる。
また、薬効成分を農作物特に幼苗の表皮から浸透せしめ
ることにより、植物の病害虫防除の目的が達せられる。
特に、幼苗等の根元部に貼付して経皮浸透せしめ、近い
将来はもとよりその後においても野菜や花木の内部から
枝葉にまで防除効果を及ぼすことができる。
【0011】この場合の薬剤成分は、適用植物の種類、
対象とする病害虫の種別等によって異なる。例えば、害
虫類に対しては、窒息せしめあるいは神経や細胞を麻痺
させる殺虫剤、殺菌剤等の防除剤が使用される。病害に
対しては、前述のキウリ・モザイク・ウイルスの場合に
は、CMVを弱毒化したワクチンを使用することができ
る。また、病原菌やウイルス類に対して抵抗力を高める
植物自体の生化学的防衛機能を昂揚する物質とすること
もできる。なお、かかる薬効成分は単一である場合はも
とより、複数成分を適宜配合したものとすることができ
る。複数成分には、同種または類似成分とし得ることは
もとより、異種成分、例えば害虫駆除に有効な成分と病
害に有効な成分とを組み合わせ、あるいは、目的とする
害虫を誘引して集中的に捕獲または駆除するために、当
該害虫に適合するフェロモンと殺虫成分とを組み合わせ
ることも含まれる。
【0012】また、その薬剤成分含有部に対して作用す
る活性化手段は、所定条件下で薬剤成分を活性化し、薬
効を昂揚せしめるものである。ここで、薬剤成分の活性
化とは、薬剤成分の蒸散あるいは放出を助長して、植物
の表皮からの植物組織内部への浸透を促進し、あるい
は、複数の薬剤成分を含有せしめておき、これらの反応
により薬効を昂揚する等の作用を包含する。活性化の態
様としては、酸化または還元等の化学反応に伴う発熱現
象、注水または吸湿による反応、反応助剤による化学反
応の開始または進行、表皮への軽微な傷を介して樹木内
部への浸透を促す方法等とすることができる。
【0013】本発明にかかる植物用防除材では、害虫の
侵入部位または植物の根元部に粘着固定されて害虫侵入
孔や幹茎組織内部に浸透して直接作用し、他部分には大
きな影響を及さない。したがって、人畜および環境に及
す影響も最小限に抑制することができる。さらに、併用
可能な活性化手段との組み合わせにより、持続期間を適
宜制御することや作用回数を制御することも可能であ
る。したがって、薬剤成分の効果持続期間を成分量およ
び/または活性化手段との組み合わせにより、必要な期
間のみに限定し、所期の目的達成後には毒性が速やかに
希薄になるように配慮し、人畜および環境に対する悪影
響を低減することができる。
【0014】さらに、その薬剤成分含有部を担持する粘
着剤の付された基材フィルム等の材質にも配慮し、使用
後に紫外線や微生物の影響を受けて分解するものを選択
することが望ましい。例えば、紙や自然繊維等を使用し
て、適宜期間経過後に土壌に還元されるものとすること
ができる。また、プラスチック材料を使用する場合は、
適宜期間を経過した後、微生物の作用や紫外線照射によ
り適宜期間を経て自然に分解されるもの、すなわち生分
解性または光分解性等の材質であることがが好ましい。
かかる材質のフィルムを採用することにより、用済み後
に落下飛散する可能性のある不要ゴミを原因とする環境
破壊を予防する効果が得られる。
【0015】
【実施の形態】以下、実施例を示す添付図を参照しつつ
本発明を開示する。図1は、本発明にかかる植物用防除
材の構成例を示す平面図及びA−A矢視断面図である。
図において、基材フィルム10の適宜部分、ここでは中
央付近に薬剤成分含有部12が付着せしめられている。
この薬剤成分含有部12は、ペースト状や固形状のもの
では直接貼付することもできる。液状または乳剤状等の
場合には、布片、不織布片、スポンジ状体等に含浸させ
たものとすることができる。なお、これら被含浸対象の
素材も、微生物や紫外線の照射等により分解可能なもの
であるとさらに都合がよい。
【0016】基材フィルム10の表面には、粘着剤層1
4が形成されている。この場合の粘着剤層14は図示の
便宜上中央が欠けているが、一面に形成することもでき
る。この粘着剤層14は、使用前はその表面が図示して
いない容易に剥離可能な保護フィルムで被われており、
他物に付着しないよう防護されている。なお、本実施例
は長方形の基材フィルム12に粘着剤層を設けたもので
あるが、方形に限らず、円形、楕円形、菱形、三角形等
の任意形状の基材フィルムを採用することができる。さ
らに、薬剤成分含有部12の形成位置または範囲も図示
位置に限定されることなく自由に変更することができ
る。
【0017】さらに、薬剤成分に対する活性化手段16
が付加される。この活性化手段16は、本実施例では、
酸素反応式の使い捨て懐炉と同様の成分を密封した小袋
が薬剤成分12の裏面に収められている。したがって、
使用に先立ち形成された活性化開始手段、例えばピンホ
ールを介して通流する酸素と反応して発熱する。この発
熱が持続する間、薬剤成分含有部22からの蒸散が活発
となり、植物に対する薬剤成分の十分な浸透効果が期待
できる。
【0018】この実施例による活性化手段16として
は、上記のような酸化現象に伴う発熱の利用のほかに、
水分との接触による発熱を利用することもできる。例え
ば、活性化手段16として生石灰を収めておき、使用時
に小量の水滴を与えることにより、発熱が生ずる。この
場合、樹木の該当箇所への貼付時には格別の水滴を与え
ないでおき、夜露・朝露等、霧雨、降雨時等により自然
に発熱させるようにすることもできる。
【0019】さらに、この様な活性化手段16として、
第1の薬剤成分物質12と反応して有効成分を発生せし
める複数の物質を隔膜(セパレータ)18を介して収め
ておき、使用にあたってこのセパレータに孔を開けるか
または除去するような活性化開始手段により、両者を混
合せしめる様に構成することができる。なお、上述の隔
膜18の態様として、複数の物質の一方は弾性物質に含
浸せしめておき、他成分をプラスチックフィルム製の袋
に入れておき、この袋を少なくとも部分的に破壊するこ
とにより薬効を発揮せしめることもできる。また、一方
が固形状または粉末状であり、他方が液状であってもよ
い。
【0020】このような構成では、例えば薬剤成分12
を殺虫または殺菌等の所望の薬効を発揮する物質の前駆
物質あるいは直前物質とし、活性化手段16により反応
を促進するような相手方成分との組み合わせとすること
ができる。この場合の相手方成分は、薬剤成分の前駆物
質あるいは直前物質の反応を促進させるための反応助剤
または反応開始剤とすることができる。また、薬剤成分
12が固形状または粉末状である場合に、相手成分はこ
の固形状または粉末状物質に作用して最終反応を惹起す
るような溶剤とすることができる。その他、薬剤成分含
有部12の成分に合わせて選ばれる反応助剤、酸化剤、
還元剤等を組み合わせて使用することができる。
【0021】かかる構成によれば、薬剤成分の効果発揮
するタイミングを、複数成分の混合に伴う反応時のみに
限定することが可能となる。したがって、使用状態以前
においては、薬剤としての効果の発生を抑えておくこと
ができ、安全性を高めることができる。
【0022】さらに有効作用期間を長く設定して、いわ
ゆる緩効性とすることができ、その上反応終了後の毒性
を減ずるような組み合わせ構成を採用することも可能と
なる。また、作用原理の異なる複数の活性化手段を組み
合わせ、それぞれの条件によって別個独立にあるいは相
乗的に作用するようにすることもできる。例えば、第1
の活性化手段により表皮を若干軟化せしめ、あるいは傷
つけるような手段により条件を整えておき、引き続く活
性化手段、例えば薬効成分の蒸散を活発化させる手段と
組み合わせることにより顕著な効果を期待することもで
きる。
【0023】また、これら薬効成分に、目的とする害虫
類に効果のあるフェロモンのような誘引物質を包含せし
めておき、駆除したい害虫を集中的に誘引・駆除するよ
うに構成することができる。このようなフェロモンと誘
引が可能な害虫との組み合わせは、ある程度限られては
いるが、最適な組み合わせによって劇的な駆除効果を発
揮することができる。例えば、そのフェロモンに誘引さ
れる害虫の雄または雌のいずれか一方を大量に捕獲する
ことにより、その後の発生を大幅に抑制することがで
き、無差別殺虫による環境への悪影響を低減することが
できる。
【0024】さらに、これら薬効成分に、植物表皮の傷
や剪定の際の枝の切り口における殺菌ならびに癒合に有
効な成分を含有せしめておき、傷部分または切り口部分
からの雑菌の浸入を阻止し、植物を保護するように構成
することも可能である。
【0025】図2は、植物表皮に軽微な傷を形成し、浸
透効果を促進する実施例を示すもので、植物の組織を介
して枝葉末端に付く害虫類、あるいは各種病原菌やウイ
ルス類による病害を防止するために有効である。植物の
表皮に形成される軽微な傷を介して薬剤成分を植物組織
内部に浸透せしめ、植物自体に対抗力を付与して病虫害
を防止しようとするものである。この場合の活性化手段
としては、植物の表皮部に軽微な傷を積極的に形成し得
る表皮傷形成手段26であればよい。このためには、分
解可能なプラスチック製または植物素材製の刺状体ある
いは突起状体とすることができる。
【0026】図3は、図2に示した植物表皮に軽微な傷
を形成し、浸透効果を促進する実施例の作用を図解する
ものである。かかる植物の表皮に対する軽微な傷は、植
物の表皮に植物用防除剤を貼付する際にのみ形成されれ
ば足りることが多い。したがって、貼付に際して図3の
ように背後から若干押圧力が加わえられている間のみ表
皮に傷が形成されるようにするものである。かかる構成
は、花木や野菜類の幼苗に予防用ワクチンや植物の細胞
に作用するバイオ関連製剤等を予め付与する際に、抵抗
力の乏しい幼苗類を過度に痛めることが無く特に有効で
ある。
【0027】なお、本発明にかかる植物用防除剤は、基
材フィルム10の背面に文字、記号、色彩等によって当
該防除材に含浸等されている薬剤成分の内容やその効果
等を明示するように形成することができる。かかる構成
を採用することにより、内容または効果や使用上の留意
点等が視覚的に確認可能となり、誤用防止が図れる。ま
た、健全な植物、特に幼苗に予め予防処理を講じて販売
するような形態においては、植物用防除材の基材フィル
ム10の背面が、既に予防措置が講じられていることの
保証票証を兼ねるように構成することができる。
【0028】
【発明の効果】本発明にかかる植物用防除材によれば、
表面に現われず樹木や花木の樹皮裏側や幹の内部に侵入
している害虫や病原菌に対しても、薬剤成分を有効かつ
適時に作用せしめることが可能となる。害虫類の侵入孔
や食い出し孔等に対して本発明にかかる植物用防除材の
薬剤成分含有部を当接し、いわば植物の万創膏のように
貼付しておくだけで、有効かつ安全な害虫駆除または病
害防除が実施できる。
【0029】この様な病害虫防除方法は、枝葉も含む樹
木または花木全体に殺虫剤を大量に散布する必要はない
ので、広範囲にわたる薬害や環境汚染、他生態系に対す
る悪影響を抑制し得る利点がある。したがって、庭園、
牧場、果樹園、動物園、公園、あるいは街路樹等のよう
に、近隣に人畜やペット類が接近する部位に植成された
樹木等に対する病虫害防除には特に適している。また、
野菜、花木等各種植物の幼苗に対して予防剤を付与して
爾後の病害予防または害虫に対する耐性を高めるような
用途、あるいは家庭菜園やハウス園芸等における病虫害
防除にも適している。
【0030】本発明にかかる植物用防除材によれば、薬
剤成分含有部22に対して殺虫成分の蒸散、放出、ある
いは植物根茎内への浸透等を助長する活性化手段26が
設けられる。このような活性化手段を防除対象病虫害の
種類や植物の種類または幼苗か成体か等に応じて適宜選
定することにより、効果持続時間、作用時間特性、作用
回数等を予め設定しておくことができる。
【0031】また、反応助剤として機能する活性化手段
と、直前物質または前駆物質である薬剤成分との両成分
の反応時期が設定可能であるため、本来の薬剤有効成分
を発生する期間、薬剤成分の有効保存期間が制御可能と
なる。したがって保存可能期間を長期化せしめ、あるい
は、有効成分発生時間を限定し、作用後の有害成分を低
減し、爾後の人畜や環境に対する悪影響を必要最低限に
抑制することも可能となる。
【0032】また、植物用防除材の基材フィルムの背面
に文字、記号、色彩等を付すことにより、取扱い上の留
意点や効能等を明らかにしたり、当該防除材による防除
処理が済んでいることの保証票証とすることができ、野
菜や花木等の幼苗等または鉢花等を販売する際の顧客に
対する品質保証を行い安心感を与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる防除材の第1の構成例を示す平
面図及び断面モデル図である。
【図2】本発明にかかる防除材の第2の構成例を示す平
面図及び断面モデル図である。
【図3】図2に示した防除材の第2の構成例の作用状態
を示す平面図及び断面モデル図である。
【符号の説明】
10、20 基材フィルム 12、22 薬剤成分含有部 14、24 粘着剤塗布部 16 活性化手段 18 隔膜(セパレータ) 26 表皮傷形成手段

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一部に粘着剤が塗布された基
    材フィルムと、該基材フィルムの少なくとも一部に付着
    せしめられた植物の病虫害防除に有効な薬剤成分含有部
    と、前記基材フィルムに付着せしめられた前記薬剤成分
    含有部の薬効を昂揚するための活性化手段と、を有する
    防除材において、 前記薬効を昂揚するための活性化手段(16、26)は、前記
    薬剤成分含有部(12、22)における薬剤成分が、当該植物
    の植物組織内に吸収される作用を助けるために、当該植
    物の表皮に貼付する際の動作に応じて選択的に作用し、
    植物組織への浸透作用を助長する手段であることを特徴
    とする、植物用防除材。
  2. 【請求項2】 前記薬剤成分含有部(12、22)が、所望薬
    剤等の含浸せしめられた弾性体から構成され、前記活性
    化手段(16)が、前記基材フィルム(10、20)背面から前記
    薬剤成分含有部(12、22)を貫通して植物表皮側に向けて
    突出する傷形成手段(26)であって、前記基材フィルムの
    背面から押圧した際に植物表皮に対して傷を形成して薬
    効成分の吸収を助け、基材フィルム(10)の背面からの押
    圧が解除された後における前記弾性体の復元力によって
    植物の表皮から離脱する寸法に形成されることを特徴と
    する、請求項1に記載の植物用防除材。
  3. 【請求項3】 前記薬剤成分含有部(12、22)が、薬効を
    発揮するために必要な第1の物質の層と、該第1の物質
    と混合することによって所期の薬効を発揮する第2の物
    質の層とが、両者を分離する隔膜を介して配設されてお
    り、前記基材フィルムを背面から押圧する際の動作によ
    って前記第1および第2の両物質を混合せしめるために
    前記隔膜が破壊可能であることを特徴とする、請求項1
    に記載の植物用防除材。
  4. 【請求項4】 前記薬剤成分含有部(12、22)が、薬効を
    発揮するために必要な第1の物質の層が殺虫成分であ
    り、前記第2の物質の層が、目的とする害虫の雌雄いず
    れかを誘引するためのフェロモンであり、これら各物質
    が両者を分離する隔膜を介して配設されており、前記基
    材フィルムを背面から押圧する際の動作に応じて前記隔
    膜が破壊可能であることを特徴とする、請求項3に記載
    の植物用防除材。
  5. 【請求項5】 前記隔膜を破壊する手段が、基材フィル
    ム背面からの押圧により該隔膜を破壊した後、さらに表
    皮に傷を形成する部材であることを特徴とする、請求項
    1ないし3のいずれかに記載の植物用防除材。
  6. 【請求項6】 使用上の過誤を減じ、かつ防除処理を行
    った事実の保証票証等とするために、前記基材フィルム
    の背面その他の部位に、防除効果、適用植物、留意点、
    有効期限等を示す文字、記号、色彩等を付加したことを
    特徴とする、請求項1ないし5のいずれかに記載の植物
    用防除材。
  7. 【請求項7】 前記薬剤成分含有部(12、22)が、植物の
    殺菌および/または切り口の癒合に必要な薬効を発揮す
    るための成分を含有することを特徴とする、請求項1な
    いし7のいずれかに記載の植物用防除材。
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