JPH10299017A - 擁壁構築工法およびそれに用いるアタッチメントと治具 - Google Patents

擁壁構築工法およびそれに用いるアタッチメントと治具

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JPH10299017A
JPH10299017A JP11136597A JP11136597A JPH10299017A JP H10299017 A JPH10299017 A JP H10299017A JP 11136597 A JP11136597 A JP 11136597A JP 11136597 A JP11136597 A JP 11136597A JP H10299017 A JPH10299017 A JP H10299017A
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concrete
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JP11136597A
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English (en)
Inventor
Satoshi Matsunaga
聡 松永
Keisuke Shioda
啓介 塩田
Nobuhiko Shimizu
伸彦 清水
Toshitsugu Otsuka
寿次 大塚
Katsuhiko Takakura
克彦 高倉
Hideaki Adachi
英明 足立
Toshiharu Aikawa
利晴 会川
Tsuneo Hisatake
経夫 久武
Mikio Shibata
幹生 芝田
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Taisei Corp
JFE Steel Corp
Caterpillar Japan Ltd
Zenitaka Corp
Caterpillar Mitsubishi Ltd
Original Assignee
Taisei Corp
Zenitaka Corp
Caterpillar Mitsubishi Ltd
Kawasaki Steel Corp
Shin Caterpillar Mitsubishi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 擁壁構築作業の作業効率を高め、併せて、狭
い作業エリアの作業環境の悪化を防止する。 【解決手段】 掘削作業を終えた油圧ショベル4のバケ
ットを、鉄筋用アタッチメント5に交換し、その鉄筋用
アタッチメント5で、予め格子状に接合した組鉄筋6を
把持して鉄筋の所定位置への配置を行い、次いで、鉄筋
用アタッチメント5を型枠用アタッチメントに変更し、
この型枠用アタッチメントの差込爪を、コンクリート型
枠に予め取付けた爪受部に差込んで、コンクリート型枠
の所定位置への配置を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、立坑、貯水池、
地下タンクの築造その他の土木工事を行う場合の、擁壁
の構築工法および、それに用いて好適な、油圧ショベル
の各種アタッチメントに関するものである。
【0002】
【従来の技術】たとえば、立坑等の土木工事に当って、
鉄筋を埋め込んだコンクリート製の擁壁を構築する場合
には、従来は、油圧ショベルによる掘削の後に、足場を
組んで、その足場上での作業者の手作業によって鉄筋の
一本づつの組付けを行い、次いで、クレーンで吊ったコ
ンクリート型枠を作業者の手によって所定位置に配設す
ることが一般的であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来技術
では、鉄筋およびコンクリート型枠の配設に際して、作
業者の手作業が相当大きな割合を占めていたことから作
業効率を高めることが甚だ困難であり、また、油圧ショ
ベルの他にクレーン車の作業スペースが必要となるた
め、狭い作業エリアでは重機が錯綜することになって作
業環境が悪化するとともに、作業の安全性の確保が難か
しくなるという問題があった。また、従来技術ではこの
ほかに、足場の組み立てや解体の工数が大きく、工期の
遅延、工事費の増大などを招くという問題もあった。
【0004】この発明は、従来技術の有するこのような
問題点を有利に解決するものであり、油圧ショベルに、
それのバケットに代えて各種アタッチメントを適用する
ことにより、少ない重機の使用をもって、掘削からコン
クリート型枠の配設までの一連の作業の機械化を可能と
して、作業エリアの広狭を問わず、作業環境の悪化のお
それを取り除くとともに、安全性の一層の向上をもたら
し、さらには、作業効率を大きく高めることができる擁
壁構築工法およびそれに用いて好適なアタッチメントを
提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明の擁壁構築工法
は、とくに、掘削作業を終了した油圧ショベルのバケッ
トを、鉄筋の把持手段を具える鉄筋用アタッチメントに
交換し、この鉄筋用アタッチメントで、予め格子状に接
合した組鉄筋を把持して、掘削作業により露出した土留
め壁の、鉄筋の所定位置への配置を行い、次いで、前記
鉄筋用アタッチメントを、差込爪を具える型枠用アタッ
チメントに変更し、この型枠用アタッチメントの差込爪
を、コンクリート型枠に予め取付けた爪受部に差込ん
で、コンクリート型枠の所定位置への配置を行うもので
ある。
【0006】この工法では、掘削作業を終えた油圧ショ
ベルのバケットを、鉄筋用アタッチメントに交換するこ
とで、縦筋および横筋のそれぞれを、所定の位置に機械
的に配置することができ、また、そのアタッチメント
を、型枠用アタッチメントに変更することで、コンクリ
ート型枠を、クレーン車を用いることなく、所期した通
りの位置に、効率よく、かつ正確に配置することができ
るので、作業環境の悪化のおそれなしに、安全性の一層
の向上を実現してなお、作業効率を大きく向上させるこ
とができる。
【0007】また、この発明の他の工法は、格子状に接
合されていない鉄筋を、鉄筋連結用治具を用いて、所定
の位置に機械的に配置するものであり、とくに、掘削作
業を終えた油圧ショベルのバケットを、鉄筋の把持手段
を具える鉄筋用アタッチメントに変更し、鉄筋を連結さ
せるための鉄筋連結用治具上に、上端部にナットその他
の抜止め頭部を予め設けた、鉄筋を吊下げ支持したもの
を、鉄筋用アタッチメントで把持し、縦筋の所定位置へ
の配置を行い、次いで、この鉄筋用アタッチメントをも
って、予め格子状に接合した連結筋と横筋とからなる組
鉄筋を把持して、横筋の所定位置にそれを配置するもの
であって、他の工程は上述したところとほぼ同様のもの
である。
【0008】また、この発明の、鉄筋連結用アタッチメ
ントを用いる他の工法は、縦筋および横筋を所定の位置
に機械的に配置するものであり、掘削作業を終えた油圧
ショベルのバケットを、鉄筋の把持手段を具える鉄筋用
アタッチメントに変更し、鉄筋を連結させるための鉄筋
連結用治具上に、上端部にナットその他の抜止め頭部を
予め設けた、鉄筋を吊下げ支持して連結したものを、鉄
筋用アタッチメントで把持し、縦筋の所定位置への配置
を行い、次いで、この鉄筋用アタッチメントをもって、
鉄筋連結用治具で支持した横筋を把持して、横筋の所定
位置にそれを配置するものであって、他の工程は上述し
たところとほぼ同様のものである。
【0009】これらの工法によれば、格子状に接合され
ていない鉄筋でも、鉄筋用連結治具を用い、把持手段を
具える鉄筋用アタッチメントでこの治具(縦筋用の連結
治具を用いる場合)または横筋(横筋用の連結治具を用
いる場合)を把持して鉄筋を配置することにより、縦横
それぞれの鉄筋の位置決め配置および組付け作業のそれ
ぞれをより容易ならしめることができる。
【0010】ところで、上述した型枠用アタッチメント
としては、油圧ショベルのバケット取付位置に、そのバ
ケットと同様に俯仰可能に装着されるベースフレームの
先端にヨークを取付けるとともに、そのヨークから前方
側へ、たとえばフォーク爪の如くに、複数本の差込爪を
突出させて設けたものとすることが好ましく、かかる型
枠用アタッチメントによれば、コンクリート型枠に予め
設けた複数の爪受部に、前記それぞれの差込爪を十分に
差込むことで、コンクリート型枠を自由にハンドリング
して所期した通りの位置に高い精度で設置することがで
きる。
【0011】また、鉄筋用アタッチメントとしては、上
述したフォーク爪の如くの爪のそれぞれに、鞘管状をな
すシースを脱着可能に取付け、そしてこのシースの、た
とえば上面上に、油圧シリンダにて開閉作動されるクラ
ンプ爪を配設したものとすることが好ましく、この鉄筋
用アタッチメントは、格子状に予め接合した組鉄筋をク
ランプ爪にて把持することで、複数本の鉄筋を同時に所
期位置に効率的に配設することができる。
【0012】さらに、格子状に連結されていない鉄筋を
連結するための、鉄筋連結用治具は、鉄筋用アタッチメ
ントの各クランプ爪にてクランプされ、先端部に、複数
個のくし歯状の切欠きを有するベースプレート上に、先
端部に、前記切欠きと等ピッチで配設した複数個のL字
状の折曲切欠きを有するとともに、ベースプレートに対
して左右方向に相対変位可能な可動プレートを配設した
ものとすることが好ましい。なお、横筋の支持のみを目
的とする場合の鉄筋連結用治具には、鉄筋用アタッチメ
ントでクランプされる機能を付与しなくてもよい。
【0013】この鉄筋連結用治具は、上端部に予め抜止
め頭部を設けた縦筋の複数本を、互いに整合させた前記
両プレートのそれぞれの切欠内に同時に入れ込んだ後、
ベースプレートに対して可動プレートを左右いずれか一
方側へ相対変位させてその可動プレートをロックするこ
とで、可動プレートの折曲切欠きの折曲部分の作用下
で、縦筋の前方側への抜落ちを阻止しつつその縦筋を確
実に位置決め吊下することができ、従って、複数本の縦
筋の所定位置への同時の配設を高い精度にて行うことが
できる。
【0014】なおここで、縦筋の上端部に予め設ける抜
止め頭部をナットとし、各縦筋の下端部に予め雄ねじ部
を形成した場合には、それぞれの縦筋の、上下方向での
相互連結は、下方側縦筋の抜止め頭部を、上方側縦筋の
雄ねじ部に螺合させることで、容易かつ迅速に行うこと
ができる。また、横筋の水平方向での相互連結も縦筋の
場合と同様に行うものとする。
【0015】ところで、上述したそれぞれのアタッチメ
ントにおいて、より好ましくは、ヨークをその中心軸線
の周りで回動変位させる回動手段、たとえば、油圧モー
ター等による回転機構を装備した継手(カプラ)を取り
付け、運転席からの操作で作動させ、アタッチメントを
ヨーク軸線の周りに自由に回動させることで、アタッチ
メント、ひいては、コンクリート型枠および鉄筋に、よ
り好適な各種の姿勢を付与することができる。また好ま
しくは、ヨークを、複数本の爪もしくは差込爪を含む面
内で揺動させる揺動手段、たとえば、流量制御弁等を用
いた超低速で旋回させることができる機構(油圧回路)
を取り付け、高精度の位置制御を可能とすることによ
り、アタッチメントの姿勢の自由度を一層高め、コンク
リート型枠および鉄筋の取扱いをより容易ならしめるこ
とができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下にこの発明の実施の形態を図
面に示すところに基づいて説明する。図1は、立坑を築
造する場合のこの発明の一の実施形態を、掘削工程につ
いて示す部分断面斜視図であり、図中1は既に構築され
たコンクリート製の擁壁部分を示し、2は、その擁壁部
分1の補強に寄与し、それの傾斜下端面から下方へ突出
する縦筋の下端部分を示す。
【0017】擁壁の構築に当っては、はじめに、作業手
段としてのバケット3を具える油圧ショベル4をもっ
て、地面を所定の深さに掘削するとともに、掘削形成さ
れた壁面のはつり作業を行う。このようにして、バケッ
ト3を用いた掘削作業を行った後は、そのバケット3を
後に詳述するような鉄筋用アタッチメントに交換し、図
2に示すように、そのアタッチメント5をもって、予め
格子状に接合した組鉄筋6を把持しつつ、所要の位置
に、所要の順序で配設することで、縦筋および横筋のそ
れぞれを、一回の作業によって複数本づつ同時に位置決
め配置する。
【0018】ここで、組鉄筋6は、それの長手方向に延
びる鉄筋6aを上下方向に向けて配設した場合には縦筋
として、また、横方向に向けて配設した場合には横筋と
してそれぞれ機能することができるので、組鉄筋それ自
体は一種類だけを準備して、それの配置姿勢を90度変更
するだけで、縦筋および横筋のそれぞれの配設を行うこ
とができる。ところで、所定位置に配設した縦筋の上下
方向の相互連結および横筋の相互連結は、一般的には、
作業者の手作業によって行われる。
【0019】以上のようにして全ての縦筋および横筋の
配設作業を終了した後は、鉄筋用アタッチメント5を、
これも後述する型枠用アタッチメントに変更し、図3に
示すように、そのアタッチメント7の、図では二本の差
込爪8を、コンクリート型枠9の所定位置に予め取付け
た爪受部10に差込んで、各コンクリート型枠9の位置決
め配置を行い、続いて、作業者によるコンクリート型枠
10の固定を行うことで、コンクリートの打込み準備を終
了する。
【0020】従ってここでは、鉄筋およびコンクリート
型枠9のそれぞれのハンドリングをともに機械化するこ
とによって、それぞれの作業効率を大きく向上させるこ
とができるとともに、掘削から鉄筋およびコンクリート
型枠9の配設に至るまでを、油圧ショベル4の作用下に
て行うことで、狭い作業エリア内で使用される重機の種
類を有効に低減して作業環境の悪化を十分に防止するこ
とができる。
【0021】図4は、以上に述べたような擁壁構築工法
に用いて好適な型枠用アタッチメントの、油圧ショベル
アームへの取付態様を示す側面図であり、図5はそのア
タッチメントを拡大して示す平面図、側面図および背面
図である。なお図4において、型枠用アタッチメント7
の俯仰変位をもたらすリンク機構11は、油圧ショベルそ
れ自身が具備するものであり、バケット3に同様の変位
をもたらすべく機能するものである。
【0022】ここで、この型枠用アタッチメント7は、
バケット3の取付位置にヒンジ連結されるベースフレー
ム12を設けるとともに、このベースフレーム12の先端に
ヨーク13を取付け、そしてそのヨーク13から前方側へ複
数本、図では2本の差込爪8を突設することにより構成
してなる。従って、これらの差込爪8もまた、リンク機
構11の作用下で、図4に仮想線で示す位置と実線で示す
位置との間で自由に俯仰変位させることができる。
【0023】なおこのようなアタッチメント7におい
て、好ましくは、ヨーク13の、ベースフレーム12への取
付けを、ワンタッチで行うことを可能にするためのクイ
ックカプラ方式とすることが好ましい。また、そのヨー
ク13を、ベースフレーム12に設けた油圧モータ15によっ
て、差込爪8を揺動させる機構により駆動連結すること
で、その油圧モータ15の作動に基づく、ヨーク13の、そ
れの中心軸線の周りでの自由な回動運動を担保し、これ
により、差込爪8の、図5(c)に実線で示す位置と、
仮想線で示す位置との間での変位を可能ならしめる。
【0024】また好ましくは、ヨーク13とベースフレー
ム12とを、図6に平面図で示すように、ヨーク側に設け
た揺動ブラケット16を介してヒンジ連結し、その揺動ブ
ラケット16とベースフレーム12との間に油圧シリンダー
等を用いたブラケットの角度変更機構を介装するととも
に、このシリンダーの伸縮を運転席から制御する手段に
より作動させることによって、ヨーク13を、それぞれの
差込爪8を含む面内で揺動可能ならしめる。
【0025】以上のように構成してなる型枠用アタッチ
メント7によれば、図7に示すように、予め爪受部10を
装着されて、たとえば地面上に載置されたコンクリート
型枠9に対し、油圧ショベル4それ自身およびそれのア
ームならびに型枠用アタッチメント7のそれぞれの操作
の下で、そのアタッチメント7を接近させるとともに、
アタッチメント7の各差込爪8を、爪一本当り複数個、
図では二個の爪受部10に十分に差込むことによって、そ
のコンクリート型枠9を、作業員の手を必要とすること
なく、地面から持上げるとともに、所期した通りにハン
ドリングすることができ、図3に示すようにして、所定
の位置に正確に位置合わせすることができる。
【0026】ここで、型枠用アタッチメント7が、ヨー
ク13の、上述したような回動運動および揺動運動の少な
くとも一方を行い得る場合には、コンクリート型枠9
の、地面等の持上げから位置合わせに至るまでの一連の
ハンドリングを一層容易ならしめることができる。
【0027】図8は、鉄筋用アタッチメントを示す側面
図であり、このアタッチメント5は、先に述べた型枠用
アタッチメント7の構成をそっくり具備するものであ
り、その上で、型枠用アタッチメント7の差込爪8に相
当する各爪に、鞘管状のシース17を、一本もしくは複数
本、図では二本のピン18によって脱着可能に取付け、そ
してこのシース17の先端部分で、それの上面に、図9に
要部を拡大した部分断面図で示すところから明らかなよ
うに、油圧シリンダ19にリンク20を介して連結されて、
その油圧シリンダ19の作動にともなって開閉作動される
クランプ爪21を設けたものである。
【0028】ここでクランプ爪21は、油圧シリンダ19の
伸長作動に基づいて、図に仮想線で示すように閉止し
て、組鉄筋6の鉄筋6aの周面と対応する曲面形状を有す
る挟持面21a で、鉄筋6a、ひいては、組鉄筋6をシース
上に強固に挟み込み、その組鉄筋6の、挟持鉄筋6aの周
りでの不測の回動を十分に阻止する。従って、この鉄筋
用アタッチメント5によれば、組鉄筋6を縦筋用として
用いる場合および横筋用として用いる場合のいずれにあ
っても、複数本の鉄筋6aを、これまた作業者によること
なく、所期した通りの位置に所要の姿勢で効率的に配置
することができる。なお、この鉄筋用アタッチメント5
は、ピン18を抜取って、シース17を爪8aから取外すこと
で、型枠用アタッチメント7に変更することができ、こ
の場合には、シース17の保持手段としての爪8aが差込爪
8として機能することになる。
【0029】図10は、格子状に接合されていない鉄筋
の配置に際して、図8,9に示す鉄筋用アタッチメント
に把持されて用いられる鉄筋連結用治具の要部を分解状
態で示す図である。ここで、図10(a),(b)はそ
れぞれ、ほぼアングル状をなすベースプレート22の平面
図および側面図を示し、このベースプレート22は、その
立上り部23に、前述したクランプ爪21のそれぞれによっ
て、シース上に強固にクランプされる挟持部25を有する
とともに、それの水平部26の先端部分に、ほぼくし歯状
をなす複数個の切欠き27を、長さ方向に等ピッチで形成
してなる。そして、このベースプレート22の水平部上に
配置される可動プレート28は、図10(c)に平面図で
示すように、それをベースプレート22に、ボルト等によ
って連結してなお、可動プレート28の、ベースプレート
22の長さ方向への相対変位を許容する長孔29を有すると
ともに、先端部分に、前記切欠き27と等ピッチで形成し
た複数個のL字状の折曲切欠き30を有する。
【0030】このような鉄筋連結用治具によれば、ベー
スプレート22と可動プレート28とを整合させて、切欠き
27上に、折曲切欠き30の先端側ストレート部分を位置さ
せることで、図11(a)に示すように、両切欠き27,
30に縦筋6bを同時に入れ込むことができ、この一方で、
可動プレート28を、図11(b)に示すように相対変位
させて、縦筋6bを、折曲切欠き30の折曲部分内に位置さ
せるとともに、ベースプレート22の切欠き27をその可動
プレート28にて閉止することで、縦筋6bの、前方側への
抜け出しを確実に阻止することができる。
【0031】そしてまた、この鉄筋連結用治具によっ
て、縦筋6bを吊下げ支持するためには、その縦筋6bの上
端部に、折曲切欠き30の折曲部分より大きい外輪郭を有
する、たとえばナットとすることができる抜止め頭部を
設け、その抜止め頭部と可動プレート28との掛合下で、
縦筋6bの、下方へ抜け出しを阻止する。
【0032】ところで、ここにおける抜止め頭部を、た
とえば図12に示すように、縦筋6bの上端部に螺合させ
たナット31とした場合には、鉄筋を把持するための鉄筋
用アタッチメントをもって、複数本の縦筋6bを所定の位
置に位置決めした状態で、各ナット31を、上側縦筋の下
端部に螺合させることで、縦筋6bの配設作業を簡易・迅
速に終了することができる。
【0033】従って、以上のような鉄筋連結用治具を用
いて擁壁を構築する場合には、掘削作業を終えた油圧シ
ョベル4のバケット3を、鉄筋用アタッチメントに交換
して、鉄筋連結用治具によって複数本の縦筋6bを吊下げ
支持し、この治具を鉄筋用アタッチメントで把持して所
定の位置にもたらすとともに、そこにて各縦筋6bを上側
縦筋に適正に連結した後、鉄筋用アタッチメントから、
鉄筋連結用治具(ベースプレート22および可動プレート
28の組立体)を取外し、次いで、この鉄筋用アタッチメ
ントで、予め格子状に接合した横筋の把持から位置決め
配置までを行い、以下、同様の作業を所要に応じて繰返
した後に、その鉄筋用アタッチメントからシースを取外
すことで、それを型枠用アタッチメント7に変更し、そ
れによって、前述したと同様に、コンクリート型枠9の
位置決め配置を行う。
【0034】格子状に接合されていない鉄筋の配置を行
う別の方法として、横筋の配置にも、縦筋と同様な治具
を用いることも可能である。すなわち、上述の方法と同
様にして、掘削作業を終えた油圧ショベルのバケット
を、鉄筋用アタッチメントに交換するとともに、鉄筋連
結用治具によって縦筋を吊下げ支持し、この治具を鉄筋
用アタッチメントで把持して所定の位置に移動し、そこ
で各縦筋を上側縦筋に連結し、その後、この治具に横筋
を、縦筋の場合と同様にベースプレート22および可動プ
レート28の組み合わせで支持し、支持した横筋のうちの
一本の横筋を、鉄筋用アタッチメントで把持して位置決
め配置を行い、以下、同様の作業を所要に応じて繰返し
た後に、その鉄筋用アタッチメントからシースを取外す
ことで、それを型枠用アタッチメント7に変更し、それ
によって、前述したと同様に、コンクリート型枠9の位
置決め配置を行うものである。なお、上記工程のうちの
横筋を支持するための連結治具には、図10で示した鉄筋
連結用治具をそのまま使用できるが、挟持部25や水平部
26を有しない、図13に示すような、平板状のものでもよ
い。
【0035】このようにして、擁壁構築に本発明を適用
することで、作業効率の向上および、作業環境の悪化防
止を実現することができ、また、1台の機械(1人のオ
ペレータ)で一連の作業を行うことが可能となる。さら
には、上述した作業に並行して、鉄筋、型枠以外の工事
用各種材料を搬送することも可能である。以上この発明
を、図示の実施形態に基づいて説明したが、この発明
は、地下工事のみでなく、一般の建築現場における重量
物の取扱にも適用することが可能である。
【0036】
【発明の効果】以上に述べたところから明らかなよう
に、この発明の工法によれば、掘削工程からコンクリー
ト型枠の配設工程に至るまでの相当部分を機械化するこ
とで作業効率を大きく向上させることができ、また、そ
の機械化を、掘削作業に不可欠の油圧ショベルに各種の
アタッチメントを装着することにて行うことができ、狭
い作業スペース内で作動する重機の種類を有効に低減で
きるので、作業環境の悪化を効果的に防止することがで
きる。また、この発明によれば、工期の短縮、工事費の
低減等も期待される。さらに、この発明のアタッチメン
トや治具によれば、所要の部材を所期した通りの位置に
高い精度で能率的に配置できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一の実施形態を掘削工程について示
す部分断面斜視図である。
【図2】鉄筋の配設工程を示す斜視図である。
【図3】コンクリート型枠の配設工程を示す斜視図であ
る。
【図4】型枠用アタッチメントの取付態様を示す側面図
である。
【図5】型枠用アタッチメントを拡大して示す平面図、
側面図および背面図である。
【図6】型枠用アタッチメントの他の実施形態を示す平
面図である。
【図7】型枠用アタッチメントの作用の説明のための側
面図である。
【図8】鉄筋用アタッチメントの実施形態を示す側面図
である。
【図9】図8の要部を拡大して示す部分断面図である。
【図10】鉄筋連結用治具の要部を分解状態で示す図で
ある。
【図11】鉄筋連結用治具の作用を示す図である。
【図12】鉄筋連結用治具の適用例を示す図である。
【図13】他の鉄筋連結用治具の要部を分解状態で示す
図である。
【符号の説明】
3 バケット 4 油圧ショベル 5 鉄筋用アタッチメント 6 組鉄筋 6a 鉄筋 6b 縦筋 7 型枠用アタッチメント 8 差込爪 8a 爪 9 コンクリート型枠 10 爪受部 11 リンク機構 12 ベースフレーム 13 ヨーク 15 油圧モータ 16 揺動ブラケット 17 シース 18 ピン 19 油圧シリンダ 20 リンク 21 クランプ爪 21a 挟持面 22 ベースプレート 23 立上り部 25 挟持部 26 水平部 27 切欠き 28 可動プレート 29 長孔 30 折曲切欠き 31 ナット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 000190297 新キャタピラー三菱株式会社 東京都世田谷区用賀四丁目10番1号 (72)発明者 松永 聡 東京都千代田区内幸町2丁目2番3号 川 崎製鉄株式会社内 (72)発明者 塩田 啓介 東京都千代田区内幸町2丁目2番3号 川 崎製鉄株式会社内 (72)発明者 清水 伸彦 東京都新宿区西新宿1丁目25番1号 大成 建設株式会社内 (72)発明者 大塚 寿次 東京都新宿区西新宿1丁目25番1号 大成 建設株式会社内 (72)発明者 高倉 克彦 東京都新宿区西新宿1丁目25番1号 大成 建設株式会社内 (72)発明者 足立 英明 東京都新宿区西新宿1丁目25番1号 大成 建設株式会社内 (72)発明者 会川 利晴 東京都千代田区1番町31 株式会社錢高組 内 (72)発明者 久武 経夫 東京都世田谷区用賀4丁目10番1号 新キ ャタピラー三菱株式会社内 (72)発明者 芝田 幹生 東京都世田谷区用賀4丁目10番1号 新キ ャタピラー三菱株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄筋を埋設したコンクリート製の擁壁を
    構築するに当り、油圧ショベルで掘削作業を終了したあ
    と、該油圧ショベルのバケットを、鉄筋の把持手段を具
    える鉄筋用アタッチメントに交換し、この鉄筋用アタッ
    チメントで、予め格子状に接合した組鉄筋を把持して、
    前記掘削作業により露出した土留め壁の鉄筋の所定位置
    への配置を行い、次いで、前記鉄筋用アタッチメント
    を、差込爪を具える型枠用アタッチメントに変更し、こ
    の型枠用アタッチメントの差込爪を、コンクリート型枠
    に予め取付けた爪受部に差込んで、コンクリート型枠の
    所定位置への配置を行うことを特徴とする擁壁構築工
    法。
  2. 【請求項2】 鉄筋を埋設したコンクリート製の擁壁を
    構築するに当り、油圧ショベルで掘削作業を終了したあ
    と、該油圧ショベルのバケットを鉄筋の把持手段を具え
    る鉄筋用アタッチメントに交換し、この鉄筋用アタッチ
    メントで、鉄筋の吊下げ支持手段を具える鉄筋連結用治
    具を把持し、この鉄筋連結用治具で、上端部に抜止め頭
    部を予め設けた鉄筋を吊下げ支持して、縦筋の所定位置
    への配置を行い、この縦筋とすでに配置した上方の縦筋
    とを接合し、次いで、この鉄筋用アタッチメントで、予
    め格子状に接合した連結筋と横筋とからなる組鉄筋を把
    持して、横筋の所定位置への配置を行い、さらに鉄筋用
    アタッチメントを、差込爪を具える型枠用アタッチメン
    トに変更し、この型枠用アタッチメントの差込爪を、コ
    ンクリート型枠に予め取付けた爪受部に差込んで、コン
    クリート型枠の所定位置への配置を行うことを特徴とす
    る擁壁構築工法。
  3. 【請求項3】 鉄筋を埋設したコンクリート製の擁壁を
    構築するに当り、油圧ショベルで掘削作業を終了したあ
    と、該油圧ショベルのバケットを鉄筋の把持手段を具え
    る鉄筋用アタッチメントに交換し、この鉄筋用アタッチ
    メントで、鉄筋の吊下げ支持手段を具える縦筋用治具を
    把持し、この縦筋用治具で、上端部に抜止め頭部を予め
    設けた鉄筋を吊下げ支持して、縦筋の所定位置への配置
    を行い、この縦筋とすでに配置した上方の縦筋とを接合
    し、次いで、この鉄筋用アタッチメントで、鉄筋連結用
    治具で支持した横筋を把持して、横筋の所定位置への配
    置を行い、さらに鉄筋用アタッチメントを、差込爪を具
    える型枠用アタッチメントに変更し、この型枠用アタッ
    チメントの差込爪を、コンクリート型枠に予め取付けた
    爪受部に差込んで、コンクリート型枠の所定位置への配
    置を行うことを特徴とする擁壁構築工法。
  4. 【請求項4】 油圧ショベルのバケットの取付位置に俯
    仰可能に装着されるベースフレームと、ベースフレーム
    の先端に取付けたヨークと、ヨークから前方側へ突出さ
    せて設けたコンクリート型枠の爪受部に差込まれる複数
    本の差込爪とを具えてなる型枠用アタッチメント。
  5. 【請求項5】 油圧ショベルのバケットの取付位置に俯
    仰可能に装着されるベースフレームと、ベースフレーム
    の先端に取付けたヨークと、ヨークから前方側へ突出さ
    せて設けた複数本の爪と、これらの各爪に脱着可能に取
    付けたシースに配設されて、油圧シリンダにて開閉作動
    されるクランプ爪とを具えてなる鉄筋用アタッチメン
    ト。
  6. 【請求項6】 前記ヨークを、それの中心軸線の周りで
    回動させる回動駆動手段をベースフレームに設けてなる
    請求項4または5に記載のアタッチメント。
  7. 【請求項7】 前記ヨークを、複数本の差込爪もしくは
    爪を含む面内で揺動させる揺動手段をベースフレームに
    設けてなる請求項4〜6のいずれかに記載のアタッチメ
    ント。
  8. 【請求項8】 先端部にくし歯を形成する複数個の切欠
    きを有するベースプレートと、このベースプレート上に
    配置され、先端部に前記切欠きと等ピッチで配置した複
    数個のL字状の折曲切欠きを有するとともに、ベースプ
    レートに対して左右方向に相対変位可能な可動プレート
    とを具えてなる鉄筋連結用治具。
  9. 【請求項9】 クランプ爪にクランプされ、先端部にく
    し歯を形成する複数個の切欠きを有するベースプレート
    と、このベースプレート上に配置され、先端部に前記切
    欠きと等ピッチで配置した複数個のL字状の折曲切欠き
    を有するとともに、ベースプレートに対して左右方向に
    相対変位可能な可動プレートとを具えてなる鉄筋連結用
    治具。
JP11136597A 1997-04-28 1997-04-28 擁壁構築工法およびそれに用いるアタッチメントと治具 Withdrawn JPH10299017A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013185321A (ja) * 2012-03-06 2013-09-19 Ohbayashi Corp システム型枠、システム型枠の設置方法
JP2017145683A (ja) * 2017-04-12 2017-08-24 鹿島建設株式会社 鉄筋及び型枠の施工方法

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