JPH10298823A - セルロースアセテート繊維の紡糸原液とその製造方法 - Google Patents

セルロースアセテート繊維の紡糸原液とその製造方法

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JPH10298823A
JPH10298823A JP10497497A JP10497497A JPH10298823A JP H10298823 A JPH10298823 A JP H10298823A JP 10497497 A JP10497497 A JP 10497497A JP 10497497 A JP10497497 A JP 10497497A JP H10298823 A JPH10298823 A JP H10298823A
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cellulose acetate
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acetate
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Hiroko Matsumura
宏子 松村
Takayuki Matsuoka
登行 松岡
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セルロースアセテート繊維の紡糸工程におい
て、糸切れを発生させることのない紡糸原液およびその
製造方法を提供する。 【解決手段】 セルロースアセテートを有機溶媒に溶解
してなるセルロースアセテート繊維の紡糸原液におい
て、ヘミセルロースアセテートのアルカリ土類金属塩の
含有率を0.15重量%以下に低減したことを特徴とす
る紡糸原液と、セルロースアセテートを有機溶媒に溶解
してなる溶液に、水素型もしくはアルカリ金属型の陽イ
オン交換樹脂を接触させることを特徴とする紡糸原液の
製造方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、婦人衣料などに利
用されるセルロースアセテート繊維の紡糸工程に用いら
れる紡糸原液およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】セルロースアセテート繊維は、他の合成
繊維にはない優れた発色性や、絹様の光沢感や、ドライ
な風合いなどを特徴として、婦人衣料分野を中心に広く
使用されているほか、煙草の吸い口のフィルターとして
も広く使用されている。このセルロースアセテート繊維
は、セルロースアセテートを低融点有機溶剤に溶解させ
て製造した紡糸原液を乾式紡糸することにより得ること
ができる。このセルロースアセテート繊維の紡糸工程に
おいては、従来より糸切れ現象が問題となっている。セ
ルロースアセテート繊維の場合、他の合成繊維と異な
り、紡糸工程での延伸比(紡糸ドラフト)を大きくする
ことができないために、紡糸口金の吐出キャピラリーの
口径が小さい。このため、紡糸口金部分で紡糸原液中の
ゲルやその他の不溶性異物等が原因となって、特に糸切
れを起こしやすい。
【0003】これまでの研究では、紡糸原液中の金属イ
オンが糸切れの原因とされ、この糸切れの問題を解決す
るための方法が提案されている。例えば、特開平2−2
51607号公報では、カルボキシル基を2個以上有す
るクエン酸などの有機酸を、セルロースエステル溶液中
に添加し、原料のセルロースエステル溶液中に含まれる
金属イオンを可溶性の錯体とすることにより、上述のよ
うな糸切れを防ぐ方法が開示されている。
【0004】しかしながら、この方法においては、紡糸
原液に添加するカルボキシル基を2個以上有する有機酸
(クエン酸、シュウ酸、エチレンジアミン四酢酸(ED
TA)等)が有機溶媒に難溶であるため、紡糸原液に該
有機酸を添加すると、有機酸やその塩が析出して、紡糸
ノズルの閉塞を招き、糸切れを防止するどころか逆に糸
切れを発生させてしまうという欠点があった。さらに、
前記有機酸には紡糸原液を酸性化させる傾向があり、そ
の結果セルロースアセテート繊維の脱アセチル化を引き
起こすという問題もあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、セルロー
スアセテート繊維の紡糸過程における糸切れを防ぐ方法
として、適切なものはいまだ開発されていない。本発明
は前記事情に鑑みてなされたもので、セルロースアセテ
ート繊維の紡糸工程において、糸切れを発生することの
ない紡糸原液およびその製造方法を提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、セルロースア
セテートを有機溶媒に溶解してなるセルロースアセテー
ト繊維の紡糸原液において、グルクロノキシランアセテ
ートのカルシウム塩などの、ヘミセルロースアセテート
のアルカリ土類金属塩の含有率を0.15重量%以下に
低減したことを特徴とする紡糸原液と、セルロースアセ
テートを有機溶媒に溶解してなる溶液に、水素型(H
型)もしくはアルカリ金属型の陽イオン交換樹脂を接触
させることを特徴とする紡糸原液の製造方法を提供する
ことを前記課題の解決手段とした。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明者は、セルロースアセテー
ト繊維の紡糸工程における糸切れの原因について検討
し、その原因がヘミセルロースアセテートのアルカリ土
類金属塩、その中でも特にグルクロノキシランアセテー
トのカルシウム塩にあることを見いだし、本発明に到達
した。本発明の主旨は、上述の糸切れの原因であるヘミ
セルロースアセテートのアルカリ土類金属塩、特にグル
クロノキシランアセテートのカルシウム塩に着目し、こ
のヘミセルロースアセテートのアルカリ土類金属塩の凝
集を抑制することについて検討し、その方法として、セ
ルロースアセテート繊維の紡糸原液を、H型あるいはア
ルカリ金属型の陽イオン交換樹脂とを接触させることが
極めて有効であることを見いだした点にある。以下、本
発明について、詳細に説明する。
【0008】本発明の請求項1記載のセルロースアセテ
ートを有機溶媒に溶解してなる紡糸原液は、ヘミセルロ
ースアセテートのアルカリ土類金属塩の含有率を0.1
5重量%以下に低減したことを特徴とするものである。
ヘミセルロースアセテートとしては、主に、グルクロノ
キシランアセテートが挙げられる。上記グルクロノキシ
ランアセテートは、セルロースアセテートの製造工程に
おいて、セルロースの原料パルプに含有されるグルクロ
ノキシランが、パルプ製造工程を経てもなお残留したも
のがセルロースのアセチル化工程において、セルロース
とともにアセチル化したものである。一方、セルロース
アセテートの製造工程においては、熱安定剤として、ア
ルカリ土類金属化合物、特にカルシウム化合物が用いら
れ、セルロースアセテートに配合される。
【0009】上述のグルクロノキシランアセテートとア
ルカリ土類金属化合物を含有するセルロースアセテート
を有機溶媒に溶解させて、セルロースアセテート繊維の
紡糸原液を作製する場合、上記グルクロノキシランアセ
テートの側鎖が有するカルボキシル基と、上記アルカリ
土類金属化合物のアルカリ土類金属とが、イオン的に結
合し、グルクロノキシランアセテートのアルカリ土類金
属塩、特にグルクロノキシランアセテートのカルシウム
塩が生成する。そして、このグルクロノキシランアセテ
ートのアルカリ土類金属塩が凝集し、肥大化して、溶解
性の著しい低下が起こり、セルロースアセテート繊維の
紡糸原液に白濁が生じる。
【0010】このような紡糸原液を用いて、乾式紡糸を
行うと、このグルクロノキシランアセテートのアルカリ
土類金属塩の凝集物が、紡糸口金部分で閉塞を起こすな
どして、糸切れが発生する。紡糸工程における糸切れを
防止するためには、その原因である上述の凝集物を減少
させればよい。本発明の紡糸原液は、グルクロノキシラ
ンアセテートのカルシウム塩などのヘミセルロースアセ
テートのアルカリ金属塩の含有率を0.15重量%以下
に低減したものである。0.15%を越えると、セルロ
ースアセテート繊維の紡糸原液に白濁が生じ、紡糸工程
において糸切れが発生する。
【0011】上記紡糸原液の構成成分であるセルロース
アセテートは、その酢化度により、セルローストリアセ
テートと、セルロースジアセテート等に分類される。ま
た、前記セルロースアセテートは、セルロースを構成す
るグルコース単位がもつ3個のヒドロキシル基のうちア
セチル化されたものの平均的な数を表すアセチル化度が
2〜3のものである。これらの中でも、アセチル化度が
2.2〜2.7であるセルロースジアセテートは、熱安
定剤として、アルカリ土類金属化合物、特にカルシウム
化合物を多用することがあり、これを用いたセルロース
アセテート繊維の紡糸原液には、糸切れの原因となる上
述のグルクロノキシランアセテートのアルカリ土類金属
塩の凝集が多く発生することが予想され、本発明を実施
するのに好適である。
【0012】また、上記セルロースアセテートの溶媒と
なる有機溶剤としては、塩化メチレンやアセトン等の単
独溶剤、あるいはアセトンと水、塩化メチレンとメタノ
ール等の混合溶剤が使用される。前記有機溶媒は水を0
〜10重量%含有するアセトンであることが望ましい。
溶液中の水の共存は、イオン解離を促進するので、これ
を含有するアセトンが本発明の紡糸原液の有機溶剤とし
て好適に用いられる。水の含有量が、10重量%を越え
るとセルロースアセテートの溶解性が低下して不都合を
生じる。
【0013】上記セルロースアセテートを上記有機溶媒
に溶解してなる溶液中のセルロースアセテートの濃度
は、5〜30重量%であることが望ましい。イオン交換
樹脂とのイオン交換の条件としては、溶液の粘度が低い
ほどよいとされるので、溶液の濃度は低い程よいが、5
重量%未満であると、イオン交換のための溶液量が過大
となって時間がかかり不都合となる。また、30重量%
を越えるとイオン交換の速度が遅くなって不都合とな
る。
【0014】本発明の請求項2記載のセルロースアセテ
ート繊維の紡糸原液の製造方法は、セルロースアセテー
トを有機溶媒に溶解してなる溶液に、H型もしくはアル
カリ金属型の陽イオン交換樹脂を接触させることを特徴
とするものである。糸切れの原因である溶液中のヘミセ
ルロースアセテートのアルカリ土類金属塩は、上記H型
もしくはアルカリ金属型の陽イオン交換樹脂により、イ
オン交換され、その凝集、肥大化が抑制され、溶解性も
改善し、紡糸工程での糸切れが防止される。
【0015】上記陽イオン交換樹脂としては、H型また
はアルカリ金属型のものがイオン交換率が高く好適に用
いられる。具体的には、Na型スルホン酸系強酸性陽イ
オン交換樹脂、H型強酸性陽イオン交換樹脂、例えば、
強酸性ゲル型陽イオン交換樹脂:三菱化学(株)製「ダ
イヤイオン SKシリーズ1B、102、104、10
6、110、112、116」(商品名)や、強酸性ポ
ーラス型陽イオン交換樹脂:三菱化学(株)製「ダイヤ
イオン PKシリーズ208、212、216、22
0、228」(商品名)等が挙げられる。
【0016】上記陽イオン交換樹脂の粒子径は、0.3
〜1.2mmの範囲であることが望ましい。この粒子径
は、小さいほど比表面積が大きく、イオン交換率が高く
好適とされるが、この粒子径が0.3mm未満である
と、ヘミセルロースアセテートとの接触抵抗が大きくな
って不都合となる。また、1.2mmを越えるとイオン
交換率が低くなって不都合となる。
【0017】また、上記陽イオン交換樹脂においては、
Na型のスルホン酸系強酸性陽イオン交換樹脂であるこ
とが望ましい。前記陽イオン交換樹脂は、イオン交換率
が高く、粒子径も最適であり、グルクロノキシランアセ
テートのアルカリ土類金属塩をイオン交換するのに好適
に用いられる。上述のセルロースアセテートを有機溶媒
に溶解させた溶液と、陽イオン交換樹脂とを接触させる
方法としては、該溶液を、該陽イオン交換樹脂を充填し
たカラムを通過させる方法や、該溶液に該陽イオン交換
樹脂を加え、撹拌する方法などがあるが、いずれの方法
を用いても構わない。
【0018】また、接触させる時間は、イオン交換が行
われるのに十分であることが必要とされる。その時間
は、例えば、セルロースアセテート溶液の濃度が5重量
%のときは、30秒以上が必要とされる。また、イオン
交換時の反応温度としては40℃〜120℃の範囲が望
ましい。この反応温度としては、該溶液温度が高いほど
その粘度が低くなり、イオン交換率が高くなる。40℃
未満であると、イオン交換率が低くなり不都合を生じ、
120℃を越えると、陽イオン交換樹脂の安定性が低く
なり不都合となる。
【0019】上述のように、セルロースアセテート溶液
と、H型またはアルカリ金属型陽イオン交換樹脂とを接
触させてイオン交換を完了させた後、この溶液をそのま
ま紡糸原液としてもよく、あるいはこの溶液から、ろ過
法などにより、前記陽イオン交換樹脂を除去し、乾燥さ
せるなどしてセルロースアセテートを再回収し、有機溶
媒に再溶解させて紡糸原液としてもよい。このようにし
て得られたセルロースアセテート繊維の紡糸原液を乾式
紡糸法により紡糸することによりセルロースアセテート
繊維を得ることができる。このときの紡糸工程において
は、紡糸原液から糸切れの原因となるヘミセルロースア
セテートのアルカリ金属塩が除去されているので、糸切
れが発生することなく、安定したセルロースアセテート
繊維を得ることができる。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いて詳細に説明す
るが、本発明は、これらの実施例に限定されるものでは
ない。 (実施例1)アセチル化度2.45のセルロースアセテ
ート25重量部を、アセトン453重量部に対して脱イ
オン水21.5重量部を混合した有機溶媒(水分含有率
が約4.5%のアセトンとなる。)に約5時間かけて溶
解させて、セルロースアセテート5%溶液を調整した。
【0021】次に、このセルロースアセテート5%溶液
に、Na型強酸性陽イオン交換樹脂(「ダイヤイオン、
PK−216」三菱化学(株)製)100重量部を添加
したものを温度50℃にて、30分間撹拌し、該溶液と
該陽イオン交換樹脂を接触させ、イオン交換を実施し
た。次に、このイオン交換の完了した溶液を、該陽イオ
ン交換樹脂を除去するために、10μmポリテトラフル
オロエチレン製メンブレンフィルターにてろ過し、得ら
れたろ液から、エバポレーターおよび真空乾燥により溶
媒を除去し、実施例1のセルロースアセテートを得た。
【0022】(実施例2)セルロースアセテートアセチ
ル化度2.45のセルロースアセテート25重量部を、
アセトン95.5重量部に対して脱イオン水4.5重量
部を混合した有機溶媒(水分含有率が4.5%のアセト
ンとなる。)に約5時間かけて溶解させて、セルロース
アセテート20%溶液を調整し、実施例1と同様にして
イオン交換を実施した溶液を、該陽イオン交換樹脂を除
去するために、50μmの目開きの金属金網にてろ過
し、得られたろ液から、エバポレーターおよび真空乾燥
により溶媒を除去し、実施例2のセルロースアセテート
を得た。
【0023】(実施例3)アセチル化度が2.30のセ
ルロースアセテートを用い、セルロースアセテート溶液
の濃度を30%に調整した以外は実施例2と同様にし
て、実施例3のセルロースアセテートを得た。 (実施例4)アセチル化度が2.61のセルロースアセ
テートを用い、陽イオン交換樹脂として、H型強酸性陽
イオン交換樹脂(「ダイヤイオン、PK−216H」
三菱化学(株)製)を用いた以外は実施例1と同様にし
て、実施例4のセルロースアセテートを得た。
【0024】(実施例5)実施例1と同様にしてセルロ
ースアセテート5%溶液を調整した。次に、ガラス性イ
オン交換カラムに、Na型強酸性陽イオン交換樹脂
(「ダイヤイオン、PK−216」三菱化学(株)製)
100重量部を充填し、該カラムに、該セルロースアセ
テート5%溶液を室温にて1時間通液し、イオン交換を
実施した。こうして得られた溶液から、エバポレーター
および真空乾燥により溶媒を除去し、実施例5のセルロ
ースアセテートを得た。
【0025】(実施例6)有機溶媒として、アセトン
(水分含有量0重量%)を用い、セルロースアセテート
溶液の濃度を20%に調整した以外は、実施例2と同様
にして実施例6のセルロースアセテートを得た。 (比較例1)アセチル化度が2.45のセルロースアセ
テートを無処理の状態で、本発明の比較例1とした。
【0026】(比較例2)実施例1と同様にして調整し
たセルロースアセテート5%溶液を調整し、該溶液に陽
イオン交換樹脂を添加せずに、そのまま実施例1と同様
に撹拌、ろ過、ろ液からの溶媒除去の処理を行い、比較
例2のセルロースアセテートを得た。 (比較例3)陽イオン交換樹脂として、弱酸性陽イオン
交換樹脂(「ダイヤイオン、WK−11」三菱化学
(株)製)を用いた以外は実施例1と同様にして、比較
例3のセルロースアセテートを得た。
【0027】(比較例4)セルロースアセテート溶液の
濃度を35%に調整した以外は、実施例1と同様にし
て、比較例4のセルロースアセテートを得た。 (比較例5)実施例2と同様にして調整したセルロース
アセテート20%溶液に、EDTAを0.025重量部
を添加し、乾燥させて、比較例5のセルロースアセテー
トを得た。
【0028】上述の実施例1〜6、比較例1〜5につい
て、セルロースアセテートに含有されるヘミセルロース
アセテートについて分析した。また、凝集物発生の評価
を行った。ヘミセルロースアセテートの分析について
は、以下のように行った。実施例1〜6、比較例1〜5
のセルロースアセテート25重量部を、アセトン772
重量部と脱イオン水36重量部を混合した溶媒に溶解さ
せ、セルロースアセテート3%溶液を調整した。
【0029】次に、この溶液を10μmポリテトラフル
オロエチレン製メンブレンフィルターにてろ過し、得ら
れたろ液を24000prmにて、1時間超遠心分離し
て得た沈澱物を、65℃において、24時間真空乾燥
し、分析の対象となるヘミセルロースアセテートを得
た。このヘミセルロースアセテートの重量を測定し、元
素分析を行った。この元素分析は、得られたヘミセルロ
ースアセテートを乾式灰化し、塩酸で溶液化処理した
後、原子吸光法にてカルシウムの含有率について測定し
た。
【0030】また、凝集物発生の評価については、以下
のように行った。実施例1〜6、比較例1〜5のセルロ
ースアセテート25重量部を、アセトン95.5重量部
と脱イオン水4.5重量部を混合した溶媒に溶解させ、
セルロースアセテート20%溶液を調整した。このセル
ロースアセテート20%溶液をガラス瓶に密封し、この
溶液を57℃温水中にて保存試験を実施し、その際の濁
り度の経時的に測定した。この濁り度は、紫外線分光分
析装置(「U−3400」日立製作所(株)製)を用
い、光路長10mmで、500nmの吸光度を測定し
た。これらの結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】表1の結果より、本発明の実施例において
は、糸切れの原因とされるヘミセルロースアセテートの
アルカリ土類金属塩である、グルクロノキシランアセテ
ートのカルシウム塩の形成が抑制されていることがわか
る。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように本発明のセルロース
アセテート繊維の紡糸原液およびその製造方法において
は、糸切れの原因であるグルクロノキシランアセテート
のカルシウム塩などのヘミセルロースアセテートのアル
カリ土類金属塩を低減できるので、セルロースアセテー
ト繊維の紡糸工程において、糸切れが発生することのな
く、安定して、セルロースアセテート繊維を製造するこ
とができ、その製造効率をあげることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セルロースアセテートを有機溶媒に溶解
    してなるセルロースアセテート繊維の紡糸原液におい
    て、 ヘミセルロースアセテートのアルカリ土類金属塩の含有
    率を0.15重量%以下に低減したことを特徴とする紡
    糸原液。
  2. 【請求項2】 セルロースアセテートを有機溶媒に溶解
    してなる溶液に、水素型もしくはアルカリ金属型の陽イ
    オン交換樹脂を接触させることを特徴とする請求項1記
    載の紡糸原液の製造方法。
JP10497497A 1997-04-22 1997-04-22 セルロースアセテート繊維の紡糸原液とその製造方法 Withdrawn JPH10298823A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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