JPH10298496A - 悪臭レベルの低いタル油ロジンエステルの作成方法 - Google Patents

悪臭レベルの低いタル油ロジンエステルの作成方法

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JPH10298496A
JPH10298496A JP10108110A JP10811098A JPH10298496A JP H10298496 A JPH10298496 A JP H10298496A JP 10108110 A JP10108110 A JP 10108110A JP 10811098 A JP10811098 A JP 10811098A JP H10298496 A JPH10298496 A JP H10298496A
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tall oil
product
oil rosin
esterification
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JP10108110A
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Mikko Kalevi Karvo
カレビ カルボ,ミコ
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Kraton Chemical Oy
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Arizona Chemical Oy
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    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09FNATURAL RESINS; FRENCH POLISH; DRYING-OILS; OIL DRYING AGENTS, i.e. SICCATIVES; TURPENTINE
    • C09F1/00Obtaining purification, or chemical modification of natural resins, e.g. oleo-resins
    • C09F1/04Chemical modification, e.g. esterification

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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、悪臭レベルの低いタル油ロジンエス
テルの作成方法を提供するものである。 【解決手段】本発明の方法はエステル化ステップを含む
が、このステップでは、タル油ロジンエステルを含有す
る生成物を形成するためにタル油ロジンがポリオルでエ
ステル化され、また悪臭成分及びその他の揮発性成分を
この生成物から取り除くためにこの生成物に対して気化
が行われるが、この気化を、気化表面と、この気化表面
近傍にある凝縮器とを有する短経路エバポレータで行
い、気化した取り除こうとする成分をこの凝縮器上で凝
縮させることで、悪臭レベルの低いタル油ロジンエステ
ルをこのエバポレータから回収する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、要求事項の多い用
途に使用することのできる悪臭レベルの低いタル油ロジ
ンエステルを作成する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】タル油は、硫酸塩パルプ化処理において
泡の形で得られる副産物であるが、この副産物は蒸留さ
れる前に硫酸で酸化させられる。蒸留では、樹脂分、ロ
ジン及び脂肪酸が主たる留分として分離される。ロジン
は、主に、ジテルペン構造の三環式C20モノカルボン
酸を含むが、このC20モノカルボン酸のタル油ロジン
中での比率は通常、85−95%程度である。残りは脂
肪酸や、多種の酸無水物、フェノール、ステロール、及
びジテルペンアルコール又はアルデヒドである中性物質
から成る。硫酸塩処理の結果、タル油ロジンは更に少量
のいろいろな有機硫黄化合物(硫黄は合計でおよそ1,
000ppm)を含むようになるが、この有機硫黄化合
物が、例えばガムロジンの臭いとは明確に区別すること
のできる、その典型的な幾分不快な悪臭をタル油ロジン
に与えているものだと考えられている。
【0003】ロジンの用途の一つには、それを更に精製
して、接着剤に対して接着性をもたらす添加剤にするこ
とである。これらの接着性ロジンは、多くの場合、例え
ばペンタエリトリトール、グリセロール又はグリコール
等のポリオルをロジン酸に反応させることにより得られ
る重合ロジン又はロジンエステルのいずれかである。典
型的には、ロジンエステルの生成は、溶融状態かつ大変
な高温(250から300℃)でのバッチ処理で行われ
る。反応を早めるために触媒を用い、そして一般に必要
とされる、その計算量に対して約15から20%のポリ
オルを越える充分に完全なエステル化を達成することが
普通である(マックスウィニー,E.E.氏、アール
ト,H.G.ジュニア氏、ラッセル,J氏編集、タル油
及びその使用第二巻、ニューヨーク州、パルプ・ケミカ
ル・アソシエーション社刊(1987))。反応の進行
後、酸化指数を調べるが、この指数は典型的に、ロジン
については160−180mgKOH/g程度であり、
また最終生成物であるロジンエステルについては5−1
5の範囲内である。工業規模での生産における反応時間
は典型的には20から30時間であるが、この時間は、
最終ステップとして通常行われる1、2時間の水−蒸気
ストリッピングを含めた数字である。水−蒸気蒸留とい
う方法でのこのストリッピングの目的は、反応生成物か
ら何らかの中性物質を取り除くと共に、特にロジン中に
存在する悪臭化合物を取り除くためである。更に、これ
により生成物の軟化点が高くなるが、これは性質として
望ましいものであると考えられる。しかしながら、水蒸
気を使ったストリッピングでは、ロジンエステルの使用
という観点から望ましい程度まで、完全には中性物質及
び悪臭化合物を取り除くことはできない。この生成物の
性質は、近年、タル油ロジンエステルを、ガムロジンか
ら作成した対応するエステルと、又は、同じ使用に向け
て販売されている炭化水素樹脂と比較するときの大変重
要な品質基準となっている。ガムロジンエステルの典型
的な悪臭は、ターペンタイン残分に由来するものである
が、前記のロジン種はこのターペンタイン残分をタル油
ロジンよりも多く含んでいる。一方、硫黄含有化学物質
はガムロジンの処理には用いられておらず、従って不快
な悪臭を生じる対応する有機硫黄化合物はその中では形
成されていない。ロジンエステルの特に要求事項の多い
使用法には、衛生製品及び食品包装製品用のホットメル
ト接着剤や、チューインガムの配合物中の結合物質とし
てのロジンのグリセロールエステルの使用がある。
【0004】悪臭レベルは生成物中の揮発性有機化合物
(VOC)濃度と相関関係にある。VOCとは、主観的
にのみ評価が可能な悪臭の強さとは対照的に、測定値で
表すことのできる数量である。従って、本発明に基づく
方法で生成されたロジンエステル中のVOC濃度が、対
応する従来の生成物と比較したときに減少していること
を以下に説明する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ロジンのエステル化は
化学反応としてよく知られており、またこれに関する出
版物及び特許は数十年に渡って提供されてきている。し
かしながら、方法及び生成物の品質を向上させることを
狙いとした新しい発明が継続的に創出されており、特
に、ロジンエステルの色を向上させることを狙いとした
方法は、数多く、過去10年から15年の間に特許が付
与されてきている。これらのうちで典型的なものとし
て、エステル化と、生成物の性質を向上させるための多
種の触媒及びその他の添加剤との両方を概ね開示した、
米国特許第3,780,013号、第4,548,74
6号、第4,659,514号及び第4,962,18
6号や、これらの中で引例として取り上げられた特許に
言及することができよう。ロジンエステルから悪臭化合
物を取り除くことに明らかに触れた出版物は見当たらな
かったが、タル油ロジンの色及び悪臭化合物を減少させ
る方法を開示した英国特許第1,296,480号を取
り上げるには一理ある。この方法では、ロジンをまず2
40から280℃の温度で2時間から8時間熱処理して
色及び悪臭化合物を重い留分に転化させ、その後、この
熱処理したロジンを再蒸留してより低いレベルの色及び
悪臭を持ったロジンを留出物として回収し、前記の重い
留分を蒸留の残液として回収する。技術的に選択できる
方法の一つにしては、反応器及び再蒸留での別々の加熱
ステップは、それによって得られたロジンを更に精製す
ることを考え合わせれば、時間及び費用のかかる方法で
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、悪臭レベルの
低いタル油ロジンエステルの生成方法に関するものであ
り、当該方法は、タル油ロジンをポリオルを用いてエス
テル化することによりタル油ロジンエステルを含む生成
物を形成するエステル化ステップを含み、また当該方法
は、エステル化から得られる生成物を気化させることに
より悪臭成分及びその他の揮発性成分をこの生成物から
除去するが、この気化は、気化表面と、その近傍にあ
る、除去された気化状態の成分が凝縮する凝縮器とを有
する短経路エバポレータ内で行われ、それにより悪臭レ
ベルの低いタル油ロジンエステルがこのエバポレータか
ら回収されることを特徴とするものである。
【0007】ロジンエステルを作成するための本発明に
基づく方法は、一般的にはロジンエステルに適している
が、特に、環球式軟化点(ASTM E28−92)が
70℃より高いロジンエステルに適している。前記軟化
点範囲を有するロジンエステルの作成に最も普通に用い
られているポリオルには、グリセロール及びペンタエリ
トリトールがある。最初に用いられるロジンは、軟化点
が約55℃から75℃の範囲のタル油ロジンであっても
よいが、好ましくは約65℃から70℃の範囲内のもの
であるとよい。通常より低級のロジン、つまり軟化点が
より低いロジンを最初のロジンとして用いてもよい。多
様な方法で改良したロジンもまた、最初の物質として適
切である。ロジンの公知の改良法には、二量化や、ディ
ールス−アルダー・メカニズムで反応する化学物質でロ
ジンを強化する方法が含まれ、このときに最もよく用い
られる化学物質はフマル酸及び無水マレイン酸である。
【0008】エステル化は触媒のある状態で行うと有利
であるが、適した触媒には、p−トルエンスルホン酸、
次亜リン酸等のよく用いられるエステル化触媒や、イル
ガノックス1425又はイルガノックスB551(メー
カはチバ−ガイギー)等の特定の市販されている特殊な
触媒が含まれる。イルガノックス1425は化学的には
カルシウムビス[モノエチル(3,5−ジ−第三ブチル
−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート]であり、イ
ルガノックスB551は、前者と、イルガノックス41
5(4,4−チオビス[2−(1,1−ジメチルエチ
ル)−5−メチルフェノール]との1:1での比率での
混合物である。もちろん、この製品に、よく用いられて
いるその他の添加剤、例えば抗酸化剤を加えて熱安定性
を高めることも可能である。
【0009】ある好適な実施例によれば、ポリオルの量
をロジンに対して概ね等しい比率になるようにするが、
この場合、ポリオルの量のロジンに対する比は約0.9
から1.1:1であると好ましい。これは、典型的に約
15から20%上回る量のポリオルを用いる従来のエス
テル化法と比較すると明らかな違いである。
【0010】本発明に基づくと、エステル化は、酸化指
数が約15から35のレベル、好ましくは約20から2
8の範囲に降下するまで公知の方法で行なわれる。工業
規模の生産装置では、酸化指数が5から10になるまで
エステル化を行なう従来の方法に比べると、これはかな
り短い時間の約13から17時間となるが、それはなぜ
なら、反応の進行速度が、酸化指数が30から25のレ
ベルに達した直後から著しく鈍化するからである。
【0011】作成ステップにおける次のステップは、所
謂短経路エバポレータでのエステル化生成物の処理であ
り、この処理では、供給液体をシリンダの内表面上の薄
いフィルムに散布する特殊な回転子を備えた筒状の支柱
内にロジンエステルを供給する。約0.1から20mb
ar、最も好ましくは約0.2から4mbarの適した
真空がこのエバポレータ内に吸引により生じると、ロジ
ンエステル中に存在する、タル油ロジンから得られた中
性物質及び脂肪酸が未反応のロジンと共に気化する。気
化表面の温度は典型的に約150から280℃である
が、最も好ましくは約220から260℃であるとよ
い。揮発性の成分の凝縮がシリンダ中間の所謂コールド
・フィンガで起こるが、これは別に冷却される留出液凝
縮器である。この種類の気化装置は、留出液成分の急速
な凝縮という利点があるが、それはなぜなら、気化表面
の凝縮器表面までの距離が、外側にある凝縮器に基づく
従来の装置を使う場合よりも著しく短いからである。説
明したこの装置により、所望の気化を達成するのに不可
欠である良好な真空レベルを得ることが可能である。留
出液の流れ及び実際の生成物は、別々の接続線を介して
短経路エバポレータから得られる。エバポレータで処理
されたこのロジンエステルの酸化指数は、従来の方法で
作成されたロジンエステルの典型的な酸化指数である8
から15より低い、約0.2から10、最も好ましくは
約2から6の範囲となる場合が典型的である。と同時
に、軟化点も、水蒸気を用いて反応器内で従来の方法に
よりストリッピングしたエステルより高いレベルに上昇
する。ペンタエリトリトールエステルの軟化点は、酸化
指数が約0.5から3の水準に下がっていれば約103
から108℃の水準に、そして酸化指数が約4から6の
水準であれば約98から102℃の水準にすることがで
きる。ホットメルト接着剤という観点から生成物の性質
としてこれも重要であるロジンエステルの色が、短経路
エバポレータでの処理で悪化することはまずない。留出
液の組成は、もちろん、選択された気化条件(気化表面
の真空及び温度や、供給量)に応じて多様であってもよ
いが、中性成分の比率は典型的には30から50%程度
であり、その残りは脂肪酸及び未反応のロジンから成
る。留出液の量は、典型的には供給量の重量で約5から
20%である。生成物中に悪臭がないこと、そしてその
VOC量が低いことは、このように、短経路気化で分離
された成分の濃度が生成物自体の中で著しく減少してい
ることによるものである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明を例及び比較テストを用い
て以下に詳細に説明する。パーセンテージは特にそうで
ないと記載されていない限り、重量パーセンテージであ
る。
【0013】[実施例]本発明に基づく方法による、実
験室規模でのロジングリセロールエステル及びロジンペ
ンタエリトリトールエステルの作成について、二つの例
を以下に説明する。
【0014】[例1]軟化点が61℃、酸化指数が17
2.0、そして非鹸化性含有量が7.8%のタル油ロジ
ンを200グラム、温度計及び撹拌器を備えた適したガ
ラス製のフラスコに配置した。このロジンを約180℃
の温度で窒素雰囲気中で溶融させ、0.8グラムの市販
のイルガノックスB551(チバ−ガイギー社製)触媒
を触媒としてこの反応容器中に加え、その直後に、18
グラムのグリセロールを段階的に加えた。この反応容器
は、内部で約120度の凝縮油が循環する還流凝縮器を
備えており、従って、エステル化で放出された水がグリ
セロールの気化を妨げながら反応器を出るようになって
いる。反応混合液の温度を275℃まで上昇させ、この
温度で2時間維持すると、この時点のグリセロールエス
テルの酸化指数は20.9まで降下し、またその軟化点
は69℃であった。この生成物を220℃まで冷却した
後、240℃のマントル温度及び0.2mbarの圧力
を有する短経路エバポレータに供給した。供給速度は2
00ml/h、そして回転子の回転速度は200であっ
た。分離された留出液の量は15%、そしてその酸化指
数は108.3、留出液中の中性成分の比率は驚くほど
高く、36.3であり、これは、生成物自体の中の中性
物質の残分が著しく低いレベルに降下していることを示
すものである。生成物として得られたロジンエステルの
酸化指数は気化で0.8まで降下しており、その軟化点
は驚くべきことに89℃まで上昇していた。ASTMD
509−70法で調べた最初のロジンの色はXA−A
で、生成物の色はX−WWであることから、生成物がエ
バポレータで僅かに暗い色になっていることが判る。
【0015】[例2]上述の例で説明した、しかし還流
凝縮器のない装置を用いて、200グラムの、軟化点が
69℃で酸化指数が177.5のロジンをフラスコでバ
ッチ処理することでペンタエリトリトールエステルを作
成した。触媒としてチバ−ガイギー社の白化剤イルガノ
ックス415を0.4グラム、及び触媒イルガノックス
1425を0.8グラム、並びにペンタエリトリトール
を24グラムを、温度210から240℃で加えた。2
80℃での三時間のエステル化の結果、酸化指数が1
8.4に減少し、測定された軟化点は92℃であった。
更に、例1で説明した条件における気化により、酸化指
数が2.0、軟化点が107℃、そして色がWW−WG
のペンタエリトリトールエステルが生じた。留出液の収
率は11.5%であり、その酸化指数は126.0、そ
してその非鹸化性物質含有量は29.3%であった。こ
の実験では、更に、気化処理の間に軟化点が15℃上昇
し、留出液中の中性物質の含有量が高かったことは驚く
べきことである。
【0016】以下の例は、本発明に基づく方法によるペ
ンタエリトリトールエステルの実験バッチの工業規模で
の作成を示すものである。
【0017】[例3]計測された軟化点が65℃であっ
た溶融ロジンを、窒素雰囲気中で9500キログラムの
量を反応器中にバッチに量り分けた。205から210
℃で、35キログラムのイルガノックスB551を加
え、その直後に1050キログラムのペンタエリトリト
ールを段階的に加えて、この加える過程での温度が19
5℃より高い温度に維持されるようにした。
【0018】温度を次第に275℃まで上昇させ、一方
いくらかの窒素すすぎ剤を反応器に加えた。時間に対す
る酸化指数を調べることでエステル化を追跡した。酸化
指数の減少速度が大幅に減少して1時間当り三単位未満
となったとき、バッチを255℃に冷却して生成物を短
経路エバポレータに注入した。バッチへの量り分けから
反応器を空にするまでの時間は13時間だった。この段
階での軟化点は84℃まで上昇しており、エステルの酸
化指数は気化前の時点で23.9であった。このエステ
ルを、マントル温度240℃で圧力が約1mbarの短
経路エバポレータに2200kg/hの速度で供給し
た。最終生成物の収量はエバポレータに対する供給の8
5.8%であり、通常の分析は以下のようであった。酸
化指数は5.5、軟化点は100℃、そして色はXC−
XBである。留出液の酸化指数は102だった。
【0019】
【発明の効果】
[悪臭レベルの比較テスト]短経路エバポレータを用い
て作成したエステルの悪臭レベルを評価するために、一
枚の悪臭パネルに対して、当該作業のために訓練を積ん
だ5人の人間を割り当てた嗅覚テストによる悪臭の評価
を行なった。
【0020】悪臭の標本の処理: テストしようとする
ロジンエステルを50グラム、研削された栓を備えた、
慎重に消毒した茶色の広口1リットル入ガラス製フラス
コに配置し、微細に分割された形にし、50ミリリット
ルの蒸留水をこのロジンエステルに注いだ。栓をしたこ
のフラスコを二時間、沸騰水上に配置し、その後このフ
ラスコを別の悪臭実験室の60℃のホットプレート上に
30分間置いた。
【0021】テストの実施: このテストは、五つの別
々の標本について、所定の試験者が一時開けた標本フラ
スコの臭いを嗅いで感覚的に評価することで行うもので
ある。その結果、各試験者は、悪臭が増える順番に標本
を置く。全テストの結果を統計学的に計算して各試験者
の結果を中間値と比較し、個々の試験者のこうして得ら
れた相関係数がある特定のレベルより低い場合、この試
験者の結果を最終結果の計算から除外する。パネルの悪
臭評価は、少なくとも四人の試験者が中間値に対して容
認可能な相関関係を得られた時に信頼性のあるものとし
てみなすことができる。評価を受けた標本のうちの悪臭
の相対的強度を1から5までの数字で表し、悪臭レベル
が最も低い標本には最も低い数値が、そして悪臭レベル
が最も高い標本に最も高い数値が与えられる。
【0022】このテストのために、本発明に基づく新規
な方法により作成されたロジンエステルから、二つのペ
ンタエリトリトールエステル(A,B)及び一つのグリ
セロールエステル(C)並びに、対照標本として、従来
の方法、つまり、エステル化及び最終的な水蒸気による
ストリッピングにより作成した、一方は所謂接着性ロジ
ン等級のロジン(D)、もう一方はチューインガムとし
て利用可能な食品等級のロジンである(E)である二つ
のグリセロールエステルを選択した。以下の表がこのテ
ストの結果を示すものであり、ここでは五人の試験者の
うちすべてが最終結果の計算に認められており、従って
この結果は信頼性あるものとしてみなすことができる。
【0023】
【表1】
【0024】この結果に基づくと、本発明による方法に
より作成されたロジンエステルの悪臭レベルは、テスト
対象となる性質に関して最も良いレベルにある生成物か
ら選択された、対照標本として用いたグリセロールエス
テルのそれよりも低かった。
【0025】悪臭レベルの評価のためのもう一つの方法
は、生成物から、感覚的に認識可能な悪臭と相関関係に
ある揮発性化合物の量、つまり所謂VOC濃度を調べる
ことであった。この性質を測定するために、我々の研究
室は、テストの対象となる生成物を20グラム、小型の
アルミニウム製鋳型に量り入れ、その後この標本を5時
間、熱対流炉中で180℃に維持する方法を用いた。こ
の加熱処理後、質量の減少を重量を計って調べ、失われ
た重量をパーセントで表した。従来の方法で作成したグ
リセロールエステル及びペンタエリトリトールエステル
を、気化法により作成したロジンエステルと平行させて
テストした。異なる標本について、この実験で以下の重
量が失われていることが測定された。
【0026】
【表2】
【0027】圧力の損失を計測したこれらの結果から、
揮発性化合物の残分が、本発明に基づく新規な方法で作
成したタル油ロジンエステルでは明らかに減少している
ことが明白に判る。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年5月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】
【表2】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】重量の損失を計測したこれらの結果から、
揮発性化合物の残分が、本発明に基づく新規な方法で作
成したタル油ロジンエステルでは明らかに減少している
ことが明白に判る。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タル油ロジンをポリオルによりエステル
    化してタル油ロジンエステルを含む生成物を形成するエ
    ステル化ステップを含む、悪臭レベルの低いタル油ロジ
    ンエステルを作成する方法であって、悪臭成分及びその
    他の揮発性成分を生成物から取り除くためにエステル化
    で得られた生成物に対して気化が行われ、前記気化が、
    気化表面とこの表面の近傍にある凝縮器とを有する短経
    路エバポレータ内で行われ、気化して取り除かれた成分
    が前記凝縮器上で凝縮し、低悪臭レベルのタル油ロジン
    エステルが該エバポレータから回収されることを特徴と
    する、タル油ロジンエステルを作成する方法。
  2. 【請求項2】 約0.1から20mbar、好ましくは
    約0.2から4mbarの範囲の圧力が該エバポレータ
    に用いられ、該気化表面の温度が約150から280
    ℃、好ましくは約220から260℃の範囲内にあるこ
    とを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 エステル化しようとするロジンが、その
    ままのタル油ロジン又はそれ自体公知の方法で改良され
    たものであることを特徴とする、請求項1又は2のいず
    れかに記載の方法。
  4. 【請求項4】 該ロジンの軟化点が約55から75℃、
    好ましくは約65から70℃であることを特徴とする、
    請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 エステル化に用いられるポリオルがグリ
    セロール又はペンタエリトリトールであることを特徴と
    する、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】 ロジンに対するエステル化に用いられた
    ポリオルの比が約0.9から1.1対1であり、生成物
    の酸化指数がエステル化の際に約35から15、好まし
    くは約28から20のレベルに減少することを特徴とす
    る、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 【請求項7】 中性物質、脂肪酸及びロジンから主に構
    成された物質の約5から20重量パーセントが気化ステ
    ップの間に生成物から取り除かれることを特徴とする、
    請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 【請求項8】 気化で得られるタル油ロジンエステルの
    酸化指数が、約0.2から10、好ましくは約2から6
    であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記
    載の方法。
JP10108110A 1997-04-18 1998-04-17 悪臭レベルの低いタル油ロジンエステルの作成方法 Pending JPH10298496A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

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