JPH10298454A - 防汚塗料組成物 - Google Patents

防汚塗料組成物

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JPH10298454A
JPH10298454A JP10588097A JP10588097A JPH10298454A JP H10298454 A JPH10298454 A JP H10298454A JP 10588097 A JP10588097 A JP 10588097A JP 10588097 A JP10588097 A JP 10588097A JP H10298454 A JPH10298454 A JP H10298454A
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JP
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resin
acid
weight
oxide
formula
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JP10588097A
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English (en)
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Kiyoaki Higo
清彰 肥後
Masayuki Matsuda
雅之 松田
Shiyouji Kitaguni
壌治 北國
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Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 持続的な海棲生物付着阻害性に優れ、且つ貯
蔵安定性の良好な防汚塗料組成物を提供する。 【解決手段】 (i)側鎖に一般式、−X−O−Cu−
Y (I) 〔式中、Xは 【化1】 Yは有機酸残基を表す〕で表される基を有する加水分解
性自己研磨型樹脂の少なくとも1種、(ii)亜酸化銅、
および(iii)ビス(2-ピリジンチオール-1-オキシ
ド)金属塩(亜鉛または銅)、を含む防汚塗料組成物。
特に、Xがカルボニル基。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は海棲生物付着阻害用
の船舶用塗料組成物に関する。特に加水分解性に優れ、
且つ貯蔵安定性に優れた加水分解型自己研磨性塗料組成
物に関する。
【0002】
【従来の技術】船舶や海洋構築物などの没水部にフジツ
ボ、イガイ、コケムシ、ホヤ、海藻などの海棲生物が付
着するのを防ぐための塗料組成物として、持続的に優れ
た効果をもつ加水分解性自己研磨型の塗料が最近注目さ
れている。かかる加水分解性自己研磨型塗料は、海水中
で加水分解して海中へ溶解することのできるベース樹脂
と、一般には、海棲付着生物に対して阻害効果の高い化
合物を含むもので、ベース樹脂が溶解により不断に剥離
していくことにより付着物を除去するとともに、ベース
樹脂中に分散した付着阻害剤が絶えず新たに露出されて
海棲付着生物の付着を阻害するものである。この種の組
成物では、加水分解性樹脂の分解速度と加水分解により
生成する水溶性樹脂の溶解性を最適に設計することによ
り、塗膜の自己研磨性を制御し、長期にわたって付着阻
害能を持続させることができる。
【0003】このような海水中での加水分解自己研磨型
樹脂として代表的なものは加水分解性の金属エステル部
を分子中に含む樹脂である。例えば、特開平8−735
36号公報には−COO−M−OCOR基(Mは二価の
金属、Rはアルキル基)、特開平8−209005号公
報には−COO−M−OH基、また特開平8−3484
号公報には−COO−M−O−Si(R)基で示される防
汚塗料用の加水分解性自己研磨型樹脂が提案されてい
る。これらの樹脂は防汚塗料組成物として用いられる場
合、一般的には海棲生物付着阻害剤として亜酸化銅が用
いられている。これらの塗料はいずれも海水中で海水溶
存のイオンの影響を受けることにより加水分解して自己
研磨性を有し、良好な海棲生物付着阻害性を有する塗膜
を形成することができるが、これらの組成物からなる塗
料は極めて貯蔵安定性が悪く、長くても2、3日以内
に、最悪の場合は2、3時間以内に使いものにならない
程度に高粘度化またはゲル化することがわかってきた。
【0004】特開平8−269388号公報には、適度
の加水分解速度を有する加水分解性自己研磨型樹脂と海
棲生物付着阻害物質を組み合わせた加水分解型自己研磨
型塗料組成物において海棲生物付着阻害剤としてビス
(2-ピリジンチオール-1-オキシド)銅塩を使用する
ことを記載している。しかしこの発明には塗料の安定性
については何ら言及されていない。
【0005】水不溶性、あるいは微水溶性の樹脂ベース
に親水性物質であるロジンを配合し、塗膜を膨潤崩壊さ
せることにより海棲生物付着阻害性を持続させるいわゆ
る自己崩壊型防汚塗料においては、塗料のゲル化を防止
し、付着阻害能を持続させるために銅ピリチオンと酸化
第1銅を配合した組成物が開示されている。しかし加水
分解性自己研磨型塗料については述べられていない。
【0006】また貯蔵安定性を改良する方法として、特
開平4−80269号公報には金属に配位可能なリガン
ドを配合することを提案している。これにより貯蔵安定
性は確かに改良されるが、加水分解セグメントを保護す
ることにより今度は樹脂本来の加水分解性が極端に低下
し、長期の防汚性能が得られないという問題が生じてい
る。このように本発明記載の樹脂と亜酸化銅とを併用し
て海棲生物付着阻害性を改良し、且つ樹脂の貯蔵安定性
と樹脂の加水分解性がともに改良された防汚塗料組成物
は得られていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、持続的な海
棲生物付着阻害性に優れ、且つ貯蔵安定性の良好な防汚
塗料組成物を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、(i)側鎖に
一般式(I) −X−O−Cu−Y (I) 〔式中、Xは
【化3】 Yは有機酸残基を表す〕で表される基を有する加水分解
性自己研磨型樹脂の少なくとも1種、(ii)亜酸化銅、
および(iii)式(II)
【化4】 〔式中、Mは二価のCuまたはZnを表わす〕で表され
るビス(2-ピリジンチオール-1-オキシド)金属塩、
を含む防汚塗料組成物に関する。特に、本発明は、Xが
カルボニル基である上記の防汚塗料組成物に関する。
【0009】本発明の上記組成物は、海水中での加水分
解により親水性となり自己研磨性を備えた金属含有樹脂
と亜酸化銅とを含有することにより海棲生物の付着に対
して優れた付着阻害性を発現するとともに、ピリチオン
酸金属塩の配合により塗料の貯蔵安定性に優れるという
特徴を有する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の防汚塗料組成物中でビヒ
クルとして用いられる加水分解性自己研磨型樹脂(i)
は、一般式(I) −X−O−Cu−Y (I) で表される基を側鎖として有する。
【0011】Xは
【化5】 である。中でも、特にカルボニル基が好ましい。
【0012】Yは有機酸残基である。本発明の塗料組成
物は、1種類のYを有する樹脂だけからなるものでもよ
いし、Yの異なる2種類以上の樹脂を含んでもよい。有
機酸残基は、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ラウリン酸、
ステアリン酸、リノール酸、オレイン酸、ナフテン酸、
クロル酢酸、フルオロ酢酸、アビエチン酸、フェノキシ
酢酸、吉草酸、ジクロロフェノキシ酢酸、安息香酸、ナ
フトエ酸などのモノカルボン酸;ベンゼンスルホン酸、
p-トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン
酸、ナフタレンスルホン酸、p-フェニルベンゼンスル
ホン酸などのモノスルホン酸を例示できる。好ましくは
ナフテン酸、炭素数4〜20の直鎖または分岐アルキル
カルボン酸である。
【0013】またYとしては、上記の有機酸残基が好ま
しいが、それ以外に水酸基または−O−Si(R)3〔Rは
水素原子、ハロゲン原子、水酸基、有機基、オルガノ
(ポリ)シロキサン基、シリル基、メルカプト基またはこ
れらの置換体を表す〕等も有効である。
【0014】一般式(I)で表される基を側鎖とする幹
高分子鎖(ベース樹脂)は、この側鎖を有する状態では
比較的疎水性であり良好な塗膜性能を有する一方で、側
鎖が加水分解した後は親水性となり、塗膜表面から徐々
に溶解することのできる性質を有するものであれば特に
制限されるものではない。このような樹脂としては、ア
クリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、
ポリウレタン樹脂、アクリル変性エポキシ樹脂、アクリ
ル変性ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、フッ素樹脂が
挙げられる。好ましくはアクリル樹脂、ポリエステル樹
脂、特に好ましくはアクリル樹脂である。
【0015】本発明の加水分解性自己研磨性樹脂は、上
記樹脂中に酸価が30〜350、好ましくは60〜30
0となるように
【化6】 の基を含有させた樹脂を基に、式(I)で表される基が
形成されるように合成されたものが好適である。即ち、
本発明の加水分解性樹脂は、幹高分子をRpで表した
時、一般式(III) Rp−X−O−Cu−Y (III) で表される。
【0016】本発明の加水分解自己研磨性樹脂の具体的
製造方法の例を以下に説明する。代表的な合成方法とし
て次のふたつのいずれの方法を用いてもよい。 (i)(a)側鎖にカルボキシル基を含む樹脂、(b)
二価の銅の酸化物、水酸化物、硫化物あるいは塩化物お
よび(c)一価の有機酸を、所望銅エステル含有樹脂の
分解温度以下で加熱撹拌し、所望により副生物を分解精
製して、樹脂側鎖に銅エステル部を有する樹脂を得るこ
とができる。この反応における原料の使用割合は樹脂
(a)の中の酸基1当量に対し、(b)が0.8〜1.5
当量(特に好ましくは1.0〜1.2当量)、(c)が
0.8〜2当量(特に好ましくは1.0〜1.5当量)で
あることが好ましい。なお、低沸点の一価有機酸を選択
し、脱水反応を伴う反応様式をとる場合には、水ととも
に一価の有機酸が系外に留出し樹脂間で銅エステル結合
が生じ、粘度上昇あるいはゲル化を生じる危険性がある
ので(c)の量を上記以上使用することが好ましい。
【0017】または、(ii)側鎖にカルボキシル基を有
する樹脂(a)に一価有機酸の銅エステル(e)および
一価の有機酸(c)を所望生成物の分解温度以下の温度
で反応させ、エステル交換反応により樹脂側鎖末端に銅
エステル部を導入する。この反応で1価有機酸の沸点が
低い場合(例えば酢酸等)、加熱により酸が系外に出、
樹脂間で金属エステル結合を生じる恐れがあるので反応
を注意深く進行せしめる必要がある。通常(e)量は樹
脂(a)中の酸基1当量に対し0.3〜3当量、好まし
くは0.4〜2.5当量、(c)は0.8〜2.0当量、好
ましくは1.0〜1.5当量である。
【0018】本発明で用いられるビス(2-ピリジンチ
オール-1-オキシド)金属塩は、式(II)
【化7】 〔式中、Mは二価のCuまたはZnを表す〕で表される
化合物である。
【0019】亜酸化銅の塗料中の配合量は5〜60重量
%、好ましくは10〜50重量%である。5重量%未満
では亜酸化銅の防汚効果がなく、60重量%を越えると
塗膜の割れ、クラックの発生原因となる。ビス(2-ピ
リジンチオール-1-オキシド)金属塩(銅または亜鉛)
の塗料中の配合量は0.1〜30重量%、好ましくは0.
5〜20重量%である。0.1重量%未満では貯蔵中の
粘度上昇抑制効果が認められず、30重量%を越えると
塗膜の吸水性が高く海水中で充分な膜強度を維持できな
い。亜酸化銅とビス(2-ピリジンチオール-1-オキシ
ド)金属塩の合計配合量は塗料中10〜65重量%であ
り、好ましくは11〜55重量%である。
【0020】本発明の防汚塗料組成物には、上記の必須
成分に加えて、必要に応じて更に防汚剤を配合すること
ができる。用いることのできる防汚剤としては、以下に
して示す無機化合物、金属含有有機化合物、金属を含ま
ないが有機化合物を例示することができる。無機系化合
物としては、例えば銅粉、チオシアン酸銅、炭酸銅、塩
化銅、硫酸銅などの銅化合物、硫酸亜鉛、酸化亜鉛、硫
酸ニッケル、銅−ニッケル合金などが挙げられる。
【0021】金属を含む有機化合物としては、例えば、
有機銅系化合物、有機ニッケル系化合物および有機亜鉛
系化合物などがあり、その他マンネブ、マンセブ、プロ
ピネブなども使用できる。有機銅系化合物としては、オ
キシン銅、ノニルフェノールスルホン酸銅、カッパービ
ス(エチレンジアミン)−ビス(ドデシルベンゼンスル
ホネート)、ビス(ペンタクロロフェノール酸)銅など
が、有機ニッケル系化合物としては、ジメチルジチオカ
ルバミン酸ニッケルなどが、有機亜鉛系化合物として
は、カルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸亜
鉛、エチレンビスジチオカルバミン酸亜鉛などが、それ
ぞれ挙げられる。
【0022】金属を含まない有機化合物としては、例え
ば、N-トリハロメチルチオフタルイミド、ジチオカルバ
ミン酸、N-アリールマレイミド、3-置換-アミノ-1,
3-チアゾリジン-2,4-ジオン、ジチオシアノ系化合
物、トリアジン系化合物およびその他のものがある。N
-トリハロメチルチオフタルイミドとしては、N-トリク
ロロメチルチオフタルイミド、N-フルオロジクロロメ
チルチオフタルイミドなどが、ジチオカルバミン酸とし
ては、ビス(ジメチルチオカルバモイル)ジスルフィ
ド、N-メチルジチオカルバミン酸アンモニウム、エチ
レンビス(ジチオカルバミン酸)アンモニウム、ミルネ
ブなどが、それぞれ挙げられる。
【0023】N-アリールマレイミドとしては、N-
(2,4,6-トリクロロフェニル)マレイミド、N-4-
トリルマレイミド、N-3-クロロフェニルマレイミド、
N-(4-n-ブチルフェニル)マレイミド、N-(アニリ
ノフェニル)マレイミド、N-(2,3-キシリル)マレ
イミドなどが挙げられる。
【0024】3-置換アミノ-1,3-チアゾリジン-2,4
-ジオンとしては、3-ベンジリジンアミノ-1,3-チア
ゾリジン-2,4-ジオン、3-(4-メチルベンジリデン
アミノ)-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオン、3-(2-
ヒドロキシベンジリデンアミノ)-1,3-チアゾリジン-
2,4-ジオン、3-(4-ジメチルアミノベンジリジンア
ミノ)-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオン、3-(2,4
-ジクロロベンジルデンアミノ)-1,3-チアゾリジン-
2,4-ジオンなどが挙げられる。
【0025】ジチオシアノ系化合物としては、ジチオシ
アノメタン、ジチオシアノエタン、2,5-ジチオシアノ
チオフェンなどが、トリアジン系化合物としては、2-
メチルチオ-4-t-ブチルアミノ-6-シクロプロピルア
ミノ-s-トリアジンなどが、それぞれ挙げられる。
【0026】その他の金属を含まない有機化合物として
は、2,4,5,6-テトラクロロイソフタロニトリル、
N,N-ジメチルジクロロフェニル尿素、4,5-ジクロロ
-2-N-オクチル-3-(2H)イソチアゾロン、N,N-ジ
メチル-N′-フェニル-(N-フルオロジクロロメチルチ
オ)スルファミド、テトラメチルチウラムジスルフィ
ド、3-ヨード-2-プロピニルブチルカルバメート、2-
(メトキシカルボニルアミノ)ベンズイミダゾール、
2,4,5,6-テトラクロロ-4-(メチルスルホニル)ピ
リジン、ジヨードメチルパラトリルスルホン、2-(4-
チアゾリル)ベンズイミダゾール、トリフェニルボロン
ピリジンなどが挙げられる。これらの中、1種または2
種以上を必要に応じて併用することも可能である。
【0027】本発明の防汚塗料組成物には、更に必要に
応じて、下記のような溶剤、加水分解調整剤、可塑剤、
顔料、タレ防止剤その他防汚塗料に使用される他の添加
剤を配合してもよい。溶剤としては、キシレン、トルエ
ン、ベンゼン、エチルベンゼン、シクロペンタン、オク
タン、ヘプタン、シクロヘキサン、ホワイトスピリット
などの炭化水素類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリ
コールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチ
ルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、
エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリ
コールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノ
エチルエーテルなどのエーテル類;酢酸ブチル、酢酸プ
ロピル、酢酸ベンジル、エチレングリコールモノメチル
エーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエ
ーテルアセテートなどのエステル類;メチルイソアミル
ケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;n-
ブタノール、プロピルアルコールなどのアルコール類な
どのある。
【0028】加水分解調整剤としては、塩素化パラフィ
ン、ポリビニルエーテル、ポリプロピレンセパレート、
部分水添ターフェニル、ポリ酢酸ビニル、ポリ(メタ)
アクリル酸アルキルエステル、ポリエーテルポリオー
ル、ポリエステルポリオール、アルキッド樹脂、ポリエ
ステル樹脂、ポリ塩化ビニルなどがある。
【0029】可塑剤としては、ジオクチルフタレート、
ジメチルフタレート、ジシクロヘキシルフタレートなど
のフタル酸エステル系可塑剤;アジピン酸ジイソブチ
ル、セバシン酸ジブチルなどの脂肪族二塩基酸エステル
系可塑剤;ジエチレングリコールジベンゾエート、ペン
タエリスリトールアルキルエステルなどのグリコールエ
ステル系可塑剤;トリクレジルリン酸、トリクロロエチ
ルリン酸などのリン酸エステル系可塑剤;エポキシ化大
豆油、エポキシステアリン酸オクチルなどのエポキシ系
可塑剤;ジオクチル錫ラウリレート、ジブチル錫ラウリ
レートなどの有機錫系可塑剤;その他トリメリット酸ト
リオクチル、樟脳、トリアセチレンなどがある。
【0030】顔料としては、バライト、沈降性硫酸バリ
ウム、タルク、クレー、白亜、シリカホワイト、アルミ
ナホワイト、チタンホワイト、ベントナイトなどの体質
顔料;酸化チタン、酸化ジルコン、塩基性硫酸鉛、酸化
錫、カーボンブラック、黒鉛、ベンガラ、クロムグリー
ン、エメラルドグリーン、フタロシアニンブルーなどの
着色顔料がある。
【0031】その他の添加剤としては、ロジン、フタル
酸モノブチル、コハク酸モノオクチルなどの有機一塩基
酸、樟脳、ヒマシ油などがある。本発明の組成物は塗料
製造技術分野において、それ自体公知の方法により、調
整することができる。調合に際しては公知の機械、例え
ばボールミル、ヘブルミル、ロールミル、スピードラン
ミルなどを使用できる。
【0032】本発明の塗料組成物を用いて塗膜を形成す
る方法は、特に制限されるものではなく、従来の防汚塗
料と同様の方法を用いることができる。例えば、本発明
の塗料組成物は、水中構築物(例えば、船舶、港湾施
設、ブイ、パイプライン、橋梁、海底基地、養殖網、定
置網等)の基材表面に直接、または基材にウォッシュプ
ライマー、ジンクエポキシ系ショッププライマー等のプ
ライマー類;油性さび止め、塩化ゴム系、エポキシ系等
の下塗りプライマー類;長油性フタル酸樹脂系、塩化ゴ
ム系、エポキシ系等の中塗り、上塗り塗料をそれぞれ塗
布して形成された単層塗膜、プライマーおよび下塗りプ
ライマーの塗料を塗布して形成された複層塗膜およびプ
ライマー、下塗りプライマー、中上塗り塗料を順次塗装
して形成された複層塗膜を設けた基材表面に刷毛塗り、
吹き付け塗り、ローラー塗り、浸漬等の手段で塗布する
ことができる。その塗布膜厚は、一般的に乾燥塗膜とし
て40〜500μm、好ましくは60〜300μmの範
囲内とすることができる。塗膜の乾燥は室温で行うこと
ができる。
【0033】本発明の防汚塗料組成物が貯蔵安定性に優
れているのは、以下のような作用機構によるものと思わ
れる。樹脂中の金属塩部の銅イオンが亜酸化銅と分子間
相互作用をもつ(擬似架橋する)ことにより、見かけの
高分子化が起こり増粘および加水分解阻害の原因となる
が、ピリチオン金属塩を共存させることにより、ピリチ
オン金属塩中の金属イオンが擬似架橋の形成を阻害抑制
することにより、安定した貯蔵安定性と樹脂本来の加水
分解機能を確保可能にするものと考えられる。
【0034】
【実施例】本発明を以下の実施例により、更に詳細に具
体的に説明する。樹脂ワニスAの製造 撹拌機、冷却機、温度制御装置、窒素導入管、滴下ロー
トを備えた4つ口フラスコに、キシレン64重量部、n
-ブタノール16重量部を加え100℃に保つ。この溶
液中にアクリル酸エチル58.3重量部、メタクリル酸
シクロヘキシル15重量部、NK-エステルM-90G
(新中村化学社製:メタクリル酸メトキシポリエチレン
グリコールエステル)10重量部、アクリル酸16.7
重量部、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエー
ト2重量部の混合液を3時間にわたり等速滴下した。滴
下終了後30分間保温した。その後、キシレン16重量
部、n-ブタノール4重量部、t-ブチルパーオキシ-2-
エチルヘキサノエート0.2重量部の混合液を30分に
わたり等速滴下し、滴下終了後1時間30分保温した。
得られた樹脂溶液中の固形分49.8重量%、粘度4.4
ポイズ、樹脂(固形分;以下においても同じく固形分を
表す)酸価130のワニスAを得た。
【0035】樹脂ワニスBの製造例 ワニスA製造例と同様の反応容器中に、キシレン64重
量部、n-ブタノール16重量部を加え、100℃に保
つ。この溶液中にメタクリル酸2-エチルヘキシル45.
8重量部、メタクリル酸シクロヘキシル15重量部、N
K-エステルM-90G(新中村化学社製;メタクリル酸
メトキシポリエチレングリコールエステル)20重量
部、アクリル酸19.2重量部、t-ブチルパーオキシ2
-エチルヘキサノエート2.0重量部の混合液を3時間に
わたり等速滴下し、滴下終了後1時間30分保温した。
得られた樹脂溶液中の固形分は50.5重量%、粘度1
9.5ポイズ、樹脂(固形分)酸価150のワニスBを
得た。
【0036】加水分解性自己研磨型樹脂〔a〕の調製 撹拌機、窒素導入管、還流冷却器、デカンター、温度制
御装置を備えた4つ口フラスコ中にワニスA100重量
部、酢酸銅23.1重量部、「エクアシッドSA-13」
(出光石油社製;6,6-ジメチル-2-メチル-2-イソブチル
-ヘプタンカルボン酸)24.4重量部、キシレン140
重量部を加え130℃に加熱し、反応が進行するにつれ
て生成する酢酸を溶剤とともに除去した。反応の終点は
流出溶剤中の酢酸を定量し決定した。得られた金属含有
樹脂ワニスは、固形分が40.2重量%で、粘度は7.5
ポイズであった。
【0037】加水分解性自己研磨型樹脂〔b〕の調製 上記樹脂〔a〕の調製に使用したと同様の反応容器中
に、ワニスA100重量部、酢酸銅24.0重量部、ナ
フテン酸32.4重量部、キシレン100重量部を加え
130℃に加熱し、溶剤とともに酢酸を除去した。得ら
れた金属含有樹脂ワニスは、固形分が32.5重量%
で、粘度が12.9ポイズであった。
【0038】加水分解性自己研磨型樹脂〔c〕の調製 上記樹脂〔a〕の調製に使用したと同様の反応容器中
に、ワニスB100重量部、酢酸銅28重量部、ナフテ
ン酸37.5重量部、キシレン50重量部を加え、13
0〜140℃に加熱し、溶剤とともに酢酸を除去した。
得られた金属含有樹脂ワニスは、固形分が35.3重量
%、粘度17.6ポイズであった。
【0039】実施例 1〜12 上記で調製した加水分解性自己研磨型樹脂〔a〕〜
〔c〕に、亜酸化銅およびビス(2-ピリジンチオール-
1-オキシド)金属(亜鉛または銅)塩を配合し、更に
表1に記したように、可塑剤、他の防汚剤、顔料、タレ
防止剤および溶剤を配合して実施例1〜12の防汚塗料
組成物を調製した。得られた塗料の貯蔵安定性および防
汚性を試験し、表1にその結果を示した。
【0040】
【表1】
【0041】比較例 1〜7 上記で調製した加水分解性自己研磨型樹脂〔a〕に、表
2に示すように亜酸化銅またはビス(2-ピリジンチオ
ール-1-オキシド)金属(亜鉛または銅)塩を配合して
防汚性塗料組成物を調製した。塗料組成物の貯蔵安定性
も表2に記載した。
【0042】
【表2】
【0043】塗料特性の評価法 上記の試験において、塗料の貯蔵安定性および塗膜の長
期防汚性能は次の方法および評価基準にによって評価し
た。 〔貯蔵安定性〕 1)評価法: 塗料製造直後の粘度をストーマー粘度計
(塗料温度25℃)を用いて測定した。次にこの塗料を
20℃および40℃の温度でそれぞれ貯蔵し、粘度(2
5℃)の変化を経時的に測定した。 2)判定基準: 貯蔵3カ月後の粘度変化が20Ku
(測定温度:25℃)以内のものを良好とした。 〔塗膜の長期防汚性能〕 1)評価法: 室温(20℃)貯蔵1カ月の塗料を用い
て塗膜を形成した。サンドブラスト処理鋼板に予め防錆
塗料を塗布してある塗板に、各塗料を乾燥膜厚が200
μmとなるように塗布し、乾燥して、評価用塗膜を得
た。このサンプルを兵庫県相生湾内のテスト用筏に吊し
て海中に浸漬し、防汚性能を試験した。 2)判定基準: 一定期間浸漬後、引き上げて、目視に
て、付着生物により塗板が汚損されている面積を%で表
した。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、金属含有加水分解型樹
脂と亜酸化銅を組み合わせた防汚塗料の貯蔵中の増粘を
大幅に抑制することができ、その結果、樹脂本来の加水
分解性を損なうことなく、貯蔵安定性の良好な一液型の
加水分解型自己研磨性船底塗料を得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09D 167/00 C09D 167/00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (i)側鎖に一般式(I) −X−O−Cu−Y (I) 〔式中、Xは 【化1】 Yは有機酸残基を表す〕で表される基を有する加水分解
    性自己研磨型樹脂の少なくとも1種、(ii)亜酸化銅、
    および(iii)式(II) 【化2】 〔式中、Mは二価のCuまたはZnを表わす〕で表され
    るビス(2-ピリジンチオール-1-オキシド)金属塩、
    を含む防汚塗料組成物。
  2. 【請求項2】 Xがカルボニル基である請求項1記載の
    防汚塗料組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または2の側鎖を有する樹脂が
    アクリル樹脂またはポリエステル樹脂である請求項1ま
    たは2記載の防汚塗料組成物。
  4. 【請求項4】 亜酸化銅(ii)およびビス(2-ピリジ
    ンチオール-1-オキシド)金属塩(iii)の塗料中の配
    合量がそれぞれ5〜60重量%および0.1〜30重量
    %であり、(ii)と(iii)の合計配合量が塗料中10
    〜65重量%である請求項1、2または3のいずれかに
    記載の防汚塗料組成物。
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