JPH10298435A - 生分解性成形物、生分解性材料及びそれらの製造方法 - Google Patents

生分解性成形物、生分解性材料及びそれらの製造方法

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JPH10298435A
JPH10298435A JP9107282A JP10728297A JPH10298435A JP H10298435 A JPH10298435 A JP H10298435A JP 9107282 A JP9107282 A JP 9107282A JP 10728297 A JP10728297 A JP 10728297A JP H10298435 A JPH10298435 A JP H10298435A
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JP
Japan
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biodegradable
acid
water
lactic acid
soluble polymer
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Application number
JP9107282A
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English (en)
Inventor
Yasutoshi Kakizawa
保利 柿澤
Noriki Shikata
紀樹 志方
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH10298435A publication Critical patent/JPH10298435A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明が解決しようとする課題は、骨置換材
料、骨接合材料、骨充填材料、歯科材料、薬物放出制御
材料、生理活性物質放出制御材料などに有用な、優れた
生体適合性、生体吸収性、貯蔵安定性を有する生分解性
成形物、生分解性材料及びその製造方法を提供すること
にある。 【解決手段】 生分解性ポリマー(A)の中に水溶性ポ
リマー繊維(B)が含まれ、且つ、該水溶性ポリマー繊
維(B)の1本以上が生分解性ポリマー(A)の2面間
以上を貫通している生分解性成形物、及び該水溶性ポリ
マー繊維(B)を水溶液により除去した、孔径1μm〜
1000μmの1つ以上の孔が生解性ポリマー(A)の
2面間以上を貫通している生分解性材料、及びそれらの
製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、骨置換材料、骨接
合材料、骨充填材料、歯科材料、薬物放出制御材料、生
理活性物質放出制御材料などに有用な、優れた成形性や
機械特性を有する生分解性成形物、生分解性材料及びそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】顎骨などの生体骨が欠損した場合の修復
材や、骨折したときの接合ピンなどに利用されている生
体分解性材料としては、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、
ポリカプロラクトンなどの、所謂、生分解性ポリマー、
或いはこれらの共重合体などがあり、特開平5−422
02号公報、特開平5−309103号公報に開示され
ている。
【0003】これら特許に開示されている材料は、生体
分解性を有するが、その生体内での分解速度を制御する
ことは通常、困難である。また、生体内での分解速度を
高めようとすると該ポリマーの分子量を低下せしめざる
を得ず、その結果、機械的特性の低下を招き、使用上の
問題を生じる。
【0004】また、これらの生分解性ポリマーによる成
形物の生体内での分解速度は、時間の経過と共に加速さ
れ、成形物内部の酸性度が高くなり、その成形物を埋め
込んだ部位が最終段階では炎症を起こし易くなる問題が
ある。しかも、この成形物が分解されたところに線維性
組織や骨組織が誘導、再生され難い欠点がある。
【0005】ポリ乳酸に、ヒドロキシアパタイトやリン
酸三カルシウムなどを溶融状態で複合化したものが、特
開昭63−89166号公報に開示されており、また、
乳酸及び/又はグリコール酸のオリゴマーに、リン酸カ
ルシウム系化合物を複合化したものが、特表平4−50
0013号公報に開示されている。
【0006】ポリ乳酸にヒドロキシアパタイトやリン酸
三カルシウムなどを溶融状態で複合化したものは、ポリ
乳酸単独に比較し生体内での分解速度は緩和されるもの
の、時間の経過と共にその分解速度は加速され、その成
形物を埋め込んだ部位が最終段階で炎症を起こし易く、
やはり、成形物が分解されたところに線維性組織や骨組
織が誘導、再生され難い欠点がある。
【0007】また乳酸及び/又はグリコール酸のオリゴ
マーとリン酸カルシウム系化合物との複合体では、オリ
ゴマーの分子量が200〜10,000程度と低いた
め、その複合体は機械的強度が低く、弾性率も不十分
で、実用性に欠ける。
【0008】さらに、これらの特許に開示されているポ
リ乳酸、その共重合体、或いはそれらのリン酸カルシウ
ム系化合物との複合体は、概してポリ乳酸に由来する残
留ラクチドが多く含有されているため、開環し乳酸の鎖
状二量体や乳酸などになり、ポリ乳酸やその共重合体な
どを分解させるため、生体内での分解性が早く、貯蔵時
の安定性や成形加工時の熱安定性に劣る問題があり、し
かも、その残留ラクチド量はロット振れが大きいため
に、その生体内での分解性にバラツキがあり、再現性に
乏しい欠点を有している。
【0009】また、従来、生分解性ポリマー中に孔を開
けて、生体適用性を向上させようとする試みは行われて
いたが、これらは生分解性ポリマーに機械的に孔を開け
るものであり、例えば、ドリルやレーザーを用いる方法
であり、生分解性ポリマー中に多数の微細な孔を開ける
ことは困難であった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、骨置換材料、骨接合材料、骨充填材料、歯
科材料、薬物放出制御材料、生理活性物質放出制御材料
などに有用な、優れた生体適合性、生体吸収性、貯蔵安
定性を有する生分解性成形物、生分解性材料及びその製
造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、水溶性ポ
リマー繊維が生分解性ポリマーの間を貫通した成形物を
作成し、次いで該水溶性ポリマー繊維を水や温水などで
溶解除去して、生分解性ポリマーの2面間以上を貫通し
た連通孔を設けることにより、好ましくは生分解性ポリ
マーとして乳酸系ポリエステルを用い、とりわけ、乳酸
系ポリエステル中の残留ラクチドを低減させることによ
り、生体内での炎症性反応がなく、良好な分解性を示
し、線維性組織や骨組織の誘導及びそれらの再生を促進
でき、しかも、良好な成形性、貯蔵安定性を有すること
を見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】即ち、本発明は、(1)生分解性ポリマー
(A)の中に水溶性ポリマー繊維(B)が含まれ、且
つ、該水溶性ポリマー繊維(B)の1本以上が生分解性
ポリマー(A)の2面間以上を貫通している生分解性成
形物。(2)水溶性ポリマー繊維(B)が、太さ1μm
〜1000μmであることを特徴とする(1)に記載の
生分解性成形物、(3)水溶性ポリマー繊維(B)が、
ポリビニルアルコール系繊維であることを特徴とする
(1)又は(2)に記載の生分解性成形物、
【0013】(4)生分解性ポリマー(A)が、乳酸系
ポリエステルであることを特徴とする(1)〜(3)の
いずれか1つに記載の生分解性成形物、(5)乳酸系ポ
リエステルが、乳酸成分と、ジカルボン酸成分と、ジオ
ール成分とを必須成分とすることを特徴とする(4)に
記載の生分解性成形物、(6)乳酸系ポリエステルが、
触媒を失活処理した乳酸系ポリエステルであることを特
徴とする(4)又は(5)に記載の生分解性成形物、及
び、
【0014】(7)生分解性ポリマー(A)中に水溶性
ポリマー繊維(B)を含む成形物を成形する際に、1本
以上の水溶性ポリマー繊維(B)が生分解性ポリマー
(A)の2面間以上を貫通するように、水溶性ポリマー
繊維(B)を生分解性ポリマー(A)の中に配置して成
形することを特徴とする生分解性成形物の製造方法。
(8)1本以上の水溶性ポリマー繊維(B)に、溶融し
た生分解性ポリマー(A)を流し込むことを特徴とす
る、(7)に記載の生分解性成形物の製造方法、(9)
生分解性ポリマー(A)のフィルムの間に1本以上の水
溶性ポリマー繊維(B)を挟み、生分解性ポリマー
(A)の融点以上の温度で、フィルムを圧着して得るこ
とを特徴とする(7)に記載の生分解性成形物の製造方
法、
【0015】(10)生分解性ポリマー(A)のフィル
ムと1本以上の水溶性ポリマー繊維(B)を積層するこ
とを特徴とする(7)に記載の生分解性成形物の製造方
法、(11)水溶性ポリマー繊維(B)が、太さ1μm
〜1000μmであることを特徴とする(7)〜(1
0)のいずれか1つに記載の生分解性成形物の製造方
法、
【0016】(12)水溶性ポリマー繊維(B)が、ポ
リビニルアルコール系繊維であることを特徴とする(1
1)に記載の生分解性成形物の製造方法、(13)生分
解性ポリマー(A)が、乳酸系ポリエステルであること
を特徴とする(7)〜(12)のいずれか1つに記載の
生分解性成形物の製造方法、
【0017】(14)乳酸系ポリエステルが、乳酸成分
と、ジカルボン酸成分と、ジオール成分とを必須成分と
することを特徴とする(13)に記載の生分解性成形物
の製造方法、(15)乳酸系ポリエステルが、触媒を失
活処理した乳酸系ポリエステルであることを特徴とする
(13)又は(14)に記載の生分解性成形物の製造方
法、
【0018】(16)上記の(7)〜(15)に記載の
いずれか1つの方法により製造された生分解性成形物中
の水溶性ポリマー繊維(B)を、水溶液により除去する
ことを特徴とする生分解性材料の製造方法、及び、(1
7)上記の(16)に記載の製造方法により製造され
た、孔径1μm〜1000μmの1つ以上の孔が生解性
ポリマー(A)の2面間以上を貫通している生分解性材
料である。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の生体分解性成形物に用い
る生分解性ポリマー、乳酸系ポリエステル、触媒を失活
処理した乳酸系ポリエステル、及び水溶性ポリマー繊維
について、以下に説明する。
【0020】本発明で使用される生分解性ポリマーは、
特に限定されるものでないが、脂肪族ポリエステル、澱
粉系天然高分子、キトサン系天然高分子などの生分解性
プラスチックハンドブック(生分解性プラスチック研究
会編1995年5月26日発行)の28頁に記載されて
いるポリマーや脂肪族ポリエステルアミド、酢酸セルロ
ースなどが挙げられる。
【0021】本発明に用いられる脂肪族ポリエステルの
一つである乳酸系ポリエステルとしては、要求される生
体内での機械的物性、分解速度、他素材との混練性など
によって異なるが、通常、その重量平均分子量は、3,
000〜400,000で、融点50〜200℃である
ものが適している。高い機械的物性が要求される場合に
は、重量平均分子量は2万以上であることが好ましく、
3,000未満では、それから得られる乳酸系ポリエス
テルの機械的物性が不十分で、40万を越えると成形性
が劣り好ましくない。
【0022】また、本発明で言う乳酸系ポリエステルと
は、乳酸成分を乳酸系ポリエステル中に30重量%以上
含有するものを意味する。具体的には乳酸系ポリエステ
ルは、乳酸成分の単独重合体、乳酸成分と他のモノマー
成分及び/又はポリマー成分との共重合体、乳酸系ポリ
エステルと生分解性ポリマーなどとのブレンド物を指
す。乳酸成分と他のモノマー成分及び/又はポリマー成
分との共重合体の具体例としては、乳酸成分と、ヒドロ
キシカルボン酸成分、ヒドロキシカルボン酸の環状エス
テル成分、ポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネ
ート、セルロース誘導体などとの共重合体が挙げられ
る。
【0023】乳酸成分としては乳酸及び乳酸の環状二量
体のラクチドが挙げられる。乳酸は、光学活性を有する
モノマーで、L−乳酸、D−乳酸が存在する。また、ラ
クチドには、L−ラクチド、D−ラクチド、MESO−
ラクチドの異性体がある。そのため、乳酸系ポリエステ
ルはこれら二種の乳酸、三種のラクチドを組み合わせる
ことにより好ましいポリマー特性を実現できる。
【0024】特に本発明の乳酸系ポリエステルで、高い
耐熱性を実現するためには、乳酸として、光学活性は高
い方が好ましい。具体的には乳酸として、総乳酸中、L
体或いはD体が70重量%以上含まれることが好まし
い。更に優れた耐熱性を得るためには、乳酸としてL体
或いはD体が85重量%以上含まれることが好ましい。
また、ラクチドについてもL−ラクチド或いはD−ラク
チドを総ラクチド中、70重量%以上含むことが好まし
い。更に優れた耐熱性を得るためには、L−ラクチド或
いはD−ラクチドの含量は、総ラクチド中、85重量%
以上である。
【0025】乳酸成分と共重合させるモノマー成分のヒ
ドロキシカルボン酸成分としては、グリコール酸、ジメ
チルグリコール酸、β−ヒドロキシプロパン酸、α−ヒ
ドロキシ酪酸、β−ヒドロキシ酪酸、γ−ヒドロキシ酪
酸、α−ヒドロキシ吉草酸、β−ヒドロキ吉草酸、γ−
ヒドロキシ吉草酸、δ−ヒドロキシ吉草酸、δ−ヒドロ
キシメチル吉草酸、α−ヒドロキシカプロン酸、β−ヒ
ドロキカプロン酸、γ−ヒドロキシカプロン酸、δ−ヒ
ドロキシカプロン酸、δ−ヒドロキシメチルカプロン
酸、ε−ヒドロキシカプロン酸、ε−ヒドロキシメチル
カプロン酸等が挙げられる。
【0026】また、ヒドロキシカルボン酸の環状エステ
ル成分としては、グリコリド、β−メチル−δ−バレロ
ラクトン、γ−バレロラクトン、γ−ウンデカラクト
ン、ε−カプロラクトン、パラジオキサノンなどが挙げ
られる。
【0027】次に乳酸系ポリエステルの製造方法につい
て説明する。本発明に言う乳酸系ポリエステルが、乳酸
成分の単独重合体である場合は、Polymer,20
巻,1459頁(1979年)に見られるように、ラク
チドを触媒の存在下で開環重合した後、或いは特開平6
−172502号公報に開示されているように、溶剤の
共存下で、乳酸を直接重縮合した後、残留揮発成分、と
りわけ残留ラクチドを除去して製造される。
【0028】本発明に言う乳酸系ポリエステルは、乳酸
成分と、他のヒドロキシカルボン酸成分、或いはヒドロ
キシカルボン酸の環状エステル成分との共重合体の場合
には、乳酸と他のヒドロキシカルボン酸成分を直接重縮
合することにより、或いはラクチドとヒドロキシカルボ
ン酸の環状エステル成分を、触媒の存在下に開環重合す
ることにより、好ましくは、その後で残留揮発成分、と
りわけ残留ラクチドを除去して製造される。
【0029】特に本発明の乳酸系ポリエステルが、乳酸
成分と、他のヒドロキシカルボン酸成分或いはヒドロキ
シカルボン酸の環状エステル成分との共重合体である場
合は、該共重合体中の乳酸成分が30重量%以上である
と、得られた乳酸系ポリエステルは機械的強度が高くな
る。
【0030】本発明の用いる生分解性ポリマーとして
は、乳酸系ポリエステルが好ましく、とりわけ、乳酸系
ポリエステルが乳酸成分とジカルボン酸成分とジオール
成分を必須成分として成るものが、得られた成形物が高
い柔軟性を付与する上で好ましい。また、乳酸系ポリエ
ステルとして、触媒を失活処理した乳酸系ポリエステル
が好ましい。
【0031】この乳酸成分とジカルボン酸成分とジオー
ル成分を必須成分として成る乳酸系ポリエステルとは、
具体的には、乳酸成分をその共重合体中に30重量%以
上含有し、ジカルボン酸成分とジオール成分を70重量
%未満含有する共重合体が挙げられる。更に詳しくは、
ジカルボン酸成分とジオール成分の合計量が、乳酸成分
に対し、2重量%〜70重量%、更に好ましくは4重量
%〜60重量%である。2重量%未満では、柔軟性が充
分ではなく、きめ細かい生体内での分解性制御や炎症性
反応の抑制を達成できない。また70重量%より多い場
合には好ましい機械的物性が得られない。
【0032】また、その製造方法は問わないが、ジカル
ボン酸成分とジオール成分から成るポリエステルとラク
チドとを開環重合触媒の存在下で共重合やエステル交換
反応させた後、或いは特開平7−172425号公報に
開示されているように乳酸とジカルボン酸成分とジオー
ル成分とを触媒や溶剤の共存在下で、脱水、脱グリコー
ルによる縮重合させた後、残留揮発成分、とりわけ残留
ラクチドを除去して製造される。
【0033】さらに、ラクチドを原料として得られたポ
リ乳酸や、乳酸を溶剤の共存或いは非存在下に縮重合し
て得られたポリ乳酸と、ジカルボン酸成分とジオール成
分から成るポリエステルとをエステル交換触媒の共存下
でエステル交換させた後、残留揮発成分、とりわけ残留
ラクチドを除去して製造される。
【0034】乳酸成分と共重合させるジカルボン酸成分
とジオール成分については、特に制約は無いが、ジカル
ボン酸成分としては、具体的には、マロン酸、コハク
酸、グルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸、
ピメリン酸、コルク酸、アゼライン酸、セバシン酸、ノ
ナンジカルボン酸、デカンジカルボン酸、ウンデカンジ
カルボン酸、ドデカンジカルボン酸、無水マレイン酸、
フマル酸、シトラコン酸、ジグリコール酸、シクロヘキ
サ−3,5−ジエン−1,2−カルボン酸、リンゴ酸、
クエン酸、trans−ヘキサヒドロテレフタル酸、c
is−ヘキサヒドロテレフタル酸、ダイマー酸など、及
びそれらの混合物が挙げられる。とりわけ、炭素原子数
4〜20の脂肪族ジカルボン酸成分を使用したときには
柔軟性に優れる。
【0035】また、ジオール成分に関しても、特に種類
を問わないが、生体内の分解性から芳香環を含まないジ
オール成分が好ましい。具体的には、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、
ブタン−1,2−ジオール、ブタン−1,3−ジオー
ル、ブタン−1,4−ジオール、ブタン−2,3−ジオ
ール、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール、
cis−2−ブテン−1,4−ジオール、trans−
2−ブテン−1,4−ジオール、テトラメチレングリコ
ール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリ
コール、ヘプタメチレングリコール、オクタメチレング
リコール、ノナメチレングリコール、
【0036】デカメチレングリコール、ウンデカメチレ
ングリコール、ドデカメチレングリコール、トリデカメ
チレングリコール、エイコサメチレングリコール、tr
ans−1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,
2,4−トリメチルペンタン−1,3−ジオール、水添
ビスフェノールA、p−キシリレングリコール、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレ
ングリコール、トリプロピレングリコールなど、及びそ
れらの混合物が挙げられる。
【0037】更にジオール成分として、エーテル結合の
酸素原子を多く有するポリオキシアルキレンを使用した
ときには柔軟性に優れる。例えば、ポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコ
ール、ポリペンタンジオール、ポリテトラメチレングリ
コール、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリ
コールとのブロック共重合体などが挙げられる。
【0038】乳酸系ポリエステルの溶融混練や溶融成形
時の熱安定性や貯蔵安定性を向上させるためには、特
に、乳酸系ポリエステル(A)中の残留ラクチド、乳
酸、そのオリゴマーなどの酸成分を低減することが効果
的である。その低減方法としては、乳酸系ポリエステル
の製造工程の後に取り付けられた脱揮槽、フィルムエバ
ポレーター、ベント付押出機などの脱揮装置を用いて除
去するか、溶剤析出法より除去するか、アルコール、ケ
トン、炭化水素などの溶剤を用いて、溶解させずに、浸
漬或いは分散後に抽出除去することができる。
【0039】本発明の乳酸系ポリエステルの製造時に使
用される重合触媒としては、公知慣用の開環重合触媒、
エステル化触媒、エステル交換触媒などの重合触媒であ
り、錫、亜鉛、鉛、チタン、ビスマス、ジルコニウム、
ゲルマニウム、コバルトなどの金属及びその化合物が挙
げられ、金属化合物については、特に、金属有機化合
物、炭酸塩、ハロゲン化物が好ましい。
【0040】具体的にはオクタン酸錫、塩化錫、塩化亜
鉛、酢酸亜鉛、酸化鉛、炭酸鉛、塩化チタン、ジアセト
アセトキシオキシチタン、テトラエトキシチタン、テト
ラプロポキシチタン、テトラブトキシチタン、酸化ゲル
マニウム、酸化ジルコニウムなどが適している。その添
加量は反応成分100重量部に対して0.001〜2重
量部、反応速度、着色などの観点から、その添加量は、
0.002重量%〜0.5重量部が更に好ましい。
【0041】また、ジカルボン酸成分とジオール成分か
ら成るポリエステルの製造時に使用されるエステル化触
媒としては、上述の触媒と同様のものが用いられ、エス
テル化の最初から、或いは脱グリコール反応の直前に加
えることが好ましい。
【0042】本発明の乳酸系ポリエステルを製造すると
きの反応温度は、乳酸成分、ジカルボン酸成分やジオー
ル成分などの種類、量、組合せなどにより異なるが、通
常125℃〜250℃、好ましくは140℃〜230
℃、更に好ましくは150℃〜200℃である。
【0043】次に、触媒を失活処理した乳酸系ポリエス
テルについて説明する。乳酸系ポリエステル製造時に使
用する重合触媒を失活処理することにより、乳酸系ポリ
エステル中のラクチド、乳酸、そのオリゴマーなどの酸
成分を低減させることができる。その結果、その貯蔵安
定性、成形加工時の高熱での安定性が大幅に改良され
る。重合触媒の失活処理は、乳酸系ポリエステルの製造
工程の末期や製造後に、触媒失活剤の添加やその接触に
より該ポリエステル中の触媒と反応させて達成できる。
重合触媒の失活剤としては、酸性リン酸エステル類、キ
レート剤が特に好ましい。
【0044】重合触媒の失活剤として用いるキレート剤
には、有機系キレート剤と無機系キレート剤がある。有
機系キレート剤は、吸湿性が少なく、熱安定性に優れ
る。使用できる有機系キレートとしては、特に、限定さ
れないが、アミノ酸、フェノール類、ヒドロキシカルボ
ン酸、ジケトン類、アミン類、オキシム、フェナントロ
リン類、ピリジン化合物、ジチオ化合物、配位原子とし
てN含有フェノール、配位原子としてN含有カルボン
酸、ジアゾ化合物、チオール類、ポルフィリン類などが
挙げられる。
【0045】具体的には、アミノ酸としてはグリシン、
ロイシン、アラニン、セリン、α−アミノ酪酸、アセチ
ルアミノ酢酸、グリシルグリシン、グルタミン酸など、
フェノール類としてはアリザリン、t−ブチルカテコー
ル、4−イソプロピルトロポロン、クロモトロープ酸、
タイロン、オキシン、没食子酸プロピルなど、ヒドロキ
シカルボン酸としては酒石酸、蓚酸、クエン酸、クエン
酸モノオクチル、ジベンゾイル−D−酒石酸、ジパラト
ルオイル−D−酒石酸など、
【0046】ジケトン類としてはアセチルアセトン、ヘ
キサフルオロアセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、
テノイルトリフルオロアセトン、トリフルオルアセチル
アセトンなど、アミン類としてはエチレンジアミン、ジ
エチレントリアミン、1,2,3−トリアミノプロパ
ン、チオジエチルアミン、トリエチレンテトラミン、ト
リエタノールアミン、テトラエチレンペンタミン、ペン
タエチレンヘキサミンなど、オキシムとしてはジメチル
グリオキシム、α,α−フリルジオキシム、サリチルア
ルドキシムなど、
【0047】フェナントロリン類としてはネオクプロイ
ン、1,10−フェナントロリンなど、ピリジン化合物
としては2,2−ビピリジン、2,2’,2”−テルピ
リジルなど、ジチオ化合物としてはキサントゲン酸、ジ
エチルジチオカルバミン酸、トルエン−3,4−ジチオ
ールなど、配位原子N含有フェノールとしてはο−アミ
ノフェノール、オキシン、ニトロソR塩、2−ニトロソ
−5−ジメチルアミノフェノール、1−ニトロソ−2−
ナフトール、8−セレノキノリンなど、
【0048】配位原子N含有カルボン酸としてはキナル
ジン酸、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン二酢酸、ヒ
ドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、エチレンジア
ミン四酢酸、trans−シクロヘキサンジアミン四酢
酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラ
ミン六酢酸、アニリン二酢酸、2−スルホアニリン二酢
酸、3−スルホアニリン二酢酸、4−スルホアニリン二
酢酸、2−アミノ安息香酸−N,N−二酢酸、3−アミ
ノ安息香酸−N,N−二酢酸、4−アミノ安息香酸−
N,N−二酢酸、メチルアミン二酢酸、β−アラニン−
N,N−二酢酸、
【0049】β−アミノエチルスルホン酸−N,N−二
酢酸、β−アミノエチルホスホン酸−N,N−二酢酸な
ど、ジアゾ化合物としてはジフェニルカルバゾン、マグ
ネソン、ジチゾン、エリオクロムブラックT、4−(2
−チアゾリルアゾ)レゾルシン、1−(2−ピリジルア
ゾ)−2−ナフトールなど、チオール類としてはチオオ
キシン、チオナリド、1,1,1−トリフルオロ−4−
(2−チエニル)−4−メルカプト−3−ブテン−2−
オン、3−メルカプト−p−クレゾールなど、
【0050】ポルフィリン類としてはテトラフェニルポ
ルフィン、テトラキス(4−N−メチルピリジル)ポル
フィンなど、その他としてクペロン、ムレキシド、ポリ
エチレンイミン、ポリメチルアクリロイルアセトン、ポ
リアクリル酸など及びそれらの混合物を挙げることがで
きる。
【0051】なかでも、効率よく乳酸系ポリエステル中
に含まれる触媒の金属イオンと配位結合し、ポリマー末
端の切断を抑制する有機系キレート剤としては、ニトリ
ロ三酢酸、エチレンジアミン二酢酸、テトラエチレンペ
ンタミン、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、
エチレンジアミン四酢酸、trans−シクロヘキサン
ジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエ
チレンテトラミン六酢酸などの配位原子N含有カルボン
酸、
【0052】酒石酸、ジベンゾイル−D−酒石酸、ジパ
ラトルオイル−D−酒石酸、クエン酸、クエン酸モノオ
クチルなどのヒドロキシカルボン酸が挙げられる。特
に、上記の配位原子N含有カルボン酸は熱安定性や貯蔵
安定性に優れ、ヒドロキシカルボン酸は着色が少ない特
徴を有している。
【0053】無機系キレート剤は、吸湿性が高く、吸湿
すると、効果がなくなるため、取り扱いに注意を要す
る。具体的には、リン酸、亜リン酸、ピロリン酸、ポリ
リン酸などのリン酸類を挙げることができる。
【0054】また、酸性リン酸エステル類は、乳酸系ポ
リエステル中に含有される触媒の金属イオンと錯体を形
成し、触媒活性を失わせ、ポリマー鎖の切断を抑制する
効果を示す。酸性リン酸エステル類としては、酸性リン
酸エステル、ホスホン酸エステル、アルキルホスホン酸
など及びその混合物を指すもので、次にその一般式を示
す。
【0055】
【化1】
【0056】(式中、R1はアルキル基又はアルコキシ
ル基、R2はアルキル基又はアルコキシル基又はヒドロ
キシル基を示す。)
【0057】具体的には、酸性リン酸エステルとして
は、リン酸モノメチル、リン酸ジメチル、リン酸モノエ
チル、リン酸ジエチル、リン酸モノプロピル、リン酸ジ
プロピル、リン酸モノイソプロピル、リン酸ジイソプロ
ピル、リン酸モノブチル、リン酸ジブチル、リン酸モノ
ペンチル、リン酸ジペンチル、リン酸モノヘキシル、リ
ン酸ジヘキシル、リン酸モノオクチル、リン酸ジオクチ
ル、リン酸モノ2−エチルヘキシル、リン酸ジ2−エチ
ルヘキシル、リン酸モノデシル、
【0058】リン酸ジデシル、リン酸モノイソデシル、
リン酸ジイソデシル、リン酸モノウンデシル、リン酸ジ
ウンデシル、リン酸モノドデシル、リン酸ジドデシル、
リン酸モノテトラデシル、リン酸ジテトラデシル、リン
酸モノヘキサデシル、リン酸ジヘキサデシル、リン酸モ
ノオクタデシル、リン酸ジオクタデシル、リン酸モノフ
ェニル、リン酸ジフェニル、リン酸モノベンジル、リン
酸ジベンジルなど、
【0059】ホスホン酸エステルとしては、ホスホン酸
モノメチル、ホスホン酸モノエチル、ホスホン酸モノプ
ロピル、ホスホン酸モノイソプロピル、ホスホン酸モノ
ブチル、ホスホン酸モノペンチル、ホスホン酸モノヘキ
シル、ホスホン酸モノオクチル、ホスホン酸モノエチル
ヘキシル、ホスホン酸モノデシル、ホスホン酸モノイソ
デシル、ホスホン酸モノウンデシル、ホスホン酸モノド
デシル、ホスホン酸モノテトラデシル、ホスホン酸モノ
ヘキサデシル、ホスホン酸モノオクタデシル、ホスホン
酸モノフェニル、ホスホン酸モノベンジルなど、
【0060】アルキルホスホン酸としては、モノメチル
ホスホン酸、ジメチルホスホン酸、モノエチルホスホン
酸、ジエチルホスホン酸、モノプロピルホスホン酸、ジ
プロピルホスホン酸、モノイソプロピルホスホン酸、ジ
イソプロピルホスホン酸、モノブチルホスホン酸、ジブ
チルホスホン酸、モノペンチルホスホン酸、ジペンチル
ホスホン酸、モノヘキシルホスホン酸、ジヘキシルホス
ホン酸、イソオクチルホスホン酸、ジオクチルホスホン
酸、モノエチルヘキシルホスホン酸、ジエチルヘキシル
ホスホン酸、モノデシルホスホン酸、ジデシルホスホン
酸、
【0061】モノイソデシルホスホン酸、ジイソデシル
ホスホン酸、モノウンデシルホスホン酸、ジウンデシル
ホスホン酸、モノドデシルホスホン酸、ジドデシルホス
ホン酸、モノテトラデシルホスホン酸、ジテトラデシル
ホスホン酸、モノヘキサデシルホスホン酸、ジヘキサデ
シルホスホン酸、モノオクタデシルホスホン酸、ジオク
タデシルホスホン酸などや、モノフェニルホスホン酸、
ジフェニルホスホン酸、モノベンジルホスホン酸、ジベ
ンジルホスホン酸など、及びそれらの混合物を挙げるこ
とができる。
【0062】酸性リン酸エステル類成分は有機溶剤との
溶解性がよいため作業性に優れ、乳酸系ポリエステルと
の反応性に優れる。なかでも酸性リン酸エステルは触媒
の失活に大きな効果を示す。
【0063】更に、重合触媒の失活処理に用いるキレー
ト剤及び/又は酸性リン酸エステル類の添加量は、その
種類、乳酸系ポリエステル中に含まれる触媒の種類、量
によって異なるが、乳酸系ポリエステル100重量部に
対して、0.001〜5重量部を添加することが好まし
い。いずれのキレート剤、酸性リン酸エステル類もポリ
マー鎖の切断を最小に抑えることができ、また、有機系
キレート剤、無機系キレート剤、酸性リン酸エステル類
を混合して使用しても差し支えない。
【0064】しかしキレート剤や酸性リン酸エステル類
を過剰に添加すると、貯蔵中に乳酸系ポリエステル鎖が
切断され、低分子量化、低粘度化して、本発明の性能が
得られないことがあるため、適正量を添加する必要があ
る。
【0065】重合触媒の失活処理後の乳酸系ポリエステ
ル中のラクチド、乳酸、そのオリゴマーなどの酸成分の
低減方法としては、重合触媒の失活処理後に取り付けら
れた脱揮槽、フィルムエバポレーター、ベント付押出機
などの脱揮装置を用いて除去するとか、良溶媒に溶解
後、貧溶剤中に析出させることによって除去するとか、
アルコール、ケトン、炭化水素などの溶剤を用いて、溶
解させずに、浸漬或いは分散後抽出して除去することが
できる。
【0066】また、生体内分解性成形物の生体内での安
全性の向上化方法としては、乳酸系ポリエステルに含有
されている触媒を除くことが効果的である。その方法と
しては、公知の方法、例えば特開平8−34844号公
報、特開平8−109250号公報などに開示されてい
るように、乳酸系ポリエステルを有機溶剤に溶解後、酸
性物質及び水と接触させ、有機層を分離して触媒を除去
することもできる。
【0067】次に、本発明に使用される水溶性ポリマー
繊維について説明する。本発明に使用される水溶性ポリ
マー繊維としては、特に限定されるものでないが、生体
への悪影響がなく、生体内、或いは水や温水で、比較的
容易に溶解、分解されるものが好ましい。具体的には、
ポリビニルアルコール、プルラン(林原生物研究所製の
マントトリオースがα−1,6グルコシド結合したポリ
マー)、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエ
チルセルロース、メチルセルロース、ポリエチレンオキ
サイド、アミローズ、ポリペプチドなどの繊維が挙げら
れ、これらの1種以上を使用することができる。
【0068】また、水溶性ポリマー繊維としては、弱酸
性液体、弱塩基性液体などに溶解するものも使用するこ
とができる。具体的にはセルロース、レーヨン、アセテ
ートなどの繊維が挙げられる。また、上記の水溶性繊維
として、分子量、構造の異なるものも使用することがで
き、例えばポリビニルアルコールのケン化度の異なるも
のが該当する。さらに、生分解性ポリマーとしては高融
点のものが多いため、水溶性ポリマー繊維としては耐熱
性が高い方が好ましい。
【0069】水溶性ポリマー繊維の太さは、特に限定さ
れるものでなく、使用される用途により、適宜の太さが
選ばれる。生体内で使用する場合は、通常、1μm〜1
000μmが好ましい。さらに、それらの繊維をモノフ
ィラメント或いはマルチフィラメントとして使用でき、
更に、それらの繊維を延伸させ、強度を高めたものも使
用することができる。
【0070】次に、本発明の生分解性成形物の製造方法
について説明する。本発明の生分解性成形物の製造方法
は、生分解性ポリマー(A)中に水溶性ポリマー繊維
(B)を含む成形物を成形する際に、1本以上の水溶性
ポリマー繊維(B)が生分解性ポリマー(A)の2面間
以上を貫通するように、水溶性ポリマー繊維(B)を生
分解性ポリマー(A)の中に配置して成形することを特
徴とする生分解性成形物の製造方法である。
【0071】本発明の生分解性成形物は、具体的には、
1本以上の水溶性ポリマー繊維の間に、生分解性ポリマ
ーを、その融点以上の温度で流し込み成形して得る方法
や、生分解性ポリマーのフィルム間に、水溶性ポリマー
繊維を挟み、生分解性ポリマーの融点以上の温度で圧着
して得る方法や、生分解性ポリマーのフィルムの間に、
水溶性ポリマー繊維を配向させて挟み、生分解性ポリマ
ーの融点以上の温度で圧着して得る方法など、種々の方
法で製造される。
【0072】更に、本発明の生分解性成形物は、生分解
性ポリマーのフィルムの間に、水溶性ポリマー繊維を挟
み、生分解性ポリマーの融点以上の温度で圧着して得ら
れた成形物を積層する方法や、生分解性ポリマーのフィ
ルムの間に、水溶性ポリマー繊維から成る不織布を挟
み、生分解性ポリマーの融点以上の温度で圧着して得る
方法、更に得られた成形物を積層する方法により製造さ
れる。
【0073】また、この生分解性ポリマーのフィルムは
プレス成形機、押出機、射出成形機などにより作製する
ことができる。さらに、この生体分解性成形物は、一般
的にはプレス成形機で作製され、成形温度は生分解性ポ
リマーの融点以上の温度で行われる。
【0074】本発明の生分解性成形物、又は生分解性材
料は、生分解性ポリマー(A)に含まれる、少なくとも
1本以上の水溶性ポリマー繊維(B)が生分解性ポリマ
ー(A)の少なくとも2面間以上を貫通し、生分解性ポ
リマー(A)の外面まで達していることが必須であり、
その方向は縦、横、斜め、いずれの方向でも構わない。
【0075】多数の水溶性ポリマー繊維が生分解性ポリ
マー中に含まれる場合は、その水溶性ポリマー繊維の多
くが生分解性ポリマーの2面間以上を貫通している方
が、貫通孔が生成される際に水溶液が生分解性ポリマー
内部を流通する為、生分解性向上の点から好ましいが、
製造上の問題から、必ずしも全ての水溶性ポリマー繊維
が生分解性ポリマーの2面間以上を貫通していなくとも
良く、水溶性ポリマー繊維のいくつ本かが生分解性ポリ
マーの2面間以上を貫通しているものでも良い。また、
2面間以上とは、生分解性ポリマーの内部で水溶性ポリ
マー繊維同士がクロスし、水溶性ポリマー繊維が2面間
以上、例えば3面間、又は4面間を貫通したものも含
む。
【0076】多数の水溶性ポリマー繊維を生分解性ポリ
マー中に含ませ、成形後に、この成形物を切断すること
により、少なくとも1本以上の水溶性ポリマー繊維
(B)が生分解性ポリマー(A)の少なくとも2面間以
上を貫通し、生分解性ポリマー(A)の外面まで達して
いる生分解性成形物を作成することも本発明に含まれ
る。これらは、水溶性ポリマー繊維の不織布を用いる際
に、特に有用である。
【0077】また、少なくとも1本以上の水溶性ポリマ
ー繊維(B)が生分解性ポリマー(A)の外面まで達し
ており、水溶性ポリマー繊維(B)の一方の端が生分解
性ポリマー(A)の中央部分まである生分解性成形物を
作成し、次いでこれを中央部分で切断し、少なくとも1
本以上の水溶性ポリマー繊維(B)が生分解性ポリマー
(A)の少なくとも2面間以上を貫通し、生分解性ポリ
マー(A)の2面以上の外面まで達している生分解性成
形物を作成する方法も本発明に含まれる。
【0078】本発明の生分解性ポリマー(A)の中に水
溶性ポリマー繊維(B)が含まれ、且つ、該水溶性ポリ
マー繊維(B)の1本以上が生分解性ポリマー(A)の
2面間以上を貫通している生分解性成形物の具体的な例
を模式図として図1〜図8に示す。図1は最も簡単な例
であり、1本の水溶性ポリマー繊維(B)が生分解性ポ
リマー(A)の2面間を貫通している図である。図1〜
図8中の点線部分は水溶性ポリマー繊維(B)、もしく
は該水溶性ポリマー繊維(B)を溶出除去した孔を示
す。
【0079】図2は、複数の水溶性ポリマー繊維(B)
が生分解性ポリマー(A)の2面間を貫通している図で
ある。図3は複数の水溶性ポリマー繊維(B)が生分解
性ポリマー(A)の内部で交差して生分解性ポリマー
(A)の4面間を貫通している図である。図4及び図5
は複数の水溶性ポリマー繊維(B)が生分解性ポリマー
(A)の内部で交差して生分解性ポリマー(A)の4面
間を貫通している図である。
【0080】図6及び図7は複数の水溶性ポリマー繊維
(B)が生分解性ポリマー(A)の内部で交差して生分
解性ポリマー(A)の4面間を貫通している図である。
図8は複数の水溶性ポリマー繊維(B)が生分解性ポリ
マー(A)の内部で交差して生分解性ポリマー(A)の
多数の面間を貫通している図である。本発明の生分解性
成形物から水溶性ポリマー繊維(B)を溶出除去し、水
溶性ポリマー繊維の形状の孔を生じさせた本発明の生分
解性材料は、図1〜図8に示す模式図で同様に示され
る。
【0081】生分解性ポリマーを貫通している水溶性ポ
リマー繊維を、水溶液、更に詳しくは、水、温水、弱酸
性液、弱塩基性液、あるいは体液を含む水溶液など、水
溶性ポリマー繊維を溶解、分解するものに、生分解性ポ
リマーを浸漬し、生分解性ポリマーから溶出、除去する
ことにより、生分解性ポリマー内部に2面間以上を貫通
する孔が生成し、生体内等の水溶液の存在下において、
水溶液が該孔を自由に流通することにより、生分解性ポ
リマーからなる成形物自体の構造は保ちながら、その内
部から徐々に生分解性ポリマーが分解される特性を有す
ることになる。
【0082】生体分解性成形物中の水溶性ポリマー繊維
(B)を水溶液、即ち、水、温水、弱酸性液、弱塩基性
液、あるいは体液を含む水溶液などに浸漬し、水溶性ポ
リマー繊維を溶解、除去して、連通孔を作る際に、その
浸漬温度は生分解性ポリマーが溶解或いは分解されない
範囲での高い温度が好ましい。浸漬温度が高い方が水溶
性ポリマー繊維の除去速度が速いからである。
【0083】水溶性ポリマー繊維(B)中に、薬剤、例
えば、医薬、化粧料、農薬、肥料等を予め含有させ、生
体分解性成形物中に含ませることにより、生体分解性成
形物中から、水溶性ポリマー繊維が水溶液中に溶出する
につれて、徐々に、これらの薬剤を放出させる除法性機
能を持たせることも可能である。この際に、生分解性ポ
リマー(A)にも、これらの薬剤を含ませ、更に水溶性
ポリマー繊維(B)中に同種又は異種の薬剤を含ませる
ことにより、異なる除法速度で同種の薬剤の放出を制御
することも可能であるし、又、異種の薬剤を異なる放出
速度で放出することも可能である。
【0084】発明の内、結晶化する生分解性ポリマーと
水溶性ポリマー繊維から成る生体分解性成形物は、熱処
理して結晶化させてもよい。結晶化させることにより、
耐熱性を大幅に高めることができ、硬くなり、剛性も高
くなる傾向がある。結晶化させる温度は、生分解性ポリ
マーのガラス転移点以上、融点以下の温度で行われる。
また、結晶化を促進させるため、タルク、カオリン、二
酸化ケイ素、窒化ホウ素などの核剤や結晶性ポリマー或
いはそれらの混合物を、生分解性ポリマーに対して0.
1〜10重量%、好ましくは0.2〜5重量%添加する
ことができる。核剤の形状は、特に限定されないが、
0.1〜0.5μmが好ましい。
【0085】また、生分解性ポリマーと水溶性ポリマー
繊維から成る生体分解性成形物を製造する前に、生分解
性ポリマー、とりわけ、乳酸系ポリエステルに、リン酸
カルシウム系化合物及び/又は炭酸カルシウムを混練、
複合化しても良い。リン酸カルシウム系化合物及び/又
は炭酸カルシウムとの複合化は、生分解性ポリマーの弾
性率を高めると共に、特に、乳酸系ポリエステルの場合
には、生体内での分解過程で発生する有機酸を中和し、
急激な有機酸による分解を抑制し、炎症性の反応を抑制
する効果がある。また、リン酸カルシウム系化合物は、
骨の構成成分で生体活性があり、骨組織の誘導やその再
生を促進する効果がある。
【0086】ここで言うリン酸カルシウム系化合物と
は、リン酸に由来する部分とカルシウム原子の合計が5
0重量%以上含まれるものを言い、具体的にはリン酸三
カルシウム、ヒドロキシアパタイト、炭酸アパタイト、
フッ素アパタイト、マグネシウムアパタイトなどがあ
る。また、その結晶構造は如何なるものでもよく、非晶
質であってもよい。
【0087】本発明に用いても良いリン酸カルシウム系
化合物の形状は、塊状或いは繊維であり、塊状の場合、
平均粒子径は0.1μm〜300μmで、0.1μm未
満では生分解性ポリマーと混練し難くなり、300μm
より大きい場合には生体内の線維性組織の再生が起こり
難くなる。その具体的形状は、球状、多孔質、無定形で
もよく、微粉末から顆粒までを含む。また、その繊維に
ついてはその断面が円状、楕円状、三日月状、いずれで
も良く、繊維径は0.01mm〜5mm、好ましくは
0.1mm〜3mmである。
【0088】リン酸三カルシウムの製法は、特定されな
いが、例えば、乾式法、水熱法、湿式法で製造され、熱
処理を行ってもよい。また、ヒドロキシアパタイトの製
法も特に特定されないが、例えば、乾式法、水熱法、湿
式法、アルコキシド法で製造され、熱処理を行ってもよ
い。
【0089】生分解性ポリマーとリン酸カルシウム系化
合物及び/又は炭酸カルシウムとの複合体は、使用目的
により、この複合体の弾性率、生体内での分解、吸収速
度、線維組織や骨組織の再生速度などの要求性能が異な
るため、生分解性ポリマーと、リン酸カルシウム系化合
物及び/又は炭酸カルシウムとの重量比は一概に特定で
きないが、通常は99/1〜10/90であり、好まし
くは98/2〜20/80、さらに好ましくは98/2
〜30/70である。生分解性ポリマーに対するリン酸
カルシウム系化合物及び/又は炭酸カルシウムの量が9
0重量%を越えると、溶融混練性が悪くなり、得られた
複合体は成形加工性が悪く、脆くなる傾向がある。
【0090】また本発明の生分解性ポリマーには、ポリ
エチレングリコール、ポリ(N−ビニルピロリドン)、
セルロース系ポリマーなどの水溶性ポリマー、オリゴ糖
やブドウ糖などの糖類、生理学的に許容される塩類、ポ
リエチレングリコールと飽和脂肪酸とのエステルなど、
或いはそれらを、本発明の生体分解性成形物としての機
械特性を低下せしめない範囲で混合して使用することが
できる。
【0091】また、本発明の生分解性ポリマーに、生理
活性物質、薬剤を配合することができる。さらに機械的
特性を損なわない範囲で、ポリ乳酸、ポリグリコール
酸、それらの共重合体なども組合せ取り入れることもで
きる。
【0092】更に、粘度調節剤としてステアリルアルコ
ール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパ
ン、ペンタエリスリトール、グリセリンなどのアルコー
ル成分を本発明の作用効果を損なわない範囲で添加する
ことができる。また、公知慣用の酸化防止剤、熱安定剤
などを、重合の前、中、後の工程、重合後の脱揮工程、
押出工程などに添加しても良い。それらの添加量は乳酸
系ポリエステル100重量部に対して0.01〜5重量
部が好ましい。
【0093】具体的には、酸化防止剤としては2,6−
ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシ
アニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェ
ノール、ジステアリル3,3’−チオジプロピオネー
ト、ジラウリル3,3’−チオジプロピオネートなど
を、熱安定剤としてはトリフェニルホスファイト、トリ
ラウリルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファ
イトなどを、また、公知慣用の滑剤、ワックス類を乳酸
系ポリエステル100重量部に対して0.01〜5重量
部を添加することができる。
【0094】滑剤、ワックス類としては、例えば、パラ
フィン油、固形パラフィンなどのパラフィン、ステアリ
ン酸、パルミチン酸などの高級脂肪酸、パルミチルアル
コール、ステアリルアルコールなどの高級アルコール、
ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリ
ン酸バリウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン
酸マグネシウム、パルミチン酸ナトリウムなどの脂肪酸
金属塩、ステアリン酸ブチル、グリセリンモノステアレ
ート、
【0095】ジエチレングリコールモノステアレートな
どの脂肪酸エステル、ステアロアミド、メチレンビスス
テアロアミド、エチレンビスステアロアミド、オキシス
テアリン酸のエチレンジアミド、メチロールアミド、オ
レイルアミド、エルシルアミドなどの脂肪酸アミドな
ど、カルナウバワックス、モンタンワックスなどのワッ
クス類及びそれらの混合物が挙げられる。
【0096】本発明の生分解性ポリマー(A)と上記の
素材との混練は生分解性ポリマー(A)の融点以上の温
度、具体的には、通常、温度50〜250℃、好ましく
は60〜200℃で混練する。また、乳酸系ポリエステ
ルの場合には、その中の残留揮発成分、とりわけ、残留
ラクチドを除去するため混練しながら、脱揮することが
好ましく、或いは混練後、減圧度0.01〜50tor
rで脱揮することが好ましい。さらに、乳酸系ポリエス
テルは水分により加水分解を生じやすいので、減圧下も
しくは不活性ガス雰囲気下で外気に触れることなく混練
することが好ましい。混練は、押出機、リアクター、ニ
ーダー、ロールやそれらの組合せで行うことができる。
【0097】押出機としては、単軸押出機或いは二軸押
出機を使用できるが、混練状態から二軸押出機が好まし
い。更に、混練後、引き続いて残留揮発成分などを減圧
下で除去するためにはベント口が付いているものが好ま
しい。リアクターとしては、通常の反応釜を使用できる
が、混練物質は粘度が高く、攪拌剪断応力により生ずる
攪拌熱による分子量低下や着色などから、剪断応力が小
さく、しかも均一に混合できるスタテック・ミキサーの
使用が好ましい。
【0098】本発明の成形物を特に生体へ適用した場合
には、生分解性ポリマー中に生成した孔を通じて体液が
成形物中を流通する結果、該成形物の外表面のみなら
ず、成形物中の孔の周りから、生分解性ポリマーの生分
解が進むことにより、該成形物の生体への吸収性や適合
性が向上することに加え、更に、分解生成物の滞留傾向
が減少されることにより、生体にとって好ましくない炎
症等の反応が抑制される。更に、体液により生体成分が
輸送されることにより、成形物の外側のみならず、成形
物内部からの組織の再生が促される大きな利点を有す
る。
【0099】また、生体以外への用途、例えば、自然界
に放置される成形物としても、生分解性ポリマー中の孔
径を調節することにより、成形物の外形を保持しつつ、
全体として、その生分解速度を早めることができる利点
や、強制的に酸又はアルカリ溶液で加水分解させる場合
にも、それらの分解性溶液が容易に成形物内部から分解
を促進させる効果を有する。
【0100】本発明の1本以上の水溶性ポリマー繊維
が、生分解性ポリマーの2面間を貫通している生分解性
成形物、及び該水溶性ポリマー繊維を水、温水、あるい
は体液を含む水溶液により、生分解性ポリマーから溶出
除去させ、生分解性ポリマー内部に2面間を貫通する孔
を生成させた生分解性材料は、用いる水溶性ポリマー繊
維の孔径及び本数を任意に変えることにより、上述の優
れた分解性や生体適合性を制御できるものであり、従来
の機械的な孔生成の方法では達成できなかった微細孔や
多数の孔を容易に生成させることができる。
【0101】本発明の生分解性成形物は、成形加工性や
機械的物性に優れ、生体内で分解しても、炎症性反応が
少ないため、生分解性材料として広範な用途が期待でき
る。その用途としては、特に制限されないが、具体的に
は、骨置換材料、骨接合材料、骨充填材料、歯科材料、
薬物放出制御材料、生理活性物質放出制御材料などが挙
げられる。
【0102】
【実施例】以下に実施例及び比較例により、本発明をさ
らに具体的に説明する。なお、例中の部は特に記載のな
い限り全て重量基準である。得られた生分解性成形物の
性能評価は、貯蔵安定性、成形加工性、分解性、線維性
組織の置換度、炎症性の反応などについて行った。
【0103】また、分子量はGPCにより測定し、ポリ
スチレン換算値として示した。融点はセイコー社製示差
走査型熱量計DSC−200型を用い、昇温速度10℃
/分の条件で測定した融解吸熱曲線から求めた。
【0104】貯蔵安定性については、生体分解性成形物
を、温度35℃、湿度80%の条件で1ヶ月保持し、分
子量の保持率を下記の4段階で評価した。 ◎:分子量の保持率が90%以上。 ○:分子量の保持率が80〜90%。 △:分子量の保持率が60〜80%。 ×:分子量の保持率が60%以下。
【0105】成形加工性については、生体分解性成形物
を、80℃〜100℃の温水に入れて加温した後、力を
加え、変形の程度を下記の4段階で評価した。 ◎:極めて容易に変形する。 ○:容易に変形する。 △:変形し難い。 ×:変形せず。
【0106】分解性は、ラットの背部皮下組織に埋植し
た生体内分解性材料の40週間後の分子量の表層部と内
部との不均一度で下記のように評価した。 ◎:表層部と内部との分子量がほぼ同じもの。 ○:表層部と内部との分子量が若干異なるもの。 △:表層部と内部との分子量が相当の異なるもの。 ×:表層部と内部との分子量が著しく異なるもの。
【0107】線維化組織の置換度は、ラットの背部皮下
組織に埋植した生体内分解性材料への40週間後に線維
性組織が誘導、再生された程度で下記のように評価し
た。 ◎:著しく線維性組織が誘導、再生されたもの ○:相当程度線維性組織が誘導、再生されたもの △:痕跡程度線維性組織が誘導、再生されたもの ×:全く線維性組織が誘導、再生されなかったもの
【0108】炎症性の反応は、ラットの背部皮下組織に
埋植した生体内分解性材料付近の部位での40週間後の
程度で下記のように評価した。 ◎:炎症性の反応が全く見られなかったもの ○:炎症性の反応が痕跡程度見られたもの △:炎症性の反応が相当程度見られたもの ×:炎症性の反応が著しく見られたもの
【0109】(参考例1)脂肪族ポリエステル(セバシ
ン酸成分50モル%、プロピレングリコール成分50モ
ル%、重量平均分子量46,000)30部と、L−ラ
クチド68部と、DL−ラクチド2部と溶媒としてトル
エン15部とを反応釜に仕込み、不活性ガス雰囲気下
で、175℃で1時間それらを溶融混合し、触媒として
オクタン酸錫を0.03部加えて、同温度で6時間反応
させた。反応終了後、得られた乳酸系ポリエステルをク
ロロホルムに溶解し、メタノール中に析出、ろ過後、1
30℃、5torrの減圧下で脱揮した。その重量平均
分子量は156,000、融点は161℃であった。
【0110】(参考例2)脂肪族ポリエステル(コハク
酸成分50モル%、1,4−ブタンジオール成分50モ
ル%、重量平均分子量39,000)10部と、L−ラ
クチド87部と、DL−ラクチド3部と溶媒としてトル
エン15部とを反応釜に仕込み、不活性ガス雰囲気下
で、175℃で1時間それらを溶融混合し、触媒として
オクタン酸錫を0.03部加えて、同温度で6時間反応
させた。反応終了後、得られた乳酸系ポリマー10部を
m−クレゾール90部に溶解した。この溶液に2%塩酸
水溶液100部を添加し、30分間撹拌後、放置し、水
層と有機層とを分離した。有機層に100部の水を混
合、撹拌、放置、有機層分離の操作を2回繰り返した。
この有機層を130℃、5torrの減圧下で脱揮し
た。その重量平均分子量は183,000、融点は16
2℃であった。
【0111】(参考例3)脂肪族ポリエステル(セバシ
ン酸成分50モル%、エチレングリコール成分50モル
%、重量平均分子量36,000)30部と、L−ラク
チド70部と溶媒としてトルエン15部とを反応釜に仕
込み、不活性ガス雰囲気下で、175℃で1時間それら
を溶融混合し、触媒としてオクタン酸錫を0.03部加
えて、同温度で6時間反応させた後、リン酸モノドデシ
ルとリン酸ジドデシルとの混合物を0.1部を加え、さ
らに30分間反応させ、次いで200℃に昇温し、5t
orrの減圧下で脱揮し、ペレット化した。得られたペ
レットの重量平均分子量は162,000、融点は16
7℃であった。
【0112】(参考例4)脂肪族ポリエステル(セバシ
ン酸成分50モル%、1,6−ヘキサンジオール成分2
5モル%、エチレングリコール25モル%、重量平均分
子量36,000)50部と、L−ラクチド50部と溶
媒としてトルエン15部とを反応釜に仕込み、不活性ガ
ス雰囲気下で、175℃で1時間それらを溶融混合し、
触媒としてオクタン酸錫を0.03部加えて、同温度で
6時間反応させた後、エチレンジアミン四酢酸を0.2
部を加え、さらに30分間反応させ、次いで200℃に
昇温し、5torrの減圧下で脱揮し、ペレット化し
た。得られたペレットの重量平均分子量は147,00
0、融点は165℃であった。
【0113】(参考例5)脂肪族ポリエステル(セバシ
ン酸成分50モル%、プロピレングリコール成分50モ
ル%、重量平均分子量46,000)25部と、L−ラ
クチド73部と、DL−ラクチド2部と溶媒としてトル
エン15部とを反応釜に仕込み、不活性ガス雰囲気下
で、175℃で1時間それらを溶融混合し、触媒として
オクタン酸錫を0.03部加えて、同温度で6時間反応
させた後、リン酸モノ2−エチルヘキシルとリン酸ジ2
エチルヘキシルとの混合物を0.1部を加え、さらに3
0分間反応させ、次いで200℃に昇温し、5torr
の減圧下で脱揮し、ペレット化した。得られたペレット
の重量平均分子量は183,000、融点は164℃で
あった。
【0114】(参考例6)L−ラクチド98部と、D−
ラクチド2部と溶媒としてトルエン15部とを反応釜に
仕込み、不活性ガス雰囲気下で、175℃で1時間それ
らを溶融混合し、触媒としてオクタン酸錫を0.03部
加えて、同温度で6時間反応させた後、酒石酸を0.2
部を加え、さらに30分間反応させ、次いで200℃に
昇温し、5torrの減圧下で脱揮し、ペレット化し
た。得られたペレットの重量平均分子量は184,00
0、融点は166℃であった。
【0115】(実施例1)参考例1で得られた乳酸系ポ
リエステルについて、180℃に設定した熱プレスで、
縦10cm、横10cm、厚さ150μmのシートを作
製した。次いで、そのシートの間に、太さ150μmの
ポリビニルアルコールの繊維を200μmの間隔で挟
み、180℃の熱プレスで圧着した。得られた成形物を
ポリビニルアルコール繊維が同方向に成るよう180℃
の熱プレスで積層後、冷却した。この積層操作を繰り返
し、厚み10mmの積層成形物を得た。この積層成形物
を切断機で縦5mm、横5mm、高さ3mmに切り取
り、角柱試料を作製した。このとき、ポリビニルアルコ
ールの繊維方向と角柱試料の高さ方向が並行に成るよう
にした。得られた角柱試料について、貯蔵安定性、成形
加工性の評価を行った。またこの角柱試料を、ラットの
背部皮下組織に埋植し、40週間後に取り出し、分解
性、線維性組織の置換度、炎症性の反応の評価を行っ
た。結果を表1に示す。
【0116】(実施例2)参考例2で得られた乳酸系ポ
リエステルについて、180℃に設定した熱プレスで、
縦10cm、横10cm、厚さ150μmのシートを作
製した。次いで、そのシートの間に、太さ150μmの
ポリビニルアルコールの繊維を200μmの間隔で挟
み、180℃の熱プレスで圧着した。得られた成形物を
ポリビニルアルコールの繊維が縦、横交互に成るよう1
80℃の熱プレスで積層後、冷却した。この積層操作を
繰り返し、厚み10mmの積層成形物を得た。この積層
成形物を切断機で縦5mm、横5mm、高さ3mmに切
り取り、角柱試料を作製した。このとき、ポリビニルア
ルコールの繊維の一方向が角柱試料の高さ方向と並行に
なるようにした。得られた角柱試料について、実施例1
と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
【0117】(実施例3)太さ150μmのポリビニル
アルコールの繊維を縦横250μmの間隔でセットした
縦3cm、横3cm、高さ5cmの容器に、150℃に
加熱溶融した参考例2に使用の脂肪族ポリエステル(コ
ハク酸50モル%、1,4ブタンジオール50モル%、
重量平均分子量39,000)を流し込み、冷却後、成
形物を取り出した。その成形物を、切断機で縦5mm、
横5mm、高さ3mmに切り取り、角柱試料を作製し
た。このとき、ポリビニルアルコールの繊維方向が角柱
試料の高さ方向と並行になるようにした。得られた角柱
試料について、実施例1と同様の評価を行った。結果を
表1に示す。
【0118】(実施例4)参考例3で得られた乳酸系ポ
リエステル80部と、リン酸三カルシウム(粉末)20
部とを180℃に設定した混練機で10分間混練、冷却
後、粉砕し、180℃に設定の熱プレスで、縦10c
m、横10cm、厚さ150μmのシートを作製した。
次いで、そのシートの間に、太さ180μmのプルラン
の繊維を200μmの間隔で挟み、180℃の熱プレス
で圧着した。得られた成形物を、プルランの繊維が、同
方向に成るよう180℃の熱プレスで積層後、冷却し
た。この積層操作を繰り返し、厚み10mmの積層成形
物を得た。この積層成形物を、切断機で縦5mm、横5
mm、高さ3mmに切り取り、角柱試料を作製した。こ
のとき、プルランの繊維方向が角柱試料の高さ方向と並
行になるようにした。得られた角柱試料について、実施
例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
【0119】(実施例5)参考例4で得られた乳酸系ポ
リエステル50部と、リン酸三カルシウム繊維(径1m
m)50部とを180℃に設定した混練機で10分間混
練、冷却後、粉砕し、180℃に設定の熱プレスで、縦
10cm、横10cm、厚さ150μmのシートを作製
した。次いで、そのシートの間に、太さ180μmのプ
ルランの繊維を200μmの間隔で挟み、180℃の熱
プレスで圧着した。得られた成形物を、プルランの繊維
が同方向になるよう180℃の熱プレスで積層後、冷却
した。この積層操作を繰り返し、厚み10mmの積層成
形物を得た。この積層成形物を、切断機で縦5mm、横
5mm、高さ3mmに切り取り、角柱試料を作製した。
このとき、プルランの繊維方向が角柱試料の高さ方向と
並行になるようにした。得られた角柱試料について、実
施例1と同様の評価を行った。結果を表2に示す。
【0120】(実施例6)参考例5で得られた乳酸系ポ
リエステルについて、180℃に設定した熱プレスで、
縦10cm、横10cm、厚さ150μmのシートを作
製した。次いで、そのシートの間に、太さ150μmの
ポリビニルアルコールの繊維を200μmの間隔で挟
み、180℃の熱プレスで圧着した。得られた成形物を
ポリビニルアルコール繊維が同方向に成るよう180℃
の熱プレスで積層後、冷却した。この積層操作を繰り返
し、厚み10mmの積層成形物を得た。この積層成形物
を切断機で縦5mm、横5mm、高さ3mmに切り取
り、角柱試料を作製した。このとき、ポリビニルアルコ
ールの繊維方向と角柱試料の高さ方向が並行に成るよう
にした。次いで、この角柱試料を、40℃の温水中に1
時間放置し、ポリビニルアルコールの繊維を除去、乾燥
し、実施例1と同様の評価を行った。結果を表2に示
す。
【0121】(実施例7)参考例6で得られたポリ乳酸
80部と、炭酸カルシウム20部とを180℃に設定し
た混練機で10分間混練、冷却後、粉砕し、180℃に
設定の熱プレスで、縦10cm、横10cm、厚さ15
0μmのシートを作製した。次いで、そのシートの間
に、太さ200μmのヒドロキシプロピルセルロースの
繊維を200μmの間隔で挟み、180℃の熱プレスで
圧着した。得られた成形物を、ヒドロキシプロピルセル
ロースの繊維が同方向になるよう180℃の熱プレスで
積層後、冷却した。この積層操作を繰り返し、厚み10
mmの積層成形物を得た。この積層成形物を、切断機で
縦5mm、横5mm、高さ3mmに切り取り、角柱試料
を作製した。このとき、ヒドロキシプロピルセルロース
の繊維方向が角柱試料の高さ方向と並行になるようにし
た。得られた角柱試料について、実施例1と同様の評価
を行った。結果を表2に示す。
【0122】(比較参考例1)L−ラクチド95部と、
DL−ラクチド5部と溶媒としてトルエン15部とを反
応釜に仕込み、不活性ガス雰囲気下で、175℃で1時
間それらを溶融混合し、触媒としてオクタン酸錫を0.
03部加えて、同温度で6時間反応させ、次いで200
℃に昇温後、5torrの減圧下で脱揮し、ペレット化
した。その重量平均分子量は143,000、融点16
2℃であった。
【0123】(比較参考例2)L−ラクチド96部と、
D−ラクチド2部と、グリコリド2部と、溶媒としてト
ルエン15部とを反応釜に仕込み、不活性ガス雰囲気下
で、175℃で1時間それらを溶融混合し、触媒として
オクタン酸錫を0.03部加えて、同温度で6時間反応
させ、次いで200℃に昇温後、5torrの減圧下で
脱揮し、ペレット化した。その重量平均分子量は13
8,000、融点161℃であった。
【0124】(比較参考例3)脂肪族ポリエステル(セ
バシン酸成分50モル%、エチレングリコール成分50
モル%、重量平均分子量36,000)30部と、L−
ラクチド70部と溶媒としてトルエン15部とを反応釜
に仕込み、不活性ガス雰囲気下で、175℃で1時間そ
れらを溶融混合し、触媒としてオクタン酸錫を0.03
部加えて、同温度で6時間反応させ、次いで200℃に
昇温し、5torrの減圧下で脱揮し、ペレット化し
た。得られたペレットの重量平均分子量は132,00
0、融点は160℃であった。
【0125】(比較例1)比較参考例1で得られたポリ
乳酸について、180℃に設定した熱プレスで、縦10
cm、横10cm、厚さ5mmのシートを作製した。次
いで、切断機で縦5mm、横5mm、高さ3mmに切り
取り、角柱試料を作製した。得られた角柱試料につい
て、実施例1と同様の評価を行った。結果を表3に示
す。
【0126】(比較例2)比較参考例2で得られた乳酸
系ポリエステル70部と、リン酸三カルシウム(粉末)
30部とを180℃に設定した混練機で10分間混練、
冷却し、複合体を得た。その複合体について、180℃
に設定の熱プレスで、縦10cm、横10cm、厚さ5
mmのシートを作製した。次いで、切断機で縦5mm、
横5mm、高さ3mmに切り取り、角柱試料を作製し
た。得られた角柱試料について、実施例1と同様の評価
を行った。結果を表3に示す。
【0127】(比較例3)比較参考例3で得られた乳酸
系ポリエステル60部と、ヒドロキシアパタイト(粉
末)40部とを180℃に設定した混練機で10分間混
練、冷却し、複合体を得た。その複合体について、18
0℃に設定の熱プレスで、縦10cm、横10cm、厚
さ5mmのシートを作製した。次いで、切断機で縦5m
m、横5mm、高さ3mmに切り取り、角柱試料を作製
した。得られた角柱試料について、実施例1と同様の評
価を行った。結果を表3に示す。
【0128】
【表1】
【0129】
【表2】
【0130】
【表3】
【0131】
【発明の効果】本発明は、優れた生体適合性、生体吸収
性、貯蔵安定性を有する骨置換材料、骨接合材料、骨充
填材料、歯科材料、薬物放出制御材料、生理活性物質放
出制御材料などに有用な生分解性成形物、生分解性材料
及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の生分解性成形物又は生分解性材料の
例を示す模式図である。
【図2】 本発明の生分解性成形物又は生分解性材料の
例を示す模式図である。
【図3】 本発明の生分解性成形物又は生分解性材料の
例を示す模式図である。
【図4】 本発明の生分解性成形物又は生分解性材料の
例を示す模式図である。
【図5】 本発明の生分解性成形物又は生分解性材料の
例を示す模式図である。
【図6】 本発明の生分解性成形物又は生分解性材料の
例を示す模式図である。
【図7】 本発明の生分解性成形物又は生分解性材料の
例を示す模式図である。
【図8】 本発明の生分解性成形物又は生分解性材料の
例を示す模式図である。

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生分解性ポリマー(A)の中に水溶性ポ
    リマー繊維(B)が含まれ、且つ、該水溶性ポリマー繊
    維(B)の1本以上が生分解性ポリマー(A)の2面間
    以上を貫通している生分解性成形物。
  2. 【請求項2】 水溶性ポリマー繊維(B)が、太さ1μ
    m〜1000μmであることを特徴とする請求項1に記
    載の生分解性成形物。
  3. 【請求項3】 水溶性ポリマー繊維(B)が、ポリビニ
    ルアルコール系繊維であることを特徴とする請求項1又
    は2に記載の生分解性成形物。
  4. 【請求項4】 生分解性ポリマー(A)が、乳酸系ポリ
    エステルであることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    か1つに記載の生分解性成形物。
  5. 【請求項5】 乳酸系ポリエステルが、乳酸成分と、ジ
    カルボン酸成分と、ジオール成分とを必須成分とするこ
    とを特徴とする請求項4に記載の生分解性成形物。
  6. 【請求項6】 乳酸系ポリエステルが、触媒を失活処理
    した乳酸系ポリエステルであることを特徴とする請求項
    4又は5に記載の生分解性成形物。
  7. 【請求項7】 生分解性ポリマー(A)中に水溶性ポリ
    マー繊維(B)を含む成形物を成形する際に、1本以上
    の水溶性ポリマー繊維(B)が生分解性ポリマー(A)
    の2面間以上を貫通するように、水溶性ポリマー繊維
    (B)を生分解性ポリマー(A)の中に配置して成形す
    ることを特徴とする生分解性成形物の製造方法。
  8. 【請求項8】 1本以上の水溶性ポリマー繊維(B)
    に、溶融した生分解性ポリマー(A)を流し込むことを
    特徴とする、請求項7に記載の生分解性成形物の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 生分解性ポリマー(A)のフィルムの間
    に1本以上の水溶性ポリマー繊維(B)を挟み、生分解
    性ポリマー(A)の融点以上の温度で、フィルムを圧着
    して得ることを特徴とする、請求項7に記載の生分解性
    成形物の製造方法。
  10. 【請求項10】 生分解性ポリマー(A)のフィルム
    と、1本以上の水溶性ポリマー繊維(B)を積層するこ
    とを特徴とする請求項7に記載の生分解性成形物の製造
    方法。
  11. 【請求項11】 水溶性ポリマー繊維(B)が、太さ1
    μm〜1000μmであることを特徴とする請求項7〜
    10のいずれか1つに記載の生分解性成形物の製造方
    法。
  12. 【請求項12】 水溶性ポリマー繊維(B)が、ポリビ
    ニルアルコール系繊維であることを特徴とする請求項1
    1に記載の生分解性成形物の製造方法。
  13. 【請求項13】 生分解性ポリマー(A)が、乳酸系ポ
    リエステルであることを特徴とする請求項7〜12のい
    ずれか1つに記載の生分解性成形物の製造方法。
  14. 【請求項14】 乳酸系ポリエステルが、乳酸成分と、
    ジカルボン酸成分と、ジオール成分とを必須成分とする
    ことを特徴とする請求項13に記載の生分解性成形物の
    製造方法。
  15. 【請求項15】 乳酸系ポリエステルが、触媒を失活処
    理した乳酸系ポリエステルであることを特徴とする請求
    項13又は14に記載の生分解性成形物の製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項7〜15に記載のいずれか1つ
    の方法により製造された生分解性成形物中の水溶性ポリ
    マー繊維(B)を、水溶液により除去することを特徴と
    する生分解性材料の製造方法。
  17. 【請求項17】 請求項16に記載の製造方法により製
    造された、孔径1μm〜1000μmの1つ以上の孔が
    生解性ポリマー(A)の2面間以上を貫通している生分
    解性材料。
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