JPH1029830A - 細片状鉱物質原料の製造方法 - Google Patents

細片状鉱物質原料の製造方法

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JPH1029830A
JPH1029830A JP20532196A JP20532196A JPH1029830A JP H1029830 A JPH1029830 A JP H1029830A JP 20532196 A JP20532196 A JP 20532196A JP 20532196 A JP20532196 A JP 20532196A JP H1029830 A JPH1029830 A JP H1029830A
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raw materials
cooling liquid
mineral
molten
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JP20532196A
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Koichi Okada
公一 岡田
Toshio Tani
登志夫 谷
Shoichi Yoshino
彰一 吉野
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Original Assignee
Kubota Corp
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B19/00Other methods of shaping glass
    • C03B19/10Forming beads
    • C03B19/1095Thermal after-treatment of beads, e.g. tempering, crystallisation, annealing
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B19/00Other methods of shaping glass
    • C03B19/10Forming beads
    • C03B19/1005Forming solid beads
    • C03B19/102Forming solid beads by blowing a gas onto a stream of molten glass or onto particulate materials, e.g. pulverising
    • C03B19/1025Bead furnaces or burners
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B37/00Manufacture or treatment of flakes, fibres, or filaments from softened glass, minerals, or slags
    • C03B37/01Manufacture of glass fibres or filaments
    • C03B37/06Manufacture of glass fibres or filaments by blasting or blowing molten glass, e.g. for making staple fibres

Abstract

(57)【要約】 【課題】 鉱物質原料(ごみや下水汚泥などの焼却灰を
加熱溶融して得られる溶融スラグを含む)を建材原料や
焼成品原料として利用する場合、細片状への粉砕コスト
を充分に低廉化できていない。 【解決手段】 加熱溶融した鉱物質原料(溶融スラグ)
8を、原料容器1の溶湯ノズル孔6を通して、冷却用筒
体2の内壁面に沿って旋回しながら流下する冷却液層1
1中に供給し、細片状に分断された鉱物質原料を得る。
さらに、原料容器1から流下する溶融スラグ流8aにガ
スジェットGjを吹き付けて繊維状に分断した後、冷却
液層11中に注入し固化させる。これによって、短時間
で微細化された原料とすることができ、また、回収も容
易であるので、より安価な粉粒状、さらにはロックウー
ル状の鉱物質原料として提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば粉粒状やロ
ックウール状の鉱物質原料を製造するための細片状鉱物
質原料の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鉱物原料は特に窯業分野で多用されてお
り、この場合、原料となる鉱物は、例えばジョークラッ
シャーなどの機械的な粉砕機により、微細な粉粒状に粉
砕されて使用されている。一方、近年、都市ごみや下水
汚泥などの廃棄物の焼却灰を溶融して得られるスラグ
を、上記のような鉱物原料の代替原料として有効利用す
る開発が進められている。すなわち、従来埋立処理され
ている上記の焼却灰は、近年、その増加に対処すること
が困難になってきているため、埋立処理する前に加熱溶
融し、これを水中、もしくは型に流し込むことによっ
て、粒径が10〜20mm程度の粒状(水砕スラグ)やブロッ
ク状(徐冷スラグ)にして減容化されている。このよう
に焼却灰を溶融して得られるスラグの組成は、60〜70%
がSiO2とCaOであり、また、15〜20%がAl2O3 である。
そこで、上記のような粒状・ブロック状のスラグを、例
えば前記したクラッシャなどによってさらに細かく粉砕
し、建材用の原料や焼成品原料などとして、成分的に類
似する天然の鉱物の代替原料として再利用を図る開発が
進められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
た鉱物原料や、上記のように焼却灰を溶融して得られる
スラグ(以下、これらを総称して鉱物質原料という)の
粉砕処理を、クラッシャなどの機械的な粉砕処理設備に
よって行う場合には、微細化の程度に応じて粉砕を繰返
すことが必要で、全体の処理時間が長くなる。また、鉱
物質原料には一般に硬質の酸化物などが多く含まれてお
り、このような原料を破砕する過程で、原料に直接的に
接する歯板などの損耗が激しく、このため、これら損耗
部品の交換を度々行う必要がある。この結果、粉砕処理
コストが高くなり、細片状としたときの鉱物質原料のコ
ストを充分には低減できないという問題を有している。
【0004】本発明は、上記した問題点に鑑みなされた
もので、その目的は、鉱物質原料を細かな粉粒状、さら
にはロックウール状などの細片状に製造するに当たって
の製造コストを低減することが可能な細片状鉱物質原料
の製造方法を提供することにある。なお、本明細書での
「鉱物質」とは、天然の鉱物の他に前記したようなごみ
や下水汚泥などの廃棄物の焼却灰を加熱溶融して得られ
るスラグを含むものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の請求項1の細片状鉱物質原料の製造方法
は、加熱溶融した鉱物質原料を収容する原料容器の下側
に冷却用筒体を設け、この冷却用筒体内における断面略
円形の内壁面に冷却液をほぼ接線方向に供給してこの内
壁面に沿って旋回しながら流下する冷却液層を形成し、
この冷却液層中に、原料容器の底壁に設けたノズル孔を
通して溶融鉱物質原料を供給することにより、この溶融
鉱物質原料を細片状にして固化させることを特徴として
いる。
【0006】このように、鉱物質原料を加熱溶融させ、
これを原料容器のノズル孔を通して流下させて冷却液層
に供給すると、この旋回流動している冷却液層によっ
て、溶融鉱物質原料は冷却凝固するまでの間に微細な溶
滴に分断される。この結果、冷却液層中に細片状になっ
て固化した鉱物質原料が生成する。この生成物の粒径や
形状は、流下させるときの溶融温度や冷却液層の流速な
どを変化させてコントロールすることが可能である。こ
うして、冷却液層中に形成された生成物は、冷却液と共
に冷却用筒体内の下部側から外部に排出され、したがっ
て、排出液から生成物を分離回収して乾燥することで、
細片状の鉱物質原料が得られる。
【0007】上記のような細片状鉱物質原料の製造は、
冷却用筒体内への冷却液の供給を継続している間、連続
的に行うことができ、しかも、機械的に損耗する個所が
なく、また、冷却用筒体内の冷却液層の液温が溶融した
鉱物質原料の注入に伴って上昇するなどの変化を生じる
こともないので、安定した連続生産を行うことができ
る。
【0008】したがって、上記方法では、溶融状態の鉱
物質原料を冷却固化させる一回の処理、しかも、原料容
器から流下して冷却液層中で固化するまでのごく短時間
の処理で、より微細化された鉱物質原料を製造すること
が可能であり、しかも、このように細片化効率の高い生
産を連続的かつ安定して行うことができるので、より製
造コストの低減した細片状鉱物質原料を製造することが
できる。
【0009】請求項2の細片状鉱物質原料の製造方法
は、原料容器から流下する溶融鉱物質原料に上記冷却用
筒体内の空間で加圧ガスを吹き付けてこの溶融鉱物質原
料を繊維状に分断した後、冷却用筒体内の冷却液層中に
供給し固化させることを特徴としている。このように、
流下する溶融鉱物質原料に対し、冷却用筒体内の冷却液
層中に供給する前に加圧ガスを吹き付けると、この段階
で、微細な筋状の溶滴に分断することができ、そして、
これを冷却液層に供給することで、この冷却液層内でさ
らに分断化作用を受けながら冷却凝固する。この結果、
冷却液層中に、ロックウール状に細片化された鉱物質原
料を得ることが可能となる。これが、前記同様に冷却液
と共に外部に排出され、したがって、排出液から生成物
を分離回収して乾燥することで、ロックウール状の鉱物
質原料を得ることができる。
【0010】この場合、加圧ガスの吹き付けが冷却用筒
体内で行われるので、この加圧ガスによって生じる微細
な筋状の溶滴は周囲に飛散することなく、すぐに冷却液
層中に捕捉される。すなわち、このときの冷却液層は、
溶滴を分断して冷却凝固させる機能と共に、加圧ガスの
吹き付けにより生成した飛散し易い繊維状の生成物に対
する回収手段としても機能する。これにより、生成した
繊維状物を回収するための専用の手段を別途付加する必
要はなく、このため、装置全体をより簡単な構成とする
ことができるので、設備費がより安価なものとなる。こ
の結果、ロックウール状に細片化した鉱物質原料もより
安価に製造することができる。
【0011】請求項3の細片状鉱物質原料の製造方法
は、上記溶融鉱物質原料が、ごみや下水汚泥などの廃棄
物の焼却灰を加熱溶融して得られる溶融スラグであるこ
とを特徴としている。上記のように溶融スラグから細片
状の鉱物質原料を製造することにより、これを、建築用
原料や焼成品原料として、より低コストで供給できるこ
とになる。特にロックウール状に細片化されたものは、
断熱材や防音材などのさらに付加価値の高い原料として
の用途が広がり、廃棄物スラグのさらに有効利用を図る
ことができる。
【0012】請求項4の細片状鉱物質原料の製造方法
は、原料容器が、上記廃棄物の焼却灰を加熱溶融するス
ラグ溶融炉であることを特徴としている。すなわち、ス
ラグ溶融炉の下側に冷却用筒体を設け、スラグ溶融炉か
ら溶融スラグを冷却用筒体に直接供給して細片状の鉱物
質原料を製造する。これにより、従来のスラグ溶融炉で
形成した溶融スラグを一旦粒状もしくはブロック状に固
化する工程と、これを再度加熱溶融する工程とを省略で
き、したがって、廃棄物スラグを微細な粉粒状、さらに
はロックウール状の細片状鉱物質原料とする際の加熱に
要するエネルギーコストが節減され、しかも、全体的な
設備コストも低減される。この結果、さらに製造コスト
の低減した廃棄物スラグからなる細片状鉱物質原料を製
造することが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、本発明の一実施形態につい
て、鉱物質原料として、ごみや下水汚泥の焼却灰を加熱
溶融して得られる廃棄物スラグを用いた例を挙げて説明
する。まず、本実施形態に係る細片状鉱物質原料の製造
装置について、図1を参照して説明する。
【0014】この装置は、上記の廃棄物スラグを加熱溶
融した溶融スラグが注入される原料容器1と、この原料
容器1の下側に配設された冷却用筒体2とを備え、冷却
用筒体2の上端開口を覆う上蓋3には、この上蓋3に着
脱自在なガス分断器4が上蓋3の中心開口3aに嵌挿させ
た状態で取付けられている。原料容器1は、その上部開
口を閉塞するための蓋体5を備え、この蓋体5には、そ
の中心位置にガス供給口5aが形成されている。一方、原
料容器1の底壁中央部に、上下に貫通する細孔形状の溶
湯ノズル孔6が形成されている。さらに、原料容器1の
外周に加熱用コイル7が巻回されており、この加熱用コ
イル7への通電によって、原料容器1内に注入された溶
融スラグ8を所定の温度に加熱保持し得るように構成さ
れている。
【0015】前記冷却用筒体2は略円筒状に形成され、
筒体軸心を鉛直方向に対して10〜30°の角度で傾斜させ
て配設されている。この冷却用筒体2には、上蓋3のや
や下側外周に冷却液供給流路9が環状に設けられてい
る。そして、この冷却液供給流路9に通ずる複数の冷却
液噴出孔10…が周方向等間隔に形成されている。これら
噴出孔10…は、筒体2の内周面に接線方向から冷却液を
噴出供給できるように開口されている。
【0016】上記の冷却液供給流路9に加圧した冷却液
を供給し、これを冷却液噴出孔10…から噴出させると、
冷却用筒体2の内周面に、この内周面に沿って高速で旋
回しながら流下する冷却液層11が形成される。なお、こ
の冷却用筒体2の内周面下部側には、冷却液層11の層厚
を調整するための層厚調整用リング12が取付けられてい
る。このリング12によって冷却液の流下速度が抑えら
れ、上下にわたって略一定内径の冷却液層11がより少な
い流量で形成される。
【0017】冷却用筒体2の冷却液排出端である下端開
口には排出管13が接続されている。この排出管13の下流
端には、図示してはいないが、後述する生成物を冷却液
から分離するための回収用網かごが設けられている。な
お、生成物が分離された後の冷却液は、冷却用筒体2の
冷却液供給流路9へと戻され循環されるように構成され
ている。
【0018】前記ガス分断器4は、その中心が原料容器
1の前記溶湯ノズル孔6と同軸上に位置するように、冷
却用筒体2の上蓋3に取付けられている。このガス分断
器4には、その中心位置に、上下に貫通する細孔形状の
ノズル孔14が形成されている。また、このノズル孔14を
囲うように、例えばカーボン発熱体より成る補助加熱ヒ
ータ15がこのガス分断器4内に装着されている。このヒ
ータ15への通電により、上記ノズル孔14を通して流下す
る溶融スラグの温度低下が抑えられ、所定の温度に保持
されるようになっている。
【0019】さらに、このガス分断器4内には、上記補
助加熱ヒータ15の外側に、外部から圧縮ガスが供給され
るガス室16が環状に形成されている。そして、このガス
室16から、ガス分断器4の下面に円形のスリット形状で
開口するガスジェットノズル16aが設けられ、このガス
ジェットノズル16aを通して、図中矢印で示すようなガ
スジェットGjが噴射されるように構成されている。この
ガスジェットGjは、ガス分断器4の下側に逆円錐状に吹
き出されて、ノズル孔14の下端開口よりやや下側の位置
で交差した後、円錐状に広がるように設定されている。
【0020】次に、上記装置での細片状鉱物質原料の製
造手順について、冷却用筒体2の上蓋3にガス分断器4
を取付けていない場合と、取付けている場合とに分けて
順に説明する。初めに、ガス分断器4を取付けていない
場合(以下、この状態での製造をシングルアトマイズ処
理という)の製造手順について説明すると、まず、前記
した廃棄物スラグを図示しないスラグ溶解炉で加熱溶融
して溶融スラグを形成する。この間、原料容器1には溶
湯ノズル孔6に耐火材より成る栓(図示せず)を取付
け、蓋体5を外して、上記スラグ溶解炉で溶融させた溶
融スラグ8を注入する。その後、蓋体5を気密にセット
すると共に、溶融スラグ8が所定の溶融温度で保持され
るように、加熱用コイル7への供給電力を調整する。一
方、冷却用筒体2の冷却液供給流路9に冷却液として水
を供給し、冷却用筒体2内に、前記した高速で旋回し流
下する冷却液層11を形成する。
【0021】この状態で、原料容器1の蓋体5のガス供
給口5aを通して所定の圧力に調整された圧縮空気などの
ガスを供給すると共に、溶湯ノズル孔6を塞ぐ栓を外
す。供給された圧縮ガスは、原料容器1内の溶融スラグ
8の液面を加圧し、これによって、その圧力に応じた速
度で、原料容器1内の溶融スラグ8が、溶湯ノズル孔6
を通して溶融スラグ流8aとなって下方に流下する。
【0022】この溶融スラグ流8aは、冷却用筒体2にお
ける上蓋3の中心開口3aを通して、この冷却用筒体2内
へ流下し、この筒体2の内面に形成されている冷却液層
11中に注入される。この冷却液層11は、前記したよう
に、高速で旋回する水流であることから、これに注入さ
れた溶融スラグ流8aは急冷凝固するまでの間に微細な溶
滴に分断され、この結果、径が例えば 500μm以下の細
片状固形物が冷却液層11中に形成される。
【0023】こうして、冷却液層11中に形成された生成
物は、冷却液と共に旋回しながら層厚調整用リング12を
越えて流下し、冷却用筒体2の下端開口から排出管13へ
と冷却液と共に排出され、この排出管13の下流端に設け
られている前記回収用網かご内で冷却液から分離され回
収される。次に、冷却用筒体2の上蓋3にガス分断器4
を取付けた場合(以下、この状態での製造をダブルアト
マイズ処理という)の細片状原料の製造手順について説
明する。
【0024】この場合、原料容器1の溶湯ノズル孔6に
栓を取付けて、原料容器1に溶融スラグ8を注入し、ま
た、冷却用筒体2の冷却液供給流路9に冷却液(水)を
供給して、冷却用筒体2内に冷却液層11を形成する操作
を前記と同様に行う。このとき、さらにガス分断器4の
補助加熱ヒータ15への通電を、このガス分断器4のノズ
ル孔14を通して流下する溶融スラグ流8aが所定の溶融温
度で保持されるように調整すると共に、前記ガス室16に
例えば圧縮空気等の圧縮ガスを供給し、ガス分断器4の
下側に前記した逆円錐状のガスジェットGjを形成する。
【0025】この状態で、原料容器1の蓋体5のガス供
給口5aを通して所定の圧力に調整された圧縮ガスを供給
すると共に、溶湯ノズル孔6を塞ぐ栓を外すことによっ
て、原料容器1内の溶融スラグ8を、溶湯ノズル孔6を
通して下方に流下させる。このときの溶融スラグ流8a
は、一旦、ガス分断器4のノズル孔14内に流入し、さら
に、このノズル孔14における下端部の径に応じた細流と
なって、ガスジェットGjの交点部に流下する。そして、
ここで溶融スラグ流8aはガスジェットGjの吹き付けによ
って微細な筋状の溶滴に分断される。この溶滴は、ガス
ジェットGjと共に冷却液層11に運ばれ、冷却液層11内に
注入されて、この冷却液層11内でさらに、前記同様の分
断化作用を受けながら冷却凝固する。
【0026】溶融スラグは比較的粘性が大きく、かつ、
表面張力が小さいために、上記のようなダブルアトマイ
ズ処理では、ガスジェットGjの吹き付けによって繊維状
に分断される。これが冷却液層11内に注入され、さらに
分断作用を受けながら冷却凝固することによって、径が
数μm程度の繊維状固形物が得られる。この生成物は、
前記同様に、冷却用筒体2から排出管13へと冷却液と共
に排出され、前記回収用網かご内で冷却液から分離され
回収される。
【0027】以上の説明のように、本実施形態における
前記のシングルアトマイズ処理では、溶融スラグ8を収
容する原料容器1の下側に設けた冷却用筒体2内に、高
速で旋回する冷却液層11を形成し、この冷却液層11に溶
融スラグ8を流下させることによって、微細化された細
片状の鉱物質原料が製造される。このような製造方法に
よれば、鉱物質原料を機械的に粉砕する場合に比べ、短
時間でより微細に細片化した鉱物質原料を得ることがで
きる。生成物の粒径や形状は、溶融スラグ8の溶融温度
や冷却液層11の流速などを変化させてコントロールする
ことができる。また、冷却液層11は冷却液を循環させる
ことで、連続的に生産することが可能である。この場
合、溶湯スラグ流8aの注入に伴って液温が次第に上昇す
るなどの変化を生じることもなく、また、機械的な損耗
個所もないので、予め設定された条件が維持された安定
した連続生産が可能である。このように、粉砕化効率の
高い生産を安定して行うことができることから、細片化
した鉱物質原料の製造コストをより安価なものとするこ
とができる。
【0028】さらに、冷却用筒体2の上部にガス分断器
4を設けたダブルアトマイズ処理によれば、ガスジェッ
トGjの吹き付けによって、この段階で、溶融スラグ流8a
を微細な筋状の溶滴に分断することができ、そして、こ
れを冷却液層11に供給することで、この冷却液層11内で
さらに分断化作用を付与しがら冷却凝固させることがで
きる。この結果、冷却液層11中に、ロックウール状に細
片化された鉱物質原料を得ることが可能となる。
【0029】ところで、従来のロックウールの製造は、
例えば、原料となる鉱物をキュポラあるいは電気炉にて
溶融した後、この溶融物を細流とし、これに、圧縮空気
等を吹き付けて繊維化する方法や、溶融物を回転体に導
き、遠心力によって繊維化する方法で行われている。な
お、この回転体を用いる方法では、さらに、回転体表面
に付着した繊維状生成物に圧縮空気を吹き付けて回転体
から引き剥がすようになっている。
【0030】しかしながら、上記した従来の方法では、
装置内に飛散したロックウール状の生成物を回収するた
めに、例えば真空吸引系などの特殊な集綿装置を別途付
設することが必要になって設備全体の経費が高くなり、
このために、このようなロックーウールの製造コストが
高くなる。これに対し、本実施形態では、ガスジェット
Gjの吹き付けが冷却用筒体2内で行われ、このガスジェ
ットGjの吹き付けによって微細化された溶融鉱物質原料
は、冷却用筒体2内の冷却液層11中にすぐに供給され、
冷却用筒体2外に冷却液と共に排出されて分離回収され
る。したがって、このときの冷却液層11は、溶滴を分断
して冷却凝固させる機能と共に、ガスジェットGjの吹き
付けで生成した飛散し易い繊維状の生成物に対する回収
手段としても機能している。これにより、生成物がロッ
クウール状であっても、その回収のための手段を別途付
加する必要はなく、このため、装置全体をより簡単かつ
小形の構成とすることができるので、設備費がより安価
なものとなる。この結果、ロックウール状に細片化した
鉱物質原料もより安価に製造し得るものとなる。
【0031】このように、上記したシングルアトマイズ
処理やダブルアトマイズ処理によって、ごみや下水汚泥
などの廃棄物から細片状の鉱物質原料を製造すると、こ
れを、建築用原料や焼成品原料として、より低コストで
供給できることになる。これによって、廃棄物スラグを
再資源化するに当たっての種々の用途開発の実用化に大
いに貢献することができる。特に、ロックウール状に細
片化されたものは、断熱材や防音材などのさらに付加価
値の高い原料としての用途も広がり、廃棄物スラグのさ
らに有効利用を図ることができる。
【0032】特に、上記のような廃棄物スラグを用いる
場合、廃棄物の焼却灰を加熱溶融するスラグ溶融炉の下
側に冷却用筒体2を設け、スラグ溶融炉から溶融スラグ
を冷却用筒体2に直接供給して細片状の鉱物質原料を製
造するように構成することで、さらに原料コストが低減
する。すなわち従来は、前記したように、スラグ溶融炉
で加熱溶融した溶融スラグを水中、もしくは型に流し込
むことによって、粒状の水砕スラグやブロック状の徐冷
スラグを形成しており、これを再度溶融させて、上記の
シングルアトマイズ処理、もしくはダブルアトマイズ処
理を行うのに比べ、上記のように、スラグ溶融炉の下側
に冷却用筒体2を設ける場合には、焼却灰の加熱溶融を
一度行うだけで、微細な粉粒状、さらにはロックウール
状の細片状鉱物質原料とすることができる。したがっ
て、加熱に要するエネルギーコストが節減され、しか
も、全体的な設備コストも低減できるので、これによっ
て、さらに製造コストの低減した廃棄物スラグからなる
細片状鉱物質原料を製造することが可能となる。
【0033】なお、上記の実施形態は本発明を限定する
ものではなく、本発明の範囲内で種々の変更が可能であ
る。例えば上記では、ごみや下水汚泥などの廃棄物スラ
グを原料として用いたが、本発明は、その他の一般的な
鉱物を原料として使用する際の微細化、ロックウール化
に適用することができる。また、上記実施形態では、冷
却用筒体2として、その筒体軸心を傾斜させて配置した
例を示したが、この場合に、冷却液の噴出速度が十分で
筒体内周面に遠心力の作用で冷却液層11が形成されれ
ば、筒体軸心をほぼ鉛直方向にして配置することや、さ
らに、内周面が冷却液の移動方向に沿って漸次縮径する
回転対称面で形成された例えば漏斗形状など、その他の
形状や形式の冷却用筒体を用いて構成することが可能で
ある。
【0034】
【実施例】次に、図1に示す装置を使用し、ごみ焼却灰
と、下水汚泥の焼却灰とを用いて、前記シングルアトマ
イズ処理とダブルアトマイズ処理とをテスト的に行った
結果の一例を、実施例として表にして示す。すなわち、
上記各処理で得られる生成物の性状は、鉱物質原料の溶
融状態での粘性および表面張力に大きく依存する。一
方、ごみや下水汚泥の溶融スラグ、さらには一般的な鉱
物原料を溶融したものであっても、これらは組成変動が
大きく、したがって、溶融状態での粘性や表面張力も種
々異なるものとなる。
【0035】そこで、例えばごみ焼却灰の溶融スラグや
下水汚泥の溶融スラグの組成と、各種溶融温度での粘性
等の物性値との関係を予め求め、また、冷却用筒体2に
流下させるときの溶融温度や溶湯ノズル孔6の穴径、さ
らに冷却用筒体2内の冷却液層11の流速などの製造条件
と、生成物の性状との関係を予め調べておくことで、以
降は、組成に応じた条件を設定することで、所要の径の
粉粒状、或いはロックウール状に細片化された生成物を
安定して得ることができる。
【0036】このような観点から、ごみ焼却灰と下水汚
泥の焼却灰とについて、各種製造条件で処理を行い、こ
のときの条件と生成物の性状との関係をテスト的に求め
た結果の一例を表1・表2に示している。表1は、シン
グルアトマイズ処理での処理条件と、得られた生成物の
性状とを示したものであり、表2は、ダブルアトマイズ
処理での処理条件と、得られた生成物の性状とを示した
ものである。なお、これらの処理に使用した装置での前
記冷却用筒体2は、その内径が100mm 、筒体軸心の傾斜
角は20°である。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】表1におけるテストNo.1、No.2は、ごみ焼
却灰を用いて前記したシングルアトマイズ処理を同表に
示すような条件で行ったものであり、この場合の生成物
は、径50〜90μmの髭状ガラス繊維と径80〜320 μmの
ガラス粒との混合物であった。その実体顕微鏡写真を図
2に示す。テストNo.3では、下水汚泥の焼却灰を用いて
おり、この場合の生成物は、径4〜140 μmの髭状ガラ
ス繊維とガラス粒との混合物であった。その実体顕微鏡
写真を図3に示す。
【0040】一方、表2におけるテストNo.4、No.5は、
ごみ焼却灰を用いてダブルアトマイズ処理を同表に示す
条件で行ったものであり、この場合の生成物は、径2μ
m程度の綿状ガラス繊維と径80μm程度のガラス粒との
混合物であった。その実体顕微鏡写真を図4に示す。テ
ストNo.6では、下水汚泥の焼却灰を用いており、この場
合の生成物は、径2〜120 μmの綿状ガラス繊維であっ
た。その実体顕微鏡写真を図5に示す。
【0041】
【発明の効果】以上のように、本発明の請求項1の細片
状鉱物質原料の製造方法においては、加熱溶融した鉱物
質原料を、原料容器の底壁に設けたノズル孔を通して、
冷却用筒体内における内壁面に沿って旋回しながら流下
する冷却液層中に供給する。この旋回流動している冷却
液層は、溶融鉱物質原料が冷却凝固するまでの間に、こ
れを微細な溶滴に分断するようにも作用し、この結果、
細片状に分断された鉱物質原料が得られる。
【0042】したがって、上記方法では、溶融状態の鉱
物質原料を冷却固化させる一回の処理、しかも、原料容
器から流下して冷却液層中で固化するまでのごく短時間
の処理で、より微細化された鉱物質原料を製造すること
が可能である。また、連続生産に当たっても機械的な損
耗個所はなく、したがって、細片化効率の高い生産を連
続的かつ安定して行うことができるので、より製造コス
トの低減した細片状鉱物質原料を製造することができ
る。
【0043】請求項2の細片状鉱物質原料の製造方法に
おいては、さらに、原料容器から流下する溶融鉱物質原
料に、冷却用筒体内で加圧ガスを吹き付けてこの溶融鉱
物質原料を繊維状に分断した後、冷却用筒体内の冷却液
層中に供給し固化させる。この場合、冷却液層は、溶滴
をさらに分断して冷却凝固させる機能と共に、加圧ガス
の吹き付け生成した飛散し易い繊維状の生成物に対する
回収手段としても機能する。これによって、生成物がロ
ックウール状であっても、その回収のための手段を別途
付加する必要はなく、このため、装置全体をより簡単な
構成とすることができるので、設備費がより安価なもの
となる。この結果、ロックウール状に細片化した鉱物質
原料もより安価に製造することができる。
【0044】請求項3の細片状鉱物質原料の製造方法に
おいては、ごみや下水汚泥などの廃棄物を加熱溶融した
溶融スラグを用いて細片状鉱物質原料が製造される。こ
れにより、廃棄物スラグを建築用原料や焼成品原料とし
て、より低コストで供給できる。特にロックウール状に
細片化されたものは、断熱材や防音材などのさらに付加
価値の高い原料としての用途が広がり、廃棄物スラグの
さらに有効利用を図ることができる。
【0045】請求項4の細片状鉱物質原料の製造方法に
おいては、廃棄物の焼却灰を加熱溶融するスラグ溶融炉
の下側に冷却用筒体を設けて、溶融スラグから細片状鉱
物質原料が製造される。この場合、焼却灰の加熱溶融を
一度行うだけで、微細な粉粒状、さらにはロックウール
状の細片状鉱物質原料とすることが可能となる。したが
って、加熱に要するエネルギーコストが節減され、しか
も、全体的な設備コストも低減できるので、これによっ
て、さらに製造コストの低減した廃棄物スラグからなる
細片状鉱物質原料を製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る製造装置の要部構成を示す断面図
である。
【図2】ごみ焼却灰溶融スラグをシングルアトマイズ処
理して得られた生成物の粒子構造の一例を示す顕微鏡写
真(倍率10倍)である。
【図3】下水汚泥溶融スラグをシングルアトマイズ処理
して得られた生成物の粒子構造の一例を示す顕微鏡写真
(倍率10倍)である。
【図4】ごみ焼却灰溶融スラグをダブルアトマイズ処理
して得られた生成物の粒子構造の一例を示す顕微鏡写真
(倍率10倍)である。
【図5】下水汚泥溶融スラグをダブルアトマイズ処理し
て得られた生成物の粒子構造の一例を示す顕微鏡写真
(倍率10倍)である。
【符号の説明】
1 原料容器 2 冷却用筒体 4 ガス分断器 6 溶湯ノズル孔 8 溶融スラグ 11 冷却液層 Gj ガスジェット(加圧ガス)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱溶融した鉱物質原料を収容する原料
    容器の下側に冷却用筒体を設け、この冷却用筒体内にお
    ける断面略円形の内壁面に冷却液をほぼ接線方向に供給
    してこの内壁面に沿って旋回しながら流下する冷却液層
    を形成し、この冷却液層中に、原料容器の底壁に設けた
    ノズル孔を通して溶融鉱物質原料を供給することによ
    り、この溶融鉱物質原料を細片状にして固化させること
    を特徴とする細片状鉱物質原料の製造方法。
  2. 【請求項2】 原料容器から流下する溶融鉱物質原料に
    上記冷却用筒体内の空間で加圧ガスを吹き付けてこの溶
    融鉱物質原料を繊維状に分断した後、冷却用筒体内の冷
    却液層中に供給し固化させることを特徴とする請求項1
    記載の細片状鉱物質原料の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記溶融鉱物質原料が、ごみや下水汚泥
    などの廃棄物の焼却灰を加熱溶融して得られる溶融スラ
    グであることを特徴とする請求項1又は2記載の細片状
    鉱物質原料の製造方法。
  4. 【請求項4】 原料容器が、上記廃棄物の焼却灰を加熱
    溶融するスラグ溶融炉であることを特徴とする請求項3
    記載の細片状鉱物質原料の製造方法。
JP20532196A 1996-07-15 1996-07-15 細片状鉱物質原料の製造方法 Pending JPH1029830A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002066914A1 (de) * 2001-02-17 2002-08-29 Messer Griesheim Gmbh Vorrichtung und verfahren zum pulverisieren von werkstoffen, insbesondere gläsern
JP2014500908A (ja) * 2010-11-04 2014-01-16 ヒュンダイ スチール カンパニー 溶融スラグ微粒化及び有価金属回収装置

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