JPH10298292A - 傾斜材料およびその製造方法 - Google Patents

傾斜材料およびその製造方法

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JPH10298292A
JPH10298292A JP10777197A JP10777197A JPH10298292A JP H10298292 A JPH10298292 A JP H10298292A JP 10777197 A JP10777197 A JP 10777197A JP 10777197 A JP10777197 A JP 10777197A JP H10298292 A JPH10298292 A JP H10298292A
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JP
Japan
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group
carbon atoms
aromatic
alkynylene
silicon
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Application number
JP10777197A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Inoue
浩二 井上
Kenji Iwata
健二 岩田
Junichi Ishikawa
石川  淳一
Masayoshi Ito
正義 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Publication date
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Priority to JP10777197A priority Critical patent/JPH10298292A/ja
Publication of JPH10298292A publication Critical patent/JPH10298292A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱、耐燃焼性および力学特性に優れたケイ
素を含む傾斜材料を提供する。 【解決手段】 一般式(1) (式中、R1は水素原子またはアルキル基、アルケニル
基、アルキニル基、芳香族基、R2はアルキレン基、ア
ルケニレン基、アルキニレン基、二価の芳香族基、R3
はアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、二
価の芳香族基である。)で表される繰り返し単位を有す
る含ケイ素高分子化合物および/または該含ケイ素高分
子化合物の硬化物を、不活性ガス中または減圧下、20
0〜3500℃で処理するか、または酸素を1〜50%
含むガス雰囲気中、50〜1000℃で熱処理すること
により得られる、ケイ素を含む傾斜材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱、耐燃焼材料
として有用なケイ素を含む傾斜材料とその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、材料中の組成、組織等を連続的に
変化させることによってより優れた機能を持つ材料(傾
斜機能材料)の研究がますます盛んになっている(例え
ば、セラミックス,Vol.29,179−181(1
994)等)。しかしながらこれまでに開発された耐熱
性を有する傾斜材料は主に金属とセラミックスからなる
もので、有機高分子材料に比べて成形性に劣る。一方、
有機高分子からなる傾斜機能材料として、スチレンとブ
タジエンのブロック共重合体があるが、熱的には非常に
弱い。またこれらの傾斜機能材料はいずれも複数の成分
からなり、製造が複雑である。単一成分から傾斜機能材
料を製造する技術は開発されていない。
【0003】本発明者らは先に分子内にSi−H結合と
C≡C結合を有する含ケイ素高分子化合物が、耐熱性に
すぐれており、セラミックス収率が非常に高いことを提
案した(特開平7−102069)。しかし該ポリマー
は耐熱性、弾性率にはすぐれているものの、もろく、力
学強度が小さいという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、Si−
H結合とC≡C結合を有する含ケイ素高分子化合物、ま
たは該含ケイ素高分子化合物を不活性ガス中、または減
圧下、50〜700℃で熱処理するか、または遷移金
属、遷移金属錯体またはラジカル開始剤の存在下で反応
させることによって得られた硬化物から、目的とする高
い耐熱、耐燃焼性と力学強度を有するケイ素を含む傾斜
材料を製造することを課題とし、これにむかって鋭意努
力し、本発明に到達した。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式(1)
(化2)
【0006】
【化2】 (式中、R1は水素原子または炭素数1から30のアル
キル基、アルケニル基、アルキニル基、フェニル基やナ
フチル基などの芳香族基、R2は炭素数1から30のア
ルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、フェニ
レン基やナフチレン基などの二価の芳香族基、R3は炭
素数1から30のアルキレン基、アルケニレン基、アル
キニレン基、フェニレン基やナフチレン基などの二価の
芳香族基、芳香族基が芳香族基と直接または架橋員を通
して連結した基、または芳香族基が炭素数1から30の
アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基と直接
またはメチレン基、イソプロピリデン基、エーテル基、
カルボニル基、スルフィド基、シラネディル基などの架
橋員を通して連結した基であり、R1、R2、R3の各基
はハロゲン原子、水酸基、アミノ基、カルボキシル基な
どの置換基を含んでいてもよい。m、nは0または1で
ある。)で表される繰り返し単位を有する含ケイ素高分
子化合物および/または該含ケイ素高分子化合物の硬化
物を、不活性ガス中または減圧下、200〜3500℃
で処理することにより得られる、ケイ素を含む傾斜材料
を提供するものである。
【0007】また本発明は、一般式(1) (式中、R
1は水素原子または炭素数1から30のアルキル基、ア
ルケニル基、アルキニル基、フェニル基やナフチル基な
どの芳香族基、R2は炭素数1から30のアルキレン
基、アルケニレン基、アルキニレン基、フェニレン基や
ナフチレン基などの二価の芳香族基、R3は炭素数1か
ら30のアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン
基、フェニレン基やナフチレン基などの二価の芳香族
基、芳香族基が芳香族基と直接または架橋員を通して連
結した基、または芳香族基が炭素数1から30のアルキ
レン基、アルケニレン基、アルキニレン基と直接または
メチレン基、イソプロピリデン基、エーテル基、カルボ
ニル基、スルフィド基、シラネディル基などの架橋員を
通して連結した基であり、R1、R2、R3の各基はハロ
ゲン原子、水酸基、アミノ基、カルボキシル基などの置
換基を含んでいてもよい。m、nは0または1であ
る。)で表される繰り返し単位を有する含ケイ素高分子
化合物および/または該含ケイ素高分子化合物の硬化物
を、不活性ガス中または減圧下、200〜3500℃で
処理することを特徴とするケイ素を含む傾斜材料の製造
方法である。
【0008】また本発明は、一般式(1) (式中、R
1は水素原子または炭素数1から30のアルキル基、ア
ルケニル基、アルキニル基、フェニル基やナフチル基な
どの芳香族基、R2は炭素数1から30のアルキレン
基、アルケニレン基、アルキニレン基、フェニレン基や
ナフチレン基などの二価の芳香族基、R3は炭素数1か
ら30のアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン
基、フェニレン基やナフチレン基などの二価の芳香族
基、芳香族基が芳香族基と直接または架橋員を通して連
結した基、または芳香族基が炭素数1から30のアルキ
レン基、アルケニレン基、アルキニレン基と直接または
メチレン基、イソプロピリデン基、エーテル基、カルボ
ニル基、スルフィド基、シラネディル基などの架橋員を
通して連結した基であり、R1、R2、R3の各基はハロ
ゲン原子、水酸基、アミノ基、カルボキシル基などの置
換基を含んでいてもよい。m、nは0または1であ
る。)で表される繰り返し単位を有する含ケイ素高分子
化合物を、不活性ガス中または減圧下、50〜700℃
で熱処理して得られた硬化物を、更に、不活性ガス中ま
たは減圧下、200〜3500℃で処理することを特徴
とするケイ素を含む傾斜材料の製造方法である。
【0009】また本発明は、一般式(1) (式中、R
1は水素原子または炭素数1から30のアルキル基、ア
ルケニル基、アルキニル基、フェニル基やナフチル基な
どの芳香族基、R2は炭素数1から30のアルキレン
基、アルケニレン基、アルキニレン基、フェニレン基や
ナフチレン基などの二価の芳香族基、R3は炭素数1か
ら30のアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン
基、フェニレン基やナフチレン基などの二価の芳香族
基、芳香族基が芳香族基と直接または架橋員を通して連
結した基、または芳香族基が炭素数1から30のアルキ
レン基、アルケニレン基、アルキニレン基と直接または
メチレン基、イソプロピリデン基、エーテル基、カルボ
ニル基、スルフィド基、シラネディル基などの架橋員を
通して連結した基であり、R1、R2、R3の各基はハロ
ゲン原子、水酸基、アミノ基、カルボキシル基などの置
換基を含んでいてもよい。m、nは0または1であ
る。)で表される繰り返し単位を有する含ケイ素高分子
化合物を、遷移金属、遷移金属錯体またはラジカル開始
剤の存在下で反応させることによって得られた硬化物
を、更に、不活性ガス中または減圧下、200〜350
0℃で処理することを特徴とするケイ素を含む傾斜材料
の製造方法である。
【0010】また本発明は、一般式(1) (式中、R
1は水素原子または炭素数1から30のアルキル基、ア
ルケニル基、アルキニル基、フェニル基やナフチル基な
どの芳香族基、R2は炭素数1から30のアルキレン
基、アルケニレン基、アルキニレン基、フェニレン基や
ナフチレン基などの二価の芳香族基、R3は炭素数1か
ら30のアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン
基、フェニレン基やナフチレン基などの二価の芳香族
基、芳香族基が芳香族基と直接または架橋員を通して連
結した基、または芳香族基が炭素数1から30のアルキ
レン基、アルケニレン基、アルキニレン基と直接または
メチレン基、イソプロピリデン基、エーテル基、カルボ
ニル基、スルフィド基、シラネディル基などの架橋員を
通して連結した基であり、R1、R2、R3の各基はハロ
ゲン原子、水酸基、アミノ基、カルボキシル基などの置
換基を含んでいてもよい。m、nは0または1であ
る。)で表される繰り返し単位を有する含ケイ素高分子
化合物および/または該含ケイ素高分子化合物の硬化物
を、酸素を1〜50%含むガス雰囲気中、50〜100
0℃で処理することにより得られる、ケイ素を含む傾斜
材料を提供するものである。
【0011】また本発明は、一般式(1) (式中、R
1は水素原子または炭素数1から30のアルキル基、ア
ルケニル基、アルキニル基、フェニル基やナフチル基な
どの芳香族基、R2は炭素数1から30のアルキレン
基、アルケニレン基、アルキニレン基、フェニレン基や
ナフチレン基などの二価の芳香族基、R3は炭素数1か
ら30のアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン
基、フェニレン基やナフチレン基などの二価の芳香族
基、芳香族基が芳香族基と直接または架橋員を通して連
結した基、または芳香族基が炭素数1から30のアルキ
レン基、アルケニレン基、アルキニレン基と直接または
メチレン基、イソプロピリデン基、エーテル基、カルボ
ニル基、スルフィド基、シラネディル基などの架橋員を
通して連結した基であり、R1、R2、R3の各基はハロ
ゲン原子、水酸基、アミノ基、カルボキシル基などの置
換基を含んでいてもよい。m、nは0または1であ
る。)で表される繰り返し単位を有する含ケイ素高分子
化合物および/または該含ケイ素高分子化合物の硬化物
を、酸素を1〜50%含むガス雰囲気中、50〜100
0℃で処理することにより得られる、材料の表面層から
1〜10000μmの範囲に酸素を含有するケイ素を含
む傾斜材料を提供するものである。
【0012】また本発明は、一般式(1) (式中、R
1は水素原子または炭素数1から30のアルキル基、ア
ルケニル基、アルキニル基、フェニル基やナフチル基な
どの芳香族基、R2は炭素数1から30のアルキレン
基、アルケニレン基、アルキニレン基、フェニレン基や
ナフチレン基などの二価の芳香族基、R3は炭素数1か
ら30のアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン
基、フェニレン基やナフチレン基などの二価の芳香族
基、芳香族基が芳香族基と直接または架橋員を通して連
結した基、または芳香族基が炭素数1から30のアルキ
レン基、アルケニレン基、アルキニレン基と直接または
メチレン基、イソプロピリデン基、エーテル基、カルボ
ニル基、スルフィド基、シラネディル基などの架橋員を
通して連結した基であり、R1、R2、R3の各基はハロ
ゲン原子、水酸基、アミノ基、カルボキシル基などの置
換基を含んでいてもよい。m、nは0または1であ
る。)で表される繰り返し単位を有する含ケイ素高分子
化合物および/または該含ケイ素高分子化合物の硬化物
を、酸素を1〜50%含むガス雰囲気中、50〜100
0℃で処理することを特徴とするケイ素を含む傾斜材料
の製造方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明における一般式(1)で表
される繰り返し単位を有する含ケイ素高分子化合物と
は、繰り返し単位中に少なくとも1個のSi−H結合
と、少なくとも1個のC≡C結合を有するものであっ
て、この繰り返し部分が少なくとも全高分子の1/3以
上を占める。具体的には、繰り返し単位が構造式(2)
(化3)
【0014】
【化3】 、構造式(3)(化4)
【0015】
【化4】 、構造式(4)(化5)
【0016】
【化5】 、構造式(5)(化6)
【0017】
【化6】 、構造式(6)(化7)
【0018】
【化7】 、構造式(7)(化8)
【0019】
【化8】 、構造式(8)(化9)
【0020】
【化9】 、構造式(9)(化10)
【0021】
【化10】 、構造式(10)(化11)
【0022】
【化11】 、構造式(11)(化12)
【0023】
【化12】 、構造式(12)(化13)
【0024】
【化13】 、構造式(13)(化14)
【0025】
【化14】 、構造式(14)(化15)
【0026】
【化15】 、構造式(15)(化16)
【0027】
【化16】 、構造式(16)(化17)
【0028】
【化17】 、構造式(17)(化18)
【0029】
【化18】 、構造式(18)(化19)
【0030】
【化19】 、構造式(19)(化20)
【0031】
【化20】 、構造式(20)(化21)
【0032】
【化21】 、構造式(21)(化22)
【0033】
【化22】 、構造式(22)(化23)
【0034】
【化23】 、構造式(23)(化24)
【0035】
【化24】 、構造式(24)(化25)
【0036】
【化25】 、構造式(25)(化26)
【0037】
【化26】 、構造式(26)(化27)
【0038】
【化27】 、構造式(27)(化28)
【0039】
【化28】 、構造式(28)(化29)
【0040】
【化29】 、構造式(29)(化30)
【0041】
【化30】 、構造式(30)(化31)
【0042】
【化31】 、構造式(31)(化32)
【0043】
【化32】 、構造式(32)(化33)
【0044】
【化33】 、構造式(33)(化34)
【0045】
【化34】 、構造式(34)(化35)
【0046】
【化35】 、構造式(35)(化36)
【0047】
【化36】 、構造式(36)(化37)
【0048】
【化37】 、構造式(37)(化38)
【0049】
【化38】 、構造式(38)(化39)
【0050】
【化39】 、構造式(39)(化40)
【0051】
【化40】 、構造式(40)(化41)
【0052】
【化41】 、構造式(41)(化42)
【0053】
【化42】 、構造式(42)(化43)
【0054】
【化43】 、構造式(43)(化44)
【0055】
【化44】 、構造式(44)(化45)
【0056】
【化45】 、構造式(45)(化46)
【0057】
【化46】 、構造式(46)(化47)
【0058】
【化47】 、構造式(47)(化48)
【0059】
【化48】 、または構造式(48)(化49)
【0060】
【化49】 で表されるものなどが挙げられる。重量平均分子量に特
に制限はないが、好ましくはく500〜100000
0、より好ましくは500〜500000である。形態
は液状または固体状である。これらの含ケイ素高分子化
合物の製造方法は、例えば、反応式(49)(化50)
【0061】
【化50】 (式中、R1は水素原子または炭素数1から30のアル
キル基、アルケニル基、アルキニル基、フェニル基やナ
フチル基などの芳香族基、R2は炭素数1から30のア
ルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、フェニ
レン基やナフチレン基などの二価の芳香族基、R3は炭
素数1から30のアルキレン基、アルケニレン基、アル
キニレン基、フェニレン基やナフチレン基などの二価の
芳香族基、芳香族基が芳香族基と直接または架橋員を通
して連結した基、または芳香族基が炭素数1から30の
アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基と直接
またはメチレン基、イソプロピリデン基、エーテル基、
カルボニル基、スルフィド基、シラネディル基などの架
橋員を通して連結した基であり、R1、R2、R3の各基
はハロゲン原子、水酸基、アミノ基、カルボキシル基な
どの置換基を含んでいてもよい。m、nは0または1で
ある。)のような方法を採用できるが、本発明はこれら
の製造方法に特に限定されるものではない。
【0062】これらの含ケイ素高分子化合物をそのまま
熱処理することによって目的とする傾斜材料を得ること
もできるが、該含ケイ素高分子化合物の硬化物を熱処理
するのが好ましい。
【0063】一般式(1)で表される繰り返し単位を有
する含ケイ素高分子化合物の硬化物を得るには、熱によ
る硬化、遷移金属、遷移金属錯体またはラジカル開始剤
を用いた反応による硬化のような方法を採用できるが、
本発明はこれらの製造方法に特に限定されるものではな
い。
【0064】熱で硬化させる場合は不活性ガス中、また
は減圧下で行う。本発明でいう不活性ガスとは、ヘリウ
ム、ネオン、アルゴン等の希ガス類元素の他に、窒素等
もその範囲にふくむものである。加熱温度は50〜70
0℃が適切である。加熱時間については特に制限はない
が、1分〜100時間が適切である。温度や時間は、含
ケイ素高分子化合物の種類、形状、形態によって異な
る。
【0065】次に遷移金属、遷移金属錯体またはラジカ
ル開始剤を用いた反応による硬化物の製造方法について
述べる。本発明は下記の製造法の例のみに限定されるも
のではない。反応容器内に一般式(1)で表される繰り
返し単位を有する含ケイ素高分子化合物、および遷移金
属、遷移金属錯体またはラジカル開始剤(触媒)および
必要に応じて溶媒を仕込む。これらの反応容器への仕込
みの順序は特に限定されるものではない。これらを同時
に、または原料や遷移金属、遷移金属錯体またはラジカ
ル開始剤(触媒)ないしは両方を反応中に連続してもし
くは断続的に反応容器内に供給してもよい。反応容器内
は反応前に高純度窒素、高純度アルゴン等の不活性ガス
で置換することが好ましい。反応容器を所定の反応温度
に制御しつつ、攪拌しながら所定の時間反応させる。目
的の化合物は反応液から濾過など通常の方法で容易に分
離精製することができる。
【0066】遷移金属としては、周期律表の第8族、第
9族または第10族の遷移金属、例えば、鉄、コバル
ト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オ
スミウム、イリジウム、白金等が挙げられる。また、遷
移金属錯体としては、周期律表の第8族、第9族または
第10族の遷移金属の錯体、例えば、RhXL3(式中、Xは
ハロゲン原子を、Lはホスフィン、ホスフィナイト、ホ
スフォナイト、またはホスファイトを示す。以下同
様)、Rh4(CO)12、Rh6(CO)16、[RhX(CO)2]2、RhX(CO)
L2、RhH(CO)L3、[RhX(CH2=CH2)2]2、[RhX(COD)]2(式
中、CODはシクロオクタジエンを示す。以下同様)、[Cp
RhX2]2(式中、Cpはシクロペンタジエニル基またはペン
タメチルシクロペンタジエニル基を示す。以下同様)、
CpRh(CH2=CH2)2、RuX2L3、Ru(CO)5、Ru(CO)2L3、Ru(CO)
4L、Ru3(CO)12、RuL5、[RuX2(CO)3]2、RuXH(CO)L3、RuH
2L4、RuH4L3、RuX2(RCN)L2(式中、Rはアルキル基、ア
リール基またはアラルキル基を示す。以下同様)、[CpR
uX2]2、Ru(COD)(COT)(式中、COTはシクロオクタテトラ
エンを示す。以下同様)、Fe(CO)5、Fe(CO)3L2、Os3(C
O)12、OsH2(CO)L3、Co2(CO)8、Co2(CO)5L2、Co4(C
O)12、HCo(CO)4、CoXL3、Ir4(CO)12、IrX(CO)L2、[IrX
(CH2=CH2)2]2、IrX(CH2=CH2)L2、[IrX(COD)]2、IrXL3
IrH5L2、Ni(CO)4、Ni(COD)2、Ni(CH2=CH2)L2、NiL4、Ni
X2L2、PdX2(RCN)2、PdX2L2、PdX2(RNC)2、Pd(OCOC
H3)2、PdL4、Pd(CO)L3、Pd(CH2=CH2)L2、Pd(COD)2、Pd
(dba)2(式中、dbaはジベンジリデンアセトンを示す。
以下同様)、PtX2(RCN)2、PtX2(COD)、PtX2L2、[PtX2(C
H2=CH2)]2、Pt(COD)2、PtL4、PtL3、Pt(CO)L3、PtHX
L2、Pt(dba)2などが挙げられるが、これらに限定される
ものではない。これらの触媒は助触媒として触媒の1〜
10等量のNEt3、PPh3等の配位子を加えて用いてもよ
い。例を挙げれば、PtCl2(PPh3)2にNEt3を2等量加えて
用いる、Pd(dba)2にPPh3を2等量加えて用いる等であ
る。また、これらの錯体は単独で、もしくは2種以上の
混合物として用いることもできる。
【0067】また、ラジカル開始剤としては、ジ−t−
ブチルペルオキシド、クメンペルオキシド、シクロヘキ
サンペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、
ジクミルペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシ
ド、クメンヒドロペルオキシドなど、過酸化ベンゾイ
ル、過酸化ラウロイル、次亜硝酸t−ブチル、アゾビス
イソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリ
ル、アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロ
ニトリル)、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、
アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、アゾビスイソ
酪酸ジメチル、アゾビスアミジノプロパン塩酸塩、アゾ
ビスシアノ吉草酸、アゾビス[2−(2−イミダゾリン
−2−イル)プロパン]、アゾビス[2−メチル−N−
(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、アゾビ
ス[2−(ヒドロキシメチル)プロピオニトリル]、ア
ゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、過硫酸ア
ンモン、過硫酸カリウムなどの過硫酸塩、過酸化水素-
鉄(II)塩、過硫酸塩−亜硫酸水素ナトリウム、クメン
ヒドロペルオキシド−鉄(II)塩、過酸化ベンゾイル−
ジメチルアニリンなど、ジイソプロピルペルオキシジカ
ルボナート、ジシクロヘキシルペルオキシジカルボナー
トなど、過酸化物(過酸化水素、t−ブチルヒドロペル
オキシドなど)−金属アルキル(トリエチルアルミニウ
ム、トリエチルホウ素、ジエチル亜鉛など)、酸素−金
属アルキル、過酸化アセチルなどがある。好ましくはア
ゾビスイソブチロニトリルである。
【0068】また、この場合更に助触媒(促進剤)とし
てジメチルアニリン、CoもしくはMnナフテートなどを用
いることができる。また、反応速度をコントロールする
ために、反応抑制剤としてメルカプタン類、芳香族ニト
ロ化合物などを同時に用いることができる。
【0069】遷移金属または遷移金属錯体の使用量は一
般式(1)で表される繰り返し単位1molに対して
0.0001〜0.5mol、好ましくは0.001〜
0.1molである。ラジカル開始剤の使用量は一般式
(1)で表される繰り返し単位を有する含ケイ素高分子
化合物1gに対して0.0001〜0.5g、好ましく
は0.001〜0.1gである。
【0070】溶媒はベンゼンやトルエン等の芳香族系溶
剤、シクロヘキサンや正ヘプタン等の飽和炭化水素系溶
剤、ジエチルエーテルやテトラヒドロフラン等のエーテ
ル系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系
溶剤等が有効に用いられる。溶媒の量は一般式(1)で
表される繰り返し単位を有する含ケイ素高分子化合物1
gに対して1〜5000ml、好ましくは5〜1000
mlである。
【0071】反応温度は遷移金属、遷移金属錯体または
ラジカル開始剤の種類によって決まるが、−50〜50
0℃、好ましくは−30〜200℃である。反応させる
ときの圧力は、減圧、常圧、加圧のいずれでもよいが、
常圧が好ましい。反応時間は仕込んだ化合物や触媒の量
にもよるが1分〜100時間、好ましくは10分〜50
時間が適当である。
【0072】次にケイ素を含む傾斜材料の製造方法につ
いて述べる。本発明にかかわる傾斜材料は上述の含ケイ
素高分子化合物および/または該含ケイ素高分子化合物
の硬化物を、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン等の不
活性ガス中、または減圧下で、200〜3500℃、好
ましくは1000〜3000℃の温度に加熱することに
よって製造する。昇温速度に制限はないが、例えば0.
0001℃/秒〜999℃/秒で行うことができ、特定
の温度において一定時間加熱後昇温する、特定の温度範
囲によって昇温速度を変える、また一つの材料において
部分的に加熱温度や加熱時間を変えるなど、目的とする
材料物性に応じて種々の加熱する条件を採用できる。
【0073】このようにして得られたケイ素を含む傾斜
材料の組成は、表面が低温で処理した場合には該含ケイ
素高分子化合物の熱硬化物、高温で処理した場合には炭
化ケイ素が炭素中に分散した層、内部が該含ケイ素高分
子化合物および/または該含ケイ素高分子化合物の硬化
物となっており、その中間は組成が連続的に変化してい
る。
【0074】表面の層の厚さは加熱温度、加熱時間によ
り、任意にコントロールすることが可能である。次に表
層部分に酸素を含んだケイ素を含む傾斜材料の製造方法
について述べる。本発明にかかわる傾斜材料は上述の含
ケイ素高分子化合物および/または該含ケイ素高分子化
合物の硬化物を、酸素を1〜50%を含むガス雰囲気
中、50〜1000℃、好ましくは200〜600℃の
温度に加熱することによって製造する。加熱時間につい
ては特に制限はないが、1分〜100時間が適切であ
る。温度や時間は、含ケイ素高分子化合物の硬化物の種
類、形状、形態によって異なる。
【0075】このようにして得られたケイ素を含む傾斜
材料の組成は、表層部分が酸素を含んだ含ケイ素高分子
化合物の硬化物で、内部が該含ケイ素高分子化合物およ
び/または該含ケイ素高分子化合物の硬化物となってい
る。その中間部分は組成が連続的に変化していて、表面
に近い部分ほど酸素含有量が多い。酸素を含む表層部分
の厚さは1〜10000μm、好ましくは10〜100
0μmである。酸素濃度、加熱温度、加熱時間により、
任意にコントロールすることが可能である。
【0076】
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明する。 実施例1 特開平5−345825に記載されている方法に従いポ
リ(フェニルシリレンエチニレン-1,3-フェニレンエチ
ニレン)を合成した。10リットルのガラス製反応容器
に、Mg(OH)2を500℃にて3時間排気焼成した
MgOを498g、フェニルシランを228g、m-ジエ
チニルベンゼンを266g、および溶媒としてベンゼン
4リットルを仕込んだ。次にアルゴン雰囲気中にて30
℃で1時間、40℃で1時間、50℃で1時間、60℃
で1時間、さらに80℃で2時間、合計6時間反応させ
た。反応終了後、反応液を濾過しMgOを分離除去し
た。濾過した反応液中の溶媒をポリマーが析出しない程
度に減圧留去した後、溶液を8リットルのヘキサン中に
注入し、ポリマーを析出させた。得られたポリマーを6
0℃にて減圧乾燥させ、最終的に319gの淡黄色の粉
末を得た(収率65%)。ポリマーの重量平均分子量は
6900、数平均分子量は2300であった。またその
構造はIR、NMRスペクトルにより確認した。
【0077】得られたポリマー7gをアルミニウム製の
ボート(1cm×1cm×11cm)に入れ、減圧下
(絶対圧、数mmHg)、10℃/分の速度で昇温し、
100℃で3時間処理した。さらに10℃/分で昇温
し、150℃で2時間加熱処理を行った。その後この固
形物をアルゴン雰囲気中にて10℃/分で昇温させなが
ら400℃まで上昇させ、その温度で2時間熱処理し
た。得られた黒色の成形物を研磨し、大きさ6.86c
m×0.97cm×0.22cmの直方体の成形材料を
得た。次にこの成形物を真空理工(株)製の赤外線ゴー
ルドイメージ炉(商品名)を用いて、アルゴン中にて1
00℃/秒で昇温させながら1000℃まで上昇させ、
その温度で10分間熱処理した。得られた傾斜材料の大
きさは6.83cm×0.96cm×0.21cmでひ
び割れは存在しなかった。
【0078】この傾斜材料を表面から厚み10μmでス
ライスし、各切片についてX線回折を測定した。その結
果表面付近ではケイ素は炭化ケイ素の形で存在している
ことがわかった。また炭化ケイ素のピークは表面から内
部にいくに従って弱くなり、深さ200μm以上では炭
化ケイ素は存在しなくなっていた。日本工業規格JIS
K 7201に従い、この傾斜材料の酸素指数を測定
したところ63であった。この値はポリ(フェニルシリ
レンエチニレン-1,3-フェニレンエチニレン)を400
℃で硬化させた材料の酸素指数42と比較すると大き
く、本発明における傾斜材料が耐熱性および耐燃焼性に
極めて優れていることを示している。また、日本工業規
格JIS K 7055に従い、この傾斜材料の曲げ破
壊強度を測定したところ25℃で76MPaであった。
この値はポリ(フェニルシリレンエチニレン-1,3-フェ
ニレンエチニレン)を400℃で硬化させた材料の曲げ
破壊強度9.6MPaと比較すると大きく、本発明にお
ける傾斜材料が力学的にも優れていることを示してい
る。
【0079】実施例2 ポリ(フェニルシリレンエチニレン-1,3-フェニレンエ
チニレン)7gをアルミニウム製のボート(1cm×1
cm×11cm)に入れ、減圧下(絶対圧、数mmH
g)、10℃/分の速度で昇温し、100℃で3時間処
理した。さらに10℃/分で昇温し、150℃で2時間
加熱処理を行った。この成形物を研磨し、大きさ7.1
0cm×0.98cm×0.20cmの直方体の成形材
料を得た。次にこの成形物を空気中にて10℃/分で4
00℃まで昇温させ、さらに400℃で2時間熱処理し
た。得られた傾斜材料の大きさは7.00cm×0.9
7cm×0.20cmでひび割れは存在しなかった。
【0080】この傾斜材料をエポキシ樹脂に包埋、切断
し、X線マイクロアナライザーで材料の表面から150
μm走査しO−Kαの強度を測定した。その結果を図1
に示した。これより表面層で酸素の濃度が高く、表面か
ら20μmまで徐々に酸素濃度が減少し、酸素を含まな
い層になることがわかった。日本工業規格JIS K
7201に従い、この傾斜材料の酸素指数を測定したと
ころ46であった。この値はポリ(フェニルシリレンエ
チニレン-1,3-フェニレンエチニレン)を400℃で硬
化させた材料の酸素指数42と比較すると大きく、本発
明における傾斜材料が耐熱性および耐燃焼性に優れてい
ることを示している。また、日本工業規格JIS K
7055に従い、この傾斜材料の曲げ破壊強度を測定し
たところ25℃で42MPaであった。この値はポリ
(フェニルシリレンエチニレン-1,3-フェニレンエチニ
レン)を400℃で硬化させた材料の曲げ破壊強度9.
6MPaと比較すると大きく、本発明における傾斜材料
が力学的にも優れていることを示している。
【0081】
【発明の効果】繰り返し単位中に少なくとも1個のSi
−H結合と、少なくとも1個のC≡C結合を有する高分
子化合物および/または該含ケイ素高分子化合物の硬化
物を、不活性ガス中または減圧下、200〜3500℃
で熱処理するか、または酸素を1〜50%含むガス雰囲
気中、50〜1000℃で熱処理することにより、耐
熱、耐燃焼性および力学特性にすぐれたケイ素を含む傾
斜材料を提供することができ、またその製造方法を確立
した。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2で得られた傾斜材料のX線マイクロア
ナライザーの測定結果である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 正義 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)(化1) 【化1】 (式中、R1は水素原子または炭素数1から30のアル
    キル基、アルケニル基、アルキニル基、フェニル基やナ
    フチル基などの芳香族基、R2は炭素数1から30のア
    ルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、フェニ
    レン基やナフチレン基などの二価の芳香族基、R3は炭
    素数1から30のアルキレン基、アルケニレン基、アル
    キニレン基、フェニレン基やナフチレン基などの二価の
    芳香族基、芳香族基が芳香族基と直接または架橋員を通
    して連結した基、または芳香族基が炭素数1から30の
    アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基と直接
    またはメチレン基、イソプロピリデン基、エーテル基、
    カルボニル基、スルフィド基、シラネディル基などの架
    橋員を通して連結した基であり、R1、R2、R3の各基
    はハロゲン原子、水酸基、アミノ基、カルボキシル基な
    どの置換基を含んでいてもよい。m、nは0または1で
    ある。)で表される繰り返し単位を有する含ケイ素高分
    子化合物および/または該含ケイ素高分子化合物の硬化
    物を、不活性ガス中または減圧下、200〜3500℃
    で処理することにより得られる、ケイ素を含む傾斜材
    料。
  2. 【請求項2】 一般式(1) (式中、R1は水素原子
    または炭素数1から30のアルキル基、アルケニル基、
    アルキニル基、フェニル基やナフチル基などの芳香族
    基、R2は炭素数1から30のアルキレン基、アルケニ
    レン基、アルキニレン基、フェニレン基やナフチレン基
    などの二価の芳香族基、R3は炭素数1から30のアル
    キレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、フェニレ
    ン基やナフチレン基などの二価の芳香族基、芳香族基が
    芳香族基と直接または架橋員を通して連結した基、また
    は芳香族基が炭素数1から30のアルキレン基、アルケ
    ニレン基、アルキニレン基と直接またはメチレン基、イ
    ソプロピリデン基、エーテル基、カルボニル基、スルフ
    ィド基、シラネディル基などの架橋員を通して連結した
    基であり、R1、R2、R3の各基はハロゲン原子、水酸
    基、アミノ基、カルボキシル基などの置換基を含んでい
    てもよい。m、nは0または1である。)で表される繰
    り返し単位を有する含ケイ素高分子化合物および/また
    は該含ケイ素高分子化合物の硬化物を、不活性ガス中ま
    たは減圧下、200〜3500℃で処理することを特徴
    とする請求項1記載のケイ素を含む傾斜材料の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 一般式(1) (式中、R1は水素原子
    または炭素数1から30のアルキル基、アルケニル基、
    アルキニル基、フェニル基やナフチル基などの芳香族
    基、R2は炭素数1から30のアルキレン基、アルケニ
    レン基、アルキニレン基、フェニレン基やナフチレン基
    などの二価の芳香族基、R3は炭素数1から30のアル
    キレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、フェニレ
    ン基やナフチレン基などの二価の芳香族基、芳香族基が
    芳香族基と直接または架橋員を通して連結した基、また
    は芳香族基が炭素数1から30のアルキレン基、アルケ
    ニレン基、アルキニレン基と直接またはメチレン基、イ
    ソプロピリデン基、エーテル基、カルボニル基、スルフ
    ィド基、シラネディル基などの架橋員を通して連結した
    基であり、R1、R2、R3の各基はハロゲン原子、水酸
    基、アミノ基、カルボキシル基などの置換基を含んでい
    てもよい。m、nは0または1である。)で表される繰
    り返し単位を有する含ケイ素高分子化合物および/また
    は該含ケイ素高分子化合物の硬化物を、酸素を1〜50
    %含むガス雰囲気中、50〜1000℃で処理すること
    により得られる、ケイ素を含む傾斜材料。
  4. 【請求項4】 一般式(1) (式中、R1は水素原子
    または炭素数1から30のアルキル基、アルケニル基、
    アルキニル基、フェニル基やナフチル基などの芳香族
    基、R2は炭素数1から30のアルキレン基、アルケニ
    レン基、アルキニレン基、フェニレン基やナフチレン基
    などの二価の芳香族基、R3は炭素数1から30のアル
    キレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、フェニレ
    ン基やナフチレン基などの二価の芳香族基、芳香族基が
    芳香族基と直接または架橋員を通して連結した基、また
    は芳香族基が炭素数1から30のアルキレン基、アルケ
    ニレン基、アルキニレン基と直接またはメチレン基、イ
    ソプロピリデン基、エーテル基、カルボニル基、スルフ
    ィド基、シラネディル基などの架橋員を通して連結した
    基であり、R1、R2、R3の各基はハロゲン原子、水酸
    基、アミノ基、カルボキシル基などの置換基を含んでい
    てもよい。m、nは0または1である。)で表される繰
    り返し単位を有する含ケイ素高分子化合物および/また
    は該含ケイ素高分子化合物の硬化物を、酸素を1〜50
    %含むガス雰囲気中、50〜1000℃で処理すること
    により得られる、材料の表面層から1〜10000μm
    の範囲に酸素を含有するケイ素を含む傾斜材料。
  5. 【請求項5】 一般式(1) (式中、R1は水素原子
    または炭素数1から30のアルキル基、アルケニル基、
    アルキニル基、フェニル基やナフチル基などの芳香族
    基、R2は炭素数1から30のアルキレン基、アルケニ
    レン基、アルキニレン基、フェニレン基やナフチレン基
    などの二価の芳香族基、R3は炭素数1から30のアル
    キレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、フェニレ
    ン基やナフチレン基などの二価の芳香族基、芳香族基が
    芳香族基と直接または架橋員を通して連結した基、また
    は芳香族基が炭素数1から30のアルキレン基、アルケ
    ニレン基、アルキニレン基と直接またはメチレン基、イ
    ソプロピリデン基、エーテル基、カルボニル基、スルフ
    ィド基、シラネディル基などの架橋員を通して連結した
    基であり、R1、R2、R3の各基はハロゲン原子、水酸
    基、アミノ基、カルボキシル基などの置換基を含んでい
    てもよい。m、nは0または1である。)で表される繰
    り返し単位を有する含ケイ素高分子化合物および/また
    は該含ケイ素高分子化合物の硬化物を、酸素を1〜50
    %含むガス雰囲気中、50〜1000℃で処理すること
    を特徴とする請求項3または4記載のケイ素を含む傾斜
    材料の製造方法。
  6. 【請求項6】 硬化物が、一般式(1) (式中、R1
    は水素原子または炭素数1から30のアルキル基、アル
    ケニル基、アルキニル基、フェニル基やナフチル基など
    の芳香族基、R2は炭素数1から30のアルキレン基、
    アルケニレン基、アルキニレン基、フェニレン基やナフ
    チレン基などの二価の芳香族基、R3は炭素数1から3
    0のアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、
    フェニレン基やナフチレン基などの二価の芳香族基、芳
    香族基が芳香族基と直接または架橋員を通して連結した
    基、または芳香族基が炭素数1から30のアルキレン
    基、アルケニレン基、アルキニレン基と直接またはメチ
    レン基、イソプロピリデン基、エーテル基、カルボニル
    基、スルフィド基、シラネディル基などの架橋員を通し
    て連結した基であり、R1、R2、R3の各基はハロゲン
    原子、水酸基、アミノ基、カルボキシル基などの置換基
    を含んでいてもよい。m、nは0または1である。)で
    表される繰り返し単位を有する含ケイ素高分子化合物
    を、不活性ガス中または減圧下、50〜700℃で熱処
    理して得られたものである請求項2または5記載の方
    法。
  7. 【請求項7】 硬化物が、一般式(1) (式中、R1
    は水素原子または炭素数1から30のアルキル基、アル
    ケニル基、アルキニル基、フェニル基やナフチル基など
    の芳香族基、R2は炭素数1から30のアルキレン基、
    アルケニレン基、アルキニレン基、フェニレン基やナフ
    チレン基などの二価の芳香族基、R3は炭素数1から3
    0のアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、
    フェニレン基やナフチレン基などの二価の芳香族基、芳
    香族基が芳香族基と直接または架橋員を通して連結した
    基、または芳香族基が炭素数1から30のアルキレン
    基、アルケニレン基、アルキニレン基と直接またはメチ
    レン基、イソプロピリデン基、エーテル基、カルボニル
    基、スルフィド基、シラネディル基などの架橋員を通し
    て連結した基であり、R1、R2、R3の各基はハロゲン
    原子、水酸基、アミノ基、カルボキシル基などの置換基
    を含んでいてもよい。m、nは0または1である。)で
    表される繰り返し単位を有する含ケイ素高分子化合物
    を、遷移金属、遷移金属錯体またはラジカル開始剤の存
    在下で反応させることによって得られたものである請求
    項2または5記載の方法。
  8. 【請求項8】 遷移金属または遷移金属錯体の中の金属
    が第8族、第9族または第10族の遷移金属である請求
    項7記載の方法。
  9. 【請求項9】 ラジカル開始剤がアゾビスイソブチロニ
    トリルである請求項7記載の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1427004A3 (en) * 2002-12-06 2005-06-22 JSR Corporation Insulation film
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