JPH10298195A - 糖残基を有する組織細胞に特異的な化合物 - Google Patents

糖残基を有する組織細胞に特異的な化合物

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JPH10298195A
JPH10298195A JP9126213A JP12621397A JPH10298195A JP H10298195 A JPH10298195 A JP H10298195A JP 9126213 A JP9126213 A JP 9126213A JP 12621397 A JP12621397 A JP 12621397A JP H10298195 A JPH10298195 A JP H10298195A
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比呂之 石原
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和孝 中本
Naoichi Murahashi
直一 村橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、糖構造を特異的に認識する細胞にオ
リゴヌクレオチドや薬剤を特異的に移行させることがで
きる化合物を提供するものである。 【解決手段】本発明は、下記一般式(I)、 【化1】 (上記式中、X−W−基は、オリゴヌクレオチドもしく
はその誘導体又は薬剤を含有する部分を表し、T1、T2
は、スペーサー部分を表し、T3、T4、およびT5は、
同一または異なっていてもよく、それぞれ−CONH
−、−NHCO−、または−O−を表し、T6は、−C
OO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、又
は、−O−基を表し、F1およびF2は、糖を含有する部
分を表し、mは、0〜10の整数を表し、nは、0〜4
の整数を表し、pは、0〜4の整数を表し、qは、0〜
4の整数を表し、そしてrは、1を表す)で表される化
合物、その塩又はその溶媒和物に関する。本発明の化合
物は、組織細胞に特異的な、抗ウイルス剤や抗腫瘍剤と
して有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、その末端に糖残基
を有する組織細胞に特異的な化合物に関し、更に詳細に
はこの化合物はオリゴヌクレオチド等が導入されたオリ
ゴヌクレオチド等の誘導体であり、アンチセンスなどに
よる組織、特に臓器に特異的な治療剤に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、オリゴヌクレオチド、特にアンチ
センスオリゴヌクレオチド、を用いて目的とする遺伝子
の発現を抑制等する試みがなされている。しかしなが
ら、オリゴヌクレオチドを生体に直接投与すると、血液
中で容易に分解されるか、またはその大部分が尿中に容
易に排泄されてしまうことが指摘されていた。また、オ
リゴヌクレオチドは、目的とする病変臓器細胞に取り込
まれず、分解または排泄されてしまうことも指摘されて
いた。かかる問題を解決するため、アシアロオロソムコ
イドとポリ−L−リジンのコンジュゲートを作成し、ヒ
トB型肝炎ウイルスに対するアンチセンスオリゴヌクレ
オチドとイオン的相互作用に基づいた複合体を形成させ
ることにより、そのウイルス性タンパク質の生合成抑制
効果を増強できること(G. Y. Wu and C. H. Wu.(1992)
J. Biol. Chem. 267, 12436) および同様な複合体を用
いてクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ
遺伝子を肝臓に送達し、発現させ得ること(G. Y. Wu an
d C. H. Wu.(1991) Biotherapy 3, 879)が報告されてい
る。これらの技術はWO93/04701号および同9
2/20316号に記載されている。また、遺伝子の二
重らせん構造内に入り込む化合物(すなわち、インター
カレータ)を糖誘導体に共有結合させ遺伝子と混合する
ことにより調整した複合体が、糖を特異的に認識する細
胞に取り込まれ、効率よく遺伝情報を発現させる上で有
用であることがWO93/19768号に記載されてい
る。Nakaiらは、アンチセンス核酸の複合体を静注
し、この複合体の肝臓移行量をシュミレーションした結
果、複合体が血中で解離しやすいため、これら非共有結
合による複合体では、十分な肝移行性を得られないこと
を示した。(D. Nakai, T. Seita, andY. Sugiyama.(199
5) PHARM JAPAN, 11, 27)。
【0003】一方、カルボキシメチル化したデキストラ
ンにガラクトースを導入したもの(M. Nishikawa, et a
l.(1993) Pharmaceutical Research 10 1253)およびポ
リ−L−グルタミン酸にガラクトースを導入したもの
(H. Hirabayashi, et al. (1994)日本薬学会第114年
会 一般講演30(6)15−4)が、肝実質細胞に選
択的に分布することが知られている。また、本発明者ら
は、オリゴヌクレオチドと、その末端に単糖残基を有す
るアミダイト誘導体との複合体が、臓器特異的な移行性
を示し、かつ、臓器細胞における特定遺伝子の発現を抑
制等をすることを報告してきた(WO96/3038
6)。しかし、このアミダイド誘導体は親水性の部分が
多く含まれているため吸湿性が高く、水分の混入しやす
かった。そのため、水分による分解が生じやすく不安定
であり、アンチセンス核酸とのコンジュゲートの生成量
がかならずしも一定ではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、水
分などに対して安定で、かつ、アンチセンス核酸とのコ
ンジュゲートの生成量が一定している、オリゴヌクレオ
チドを臓器、特に肝臓、細胞内に取り込ませることがで
きる化合物を提供することをその目的とする。
【0005】
【課題を解決する手段】本発明は、下記の一般式
(I)、
【0006】
【化11】 (前記化1と同じ)
【0007】(上記式中、Wは、炭素数1〜10の直鎖
又は分枝したアルキレン基を表し、Xは、下記式(I
I)、
【0008】
【化12】 (前記化2と同じ)
【0009】(上記式中、Zは、オリゴヌクレオチドま
たはその誘導体を表す)で表される基を表すか、又は、
Xと隣接するWが一緒になって薬剤を表し、T1は、−
(CH2)s−(ここで、sは2〜10の整数を表
す)、または、−(CH2CH2O)t−(CH22
(ここで、tは1〜3の整数を表す)を表し、T2は、
−(CH2)u−(ここで、uは2〜10の整数を表
す)、−(CH2CH2O)v−(CH22−(ここで、
vは1〜3の整数を表す)、または、下記式(II
I)、
【0010】
【化13】 (前記化3と同じ)
【0011】(上記式中、T1*およびT1**は、前記し
たT1において定義された内容と、そしてn*、p*
*、T3*、T4*、およびF3は後述するn、p、q、T
3、T4、およびF1において定義された内容と、それぞ
れ同一の内容を表すが、これらとは同一または異なって
いてもよい)で表される基を表し、T3、T4、およびT
5は、同一または異なっていてもよく、それぞれ−CO
NH−、−NHCO−、または−O−を表すが、但し、
3、T4、およびT5のいずれかが−O−を表すとき
は、他の2つの基は−O−以外の基を表し、T6は、−
COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、
又は、−O−基を表し、F1およびF2は、同一または異
なっていてもよく、単糖類もしくはこれらの誘導体、ま
たはこれらからなる多糖類を表し、
【0012】mは、0〜10の整数を表し、nは、0〜
4の整数を表し、pは、0〜4の整数を表し、qは、0
〜4の整数を表し、そしてrは、1を表す)で表される
化合物、その塩又はその溶媒和物に関する。本発明の一
般式(I)で表される化合物は、オリゴヌクレオチドや
薬剤を臓器、特に肝臓、や組織細胞内に特異的に取り込
ませることができ、組織に特異的な医薬として有用であ
る。したがって、本発明は、前記一般式(I)で表され
る化合物及び製薬上許容される担体とからなる医薬組成
物に関する。また、本発明は、一般式(IV)、
【0013】
【化14】
【0014】(式中に示される各置換基は、前記一般式
(I)と同じである。)で表される化合物、その塩又は
その反応性誘導体に関する。本発明の一般式(IV)で
表される化合物は、前記一般式(I)で表される化合物
を製造する際の中間体として有用である。
【0015】本発明の一般式(I)における置換基
1、F2、およびF3は、単糖類若しくはその誘導体又
はそれらからなる多糖類であり、これらの糖残基は組織
細胞に特異的な受容体に結合し得るものであれば特に制
限はなく、受容体に結合し、目的の臓器又は組織細胞に
一般式(I)の置換基Xの部分に結合しているオリゴヌ
クレオチドや薬剤を取り込ませることができる糖残基で
あればよい。また、これらの誘導体としては、例えば、
糖残基中の水酸基やアミノ基のN−またはO−アシル誘
導体(例えばN−又はO−アセチル誘導体)、N−又は
O−アルキル誘導体(このアルキル基はさらに置換され
ていてもよい。例えば、カルボキシメチル基などのよう
なカルボキシル基で置換されていてもよい。)、それら
の硫酸、リン酸またはカルボン酸等の無機酸又は有機酸
とのエステル誘導体(例えば硫酸エステル誘導体)など
が挙げられる。
【0016】置換基F1、F2、およびF3の糖類として
は、例えば、ガラクトース、マンノース、ラクトース、
グルコース、メリビオース、ゲンチビオース、イソマル
トトリオース、フェニルグルコシド、ガラクトサミン、
N−ベンゾイルガラクトサミン、N−アセチルガラクト
サミン、グルコサミン、N−ベンゾイルグルコサミン、
N−アセチルグルコサミン、ラクトサミン、N−アセチ
ルラクトサミンなどを挙げることができる。好ましく
は、ガラクトサミン、ガラクトース、N−アセチルガラ
クトサミンンを挙げることができ、より好ましくは、N
−アセチルガラクトサミンを挙げることができる。
【0017】置換基F1、F2およびF3の糖残基の中
の、反応に関与しない水酸基又はアミノ基は保護されて
いてもよい。このような保護基としてはアシル基が挙げ
られ、好ましくは直鎖状または分枝鎖状のC16(好ま
しくはC14)アルキルカルボニル基、より好ましくは
アセチル基、である。また、これらの糖残基の中の反応
に関与しない水酸基は保護されていてもよいが、これら
の水酸基は保護されていないことが好ましい。ここで糖
残基は、その糖分子が有する水酸基(好ましくはアノマ
ー位の水酸基)の水素原子が一つの除かれたものを意味
する。この場合、F1、F2およびF3と、T1、T2およ
びT1**との結合は、αグリコシド結合であってもβグ
リコシド結合であってもよい。
【0018】置換基T1およびT2は、糖残基と分岐部分
とをつなぐスペーサー部分に相当し、適度の水溶性を与
える部分であり、かつ、糖残基と分岐部分との適度の距
離を保たせるための部分である。したがって、このよう
な機能を有すれば特に制限されるものではないが、エチ
レングリコール単位で0〜10程度、また、アルキルス
ペーサーとして炭素数0〜10個程度が好ましく、前記
で定義したsおよびuでは2〜10、より好ましくは2
〜8の整数を表し、同様にtおよびvは1〜3、より好
ましくは2の整数を表す。本発明による化合物は、一般
式(I)のT2において前記した式(III)を有していて
もよい。この式(III)で表される基は、一般式(I)
において、X−(CH2)m−(T5)r−および−F2
の部分を除いた部分と実質的に同一の意味を有する()
但し、式(III)中では、F1がF3になっている。)。従
って、T1*およびT1**はT1において定義された内容と
同じ内容を表すが、これらとT1は同一または異なって
いてもよい。また、n*、p*、およびq*は、n、p、
およびqにおいて定義された内容と同じ範囲の整数を表
すが、これらとn、p、およびqとは同一または異なっ
ていてもよい。さらに、T3*、T4*、およびF3は、
3、T4、およびF1において定義された内容と同一の
内容を表すが、これらとT3、T4、およびF1とは同一
または異なっていてもよい。
【0019】一般式(I)において、T3、T4、および
5は、同一または異なっていてもよく、それぞれ−C
ONH−、−NHCO−、または−O−を表し、好まし
くは−CONH−を表す。但し、T3、T4、およびT5
のいずれかが−O−を表すときは、他の2つの基は−O
−以外の基を表すものであるが、好ましくは、−CON
H−又は−NHCO−基をあげることができる。T
6は、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NH
CO−、又は、−O−基を表し、好ましくは−CONH
−、−NHCO−、−COO−又は−OCO−基であ
り、より好ましくは−CONH−基である。Wは、炭素
数1〜20の直鎖又は分枝したアルキレン基を表し、好
ましくは炭素数1〜10のものであり、より好ましくは
炭素数3〜8のもである。F1およびF2は、同一または
異なっていてもよく、単糖類もしくはこれらの誘導体、
またはこれらからなる多糖類を表し、
【0020】また、一般式(I)中の整数値mは、0〜
1の整数を表し、好ましくは0または2〜10、より好
ましくは3〜9の整数を表し、nは、0〜4の整数を表
し、好ましくは0〜2、より好ましくは0であり、p
は、0〜4の整数を表し、好ましくは0〜2、より好ま
しくは0であり、qは、0〜4の整数を表し、好ましく
は1または2、より好ましくは2の整数を表し、そし
て、rは、0または1の整数を表し、好ましくは1の整
数を表す。ここで、rが0の場合には、−(T5)r−
のT5は存在せず、この基は単結合を表すことになる。
【0021】式(II)においてZが表すオリゴヌクレオ
チドとしては、オリゴデオキシリボヌクレオチド(DN
A)およびオリゴリボヌクレオチド(RNA)が挙げら
れる。また、その塩基配列および塩基数は特に限定され
ず、化合物の用途に応じて適宜決定することができる。
ヌクレオチドの誘導体としては、下記式で表されるよう
にリン酸エステル結合部分の一つまたは二つの酸素原子
が他の原子または基と置換されたものが挙げられる。
【0022】
【化15】
【0023】A1およびA2の組み合わせ、並びにその誘
導体名は以下の通りである。
【0024】
【表1】
【0025】表中、Rはアルキル基を表す。なお、置換
はヌクレオチド中のリン酸エステル結合の全部または一
部において行われていてもよく、また、リン酸エステル
結合ごとに異なる原子または基により置換がなされてい
てもよい。合成が簡便なオリゴヌクレオチド誘導体とし
ては、天然型のホスホジエステルの他にホスホロチオエ
ート誘導体が挙げられる。Zが表すオリゴヌクレオチド
は、アンチセンスオリゴヌクレオチドであることができ
る。アンチオリゴヌクレオチドとしては、抗ウイルス作
用を示すもの、具体的にはB型肝炎ウイルスの表面抗原
(HBsAg)に対するもの(Goodarzi, G., et al. (1
990) J. Gen. Virol. 71. 3021)、およびエンベロープ
タンパク質(HBeAg)に対するもの(Blum, H. E.,
et al. (1991) Lancet 337, 1230)等が挙げられる。こ
れら以外にもインターフェロンの抗ウイルス作用の本態
として知られている2’,5’−オリゴアデニレート、
または癌遺伝子の発現を抑制するものが挙げられる。
【0026】Zが表すオリゴヌクレオチドとしては、例
えば、配列番号1〜4に記載されるDNA配列が挙げら
れる。配列番号1に記載の配列は、マウス肝炎ウイルス
JHM−X株遺伝子RNAのリーダー部分にに相補的な
配列を有する20merのオリゴデオキシヌクレオチド
(アンチセンス配列)である。配列番号2に記載の配列
は、ヒトc−myc遺伝子由来のメッセンジャーRNA
の翻訳開始コドンから3′端側へ5コドンまでの部分の
塩基配列と同じ配列を有する15merのオリゴデオキ
シヌクレオチド(センス配列)である。配列番号3に記
載の配列は、ヒトc−myc遺伝子由来のメッセンジャ
ーRNAの翻訳開始コドンから3′端側へ5コドンまで
の部分の塩基配列に相補的な配列を有する15merの
オリゴデオキシヌクレオチド(アンチセンス配列)であ
る。配列番号4に記載の配列は、ラット上皮細胞成長因
子受容体タンパク質のメッセンジャーRNAの3′未満
から33番目〜50番目までの塩基配列に相補的な配列
を有する18merのオリゴデオキシヌクレオチド(ア
ンチセンス配列)である。
【0027】本発明の一般式(I)で表される化合物の
置換基X−W−は、オリゴヌクレオチドを含有するのみ
ならず、基Xと基Wが一緒になって生理活性を有する薬
剤であってもよい。ここで使用できる薬剤としては、組
織、臓器に特異的に作用するものであって、分子中に一
般式(IV)の末端のカルボキシル基などの反応性の官
能基と化学結合をし得る反応性の官能基、例えば、アミ
ノ基や水酸基などの官能基を有するものであれば特に制
限はない。これらの薬剤としては、例えば、ヒドロクロ
ロチアジド、トリクロロメチアジド、プラバスタチン、
エチレフリン、アムリノン、アクチノマイシンD、ダウ
ノルビシン、マイトマイシンC、ドキソルビシン、エピ
ルビシン、ニムスチン、ペンフルチド、メトトレキセー
ト、アシクロビル、ビダラビン、ara-A、ara-AMP、
ara-C、アマンタジン、リマンタジン、アラノシン、シ
ネファンジン、アジドチミジン、セフォタキシム、セフ
ォジジムなどが挙げられる。
【0028】本発明の一般式(I)で表される化合物の
塩としては無機酸又は有機酸との塩などをあげることが
でき、また、溶媒和物としては水和物などが挙げられ
る。本発明の一般式(I)で表される化合物は、その末
端に糖残基を有する。従って、本発明の一般式(I)で
表される化合物は、特定の糖構造を特異的に認識する細
胞に特異的に移行させることができる。そして、一般式
(I)で表される化合物が有している置換基Zの部分の
オリゴヌクレオチド又は薬剤を、特定の組織細胞に特異
的に取り込ませることが可能となる。
【0029】本発明による好ましい化合物群としては、
式(I)で表される化合物であって、T1が、−(C
2)s−(ここで、sは2〜8の整数を表す)、また
は−(CH2CH2O)2−(CH22−を表し、T2が、
−(CH2)u−(ここで、uは2〜8の整数を表
す)、−(CH2CH2O)2−(CH22−、または前
記基(IV)(基中、T1*およびT1**は前記したT1と、
そしてn*、p*、q*、T3、T4*およびF3は後述する
n、p、q、T3、T4、およびF1と、それぞれ同一の
意味を表すが、これらとは同一または異なっていてもよ
い)を表し、T3、T4、およびT5が、−CONH−を
表し、F1およびF2が、同一または異なっていてもよ
く、それぞれガラクトース、ガラクトサミン、N−アセ
チルガラクトサミン、ラクトース、ラクトサミン、また
はN−アセチルラクトサミンを表し、mが、0または2
〜10の整数を表し、nが、0〜2の整数を表し、p
が、0〜2の整数を表し、qが、0〜2の整数を表し、
そしてrが、1を表すもの、が挙げられる。更に好まし
い本発明による化合物は、次の一般式(Ia)で表され
る化合物である。
【0030】
【化16】
【0031】(上記式中、Xは、下記式(II)、
【0032】
【化17】
【0033】(上記基中、Zは、オリゴヌクレオチドま
たはその誘導体を表す)で表される基を表し、T1は、
−(CH2)s−(ここで、sは2〜8の整数を表
す)、または−(CH2CH2O)2−(CH22−を表
し、T2は、−(CH2)u−(ここで、uは2〜8の整
数を表す)、−(CH2CH2O)2−(CH22−、ま
たは、下記式(III)、
【0034】
【化18】
【0035】(上記式中、T1*およびT1**は前記した
1において定義された内容と、そしてF3は後述するF
1において定義された内容と、それぞれ同一の内容を表
すが、これらとは同一または異なっていてもよい)を表
し、F1およびF2は、同一または異なっていてもよく、
ガラクトース、グルコース、およびガラクトサミンから
選択される単糖もしくはこれら単糖の誘導体、またはこ
れら単糖および/または単糖の誘導体からなる二糖類を
表し、これら単糖およびその誘導体並びに二糖類の反応
に関与しない水酸基は保護されていてもよく、そしてm
は、3〜9の整数を表す)
【0036】本発明のより好ましい一般式(I)で表さ
れる化合物の例としては、次の一般式(Ib)、
【0037】
【化19】
【0038】(式中、各置換基は前記と同様のものを示
す。)で表される化合物をあげることができる。また、
さらに好ましい一般式(I)で表される化合物の例とし
ては、次の一般式(Ic)、
【0039】
【化20】
【0040】(式中の各置換基は、前記のものと同様の
ものを意味する。)で表される化合物をあげることがで
きる。
【0041】本発明の一般式(I)で表される化合物の
うち、置換基T6がカルボキシル基から誘導される基、
例えば−CONH−基などの場合の化合物は、一般式
(IV)で示される化合物と、次式(V)又は(V
I)、 X−W−NH2 (V) X−W−OH (VI) (式中、置換基X及びWは前記したものを示す。)で表
される化合物とを、通常のカップリング反応によりカッ
プリングさせることにより製造することができる。本発
明の一般式(IV)で表される化合物の反応性誘導体と
しては、混合酸無水物や酸ハロゲン化物、活性エステル
(例えば、N−ヒドロキシスクシンイミドエステルな
ど)などの反応性を有するカルボン酸誘導体が挙げられ
る。
【0042】本発明の一般式(I)で表される化合物の
うち、置換基T6が単原子の官能基から誘導される基、
例えば−O−基、−NHCO−基などの場合の化合物
は、一般式(VII)、
【0043】
【化21】
【0044】(式中、置換基R1は脱離基、水酸基又は
アミノ基を示し、その他の置換基は前記と同様のものを
示す。)で表される化合物と、前記式(V)若しくは
(VI)又は次式(VIII)、 X−W−COOH (VIII) (式中、置換基X及びWは前記したものを示す。)で表
される化合物とを、通常のカップリング反応によりカッ
プリングさせることにより製造することができる。これ
らのカップリング反応は、通常のエステル化、アミド化
又はエーテル化などの方法により行うことができるが、
好ましくはペプチド化学で行われる方法があげられる。
【0045】前記の一般式(IV)又は(VII)で表
される化合物は、種々の方法で製造することができる。
例えば、次の(1)〜(3)の方法を示すことができ
る。 (1)下記式(IX)、
【0046】
【化22】
【0047】(上記式中、R1ハロゲン原子または保
護されたもしくは保護されていない水酸基、アミノ基も
しくはカルボキシル基を表し、T14、F1、F2、n、
p、およびqは前記と同一内容を表すが、F1およびF2
の反応に関与しない官能基は保護されているのが好まし
い)で表される化合物と、下記式(X)、 R2−(CH2m−R1 (X) (上記式中、R2はハロゲン原子、又は、保護されてい
てもよい水酸基、アミノ基若しくはカルボキシル基を表
し、R1は前記と同一内容を表し、mは前記と同一内容
を表す。)で表される2官能性化合物、例えば、ジカル
ボン酸、ジアミン、アミノ酸など化合物の片方の官能基
を反応に関与しないようにペプチド化学などに使用され
る保護基で保護しておき、他の官能基を反応性の基に活
性化させた反応性の化合物と反応させることにより製造
することができる。例えば、アミド結合させる場合には
縮合剤(例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド)の
存在下で行う縮合法、クロル炭酸イソブチル等の存在下
で行う混合酸無水物法、またはヒドロキシコハク酸イミ
ド等を用いる活性エステル法によって反応させることに
より得ることができる。また、エーテル結合させる場合
には、対応するハロゲン化合物とアルコキシドとの縮合
反応によって得ることができる。この場合、反応温度お
よび反応時間はこれらの方法に通常用いられている条件
を適用することができる。より具体的に示せば、上記式
(IX)の化合物の置換基R1がアミノ基のものは、そ
のBoc(ベンジルオキシカルボニル基)保護基を定法
によりトリフルオロ酢酸で除去することにより得ること
ができ、これを別に調製したモノベンジル基で片方のカ
ルボキシル基を保護したアジピン酸の活性エステルとカ
ップリングさせることによりモノベンジル基で保護され
たカルボン酸誘導体を得ることができる。上記式(I
X)の化合物は、下記式(XI)、
【0048】
【化23】
【0049】(上記式中、R1、n、p、およびqは前
記と同一内容を表す。)で表される化合物と、下記式
(XII)、 R1−T1−F1 (XII) (上記式中、R1、T1、およびF1は前記と同一の内容
を表す。)で表される化合物とを、上記と同様に縮合反
応等によって反応させ、場合によっては脱保護すること
によって得ることができる。また、式(IX)において
2が前記基(III)で表される場合は、上記式(X
I)の化合物同士(これらは互いに同一であっても異な
っていてもよい)を同様に縮合反応等によって反応さ
せ、場合によっては脱保護し、次いで式(XII)で表
される化合物を反応させることによって得ることができ
る。
【0050】より具体的には、N−Boc−グルタミル
−γ−グルタミン酸の3個のカルボキシル基の保護基の
ベンジル基を接触還元などにより除去し、N−ヒドロキ
シスクシンイミドエステルなどとして活性化し、これを
別に調製した前記式(XII)の置換基R1がアミノ基
である化合物と通常の方法で反応させることにより、前
記式(IX)で表される化合物のアミド誘導体を得るこ
とができる。また、式(XII)で表される化合物は、
市販の糖のアセチル誘導体、又は無保護の糖を定法によ
りアセチル化した糖のアセチル誘導体等の保護された糖
類や還元末端を定法により選択的に活性化した糖類の保
護体と、末端の官能基が耐酸性の保護基で保護されたス
ペーサー用のアルコール誘導体を、必要に応じて活性化
させて、通常の方法にしたがって、酸触媒(例えば、三
フッ化ホウ素ジエチルエーテラート、トリフルオロメタ
ンスルホン酸など)の存在下に、グリコシル化すること
により製造することができる。 (2)下記式(XIII)、
【0051】
【化24】
【0052】(上記式中、R1、R2、T5、m、n、
p、およびqは前記と同一内容を表す。)で表される化
合物と、前記式(XII)で表される化合物とを、上記
と同様に縮合反応等によって反応させ、場合によっては
脱保護することにより得ることができる。上記式(XI
II)の化合物は、前記式(XI)の化合物と前記式
(X)の化合物とを上記と同様に縮合反応等によって反
応させ、場合によっては脱保護することにより得ること
ができる。また、式(I)においてT2が前記基(II
I)で表される化合物は、上記式(X)の化合物と上記
式(XIII)の化合物とを同様に縮合反応等によって
反応させ、場合によっては脱保護し、次いで式(XI
I)の化合物を反応させることによって得ることができ
る。 (3)下記式(XIV)
【0053】
【化25】
【0054】(上記式中、T15、R2、m、n、p、
q、およびrは前記と同一内容を表す。)で表される化
合物と、下記式(XV)の化合物: D−F* (XV) (上記式中、Dはハロゲン原子、アシルオキシ基(例え
ばアセトキシ基)、またはCCl3C(=NH)O−な
どの脱離基を表し、F*は前記F1またはF2を表す。)
で表される化合物とを、−20℃〜室温の反応温度およ
び10分〜24時間の反応時間のもとでグリコシル化反
応を行い、場合によっては脱保護することにより得るこ
とができる。上記式(XIV)の化合物は、上記式(X
III)の化合物と下記式(XVI)の化合物: R3−T1−R2 (XVI) (上記式中、R2、R3およびT1は前記と同一内容を表
す。)とを、同様に縮合反応等によって反応させ、場合
によっては脱保護することによって得ることができる。
【0055】前記の一般式(V)、(VI)又は(VI
II)で表される化合物は、前記の一般式(I)におけ
る置換基Xがオリゴヌクレオチドである場合には、ヌク
レオチドとを、通常用いられるDNAの合成方法、例え
ばβシアノエチルホスホルアミダイド法によって結合さ
せることによって得ることができる。β−シアノエチル
ホスホロアミダイド法は、まず、ヌクレオチドを固相に
固定し、次いでこのヌクレオチドに活性化試薬(テトラ
ゾール等)によって活性化されたアミダイトモノマー
(結合に関与しない水酸基等は保護されていることが好
ましい)をカップリングさせ、更に酸化剤(例えばヨウ
素水溶液)で酸化し、固相から切り出し、場合によって
は脱保護することによって行われる。固相に固定する天
然型のホスホジエステル型オリゴヌクレオチドは、この
反応を繰り返し行うことによって事前に得ることができ
る。
【0056】また、ホスホロチオネート型オリゴヌクレ
オチドは、酸化反応に遊離の硫黄原子を発生しうる試薬
(例えばBeaucage試薬等)を用いることにより、合成す
ることができる。また、種々のリン酸エステル結合は、
リン酸部分の酸素原子を種々の官能基で置き換えたアミ
ダイトを用いることで形成できる。例えば、5′−ジメ
トキシトリチルデオキシヌクレオシド3′−(ジメチル
アミノ)ホスホロチオアミダイトを用い、硫黄原子で酸
化することによりホスホロジチオネート型オリゴヌクレ
オチドを得ることができる(W. K. D. Bill, et al. (1
989) J. Am. Chem. Soc. 111, 2321)。また、5′−ジ
メトキシトリチルデオキシヌクレオシド 3′−メチル
ホスホネートとメシチレンスルホニル−3−ニトロトリ
アゾールを用いることによりメチルホスホネート型リン
酸エステル結合を形成させることができる(P. S. Mill
er, et al. (1983) Nucleic Acid Rec. 11, 6225)。ま
た、5′−ジメトキシトリチルデオキシヌクレオシド
3′−O−エチル−N,N−ジイソプロピルホスホルア
ミダイトを用いることによりエチルホスホトリエステル
型リン酸エステル結合を形成させることができる(K.
A. Gallo, et al. (1986) Nucleic Acid Res. 14, 740
5)。
【0057】合成終了後の化合物の精製は、分配クロマ
トグラフィー(例えば、オクタデシルシリカゲルカラ
ム)、イオン交換クロマトグラフィー(例えば、陰イオ
ン交換カラム)、アフィニティークロマトグラフィー
(例えば、RCAレクチンアフィニティーカラム)等に
よって行うことができる。
【0058】本発明の一般式(I)で表される化合物の
置換基X−W−の部分を、1級又は2級のアミノ基など
の反応性の官能基を有する薬剤から当該官能基、例え
ば、アミノ基、を除いた基とすることもできる。この場
合には、薬剤の例えば、アミノ基を必要に応じて活性化
させておき、前記一般式(IV)で表される化合物と通
常のアミド化反応により、一般式(I)で表される化合
物を製造することができる。この場合に使用する薬剤と
しては、1級又は2級のアミノ基を有する薬剤であれば
よいが、組織細胞に特異的な作用を有する薬剤が好まし
い。
【0059】さらに、本発明の化合物の製造法をより具
体的に説明するが、本発明の化合物がこれらの具体的な
化合物に限定されるものではない。まず、原料化合物3
は、次式で示される反応式により製造することができ
る。
【0060】
【化26】
【0061】この反応式で表される糖誘導体の製造法を
以下にさらに具体的に説明する。上記製造法は、アセチ
ル基で保護したガラクトース誘導体をアジドアルコー
と反応させ化合物を得るものである。アセチル基
で保護したガラクトース誘導体の1ミリモルに対して
1.1〜3ミリモル程度のアジドアルコールを、ルイ
ス酸(例BF3OEt2)2〜12ミリモル程度とモレキ
ュラーシーブスを用い、溶媒としてハロゲン化炭素類
(例塩化メチレン、クロロホルム)、エーテル類(例ベ
ンゼン、トルエン)、アセトニトリル、ピリジン、ジメ
チルホルムアミドそしてジメチルスルホキシドを用いる
ことができるが、この中でも望ましくは塩化メチレンを
用い、−78℃〜80℃程度、望ましくは0℃〜25℃
程度で通常反応時間0.5〜20時間程度、望ましくは
2〜12時間程度反応させて化合物を得ることができ
る。
【0062】糖部分がガラクトサミンである原料化合物
3’は、前記の反応と同様な方法、即ち、次式で示され
る反応式により製造することができる。
【0063】
【化27】
【0064】この反応式で表される糖誘導体の製造法を
以下にさらに具体的に説明する。市販のガラクトサミン
塩酸塩を文献公知あるいはそれに準ずる方法によりアセ
チル化し、このアセチル基で保護したN−アセチルガラ
クトサミン誘導体1ミリモルに対して2ミリモル〜10
ミリモルのルイス酸(例トリメチルシリルトリフラー
ト、3塩化鉄など)を用い、溶媒としてハロゲン化炭素
類(例塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタ
ン)、エーテル類(例ベンゼン、トルエン)、アセトニ
トリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド
を用いることができるが望ましくはジクロロエタンを用
い、−78℃〜80℃程度、望ましくは0℃〜60℃程
度で通常反応時間1〜24時間程度、望ましくは2〜6
時間程度反応させて中間体としてオキサゾリン誘導体を
得る。このオキサゾリン誘導体1ミリモルに対して1.
1ミリモル〜10ミリモルのアルコールと酸触媒として
(例トリメチルシリルトリフラート、カンファースルホ
ン酸)を用い、溶媒としてハロゲン化炭素類(例塩化メ
チレン、クロロホルム、ジクロロエタン)、エーテル類
(例ベンゼン、トルエン)、アセトニトリル、ジメチル
ホルムアミド、ジメチルスルホキシドを用いることがで
きるが望ましくはジクロロエタンを用い、−78℃〜8
0℃程度、望ましくは0℃〜60℃程度で通常反応時間
1〜24時間程度、望ましくは5〜15時間程度反応さ
せて化合物3’を得ることができる。
【0065】化合物7は、次式で示される反応式により
製造することができる。
【0066】
【化28】
【0067】この反応式で表されるBOC誘導体の製造
法を以下にさらに具体的に説明する。この製造法は、ア
セチル基で保護したガラクトース誘導体をBOC基で
保護したグルタミルグルタミン酸誘導体のN−ヒドロキ
シスクシンイミドエステルと反応させ化合物を得るも
のである。化合物の1ミリモルに対して触媒量〜2倍
量程度の触媒(リンドラー触媒、パラジウム炭素)と1
ミリモル〜1.5ミリモル程度の酸触媒(例パラトルエ
ンスルホン酸)を用い、溶媒としてアルコール類(例メ
タノール、エタノール)、酢酸エチル、テトラヒドロフ
ラン、ジメチルホルムアミドを用いることができるが、
この中でも望ましくはエタノールを用い、0℃〜50℃
程度、望ましくは室温程度で通常反応時間0.5〜8時
間程度、望ましくは2〜4時間程度反応させて化合物
を得る。一方、文献公知の方法で得られる化合物5に対
して触媒量〜0.1当量程度の触媒(例パラジウム炭
素)を用い、溶媒として酢酸エチル、テトラヒドロフラ
ン、ジメチルホルムアミド、アルコール類(例メタノー
ル、エタノール)を用いることができるが、この中でも
望ましくは酢酸エチルとテトラヒドロフランの混合溶媒
を用い、0℃〜50℃程度、望ましくは室温程度で通常
反応時間1〜24時間程度、望ましくは12〜18時間
程度反応させて化合物の脱ベンジル体を得る。
【0068】脱ベンジル体1ミリモルに対して1.1〜
1.5ミリモル程度のN−ヒドロキシスクシンイミド
(HOSu,HOBt)と1.1〜1.5ミリモル程度
のジシクロヘキシルカルボジイミドを用い、溶媒として
アセトニトリル、酢酸エチル、ジメチルホルムアミドを
用いることができるが、この中でも望ましくはアセトニ
トリルを用い、−20℃〜25℃程度、望ましくは0℃
〜5℃程度で通常反応時間1〜24時間程度、望ましく
は5〜16時間程度反応させて化合物を得る。上記に
示した方法により得られる化合物1ミリモルに対して
3.3〜4.5ミリモル程度の化合物を用い、塩基と
してN−メチルモルホリン、トリエチルアミン、ヒュー
ニッヒ塩基を用いることができるが、この中で望ましく
はN−メチルモルホリンを用い、−20℃〜60℃程
度、望ましくは0℃〜25℃程度で通常反応時間1〜2
4時間程度、望ましくは5〜16時間程度反応させて化
合物を得る。
【0069】化合物11は、次式で示される反応式によ
り化合物10を得、これを前記した化合物と反応させ
ることにより製造することができる。
【化29】
【0070】この反応式で表される化合物10の製造法
を以下にさらに具体的に示す。この製造法は、アジピン
から中間体化合物を経由して化合物10を得るも
のである。化合物1ミリモルに対して1〜2ミリモル
のベンジルアルコールと1.1〜2.5ミリモルの塩基
(例NaH、トリエチルアミン、ピリジンなど)を用
い、溶媒としてジメチルホルムアミド、ジメチルスルホ
キシド、トルエン、ベンゼンなどを用いることができる
が、望ましくはジメチルホルムアミドを用い、−20℃
〜80℃程度、望ましくは0℃程度で通常反応時間0.
5〜24時間程度、望ましくは2〜8時間程度反応させ
てモノベンジルエステル化合物を得る。更に、化合物
の1ミリモルに対して1.1〜1.5ミリモル程度の
N−ヒドロキシスクシンイミド(HOSu,HOBt)
と1.1〜1.5ミリモル程度のジシクロヘキシルカル
ボジイミドを用い、溶媒としてアセトニトリル、酢酸エ
チル、ジメチルホルムアミドを用いることができるが、
この中でも望ましくはアセトニトリルを用い、−20℃
〜25℃程度、望ましくは0℃〜5℃程度で通常反応時
間1〜24時間程度、望ましくは5〜16時間程度反応
させて化合物10を得る。得られた化合物10を、次式
で示される反応式により化合物11を製造することがで
きる。
【0071】
【化30】
【0072】この反応式で表されるカルボン酸誘導体の
ベンジル保護体の製造法を以下にさらに具体的に示す。
この製造法は、アセチル基で保護したガラクトースの3
分岐型BOC誘導体から化合物11を得るものであ
る。化合物を公知あるいはそれに準ずる方法により、
脱BOC化した後、これに上記に示した化合物10を当
量用い、塩基としてN−メチルモルホリン、トリエチル
アミン、ヒューニッヒ塩基を用いることができるが、こ
の中で望ましくはN−メチルモルホリンを用い、−20
℃〜60℃程度、望ましくは0℃〜25℃程度で通常反
応時間1〜24時間程度、望ましくは5〜16時間程度
反応させて化合物11を得ることができる。化合物12
は、次式で示される反応式により製造することができ
る。
【0073】
【化31】
【0074】この反応式で表されるカルボン酸誘導体の
製造法を以下にさらに具体的に説明する。この製造法
は、アセチル基で保護したガラクトースの3分岐型モノ
ベンジル誘導体11を選択的にベンジル基を脱保護して
化合物12を得るものである。化合物11に対して触媒
量〜0.1当量の触媒(例パラジウム炭素、二酸化白
金)を用い、溶媒として酢酸エチル、テトラヒドロフラ
ン、ジメチルホルムアミド、アルコール類(例メタノー
ル、エタノール)を用いることができるが、この中でも
望ましくは酢酸エチルとエタノールの混合溶媒を用い、
0℃〜50℃程度、望ましくは室温程度で通常反応時間
1〜24時間程度、望ましくは12〜18時間程度反応
させて次式で表される化合物12を得ることができる。
【0075】
【化32】
【0076】この化合物12のカルボン酸とカップリン
グさせる基質は、第一級アミンもしくは第2級アミンが
望ましく、文献公知もしくはそれに準ずる方法を用いる
ことにより容易に糖誘導体を導入した医薬品を製造する
ことができる。この方法は、例えば、第4版実験化学講
座22有機合成 酸、アミノ酸、ペプチド、第137頁
〜第258頁に開示されている方法を参照することがで
きる。
【0077】本発明の一般式(I)で表される化合物
は、その末端に単糖類若しくは多糖類又はそれらの誘導
体からなる糖残基を有する。従って、本発明の一般式
(I)で表される化合物を、特定の糖構造を認識する細
胞に特異的に移行させることができる。また、本発明の
一般式(I)で表される化合物は、オリゴヌクレオチド
若しくは薬剤又はその誘導体をその末端に有することが
できる。このオリゴヌクレオチドは、標的器官の細胞に
おいて特定遺伝子の発現を抑制することができるもの、
例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチドであることが
できる。従って、本発明による化合物は、種々の疾患の
治療に用いることができる。特に、本発明の一般式
(I)で表される化合物は、糖レセプターの特性でもあ
るクラスター効果を考慮して化学合成した分岐型オリゴ
糖を用いることにより、生体内に存在するグルコースレ
セプター、ガラクトースレセプターそしてマンノースレ
セプターなどの糖誘導体を認識するレセプターを利用し
て、医薬品分子を標的部位にまで送達でき、さらに細胞
内に導入することができる。また、中性の医薬品に対し
てはポリヒドロキシル体としての糖誘導体が水溶液に対
する溶解性を高める効果をもたらし、その結果医薬品の
有効性を高めるなどの数多くの利点を賦与することがで
きる。
【0078】本発明による化合物は、例えば、ウイルス
に感染した肝細胞に抗ウイルス剤として有用なアンチセ
ンスオリゴヌクレオチドを送達し、抗ウイルス作用を増
強することができる。また、本発明による化合物は、例
えば、ガン化した肝細胞に抗悪性腫瘍剤として有用なア
ンチセンスオリゴヌクレオチドを送達し、抗ガン作用を
増強することができる。
【0079】本発明の他の面によれば、本発明による化
合物を製薬学的に許容される担体とともに含んでなる医
薬組成物が提供される。ここで、上記医薬組成物は、悪
性腫瘍治療剤(例えば、ガン治療剤)、抗ウイルス剤、
抗リウマチ剤(例えば、腫瘍壊死因子の産生抑制剤)、
抗炎症剤、抗アレルギー剤や免疫抑制剤(例えば、免疫
担当細胞の炎症部位への遊走阻害剤)、循環機能改善剤
(例えば、冠血管の再閉塞に関わる血管平滑細胞の増殖
阻害剤)、内分泌機能改善薬(例えば、異常分泌される
ホルモンの分泌阻害薬)、またはある特定のタンパク質
の異常発現あるいは機能異常によって生じ、そのタンパ
ク質の発現を抑制することにより症状の改善が認められ
る疾患に対する治療薬(例えば、細胞の受容体タンパク
質の異常発現の抑制)として用いることができる。医薬
組成物が悪性腫瘍治療剤である場合、一般式(I)中の
Zはガン遺伝子の発現を抑制するアンチセンスオリゴヌ
クレオチドであることができる。医薬組成物が抗ウイル
ス剤である場合、Zは抗ウイルス作用を示すアンチセン
スオリゴヌクレオチドであることができる。
【0080】本発明による医薬組成物は、経口または非
経口(例えば、静注、筋注、皮下投与、直腸投与、経皮
投与、経鼻投与等)のいずれかの投与経路で、ヒトまた
はヒト以外の動物に投与することができる。本発明によ
る医薬組成物は、例えばその用途に応じて、錠剤、カプ
セル剤、顆粒剤、散剤、丸剤、細粒剤、トローチ錠など
の経口剤、静注および筋注などの注射剤、直腸投与剤、
油脂性坐剤、水溶性坐剤などのいずれかの製剤形態に調
製することができる。これらの各種製剤は、通常用いら
れている賦形剤、増量剤、結合剤、湿潤化剤、崩壊剤、
表面活性剤、潤滑剤、分散剤、緩衝剤、保存剤、溶解補
助剤、防腐剤、矯味矯臭剤、無痛化剤、安定化剤などを
用いて常法により製造することができる。使用可能な無
毒性の上記添加剤としては、例えば乳糖、果糖、ブドウ
糖、でん粉、ゼラチン、炭酸マグネシウム、合成ケイ酸
マグネシウム、タルク、ステアリン酸マグネシウム、メ
チルセルロース、カルボキシメチルセルロースまたはそ
の塩、アラビアゴム、ポリエチレングリコール、シロッ
プ、ワセリン、グリセリン、エタノール、プロピレング
リコール、クエン酸、塩化ナトリウム、亜硫酸ソーダ、
リン酸ナトリウムなどが挙げられる。また、必要により
本発明による化合物以外の有効成分を含んでいても良
い。
【0081】投与量は、用法、患者の年齢、性別、症状
の程度などを考慮して適宜決定されてよく、通常成人1
日あたり約0.05〜250mg、好ましくは約0.5
〜50mg程度とすることができ、これを1日1回また
は数回に分けて投与することができる。本明細書におい
て「治療」とは、確定した疾患の治療のみならず予防を
含む意味で用いられるものとする。本発明の他の面によ
れば、本発明による化合物をヒトを含む動物(例えば、
ホ乳類)に投与することを含んでなる、悪性腫瘍、ウイ
ルス感染症、炎症性疾患、アレルギー性疾患、免疫性疾
患、循環器系疾患、および内分泌系疾患からなる群から
選択される疾患の治療法が提供される。本発明の他の面
によれば、本発明による化合物の悪性腫瘍治療剤、抗ウ
イルス剤、抗リウマチ剤、抗炎症剤、抗アレルギー剤、
免疫抑制剤、循環機能改善剤および内分泌機能改善剤か
らなる群から選択される薬剤の製造のための使用が提供
される。
【0082】
【実施例】本発明を以下の実施例などによって詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下次の略号用いる。Boc:ベンジルオキシカルボニ
ル基、THF:テトラヒドロフラン、DMF:ジメチル
ホルムアミド、、EDC:1(3−ジメチルアミノプロ
ピル)−3−エチルカルボジイミド、DMAP:4−ジ
メチルアミノピリジン、TLC:薄層クロマトグラフィ
ー、DMT基:ジメチルトリチル基、TEAA:トリエ
チルアンモニウムアセテート、ODSカラム:オクタデ
シルシリカゲルカラム。
【0083】合成例1 アジピン酸無水物の合成 アジピン酸25g(0.17mol)を塩化メチレン1
25mlに溶解し、さらにジシクロヘキシルカルボジイ
ミド35.3g(0.17mol)の塩化メチレン12
5ml溶液を加えて2時間、室温で攪拌した。白色析出
物をセライトで濾去し、ろ液を減圧下濃縮することによ
り標題化合物(25.9g,q.y.)を得た。この化
合物は更に精製することなく次の反応に用いた。1 H−NMR(400MHz in CDCl3)δTMS
=2.50(m,4H)、1.93(m,4H)。
【0084】合成例2 5−ベンジルオキシカルボニル
−ペンタン酸の合成 合成例1の化合物25.9g(0.17mol)にベン
ジルアルコール28ml(0.27mol)を加えて、
90℃(オイルバス)で激しく5時間攪拌した。その
後、過剰のベンジルアルコールを減圧下溜去した。残査
をジエチルエーテル500mlで希釈し、5%炭酸水素
ナトリウム水溶液(250ml×2)で抽出した。水層
を2N−塩酸水溶液で酸性にし、塩化メチレン(250
ml×2)で抽出した。有機層を水で洗浄後、無水硫酸
マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下溜去することによ
り標題化合物(11.1g,28%)を得た。この化合
物は更に精製することなく次の反応に用いた。1 H−NMR(400MHz in CDCl3)δTMS
=7.37−7.34(m,5H)、5.12(s,2
H)、2.41−2.36(m,4H)、1.73−
1.66(m,4H)。
【0085】合成例3 5−ベンジルオキシカルボニル
−ペンタン酸のN−ヒドロキシスクシンイミドエステル
の合成
【0086】
【化33】
【0087】合成例2の化合物1.0g(4.23mm
ol)を酢酸エチル12.5mlに溶解し、N−ヒドロ
キシスクシンイミド0.49g(4.23mmol)と
ジシクロヘキシルカルボジイミド0.87g(4.23
mmol)を加え、室温で2時間攪拌した。析出物をセ
ライト濾去し、濾液を減圧下濃縮した。得られた残査を
シリカゲルを用いるカラムクロマトグラフィー(ヘキサ
ン:酢酸エチル 2:1〜1:1)による精製により標
題化合物(740mg,53%)を得た。1 H−NMR(400MHz in CDCl3)δTMS
=7.37−7.34(m,5H)、5.12(s,2
H)、2.89(br s,4H)、2.63(t,2
H,J=7.2Hz)、 2.41(t,2
H,J=7.2Hz)、1.79−1.77(m,4
H)。
【0088】合成例4 N−t−ブトキシカルボニル−
γ−L−グルタミル−L−グルタミン酸−α′,α,γ
−トリ2−(2′,3′,4′,6′−テトラ−O−ア
セチル−β−D−ガラクトピラノシル−1)エトキシエ
トキシエチルアミドの合成
【0089】
【化34】
【0090】Boc−L−グルタミル−L−グルタミン
酸−α′,α,γ−トリベンジルエステル2.323g
(3.59mmol)を酢酸エチルとテトラヒドロフラ
ンの混合溶媒(1:1.45ml)に溶解し、10%パ
ラジウム−炭素0.2gを加えて14時間常圧水素気流
下攪拌した。触媒を濾去、溶媒を減圧下留去し、N−t
−ブトキシカルボニル−γ−L−グルタミル−γ−L−
グルタミル酸を無色非晶質として得た。次いでこの粗生
成物を乾燥アセトニトリル50mlに溶解し、氷冷下攪
拌した。ここに、N−ヒドロキシスクシンイミド1.4
9g(12.9mmol)、ジシクロヘキシルカルボジ
イミド2.44g(11.9mmol)を加え、その温
度で、32時間攪拌した。この溶液を溶液1とした。1
−O−[2−{2−(2−アジドエトキシ)エトキシ}
エトキシ]−2′,3′,4′,6′−テトラ−アセチ
ル−ガラクトース5.61g(11.1mmol)をエ
タノール85mlに溶解し、リンドラー触媒6.0gと
パラトルエンスルホン酸・一水和物2.74g(14.
4mmol)を加え、中圧水素気流下室温で2時間攪拌
した。その後、リンドラー触媒3.0gを加え、更に2
時間攪拌した。触媒を濾去、溶媒を減圧下留去して1−
O−[2−{2−(2−アミノエトキシ)エトキシ}エ
トキシ]−2′,3′,4′,6′−テトラ−アセチル
−ガラクトース パラトエンスルホナートを白色非晶質
として得た。これを乾燥アセトニトリル10mlに溶解
し、氷冷下攪拌した。これを溶液2とした。この溶液に
N−メチルモルホリン1.59mlを加え、5分間攪拌
した。これに先に調製した溶液1を加え、更に、18時
間氷冷下攪拌した。析出したDCウレアを濾去、溶媒を
減圧下留去した。残留物を酢酸エチル200mlで希釈
し、1:1飽和食塩水−水100mlで洗浄、無水硫酸
マグネシウム上で乾燥、減圧下濃縮した。得られた残査
をシリカゲルを用いるカラムクロマトグラフィー(塩化
メチレン:メタノール 50:1)により精製を行い標
題化合物(4.91g,78%)を無色透明無定型物質
として得た。
【0091】 [α]D 19=−11.14(c1.03,CHCl31 H−NMR(400MHz in CDCl3)δTMS
=7.70−7.68(m,1H)、7.26(m,2
H)、6.94(br s,1H)、5.47(br
d,1H)、5.39(br d,3H)、5.22−
5.16(m,3H)、5.06−2.01(m,4
H)、4.58−4.55(m,3H)、
4.40−4.33(m,1H)、4.18(dd,3
H)、4.15−4.10(m,3H)、3.98−
3.94(m,6H)、3.76−3.32(m,33
H)、2.40−2.25(m,4H)、
2.16(s,9H)、2.06−2.05(m,18
H)、1.99(s,9H)、2.20−1.94
(m,4H)、1.42(s,9H)。 FAB−MS(positive):[M+H]+;m/z176
1,[M+Na]+;m/z1783,[M+K]+;m/
z1799 FAB−MS(negative):[M−H]−;m/z175
【0092】実施例1 N−(5−ベンジルオキシカル
ボニル−1−ペンタノイル)−L−グルタミル−L−グ
ルタミン酸−α′,α,γ−トリ−{2−(2′,
3′,4′,6′−テトラ−O−アセチル−β−D−ガ
ラクトピラノシル−1)エトキシ}エトキシエチルアミ
ドの合成
【0093】
【化35】
【0094】合成例4の化合物1.77g(1.01m
mol)に、氷冷下トリフルオロ酢酸6.0mlを加え
そのまま2時間攪拌した。トリフルオロ酢酸を減圧下留
去し、減圧下室温で乾燥させた。これを塩化メチレン1
00mlに溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液20
mlで洗浄、無水硫酸マグネシウム上で乾燥、減圧下濃
縮した。得られた残査を乾燥アセトニトリル6.0ml
に溶解し、氷冷下攪拌した。これにN−メチルモルホリ
ン0.22ml(1.98mmol)と合成例3の化合
物0.33g(0.10mmol)のアセトニトリル6
ml溶液を加え、24時間攪拌した。その後、溶媒を減
圧下溜去した。得られた残査をシリカゲルを用いるカラ
ムクロマトグラフィー(塩化メチレン:メタノール 5
0:1)により精製を行い標題化合物(1.14g,6
1%)を無色無定型物質として得た。 [α]D 21=−12.00(c1.04,CHCl31 H−NMR(400MHz in CDCl3)δTMS
=7.83(br t,1H)、7.37−7.30
(m,1H)、7.26(br d,1H)、7.13
(br t,1H)、7.08(br t,1H)、
6.61(br d,1H)、5.39(br d,3
H)、5.22−5.17(m,3H)、5.11
(s,2H)、5.07−5.02(m,3H)、4.
57−4.55(m,3H)、4.46−4.34
(m,1H)、4.20−4.10(m,7H)、3.
98−3.92(m,6H)、3.76−3.32
(m,33H)2.40−2.36(m,2H)、2.
34−2.30(m,4H)、2.24−2.20
(m,2H)、2.15(s,9H)、2.06−2.
05(m,18H)、2.02−1.96(m,4
H)、1.99(s,9H)、1.67−1.65
(m,4H)。 FAB−MS(positive):[M+H]+;m/z187
8,[M+Na]+;m/z1900
【0095】実施例2 N−(5−ヒドロキシカルボニ
ル−1−ペンタノイル)−L−グルタミル−L−グルタ
ミン酸−α′,α,γ−トリ−{2−(2′,3′,
4′,6′−テトラ−O−アセチル−β−D−ガラクト
ピラノシル−1)エトキシ}エトキシエチルアミドの合
【0096】
【化36】
【0097】実施例1の化合物0.5g(0.27mm
ol)を酢酸エチルとエタノールの混合溶媒(1:1,
15ml)に溶解し、10%パラジウム−炭素50mg
を加えて22時間常圧水素気流下攪拌した。触媒を濾去
し、濾液を減圧下濃縮した。得られた残査をシリカゲル
を用いるカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン:メ
タノール 50:1)により精製を行い標題化合物(3
50mg,74%)を無色油状物質として得た。 [α]D 22=−10.57(c1.07,CHCl31 H−NMR(400MHz in CDCl3)δTMS
=7.87(brs,1H)、7.52(br d,1
H)、7.35(br s,1H)、7.21(br
t,1H)、7.11(br t,1H)、6.94
(br d,1H)、5.39(br d,3H)、
5.22−5.18(m,3H)、5.07−5.02
(m,3H)、4.59−4.55(m,3H)、4.
47−4.43(m,1H)、4.21−4.11
(m,7H)、4.00−3.93(m,6H)、3.
76−3.38(m,33H)、2.38−2.22
(m,8H)、2.16(s,9H)、2.07−2.
05(m,18H)、2.00−1.89(m,4
H)、1.99(s,9H)、1.70−1.65
(m,4H)。 FAB−MS(positive):[M+H]+;m/z178
8,[M+Na]+;m/z1810
【0098】実施例3 N−(5−ヒドロキシカルボニ
ル−1−ペンタノイル)−L−グルタミル−L−グルタ
ミン酸−α′,α,γ−トリ{2−(2′,3′,
4′,6′−テトラ−O−アセチル−β−D−ガラクト
ピラノシル−1)エトキシ}エトキシエチルアミドのN
−ヒドロキシスクシンイミドエステルの合成
【0099】
【化37】
【0100】実施例2の化合物350mg(0.2mm
ol)を乾燥アセトニトリルに溶解し、氷冷下N−ヒド
ロキシスクシンイミド23mg(0.2mmol)とジ
シクロヘキシルカルボジイミド40mg(0.2mmo
l)を加え2.5時間攪拌した。その後、反応混合物を
減圧下濃縮した。得られた残査をシリカゲルを用いるカ
ラムクロマトグラフィー(塩化メチレン:メタノール
50:1)により精製を行い標題化合物(332mg,
90%)を無色油状物質として得た。1 H−NMR(400MHz in CDCl3)δTMS
=7.70(br t,1H)、7.20(br d,
1H)、7.10(br s,2H)、6.68(br
d,1H)、5.39(br d,3H)、5.22
−5.13(m,3H)、5.07−5.02(m,3
H)、4.58−4.55(m,3H)、4.47−
4.36(m,2H)、4.20−4.10(m,6
H)、3.99−3.93(m,6H)、3.75−
3.35(m,33H)、2.86(br s,4
H)、2.64(br t,2H)、2.43−2.2
7(m,6H)、2.16(s,9H)、2.06−
2.05(m,18H)、2.02−1.89(m,4
H)、1.99(s,9H)、1.78−1.64
(m,4H)。
【0101】合成例5 N−t−ブトキシカルボニル−
γ−L−グルタミル−L−グルタミン酸−α′,α,γ
−トリ{2−(2′,3′,4′,6′−テトラ−O−
アセチル−β−D−グルコピラノシル−1)エトキシ}
エトキシエチルアミドの合成
【0102】
【化38】
【0103】Boc−L−グルタミル−L−グルタミン
酸−α′,α,γ−トリベンジルエステル0.5g
(0.77mmol)を酢酸エチルとテトラヒドロフラ
ンの混合溶媒(1:1,10ml)に溶解し、10%パ
ラジウム−炭素0.05gを加えて17時間常圧水素気
流下攪拌した。触媒を濾去、溶媒を減圧下留去し、N−
t−ブトキシカルボニル−γ−L−グルタミル−γ−L
−グルタミン酸を無色非晶質として得た。次いでこの粗
生成物を乾燥アセトニトリル12.5mlに溶解し、氷
冷下攪拌した。ここに、N−ヒドロキシスクシンイミド
0.32g(2.7mmol)、ジシクロヘキシルカル
ボジイミド0.53g(2.5mmol)を加え、その
温度で、27時間攪拌した。この溶液を溶液1とした。
1−O−[2−{2−(2−アジドエトキシ)エトキ
シ}エトキシ]−2′,3′,4′,6′−テトラアセ
チル−グルコース5.14g(10.2mmol)をエ
タノール80mlに溶解し、リンドラー触媒6.0gと
パラトルエンスルホン酸・一水和物2.5g(2.4m
mol)を加え、中圧水素気流下室温で2時間攪拌し
た。その後、リンドラー触媒3.0gを加え、更に2時
間攪拌した。触媒を濾去、溶媒を減圧下留去して1−O
−[2−{2−(2−アミノエトキシ)エトキシ}エト
キシ]−2′,3′,4′,6′−テトラアセチル−グ
ルコースパラトエンスルホナートを白色非晶質として得
た。これを乾燥アセトニトリル10mlに溶解し、氷冷
下攪拌した。これを溶液2とした。この溶液2にN−メ
チルモルホリン1.45mlを加え、5分間攪拌した。
これに先に調製した溶液1を加え、更に、18時間氷冷
下攪拌した。析出したDCウレアを濾去、溶媒を減圧下
留去した。残留物を酢酸エチル200mlで希釈し、
1:1飽和食塩水−水100mlで洗浄、無水硫酸マグ
ネシウム上で乾燥、減圧下濃縮した。得られた残査をシ
リカゲルを用いるカラムクロマトグラフィー(塩化メチ
レン:メタノール 50:1)により精製を行い標題化
合物(1.26g,93%)を無色透明無定型物質とし
て得た。
【0104】 [α]D 19=−13.31(c1.04,CHCl31 H−NMR(400MHz in CDCl3)δTMS
=7.75(br s,1H)、7.30(br s,
1H)、7.20(br s,1H)、6.97(br
s,1H)、5.46(br s,1H)、5.21
(br t,3H)、5.09(br t,3H)、
5.00(br t,3H)、4.61−4.59
(m,3H)、4.39(m,1H)、4.27(d
d,3H,J=4.8,12.0Hz)、4.15(d
d,3H,J=2.0,12.0Hz)、4.11
(m,1H)、3.97−3.94(m,3H)、3.
74−3.25(m,36H)、2.40−2.20
(m,4H)2.09(s,9H)、2.06(s,3
H)、2.05(s,6H)、2.03(s,9H)、
2.01(s,9H)、2.16−1.92(m,4
H)、1.42(s,9H)。 FAB−MS(positive):[M+H]+;m/z176
1,[M+Na]+;m/z1783,[M+K]+;m/
z1799 FAB−MS(negative):[M−H]−;m/z175
【0105】実施例4 N−(5−ベンジルオキシカル
ボニル−1−ペンタノイル)−L−グルタミル−L−グ
ルタミン酸−α′,α,γ−トリ{2−(2′,3′,
4′,6′−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピ
ラノシル−1)エトキシ}エトキシエチルアミドの合成
【0106】
【化39】
【0107】合成例5の化合物1.26g(0.72m
mol)に、氷冷下トリフルオロ酢酸6.0mlを加え
そのまま2時間攪拌した。トリフルオロ酢酸を減圧下留
去し、減圧下室温で乾燥させた。これを塩化メチレン1
00mlに溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液20
mlで洗浄、無水硫酸マグネシウム上で乾燥、減圧下濃
縮した。得られた残査を乾燥アセトニトリル6.0ml
に溶解し、氷冷下攪拌した。これにN−メチルモルホリ
ン0.14ml(1.29mmol)と合成例3の化合
物0.22g(0.65mmol)のアセトニトリル
6.0ml溶液を加え、14時間攪拌した。その後、溶
媒を減圧下溜去した。得られた残査をシリカゲルを用い
るカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン:メタノー
ル 50:1)により精製を行い標題化合物(630m
g,52%)を無色無定型物質として得た。
【0108】 [α]D 27=−14.84(c1.05,CHCl31 H−NMR(400MHz in CDCl3)δTMS
=7.86(br t,1H)、7.37−7.33
(m,5H)、7.25(br d,1H)、7.16
(br t,1H)、7.09(br t,1H)、
6.59(br d,1H)、5.31(s,2H)、
5.25−5.19(m,3H)、5.12−5.07
(m,3H)、5.02−4.97(m,3H)、4.
62−4.59(m,3H)、4.45−4.38
(m,2H)、4.27(dd,3H,J=4.4,1
2.0Hz)、4.15(dd,3H,J=0.5,1
2.0Hz)、3.98−3.93(m,3H)、3.
74−3.35(m,36H)、2.44−2.36
(m,2)、2.33−2.28(m,4H)、2.2
4−2.16(m,2H)、2.10(s,9H)、
2.06(s,3H)、2.05(s,6H)、2.0
3(s,9H)、2.01(s,9H)、2.16−
1.92(m,4H)、1.68−1.66(m,4
H)。 FAB−MS(positive):[M+H]+;m/z187
9,[M+Na]+;m/z1901 FAB−MS(negative):[M−H]−;m/z187
6.9
【0109】実施例5 N−(5−ヒドロキシカルボニ
ル−1−ペンタノイル)−L−グルタミル−L−グルタ
ミン酸−α′,α,γ−トリ{2−(2′,3′,
4′,6′−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピ
ラノシル−1)エトキシ}エトキシエチルアミドの合成
【0110】
【化40】
【0111】実施例4の化合物0.43g(0.23m
mol)を酢酸エチルとエタノールの混合溶媒(1:
1,12ml)に溶解し、10%パラジウム−炭素43
mgを加えて27時間常圧水素気流下攪拌した。触媒を
濾去し、濾液を減圧下濃縮した。得られた残査をシリカ
ゲルを用いるカラムクロマトグラフィー(塩化メチレ
ン:メタノール 50:1)により精製を行い標題化合
物(195mg,48%)を無色無定型物質として得
た。 [α]D 27=−11.67(c1.01,CHCl31 H−NMR(400MHz in CDCl3)δTMS
=7.51(br d,1H)、7.32(br t,
2H)、7.08(br t,1H)、6.97(br
d,1H)、5.25−5.19(m,3H)、5.
12−5.07(m,3H)、5.02−4.97
(m,3H)、4.63−4.59(m,3H)、4.
48−4.41(m,2H)、4.27(dd,3H,
J=4.8,12.4Hz)、4.15(dd,3H,
J=1.6,12.4Hz)、3.98−3.94
(m,3H)、3.76−3.35(m,36H)、
2.39−2.33(m,6H)、2.31−2.25
(m,2H)2.09(s,9H)、2.06−2.0
5(m,9H)、2.03(s,9H)、2.01
(s,9H)、2.16−1.84(m,4H)、1.
74−1.69(m,4H)。 FAB−MS(positive):[M+H]+;m/z178
9,[M+Na]+;m/z1811,[M+2Na]+;
m/z1833
【0112】実施例6 N−(5−ヒドロキシカルボニ
ル−1−ペンタノイル)−L−グルタミル−L−グルタ
ミン酸−α′,α,γ−トリ{2−(2′,3′,
4′,6′−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピ
ラノシル−1)エトキシ}エトキシエチルアミドのN−
ヒドロキシスクシンイミドエステルの合成 実施例5の化合物45mg(25μmol)を乾燥アセ
トニトリルに溶解し、氷冷下N−ヒドロキシスクシンイ
ミド3mg(25μmol)とジシクロヘキシルカルボ
ジイミド5mg(25μmol)を加えX時間攪拌し
た。その後、反応混合物を減圧下濃縮した。得られた残
査をシリカゲルを用いるカラムクロマトグラフィー(塩
化メチレン:メタノール 20:1〜10:1)により
精製を行い標題化合物(36mg,76%)を無色無定
型物質として得た。1 H−NMR(400MHz in CDCl3)δTMS
=7.72(br t,1H)、7.18(br d,
2H)、7.08(m,2H)、6.64(br d,
1H)、5.24−5.19(m,3H)、5.11−
5.07(m,3H)、5.01−4.97(m,3
H)、4.61−4.59(br d,3H)、4.4
7−4.37(m,2H)、4.26(dd,3H,J
=4.8,12.4Hz)、4.14(dd,3H,J
=2.4,12.4Hz)、3.99−3.93(m,
3H)、3.74−3.34(m,36H)、2.86
(br s,4H)、2.64(m,2H)、2.42
−2.25(m,6H)、2.17−1.89(m,4
H)、2.09(s,9H)、2.05(m,9H)、
2.03(s,9H)、2.01(s,9H)、1.7
9−1.78(m,4H)。
【0113】合成例6 アンチセンス核酸(化合物A)の合成。 定法であるホスホロアミダイト(phosphoramidite)法
により5′−AGG−AAG−TGC−CGT−TTA
−TAA−AG−3′の塩基配列を有する20メル(m
er)のオリゴデオキシヌクレオチド ホスホロチオエ
ート類縁体(oligodeoxynucleotide phosphorothioate
analogue)を自動DNA合成機(Milligene製)を用い
て固相合成した。ホスホロチオエート(phosphorothioa
te)化にはビューケイジ(Beaucage)試薬(Glen Resea
rch製)を用いた。合成用カラムは15μmol合成用
のカラムを用いた。以上の反応は総て試薬及び機器に添
付されている取り扱い説明書に従って行った。カラムか
ら支持体を取り出して風乾した後、28%アンモニア水
7mlに懸濁し、24時間室温で放置した。ガラスフィ
ルター付ロートで濾過して支持体を取り除き、濾液を回
収した。この濾液に等容量のイオン交換水を添加した
後、1M 酢酸トリエチルアンモニウム(triethylammon
ium-acetate)(pH7.0)で平衡化したオリゴ−パ
ック SP(Oligo-Pak SP)(Millipore製アンチセン
ス核酸精製用カラム)を通過させた。通過液を再びカラ
ムに通した後、カラムに3%アンモニア水を通過させ
た。次いでイオン交換水を通過させた後、2%トリフル
オロ酢酸(trifluoroacetic acid)を通し、2分間放置
した。直ちにカラムをイオン交換水を通過させた。カラ
ムに30%アセトニトリル(acetonitrile)を通過さ
せ、通過液を回収した。通過液の溶媒を遠心エバポレー
ターを用いて除去し、白色固体34.5mgを得た。マ
ススペクトル分析結果:m.w.6511.1±1.
5。
【0114】実施例7 ガラクトース誘導体−アンチセンス核酸(化合物B)の
合成。
【0115】
【化41】
【0116】定法であるホスホロアミダイト(phosphor
amidite)法により5′−AGG−AAG−TGC−C
GT−TTA−TAA−AG−3′の塩基配列を有する
20メル(mer)のオリゴデオキシヌクレオチド ホ
スホロチオエート類縁体(oligodeoxynucleotide phosp
horothioate analogue)を自動DNA合成機(Milligen
e製)を用いて固相合成した。ホスホロチオエート(pho
sphorothioate)化にはビューケイジ(Beaucage)試薬
(Glen Research製)を用いた。合成用カラムは15μ
mol合成用のカラムを用いた。固相合成した類縁体
(analgue)の5′末端に、5′−修飾用物(Aminomodi
fier)(Glen Research製)を用いて6−アミノヘキサ
ニル(6−aminohexanyl)基を付加した。以上の反応は
総て試薬及び機器に添付されている取り扱い説明書に従
って行った。反応の終了した合成カラムに1%(v/
v)トリエチルアミン(Triethylamine)/DMF10
mlを通し、さらにDMF20mlを通した。合成カラ
ムから支持体を取り出して無水DMF3mlに懸濁し、
これにガラクトース誘導体の活性エステル(実施例3)
300mgを溶解したDMF2mlおよびトリエチルア
ミン(Triethylamine)50μlを添加した後、室温で
24時間、緩やかに振とうした。支持体をアセトニトリ
ル10mlで3回洗浄して風乾した後、28%アンモニ
ア水7mlに懸濁し、24時間室温で放置した。ガラス
フィルター付ロートで濾過して支持体を取り除き、濾液
を遠心エバポレーターを用いて乾固させた。得られた白
色固体にイオン交換水2mlを加えて良く攪拌した後、
不溶性物質を遠心分離により除いた。上清0.2mlに
等容量のホルムアミド(fomamide)と0.05% キシ
レンシアノールFF(Xylene cyanol FF)10μlおよ
び0.05%ブロモフェノールブルー(Bromophenol Bl
ue)10μlを添加し、60℃で2分間加温した。氷水
で急冷した後、5M 尿素(Urea)を含むポリアクリル
アミド(polyacrylamide)ゲル(15cm×15cm×
2mm)を用い、200Vで電気泳動した。
【0117】ブロモフェノールブルー(Bromophenol Bl
ue)がゲルの先端まで移動した時点で電気泳動を終了し
た。蛍光物質を含むTLCプレート上にゲルを乗せてU
V灯点灯下で観察しながら、蛍光発光せずに暗く抜ける
部分をゲルから切り出した。これを電気泳動用の電極液
とともに透析チューブ(分画分子量約3,000)に入
れ、サブマリン型泳動漕を用いて100Vで12時間泳
動した。チューブ内の電極液を回収し、凍結乾燥を行っ
た。得られた白色固体を1M 酢酸トリエチルアンモニ
ウム(triethylammonium-acetate)(pH7.0)2m
lに溶解し、イオン交換水で平衡化したNAPS−25
カラムを用いてゲルを濾過した。各フラクションをHP
LCにより分析し、ガラクトース誘導体−アンチセンス
核酸が含まれるフラクションを取り出し、凍結乾燥し
た。白色無定型固体22.4mgを得た。 マススペクトル分析結果:m.w.7971.6±1.
【0118】合成例7 アンチセンス核酸(化合物C)の合成。 合成例6と同様の方法で合成した。ただし、1μmol
合成スケールのカラムを用い、5′−AACGTTGA
GGGGCAT−3′の塩基配列(文献既知)を有する
チオ化オリゴヌクレオチドを合成した。白色無定型固体
3.65mgを得た。
【0119】実施例8 ガラクトース誘導体−アンチセンス核酸(化合物D)の
合成。 合成例7と同様の方法で合成した。ただし、アンチセン
ス核酸としては5′−AACGTTGAGGGGCAT
−3′(15mer)の塩基配列を有するオリゴデオキ
シヌクレオチド ホスホロチオエート類縁体(oligodeo
xynucleotide phosphorothioate analogue)とし、1μ
mol合成用のカラムを用いて合成した。白色無定型固
体1.73mgを得た。
【0120】導入量の評価 糖誘導体の活性エステルとアンチセンス核酸を固相合成
支持体上で反応させた後、支持体を洗浄・風乾し、アン
モニア水を加えて支持体から切り出した。反応溶液を一
部採取し、溶媒を留去した後、5M尿素(Urea)を含む
ポリアクリルアミド(polyacrylamide)ゲル(10cm
×10cm×1mm)を用い、20mAで電気泳動し
た。ゲルの銀染色を行い、スキャナーで染色像をコンピ
ューターに取り込み、NIH Image(画像解析用プログ
ラム)を用いて糖誘導体が導入されたアンチセンス核酸
と導入されていないアンチセンス核酸の染色像の定量的
解析を行った。この結果を表2に示す。
【0121】
【表2】
【0122】その結果、活性エステル法における使用し
た誘導体当たりの導入量は、従来の方法であるアミダイ
ト法(WO96/30386)のそれに比較して3倍以
上であり、反応のばらつきを示すCV値も小さかった。
本発明の方法による糖誘導体のアンチセンス核酸への導
入はアミダイト法よりも優れていることが示された。
【0123】薬理効果の評価 この評価に使用した化合物A〜Dは前記の実施例及び合
成例に記載のものであり、これに従来のアミダイト法で
の化合物Eを加えて評価した。これらの化合物A〜Eを
まとめて示すと次の通りとなる。 化合物A:マウス肝炎ウイルスの増殖抑制効果を示すア
ンチセンス核酸 化合物B:化合物Aに活性エステル法でガラクトース誘
導体を導入したもの 化合物C:human c-myc proto-oncogeneに対するアンチ
センス核酸 化合物D:化合物Cに活性エステル法でガラクトース誘
導体を導入したもの 化合物E:化合物Cにアミダイト法でガラクトース誘導
体を導入したもの(WO96/30386の実施例19
−2に記載のもの)
【0124】1)in vitro評価 BALB/cマウス(6週令、雄)から単離し、96−
wellマイクロプレートを用いて培養した肝実質細胞と、
化合物Aあるいは化合物Bを0.1−1000nmol
/Lの濃度で37℃で1時間インキュベートした。次い
でマウス肝炎ウイルスJHM−X株100PFU/wellを
添加し、更に37℃で1時間インキュベートした。細胞
を新鮮な培地で洗浄した後に、新鮮な培地0.1mlを
添加し、24時間培養した。培地を採取し、適宜希釈し
た。マウス肝炎ウイルスに対して感受性が高いマウス神
経細胞腫由来のDBT細胞(DelayedBrain Tumor cell)
を、あらかじめ6−wellマイクロプレートに培養してサ
ブコンフルエントとし、これに希釈した培地0.1mL
を添加して、37℃で1時間インキュベートした。更に
0.5%メチルセルロース(methylcellulose)を含む
培地2mlを添加し、24時間培養した。各ウエル(we
ll)に形成されたプラークの数を計測し、これをウエル
当たりのPFU(plaque-forming unit([PFU/well]treat
ed))とした。同時に、化合物AあるいはBを添加して
いない場合のPFU(plaque-forming unit([PFU/well]c
ontrol))を計測し、以下の式に従って複製阻害率(%
Inhibition)を算出した。
【0125】複製阻害率(%Inhibition)=([PFU/well]c
ontrol×希釈率−[PFU/well]treated×希釈率)/([PFU/
well]control×希釈率)×100
【0126】その結果を第1図に示す。マウス肝炎ウイ
ルスJHM−X株の増殖に対する抑制効果については、
化合物Bは化合物Aに比べて著しく強い活性を示した
(図1参照)。この効果は、ガラクトース誘導体をアン
チセンス核酸に導入することにより、肝実質細胞に於け
るアンチセンス核酸の抗ウイルス効果が増強されること
を示している。
【0127】2)in vito評価 BALB/cマウス(4週令、雄)に化合物Aあるいは
化合物Bを0.1−1000μg/headの投与量で尾静
脈から投与した。24時間後に再び投与し、直ちに腹腔
内にマウス肝炎ウイルスJHM−X株1,000PFU/h
eadを接種した。ウイルス接種から48時間後にマウス
をエーテル麻酔下で放血致死せしめ、直ちに肝臓を摘出
し、生理食塩水を用いて10%ホモジネートを調製し
た。ホモジネートを濾過滅菌した後に適宜希釈し、前記
のインビトロ(in vitro)評価と同様な方法でプラーク
数([PFU/well]treated)を計測した。同時に化合物A
あるいはBを投与していない場合のplaque-forming uni
t([PFU/well]control)を計測した。得られた数値を
以下の式に従って計算し、複製阻害率(%inhibition)
を算出した。
【0128】複製阻害率(%inhibition)=([PFU/well]
control×希釈率/肝重量−[PFU/well]treated×希釈率/
肝重量)/([PFU/well]control)×希釈率/肝重量)×100
【0129】その結果を第2図に示す。マウス肝におけ
る肝炎ウイルスJHM−X株の増殖について、化合物B
の抑制効果は化合物Aに比べて約2倍に増強された(図
2参照)。この結果は、肝炎ウイルスに対するアンチセ
ンス核酸の抗ウイルス効果がガラクトース誘導体の導入
によって増強されることを示している。
【0130】3)先行特許実施例との活性の比較 ヒト肝細胞癌由来の培養細胞株であるHepG2細胞を
96well microplateに一晩培養した後、化合物Cある
いは化合物Dを培地中に図に表記した濃度で加えて96
時間培養した。細胞数計測キット(Cell Counting Kit,
和光純薬製)を用いて生細胞数を計測し、下記の式に
従って増殖阻害活性を測定した。
【0131】細胞増殖率(%Cell Growth)=(化合物
添加時の細胞数)/(化合物非添加時の細胞数)×10
【0132】その結果を第3図に示す。HepG2細胞
においては、ガラクトース誘導体(実施例3)を導入し
ていない化合物Cに比べてガラクトース誘導体を活性エ
ステル法で導入した化合物Dの増殖抑制効果は強く、そ
の50%阻害濃度は約1.5μmol/Lであった(図
3参照)。
【0133】これらの試験結果から、アンチセンス核酸
などの生理活性物質に活性エステル法を用いてガラクト
ース誘導体を導入することにより生物学的活性を増強す
ることが可能であり、より有効性の高いアンチセンス核
酸の開発が可能となることが示された。
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:20塩基 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(Other nucleic acid) 合成D
NA アンチセンス:Yes 配列 AGG AAG TGC CGT TTA TAA AG 20 配列番号:2 配列の長さ:15塩基 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(Other nucleic acid) 合成D
NA アンチセンス:NO 配列 ATG CCC CTC AAC GTT 15 配列番号:3 配列の長さ:15塩基 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(Other nucleic acid) 合成D
NA アンチセンス:Yes 配列 AAC GTT GAG GGG CAT 15 配列番号:4 配列の長さ:18塩基 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(Other nucleic acid) 合成D
NA アンチセンス:Yes 配列 GGA CTC AGA CTC GCG TCC 18
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の糖残基を含有した化合物Bと、糖残基
を含有していない化合物Aの、マウス肝実質細胞におけ
る抗ウイルス作用の試験の結果を示す。
【図2】本発明の糖残基を含有した化合物Bと、糖残基
を含有していない化合物Aの、BALB/cマウスの肝
臓における抗ウイルス作用の試験の結果を示す。
【図3】本発明の糖残基を含有した化合物Dと、糖残基
を含有していない化合物Cの、HepG2細胞の増殖抑
制試験の結果を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 31/70 ABN A61K 31/70 ABN ADU ADU ADY ADY AED AED C12N 15/09 ZNA C12N 15/00 ZNAA

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の一般式(I)、 【化1】 (上記式中、 Wは、炭素数1〜20の直鎖又は分枝し
    たアルキレン基を表し、Xは、下記式(II)、 【化2】 (上記基中、Zは、オリゴヌクレオチドまたはその誘導
    体を表す)で表される基を表すか、又は、Xは隣接する
    Wと一緒になって薬剤の活性部分を表し、 T1は、−(CH2)s−(ここで、sは2〜10の整数
    を表す)、または、 −(CH2CH2O)t−(CH22−(ここで、tは1
    〜3の整数を表す)を表し、 T2は、−(CH2)u−(ここで、uは2〜10の整数
    を表す)、 −(CH2CH2O)v−(CH22−(ここで、vは1
    〜3の整数を表す)、または、下記式(III): 【化3】 (上記基中、T1*およびT1**は、それぞれ同一又は異
    なって、前記のT1と同じであり、そしてn*、p*
    *、T3*、T4*およびF3は、それぞれ同一又は異なっ
    て、後述するn、p、q、T3、T4およびF1と同じこ
    とを意味する。)を表し、 T3、T4、およびT5は、同一または異なっていてもよ
    く、それぞれ−CONH−、−NHCO−、または−O
    −を表すが、但し、T3、T4、およびT5のいずれかが
    −O−を表すときは、他の2つの基は−O−以外の基を
    表し、 T6は、−COO−、−OCO−、−CONH−、−N
    HCO−、又は、−O−基を表し、 F1およびF2は、同一または異なっていてもよく、単糖
    類もしくはこれらの誘導体、またはこれらからなる多糖
    類を表し、または、基X−W−は一緒になって薬剤を表
    わし、 mは、0〜10の整数を表し、 nは、0〜4の整数を表し、 pは、0〜4の整数を表し、 qは、0〜4の整数を表し、そしてrは、1を表す)で
    表される化合物、その塩又はその溶媒和物。
  2. 【請求項2】T3、T4、T5、T6、T3*、又は、T4*
    −CONH−又は−NHCO−基である請求項1に記載
    の化合物、その塩又はその溶媒和物。
  3. 【請求項3】下記の一般式(Ia) 【化4】 (上記式中、Wは、炭素数1〜20の直鎖又は分枝した
    アルキレン基を表し、Xは、下記式(II)、 【化5】 (上記基中、Zは、オリゴヌクレオチドまたはその誘導
    体を表す。)で表される基を表すか、又は、基X−W−
    は一緒になって薬剤を表わし、 T1は、−(CH2)s−(ここで、sは2〜8の整数を
    表す)、または−(CH2CH2O)2−(CH22−を
    表し、 T2は、−(CH2)u−(ここで、uは2〜8の整数を
    表す)、−(CH2CH2O)2−(CH22−、または
    下記式(III): 【化6】 (上記基中、T1*およびT1**は前記したT1において定
    義された内容と、そしてF3は後述するF1において定義
    された内容と、それぞれ同一の内容を表すが、これらと
    は同一または異なっていてもよい)を表し、 T6は、−COO−、−OCO−、−CONH−、−N
    HCO−、又は、−O−基を表し、 F1およびF2は、同一または異なっていてもよく、単糖
    類もしくはこれらの誘導体、またはこれらからなる多糖
    類を表し、そして、mは、3〜9の整数を表す)で表さ
    れる化合物、その塩又はその溶媒和物
  4. 【請求項4】F1、F2、又は、F3が、同一または異な
    っていてもよく、ガラクトース、ガラクトサミン、N−
    アセチルガラクトサミン、ラクトース、ラクトサミン、
    またはN−アセチルラクトサミンを表す、請求項1〜3
    のいずれか1項に記載の化合物、その塩又はその溶媒和
    物。
  5. 【請求項5】Zが、オリゴデオキシリボヌクレオチドお
    よびオリゴリボヌクレオチド、並びにこれらのホスホロ
    チオエート誘導体およびメチルホスフェート誘導体から
    選択されるものである、請求項1〜4のいずれか1項に
    記載の化合物、その塩又はその溶媒和物。
  6. 【請求項6】Zがアンチセンスオリゴヌクレオチドであ
    る請求項5に記載の化合物、その塩又はその溶媒和物。
  7. 【請求項7】Zが、配列番号1〜4に記載の配列から選
    択されるオリゴヌクレオチドである請求項5または6に
    記載の化合物、その塩又はその溶媒和物。
  8. 【請求項8】基X−W−が、生理活性を有する薬剤の反
    応性の官能基を除いた部分である請求項1〜4のいずれ
    か1項に記載の化合物、その塩又はその溶媒和物。
  9. 【請求項9】次の一般式(IV)、 【化7】 (上記式中、T1は、−(CH2)s−(ここで、sは2
    〜10の整数を表す)、または、−(CH2CH2O)t
    −(CH22−(ここで、tは1〜3の整数を表す)を
    表し、 T2は、−(CH2)u−(ここで、uは2〜10の整数
    を表す)、 −(CH2CH2O)v−(CH22−(ここで、vは1
    〜3の整数を表す)、または、下記式(III): 【化8】 (上記基中、T1*およびT1**は、それぞれ同一又は異
    なって、前記のT1と同じであり、そしてn*、p*
    *、T3*、T4*およびF3は、それぞれ同一又は異なっ
    て、後述するn、p、q、T3、T4およびF1と同じこ
    とを意味する。)を表し、 T3、T4、およびT5は、同一または異なっていてもよ
    く、それぞれ−CONH−、−NHCO−、または−O
    −を表すが、但し、T3、T4、およびT5のいずれかが
    −O−を表すときは、他の2つの基は−O−以外の基を
    表し、 F1およびF2は、同一または異なっていてもよく、単糖
    類もしくはこれらの誘導体、またはこれらからなる多糖
    類を表し、 mは、0〜10の整数を表し、 nは、0〜4の整数を表し、 pは、0〜4の整数を表し、 qは、0〜4の整数を表し、そしてrは、1を表す)で
    表される化合物、その塩又はその反応性誘導体。
  10. 【請求項10】T3、T4、T5、T3*、又は、T4*が−
    CONH−又は−NHCO−基である請求項8に記載の
    化合物。
  11. 【請求項11】下記の一般式(IVa) 【化9】 (上記式中、T1は、−(CH2)s−(ここで、sは2
    〜8の整数を表す)、または−(CH2CH2O)2
    (CH22−を表し、 T2は、−(CH2)u−(ここで、uは2〜8の整数を
    表す)、−(CH2CH2O)2−(CH22−、または
    下記式(III): 【化10】 (上記基中、T1*およびT1**は前記したT1において定
    義された内容と、そしてF3は後述するF1において定義
    された内容と、それぞれ同一の内容を表すが、これらと
    は同一または異なっていてもよい)を表し、 F1およびF2は、同一または異なっていてもよく、単糖
    類もしくはこれらの誘導体、またはこれらからなる多糖
    類を表し、そして、 mは、3〜9の整数を表す)で表される化合物、その塩
    又はその反応性誘導体。
  12. 【請求項12】F1、F2、又は、F3が、同一または異
    なっていてもよく、ガラクトース、ガラクトサミン、N
    −アセチルガラクトサミン、ラクトース、ラクトサミ
    ン、またはN−アセチルラクトサミンを表す、請求項8
    〜10のいずれか1項に記載の化合物、その塩又はその
    反応性誘導体。
  13. 【請求項13】請求項1〜7のいずれか一項に記載の化
    合物を含有してなる医薬組成物。
  14. 【請求項14】悪性腫瘍治療剤、抗ウイルス剤、抗リウ
    マチ剤、抗炎症剤、抗アレルギー剤、免疫抑制剤、循環
    機能改善剤および内分泌機能改善剤からなる群から選択
    される医薬である請求項12に記載の医薬組成物。
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