JPH10296977A - インクジェットヘッドおよびその作製方法 - Google Patents

インクジェットヘッドおよびその作製方法

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JPH10296977A
JPH10296977A JP10790497A JP10790497A JPH10296977A JP H10296977 A JPH10296977 A JP H10296977A JP 10790497 A JP10790497 A JP 10790497A JP 10790497 A JP10790497 A JP 10790497A JP H10296977 A JPH10296977 A JP H10296977A
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    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好なインク吐出を長期間にわたって行なう
ことができる長寿命のインクジェットヘッドを提供す
る。 【解決手段】 基板1上にシリコン酸化膜2を形成後、
個別電極である下側金属配線層3を電気接続領域22ま
で形成する。その上に絶縁層4を形成し、電気熱変換体
23のオリフィス側の端部から先の絶縁層除去領域21
を除去して下側金属配線層3を露出させる。その上に発
熱抵抗体層5および共通電極である金属配線層6を形成
する。発熱抵抗体層5は電気接続領域22において、ス
ルーホールなしで下側金属配線層3と電気的に接続さ
れ、電気接続領域22から金属配線層6の端部までが電
気熱変換体23となる。その上に無機保護層7、タンタ
ル層8等が成膜される。凹凸が少ない構成なので、気泡
の物理的圧力や保護層の応力集中などの影響を軽減で
き、長寿命化できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各インク流路に電
気熱変換体を形成し、電気熱変換体が発生する熱をイン
クに作用させることにより前記インク流路の先端のオリ
フィスからインクの液滴を吐出させて記録を行なうイン
クジェット記録方式のインクジェットヘッドおよびその
作製方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、インクを微
小な液滴として吐出させ、被記録媒体に付着させること
によって記録する方式である。この記録方式は、高精細
な画像を高速で記録できるという特徴を有している。特
に、インクを吐出させる手段として電気熱変換体を利用
し、インクに熱エネルギーを加えることにより発生する
インクの発泡現象を利用するサーマルインクジェット方
式は、ヘッドおよび装置の小型化などの装置性能におい
て優れている。そして、さらなる画像の高精細性、高速
記録性に関する要求が高まっている。
【0003】図6は、従来のインクジェットヘッドの一
例を示す平面図、図7は、同じく断面図である。図中、
1は基板、2はシリコン酸化膜、4は絶縁層、5は発熱
抵抗体層、6は金属配線層、7は無機保護層、8はタン
タル層、9はインク流路、10は天板、11は流路隔
壁、31はオリフィス、32は電気熱変換体である。な
お、図7は、図6におけるC−C’断面を示している。
【0004】図6に示すように、インクジェットヘッド
にはインクの吐出口となる複数のオリフィス31が設け
られ、また、これに連通する複数のインク流路9が形成
されている。インク流路9は、流路隔壁11および図7
に示すように各層が形成された基板1と天板10によっ
て構成されている。各インク流路9には、インクを吐出
させるために利用される熱エネルギーを発生する電気熱
変換体32が設けられている。各電気熱変換体32は、
主に発熱抵抗体層5およびこれに電力を供給するための
金属配線層6によって構成されている。
【0005】また、図7に示したように、シリコン等か
らなる基板1上には、シリコン酸化膜2、絶縁膜4が形
成され、これらの層上には、図6に示したようなパター
ンの発熱抵抗体層5が形成され、また、この層上に、同
様に図6に示したようなパターンの金属配線層6が形成
されている。発熱抵抗体層5の金属配線層6が除かれた
部分は、電気熱変換体32を構成する。さらに、これら
の層の保護のため、無機保護層7およびタンタル層8が
形成されている。
【0006】図6に示した構成では、電気熱変換体32
と、電気熱変換体32に電力を供給する金属配線とが同
一平面内に隣接して形成されるため、電気熱変換体32
を構成する発熱抵抗体層5の幅と金属配線層6の幅が制
限される。これは、インクジェットヘッドの高解像度化
を図るうえで、インクを吐出するための気泡の体積不足
や、金属配線中の電流密度の増加の原因として顕在化す
る問題である。
【0007】この問題を解決する手段として、電気熱変
換体32に電力を供給する金属配線の少なくとも片側
を、発熱抵抗体層と異なる層に設ける構成が提案されて
いる。例えば実公平6−28272号公報では、共通電
極となる導体層が発熱抵抗体層およびアンダーコート層
に形成されたコンタクトホールを介して、アンダーコー
ト層の下側に形成されているメタル層に接続された構成
が開示されている。この共通電極となる導体層は、もと
もと電気熱変換体で発生する熱を基板へ良好に放熱させ
るために設けられているもので、熱伝導性のよいタンタ
ル、モリブデン、タングステンなどの金属が用いられて
いる。
【0008】しかし、メタル層としてタンタル、モリブ
デン、タングステン等の金属を用いた場合、これらの金
属の体積抵抗率が比較的大きいことに起因して、メタル
層からの発熱が生じることになる。上述のようにメタル
層は放熱のために設けられていたものであるが、メタル
層自体が発熱すると熱伝導性も悪くなる。そのため、複
数の電気熱変換体を発熱させてインクを連続吐出した場
合、インクジェットヘッド自体の温度が上昇してしまう
という問題がある。この温度上昇は、気泡の成長に作用
する電気熱変換体の表面温度にも影響を与え、均一な発
泡を阻害する原因となり、画質劣化を引き起こすことに
なる。また、メタル層で消費されるエネルギーもあるた
め、投入エネルギーに対するインクの吐出に寄与するエ
ネルギーの割合が低下し、エネルギー効率が悪くなって
しまう。さらに、インクを吐出するために発熱した電気
熱変換体に隣接する電気熱変換体においては、インク吐
出時に発生した熱の影響を受けるため、不必要なインク
吐出や不安定な吐出を生じやすくなる。これらの問題
は、高速化による同時に駆動される電気熱変換体の数の
増加や、高画質化による電気熱変換体間の距離の縮小化
に伴い、より大きな課題となる。
【0009】例えば特開平7−314690号公報に記
載のインクジェットヘッドにおいても、上述の文献と同
様に、抵抗体層に接続された一対の電極層のうちの一方
の電極層が発熱部の下側を通り、コンタクト用のスルー
ホールによって上下の電極層を接続した構成が開示され
ている。しかしこの文献では、発熱部に接続される上部
の電極層を1気圧のもとにおける融点が1500度以上
の高融点金属とし、発熱部の下側を通る下部の電極層を
Al、CuまたはAl−Cu、Al−Si系合金から構
成することにより、信頼性が高く、抵抗が小さい電極を
形成し、上述の問題を解決している。また、この文献に
は、下側の電極を共通電極として配置する例と、個別の
電極として形成する例が開示されいている。
【0010】しかし、いずれの文献においても、上側電
極と下側電極を、両者を絶縁する絶縁層に開口したスル
ーホールを介して接続している。図8は、従来のインク
ジェットヘッドの別の例を示す断面図である。図中、図
6、図7と同様の部分には同じ符号を付して説明を省略
する。3は下側金属配線層、33はスルーホール部であ
る。この例では、シリコン酸化膜2と絶縁層4の間に下
側金属配線層3を形成し、絶縁層4にスルーホール部3
3を設け、下側金属配線層3と金属配線層6とを電気的
に接続している。
【0011】一般に、スルーホール部33の金属配線層
6を保護する無機保護層7やタンタル層8等は、プラズ
マCVD法やスパッタリング法により形成される。図8
に示すようにスルーホール部33を形成した場合、その
上に形成された電極を保護する無機保護層7やタンタル
層8は、その膜厚が不均一になりやすく、また、図8に
示すようにスルーホール部33上に凹凸が生じてしま
う。このような凹凸がインク流路9内に生じると、イン
クの流れを不安定にする要因になり、インク滴の飛翔方
向が不安定となる原因となる。また、図8に太い矢印で
示すように、凸部や凹部の隅等の箇所に、無機保護層7
やタンタル層8などの保護層に内在する応力の集中が発
生する。このような状況において、インクの吐出動作を
続けた場合、インク中に発生する気泡による物理的圧力
によって破壊されやすく、また、破壊された箇所からイ
ンクが侵入して金属配線層6の腐食を引き起こすなど、
インクジェットヘッドの寿命を低下させる要因となって
いた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した事
情に鑑みてなされたもので、良好なインク吐出を長期間
にわたって行なうことができる長寿命のインクジェット
ヘッドおよびその作製方法を提供することを目的とする
ものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、インクジェッ
トヘッドにおいて、基板上に少なくとも下側金属配線層
と、絶縁層と、発熱抵抗体層と、上側金属配線層がこの
順に積層され、電気熱変換体となる抵抗体領域の部分に
は上側金属配線層を除去し、また抵抗体領域のオリフィ
ス側の端部付近からオリフィス側では絶縁層を除去し、
これによって抵抗体領域のオリフィス側の端部付近にお
いて発熱抵抗体層と下側金属配線層とを電気的に接続す
る。このような構造では、電気熱変換体の下部に下側金
属配線層を設けた構成において、スルーホールを介さな
いで発熱抵抗体層と下側金属配線層との接続が行なえる
ため、インク流路内には最小限の凹凸しか存在せず、イ
ンクの流れを乱すことはない。また、これらの上に保護
層などを積層しても、保護層に内在する応力の集中が発
生しないので、保護層の破壊や、インクの侵入による電
極の腐食等が発生せず、良好なインク吐出を長期間にわ
たって行なうことができる長寿命のインクジェットヘッ
ドが得られる。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は、本発明のインクジェット
ヘッドの第1の実施の形態を示す基板の平面図、図2
は、同じくA−A’断面図、図3は同じくB−B’断面
図である。図中、図6ないし図8と同様の部分には同じ
符号を付して説明を省略する。21は絶縁層除去領域、
22は電気接続領域、23は電気熱変換体である。なお
図1では、天板10および流路隔壁11を取り除くとと
もに、無機保護層7やタンタル層8等の保護層も取り除
いて示している。
【0015】シリコン等の基板1上には、シリコン酸化
膜2が形成され、その上に個別電極である下側金属配線
層3が各インク流路9に対応してパターニング形成され
ているこの下側金属配線層3は、各インク流路9のオリ
フィスとは反対側からオリフィスへ向けて延在し、電気
熱変換体23となる領域のオリフィス側の端部よりも電
気接続領域22の分だけオリフィス側まで形成されてい
る。
【0016】さらにその上に絶縁層4が形成されてい
る。絶縁層4は、図1に示すように、電気熱変換体23
となる領域のオリフィス側の端部からオリフィス側の領
域である絶縁層除去領域21の部分が除去されている。
この絶縁層4の下層の下側金属配線層3は、絶縁層除去
領域21において露出することになる。
【0017】絶縁層4の上部に発熱抵抗体層5および金
属配線層6を形成する。この金属配線層6が上側金属配
線層である。発熱抵抗体層5は、少なくとも各インク流
路9に対応した個別部分が形成されており、この個別部
分は電気熱変換体23の領域を含み、インクの流れ方向
に対して前後に延在している。発熱抵抗体層5のオリフ
ィス側は絶縁層除去領域21まで延在して形成され、電
気接続部22において下側金属配線層3と電気的に接続
されている。また、この電気接続部22以外の部分で
は、絶縁層4によって下側金属配線層3と絶縁されてい
る。この例では、電気熱変換体23のオリフィスとは反
対側のパターンは、金属配線層6と同様のパターンに形
成しているが、少なくとも電気熱変換体23の領域と下
側金属配線層3と接続される電気接続部22および金属
配線層6と電気的に接続される部分があればよい。発熱
抵抗体層5としては、金属窒化物、金属硼化物、金属酸
化物、または金属炭化物等を用いることができる。
【0018】金属配線層6は、この例では共通電極を形
成するものであり、図1に示すように発熱抵抗体層5上
の電気熱変換体23の領域のオリフィスとは反対側の端
部まで形成され、それぞれが電気的に接続された一体的
なパターンとして形成されている。発熱抵抗体層5のう
ち、金属配線層6のオリフィス側の端部から電気接続部
22までが電気熱変換体23となる。
【0019】さらにその上に、この例では保護層として
無機保護層7およびタンタル層8を形成している。無機
保護層7は、金属配線層6がインクに触れることによる
腐食を防ぐ。また、タンタル層8は、インク流路9中に
成長した気泡が消滅する際に発生する物理的な圧力に対
して内部を保護する。タンタル層8は、少なくとも電気
熱変換体23上に設けられる。この例では全面に設けら
れている。また、無機保護層7は、例えば電気熱変換体
23の上部を除去し、凹部を形成してインクへの熱の伝
達効率を向上させるとともに気泡の成長をガイドするよ
うに構成してもよい。なお、保護層はこの例に限らず、
種々の層構造を採ることができる。
【0020】一方、この例では天板10に、流路隔壁1
1で仕切られたインク流路9となる溝が形成されてい
る。上述のようにして形成された基板1に対して、天板
10を取り付け、図3に示すように個別のインク流路9
が形成される。この例では、流路隔壁11を天板10と
一体的に形成した例を示したが、例えば基板1上に流路
隔壁11を樹脂などによってパターニング形成し、平板
状の天板10を載置する構成であってもよい。
【0021】次に、本発明のインクジェットヘッドの第
1の実施の形態における製造方法の一例について、具体
例を用いて説明する。シリコンからなる基板1にシリコ
ン酸化膜2を形成する。その上にスパッタリング法によ
り、AlまたはAl−Si、Al−CuなどのAl合金
を着膜し、ドライエッチングまたはウェットエッチング
により所望の形状にパターニングすることで下側金属配
線層3を形成する。その上にスパッタリング法もしくは
CVD法によりシリコン酸化膜を着膜することにより絶
縁層4を形成する。次に、ドライエッチングにより絶縁
層除去領域11の部分のシリコン酸化膜をエッチングす
る。その上にスパッタリング法により窒化タンタルある
いは硼化ハフニウムを着膜し、ドライエッチングまたは
ウェットエッチングにより所望の形状にパターニングす
ることで発熱抵抗体層5を形成する。同様にしてスパッ
タリング法によりAlまたはAl−Si、Al−Cuな
どのAl合金を着膜し、ドライエッチングまたはウェッ
トエッチングにより所望の形状にパターニングすること
で、金属配線層6を得る。さらに、その上にスパッタリ
ング法もしくはCVD法により無機保護層7としてシリ
コン酸化膜、シリコン窒化膜、またはシリコン酸化窒化
膜を着膜し、さらにスパッタリング法によりタンタル層
8を着膜することにより、インクジェットヘッド用の基
板1を作製することができる。
【0022】一方、天板10は、例えばシリコンなどの
基板にダイシングや異方性エッチングなどによってイン
ク流路9となる溝を形成しておく。あるいは、樹脂を成
形し、成形時に溝を形成したり、成形後に例えばレーザ
ー加工などによって溝を形成しておく。そして基板1に
位置合わせし、例えば接着剤によって貼着したり、ある
いは弾性部材などによって押圧接合することにより、イ
ンクジェットヘッドが得られる。
【0023】このようにして作製されたインクジェット
ヘッドによって記録を行なう場合には、画像記録情報に
応じた信号を個別電極である下側金属配線層3を介して
電気熱変換体23に印加する。電気熱変換体23の発熱
抵抗体層5に電流が流れて熱が発生し、発生した熱がイ
ンク流路9内に存在するインクに作用することにより、
インクに膜沸騰が生じる。この沸騰による気泡の成長に
応じてインクがオリフィスから吐出され、インク滴とし
て飛翔し、被記録媒体に付着して記録を行なうことがで
きる。なお、発熱抵抗体層5と金属配線層6とが重なっ
ている部分については、電流は金属配線層6を通るの
で、発熱抵抗体層5による発熱はない。
【0024】この第1の実施の形態で示したインクジェ
ットヘッドによれば、図2からもわかるように、スルー
ホールを用いずに発熱抵抗体層5と下側金属配線層3と
を接続しているので、電気接続部22を覆う保護層の被
覆率が均一化され、またインク流路9中に凹凸が少ない
構造を実現できるので、インク流路9内に発生する気泡
による物理的な力や、保護層に内在する応力集中の影響
を受けにくく、保護層の割れ等を低減し、長寿命のイン
クジェットヘッドが得られる。また、凹凸が少ないので
インク流路9中のインクの流れが均一になり、インクの
吐出方向を安定化させることができる。さらに、この構
造はオリフィスへ向けて流路断面積が広がるので、気泡
の発生位置からオリフィスへ向く方向の流路抵抗が小さ
く、エネルギー効率が向上する。
【0025】また、下側金属配線層3を個別電極として
形成しているので、下側金属配線層3に到達した熱は、
この下側金属配線層3を伝わって隣接する電気熱変換体
23へと伝達されることはない。そのため、隣接する電
気熱変換体23の熱的な特性をほぼ均一に保つことがで
きるとともに、隣接したオリフィスからの不要なインク
の吐出を低減することができる。さらに、下側金属配線
層3が個別電極であるので、同一シリコン基板1に、電
気熱変換体23を動作させるための駆動回路等を作製す
ることが可能である。これらの駆動回路は、基板1にM
OS等で構成することができる。
【0026】図4は、本発明のインクジェットヘッドの
第2の実施の形態を示す断面図である。図中、図1ない
し図3と同様の部分には同じ符号を付して説明を省略す
る。24は傾斜領域である。この実施の形態では、絶縁
層4のオリフィス側を除去する際に、その端面を傾斜さ
せ、傾斜領域24を設けた例を示している。この傾斜領
域24によって、絶縁層4の端部によってインク流路9
内に突出していた凸部は図4に示すように斜面となる。
そのため、上述の第1の実施の形態よりもさらにインク
流路9内の凹凸が少なくなり、気泡による物理的圧力
や、保護層の割れなどによって発生するインクによる腐
食の影響をさらに緩和することが可能となり、良好なイ
ンク吐出を長期間にわたって行なうことができる。
【0027】なお、このようなインクジェットヘッドを
作製する方法としては、上述の第1の実施の形態におい
て絶縁層4を積層した後、下側金属配線層3を露出させ
るために絶縁層除去領域21の酸化膜除去を行なう際
に、ウェットエッチングもしくはドライエッチングによ
り傾斜エッチングを行なうことにより、傾斜領域24に
テーパ形状を作製する。その後、上述の第1の実施の形
態と同様にして発熱抵抗体層5、金属配線層6、無機保
護層7、タンタル層8等を積層してゆく。傾斜領域24
においては、順次積層される各層においてもテーパ形状
となり、図4に示すようにインク流路9内に斜面として
現出することになる。そのため、インク流路9内の凹凸
は少なくなり、気泡による物理的な圧力の集中をさらに
緩和することができる。なお電気熱変換体23は、電気
接続領域22ないし金属配線層6に挟まれる、傾斜領域
24を含む領域となる。
【0028】図5は、本発明のインクジェットヘッドの
第3の実施の形態を示す断面図である。図中、図1ない
し図4と同様の部分には同じ符号を付して説明を省略す
る。12は下側発熱抵抗体層である。この第3の実施の
形態では、上述の第2の実施の形態に加え、下側金属配
線層3と絶縁層4の間に下側発熱抵抗体層12を設けた
例を示している。下側発熱抵抗体層12としては、発熱
抵抗体層5と同一の材料を用い、下側金属配線層3とほ
ぼ同様のパターンに形成する。
【0029】このような構成によれば、電気接続領域2
2において発熱抵抗体層5との接続に寄与する層が発熱
抵抗体層5と同一材料の下側発熱抵抗体層12であるた
め、信頼性の高い電気接触が得られる。さらに、下側発
熱抵抗体層12は熱的に強固であるので、その下層の下
側金属配線層3を被覆して、熱衝撃から下側金属配線層
3を保護することができる。そのため、さらに長寿命の
インクジェットヘッドを得ることができる。
【0030】このようなインクジェットヘッドを作製す
る方法としては、シリコンなどの基板1上にシリコン酸
化膜2を形成した後、スパッタリング法によりAlまた
はAl−Si、Al−CuなどのAl合金により下側金
属配線層3を着膜し、さらに発熱抵抗体層5と同一材料
により下側発熱抵抗体層12を着膜し、ドライエッチン
グまたはウェットエッチングにより所望の形状にパター
ニングする。このとき着膜する下側発熱抵抗体層12の
膜厚は、下側金属配線層3の膜厚に対する下側発熱抵抗
体層12の膜厚割合が40%以下、好ましくは20%以
下となるように形成するとよい。以後の各層については
上述の第2の実施の形態と同様にして形成してゆけばよ
い。
【0031】なお、図5に示した例では、上述の第2の
実施の形態で示した構成に加えて下側発熱抵抗体層12
を設けた例を示したが、第1の実施の形態で示した構成
に下側発熱抵抗体層12を設けてもよい。
【0032】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、電気熱変換体に電力を供給する金属配線を上
側金属配線層と電気熱変換体の下層に形成された下側金
属配線層によって行ない、スルーホールを介さずに絶縁
層を除去した領域で発熱抵抗体層と下側金属配線層との
接続を行なうことによって凹凸を少なくすることができ
るので、発熱抵抗体層と下側金属配線層との電気的な接
続部を覆う保護層の被覆率を均一化し、内部応カの集中
を緩和することができる。また、インク流路内の凹凸が
少なくなるので、インク流路中のインクの流れが均一に
なり、インクの吐出方向が安定し、また、気泡による物
理的な圧力を集中的に受ける箇所が減少して保護層の割
れや、保護層の割れ目からインクが侵入して起きる電極
の腐食等を防止し、吐出寿命の低下を抑制して長寿命の
インクジェットヘッドを得ることができる。保護層のオ
リフィス側端部を傾斜形状とすることによってさらに凹
凸を少なくし、これらの効果を高めることができる。ま
た、下側金属配線層の上にも発熱抵抗体層を設けること
によって、上側の発熱抵抗体層と下側金属配線層との間
の電気的な接続を、同種の材料で行なうことができ、接
続の信頼性を向上させるとともに、下側金属配線層を熱
衝撃などから保護することができる。
【0033】また、下側金属配線層を各電気熱変換体に
対して個別に配置した個別電極として形成することによ
って、電気熱変換体で発生した熱が下層金属配線を介し
て隣接する電気熱変換体に作用することがないため、印
加電気エネルギーに対する吐出エネルギーの効率の低下
が避けられるとともに、隣接する電気熱変換体で発生す
る熱による不必要なインクの吐出や不安定なインク吐出
を生じることがなく、安定したインク吐出を続けること
ができる。さらに、下側金属配線層が個別電極であるの
で、同一のシリコン基板上に電気熱変換体を動作させる
ための駆動回路等を作製することが可能となり、インク
ジェットヘッドの高解像度化・高密度化とともに、装置
全体の小型化を達成できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のインクジェットヘッドの第1の実施
の形態を示す基板の平面図である。
【図2】 本発明のインクジェットヘッドの第1の実施
の形態を示すA−A’断面図である。
【図3】 本発明のインクジェットヘッドの第1の実施
の形態を示すB−B’断面図である。
【図4】 本発明のインクジェットヘッドの第2の実施
の形態を示す断面図である。
【図5】 本発明のインクジェットヘッドの第3の実施
の形態を示す断面図である。
【図6】 従来のインクジェットヘッドの一例を示す平
面図である。
【図7】 従来のインクジェットヘッドの一例を示す断
面図である。
【図8】 従来のインクジェットヘッドの別の例を示す
断面図である。
【符号の説明】
1…基板、2…シリコン酸化膜、3…下側金属配線層、
4…絶縁層、5…発熱抵抗体層、6…金属配線層、7…
無機保護層、8…タンタル層、9…インク流路、10…
天板、11…流路隔壁、12…下側発熱抵抗体層、21
…絶縁層除去領域、22…電気接続領域、23…電気熱
変換体、24…傾斜領域。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク流路に電気熱変換体を形成し、該
    電気熱変換体が発生する熱をインクに作用させることに
    より前記インク流路の先端のオリフィスからインクの液
    滴を吐出させて記録を行なうインクジェット記録方式の
    インクジェットヘッドにおいて、基板上に少なくとも下
    側金属配線層と、絶縁層と、発熱抵抗体層と、上側金属
    配線層がこの順に積層されており、前記発熱抵抗体層の
    上部には前記上側金属配線層が存在しない抵抗体領域が
    設けられ、前記抵抗体領域の前記オリフィス側端部付近
    から前記基板の前記オリフィス側端まで前記絶縁層が除
    去され、前記抵抗体領域の前記オリフィス側端部付近で
    前記発熱抵抗体層と前記下側金属配線層とが電気的に接
    続されており、該接続部分から前記上側金属配線層の前
    記金属配線層端部までの前記抵抗体領域によって前記電
    気熱変換体が形成されていることを特徴とするインクジ
    ェットヘッド。
  2. 【請求項2】 前記絶縁層の前記オリフィス側端部が傾
    斜形状であることを特徴とする請求項1に記載のインク
    ジェットヘッド。
  3. 【請求項3】 前記下側金属配線層は、前記電気熱変換
    体に対応した個別電極であり、前記上側金属配線層は隣
    接する該上側金属配線層と連結した共通電極であること
    を特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッド。
  4. 【請求項4】 前記下側金属配線層と前記絶縁層の間に
    も発熱抵抗体層が形成されていることを特徴とする請求
    項1に記載のインクジェットヘッド。
  5. 【請求項5】 インク流路に電気熱変換体を形成し、該
    電気熱変換体が発生する熱をインクに作用させることに
    より前記インク流路の先端のオリフィスからインクの液
    滴を吐出させて記録を行なうインクジェット記録方式の
    インクジェットヘッドの作製方法において、基板上に前
    記インク流路に対応した下側金属配線層を形成し、その
    上に絶縁層を形成して前記電気熱変換体の形成位置の前
    記下側金属配線層の前記オリフィス側の端部から前記基
    板の前記オリフィス側端までを除去し、その上に少なく
    とも前記電気熱変換体の形成位置では前記インク流路に
    対応するように形成されその先端は前記絶縁層の端部よ
    りも延在して前記下側金属配線層と電気的に接続される
    ように発熱抵抗体層を形成し、前記発熱抵抗体層上の前
    記電気熱変換体の形成位置を除く領域に上側金属配線層
    を形成し、前記発熱抵抗体層の前記下側金属配線層との
    接続部分から前記金属配線層の端部までの領域を前記電
    気熱変換体とすることを特徴とするインクジェットヘッ
    ドの作製方法。
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