JPH10296649A - ねじ打込機 - Google Patents

ねじ打込機

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Publication number
JPH10296649A
JPH10296649A JP11486097A JP11486097A JPH10296649A JP H10296649 A JPH10296649 A JP H10296649A JP 11486097 A JP11486097 A JP 11486097A JP 11486097 A JP11486097 A JP 11486097A JP H10296649 A JPH10296649 A JP H10296649A
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JP
Japan
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screw
driver bit
tip
nosepiece
driving machine
Prior art date
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Pending
Application number
JP11486097A
Other languages
English (en)
Inventor
Saburo Sugita
三郎 杉田
Takashi Watanabe
隆 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanematsu NNK Corp
Original Assignee
Kanematsu NNK Corp
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Publication date
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Publication of JPH10296649A publication Critical patent/JPH10296649A/ja
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  • Portable Nailing Machines And Staplers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ねじ打込機の先端部のノーズピースを簡単な
軽量の機構のものにし、打込対象物への位置決めを容易
且つ適正に行えるようにし、作業者への負担を軽減する
こと。 【解決手段】 ねじ打込機1は、ドライバビット10を
軸方向に移動可能に収容する本体ハウジング2を有し、
その先端部25に、ハウジングより先端方向に延び出る
ように付勢されたノーズピース26と、所定の間隔をお
いて取り外し可能に保持帯によって保持されたねじを、
ドライバビット10の先端に配置するためのスプロケッ
トホイール34とを備えている。ノーズピース26に
は、チャック35が設けられ、その先端が打込対象物に
押付けられ、ハウジングに対して後方に移動し、チャッ
ク35がねじ先端を受け入れて保持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ドライバビットの先端
をねじ頭部の溝に嵌合させ、嵌合したねじをドライバビ
ットの前進及び回転によって保持帯から外して打込対象
物にねじ込むねじ打込機に関する。
【0002】
【従来の技術】ドライバビットと、ドライバビットの回
転手段と、ドライバビットを前進させる手段と、ドライ
バビットの先端側に、所定の間隔をおいて取り外し可能
に保持帯によって保持されたねじを配置するねじ配置手
段とを有し、ドライバビットの先端をねじ頭部の溝に嵌
合させ、嵌合したねじをドライバビットの前進及び回転
によって保持帯から外して打込対象物にねじ込むねじ打
込機は、知られている。例えば、特開昭63−2675
号公報には、モータによってドライバビットを回転さ
せ、その回転を利用してドライバビットを前進させる電
動式ねじ打込機が開示されている。このねじ打込機で
は、ドライバビットの前進が自身の回転によって得られ
るので作業者にはドライバビットを前進させる作業が不
要になる旨の記載がある。かかる公知のねじ打込機にお
いて、打込機の先端を打込対象物の所定の位置に位置決
めし、その位置決めを維持しつつその所定の位置にねじ
を1本ずつ打込むには、ねじ送り機構への工夫がなくま
たノーズ部を邪魔するため、熟練を必要とするであろ
う。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】特開平3−16606
4号公報には、ねじ保持帯を用いてねじを1本ずつドラ
イバビットに送るように構成した送り機構をノーズピー
スに取付けたねじ打込機が開示されており、前記の特開
昭63−2675号公報のものより、位置決め及び打込
みを容易にしている。しかし、このように、可動のノー
ズピースにねじ保持帯の送り機構を設けた場合、ねじ保
持帯の送り機構と装着したねじ付きねじ保持帯によっ
て、ノーズピース先端が重くなり、作業者は打込対象物
への位置決めが正確にできない惧れがある。また、ねじ
保持帯の送り機構をノーズピースに取付けているので、
単純であるべきノーズピースの構造が複雑になってしま
う。更に可動のノーズピースにねじ保持帯を保持する場
合には、ノーズピースから垂れているねじ保持帯が、ノ
ーズピース部分で前後左右に移動して揺れ、打込み作業
の際煩わしいものとなる。更に、特開平3−16606
4号の装置の場合には、可動のノーズピースにねじ保持
帯の送り機構が設けられ、ハウジングからドライバビッ
トがその送り機構に設けられたねじ保持帯のねじを押出
すので、ドライバビットがねじを保持帯から取り外すた
めの力による反動の力が、そのままドライバビットを浮
き上がらせる力となり、ハウジングに伝達されて作業者
に作用し、作業者にはその浮き上がり力に対抗する強い
押付け力を要求し、作業者の負担を大きくしている。
【0004】従って、本発明の目的は、ねじ打込機の先
端に配置されるノーズピースを簡単な軽量の機構のもの
にし、打込対象物への位置決めを容易且つ適正に行える
ようにし、作業者への負担を軽減するねじ打込機を提供
することにある。
【0005】
【課題を解決する手段】本発明によれば、ドライバビッ
トと、ドライバビットを回転する手段と、ドライバビッ
トを前進させる手段と、ドライバビットの先端側に、所
定の間隔をおいて取り外し可能に保持帯によって保持さ
れたねじを配置するねじ配置手段とを有し、ドライバビ
ットの先端をねじ頭部の溝に嵌合させ、嵌合したねじを
ドライバビットの前進及び回転によって保持帯から外し
て打込対象物にねじ込むねじ打込機が提供される。この
ねじ打込機は、ドライバビットを軸方向に移動可能に収
容する本体のハウジングと、該ハウジングの先端に、ド
ライバビットの先端側の部分を受け入れるように、ハウ
ジングの長手方向に移動可能に取付けられて、ハウジン
グより先端方向に延び出るように付勢されたノーズピー
スとを備え、ねじ配置手段は、ハウジングの先端に設け
られ、ねじ保持帯を進めてねじを1本ずつドライバビッ
トの先端に整列する位置に送るように回転する案内ホイ
ールで成り、ノーズピースには、案内ホイールによって
保持されたねじ保持帯のねじ先端を受け入れる位置に、
チャック手段が設けられ、ノーズピースは、その先端が
打込対象物に押付けられることによって、ハウジングに
対して後方に移動するとき、チャック手段がねじ先端を
受け入れて保持することを特徴とする。
【0006】かかるねじ打込機によれば、ねじ保持帯
は、可動のノーズピースではなく、ハウジングの先端に
取付けられた案内ホイールに保持されるので、ノーズピ
ース先端を打込対象物に押付ける場合にも、ノーズピー
ス先端が重くて位置決めがままならないということがな
く、ノーズピースの位置決めを安定して且つ正確に行う
ことができ、また、可動のノーズピースにねじ保持帯を
保持する場合にはねじ保持帯全体がノーズピース部分で
前後左右に移動し揺れるので打込み作業の際煩わしい
が、本発明のねじ打込機ではハウジングにねじ保持帯が
保持されるので、ねじ保持帯が前後に移動する煩雑さも
なくなる。更に、ノーズピースが打込対象物に押付けら
れるとき、ノーズピースのチャック手段がねじの先端を
受け入れて保持するので、ねじはその頭部と先端の両端
部がしっかりと保持され、その姿勢もドライバビットの
軸心に整列した状態に維持されるので、ねじは打込み不
良なく適正に打込まれる。更に、ねじが保持帯から離脱
するときの反力によってドライバビットに強い反動が加
わっても、ドライバビットを前進させる分割ナット手段
と保持帯の案内用ホイールの両方が、ハウジングの側に
設けられているので、その反動による力は、同じハウジ
ングの中のドライバビットと分割ナット手段との間に加
わるだけであり、作業者にはその反動による力は一切作
用せず、作業者への負担は軽減される。
【0007】上記のねじ打込機において、打込対象物に
押付けられたノーズピースの押付けの解除のときの復帰
運動によって次のねじをドライバビット先端に対応する
位置に送るように、案内ホイールを回転させる案内ホイ
ール回転手段を設けることができ、これによって、ドラ
イバビットは、次の打込作業の前に、先端にねじが適正
に配置されており、ねじの打込作業の準備が確実に行わ
れ、ねじの打込作業を適正に維持できる。この場合、保
持帯案内ホイールを、ねじ保持帯の両縁部の送り凹部に
係合する突起を有する一対のスプロケットホイールで形
成し、案内ホイール回転手段を、一端がハウジング先端
に旋回可能に支持され且つ中間部にはノーズピースに係
合するノーズピース係合部が設けられた爪部材で形成
し、爪部材の他端が、ノーズピースの打込対象物への押
付けによって、スプロケットホイールより後方へ移動
し、ノーズピースの打込対象物への押付けの解除及び復
帰によってスプロケットホイールの突起に係合し且つ次
のねじをドライバビット先端に対応する位置に送るよう
にスプロケットホイールを回転させることによって実施
できる。更に、一対のスプロケットホイールの間に、ド
ライバビットの先端を保持するブロックを形成し、該ブ
ロックに、ドライバビットの先端を回転可能に且つ軸方
向移動可能に保持させることができる。また、チャック
手段の位置を、ノーズピース先端が打込対象物に押付け
られるとき、ドライバビットがねじ頭部に係合するとき
またはそれより前に、該チャック手段がねじ先端を受け
入れる位置にすることができ、チャック手段がねじ先端
を確実に保持できるようにすることができる。更に、ド
ライバビット前進手段を、ドライバビットに固定された
雄ねじ手段と、該雄ねじ手段の外側に設けられ該雄ねじ
手段に係合する、少なくとも2つに分割されたナット手
段とから構成し、ねじ打込機の先端を打込対象物に押付
けると分割ナット手段を相互に近接して雄ねじ手段に係
合し、ねじ打込機先端の打込対象物への押付けを解除す
ると分割ナット手段を相互に離間して雄ねじ手段との係
合を外すナット離接手段を更に設けることができ、これ
によって、ドライバビットは、自身の回転によって前進
し、打込みが終了して打込機先端の打込対象物への押付
けを解除すると、ナット手段が雄ねじ手段から離れるの
で、ドライバビットは簡単に且つ短時間に復帰する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について図
面を参照しながら説明する。図1には本発明に係るねじ
打込機1の全体が、ねじ打込動作前の状態すなわち静止
状態で示されている。ねじ打込機1は、説明の便宜上、
ハウジング2を取外し、そのハウジング2の全体形状を
想像線で示している。図1を参照して、ねじ打込機1の
構成の全体を説明する。なお、この実施例では、モータ
を動力源とした電動式ねじ打込機を使用しているが、本
発明のねじ打込機は、電動式ねじ打込機に限られず、圧
縮空気や油圧等の他の動力源を用いるねじ打込機にも適
用できる。
【0009】ねじ打込機1のハウジング2には、作業者
の手持ちに便利なように、ハンドル3が形成されてい
る。ハンドル3の端部には、ねじ打込機1の電源となる
充電可能な電池5が取り外し可能に取付けられている。
電源は電池5に限定されない。例えば、電池のないハン
ドル3の端部にコネクタを設けて、このコネクタからコ
ードを延ばし、所定の電圧及び電流を得るように商用電
源へ直接または変換器等を経由して接続するようにして
もよい。ハンドル3には、トリガに対応する位置にメイ
ンスイッチ6が設けられている。このメインスイッチ6
は、ねじ打込み動作を開始させるものではなく、打込み
作業を可能にするだけのものである。ねじ打込み作業
は、後述のように、ノーズピースを打込対象物に押付け
ることによって開始する。なお、メインスイッチ6に
は、オンにしたままロックするロックボタンが設けられ
ている。
【0010】ねじ打込機1は、ハウジング2が固定され
る本体フレーム7を有する。ハウジング2の後方側に
は、モータ9が本体フレーム7によって支持されてい
る。ハウジング2の中心には、ハウジング2の後方側か
ら先端側に長く延びるドライバビット10が、軸心回り
に回転可能に且つ軸心方向に移動可能に配置されてい
る。図示のドライバビット10は、後方部分と中間部分
と先端部分の3つの部分で構成されているが、これらは
一体的に連結されており、1本のドライバビットを形状
している。図示の例では、先端部分の先端に、打込まれ
るねじの頭部の十字溝に係合する十字の突起が形成され
ている。ねじ頭部がマイナス溝の場合はドライバビット
10の先端部分をマイナス形状の先端を持つものに交換
できる。モータ9の回転力は、モータ9に隣接して設け
られた歯車減速機11に伝えられ、歯車減速機11から
ドライバビット10に伝達される。歯車減速機11のド
ライバビットに連結された歯車は、ドライバビット10
に対してキー連結されており、ドライバビット10と一
緒に回転するが、ドライバビット10を軸方向に移動可
能なように支持している。
【0011】ハウジング2の中間部には、ドライバビッ
ト自身の回転によってドライバビット10を前進させる
機構が設けられている。この機構は、ドライバビット1
0の軸部直径より大径で且つ同心に固定された雄ねじ部
13と、この雄ねじ部13の外側に設けられ、ドライバ
ビット10の半径方向に移動可能に配置された2つに分
割された半ナット部材14、14とを包含する。図1に
示すねじ打込動作前の状態すなわち静止状態では、半ナ
ット部材14は離れていて雄ねじ部13に螺合しない。
ねじ打込み状態では、半ナット部材14、14がドライ
バビット10の半径方向内側に移動して雄ねじ部13に
螺合する。モータ9によって回転されたドライバビット
10は自身の回転によって、雄ねじ部13の雄ねじは半
ナット部材14の雌ねじに沿って進むことになる。
【0012】ドライバビット10には、大径の後端部1
5と本体フレーム7との間に、コイルばね17が設けら
れ、静止状態においては、ドライバビット10は最も後
方側に引き込んだ位置すなわち初期位置に保持されてい
る。従って、雄ねじ部13に螺合していた半ナット部材
14、14が雄ねじ部13から離れると、自身の回転に
よって前進していたドライバビット10は、コイルばね
17によって初期位置に戻る。なお、この実施例では、
ナットを2分割した半ナット部材14を用いているが、
2分割に限るものではなく、それ以上(例えば、3分
割、4分割等)に分割することもできる。また、コイル
ばね17は、ドライバビット10を初期位置に保持する
限り、後端側でなく、ドライバビット10の他の位置、
例えば中間の位置に設けてもよい。その例が、図2及び
図3にコイルばね17aとして示されている。
【0013】ハウジング2の中間部の本体フレーム7の
内側であって、半ナット部材14、14の外側には、半
ナット部材14のドライバビットの軸心回りに回転する
のを防止するように形成された角筒形状のスライド部材
18が、ドライバビット10の軸方向にスライド可能に
配置されている。このスライド部材18の移動によっ
て、半ナット部材14、14は、離れた位置から相互に
接近して雄ねじ部材13に螺合させられたり、その螺合
状態から離されたりする。半ナット部材14は、角筒状
スライド部材18に包囲されているが、本体フレーム7
には固定されていない。従って、半ナット部材14、1
4は、スライド部材18の中でドライバビット10の半
径方向に移動でき、また、ドライバビット10の軸方向
にも本体フレーム7の前後の壁の範囲内で移動できる。
しかし、半ナット部材14が軸方向に自由に移動するの
はドライバビット10の前進に支障があるので、軸方向
の自由な移動を抑えるようにばね付勢されている。すな
わち、本体フレーム7の前端と半ナット部材14の前縁
部との間にはコイルばね19が設けられ、半ナット部材
14をハウジング2の前方側に付勢して、通常時は軸方
向に移動しないようにしてある。
【0014】また、スライド部材18は、本体フレーム
7の内側でドライバビットの軸方向に沿って滑らかにス
ライドできるように、本体フレーム7に長手方向に細長
く形成されたガイド溝21に突出するガイド用突部22
を有する。スライド部材18が、本体フレーム7に沿っ
て前方側から後方側へスライドすると、半ナット部材1
4は、雄ねじ部13から離れた位置から、雄ねじ部13
の雄ねじに螺合する位置に移動する。このため、図4に
も示すように、スライド部材18には、半ナット部材1
4に設けられたピンを受けるカム溝が形成されたカム板
23を有する。これらのドライバビット10、雄ねじ部
13、半ナット部材14、スライド部材18、ピン、カ
ム板等の詳細な構成については、図2〜図5等を加えて
後に説明する。なお、カム溝及びピンは、図示の実施例
では、ピンが半ナット部材に設けられ、カム溝(カム
板)がスライド部材の側に設けられているが、半ナット
部材にカム溝が設けられ、スライド部材にピンが設けら
れていてもよい。
【0015】ハウジング2の先端部は、本体フレーム7
より前方に長く延びたドライバビット10の先端部分を
包囲するノーズ部25を形成している。このノーズ部2
5には、ドライバビット10の先端側の部分を受け入れ
るように、ノーズピース26が設けられている。ノーズ
ピース26は、ノーズ部25にハウジング2の長手方向
(すなわちドライバビット10の軸方向)に移動可能に
取付けられており、ノーズ部25より先端方向に延び出
るようにコイルばね27によって付勢されている。図1
の位置すなわち静止位置では、ノーズピース25は最も
前方に延び出た位置にあり、コイルばね27より強い力
でノーズピース先端を押込むと、後方側へ移動する。コ
イルばね27が取付けられるロッド29は、ノーズピー
ス26から後方側に延びて前記した角筒状スライド部材
18に連結されている。従って、スライド部材18はノ
ーズピース26とともに移動するように連結されてお
り、ノーズピース26の先端が打込対象物に押付けられ
たり離されたりすると、スライド部材18も一緒に移動
する。
【0016】ここで図8を参照すると、ねじ30はねじ
保持帯31に一定の間隔をおいて連結されている。ねじ
保持帯31の両縁部には、ねじとねじの間隔に合わせ
て、送り凹部33が形成されている。再度、図1に戻っ
て、ハウジング先端部のノーズ部25には、ねじ保持帯
31を保持し、ねじを1本ずつ、ドライバビット先端に
整列して配置するように案内する手段が取付けられてい
る。ねじ保持帯31を保持し案内するため、ノーズ部2
5には、ねじ保持帯31の両縁部の送り凹部33に係合
する突起を外周に有する一対のスプロケットホイール3
4、34が回転可能に支持されている。ねじの送りに
は、そのスプロケットホイールをねじとねじの間隔に対
応する角度だけ回転させればよい。
【0017】その回転のため、ノーズ部25には、爪部
材(図2等に示す)が設けられ、打込対象物の所定位置
に押付けられたノーズピース26の押付けの解除のとき
の復帰運動によって、爪部材がスプロケット34に作用
して、次のねじをドライバビット先端に対応する位置に
送っている。一対のスプロケットホイール34、34の
間には、ドライバビット10の先端を保持するブロック
が設けられている。このブロックの中央には、ドライバ
ビット10の先端が貫通する孔が設けられ、また、スプ
ロケットホイールが回転してもブロックは回転しないよ
うに、ノーズ部25に支持されている。ノーズピース2
6の先端には、スプロケットホイールによって保持され
たねじ保持帯から突出するねじの先端を受け入れる位置
に、一対のチャック35、35が設けられ、チャック3
5がねじの先端を支持する。このように、ねじの頭部が
スプロケットホイールに、ねじの先端がチャックに、そ
れぞれしっかりと保持され、ねじの姿勢は、ドライバビ
ットの軸心に整列した状態に維持される。図1では、ス
プロケットホイール、爪部材、チャック等が十分に示さ
れていないので、これ以上の説明は、図2、図3、図7
〜図11等を参照しながら、後述する。
【0018】ノーズピース26が、ハウジング2の先端
のノーズ部25に対し、ハウジングの長手方向に沿って
滑らかにスライドできるように、ノーズピース26の両
側面には細長いガイド溝37が形成されている。各ガイ
ド溝37には、ノーズ部25から突出するガイド突部3
8が嵌合している。これによって、ノーズピース26
は、ノーズ部25を受け入れるように、ハウジング2の
長手方向にスライドし、スライド部材18も一緒にスラ
イドする。また、ノーズピース26の側面には、スプロ
ケットホイールを回転させる爪部材を旋回させるように
作用する溝39が形成され、この溝39には、爪部材か
ら突出するピン41が収容されている。これによって、
ノーズピース26を打込対象物へ押付けるとき、爪部材
が後方側へ旋回し、ノーズピースの押付けの解除によっ
て、爪部材を前方側へ旋回させ、この前方側への旋回に
おいて、スプロケットホイールの突起に係合して、1本
のねじの分だけ、スプロケットホイールを回転させ、次
のねじをドライバビット先端に対応する位置に送る。
【0019】ハウジング2の内側には、ねじ打込機1の
モータ9を駆動するためのオンスイッチ42と、モータ
9の駆動を停止するオフスイッチ43とが設けられてい
る。オンスイッチ42は、スライド部材18に離接して
設けられ、ノーズピース26が打込対象物に押付けられ
てスライド部材18が移動を開始すると、作動する位置
に設けられている。従って、ノーズピース26を打込対
象物に押付けると、スライド部材18によってオンスイ
ッチ42が作用し、メインスイッチ6がオンになってい
れば、モータ9が駆動される。このように、ノーズピー
ス26を打込対象物に押付ける操作で、オンスイッチ4
2がオンになり、ねじの打込み作業を開始しており、メ
インスイッチ6は、ねじ打込み作業を開始するものでは
ない。これにより、打込対象物にノーズピースを押付け
ない限り、ねじの打込みが行われないので打込作業の安
全が確保され、打込み作業毎にトリガスイッチを引く手
間も省ける。また、オンスイッチ42のハウジングへの
取付け位置は、半ナット部材14、14が雄ねじ部13
に螺合する前にモータ9の駆動が行われる位置にある。
すなわち、スライド部材18は、その移動の始めに、オ
ンスイッチ42を付勢し、その後の移動によって、半ナ
ット部材14、14を接近するよう移動させる。従っ
て、半ナット部材14、14が雄ねじ部13に螺合する
前に、雄ねじ部13は回転しており、半ナット部材14
は雄ねじ部13のねじへの噛み合いすなわち螺合を容易
に且つ短時間に行うことができる。
【0020】オフスイッチ43は、ドライバビット10
の後端部15が所定の位置に前進したときに作用する位
置に設けられている。このオフスイッチ43が動作する
とモータ9の駆動を停止する。その停止によって、作業
者はノーズピース26の打込対象物への押付けを解除す
る。このとき、ねじは打込対象物に一定の打込深度をも
って打込まれていなければならない。すなわち、オフス
イッチ43は、モータ9の駆動の停止だけでなく、ねじ
の打込深度を定める。打込深度の調整のため、オフスイ
ッチ43は、ドライバビット10の軸方向に移動できる
ように取付けられている。オフスイッチ43は、ドライ
バビット10と平行に延び且つ軸方向に移動可能に設け
られたスイッチ保持部材45に保持される。スイッチ保
持部材45の前方側にはねじロッドが設けられており、
ねじロッドには、一部がハウジング2の外面に露出する
回転可能な回転つまみ46が、共に回転するがねじロッ
ドを軸方向に移動可能なように連結されている。従っ
て、回転つまみ46の回転により、オフスイッチ43の
駆動位置すなわち打込深度を調整することができる。ス
イッチ保持部材45の他端側の一部はハウジング2の外
側から見えるようにしてあって、打込深度の指示となっ
ている。従って、作業者は打込深度を目視できる。
【0021】スイッチ保持部材45の後端側には、コイ
ルばね47が設けられており、スイッチ保持部材45を
前方側に付勢している。この付勢によって、後述のよう
に、オフスイッチ43は、スライド部材18に当接しス
ライド部材18の移動とともに移動することができる。
作業者の操作ミスによって、ノーズピース26がノーズ
部25の先端から少し離れてノーズピースに連結された
スライド部材18が移動した場合、オフスイッチ43
も、その離れた分だけスライド部材18とともにノーズ
ピース26に追従して移動することができる。従って、
ドライバビット10は、ノーズピース26が離れた分ま
で前進した後に停止するので、回転つまみ46によって
設定した打込深度まで移動することができる。その打込
深度に達すると、ドライバビット10の後端部15がオ
フスイッチ43に作用して、モータ9の駆動を停止す
る。
【0022】以上が、本発明の1実施例に係るねじ打込
機の全般的な構成の説明である。以下、図2〜図11を
加えて、ねじ打込機の各部の構成の詳細を説明する。な
お、図2〜図11において、図1に示す種々の部材であ
って、説明をしたものについては、同じ符号を付し、そ
の説明を省略する。
【0023】先ず、図1に、図2〜図6を加えて、ドラ
イバビット10を回転させ、そのドライバビット自身の
回転によってドライバビット10を前進させる機構につ
いて説明する。なお、図2、図3及び図5は、ノーズピ
ース26を打込対象物に押付けて半ナット部材14、1
4がドライバビット10の雄ねじ部13に螺合し始めた
状態にあり、図1の静止状態とは違っている。しかし、
図4は図1の静止状態を示している。ドライバビット1
0の回転はモータ9の駆動によって行われる。本体フレ
ーム7によってハウジング2の後端側に支持されたモー
タ9の回転は、隣接する歯車減速機11に伝えられる。
歯車減速機11には、3つの歯車49〜51が設けら
れ、モータ9の出力シャフト53の回転は減速されてド
ライバビット10に伝達される。図2及び図6に示すよ
うに、ドライバビット10の後方部分には長手方向に延
びるキー溝54が設けられており、このキー溝54とド
ライバビット10に設けられる歯車51との間にはキー
部材55が設けられている。これによって、歯車51
は、ドライバビット10に対して、ドライバビット10
を回転させるが、ドライバビット10が自身の軸方向に
移動可能なように連結されている。
【0024】モータ9の回転によって回転させられるド
ライバビット10は自身の回転によって軸方向に移動す
なわち前進することができる。この前進機構は、ハウジ
ング2の中間部に設けられており、ドライバビットに固
定された雄ねじ部13と、雄ねじ部に螺合する2つの半
ナット部材14、14と、半ナット部材14を相互に離
接するように移動させるスライド部材18とを包含す
る。半ナット部材14がスライド部材18によって雄ね
じ部13に螺合させられると、回転する雄ねじ部13の
雄ねじは半ナット部材14の雌ねじに沿って進み、ドラ
イバビット10が自身の回転によって前進できる。雄ね
じ部13は、ドライバビット10の軸部直径より大径で
且つ同心に固定されている。
【0025】各半ナット部材14は、ドライバビット1
0の長手方向に、ドライバビットの軸方向の移動範囲を
カバーする長さをもつ矩形の厚い板状体で形成されてお
り、雄ねじ部13に対向する面には、雌ねじ57(図
4)が形成されている。各半ナット部材14は、角筒形
状のスライド部材18によって、ドライバビットの回り
を回転しないように且つ相互に分離しないように包囲さ
れている。また、各半ナット部材14は、スライド部材
18の内側で、ドライバビット10の長手方向に少しで
はあるが移動できる。半ナット部材14の前端は、ドラ
イバビット10の中間部分の前方側を回転可能に且つ軸
方向移動可能に保持する軸受け58に隣接して設けられ
たブロック59に当接している。この当接のため、本体
フレーム7の前端と各半ナット部材14の前端とにはコ
イルばね19が設けられており、通常時は、半ナット部
材14は軸方向に移動(すなわち後退)することはな
い。図3に示すように、半ナット部材14の後端61と
その後方側に設けられた本体フレーム7のブロック62
(図1も参照されたい)との間に、長さLの隙間が形成
されている。従って、半ナット部材14は、コイルばね
19の付勢力より強い後退力が加わったとき、その長さ
Lだけ後方側に移動できる。
【0026】2つの半ナット部材14を包囲するスライ
ド部材18には、半ナット部材14の間を、両側(図5
の上側及び下側)においてそれぞれ橋渡しするカム板2
3が一対設けられている。カム板23は、半ナット部材
14を相互に離接するように作用するためのものであ
り、各カム板23には、長手方向に延びる細長いカム溝
63が4本形成されている。カム溝63には、半ナット
部材14の各側面に2本ずつ立設されたピン65がそれ
ぞれ収容されており、スライド部材18の移動によっ
て、カム溝63がピン65を収容した状態で移動する。
各カム溝63の形状は、静止状態すなわちスライド部材
18に連結されたノーズピース26が前方側へコイルば
ね29によって付勢されているときは、半ナット部材1
4が雄ねじ部13から離れる位置に保持されるようにピ
ン65を保持し、且つ、ノーズピース26を打込対象物
に押付けてスライド部材18が後方側に移動すると、半
ナット部材14が雄ねじ部13に接近して螺合する位置
に保持されるようにピン65を保持する形状に形成され
ている。そのため、後方側から前方側に細長く延びる各
カム溝63は、図2及び図4に示すように、後方側では
軸心より外方の位置に形成され、その溝は、後方側から
中間部に移る部分で軸心側に寄り、中間部から前方側に
おいては軸心側に近い位置に形成されている。カム溝6
3は、ピン65を収容して半ナット部材14を相互に離
接するように作用し、更に、スライド部材18にとって
は、固定した半ナット部材14のピン65に沿うガイド
としても機能し、スライド部材18のスライドを滑らか
にしている。なお、カム板23の外面には、ピン65が
外方に出ないように、カバー66が設けられている。な
お、カム溝及びピンは、図示の実施例と違って、半ナッ
ト部材にカム溝が設けられ、スライド部材にピンが設け
られていてもよい。
【0027】雄ねじ部13の雄ねじ及び半ナット部材1
4の雌ねじのリードは、対象物に打込まれるねじ30の
リードよりやや大きく形成される。雄ねじ部13及び半
ナット部材14の各ねじのリードが、打込み用ねじ30
のリードより小さいと、ねじの打込みの際のドライバビ
ット10の前進が、打込み用ねじ30の進みより小さく
なって、ドライバビットの先端が打込み用ねじ30の頭
部から離れてしまい、ねじの打込みに支障をきたす。ま
た、雄ねじ部13及び半ナット部材14の各ねじのリー
ドと打込み用ねじ30のリードとが等しい場合、ドライ
バビット10の前進とねじ30の進みは同じになるが、
打込対象物へのねじ30の打込みの負荷が大きくなる
と、ドライバビット10の先端がねじ30の頭部の溝か
ら外れるカムアウト現象が生じ、打込みに支障をきたす
ことがある。これらのことから、雄ねじ部13の雄ねじ
及び半ナット部材14の雌ねじのリードは、対象物に打
込まれるねじ30のリードよりやや大きく形成され、こ
れによって、ねじの打込みの際のドライバビット10の
前進を、打込み用ねじ30の進みより大きくして、ドラ
イバビット10を打込み用ねじ30に強く押付け、前記
のカムアウト現象を防止している。この場合、ドライバ
ビット10の前進が打込み用ねじ30の進みより大きい
ので、ねじ打込機1の全体が、打込対象物から浮き上が
る惧れがある。しかし、前記の通り、図3に示すよう
に、半ナット部材14の後端61とその後方側に設けら
れた本体フレーム7に設けられたブロック62との間に
長さLの隙間が形成され、半ナット部材14は、コイル
ばね19の付勢力より強い後退力が加わったとき長さL
にわたって後方側に移動することができる。前記のドラ
イバビット10の浮き上がり力は、雄ねじ部材13を介
して半ナット部材14に伝達されているが、半ナット部
材14の後退によって、ドライバビット10も後退して
その浮き上がり力を吸収でき、ねじ打込機1が打込対象
物から浮き上がることを防止できる。
【0028】ハウジング2の先端側となるノーズ部25
及びノーズピース26の部分の構成について、図2、図
3、図7を参照して説明し、図9〜図11を参照して、
ねじ30をドライバビット先端に送る爪部材について説
明する。ノーズ部25には、ノーズ部25に対して長手
方向にスライドするノーズピース26が設けられてい
る。ノーズピース26は、図1の静止位置では、最も前
方に延び出ており、図2及び図3の打込み位置では、コ
イルばね27より強い力で打込対象物に押付けられて後
退している。ノーズピース26はロッド29によってス
ライド部材18に連結され、ノーズピース26の後退に
よってスライド部材18も後退し、オンスイッチ42を
付勢してモータ9を駆動させ、半ナット部材14、14
をドライバビット10の雄ねじ部13に螺合させて、ド
ライバビット10が回転しながら前進する。ねじ30の
打込みの完了後、打込対象物から離すとノーズピース2
6はコイルばね27によって前方に移動して静止状態に
なる。
【0029】図8において、ねじ30はねじ保持帯31
に一定の間隔をおいて取り外し可能に保持され、ねじ保
持帯31の両縁部の送り凹部33によって、ねじ保持帯
31を送ることができる。図2、図9〜図11におい
て、ノーズ部25には、ねじ保持帯31の送り凹部に係
合する突起67を外周に有する一対のスプロケットホイ
ール34、34が、ねじ保持帯31の幅の間隔に合わせ
て離れた状態で、回転可能に支持されている。スプロケ
ットホイール34を回転させる爪部材の説明の前に、ス
プロケットホイール回りの構造を説明する。スプロケッ
トホイール34、34の間には、ドライバビット10の
先端を保持するブロック69が設けられている。ブロッ
ク69は、スプロケットホイール34とともには回転す
ることのないように、ノーズ部25に支持されており、
その中心には、ドライバビット10が貫通する孔70
(図7)が形成され、ドライバビット10の先端部分を
回転可能に且つ軸方向移動可能に支持する。ブロック6
9によって支持されたドライバビット10の先端は、ス
プロケットホイール34、34によって保持されたねじ
保持帯31のねじ30の頭部に整列しており、ビット先
端は、前進することによって、そのまま、ねじ30の頭
部溝に嵌合できる。なお、スプロケットホイール34に
は、突起67の1つ分だけ移動して停止するように、小
ボールとばねと凹部とによるクリック機構71(図7)
が設けられている。
【0030】ノーズ部25には、スプロケットホイール
34に離接して、爪部材73が取付けられている。爪部
材73は、一端がノーズ部25に旋回軸74によって旋
回可能に取付けられた第1アーム75と、第1アーム7
5の他端に、ピン41によってに旋回可能に連結された
第2アーム77とから構成される。連結用ピン41に
は、第2アーム77の先端をスプロケットホイール34
の突起67に係合するように付勢するばね79が設けら
れている。連結用ピン41は、ノーズ部25に弧状に形
成された溝79から外方に突出し、更に、ノーズピース
26の側面に形成された直線状の溝39に収容されてい
る。図9は、ノーズピース26が打込対象物に押付けら
れていない静止状態を示しており、この状態では、爪部
材73は、ノーズ部の弧状溝79の最前方位置にあっ
て、第2アーム77の先端は、スプロケットホイール3
4の突起67に係合してスプロケットホイール34の逆
回転を阻止している。
【0031】図10において、ノーズピース26が打込
対象物81に押付けられて、後方側に移動する(実際に
は、ノーズピース26自身は打込対象物81に押付けら
れた状態で停止しており、ハウジング2の全体が打込対
象物81に移動する)と、ノーズピース26の直線溝3
9が後方に移動して、ピン41を、ノーズ部25の弧状
溝79の範囲で、後方側に移動させ、爪部材73をスプ
ロケットホイール34から離れるように後方側へ旋回さ
せる。ノーズ部25には、後方側へ旋回した爪部材73
の第2アーム77がばね78によって旋回し過ぎないよ
うに規制するストッパピン82が設けられている。ねじ
30の打込み後、ノーズピース26を打込対象物81か
ら離すと、ノーズピース26が前方に移動し、ノーズピ
ース26の直線溝39も前方に移動する。図11は、そ
の前方移動の途中を示している。直線溝39の前方移動
によって、ピン41が前方に移動し、爪部材73が前方
の側に旋回し始める。この旋回において、爪部材73の
第2アーム77の先端が、スプロケットホイール34の
1つの突起67に係合し、ノーズピース26の前方移動
の継続によって、爪部材73はスプロケットホイールの
突起67を前方側へ押付けてスプロケットホイール34
を、ねじ1個分だけ回転させる。このようにして、ノー
ズピース26の押付けの解除の際、1本のねじの分だ
け、スプロケットホイール34が回転し、次のねじをド
ライバビット10の先端に対応する位置に送る。
【0032】図3に最もよく示されるように、ノーズピ
ース26の先端には、ねじ30の先端を受け入れる位置
に、一対のチャック35、35が設けられている。各チ
ャック35は、ピン83によってノーズピース先端に旋
回自在に取付けられており、ばね85によって、先端が
ねじの先端を把持するように付勢されている。各チャッ
ク35のピン83より後方部分86は、ノーズピース2
6の側面に形成された窓87(図1参照)に露出してい
る。作業者は、この窓87から、後方部分86を指で押
し込むことができ、これによって、チャック35は、図
3の想像線で示すように、ピン83を中心に旋回して、
詰まったねじを除去することができるように、先端側の
ねじ把持部分を開放する。
【0033】チャック35は、ノーズ部25のスプロケ
ットホイール34に保持されたねじ30の先端を受け入
れる位置にある。チャック35の把持部の位置は、ノー
ズピース26の先端を打込対象物に押付けるとき、ドラ
イバビット10がねじ30の頭部に係合するとき又はそ
れより前にねじ先端を受け入れる位置にある。特に、チ
ャック35の把持部の位置は、ノーズピース26の先端
を打込対象物に押付けて後方側に移動させるにつれて、
ねじ30の先端を受け入れる位置であって、ドライバビ
ット10の先端がねじ30の頭部に係合するより前にね
じ先端を受け入れる位置に設けられるのが好ましい。ね
じ30は、頭部がスプロケットホイール34上のねじ保
持帯31によって確実に支持される一方で、ねじ30の
先端はチャック35、35の把持部によってぐらつきな
く支持されることになる。そのため、打込もうとするね
じ30は、両端部がしっかりと保持され、その姿勢もド
ライバビット10の軸心に整列した状態に維持される。
従って、ねじ30の頭部はドライバビット10の先端に
確実に係合し、回転するドライバビット10の前進によ
ってそのまま打込み不良なく適正に打込まれる。
【0034】なお、図1及び図2に見られるように、ノ
ーズ部25のスプロケットホイール34の部分には、ス
プロケットホイール34に保持したねじ保持帯31をス
プロケットホイール34に沿わせて進めるガイドカバー
89が、ピン90によって旋回可能に取付けられてい
る。このガイドカバー89は、ねじ30を保持した保持
帯31をスプロケットホイール34に装着するときや、
保持帯31を取り外すとき等には、図2の想像線で示す
位置に旋回して、装着や取り外し等を容易にしている。
【0035】特開平3−166064号公報は、ねじ保
持帯の送り機構をノーズピースに取付けたねじ打込機を
開示している。このように、可動のノーズピースにねじ
保持帯の送り機構を設けた場合、ねじ保持帯の送り機構
と装着したねじ付きねじ保持帯によって、ノーズピース
先端が重くなり、作業者は打込対象物への位置決めが正
確にできない惧れがある。また、ねじ保持帯の送り機構
をノーズピースに取付けているので、単純であるべきノ
ーズピースの構造が複雑になってしまう。更に可動のノ
ーズピースにねじ保持帯を保持する場合には、ノーズピ
ースから垂れているねじ保持帯が、ノーズピース部分で
前後左右に移動して揺れ、打込み作業の際煩わしいもの
となる。これに対して、本発明のねじ打込機1では、可
動のノーズピース26ではなく、ハウジング2のノーズ
部25に、スプロケットホイール34や爪部材73が設
けられるので、ノーズピース26が軽くなり、ノーズピ
ース26の打込対象物への位置決めが確実にでき、ノー
ズピース26の構造は簡単になり、交換や保守に便利で
あり、ねじ保持帯の送り機構から出ているねじ保持帯3
1も、打込機の本体側であるノーズ部25から出るの
で、ねじ保持帯が前後に移動する煩雑さもなくなり、打
込み作業の際の煩わしさを軽減できる。
【0036】ねじ30をねじ保持帯31から取り外すに
は、7Kg〜10Kgの力が必要とされる。この力は、ドラ
イバビット10に反力として加わり、ドライバビット1
0を後退させ、雄ねじ部13に螺合している半ナット部
材14、14を後退させようとする。半ナット部材1
4、14は、ばね19、19によって前方側に付勢され
ており、図3の長さLの範囲で後退可能になっている。
従って、ねじ30をねじ保持帯31から取り外すときに
ドライバビット10に加わる反力によって半ナット部材
14が後退する。ねじがねじ保持帯31から取り外され
ると反力がなくなり、半ナット部材14はばね19によ
って元の位置に戻る。なお、ねじが保持帯から離脱する
ときにドライバビットに強い反動が加わっても、保持用
スプロケットホイールとドライバビットを前進させる半
ナット部材が、ハウジングの本体に設けられているの
で、その反動による力は、同じハウジングの中のドライ
バビット10と半ナット部材14との間に加わるだけで
ある。従って、作業者には、その反動による力が一切作
用せず、作業者への負担はない。特開平3−16606
4号の装置の場合には、可動のノーズピースにねじ保持
帯の送り機構が設けられ、ハウジングからドライバビッ
トがその送り機構に設けられたねじ保持帯のねじを押出
すので、ノーズピースから前記の反動による力が、ドラ
イバビットを浮き上がらせる力となり、ハウジングに伝
達されて作業者に作用し、作業者にはその浮き上がり力
に対抗する強い押付け力を要求し、作業者の負担を大き
くする。
【0037】更に、特開平3−166064号公報のね
じ打込機のように、可動のノーズピースにねじ保持帯の
送り機構を設けた場合、ノーズピースを打込対象物に押
付けるにつれて、ノーズピースのチャックがねじ先端を
受け入れるように機能することができない。本発明にお
いては、本体側のノーズ部25にねじ保持帯31が保持
されているので、ノーズピース26を打込対象物へ押付
けると、ノーズピース26がねじ保持帯31に近づくよ
うに移動し、その移動につれてチャック35、35は、
ねじ30の先端を徐々に受け入れ、ねじ先端の把持が滑
らかに且つ確実に行われる。従って、簡単な構造で、ね
じ30は、頭部と先端の2点での支持が確実に行われ、
ねじの打込みも良好に行われる。
【0038】
【発明の効果】本発明のねじ打込機によれば、ねじ保持
帯は、可動のノーズピースではなく、ハウジングの先端
に取付けられた案内ホイールに保持されるので、ノーズ
ピース先端を打込対象物に押付ける場合にも、ノーズピ
ース先端が重くて位置決めがままならないということが
なく、ノーズピースの位置決めを安定して且つ正確に行
うことができ、また、可動のノーズピースにねじ保持帯
を保持する場合にはねじ保持帯全体がノーズピース部分
で前後左右に移動し揺れるので打込み作業の際煩わしい
が、本発明のねじ打込機ではハウジングにねじ保持帯が
保持されるので、ねじ保持帯が前後に移動する煩雑さも
なくなる。更に、ノーズピースが打込対象物に押付けら
れるとき、ノーズピースのチャック手段がねじの先端を
受け入れて保持するので、ねじはその頭部と先端の両端
部がしっかりと保持され、その姿勢もドライバビットの
軸心に整列した状態に維持されるので、ねじは打込み不
良なく適正に打込まれる。更に、ねじが保持帯から離脱
するときの反力によってドライバビットに強い反動が加
わっても、ドライバビットを前進させる分割ナット手段
と保持帯の案内用ホイールの両方が、ハウジングの側に
設けられているので、その反動による力は、同じハウジ
ングの中のドライバビットと分割ナット手段との間に加
わるだけであり、作業者にはその反動による力は一切作
用せず、作業者への負担は軽減される。
【0039】上記のねじ打込機において、打込対象物に
押付けられたノーズピースの押付けの解除のときの復帰
運動によって次のねじをドライバビット先端に対応する
位置に送るように、案内ホイールを回転させる案内ホイ
ール回転手段を設けることができ、これによって、ドラ
イバビットは、次の打込作業の前に、先端にねじが適正
に配置されており、ねじの打込作業の準備が確実に行わ
れ、ねじの打込作業を適正に維持できる。この場合、保
持帯案内ホイールを、ねじ保持帯の両縁部の送り凹部に
係合する突起を有する一対のスプロケットホイールで形
成し、案内ホイール回転手段を、一端がハウジング先端
に旋回可能に支持され且つ中間部にはノーズピースに係
合するノーズピース係合部が設けられた爪部材で形成
し、爪部材の他端が、ノーズピースの打込対象物への押
付けによって、スプロケットホイールより後方へ移動
し、ノーズピースの打込対象物への押付けの解除及び復
帰によってスプロケットホイールの突起に係合し且つ次
のねじをドライバビット先端に対応する位置に送るよう
にスプロケットホイールを回転させることによって実施
できる。更に、一対のスプロケットホイールの間に、ド
ライバビットの先端を保持するブロックを形成し、該ブ
ロックに、ドライバビットの先端を回転可能に且つ軸方
向移動可能に保持させることができる。また、チャック
手段の位置を、ノーズピース先端が打込対象物に押付け
られるとき、ドライバビットがねじ頭部に係合するとき
またはそれより前に、該チャック手段がねじ先端を受け
入れる位置にすることができ、チャック手段がねじ先端
を確実に保持できるようにすることができる。更に、ド
ライバビット前進手段を、ドライバビットに固定された
雄ねじ手段と、該雄ねじ手段の外側に設けられ該雄ねじ
手段に係合する、少なくとも2つに分割されたナット手
段とから構成し、ねじ打込機の先端を打込対象物に押付
けると分割ナット手段を相互に近接して雄ねじ手段に係
合し、ねじ打込機先端の打込対象物への押付けを解除す
ると分割ナット手段を相互に離間して雄ねじ手段との係
合を外すナット離接手段を更に設けることができ、これ
によって、ドライバビットは、自身の回転によって前進
し、打込みが終了して打込機先端の打込対象物への押付
けを解除することによって、ナット手段が雄ねじ手段か
ら離れるので、ドライバビットは簡単に且つ短時間に復
帰する。
【0040】なお、本発明は、電動式ねじ打込機だけで
なく、空圧作動式ねじ打込機や油圧作動式ねじ打込機等
の他のねじ打込機にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る、静止状態のねじ打込機の内部構
造を示す概略斜視図である。
【図2】本発明に係る、打込対象物へノーズピースを押
付けた状態のねじ打込機の内部構造を示す正面断面図で
ある。
【図3】本発明に係る、打込対象物へノーズピースを押
付けた状態のねじ打込機の内部構造を示す左側面断面図
である。
【図4】ドライバビットとその雄ねじ部と半ナット部材
とスライド部材との関係を示す斜視図である。
【図5】図2のA−A線に沿った断面図である。
【図6】図2のB−B線に沿った断面図である。
【図7】図2のC−C線に沿った断面図である。
【図8】ねじとねじ保持帯との関係を示す斜視図であ
る。
【図9】静止状態にあるねじ打込機の、ノーズ部とノー
ズピースの部分を詳細に示す正面断面図である。
【図10】ノーズピースを打込対象物に押付けた状態
の、ノーズ部とノーズピースの部分を詳細に示す正面断
面図である。
【図11】ノーズ部をノーズピースから離す状態の、ノ
ーズ部とノーズピースの部分を詳細に示す正面断面図で
ある。
【符号の説明】
1 ねじ打込機 2 ハウジング 3 ハンドル 5 電池 6 メインスイッチ 7 本体フレーム 9 モータ 10 ドライバビット 11 歯車減速機 13 雄ねじ部 14 半ナット部材 15 ドライバビットの大径後端部 17、17a ドライバビット付勢用コイルばね 18 スライド部材 19 半ナット部材付勢用コイルばね 23 スライド部材のカム板 25 ノーズ部 26 ノーズピース 27 ノーズピース付勢用コイルばね 29 ノーズピースとスライド部材を連結するロッド 30 ねじ 31 ねじ保持帯 33 ねじ保持帯の送り凹部 34 スプロケットホイール 35 チャック 39 ノーズピースの爪部材旋回用溝 41 爪部材の旋回作用ピン 42 オンスイッチ 43 オフスイッチ 45 スイッチ保持部材 46 回転つまみ 49、50、51 歯車 54 キー溝 55 キー部材 58 ドライバビットの軸受け 59 半ナット部材当接用ブロック 62 ブロック 63 カム板のカム溝 65 半ナット部材のピン 67 スプロケットホイールの送り用突起 69 ドライバビット先端を支持するブロック 71 スプロケットホイールのクリック機構 73 爪部材 74 爪部材の旋回軸 75 第1アーム 77 第2アーム 78 第1アームと第2アームの旋回作用ピンに設けら
れるばね 79 ノーズ部の弧状溝 82 爪部材の第2アームのストッパピン 83 チャック旋回用ピン 89 ねじ保持帯用ガイドカバー

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドライバビットと、該ドライバビットを
    回転する手段と、ドライバビットを前進させる手段と、
    ドライバビットの先端側に、所定の間隔をおいて取り外
    し可能に保持帯によって保持されたねじを配置するねじ
    配置手段とを有し、ドライバビットの先端をねじ頭部の
    溝に嵌合させ、嵌合したねじをドライバビットの前進及
    び回転によって保持帯から外して打込対象物にねじを打
    込むねじ打込機において、 ドライバビットを軸方向に移動可能に収容する本体のハ
    ウジングと、該ハウジングの先端に、ドライバビットの
    先端側の部分を受け入れるように、ハウジングの長手方
    向に移動可能に取付けられて、ハウジングより先端方向
    に延び出るように付勢されたノーズピースとを備え、前
    記ねじ配置手段は、ハウジングの先端に設けられ、前記
    ねじ保持帯を進めてねじを1本ずつドライバビットの先
    端に整列する位置に送るように回転する案内ホイールで
    成り、前記ノーズピースには、前記案内ホイールによっ
    て保持されたねじ保持帯のねじ先端を受け入れる位置
    に、チャック手段が設けられ、該ノーズピースは、その
    先端が打込対象物に押付けられることによって、ハウジ
    ングに対して後方に移動するとき、前記チャック手段が
    ねじ先端を受け入れて保持することを特徴とするねじ打
    込機。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のねじ打込機において、
    打込対象物に押付けられたノーズピースの押付けの解除
    のときの復帰運動によって次のねじをドライバビット先
    端に対応する位置に送るように、前記案内ホイールを回
    転させる案内ホイール回転手段が設けられていることを
    特徴とするねじ打込機。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のねじ打込機において、
    前記保持帯案内ホイールは、ねじ保持帯の両縁部の送り
    凹部に係合する突起を有する一対のスプロケットホイー
    ルから成り、前記案内ホイール回転手段は、一端がハウ
    ジング先端に旋回可能に支持され且つ中間部にはノーズ
    ピースに係合するノーズピース係合部が設けられた爪部
    材で成り、該爪部材の他端は、ノーズピースの打込対象
    物への押付けによって、スプロケットホイールより後方
    へ移動し、ノーズピースの復帰とともに、スプロケット
    ホイールの突起に係合し且つ次のねじをドライバビット
    先端に対応する位置に送るようにスプロケットホイール
    を回転させることを特徴とするねじ打込機。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のねじ打込機において、
    前記一対のスプロケットホイールの間には、ドライバビ
    ットの先端を保持するブロックが形成されており、該ブ
    ロックが、ドライバビットの先端を回転可能に且つ軸方
    向移動可能に保持していることを特徴とするねじ打込
    機。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載のねじ打込機において、
    前記チャック手段の位置は、ノーズピース先端が打込対
    象物に押付けられるとき、ドライバビットがねじ頭部に
    係合するときまたはそれより前に、該チャック手段がね
    じ先端を受け入れる位置にあることを特徴とするねじ打
    込機。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載のねじ打込機において、
    前記ドライバビット前進手段は、ドライバビットに固定
    された雄ねじ手段と、該雄ねじ手段の外側に設けられ該
    雄ねじ手段に係合する、少なくとも2つに分割されたナ
    ット手段とから成り、更に、ねじ打込機は、ねじ打込機
    の先端を打込対象物に押付けると前記分割ナット手段を
    相互に近接して雄ねじ手段に係合し、ねじ打込機先端の
    打込対象物への押付けを解除すると分割ナット手段を相
    互に離間して雄ねじ手段との係合を外すナット離接手段
    とで成ることを特徴とするねじ打込機。
JP11486097A 1997-05-02 1997-05-02 ねじ打込機 Pending JPH10296649A (ja)

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