JPH10296596A - 研磨方法および研磨装置 - Google Patents

研磨方法および研磨装置

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JPH10296596A
JPH10296596A JP10566597A JP10566597A JPH10296596A JP H10296596 A JPH10296596 A JP H10296596A JP 10566597 A JP10566597 A JP 10566597A JP 10566597 A JP10566597 A JP 10566597A JP H10296596 A JPH10296596 A JP H10296596A
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JP
Japan
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work
polishing
polishing tool
surface plate
peripheral portion
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Application number
JP10566597A
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English (en)
Inventor
Akira Meguro
晃 目黒
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SYST SEIKO KK
Original Assignee
SYST SEIKO KK
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Publication date
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  • Grinding Of Cylindrical And Plane Surfaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ワークの両面を同時に高い研磨精度で研磨し
得る技術を提供する。 【解決手段】 下側定盤11の上面に設けられた下側砥
石12と、上側定盤13の下面に設けられた上側砥石1
4との間でワークキャリア17に形成された保持孔18
に保持されたワークWが研磨される。ワークキャリア1
7は、複数個のそれぞれが下側定盤11の回転中心部を
回転中心とする太陽歯車15と、下側砥石12の外側に
固定された内歯歯車16とに噛み合って、太陽歯車15
の周りを自転しつつ公転する。砥石12,14の外周部
の周速度は内周部の周速度の2.5倍以下に設定されて
おり、砥石12,14の内周部に位置するときのワーク
Wと砥石12,14とのすべり接触速度と、砥石12,
14の外周部に位置するときのワークWと砥石12,1
4とのすべり接触速度との差が小さくなっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気ディスク用アル
ミニウム基板などの円板状のワークを研磨加工するため
の研磨技術に関する。
【0002】
【従来の技術】複数枚の磁気ディスク用アルミニウム基
板の両面を同時に研磨加工する研磨装置は、上面に環状
の下側砥石が設けられた下側定盤と、下面に環状の上側
砥石が設けられた上側定盤とを有しており、上下両方の
定盤は相互に逆方向に回転駆動されるとともに、上下方
向に移動自在となっている。下側定盤の回転中心部には
外径が下側砥石の内径よりも小径となった太陽歯車が回
転自在に設けられ、下側砥石の外径よりも内径が大きい
内歯歯車が下側砥石の外方に位置させて固定されてい
る。
【0003】太陽歯車と内歯歯車とに噛み合う外歯歯車
が形成されたワークキャリアが複数枚、下側砥石と上側
砥石との間に配置されるようになっており、それぞれの
ワークキャリアにはワークである磁気ディスク用アルミ
ニウム基板を収容する円形の保持孔が形成され、ワーク
キャリアの板厚はワークの板厚よりも薄く設定されてい
る。このようなアルミニウム基板の研磨装置としては、
たとえば、特許第2556605号公報に記載されるも
のがあり、ワークを研磨するには、まず、下側砥石の上
に太陽歯車と内歯歯車とに噛み合った状態で配置された
それぞれのワークキャリアの保持孔にワークを配置す
る。
【0004】次いで、上側定盤を下降移動させて、ワー
クの上下両面に下側砥石と上側砥石とを接触させる。こ
の状態のもとで、上下両方の定盤を回転駆動するととも
に、太陽歯車を回転駆動すると、ワークキャリアは自転
しながら太陽歯車の周りを公転し、ワークの両面が研磨
されることになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、本発明者
は、同時に多数枚のワークを高い研磨精度で研磨する技
術について検討した。以下は、本発明者によって検討さ
れた技術であり、その概要は次のとおりである。
【0006】すなわち、ワークが上下両側の砥石により
研磨される際には、ワークキャリアが自転しながら公転
するので、ワークは水平面内においてサイクロイド曲線
ないしトロコイド曲線を描いて両方の砥石の間を砥石の
表面に沿って水平に移動することになり、各々のワーク
は砥石に対してこれの外周部に位置する時と、中央部に
位置する時と、内周部に位置する時とに時々刻々と変化
する。
【0007】砥石により研磨される研磨量は、研磨時間
に対応すると考えられるので、研磨開始から所定の時間
が経過した時に研磨終了と判断するようにしている。し
かしながら、ワークの各部位をミクロ的に観察すると、
自転しながら公転するワークキャリアによってワークを
搬送しながら研磨する装置にあっては、砥石の径方向の
位置に応じて砥石の周方向の速度が相違しているので、
砥石がワークにすべり接触する際のすべり接触速度は、
ワークが砥石の径方向に移動することから、ワークの位
置に応じて順次変化している。
【0008】ワークの表面を高い精度で研磨することを
考慮すると、研磨開始から研磨終了までの砥石とワーク
とのすべり接触の速度は、一定であることが望ましいと
考えられるが、上述のようにワークキャリアに形成され
た保持孔にワークを保持してこれを移動させるようにし
た研磨装置では、すべり接触を一定に保つことは困難で
ある。
【0009】しかし、それぞれ環状となった上下両側の
砥石の内側部と外側部との周速度の差を小さく設定する
ことにより、研磨時間を長くすることなく、研磨精度を
高めることができるとの推測のもとで種々の実験が繰り
返された。その結果、環状の砥石の内外周の周速度の差
を小さくすることにより、研磨精度を高め得ることが判
明した。
【0010】本発明の目的は、ワークの両面を同時に高
い研磨精度で研磨し得る技術を提供することにある。
【0011】本発明の前記ならびにその他の目的と新規
な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかに
なるであろう。
【0012】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、
以下のとおりである。
【0013】すなわち、本発明の研磨方法は、水平面内
において回転する下側定盤に環状に設けられた下側研磨
具と、前記下側定盤に対向して回転する上側定盤に設け
られた上側研磨具との間に配置された複数のワークキャ
リアの各々に複数のワークを装填し、前記ワークキャリ
アに前記研磨具の内周部側で噛み合う太陽歯車と、前記
キャリアに前記研磨具の外周部側で噛み合う内歯歯車と
を相対回転させて前記ワークキャリアを前記下側研磨具
の上面に沿って自転移動させつつ公転移動し、前記それ
ぞれの研磨具の外周部の周速度を内周部の周速度の2.
5倍以下に設定することにより、前記それぞれのワーク
キャリアの自転に伴ってワークが前記研磨具の内周部に
位置するときのワークと前記研磨具とのすべり接触速度
と、ワークが前記研磨具の外周部に位置するときのワー
クと前記研磨具とのすべり接触速度との差を小さくし、
前記それぞれのワークキャリアに保持された前記複数の
ワークのそれぞれの両面の研磨度を全体的に均一にする
ようにしたことを特徴とする。
【0014】また、本発明の研磨装置は、水平面内にお
いて回転する下側定盤の上面に設けられた下側研磨具
と、前記下側定盤に対向して回転する上側定盤の下面に
設けられた上側研磨具と、前記下側定盤の回転中心部を
回転中心として回転する太陽歯車と、前記下側研磨具の
外側に固定された内歯歯車と、それぞれ前記太陽歯車と
前記内歯歯車とに噛み合った状態で前記下側研磨具の上
に載置され、ワークを保持する複数の保持孔が形成され
た複数のワークキャリアとを有し、前記それぞれの研磨
具の外周部の周速度を内周部の周速度の2.5倍以下に
設定し、前記それぞれのワークキャリアの自転に伴って
ワークが前記研磨具の内周部に位置するときのワークと
前記研磨具とのすべり接触速度と、ワークが前記研磨具
の外周部に位置するときのワークと前記研磨具とのすべ
り接触速度との差を小さくしたことを特徴とする。
【0015】本発明にあっては、研磨具の外周部の周速
度と内周部の周速度との差を小さくすることにより、ワ
ークを環状の研磨具の間で挟み付けた状態で研磨する際
における研磨条件が研磨開始から終了の間で大きく変化
することなく、研磨品質を向上させることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。
【0017】図1は本発明の一実施の形態である研磨装
置における下側定盤とこれの両側に配置されたローディ
ングテーブルとアンローディングテーブルとを示す概略
構造図であり、図2は図1に示された下側定盤とこれの
上方に設けられた上側定盤とを有する研磨装置を示す一
部切り欠き斜視図である。
【0018】図2に示すように、研磨装置10は矢印で
示すように水平面内において回転する下側定盤11を有
し、この下側定盤11の上面には環状の下側研磨具とし
ての下側砥石12が取り付けられ、下側定盤11は上下
方向にも調整移動自在となっている。下側定盤11の上
方には、これに対向して回転する上側定盤13が配置さ
れており、この上側定盤13には下側砥石12に対応し
て環状となった上側砥石14が上側研磨具として取り付
けられている。この上側定盤13は、矢印で示すよう
に、下側定盤11の回転方向とは逆方向に回転するとと
もに、上下方向に移動自在となっている。
【0019】図示する研磨装置にあっては、研磨具とし
て砥石が用いられているが、上下の砥石14,12に代
えてそれぞれバフを取り付けるようにしても良い。
【0020】下側定盤11の回転中心部には外径が下側
砥石12の内径よりもやや小径となった太陽歯車15が
矢印で示すように下側定盤11と同一の方向に回転自在
に設けられており、下側砥石12の外径よりもやや大径
となった環状の内歯歯車16が下側定盤11を囲むよう
に固定配置されている。
【0021】太陽歯車15と内歯歯車16との間には、
図示する場合には、10個のワークキャリア17が配置
されており、それぞれのワークキャリア17は外周部に
外歯歯車が形成されている。それぞれのワークキャリア
17には、ワークである磁気ディスク用アルミニウム基
板Wを収容するための円形の保持孔18が5つずつ形成
されており、ワークキャリア17の厚みは、ワークWの
厚みよりも薄く形成されている。
【0022】それぞれのワークキャリア17を太陽歯車
15と内歯歯車16とに噛み合わせた状態で太陽歯車1
5を回転させると、内歯歯車16は固定されているの
で、それぞれのワークキャリア17は自転しながら太陽
歯車15の周りを公転することになり、ワークWはワー
クキャリア17によって水平面内において上下の砥石1
4,12の間でこれらに接触しながら、サイクロイド曲
線ないしトロコイド曲線を描いて水平方向に移動するこ
とになる。
【0023】それぞれのワークキャリア17の保持孔1
8に対してワークを装填するために、図1に示すよう
に、下側定盤11に隣接させてローディングテーブル2
1が配置されており、ワークWを装填する際には、それ
ぞれのワークキャリア17が所定の位置となるように位
置決めされる。ローディングテーブル21には、図示し
ないワーク収納容器に収容されたワークが1つずつ載置
されるようになっており、ローディングテーブル21に
対しては、所定の位置に位置決めされたワークキャリア
17の保持孔18に対応させて、図1に示すように、ロ
ーディングテーブル21の所定の位置にワークWが載置
される。
【0024】そのときには、1つのワークキャリア17
の5つの保持孔18の位置に対応させて5つのワークW
をローディングテーブル21の上に載置した後に、その
テーブル21を1つのワークキャリア17の位相角度に
対応した36°だけ回転させ、次の5つのワークWをテ
ーブル21の上に載置することになる。この操作を10
個のワークキャリア17に対応させて行うことにより、
50個のワークWをテーブル21の上に載置した状態が
図1に示されている。
【0025】ローディングテーブル21の上方には上下
動自在に図示しないワーク装填装置が設けられており、
この装置によって50個のワークWが同時に保持されて
上昇された後に、水平移動されて下側定盤11の真上に
全てのワークWは同時に搬送され、次いで下降移動され
てそれぞれのワークキャリア17の保持孔18にワーク
Wが挿入される。ワーク装填装置には、それぞれのワー
クWを保持するためのチャックがワークWの数に対応し
た数だけ設けられており、チャックはそれぞれのワーク
Wの中央部に形成された貫通孔の部分でワークWを保持
するようになっている。
【0026】研磨終了後にワークキャリア17から取り
出されたワークWを支持するために、下側定盤11に隣
接させて図1に示すように、アンローディングテーブル
22が配置されており、ローディングテーブル21に載
置された50個のワークWを研磨装置10に装填するた
めのワーク装填装置と同様の構造からなる図示しないワ
ーク取り出し装置によって、研磨終了後のワークWはア
ンローディングテーブル22の上に載置される。このア
ンローディングテーブル22の上に載置されたワークW
は、図示しないワーク搬送装置によって洗浄乾燥装置に
1つずつ搬送される。
【0027】図4は研磨装置10の下側定盤11を駆動
するための装置本体部を示す図であり、この中に下側定
盤11を回転する機構と上下動する機構とが組み込まれ
ている。
【0028】図示するように、台座23に設けられた支
持台24には軸受により回転自在に筒状の駆動体25が
組み込まれており、この駆動体25の中空孔内には、上
端部で下側定盤11に固定された中空の駆動軸26が設
けられている。駆動体25の回転を駆動軸26に伝達す
るとともに、駆動軸26を駆動体25に対して上下方向
に移動自在とするために、駆動軸26と駆動体25との
間にはすべりキー27が設けられている。駆動軸26の
中空孔内には、上端部で太陽歯車15に固定された回転
軸28が回転自在に設けられており、この回転軸28は
その下端部で軸受により支持されている。
【0029】下側定盤11を回転駆動するために、図4
に示すように、駆動体25にはプーリー29が固定さ
れ、このプーリー29に掛け渡されるタイミングベルト
をモータにより駆動することにより、下側定盤11は所
定の方向に回転駆動される。また、太陽歯車15を回転
駆動するために、回転軸28の下端部にはプーリー29
が固定され、これをモータにより回転駆動することによ
り、太陽歯車15は下側定盤11とは別の駆動源により
駆動されるようになっている。
【0030】下側定盤11を上下方向に移動するため
に、支持台24に形成された収容スペース内には軸受を
介して駆動プレート31が駆動軸26に取り付けられて
おり、支持台24に回転自在に取り付けられた複数のボ
ールねじ32に噛み合うボールナット33が駆動プレー
ト31に設けられている。それぞれのボールねじ32に
は駆動歯車34が連結されており、駆動歯車34をモー
タにより回転駆動することにより、駆動軸26を介して
下側定盤11は所定のストロークで上下方向に移動され
る。
【0031】図5は上側定盤13を示す正面側断面図で
あり、上側定盤13は下面に上側砥石14が取り付けら
れる環状の定盤本体35を有しており、その定盤本体3
5には第1補強部材36が取り付けられ、さらにこの第
1補強部材36には第2補強部材37が取り付けられて
いる。これらの部材により上側定盤13は、全体として
中空孔を有することなく、高い剛性を有している。
【0032】上側定盤13の上方には駆動体38が配置
されており、この駆動体38は上側定盤13に対して駆
動ロッド39により上側定盤13の外周部おいて連結さ
れている。駆動体38を上下動することにより上側定盤
13は上下方向に駆動され、駆動体38を回転駆動する
ことにより上側定盤13は回転駆動される。このよう
に、上側定盤13をその外周部に連結された複数本の駆
動ロッド39を介して駆動するとともに、上側定盤13
を環状の定盤本体35と2つの補強部材36,37とに
より剛性が高く設定されているので、研磨に際して上側
定盤13の変形が回避され、上側砥石14も変形するこ
となく、高い精度でワークWを研磨することができる。
【0033】図3に示すように、太陽歯車15のピッチ
円直径をDsとし、内歯歯車16のピッチ円直径をDi
とし、ワークキャリア17のピッチ円直径をDcとする
と、これらの比Ds:Di:Dcは、2.5 :4.5 :1 と
なっている。このような直径比に設定することにより、
図4に示すように環状の下側砥石12の内径D1 と外径
2 との比は1:1.76となっている。上側砥石14の内
外径の比も同様となっている。このような直径比とする
ために、それぞれの砥石12,14の内径は、図示する
場合には、745mmとなっており、外径は1313m
mに設定されている。
【0034】このような内外径の差とすることにより、
砥石12,14の内周エッジと外周エッジとの周速度V
1 とV2 の値は、それぞれの砥石12,14を30rp
mで回転させた場合には、それぞれ70m/minと1
24m/minとなり、内外径の比に対応した周速比と
なり、周速度の差は47m/minとなる。
【0035】ワークキャリア17が自転することによ
り、ワークキャリア17の保持孔18に保持された状態
のワークWが、砥石12,14に対してそれぞれの内周
部側に位置していた状態から外周部側の位置に移動し、
再度内周部側に戻るというように、砥石表面に対して水
平方向にジグザグ移動することになる。
【0036】次に、前述した研磨装置10によりワーク
を研磨するための研磨手順について説明する。未研磨の
ワークを図1に示すローディングテーブル21の上に図
示するようにワークキャリア17およびそれに形成され
た保持孔18に対応させて所定の数だけ配置する。この
ように配置が完了し、上側定盤13が上方に退避し、さ
らに下側定盤11が停止された状態のもとで、図示しな
いワーク装填装置によって全てのワークWを全てのワー
クキャリア17の保持孔18内に装填する。
【0037】この状態のもとで、上側定盤13を下降移
動させて、上側砥石14と下側砥石12とでワークWを
挟むように保持する。このときには、ワークキャリア1
7の厚みはワークWの厚みよりも薄くなっているので、
ワークキャリア17は下側砥石12に接触するのみであ
り、両方の砥石12,14によって挟み付けられること
はない。
【0038】次いで、研磨液をワークWに供給した状態
にしながら、下側定盤11と上側定盤13とを相互に逆
方向に回転駆動するとともに、太陽歯車15を下側定盤
11と同一の方向に回転駆動する。これにより、全ての
ワークキャリア17は同時に太陽歯車15の周りを自転
しながら公転することになり、それぞれのワークWは砥
石12,14の内周側と外周側との間をジグザグ移動し
ながら研磨される。
【0039】このジグザグ移動は、砥石12,14の外
周側の周速度が、内周側の周速度の1.76倍に設定さ
れているので、内外周部の周速度の差が小さくなり、研
磨開始から研磨終了までの間に砥石12,14とワーク
Wとのすべり接触速度の差が小さくなり、研磨精度を高
めることができる。
【0040】図6はこのようにワークWが砥石の内周部
と外周部との間をジグザグ移動しながら太陽歯車15の
周りを公転している際における砥石12,14の表面と
ワークWの表面とのすべり接触速度の変化を示すグラフ
であり、図示した実施の形態の研磨装置10におけるす
べり接触速度の変化は実線で示されている。ただし、こ
のグラフにあっては、ワークW自体が自転とともに公転
する速度は省略されている。
【0041】図6において二点鎖線は、比較例における
すべり接触速度の変化を示すグラフであり、この比較例
にあっては、上述した太陽歯車15と内歯歯車16とワ
ークキャリア17のピッチ円直径の比Ds:Di:Dc
を 1: 3:1 に設定しており、砥石12,14の内外径
をそれぞれ430mm、1250mmとして、それぞれ
の砥石12,14を逆方向に30rpmの回転数で回転
させた。この場合における周速度は、それぞれV1 が4
1m/minで、V2 が118m/minであり、周速
度の差は77m/minであった。
【0042】それぞれの研磨装置10によって同じ数の
ワークWを研磨した後に、それぞれのワークWの研磨精
度の平均値を測定したところ、研磨精度は比較例の研磨
装置よりも図示する本発明の研磨装置10の方が向上す
ることが判明した。
【0043】表1は本発明の3つの実施例と2つの比較
例について、砥石の寸法および内外周部の周速度につい
てのデータを示す。実施例1は前述した砥石に相当し、
実施例2はピッチ円直径の比Ds:Di:Dcを 3:
5:1 に設定した場合であり、実施例3はピッチ円直径
の比Ds:Di:Dcを 2: 4:1 に設定した場合であ
る。比較例1は前述した場合であり、比較例2も同様の
ピッチ円直径の比となっている。
【0044】
【表1】
【0045】このように、比較例にあっては、いずれも
砥石の外周部の周速度は内周部の周速度の2.6倍以上
となっており、外周部の周速度を内周部の周速度の2.
5倍以下、好ましくは2.0倍以下に設定することによ
り、研磨精度を高めることが可能となった。
【0046】以上、本発明者によってなされた発明を実
施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記の
形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない
範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0047】たとえば、太陽歯車15と内歯歯車16と
ワークキャリア17のピッチ円直径の比は前述した場合
に限られず、任意の値とすることができる。また、使用
されるワークキャリア17の数を8つとしたり、その他
の数とすることができる。さらに、それぞれのワークキ
ャリア17に形成される保持孔18の数も任意の数とす
ることができ、1つのワークキャリア17に対して任意
の数のワークを装填することができる。図示する場合に
は、砥石を用いてワークを研磨しているが、バフを用い
てワークを研磨やポリッシングする場合にも本発明の装
置を使用することができる。
【0048】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち、代
表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、
以下のとおりである。
【0049】(1).研磨具の外周部の周速度を内周部の周
速度の2.5倍以下、好ましくは2.0倍以下に設定す
ることにより、ワークWが研磨具の外周部に位置して研
磨されるときと、内周部に位置して研磨されるときとに
おける研磨具とワークとのすべり接触速度の差が小さく
なる。
【0050】(2).これにより、ワークの研磨開始から研
磨終了までの間における研磨条件の差が小さくなり、ワ
ークの両面の研磨度を多数のワークについて全体的に均
一にすることができ、それぞれのワークを高い精度で研
磨することが可能となる。
【0051】(3).周速度の差を小さくすることから、環
状の研磨具の径を大きくして、同時に多数のワークを研
磨することができ、研磨効率を向上させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である研磨装置とこれに
隣接した配置されるローディングテーブルとアンローデ
ィングテーブルとの配置状態を示す概略斜視図である。
【図2】図1に示された研磨装置を示す一部切り欠き斜
視図である。
【図3】図1および図2に示された研磨装置の下側部分
を示す平面図である。
【図4】図3の正面側断面図である。
【図5】研磨装置の上側部分を示す正面側断面図であ
る。
【図6】本発明の研磨装置と比較例の研磨装置とにおけ
るワークの移動による砥石とワークとのすべり接触速度
の変化を示すグラフである。
【符号の説明】
10 研磨装置 11 下側定盤 12 下側砥石 13 上側定盤 14 上側砥石 15 太陽歯車 16 内歯歯車 17 ワークキャリア 18 保持孔 21 ローディングテーブル 22 アンローディングテーブル 23 台座 24 支持台 25 駆動体 26 駆動軸 27 すべりキー 28 回転軸 29 プーリー 31 駆動プレート 32 ボールねじ 33 ボールナット 34 駆動歯車 35 定盤本体 36,37 補強部材 38 駆動体 39 駆動ロッド

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水平面内において回転する下側定盤に環
    状に設けられた下側研磨具と、前記下側定盤に対向して
    回転する上側定盤に設けられた上側研磨具との間に配置
    された複数のワークキャリアの各々に複数のワークを装
    填し、 前記ワークキャリアに前記研磨具の内周部側で噛み合う
    太陽歯車と、前記ワークキャリアに前記研磨具の外周部
    側で噛み合う内歯歯車とを相対回転させて前記ワークキ
    ャリアを前記下側研磨具の上面に沿って自転移動させつ
    つ公転移動し、前記それぞれの研磨具の外周部の周速度
    を内周部の周速度の2.5倍以下に設定することによ
    り、前記それぞれのワークキャリアの自転に伴ってワー
    クが前記研磨具の内周部に位置するときのワークと前記
    研磨具とのすべり接触速度と、ワークが前記研磨具の外
    周部に位置するときのワークと前記研磨具とのすべり接
    触速度との差を小さくし、 前記それぞれのワークキャリアに保持された前記複数の
    ワークのそれぞれの両面の研磨度を全体的に均一にする
    ようにしたことを特徴とする研磨方法。
  2. 【請求項2】 水平面内において回転する下側定盤の上
    面に設けられた下側研磨具と、 前記下側定盤に対向して回転する上側定盤の下面に設け
    られた上側研磨具と、 前記下側定盤の回転中心部を回転中心として回転する太
    陽歯車と、 前記下側研磨具の外側に固定された内歯歯車と、 それぞれ前記太陽歯車と前記内歯歯車とに噛み合った状
    態で前記下側研磨具の上に載置され、ワークを保持する
    複数の保持孔が形成された複数のワークキャリアとを有
    し、 前記それぞれの研磨具の外周部の周速度を内周部の周速
    度の2.5倍以下に設定し、前記それぞれのワークキャ
    リアの自転に伴ってワークが前記研磨具の内周部に位置
    するときのワークと前記研磨具とのすべり接触速度と、
    ワークが前記研磨具の外周部に位置するときのワークと
    前記研磨具とのすべり接触速度との差を小さくしたこと
    を特徴とする研磨装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019025637A (ja) * 2017-08-03 2019-02-21 東洋鋼鈑株式会社 研磨用または研削用のキャリアおよびそれを用いた磁気ディスク用アルミ基板の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019025637A (ja) * 2017-08-03 2019-02-21 東洋鋼鈑株式会社 研磨用または研削用のキャリアおよびそれを用いた磁気ディスク用アルミ基板の製造方法
JP2022107820A (ja) * 2017-08-03 2022-07-22 東洋鋼鈑株式会社 研磨用または研削用のキャリアおよびそれを用いた磁気ディスク用アルミ基板の製造方法

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