JPS583639Y2 - ジヤイロ研摩機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はエンドレス状の工作物をジャイロ研摩槽内に
挿入し、鉛直線に対して傾斜角度をもたせたま＼回転さ
せて研摩することができるように構成したジャイロ研摩
機に関するものである。

従来、エンドレス状工作物の研摩には、ブラッシングが
採用されていたが、細部の研摩は不可能であり、また面
粗度の向上には限度があった。

そこで振動バレル研摩機を用いて研摩することが試みら
れたが、この場合にも細部の研摩は不可能であった。

またエンドレス状の工作物をジャイロ研摩槽内に垂直に
挿入し、垂直方向に回転させて研摩することも試みられ
たが、ジャイロ研摩槽を回転させると研摩材は遠心力で
研摩槽壁へ押しやられ研摩材表面（以下マス面という）
は遠心力と釣合う角度で傾斜する。

よって工作物を垂直に挿入すると研摩槽の中心部と外周
部では研摩材の深さが異なることになり、工作物面に作
用する条件の相違を生じ均一に研摩されなかった。

しかるに、この考案は細かい研摩石を装入したジャイロ
研摩槽内にエンドレス状工作物の回転軸に対し直角な線
を水平面内において研摩槽の接線に対し微かに角度をも
たせ、かつ工作物は鉛直線に対して必要な傾斜角度をも
ってマス面に対してはゾ直角に挿入され、研摩槽を水平
方向に回転させると共に、工作物を回転させるようにし
、更に回転方向を正逆何れも可能としたので、前記従来
の欠点を悉く解消したのである。

いま、この考案の実施装置を利用し、エンドレス状工作
物としてラインプリンター活字ベルトを研摩する場合に
ついて添付の図面によって説明すれば次の通りである。

第１図はラインプリンター活字ベルトの斜視図である。

第２図はその数字７の拡大図である。

第３図はそのＡ−Ａ線の拡大断面図である。

第４図はブラシ或いは振動バレル研摩後の拡大断面図で
ある。

第５図はこの考案の装置により研摩した後の拡大断面図
である。

従来のブラシ研摩においてブラシ径には限度があり、又
、振動バレル研摩においては細部まで研摩する為に細い
研摩石を用いると流動が発生せず、大きな研摩石を用い
ると、ブラシ研摩の場合と同様に、第３図のばりａｌが
第４図のばりａのように内側にねた状態となり角隅部の
Ｒ付けが不可能であった。

又、凹部に届かないなど充分な研摩ができなかった。

第６図乃至第１０図はこの考案の実施装置であって、ジ
ャイロ研摩機の要部は、床板１上へ等間隔に直立設置し
た３本の支柱２．２ａ、２ｂ（以下支柱２とする）と、
その上方内側に架設された研摩ユニット基板３よりなる
架構内に収容されている。

前記床板１上には脚杆２４を介して設置した支持板２５
に複数個のローラー４を回転自在に架設し、このローラ
ー４を介して研摩槽５を水平回転自在に支承し、研摩槽
５の中央下部に中心軸６を植設し、中心軸６は床板１上
へ回転自在に設置してモーター１０と、減速機８および
ベベルギヤーボックス９を介して連結して回転するよう
になっている。

前記研摩ユニット基板３の下部には複数個（図は４個の
場合を記載したが、何個であっても差支えない。

）の研摩ユニット１１を取付けると共に、上部には流体
圧シリンダー１２および軸受１３ ａ ｔ １３ ｂを
垂直に設置してあり、流体圧シリンダー１２のピストン
ロンドの先端及び前記軸受１３ａ、１３ｂ内を摺動する
スライド軸１４ａ、１４ｂの下端には昇降板２６が水平
に固定され、昇降板２６の下面にはブラケット３３を介
して４個の支持板１５の上端部が角度調整自在に取付け
られている。

この実施例においては前記ブラケット３３に水平軸３１
を介して取付板３２が回転可能に取付けられ、支持板３
２へ取付板１５の取付鍔１５ａがボルトによって固定さ
れている。

前記取付板３２と昇降板２６との間に傾斜角度を有する
スペーサー７が挿脱自在に介装され、前記昇降板２６と
支持板１５との傾斜角度を任意に調整できるようになっ
ている。

この場合の傾斜角度は例えば槽直径１４００ ＊＊、周
速度７０〜８０７ｙＬ／！凰の時では２０度が最適であ
るが、最適の傾斜角度は槽径および周速度によって異る
。

そこで角度の異るスペーサー７を準備しておいて適宜交
換すれば常時最適の傾斜角度を与えることができる。

前記支持板１５の下端部には周縁部にゴムライニングし
た円板状の工作物装着器１６が回転自在に設置されてい
る。

工作物装着器１６の一部は半月状の張圧器１８を構成し
、該張圧器１８は支点１７を中心として回動するように
してあり、工作物装着器１６に設けたカムクランプ１９
のハンドルを操作して、カムの円弧面により、前記張圧
器１８を押上げ、工作物２０を張圧固定することができ
るようになっている。

一方前記支持板１５の上部にはモーター２１を支持板１
５の軸線に対し直角に搭載してあり、工作物装着器１６
の回転軸２９とモーター２１の回転軸３０とはスプロケ
ットホイール２２ ａ ｔ ２２ ｂ及びチェイン２３
を介して連動されるようにしてあり、これにより工作物
装着器１６を回転させるようになっている。

又研摩ユニット１１は研摩槽の接線に対して微小角度（
０〜１００、量的には５°）回転可能となっており、適
宜その角度を設定することが出来るようになっている。

以上述べたような構造に基づき、この考案の実施装置の
作動を説明すれば次のとおりである。

作業中研摩材及び要すればコンパウンド溶液を装入した
研摩槽５はモーター１０により常に回転し、昇降板２６
と支持板１５とはスペーサー７によって任意の傾斜角度
を保って下降し、工作物はその下端の一部がマス面に対
してはゾ直角に挿入されるようになり（スペーサー７に
よる角度調整をそのようにする）、かつモーター２１に
より回転され、研摩槽５の回転と相俟って工作物が研摩
される。

この場合には流体圧シリンダー１２のピストン側に圧力
流体が導入されていて支持板１５が下降している。

作業中、工作物２０及び研摩槽５は周期的に正逆回転す
る。

又、工作物は水平面において傾斜させかつ、マス面に対
してはゾ直角になるよう鉛直線に対し、任意の角度をも
たせて挿入しであるので、研摩材が工作物全面に当り均
等かつ高効率の研摩ができる。

作業終了後流体圧シリンダー１２のピストン側の圧力流
体を排出しつ＼、ピストンロンド側に圧力流体を導入し
て工作物２０は研摩材中より上昇し、次に、カムクラン
プ１９のハンドルを操作して、工作物に対する張圧をゆ
るめて工作物を取り外し、以後別の工作物を装着して前
記同様の作業を繰り返す。

又、上記実施装置は研摩ユニット基板３が固定の場合を
説明したが、ゼネバギアを用いた回転式（例えば特開昭
４９−４４３９２号に記載のもの）を使用すれば工作物
着脱位置を一定の位置にすることもできる。

尚、研摩ユニット１１の取付角度調整は支持板１５の取
付鍔１５ａと昇降板２６の下部へ、水平軸３１により取
付けた取付板３２を固定したボルト２７およびナツト２
８を弛めると共に、支持板１５の取付鍔１５ａをボルト
２７を中心にして回動させて行なう（第１０図）。

上記実施例においては、取付板の角度調整にスペーサー
γを介装したけれども、角度調整はスペーサーに限定さ
れることなく、固定側（昇降板２６）と可動側（支持板
１５の取付鍔）との間に間隙調節ボルトを介設したり、
支持アニムと調節ボルトを設置するなど、従来公知の手
段を採用することができる。

以上説明したように、ジャイロ研摩槽内にエンドレス状
工作物を水平面において研摩槽の接線に対して微かに角
度を持たせると共に鉛直方向に対して所定の傾斜角度を
持たせてマス面に対しはゾ直角に挿入し、研摩槽と工作
物とをそれぞれ正逆回転させるようにしたので、従来困
難であったエンドレス状工作物の細部まで研摩でき、ま
た工作物全体が均一に研摩できるようになり、工業上卓
効を有するものである。

特にマス面の角度に対応して工作物の支持角度を調整す
ることができるので、合理的な研摩ができることになっ
た。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施装置で研摩する工作物の一例を
示す斜視図、第２図はその表面の数字の拡大図、第３図
は第２図中Ａ−Ａ線の拡大断面図、第４図は従来装置で
研摩した工作物の一部拡大断面図、第５図はこの考案の
実施装置で研摩した工作物の一部拡大断面図、第６図は
この考案の実施装置の平面図、第７図は同じく一部を省
略した正面図、第８図は同じく一部拡大正面図１、第９
図は同じく一部拡大側面図、第１０図は同じく研摩ユニ
ットの角度調整機構部の一部を断面した拡大平面図であ
る。 １・・・・・・床板、２，２ａ、２ｂ・・・・・・支柱
、３・・・・・・研摩ユニット基板、４・・・・・・ロ
ーラー、５・・・・・・研摩槽、６・・・・・・中心軸
、７・・・・・・スペーサー、８・・・・・・減速機、
９・・・・・・ベベルギヤーボックス、１０・・・・・
・モーター、１１・・・・・・研摩ユニット、１２・・
・・・・流体圧シリンダー、１３ ａ 、 １３ ｂ−
軸受、１４ａ。 １４ｂ・・・・・・スライド軸、１５・・・・・・支持
板、１５ａ・・・・・・取付鍔、１６・・・・・・工作
物装着器、１７・・・・・・支店、１８・・・・・・張
圧器、１９・・・・・・カムクランプ、２０・・・・・
・工作物、２１・・・・・・モーター、２２ａ。 ２２ｂ・・・・・・スプロケットホイール、２３・・・
・・・チェイン、２４・・・・・・脚杆、２５・・・・
・・支持板、２６・・・・・・昇降板、２７・・・・・
・ボルト、２８・・・・・・ナツト、２９゜３０・・・
・・・回転軸、３１・・・・・・水平軸、３２・・・・
・・取付板。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ■ 研摩材を装入した水平方向に回転する円筒状の研摩
   槽内で工作物装着器の外周に装着されたエンドレス状工
   作物を回転させて工作物の表面加工を行なうジャイロ研
   摩機において、前記工作物が鉛直線に対して傾斜角度を
   持って支持されるべき支持装置を付設しであることを特
   徴とするジャイロ研摩機０ ２ 支持装置は、工作物支持板の取付部へスペーサーが
   介装しであることを特徴とする実用新案登録請求の範囲
   第１項記載のジャイロ研摩機。 ３ 研摩槽と工作物とは、その一方あるいは両方が正逆
   回転可能にしであることを特徴とした実用新案登録請求
   の範囲第１項記載のジャイロ研摩機。 ４ 工作物はその回転軸に直角な水平線を研摩槽の接線
   に対して角度をもたせて取付は得るようにしであること
   を特徴とする実用新案登録請求ノ範囲第１項記載のジャ
   イロ研摩機。 ５ 工作物はその下端一部のみが研摩槽内に挿入される
   ようにしたことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第
   １項記載のジャイロ研摩機０