JPH10296001A - 液状プロピレンからの水銀及び水の同時除去方法 - Google Patents

液状プロピレンからの水銀及び水の同時除去方法

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JPH10296001A
JPH10296001A JP10585197A JP10585197A JPH10296001A JP H10296001 A JPH10296001 A JP H10296001A JP 10585197 A JP10585197 A JP 10585197A JP 10585197 A JP10585197 A JP 10585197A JP H10296001 A JPH10296001 A JP H10296001A
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liquid propylene
mercury
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liquid
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JP10585197A
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Tomohiro Washiyama
友寛 鷲山
Hiroyoshi Noro
弘喜 野呂
Yutaka Takeuchi
豊 竹内
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Tosoh Corp
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  • Treatment Of Liquids With Adsorbents In General (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】液状プロピレン中の水銀及び水を、簡便な操作
により、効率よく、かつ同時に除去する方法を提供す
る。 【解決の手段】液状プロピレンと銀含有ゼオライトとを
接触させて液状プロピレン中の水銀及び水の同時除去す
る方法を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オレフィン成分で
あるプロピレンを液化した液状プロピレン中に含まれる
水銀及び水を同時に除去する際の、吸着剤としての銀含
有ゼオライトの使用に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、炭化水素ガスや液状炭化水素
は多くの分野において利用されているが、これらに含ま
れる微量の水銀等により、その利用時に多くの問題が発
生してきていた。このため、これらの水銀等の有害な物
質を除去するために種々の吸着剤や、種々の化合物、金
属類を担持した活性炭等が使用されている。例えば、米
国特許第4874525号や米国特許第4892567
号には、ナフサ分解ガス、天然ガス等の炭化水素ガス中
に含まれる微量の水銀の除去に銀を含有するゼオライト
を使用する方法が提案されている。また、ナフサ、ガス
コンデンセート等の液状炭化水素中の水銀除去には、金
属塩化物、硫化物、キレート化合物等を担持した活性炭
や吸着剤による除去、イオン交換樹脂による除去及び金
属硫化物水溶液による除去等の方法が提案されている。
【0003】一方、エチレンを得る代表的なプロセスで
あるナフサクラッキングで生成するオレフィン留分や灯
軽油や残油の接触分解(FCC)で副生したオレフィン
留分を液化した液状プロピレンは、重合や誘導体化する
ことで有用な物質の生産を行なうことができるという、
いわば石油化学工業における重要プロセスを担う基本的
な原料であるが、この液状プロピレンは微量の水銀、水
を含んでおり、これらは重合反応や化学反応において触
媒を失活させる原因となったり、設備に損傷を与えるな
どの問題があった。特に、近年においては水銀含有量の
多いナフサ等を利用する傾向があり、このため上記のよ
うな水銀、水の除去を目的とした処理方法について、更
に効率的なプロセスが望まれていた。
【0004】このように、従来の方法においては、天然
ガス等の種々の炭化水素が混在するガス、液状物に対す
る処理の方法を提案しているものの、これら炭化水素ガ
スや液状炭化水素に含まれる水銀と水とを別々のプロセ
スにより除去する方法であり、特に液状プロピレン中の
水銀と水とを同時に除去する方法はこれまで提案されて
おらず、その操作面、処理効率面において課題となって
いた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、この
ような状況と背景において、液状プロピレン中の水銀及
び水を、簡便な操作により、効率よく、かつ同時に除去
する方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
について鋭意検討した結果、水銀及び水を含有する液状
プロピレンと銀を含有するゼオライトとを接触させるこ
とにより、液状プロピレンから水銀及び水を同時に除去
できることを見出だし、本発明を完成するに至った。
【0007】以下、本発明をより詳細に説明する。
【0008】本発明の方法において使用されるゼオライ
トとしては、銀を含有することができれば特に制限され
ることはなく、例えば、A型ゼオライト、X型ゼオライ
ト、Y型ゼオライト、L型ゼオライト、モルデナイト等
が使用できる。この内、除去効率の面からA型ゼオライ
ト、X型ゼオライト、Y型ゼオライトが好ましく用いら
れ、特に水分除去の効率を考えてA型ゼオライトが好ま
しく用いられる。また、ゼオライト中の交換陽イオンと
しては、Na+,K+等のアルカリ金属イオン、Ca2+
Ba2+等のアルカリ土類金属イオン、更に、H+、NH
+等のイオンであるものが使用できる。更に、これら
のゼオライトは、2種以上を混合して用いても良い。
【0009】本発明の方法で用いられるゼオライトに含
有させる銀の原料(銀源)としては、硝酸銀、酢酸銀、
塩化銀、硫酸銀、酸化銀等の銀化合物が例示できる。
【0010】また、ゼオライトに銀を含有させる方法と
しては、本発明の目的を達成できる方法であれば特に限
定されないが、イオン交換法、含浸担持法、練り込み
法、乾式混合等の物理混合法などが使用でき、これらの
内、イオン交換法、練り込み法が効率面から好ましく用
いられる。
【0011】これらの方法は通常行なわれている方法が
採用でき、例えば、イオン交換法では、硝酸銀等の可溶
性の銀源を溶解した水溶液中にゼオライトを添加し、撹
拌、洗浄、乾燥することによって行なわれ、又、練り込
み法では、銀源となる銀化合物とゼオライトとを混練
し、必要に応じて成形した後、乾燥することによって行
なわれる。
【0012】ゼオライト中の銀の含有量としては、液状
プロピレン中の水銀濃度、液状プロピレンの液体線速
度、液状プロピレンと銀含有ゼオライトとの接触時間、
接触温度等に応じて変わるため一定しないが、効率よく
液状プロピレン中の水銀及び水を除去するためには、銀
含有ゼオライト全量に対して銀含有量が0.01〜20
重量%であることが好ましく、更に0.02〜5重量%
であることが好ましく、特に0.2〜2重量%であるこ
とが好ましい。
【0013】本発明の方法において用いられる銀含有ゼ
オライトを工業的規模で使用するには、粒状物等の成形
体にすることが好ましい。この理由としては、以下に示
すように、液状プロピレンを銀含有ゼオライトと接触さ
せる手段により異なるものの、例えば、連続的に処理す
る場合、液状プロピレンを目詰まりなく通液するために
はゼオライト粒子を粉体のままではなく一定の大きさの
粒状物として実施する方が好ましいからであり、また、
粒状物の物理的強度としても成形体とすることでより強
くすることができるためである。
【0014】ここで、銀含有ゼオライトの物理的強度と
しては、液状プロピレンと銀含有ゼオライトとを接触さ
せる方法により異なるが、連続的に処理する場合にはそ
の流体が銀含有ゼオライトの充填層中を流れる際に発生
する圧力抵抗に対して十分な強度を有することが重要で
ある。ここで、強度の測定方法としては、例えば、実施
例において示されるように、JIS R 1608に記
載のファインセラミックスの圧縮強さ試験方法を参考と
し、木屋式硬度計を用い、試験片である銀含有ゼオライ
トの成形体の直径方向に一定速度で加圧板を押し付けて
圧縮負荷を加えたとき、成形体が耐えることができる最
大荷重(単位はkgf)を耐圧強度として表されるもの
である。この場合の耐圧強度としては、1kgf以上で
あることが好ましく、更に4kgf以上であることが好
ましく、特に8kgf以上であることが好ましい。この
理由は、耐圧強度が1kgf未満では、成形体を液状プ
ロピレン中の水銀及び水の吸着除去剤として充填塔に充
填する際や、除去処理中に生ずる圧力変動により、その
破損が多くなったりするなど、その利用面において好ま
しくないからである。
【0015】また、成形に際しては、粘土鉱物等のバイ
ンダーと混合して成形することが好ましく、例えば、ア
タパルガイト、セピオライト、ベントナイト、カオリ
ン、モンモリロナイト、アロフェン等の粘土鉱物を挙げ
ることができる。バインダーの量は、成形がしやすくで
きる量であれば良く、通常、銀含有ゼオライト100重
量部に対して、5〜40重量部が用いられる。更に、こ
れらのバインダーは2種以上を用いても良い。
【0016】また、その成形方法としては、通常用いら
れる方法、例えば、押し出し成形、プレス成形、転動造
粒等の方法を用いることができる。成形体の形状として
は、球状、円柱状、円盤状、楕円球状、ペレット状等が
採用でき、また、その大きさとしては直径0.5〜5m
m、更に直径1〜3mmの大きさのものが好ましく用い
られ、更に必要に応じて、ふるい等で分級して用いるこ
ともできる。ここで、大きさがこの範囲にあれば、例え
ば、液状プロピレン中の水銀及び水を連続的に除去する
場合にも通液時に発生する圧力抵抗を低く抑えることが
でき、又、成形体が大きすぎる場合に液体との接触面積
は小さくなって除去効率が低下することを避けることが
できる。
【0017】本発明の方法において用いられる銀含有ゼ
オライトは、成形後、焼成することが好ましい。焼成温
度としては、600℃以上、特に600〜800℃の温
度で、空気、窒素ガス、還元ガス等の雰囲気下で焼成す
ることが好ましい。焼成時間は、特に限定されないが、
通常30分〜50時間程度で十分である。この操作によ
り、銀含有ゼオライトの強度を高め、水及び水銀への吸
着性能の活性化を促進する。上記記載の温度範囲から逸
脱する場合には、これらの効果が小さくなることがあ
る。
【0018】以上のようにして、本発明の方法で使用す
る銀含有ゼオライト(以下「吸着除去剤」という)を調
製することができ、その例として、東ソー(株)よりA
−3MG(商品名)、A−4MG(商品名)として市販
されているものを挙げることができる。また、別々に調
製された2種以上を混ぜて用いることもできる。
【0019】このようにして調製された吸着除去剤は、
吸着塔に新たに充填してから使用する前に、吸着効率を
更に向上させるために水素ガス、水素含有ガス、メタン
ガス、メタン含有ガス等の還元ガスで還元処理するのが
好ましい。この場合の条件としては、温度100〜40
0℃、1〜50時間、還元ガスの線速度0.01〜0.
5m/s、大気圧〜1.0MPaの圧力で還元ガスを用
いて吸着除去剤を還元することが好ましい。
【0020】本発明の方法において、その対象とする液
状プロピレンは、ナフサクラッキングあるいはFCCで
生成したオレフィン成分であるプロピレンを液化したも
のが好ましい。これは、エチレンプラントにおいて、プ
ロピレンは蒸留精製された後、通常液化されて石油化学
コンビナート内外で流通しているが、プロピレンの液化
によりその容量を小さくなるため設備を大幅にコンパク
トにすることができ、従って、液状プロピレンを処理の
対象とすることで設備面にその有用性が図れることにな
るからである。また、液状プロピレンの純度としては、
その主成分がプロピレンであれば良く、通常90%以上
のプロピレンが含有されているものが好ましい。
【0021】このような液状プロピレンに含まれる水銀
及び水の濃度は、通常含まれる濃度であれば特に限定さ
れるものではないが、より良い反応効率を得るために
は、水銀濃度として、重量基準で10ppb以下、更に
は、5ppb以下であることが好ましい。また、水分濃
度としては、通常、体積基準で数100ppm程度含有
している。
【0022】このような液状プロピレン中の水銀及び水
の除去処理により、次のプロセスへ移行させることとな
る。
【0023】本発明の方法における液状プロピレン中の
水銀及び水を除去する際の条件としては、温度、液状プ
ロピレンの液体空間速度及び液体線速度、圧力が重要で
ある。また、本発明の方法において用いられるような成
形した吸着除去剤を使用することにより、固定床流通方
式などが採用でき、連続運転が可能となる。例えば、連
続流通接触方式の最適な温度条件としては、銀含有ゼオ
ライトの吸着性能を維持させるために5〜60℃が好ま
しく、更に10〜40℃が好ましい。液状プロピレンの
液体空間速度としては、低すぎて接触効率が悪くなった
り、高すぎて圧力抵抗が高くなるのを避けるために0.
1〜50h-1が好ましく、更に1〜30h-1が好まし
い。また、液状プロピレンの液体線速度としては、低す
ぎて接触効率が悪くなったり、高すぎて圧力抵抗が高く
なるのを避けるために0.1〜100m/hが好まし
く、更に0.5〜50m/hが好ましい。さらに、圧力
としては、プロピレンを液状に維持するために1.0〜
5.0MPaが好ましい。ここで、本明細書において
は、hは時間を意味する。
【0024】更に、例えば上記の固定床流通方式におい
ては、銀含有ゼオライトの充填層に液状プロピレンを通
液するにあたり、銀含有ゼオライトの入った設備を縦置
型あるいは横置型のいずれでも設置可能であり、また、
通液するに際しても、液状プロピレンが銀含有ゼオライ
トに十分に接触できるものであれば、設備の上側、下
側、横のいずれの位置からも流入又は流出させることが
できる。
【0025】本発明の方法において用いられる吸着除去
剤は、水銀及び水の除去処理設備にそのまま設置したま
ま、100〜400℃の加熱還元ガス、特に水素、メタ
ン等を含有する還元ガスを用いて1〜50時間、ガスの
線速度0.01〜0.5m/s、大気圧〜1.0MPa
の圧力の条件にて再生し、繰り返して利用することがで
きる。
【0026】更に、再生における温度条件としては、急
激な温度変化によるコーキングを避けるために温度を徐
々に上昇させることが好ましい。例えば、数段階の温度
の設定により、更に具体的には、第1段階として100
〜200℃、第2段階として200〜400℃の温度に
て徐々に上昇させる方法や、昇温速度をコントロールし
てゆっくりとした速度にて上昇させる方法などが好まし
い。
【0027】また、吸着除去剤を別に移しかえ、還元ガ
ス等を用いて焼成することにより再生し、再利用するこ
ともできる。
【0028】ここで、吸着除去剤を再生する場合の実施
態様としては、水銀及び水の除去処理設備を2基以上設
置しておき、一部を除去に使用して残りを予備とし、吸
着除去剤による吸着処理が終了したらラインの切り替え
により残りを除去処理ラインとして吸着に使用し、前記
吸着処理が終了したラインを再生するといった交互に再
生を実施する方式などのような、本発明の目的を逸脱し
ないあらゆる方式を採用することができる。
【0029】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明する。しかし、本発明はこれら実施例のみに限定され
るものではない。なお、評価は以下に示した方法によっ
て実施した。
【0030】(1)水銀濃度 水銀濃度は、肥料分析法(1982年版)に基づいて、
加熱分解−金アマルガム−冷原子吸光法により測定し
た。
【0031】(2)銀濃度 銀含有ゼオライト中の銀濃度は、ICP法により測定し
た。
【0032】(3)水分濃度 水分濃度は、簡易型露点計を用いて測定した。
【0033】(4)耐圧強度 耐圧強度の測定においては、JIS R 1608に記
載のファインセラミックスの圧縮強さ試験方法を参考と
し、木屋式硬度計を用い、常温、常圧の雰囲気におい
て、試験片である銀含有ゼオライトの成形体の直径方向
に、一定速度で加圧板を押し付けて圧縮負荷を加えたと
き、成形体が耐えることができる最大荷重(単位はkg
f)を測定することで実施した。
【0034】具体的には、耐圧強度は木屋式デジタル硬
度計(KHT−20型)により測定した。すなわち、銀
含有ゼオライトの成形体をふるいにより分級して測定に
用いた。これらの分級した成形体を活性化(電気炉で3
50℃、1.5時間加熱)し、直径方向の耐圧強度を、
直径5mmの円柱状の加圧板を装着した、木屋式硬度計
により測定した。加圧板はステンレス製のものを使用
し、クロスヘッド速度は0.8mm/秒とした。このよ
うにして25個の成形体の耐圧強度測定を行い、その結
果の平均値を耐圧強度とした。
【0035】参考例1 K−A型ゼオライト(東ソー(株)製)100重量部に
対してアタパルガイト20重量部、および成形体中の銀
含有量が0.5重量%になるように硝酸銀水溶液を添加
して、らいかい機を用いて十分に混練した後、押し出し
成形機により成形して、1.5mmφのペレットを得
た。これを流動乾燥機にて乾燥後、マッフル炉で650
℃で4時間、空気雰囲気下で焼成し、次いで、250℃
で2時間、10モル%の水素を含む窒素気流中で還元
し、吸着除去剤1を得た。
【0036】参考例2 2.4mmol/Lの硝酸銀水溶液20Lに、Na−A
型ゼオライト(東ソー(株)製)2kgを投入後、室温
で16時間撹拌し、銀イオン交換を行なった。次いで、
これを洗浄、乾燥し、銀含有量が0.25重量%の銀含
有ゼオライトを得た。この銀含有ゼオライト100重量
部に対してアタパルガイト20重量部を用いて、1.5
mmφのペレットを成形した。これを650℃で4時間
空気焼成し、次いで、250℃で2時間、10モル%の
水素を含む窒素気流中で還元し、吸着除去剤2を得た。
これを上記記載の方法により銀の含有量を測定したとこ
ろ、約0.2重量%であった。
【0037】参考例3 γ−アルミナ担体(住友化学(株)製、2〜4mmの球
状)を粉砕して、1〜2mmの大きさにそろえたもの5
0gを23.2mmol/Lの硝酸銀水溶液0.1Lに
加え、ロータリーエバポレーターで回転・蒸発させなが
ら担体に銀化合物を含浸させた。次いで、乾燥後、65
0℃で4時間空気焼成し、次いで、250℃で2時間、
10モル%の水素を含む窒素気流中で還元し、銀/アル
ミナ吸着剤を得た。これを上記記載の方法により銀の含
有量を測定したところ、約0.5重量%であった。
【0038】実施例1 参考例1で得られた吸着除去剤1を用いて水銀及び水の
除去試験を行なった。n−ヘキサン(和光純薬工業
(株)製、試薬特級)に金属水銀を溶解して約1000
重量ppbの濃度に調整し、これと粗製液状プロピレン
(東ソー(株)製、純度約95%)とよく混合した。こ
れを上記記載の方法により水銀濃度、水分濃度を測定し
たところ、それぞれ、約45重量ppb、約85重量p
pmであった。この試験液を、吸着除去剤1を0.02
L充填した吸着カラムに供給した。試験液の供給は、液
体空間速度10h-1及び液体線速度2.6m/hで行な
い、温度20℃、圧力1.6MPaで行なった。試験開
始100時間後の結果を表1に示した。
【0039】
【表1】
【0040】実施例2 参考例2で得られた吸着除去剤2を用いた以外は実施例
1と同様に、水銀及び水の除去試験を行ない、100時
間後の結果を表1に示した。
【0041】実施例3 東ソー(株)製A−3MG(銀含有量0.5重量%、
1.5mmφペレット)を用いた以外は実施例1と同様
に、水銀及び水の除去試験を行なった。又、用いたA−
3MGの耐圧強度を上記記載の方法により測定したとこ
ろ、4.4kgfであった。なお、A−3MGは吸着試
験前に、250℃で2時間、10モル%の水素を含む窒
素気流中で還元して用いた。表1には、100時間後の
結果を示した。
【0042】比較例1 参考例3で得られた銀/アルミナ吸着剤を用いた以外は
実施例1と同様に、水銀及び水の除去試験を行ない、1
00時間後の結果を表1に示した。
【0043】以上の実施例1〜3及び比較例1の結果か
ら、実施例1〜3では、銀含有量が比較例1と同程度も
しくはそれ以下であるにもかかわらず、液状プロピレン
中の水銀および水が効率的に除去されていることが分か
る。
【0044】実施例4 吸着除去剤に東ソー(株)製A−3MG(銀含有量0.
5重量%、1.5mmφペレット)を用いて、吸着及び
再生の繰り返し試験を行なった。用いたA−3MGの耐
圧強度を上記記載の方法により測定したところ、4.4
kgfであった。供給液は、実施例1と同様に調整して
用いた。再生は、大気圧、10モル%の水素を含む窒素
気流中で、100℃で2時間、次いで250℃で2時間
の条件で行なった。吸着カラムにA−3MG0.1Lを
充填し、試験前に10モル%の水素を含む窒素気流中
で、250℃で2時間還元して用いた。温度20℃、圧
力1.6MPa、液体空間速度10h-1、液体線速度
3.2m/hの条件で、約100時間液を供給して吸着
させた。その後、再生を行ない、再度吸着させ、この操
作を10回繰り返した。各試験開始100時間後の試験
結果は表2に示す通りである。
【0045】
【表2】
【0046】実施例4の結果から、吸着及び再生の繰り
返しによっても水銀及び水の除去効率について、その吸
着性能が低下することがなく、繰り返し使用が可能であ
ることが分かった。また、繰り返し使用によっても吸着
除去剤の破損等は起こらず、使用に耐えるものであるこ
とが分かった。
【0047】
【発明の効果】本発明の方法は、液状プロピレンから水
銀及び水を効率よく除去することができ、また、再生す
ることでその繰り返し使用ができる、工業的に有用な方
法である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液状プロピレンと銀含有ゼオライトとを接
    触させることを特徴とする液状プロピレンからの水銀及
    び水の同時除去方法。
  2. 【請求項2】ゼオライト、銀化合物及びバインダーを混
    練、成形した後に、600℃以上で焼成して得られる銀
    含有ゼオライトを用いることを特徴とする請求項1に記
    載の液状プロピレンからの水銀及び水の同時除去方法。
  3. 【請求項3】直径0.5〜5mmの銀含有ゼオライトの
    成形体を用いることを特徴とする請求項1又は請求項2
    に記載の液状プロピレンからの水銀及び水の同時除去方
    法。
  4. 【請求項4】液状プロピレンと銀含有ゼオライトを接触
    させるにあたり、温度5〜60℃、液状プロピレンの液
    体空間速度0.1〜50h-1、液状プロピレンの液体線
    速度0.1〜100m/h、圧力1.0〜5.0MPa
    にて行なうことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに
    記載の液状プロピレンからの水銀及び水の同時除去方
    法。
  5. 【請求項5】銀含有ゼオライトを還元ガス雰囲気下で1
    00〜400℃にて再生させることを含むことを特徴と
    する請求項1〜4のいずれかに記載の液状プロピレンか
    らの水銀及び水の同時除去方法。
JP10585197A 1997-04-23 1997-04-23 液状プロピレンからの水銀及び水の同時除去方法 Pending JPH10296001A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103772110A (zh) * 2013-12-20 2014-05-07 天津众智科技有限公司 一种沸石分子筛作为乙烯、丙烯深度干燥吸附剂的应用

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103772110A (zh) * 2013-12-20 2014-05-07 天津众智科技有限公司 一种沸石分子筛作为乙烯、丙烯深度干燥吸附剂的应用

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