JPH10294788A

JPH10294788A - 中継装置の通信帯域制御方式

Info

Publication number: JPH10294788A
Application number: JP9100165A
Authority: JP
Inventors: Akira Ouchi; 亮大内; Hisakatsu Watanabe; 寿勝渡辺; Osamu Nagao; 治長尾
Original assignee: Hitachi Telecom Technologies Ltd
Current assignee: Hitachi Telecom Technologies Ltd
Priority date: 1997-04-17
Filing date: 1997-04-17
Publication date: 1998-11-04

Abstract

(57)【要約】【課題】回線制御装置の通信帯域制御方式において、
音声呼のトラフィックに応じたデータ呼の回線帯域の有
効活用率を引き上げることを可能にする。【解決手段】動的通信帯域を有する中継装置１０の通
信帯域制御方式において、通信帯域２０を音声系端末用
帯域２０Ｖとデータ系端末用帯域２０Ｄと音声データ／
共用帯域２０Ｃに分割し、通信帯域のトラフィックに応
じて音声／データ共用帯域２０Ｃの運用を音声系端末用
帯域２０Ｖとデータ系端末用帯域２０Ｄ間で変更して音
声とデータの帯域の割合をリアルタイムに変動させると
ともに、データ通信の通信速度を変更するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、多重化装置（以
下、ＴＤＭと称する）又は構内電子交換機（以下、ＰＢ
Ｘと称する）などの中継装置（回線制御装置）における
音声系端末用通信帯域およびデータ系端末用通信帯域の
動的制御方式に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、ＴＤＭ又はＰＢＸなどの回線制御
装置に接続される音声系端末およびデータ系端末は、通
信開始前に決められた速度で接続され通信終了まで同一
の速度で通信していた。また、音声系端末およびデータ
系端末が動的（呼毎）に接続されるＴＤＭ又はＰＢＸな
どの回線制御装置（中継装置）においては、通信帯域に
音声系端末用通信帯域およびデータ系端末用通信帯域が
予め割り付けられている。このような中継装置の通信帯
域の割付方式においては、音声系端末用通信帯域又はデ
ータ系端末用通信帯域において、それぞれの帯域の発呼
がそれぞれの帯域の通信容量を越えたときには、他の帯
域の通信容量に余裕が有る場合であっても他の端末用通
信帯域内の使用していない帯域を有効に使用することが
できなかった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、ＴＤＭ又は
ＰＢＸ等の中継装置（回線制御装置）の通信帯域制御方
式において、音声系端末用通信帯域とデータ系端末用通
信帯域の割合を動的に制御すること、又は、データ系端
末の通信速度を動的に制御することによって、音声呼の
トラフィックに応じたデータ呼の回線帯域の有効活用率
を引き上げることを可能にする通信帯域制御方式を提供
することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、動的通信帯域を有する多重化装置又は構
内電子交換機などの中継装置（回線制御装置）の通信帯
域制御方式において、通信帯域を音声系端末用通信帯域
とデータ系端末用通信帯域に分割して使用し、通信帯域
の音声呼量（音声呼トラフィック）に応じて通信帯域に
おける音声系端末用通信帯域とデータ系端末用通信帯域
の割合をリアルタイムに変動させるようにした。すなわ
ち、本発明は、中継回線のトラフィックを監視し、呼量
が一定値を上回った場合（又は下回った場合）の呼量に
見合った速度をデータ呼に反映させるようにした。

【０００５】

【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面を
参照して説明する。図１を用いて、本発明にかかる通信
帯域制御方式が適用される中継システムの構成を説明す
る。この実施の形態では、中継装置として多重化装置
（ＴＤＭ）又は構内電子交換機（ＰＢＸ）からなる回線
制御装置を例として説明する。この中継システムは、Ｔ
ＤＭ又はＰＢＸからなる回線制御装置１０Ａと対向局と
なる回線制御装置１０Ｂをスーパーディジタル（ＳＤ−
Ｉ）回線からなる中継網２０で接続して構成される。こ
の通信帯域制御方式が適用されるネットワークは、対向
する２局の回線制御装置１０で構成されるものに限ら
ず、対向する２局よりも多い多数の回線制御装置１０を
中継網２０で接続したネットワークであってよい。

【０００６】回線制御装置１０には、通話路スイッチ１
１と、音声系内線端末３１と接続され端末の動作を中央
制御装置１７に伝達する制御回路として働く音声系内線
トランク（ＬＩＮ）１２と、データ系内線端末３２と接
続され音声系内線通話路トランク１２同様データ端末の
動作条件を中央制御装置１７に伝達する制御回路として
働くデータ系内線通話路トランク（ＭＶＸ）１３と、中
継網（スーパーデジタル回線）２０を制御する中継網ト
ランク（ＳＤ−Ｉインタフェーストランク：ＭＵＸ）１
４と、中継網２０を介し対向局と局間のメッセージを送
受信するための中継回線制御メッセージ送受信回路（Ｌ
ＡＰＤ）１５と、中央制御バス１６と、中央制御装置１
７と、中央制御装置１７の情報を受け、局データ・端末
・回線制御情報等の各種情報を記憶する主記憶装置１８
とを有して構成される。

【０００７】音声系内線通話路トランク（ＬＩＮ）１２
は、音声系内線端末３１と接続され、端末の動作を制御
装置１７に伝達する制御回路として働く。データ系内線
通話路トランク（ＭＶＸ）１３は、データ系内線端末３
２と接続され、音声系内線通話路トランク１２同様デー
タ端末の動作条件を制御装置１７に伝達する制御回路と
して働く。中継網トランク（ＭＵＸ）１４は、対向局と
接続する中継網（スーパーデジタル回線）２０を制御す
る。メッセージ送信回路（ＬＡＰＤ）１５は、中継網２
０を介し対向局と局間のメッセージを送受信するととも
に、メッセージは中央制御装置（ＣＰＵ）１７に伝達さ
れる。主記憶装置（ＭＥＭ）１８は、中央制御バス１６
を通じて中央制御装置（ＣＰＵ）１７の情報を受け、局
データ・端末・回線制御情報等を記憶する。

【０００８】回線制御装置１０Ａおよび対向する回線制
御装置１０Ｂは、それぞれ以上の構成を有している。さ
らに、複数の回線制御装置のうち少なくとも１台は、回
線網２０における呼トラフィック（音声系呼トラフィッ
ク）を監視し、該帯域の通信容量に余裕があるかまたは
帯域の通信容量以上の呼トラフィックがあるかを判断す
る機能を有している。

【０００９】次に、図１に示した中継システムの動作条
件について説明する。まず、図２を用いて、通常ＴＤＭ
又はＰＢＸで回線交換を行う際に行われるＳＤ−Ｉ回線
の通信帯域の確保と端末との接続関係を説明する。この
例では、５７６ＫｂｐｓのＳＤ−Ｉ回線２０を、３８４
Ｋｂｐｓの音声通信帯域２０Ｖと、１２８Ｋｂｐｓのデ
ータ通信帯域２０Ｄと、６４Ｋｂｐｓの局間メッセージ
通信帯域（Ｄｐチャネル）２０Ｄｐとに分けて使用す
る。

【００１０】音声通信帯域２０Ｖは、音声端末３１−１
〜３１−６のダイアル条件によって音声通信帯域２０Ｖ
が確保され通話状態へと移行する。この音声通信帯域２
０Ｖは、例えば６４Ｋｂｐｓのチャネルをそのまま使用
して通話する場合と、６４Ｋｂｐｓのチャネルを８Ｋｂ
ｐｓ単位のサブチャネルに分割し、圧縮した音声信号を
載せたサブチャネルを多重化して通話する場合とを用い
ることができる。音声信号を圧縮する場合には、音声系
内線通話路トランク１２に音声信号を圧縮および伸長す
る圧縮伸長機能を具備し、中継網トランク１４に複数の
音声系内線通話路トランク１２からの圧縮データを多重
化および分離する多重分離機能を具備している。

【００１１】データ通信帯域２０Ｄとして確保された帯
域は、例えば６４Ｋｂｐｓのチャネルを８Ｋｂｐｓ単位
のサブチャネルに分割して使用し、端末の通信速度にあ
わせて、１６Ｋｂｐｓの端末の場合は８Ｋｂｐｓのサブ
チャネルを２チャネル、３２Ｋｂｐｓの端末の場合は８
Ｋｂｐｓのサブチャネルを４チャネル使用する。データ
通信帯域２０Ｄでは、各サブチャネルは、端末３２−１
〜３２−６にその通信速度にあわせて固定的に接続され
対向局の端末と通信する。

【００１２】局間メッセージ帯域（Ｄｐチャネル）２０
Ｄｐは、呼メッセージ、通信速度、応答メッセージなど
の接続や切断に必要な信号を回線制御装置１０Ａ，１０
Ｂ間で通信する。

【００１３】図３を用いて、通常の回線交換における音
声通信帯域の回線使用状況の例を説明する。図３（Ａ）
は、通信帯域の音声とデータの割付状態を示し、図３
（Ｂ）は、音声通信帯域の音声呼トラフィックの混雑状
態（使用頻度）を示している。図２でも説明したよう
に、通信帯域２０は、音声系用通信帯域２０Ｖとデータ
系用通信帯域２０Ｄに分けて使用される。中継回線２０
の音声通信帯域２０Ｄの呼トラフィックが、中央制御装
置１７で定期的に監視される。ここで呼トラフィックと
はその帯域が許容し得る最大通信容量（最大呼量）に対
する通信中の呼量を百分率で表わしたものである。例え
ば、ウイークデイの午前９からの１時間を例に取ると、
００分から２０分までは、呼トラフィックは５０％以下
であるが、２５分では８０％となり、３０分以降は１０
０％となっている。このような回線使用状況の下では、
３０分までは８０％の呼トラフィックであるので、新た
な発呼又は着呼が有ったときにも対応する余裕がある
が、３０分以降は１００％の呼トラフィックであるの
で、新たな発呼又は着呼に対応することができず、音声
呼の呼損率が上がってしまう。

【００１４】一方、データ通信帯域２０Ｄでは、それぞ
れのデータ端末３２がチャネルに固定的に接続されてい
るので、呼に影響は生じない。

【００１５】図４を用いて、本発明による音声／データ
帯域変更の態様を説明する。この図は、データ通信帯域
２０Ｄの一部に音声系通信とデータ系通信とで共用する
音声／データ共用帯域２０Ｃを設けておき、通信中に音
声系のトラフィックが増加した場合に、データ系通信の
一部の通信速度を下げ、その結果空いた音声／データ共
用帯域２０Ｃを音声系通信帯域用に運用する例を示して
いる。図４（Ａ）に示すように、中央制御装置は、通
常、３２Ｋｂｐｓのデータ端末３２の通信チャネルとし
て８Ｋｂｐｓのサブチャネル４チャネルを用いて運用
し、その内２チャネルのサブチャネルを、音声／データ
共用帯域２０Ｃを用いて運用している。

【００１６】このような運用状況の下に、中央制御装置
が定期的に音声通信帯域２０Ｖの呼トラフィックを監視
した結果、音声系呼トラフィックが該音声系通信帯域の
通信容量を越えたことを検出した（もしくは越えるであ
ろうと予測される）ときには、図４（Ｂ）に示すように
データ端末３２の通信速度を低い通信速度に変更し、デ
ータ系通信用として運営している音声／データ共用帯域
２０Ｃに空きチャネルを作り出し、音声系通信用の運用
へ空け渡す帯域変更処理を実行する。このように、音声
／データ共用帯域２０Ｃを音声系通信用帯域として運用
している状態で、音声呼トラフィックに余裕が生じたと
きには、再び音声／データ共用帯域２０Ｃをデータ通信
用帯域として運用する。

【００１７】このデータ端末間の通信速度の変更を指示
するメッセージおよび帯域の変更を指示するメッセージ
は、局間メッセージ帯域２０Ｄｐを介して図示を省略し
た対向する回線制御装置およびデータ端末間で通信さ
れ、通信速度を変更する処理が実行される。すなわち、
音声／データ共用帯域２０Ｃの運用を変更することによ
って、音声系通信帯域２０Ｖの帯域幅は、音声／データ
共用帯域２０Ｃ分だけ拡がり、音声系通信の呼トラフィ
ックの増加に対応できる状態に移行する。

【００１８】次いで、このような音声系通信の呼の増加
に対応できる状態に移行した後、音声系端末３１−１か
ら発呼要求が有ったときには、中央制御装置は、通話路
スイッチ１１を切り替えて音声系端末３１−１の発呼を
音声データ圧縮伸長手段１９−１に接続された中継網ト
ランクＭＵＸ１４−１に接続し、８Ｋｂｐｓに圧縮した
音声データを中継網トランク１４−４、通話路スイッチ
１１、中継網トランク１４−５を経由して音声／データ
共用帯域２０Ｃの８Ｋｂｐｓの空きチャネルへ接続する
帯域変更処理が実行される。音声端末３１−１からの発
呼および音声データの圧縮処理に関する情報は、局間メ
ッセージ帯域２０Ｄｐを介して図示を省略した対向する
回線制御装置および音声端末へ通知され、圧縮された音
声データによる通信が実行される。

【００１９】同様に、音声系端末３１−２から発呼要求
が有ったときには、中央制御装置は、通話路スイッチ１
１を切り替えて音声系端末３１−２の発呼を音声データ
圧縮伸長手段１９−２に接続された中継網トランクＭＵ
Ｘ１４−２に接続し、８Ｋｂｐｓに圧縮した音声データ
を中継網トランク１４−３、通話路スイッチ１１、中継
網トランク１４−６を経由して音声／データ共用帯域２
０Ｃの８Ｋｂｐｓの空きチャネルへ接続する。

【００２０】この時の通信速度の変更時に局間メッセー
ジ帯域２０Ｄｐを介して送られる通信速度変更処理に用
いるメッセージを図５を用いて説明する。図５（Ａ）に
示すように、発呼側回線制御装置１０Ａから送信される
「速度変更」メッセージＭ１は、メッセージの種別（こ
の場合は、速度変更）が書き込まれたメッセージ種別Ｍ
１１と、端末の固有番号、端末の通信速度などの端末に
関する情報が書き込まれた端末情報Ｍ１２と、使用する
チャネル（サブチャネル）などの通信帯域に関する情報
が書き込まれた帯域情報Ｍ１３から構成され、該当端
末、速度の変更内容を対向局へ通知する。

【００２１】図５（Ｂ）に示すように、「速度変更確
認」メッセージＭ２は、メッセージの種別（この場合
は、速度変更確認）が書き込まれたメッセージ種別Ｍ２
１と、端末の通信速度などの端末に関する情報が書き込
まれた端末情報Ｍ２２とから構成され、該当する端末、
「速度変更」メッセージＭ１に対する速度の変更内容を
確認し該当端末の速度が変更可能であることを対向局へ
通知する。

【００２２】図５（Ｃ）に示すように、「速度変更不
可」メッセージＭ３は、メッセージの種別（この場合
は、速度変更不可）が書き込まれたメッセージ種別Ｍ３
１と、端末の通信速度などの端末に関する情報が書き込
まれた端末情報Ｍ３２とから構成され、該当する端末、
「速度変更」メッセージＭ１に対する速度の変更内容を
確認し該当端末の速度が変更不可能であることを対向局
へ通知する場合と、「速度変更」メッセージＭ１に対す
るレスポンスが無い場合のキャンセル情報として対向局
へ通知する場合とがある。

【００２３】「速度変更」メッセージＭ１を受信した対
向する回線制御装置１０Ｂは、受信した通信速度に基づ
いて対向側回線制御装置１０Ｂのデータ端末の通信速度
を切り替え、「速度変更確認」メッセージＭ２を発呼側
回線制御装置１０Ａへ送信する。

【００２４】発呼側回線制御装置１０Ａからの「速度変
更」メッセージＭ１を受信した対向する回線制御装置１
０Ｂが、通信速度を切り替え処理を行った結果、速度変
更ができなかったときには、「速度変更不可」メッセー
ジＭ３を発呼側回線制御装置１０Ａへ送信する。

【００２５】この処理によって、図６（Ａ）に示すよう
に、音声／データ共用帯域２０Ｃをデータ通信帯域２０
Ｄに取り込んで運用している状態から、音声呼トラフィ
ックの増加時には、図６（Ｂ）に示すように、音声／デ
ータ共用帯域２０Ｃを音声通信帯域２０Ｖに取り込んで
運用することによって、音声通信帯域２０Ｖを実質的に
拡大することができ、音声呼の呼損を極力なくすことが
可能となり帯域の有効活用を図ることができる。

【００２６】帯域トラフィックの監視は、図７に示すよ
うに、呼トラフィック監視機能を有する回線制御装置
（主導局）１０Ａが周期的に実行する。音声系呼トラフ
ィックが音声通信帯域２０Ｖの最大通信容量を越えた
（もしくは音声／データ共用帯域２０Ｃをも含めた通信
帯域２０Ｖ＋２０Ｃの最大通信容量を下回った）場合、
帯域の変更を要求する「帯域変更」メッセージをＳＤ−
Ｉ回線２０の局間メッセージ帯域２０Ｄｐを介して対向
する回線制御装置（従属局）１０Ｂに通知する。「帯域
変更」メッセージを受信した従属局１０Ｂは、帯域変更
要求を受信し確認したことを「帯域変更確認」メッセー
ジで主導局１０Ａに通知し変更の内容を認識しあう。

【００２７】図８に帯域変更時のメッセージの態様を示
す。帯域の変更を要求する「帯域変更」メッセージＭ４
は、メッセージ種別Ｍ４１と、局間のルートを示すルー
ト番号Ｍ４２と、帯域変更のパターンを示す帯域パター
ンＭ４３とで構成され、対象ルートに指定のパターンで
変更があったことを従属局１０Ｂへ通知する。従属局１
０Ｂから送出する「帯域変更確認」メッセージＭ５は、
メッセージ種別Ｍ５１と、ルート番号Ｍ５２と、帯域パ
ターンＭ５３で構成され、対象ルートが指定のパターン
で変更可能であることを主導局１０Ａへ通知する。

【００２８】ここで、システムに登録されている帯域パ
ターンについて説明する。帯域パターンは、システムに
おける音声系通信帯域とデータ系通信帯域との割当てお
よびデータ端末に対するサブレート多重のサブレートチ
ャネルの割付パターンを示している。例えば、パターン
１は、チャネル１からチャネル６までを６４Ｋｂｐｓの
音声系通信帯域に、チャネル７およびチャネル８を各通
信速度に対応したサブレート多重によるデータ系通信帯
域に用いるパターンとして、パターン２は、チャネル１
からチャネル６までを６４Ｋｂｐｓの音声系通信帯域
に、および、チャネル７の８Ｋｂｐｓのサブチャネル２
チャネルを音声データを８Ｋｂｐｓに圧縮して通信する
音声系通信帯域に、チャネル７の残りのサブチャネルと
チャネル８を各通信速度に対応したサブレート多重によ
るデータ系通信帯域に用いるパターンとして、パターン
３は、チャネル１からチャネル６までを６４Ｋｂｐｓの
音声系通信帯域に、および、チャネル７の８Ｋｂｐｓの
サブチャネル４チャネルを音声データを８Ｋｂｐｓに圧
縮して通信する音声系通信帯域に、チャネル７の残りの
サブチャネルとチャネル８を各通信速度に対応したサブ
レート多重によるデータ系通信帯域に用いるパターンと
して登録されている。

【００２９】図９を用いて、帯域変更時のデータ端末の
通信速度変更の局間のシーケンスを示す。図９（Ａ）に
示すように、音声系通信帯域の呼トラフィックを監視し
た結果、帯域変更の必要性を検出した主導局１０Ａは、
「速度変更」メッセージＭ４を従属局１０Ｂに送信し、
端末条件を通知する。「帯域変更」メッセージＭ４を受
信した従属局１０Ｂは、「速度変更」メッセージＭ４の
内容から該当する端末３２Ｂを認識し、該当する端末３
２Ｂが速度変更可能であるか否かを判断する。該当する
端末３２Ｂが速度変更可能である場合は、「速度変更確
認」メッセージＭ５を送出して該当する端末３２Ｂが速
度変更可能であることを主導局１０Ａに通知するととも
に、該当するデータ端末３２Ｂに対して「速度変更」メ
ッセージＭ４で指示された速度のクロックを供給する。
「速度変更確認」メッセージＭ５を受信した主導局１０
Ａは、通信速度を変更するデータ端末３２Ａに対し速度
変更後のクロックを供給する。以上の処理によって、デ
ータ端末の通信速度を変更することができる。

【００３０】一方、主導局１０Ａから「速度変更」メッ
セージＭ４を従属局１０Ｂに送信した場合、従属局１０
Ｂが通信速度変更に対応できない場合のシーケンス（イ
リーガルシケンス）を図９（Ｂ）を用いて説明する。従
属局１０Ｂは、「速度変更」メッセージＭ４を受信する
と、該当するデータ端末３２Ｂが速度変更可能か否か判
断し、速度変更不可の場合は、再度判断を行う。これら
の判断の結果速度変更が不可能であるときには、従属局
１０Ｂは、主導局１０Ａへ図５（Ｃ）に示す「速度変更
不可」メッセージＭ３を送出して速度変更のキャンセル
を通知する。「速度変更不可」メッセージＭ３を受信し
た主導局１０Ａは、他の帯域パターンを選択して再度速
度変更メッセージＭ４を送出する。この処理によって、
主導局１０Ａは、速度変更可能な帯域パターンを選択す
ることができる。

【００３１】さらに、主導局１０Ａから「速度変更」メ
ッセージＭ４を従属局１０Ｂに送信したが、従属局１０
Ｂから応答が無い場合のシーケンス（イリーガルシケン
ス）を図９（Ｃ）を用いて説明する。主導局１０Ａは、
「速度変更」メッセージＭ４を従属局１０Ｂに送信した
後所定時間経過しても応答が無いときには、図５（Ｃ）
に示す「速度変更不可」メッセージＭ３を従属局１０Ｂ
へ送出して、速度変更のキャンセルを通知する。

【００３２】図１０を用いて、記憶装置１８に格納され
るデータの構成説明する。図１０（Ａ）は局間を結ぶル
ート毎のトラフィックパターンデータの内容を示してい
る。ルート毎トラフィックパターンデータＤ１は、ＲＯ
Ｍエリア（読出専用エリア）に位置付けられる構成情報
データとして登録され、ルート番号Ｄ１１毎にサンプリ
ング周期データＤ１２と、音声系トラフィック値データ
Ｄ１３と、このトラフィック値に対応した帯域パターン
データＤ１４で構成される。このように、トラフィック
値データとパターンデータの組合わせを複数組持つこと
によって、トラフィックに応じてより細かい帯域を確保
するサービスが可能となる。

【００３３】図１０（Ｂ）は、ルート毎のトラフィック
ステータスデータの内容を示している。ルート毎トラフ
ィックステータスＤ２は、ＲＡＭエリア（読出、書込エ
リア）に位置付けられ、ルート毎のトラフィックパター
ンをリアルタイムに確保するステータスエリアとして制
御される。

【００３４】図１０（Ｃ）は、内線端末が通話路スイッ
チ１１の通話路トランクに収容される位置毎の速度パタ
ーンを示すデータである収容位置毎速度パターンデータ
を示している。収容位置毎速度パターンデータＤ３は、
ＲＯＭエリア（読出専用エリア）に位置付けられて構成
された情報データとして登録され、収容位置Ｄ３１毎の
トラフィックパターンの速度データＤ３２で構成され
る。

【００３５】本発明は音声トラフィックに応じた帯域幅
変更によるデータ端末の速度変更方式であるが、中継網
の障害等によるバックアップ等帯域幅が可変となるネッ
トワーク構成においても有効である。

【００３６】

【発明の効果】以上のように本発明は、動的通信帯域を
有する中継装置の通信帯域制御方式において、通信帯域
を音声系端末用帯域とデータ系端末用帯域に分割して使
用し、通信帯域のトラフィックに応じて音声系端末用帯
域とデータ系端末用帯域の割合をリアルタイムに変動さ
せるようにしたので、音声呼のトラフィックに応じたデ
ータ呼の回線帯域の有効活用率を引き上げることを可能
にする通信帯域制御方式を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明にかかる中継方式が適用されるシステム
の構成図。

【図２】本発明にかかる中継方式が適用されるシステム
の回線制御装置と中継回線の接続関係を示す図。

【図３】従来の回線制御装置における通常動作の例を示
す図。

【図４】本発明にかかるデータ／音声の帯域確保方式の
働きを説明する概念図。

【図５】本発明にかかる局間速度変更メッセージの内容
を説明する図。

【図６】本発明にかかる回線制御装置におけるデータ／
音声の帯域変更動作の例を示す図。

【図７】本発明にかかる局間帯域変更シーケンスを示す
図。

【図８】本発明にかかる局間帯域変更メッセージ内容を
示す図。

【図９】本発明にかかる局間帯域変更シーケンスを示す
図。

【図１０】本発明にかかるデータ／音声の帯域確保方式
用いるデータ構成を示す図。

【符号の説明】

１０回線制御装置１１通話路スイッチ１２音声系通話路トランク（ＬＩＮ）１３データ系通話路トランク（ＭＶＸ）１４中継網トランク（ＭＵＸ）１５中継回線制御メッセージ送受信回路（ＬＡＰＤ）１６中央制御バス１７中央制御装置（ＣＰＵ）１８主記憶装置（ＭＥＭ）２０中継網（ＳＤ−Ｉインターフェース）２０Ｖ音声通信帯域２０Ｄデータ通信帯域２０Ｄｐ局間メッセージ帯域２０Ｃ音声／データ共用帯域３１内線音声端末３２内線データ端末

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】動的通信帯域を有する中継装置の通信帯
域制御方式において、通信帯域を音声系端末用通信帯域
とデータ系端末用通信帯域に分割して使用し、通信帯域
のトラフィックに応じて音声系端末用通信帯域とデータ
系端末用通信帯域の割合をリアルタイムに変動させるよ
うにした中継装置の通信帯域制御方式。
【請求項２】動的通信帯域を有する中継装置が、多重
化装置又は構内電子交換機である請求項１記載の中継装
置の通信帯域制御方式。
【請求項３】通信帯域のトラフィックを音声呼量によ
って把握する請求項１又は請求項２記載の中継装置の通
信帯域制御方式。
【請求項４】動的通信帯域を有する中継装置の通信帯
域制御方式において、通信帯域を音声系端末用通信帯域
とデータ系端末用通信帯域に分割して使用し、通信帯域
のトラフィックに応じてデータ端末の速度をリアルタイ
ムに変更するようにした中継装置の通信帯域制御方式。
【請求項５】動的通信帯域を有する中継装置が、多重
化装置又は構内電子交換機である請求項４記載の中継装
置の通信帯域制御方式。
【請求項６】通信帯域のトラフィックを音声呼量によ
って把握する請求項４又は請求項５記載の中継装置の通
信帯域制御方式。
【請求項７】動的通信帯域を有する中継装置の通信帯
域制御方式において、通信帯域を音声系端末用通信帯域
とデータ系端末用通信帯域に分割して使用し、通信帯域
のトラフィックに応じて音声系端末用通信帯域とデータ
系端末用通信帯域の割合とデータ端末の速度をリアルタ
イムに変動させるようにした中継装置の通信帯域制御方
式。
【請求項８】動的通信帯域を有する中継装置が、多重
化装置又は構内電子交換機である請求項７記載の中継装
置の通信帯域制御方式。
【請求項９】通信帯域のトラフィックを音声呼量によ
って把握する請求項７又は請求項８記載の中継装置の通
信帯域制御方式。